説明

電子機器

【課題】通話を行うときに充電器から電磁波によって電力を受電する場合でも、通話を継続することができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、充電器から電磁波によって電力を受電する受電部60と、電子機器がユーザの耳に近接された場合における音声出力モードである第1モード、又は電子機器がユーザの耳から離間された場合における音声出力モードである第2モードにて音声出力するスピーカ部61と、を備える。スピーカ部61は、受電部60が電力を受電している場合には、第2モードにて音声出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電器から出力される電磁波によって電力を受電することが可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の電子機器には、ドライブレコーダとして機能させるために、自動車に搭載されるものがある。その電子機器は、自動車に搭載されると、電子機器を収容するクレドール(非接触型の充電器)から電力が供給されると共に、ヘッドセット等のハンズフリー機器と通信して接続するようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−171798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電子機器は、自動車に搭載されていない場合には、電力が連続して供給されることはなく、またハンズフリーモードで通話することができない。
そして、その電子機器は、例えば、自動車に搭載されていないときに通話が行われることにより、二次電池の充電容量が少なくなった場合には、非接触充電をしなければならないが、自動車に搭載されていないためハンズフリーモードで通話をすることができない。
したがって、その電子機器の非接触充電が行われている場合には、ユーザは、その電子機器から離れて通話を行わなければならず、通話を継続することが困難であった。
【0005】
本発明は、通話を行うときに充電器から電磁波によって電力を受電する場合でも、通話を継続することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、充電器から電磁波によって電力を受電する受電部と、電子機器がユーザの耳に近接された場合における音声出力モードである第1モード、又は電子機器がユーザの耳から離間された場合における音声出力モードである第2モードにて音声出力するスピーカ部と、を備え、前記スピーカ部は、前記受電部が電力を受電している場合には、前記第2モードにて音声出力することを特徴とする。
【0007】
また、電子機器は、前記充電器を識別するための識別情報を受信し、当該識別情報に基づいて、所定の場所に配置された充電器であるか否かを判断する判断部をさらに備え、前記スピーカ部は、前記判断部によって前記所定の場所に配置された充電器であると判断された場合には、前記受電部で電力を受電するときに、前記第2モードで音声出力することが好ましい。
【0008】
また、電子機器は、前記判断部によって前記所定の場所以外の他の場所に配置された充電器であると判断された場合には、音声を文字に変換する変換部と、前記変換部によって変換された文字を表示する表示部と、をさらに備えることが好ましい。
【0009】
また、電子機器は、前記充電器に第2のスピーカが配置される場合には、前記第2モードになると、前記充電器に配置された第2のスピーカから音声を出力させるよう、当該音声のデータを前記充電器に送信する送信部をさらに備えることが好ましい。
【0010】
また、電子機器は、前記充電器から電子機器が離れたことを検出する検出部をさらに備え、前記スピーカ部は、前記第2モードで音声出力している場合に、前記検出部によって前記充電器から電子機器が離れたことを検出されると、前記第1モードで音声出力することが好ましい。
【0011】
また、電子機器は、通信網に接続して音声のデータを受信することが可能な通信部をさらに備え、前記スピーカ部は、前記音声のデータに基づいた前記音声を出力することが好ましい。
【0012】
また、前記第2モードは、前記スピーカ部から出力される音声の音量が前記第1モードの場合よりも大きいモードであることが好ましい。
【0013】
また、スピーカ部は、電子機器がユーザの耳に近接された場合に、ユーザの耳に近接するレシーバと、レシーバとは異なる位置に配置されたスピーカとを備え、前記第1モードの場合には、前記レシーバから音声が出力され、前記第2モードの場合には、前記スピーカから音声が出力されることが好ましい。
【0014】
また、本発明の電子機器は、充電器から電磁波によって電力を受電する受電部と、ユーザの耳に当接されることによって音声をユーザに伝える骨伝導部と、音声出力するスピーカ部と、を備え、前記受電部が電力を受電していない場合には、前記骨伝導部を駆動させ、前記受電部が電力を受電している場合には、前記スピーカ部を駆動させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電子機器は、充電器から電磁波によって電力を受電する受電部と、ユーザの耳に当接されることによって音声をユーザに伝える軟骨伝導部と、音声出力するスピーカ部と、を備え、前記受電部が電力を受電していない場合には、前記軟骨伝導部を駆動させ、前記受電部が電力を受電している場合には、前記スピーカ部を駆動させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通話を行うときに充電器から電磁波によって電力を受電する場合でも、通話を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係るスマートフォンの外観を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係るスマートフォンの外観を示す正面図である。
