説明

電子機器筺体の取り付け構造

【課題】電子機器筺体の取り付けは、ねじ止め式、マグネット固定式のどちらも可能で、加工も簡単である電子機器筺体の取り付け構造を提供する。
【解決手段】電子機器筺体1の裏面には、マグネット4の取り付け凹部5を設けると共に、取り付け凹部5の略中央部にねじ挿通孔6を設け、電子機器筺体1を分電盤にねじ止めするためと、マグネット4を電子機器筺体1に固定するためとにねじ挿通孔6を共用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤に、ねじ止めまたは、マグネットによる固定により取り付けて用いられる、電子機器を収納する電子機器筺体の取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器筺体は、基台に基板等の電子機器を載置し、基台正面は、カバー体で施蓋して構成される。電気使用量を計測するための計測器等を収納した電子機器筺体は、分電盤内部や、分電盤のキャビネットの外側に、取り付けて用いられる。電子機器筺体の取り付けは、ねじ止めされることが多く、基台背面にねじ挿通孔が設けられていて、このねじ挿通孔にねじを挿通し、電子機器筺体に配置された取り付け板にねじをねじこんで固定されていた。
【0003】
または、基台裏面にマグネットを備え、分電盤の扉体など金属製の部分に吸着して固定させることもあった。
【0004】
電子機器筺体をねじ止め式として用いるか、マグネット固定式として用いるかは、取り付けの際に選択できるように、基台には、ねじ挿通孔とマグネット取り付け部とをそれぞれに形成していた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】2007カワムラ総合カタログ電設資材編 平成19年6月20日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子機器筺体の使い勝手を向上させるため、電子機器筺体の取り付け方法をねじ止め式とマグネット固定式とに選択できるようにする。しかしながら、ねじ止め式として用いるために、ねじ挿通孔を、マグネット固定式として用いるために、マグネットを取り付けるための取り付け部とを形成する必要があり、その加工に手間がかかるという欠点があった。また、ねじ挿通孔とマグネット取り付け部とをそれぞれ形成することで、電子機器筺体の内部に機器を取り付けることのできる部分が限定されてしまうという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、電子機器筺体の取り付けは、ねじ止め式、マグネット固定式のどちらも可能で、加工も簡単である電子機器筺体の取り付け構造を提供することを目的とし、電子機器筺体の裏面には、マグネットの取り付け凹部を設けると共に、取り付け凹部の略中央部にねじ挿通孔を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子機器筺体の取り付け構造は、電子機器筺体の裏面には、マグネットの取り付け凹部を設けると共に、取り付け凹部の略中央部にねじ挿通孔を設けたため、電子機器筺体の加工が簡単であるので、安価に使い勝手の良い電子機器筺体が提供できるようになる。また、電子機器筺体を分電盤にねじ止めするためと、マグネットを電子機器筺体に固定するためとにねじ挿通孔を共用することで、電子機器筺体の内部スペースを機器の配置に有効に利用することができるようになり、小型化の進む電子機器にとって、大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は電子機器筺体をねじ止め式として用いる実施例を示した説明図である。
【図2】図2は電子機器筺体をマグネット固定式として用いる実施例を示した説明図である。
【図3】図3は電子機器筺体をマグネット固定式として用いる実施例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る電子機器筺体の取り付け構造の実施例を図1〜図3の添付図面に基いて説明する。図1は、電子機器筺体をねじ止め式として用いる様子を示し、図2〜図3は、電子機器筺体をマグネット固定式として用いる様子を示している。
【0011】
本発明に係る電子機器筺体1は、基板等の電子機器を載置する基台2と、この基台2前面開口を被覆するカバー体3とから構成される。このような電子機器筺体1は、例えば電力使用量を表示する機器として用いられ、分電盤のキャビネット内部やキャビネットの扉に取り付けられる。
【0012】
図3に示すように、電子機器筺体1の基台2の裏面には、マグネット4を取り付けるためのマグネット取り付け凹部5を形成している。大きさや数については、電子機器筺体1の大きさに合わせて適宜変更可能である。図3では、上下二ケ所に形成している。マグネット取り付け凹部5の略中央部には、ねじ挿通孔6を設ける。また、図1〜図2に示すように、カバー体3にもこのねじ挿通孔6に対向する位置に挿通孔7を形成する。
【0013】
電子機器筺体1を分電盤内部にねじ止めして固定する場合には、基台2正面開口をカバー体3で被覆した状態で、カバー体3の正面から挿通孔7とねじ挿通孔6とにそれぞれねじ8を挿通し、分電盤に設置されている機器取り付け板(図示せず)にねじこんで固定する。このとき用いるねじ8は、カバー体3、基台2を貫通し、機器取り付け板に到達、ねじこみできる長さである。
【0014】
また、電子機器筺体1を分電盤の扉等の金属に固定または、仮設置する場合には、ねじ挿通孔6には、スペーサ9を差し込む。スペーサ9は、マグネット4を支持する機能と、マグネット4を電子機器筺体1に固定するためのねじ受けの機能を持つ。基台2裏面に形成したマグネット取り付け凹部5に略中央部に挿通穴10を有するマグネット4を置き、小ねじ11を挿通し、ねじ挿通孔6に差し込んだスペーサ9とでマグネット4を固定する。そのマグネット4の吸着力で分電盤に取り付ける。マグネット4を固定する小ねじ11は、電子機器筺体1を分電盤に取り付けるときに、分電盤に傷をつけないよう、マグネット4表面から突出しない頭部の平らなものが良い。
【0015】
電子機器筺体1を分電盤に取り付ける場合、ねじ止め式で確実に固定する場合と、マグネット4で取り付け取り外しも可能にする場合と、どちらか片方の方法を選択できれば良いため、電子機器筺1体を分電盤にねじ止めするためと、マグネット4を電子機器筺体1に固定するためと、ねじ挿通孔6を共用することができる。
【0016】
電子機器筺体1を分電盤にねじ止めするためと、マグネット4を電子機器筺体1に固定するためとにねじ挿通孔6を共用することで、基台2のスペースを機器の配置に有効に利用できるようになる。
【符号の説明】
【0017】
1 電子機器筺体
2 基台
3 カバー体
4 マグネット
5 マグネット取り付け凹部
6 ねじ挿通孔
7 挿通孔
8 ねじ
9 スペーサ
10 挿通穴
11 小ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分電盤にねじ止めまたは、マグネットによる固定により取り付けて用いられる、電子機器を収納する電子機器筺体の取り付け構造であって、前記電子機器筺体の裏面には、前記マグネットの取り付け凹部を設けると共に、該取り付け凹部の略中央部にねじ挿通孔を設けたことを特徴とする電子機器筺体の取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−183716(P2010−183716A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24482(P2009−24482)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】