【図3】実施形態に係るスマートフォンの外観を示す背面図である。
【図4】ホーム画面の一例を示す図である。
【図5】実施形態に係るスマートフォンの機能を示すブロック図である。
【図6】充電器の機能を示すブロック図である。
【図7】コントローラの機能を示すブロック図である。
【図8】第1モード及び第2モードを切り替える基本動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】スマートフォンの変形例について説明するための概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、電子機器の一例として、スマートフォンについて説明する。
【0019】
(実施形態)
図1から図3を参照しながら、実施形態に係るスマートフォン1の外観について説明する。図1から図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
【0020】
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、カメラ13をバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、外部インターフェイス14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
【0021】
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electro−Luminescence panel)、又は無機ELパネル(Inorganic Electro−Luminescence panel)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号又は図形等を表示する。
【0022】
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーンディスプレイ2に対する指、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、又はスタイラスペン等がタッチスクリーンディスプレイ2に接触した位置を検出することができる。
【0023】
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下では、説明を簡単にするため、タッチスクリーン2Bがタッチスクリーンディスプレイ2に対する接触を検出する指、又はスタイラスペン等を単に「指」ということがある。
【0024】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触位置、接触時間又は接触回数に基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーンディスプレイ2に対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャには、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、ピンチアウト等が含まれる。
【0025】
タッチは、一の接触によるジェスチャである。すなわち、タッチは、タッチスクリーンディスプレイ2(例えば、表面)に指が接触するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2に指が接触するジェスチャをタッチとして判別する。ロングタッチとは、タッチスクリーンディスプレイ2に指が一定時間以上接触するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2に指が一定時間以上接触するジェスチャをロングタッチとして判別する。
【0026】
リリースは、指がタッチスクリーンディスプレイ2から離れるジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーンディスプレイ2から離れるジェスチャをリリースとして判別する。スワイプは、指がタッチスクリーンディスプレイ2上に接触したままで移動するジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーンディスプレイ2上に接触したままで移動するジェスチャをスワイプとして判別する。
【0027】
タップは、タッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャをタップとして判別する。ダブルタップは、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャをダブルタップとして判別する。
【0028】
ロングタップは、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャをロングタップとして判別する。ドラッグは、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャである。スマートフォン1は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャをドラッグとして判別する。
【0029】
フリックは、タッチに続いて指が一方方向へ高速で移動しながらリリースするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いて指が一方方向へ高速で移動しながらリリースするジェスチャをフリックとして判別する。フリックは、指が画面の上方向へ移動する上フリック、指が画面の下方向へ移動する下フリック、指が画面の右方向へ移動する右フリック、指が画面の左方向へ移動する左フリック等を含む。
【0030】
ピンチインは、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャをピンチインとして判別する。ピンチアウトは、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャをピンチアウトとして判別する。
【0031】
本実施形態では、1本の指により行われるジェスチャをシングルタッチジェスチャと呼ぶことがある。また、本実施形態では、2本以上の指により行われるジェスチャをマルチタッチジェスチャと呼ぶことがある。ピンチイン及びピンチアウトは、マルチタッチジェスチャである。また、タップ、フリック及びスワイプ等は、1本の指で行われればシングルタッチジェスチャであり、2本以上の指で行われればマルチタッチジェスチャである。
【0032】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。したがって、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、タッチスクリーンディスプレイ2に表示されている画面に応じて異なる。
【0033】
図4を参照しながら、ディスプレイ2Aに表示される画面の例について説明する。図4は、ホーム画面の一例を示している。ホーム画面は、デスクトップ、又は待受画面と呼ばれることもある。ホーム画面は、ディスプレイ2Aに表示される。ホーム画面は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションのうち、どのアプリケーションを実行するかを利用者に選択させる画面である。スマートフォン1は、ホーム画面で選択されたアプリケーションをフォアグランドで実行する。フォアグランドで実行されるアプリケーションの画面は、ディスプレイ2Aに表示される。
【0034】
スマートフォン1は、ホーム画面にアイコンを配置することができる。図4に示すホーム画面40には、複数のアイコン50が配置されている。それぞれのアイコン50は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションと予め対応付けられている。スマートフォン1は、アイコン50に対するジェスチャを検出すると、そのアイコン50に対応付けられているアプリケーションを実行する。例えば、スマートフォン1は、メールアプリケーションに対応付けられたアイコン50に対するタップを検出すると、メールアプリケーションを実行する。ここで、スマートフォン1は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2に対するアイコン50の表示位置(領域)に対応する位置(領域)へのジェスチャを、アイコン50に対応付けられたアプリケーションの実行命令であると解釈する。
【0035】
アイコン50は、画像と文字列を含む。アイコン50は、画像に代えて、記号又は図形を含んでもよい。アイコン50は、画像又は文字列のいずれか一方を含まなくてもよい。アイコン50は、所定の規則に従って配置される。アイコン50の背後には、壁紙41が表示される。壁紙は、フォトスクリーン又はバックスクリーンと呼ばれることもある。スマートフォン1は、任意の画像を壁紙41として用いることができる。画像は、例えば、利用者の設定に従って任意の画像が壁紙41として決定される。
【0036】
スマートフォン1は、ホーム画面の数を増減することができる。スマートフォン1は、例えば、ホーム画面の数を利用者による設定に従って決定する。スマートフォン1は、ホーム画面を表示する場合、ホーム画面の数が複数であっても、それらのうちから選択された1つをディスプレイ2Aに表示する。
【0037】
スマートフォン1は、ホーム画面上に、1つ又は複数のロケータを表示する。ロケータの数は、ホーム画面の数と一致する。ロケータは、現在表示されているホーム画面の位置を示す。現在表示されているホーム画面に対応するロケータは、他のロケータと異なる態様で表示される。
【0038】
図4に示す例では、4つのロケータ51が表示されている。これは、ホーム画面40の数が4つであることを示す。また、図4に示す例では、左から2番目のシンボルが他のシンボルと異なる態様で表示されている。これは、左から2番目のホーム画面が現在表示されていることを示している。
【0039】
スマートフォン1は、ホーム画面を表示中に特定のジェスチャを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を切り替える。例えば、スマートフォン1は、右フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ左のホーム画面に切り替える。また、スマートフォン1は、左フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ右のホーム画面に切り替える。
【0040】
ディスプレイ2Aの上端には、領域42が設けられている。領域42には、充電池の残量を示す残量マーク43、及び通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク44が表示される。スマートフォン1は、領域42に、現在時刻、天気の情報、実行中のアプリケーション、通信システムの種別、電話のステータス、装置のモード、装置に生じたイベント等を表示してもよい。このように、領域42は、利用者に対して各種の通知を行うために用いられる。領域42は、ホーム画面40とは別の画面でも設けられることがある。領域42が設けられる位置は、ディスプレイ2Aの上端に限られない。
【0041】
なお、図4に示したホーム画面40は、一例であり、各種の要素の形態、各種の要素の配置、ホーム画面40の数、及びホーム画面40での各種の操作の仕方等は上記の説明の通りでなくてもよい。
【0042】
図5は、スマートフォン1の構成を示すブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、カメラ12及び13と、外部インターフェイス14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、回転検出センサ17とを有する。
【0043】
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、ジェスチャを検出する。
【0044】
ボタン3は、利用者によって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタンに対する操作を検出する。ボタンに対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュである。
【0045】
例えば、ボタン3A〜3Cは、ホームボタン、バックボタン又はメニューボタンである。例えば、ボタン3Dは、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。例えば、ボタン3E及び3Fは、それぞれ音量を上げるボタン、音量を下げるボタンである。
【0046】
照度センサ4は、照度を検出する。例えば、照度とは、光の強さ、明るさ、輝度等である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。
【0047】
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。
【0048】
通信ユニット(通信部)6は、無線により通信する。通信ユニット6によって行われる通信方式は、無線通信規格である。例えば、無線通信規格として、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。例えば、セルラーフォンの通信規格としては、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA、CDMA2000、PDC、GSM、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。例えば、無線通信規格として、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。したがって、通信ユニット6は、通信網に接続して通話のための通信を行うことが可能である。
【0049】
レシーバ7は、コントローラ10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換してコントローラ10へ送信する。なお、スマートフォン1は、レシーバ7に加えて、スピーカをさらに有してもよい。スマートフォン1は、レシーバ7に代えて、スピーカをさらに有してもよい。
【0050】
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。また、ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶デバイス、及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスを含んでよい。また、ストレージ9は、複数の種類の記憶デバイスを含んでよい。また、ストレージ9は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。
【0051】
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに所定の画面を表示させ、タッチスクリーン2Bによって検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
【0052】
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、メールアプリケーション9B、ブラウザアプリケーション9C、設定データ9Zを記憶する。メールアプリケーション9Bは、電子メールの作成、送信、受信、及び表示等のための電子メール機能を提供する。ブラウザアプリケーション9Cは、WEBページを表示するためのWEBブラウジング機能を提供する。テーブル9Dは、キーアサインテーブル等の各種テーブルが格納されている。配置パターンデータベース9Eは、ディスプレイ2Aに表示されるアイコン等の配置パターンが格納されている。設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定機能を提供する。
【0053】
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。なお、制御プログラム9Aが提供する機能は、メールアプリケーション9B等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
【0054】
コントローラ10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。コントローラ10は、通信ユニット6等の他の構成要素が統合されたSoC(System−on−a−chip)等の集積回路であってもよい。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
【0055】
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、ディスプレイ2A及び通信ユニット6等を制御することによって各種機能を実現する。コントローラ10は、タッチスクリーン2B、ボタン3、加速度センサ15等の各種検出部の検出結果に応じて、制御を変更することもある。
【0056】
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
【0057】
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
【0058】
外部インターフェイス14は、他の装置が接続される端子である。外部インターフェイス14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト)、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。外部インターフェイス14は、Dockコネクタのような専用に設計された端子でもよい。外部インターフェイス14に接続される装置には、例えば、外部ストレージ、スピーカ、通信装置が含まれる。
【0059】
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを検出する。回転検出センサ17は、スマートフォン1の回転を検出する。加速度センサ15、方位センサ16及び回転検出センサ17の検出結果は、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
【0060】
ここで、スマートフォン1に電力を供給する非接触型の充電器100の概略について説明する。図6は、充電器100の機能を示すブロック図である。
充電器100は、無線通信部101と、スピーカ102と、送電部103と、を備える。無線通信部101は、スマートフォン1が充電器100に近づいた場合に、スマートフォン1と通信を行う。また、無線通信部101は、充電器100を識別するための識別情報を定期的に送信する。スピーカ102は、音声を出力する。送電部103は、コイル又はアンテナ等を備え、そのコイル又はアンテナ等から電磁波を出力する。その電磁波がスマートフォン1によって受信されると、スマートフォン1は、電磁波によって電力を受電する。また、制御部104は、無線通信部101、スピーカ102及び送電部103を制御する。
【0061】
次に、スマートフォン1の特徴部分について説明する。上述したように構成されるスマートフォン1は、通話を行うときに充電器100から電力を受電する場合でも、通話を継続することができる機能を有する。
具体的には、スマートフォン1は、図5に示すように、非接触型の充電(非接触充電)を可能にする受電部60と、スピーカ部61とを備える。
【0062】
受電部60は、充電器100(図6参照)から電磁波によって電力を受電する。すなわち、受電部60は、充電器100から出力された電磁波をコイル(図示せず)で受電し、電磁誘導にて当該電磁波の単位時間あたりのエネルギーを電力に変換する。受電部60は、変換された電力を二次電池(図示せず)に充電する。
【0063】
スピーカ部61は、スマートフォン1(ハウジング20)がユーザの耳に近接された場合における音声出力モードである第1モード、又はスマートフォン1(ハウジング20)がユーザの耳から離間された場合における音声出力モードである第2モードにて音声を出力する。
【0064】
第1モードは、スマートフォン1がユーザの耳に近づけられた場合に、最適化された音量にてスピーカ部61から音声が出力され、スマートフォン1がユーザの耳から離された場合に、ユーザにとって小さすぎる音量でスピーカ部61から音声が出力されるモードである。
【0065】
第2モードは、例えば、スピーカ部61から出力される音声の音量が第1モードの場合よりも大きいモードである。スピーカ部61から第2モードにて音声が出力される場合には、ユーザは、スマートフォン1をそのユーザの耳の近くに配置しなくとも、音量が大きいためスピーカ部61から出力される音声を聞くことができる。すなわち、第2モードは、ハンズフリーモードである。
【0066】
また、スピーカ部61は、レシーバ7と、スピーカ62とを備えることが好ましい。レシーバ7は、スマートフォン1がユーザの耳に近接された場合に、ユーザの耳に近接する。スピーカ62は、レシーバ7とは異なる位置に配置される。例えば、第1モードの場合には、レシーバ7から音声が出力される。また、第2モードの場合には、スピーカ62から音声が出力される。
【0067】
また、スピーカ部61は、受電部60が電力を受電している場合には、第2モードにて音声を出力する。すなわち、コントローラ10は、通信ユニット6によって通話のための通信が行われている場合に、スマートフォン1が非接触型の充電器100に置かれると、スピーカ部61から音声が出力されるモードを第1モードから第2モードに切り替える。これにより、スピーカ部61は、通信ユニット6によって通話のための通信が行われることにより得られた相手側の音声を第2モードにて出力する。ここで、コントローラ10は、受電部60によって電力が受電された場合(一例として、予め定めた閾値以上の電力を受電した場合)に、スマートフォン1が充電器100に置かれたと判断する。
【0068】
これにより、スマートフォン1は、通話を行うときに充電器100から送信された電磁波に基づいて電力に変換する場合でも、通話を継続させることができる。
【0069】
なお、コントローラ10は、第2モードになる場合に、ユーザによってボタン3E(図1参照)が操作されると、スピーカ部61から出力される音声の音量を大きくし、ユーザによってボタン3F(図1参照)が操作されると、スピーカ部61から出力される音声の音量を小さくすることが好ましい。
また、コントローラ10は、マイクによってスマートフォン1の周囲の雑音を入力し、その雑音よりもスピーカ部61から出力される音声が大きくなるように音量を調整することが好ましい。
【0070】
また、スマートフォン1は、受信部63と、判断部10Aとをさらに備えることが好ましい。受信部63は、充電器100を識別するための識別情報をその充電器100から受信する。すなわち、受信部63は、スマートフォン1が充電器100に近づいた場合、より具体的には、充電器100に配置される無線通信部101の通信範囲内にスマートフォン1が入った場合に、無線通信部101から送信された識別情報を受信する。識別情報は、充電器100毎に設定されており、例えば、数字データ又は文字データから構成される。
【0071】
判断部10Aは、受信部63によって受信された識別情報に基づいて、当該識別情報を送信した充電器が所定の場所に配置された充電器100であるか否かを判断する。判断部10Aは、図7に示すように、コントローラ10の一機能として実現される。所定の場所は、例えば、ユーザの自宅等の公共の場所ではない所である。
ストレージ9には、所定の場所に配置された充電器100の識別情報が予め記憶されている。判断部10Aは、受信部63によって受信された識別情報と、ストレージ9に予め記憶された識別情報とに基づいて、所定の場所に配置された充電器100であるか否かを判断する。
【0072】
スピーカ部61は、判断部10Aによって所定の場所に配置された充電器100であると判断された場合には、受電部60で電力を受電するときに、第2モードで音声出力する。すなわち、コントローラ10は、通信ユニット6によって通話が行われている場合に、スマートフォン1が非接触型の充電器100に置かれることにより、判断部10Aによってその充電器100が所定の場所に配置されたものであると判断されると、スピーカ部61から音声が出力されるモードを第1モードから第2モードに切り替える。これにより、スピーカ部61は、第2モードにて音声を出力する。
【0073】
よって、スマートフォン1は、公共の場所ではない所定の場所に配置された充電器100に置かれた場合には第2モードに設定されるので、出力される音声が第三者に聞かれることを低減でき、また通話の音声によって第三者に迷惑がかかることを低減することができる。
【0074】
また、スマートフォン1は、図5に示すように、変換部64をさらに備えることが好ましい。変換部64は、上述した判断部10Aによって所定の場所以外の他の場所に配置された充電器100であると判断された場合には、音声を文字に変換する。すなわち、コントローラ10は、判断部10Aによって所定の場所以外の他の場所に配置された充電器100であると判断された場合には、通信ユニット6によって取得された相手側の音声のデータを変換部64に供給する。変換部64は、通信ユニット6によって取得された相手側の音声のデータを音声認識によって文字情報に変換する。コントローラ10は、変換部64によって変換された文字情報を取得すると、その文字情報に基づく文字をタッチスクリーンディスプレイ2(表示部)に表示させる。すなわち、タッチスクリーンディスプレイ2は、変換部64によって変換された文字を表示する。
【0075】
また、コントローラ10は、判断部10Aによって所定の場所以外の他の場所に配置された充電器100であると判断された場合には、充電器100に対向しない面に配置されたカメラ12又はカメラ13によってユーザの顔を撮像させる。具体的な一例としては、コントローラ10は、カメラ12及びカメラ13の両方を起動させ、それぞれのカメラ12,13によって撮像された画像を認識して、顔が撮像されているか否かを判断する。そして、コントローラ10は、充電器100に対向する面に配置されたカメラでは顔を撮像することができないので、画像認識(顔認識)を行うことができない。このため、コントローラ10は、顔認識を行うことができない画像を撮像したカメラの動作を停止させる。さらに、コントローラ10は、カメラによって撮像された画像に基づいて顔を認識することができた場合には、ユーザの口の動きを読み取って何を喋っているのか認識し、認識の結果に基づいた音声のデータを通信ユニット6によって相手側の携帯電話機に送信させる。その認識及び音声出力には、例えば、口の形と、その口の形のときに発話される言葉と、その言葉の音声とを対応付けた、ストレージ9に記憶されたデータが利用される。これにより、コントローラ10は、ユーザが声を発しなくとも、口を動かすだけでその口の動き(口の形)に対応する音声をストレージ9から読み出して相手側の携帯電話機に送信する。
【0076】
なお、コントローラ10は、タッチスクリーンディスプレイ2に表示された文字入力ボタンが操作された場合には、操作されたボタン(文字)に対応する音声を通信ユニット6によって相手側の携帯電話機に送信させてもよい。
例えば、文字が割り当てられたボタンと、各ボタンに割り当てられた文字の音声とを対応付けたデータをストレージ9に予め記憶させておく。そして、文字「あ」が割り当てられたボタンが操作された場合には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されたデータを参照することに基づいて、文字「あ」に対応する音声「あ」のデータを通信ユニット6によって相手側の携帯電話機に送信させる。
【0077】
この場合、音声と、その音声を短縮した文字とを対応づけておいてもよい。そして、その文字に対応するボタンが操作された場合には、コントローラ10は、その文字に対応する音声のデータを通信ユニット6によって相手側の携帯電話機に送信させる。
具体的な一例としては、音声「遊びに行きます」と、文字「あ」とを対応付けておく。そして、タッチスクリーンディスプレイ2に表示された、文字「あ」が割り当てられたボタンが操作された場合には、コントローラ10は、文字「あ」に対応付けられている音声「遊びに行きます」のデータを通信ユニット6によって相手側の携帯電話機に送信させる。
【0078】
よって、スマートフォン1は、判断部10Aによって所定の場所以外の他の場所に配置された充電器100であると判断された場合には、第2モードにはならず、相手側の発話をタッチスクリーンディスプレイ2に文字で表示させるので、通話内容が第三者に聞かれることを低減でき、また通話の音声によって第三者に迷惑がかかることを低減できる。
【0079】
また、スマートフォン1は、判断部10Aによって所定の場所以外の他の場所に配置された充電器100であると判断された場合には、ユーザが声を発しなくとも、口を動かすだけでスマートフォン1が当該口の動きに応じた音声のデータに合成して、又は入力された文字から音声のデータを合成して、合成した音声のデータを相手側の携帯電話機に送信するので、通話内容が第三者に聞かれることを低減でき、また通話によって第三者に迷惑がかかることを低減できる。
【0080】
また、スマートフォン1は、送信部65をさらに備えることが好ましい。送信部65は、充電器100にスピーカ102(図6参照)が配置される場合には、第2モードになると、充電器100に配置されたスピーカ102から音声を出力させるよう、当該音声のデータを充電器100に送信する。
【0081】
すなわち、コントローラ10は、通信ユニット6によって通話のための通信が行われている場合に、第2モードになると、通信ユニット6によって取得された相手側の音声のデータを送信部65に供給する。送信部65は、充電器100の無線通信部101(図6参照)に対して、その音声のデータを送信する。充電器100は、無線通信部101によって音声のデータを受信すると、そのデータに基づいた音声をスピーカ102から出力させる。なお、充電器100のスピーカ102から出力される音声の音量は、充電器100に配置された、音量を調整する手段(一例として音量調整ダイヤル)(図示せず)がユーザによって操作されることに基づいて調整される。
【0082】
これにより、スマートフォン1は、第2モードになる場合に、充電器100のスピーカ102から相手側の音声を出力させることができる。
なお、このように、スピーカ102が備えられた充電器100から音声が出力される場合、当該充電器100は、前述した実施形態のように識別情報を送信し、当該充電器100から受信した識別情報に基づいて、スマートフォン1は、音声のデータを充電器100に送信するか否かを決定してもよい。
【0083】
また、スマートフォン1は、検出部をさらに備えることが好ましい。検出部は、充電器100からスマートフォン1が離されたことを検出する。具体的な一例としては、検出部は、加速度センサ15である。すなわち、加速度センサ15は、受電部60によって電力を受電している場合に、加速度が加わると、充電器100からスマートフォン1が離されたことを検出する。この場合、コントローラ10は、スピーカ部61から第2モードで出力される音声を、第1モードで出力されるように切り替える。すなわち、スピーカ部61は、第2モードで音声出力する場合に、加速度センサ15(検出部)によって充電器100とスマートフォン1との距離が離されたことを検出されると、第1モードで音声出力する。
【0084】
なお、検出部は、受電部60であってもよい。この場合、受電部60は、電力を受電している場合に、受電される電力が予め設定された閾値よりも小さくなったときに、充電器100からスマートフォン1が離されたと検出する。
また、検出部は、受信部63であってもよい。この場合、受信部63は、充電器100によって電力が受電されている場合に、充電器100から送信される識別信号を受信できなくなった場合に、充電器100からスマートフォン1が離されたと検出する。
【0085】
受電部60によって電力を受電する場合に、スマートフォン1が充電器100から離れた場合には、ユーザは、スマートフォン1を耳に当てて通話する可能性がある。このため、スマートフォン1は、第1モードでスピーカ部61から音声を出力する。
【0086】
また、コントローラ10は、受電部60によって受電された電力を二次電池に充電する場合に、二次電池の充電容量を監視することにより、二次電池が満充電されるまでの時間、又は二次電池が所定の充電容量(一例として、満充電を100%としたときの60%)に到達するまでは、タッチスクリーンディスプレイ2に充電容量を表示させることが好ましい。これにより、スマートフォン1は、二次電池の充電容量が回復するまでの時間をユーザに示すことができる。
【0087】
次に、第1モード及び第2モードを切り替える基本動作について説明する。図8は、第1モード及び第2モードを切り替える基本動作について説明するためのフローチャートである。
【0088】
ステップST1において、コントローラ10は、通信ユニット6が通話のための通信中であるか否かを判断する。ここで、通話のための通信中の場合には、スピーカ部61(レシーバ7)は、第1モードにて音声を出力する。通話のための通信中ではないと判断された場合(No)には、ステップST1の判断が再度行われる。通話のための通信中であると判断された場合(Yes)には、処理は、ステップST2に進む。
【0089】
ステップST2において、コントローラ10は、非接触充電が開始されたか否かを判断する。すなわち、コントローラ10は、受電部60によって電力が受電された場合に、非接触充電が開始されたと判断する。非接触充電が開始されていない場合(No)には、ステップST2の判断が再度行われる。非接触充電が開始された場合(Yes)には、処理は、ステップST3に進む。
【0090】
ステップST3において、コントローラ10は、通信ユニット6によって通話のための通信が行われることにより得られた相手側の音声をスピーカ部61(レシーバ7又はスピーカ62)から第2モードで出力させる。
【0091】
ステップST4において、コントローラ10は、スマートフォン1が充電器100から離されたか否かを判断する。一例として、コントローラ10は、加速度センサ15によって加速度が検出された場合に、スマートフォン1が充電器100から離されたと判断する。スマートフォン1が充電器100から離れていない場合(No)には、ステップST4の判断が再度行われる。スマートフォン1が充電器100から離れた場合(Yes)には、処理は、ステップST5に進む。
【0092】
ステップST5において、コントローラ10は、通信ユニット6によって通話のための通信が行われることにより得られた相手側の音声をスピーカ部61から第1モードで出力させる。
ステップST5の後は、処理は、終了する。
【0093】
次に、上述したスマートフォン1の変形例について説明する。図9は、スマートフォン1の変形例について説明するための概略ブロック図である。変形例のスマートフォン1は、図5に示す機能構成と同様の構成であるため、構成の詳細な説明を省略する。すなわち、変形例のスマートフォン1は、主に、受電部60と、骨伝導部66と、スピーカ部61(レシーバ7及びスピーカ62)と、を備える。
受電部60は、図5等を用いて説明したものと同構成であり、充電器100から電磁波によって電力を受電する。
【0094】
骨伝導部66は、受電部60が電力を受電していない場合に、スマートフォン1(ハウジング20)がユーザに当接された場合における音声出力モードである第1モードで音声出力する。例えば、骨伝導部66は、音声に基づいて振動する振動部(図示せず)を備え、その振動部の振動をユーザの骨に伝えるようになっている。これにより、ユーザは、骨伝導によって音を聞くことができる。
【0095】
本変形例の場合、コントローラ10は、受電部60によって電力を受電していない場合には、通信ユニット6(図9には図示せず)によって通話のための通信が行われることにより得られた相手側の音声のデータに基づいた振動を骨伝導部66に出力させる。骨伝導部66は、相手側の音声のデータが供給されると、その音声に基づいて上述した振動部を振動させる。そして、スマートフォン1とユーザの頭部とが接触している場合には、振動部により発生した振動は、ユーザの骨に伝達される。これにより、ユーザは、骨伝導によって音を聞くことができる。
【0096】
スピーカ部61は、受電部60が電力を受電している場合に、スマートフォン1(ハウジング20)がユーザの耳から離間された場合における音声出力モードである第2モードで音声出力する。すなわち、コントローラ10は、受電部60が電力を受電している場合には、通信ユニット6(図9には図示せず)によって通話のための通信が行われることにより得られた相手側の音声をスピーカ部61から出力させる。そして、スピーカ部61としてのレシーバ7、又はスピーカ部61としてのスピーカ62は、相手側の音声を出力する。具体的には、コントローラ10は、相対的に大きな音量で相手側の音声をレシーバ7から出力させ、又はユーザが聞くことが可能な音量で相手側の音声をスピーカ62から出力させる。
【0097】
これにより、スマートフォン1は、通話が行われる最中に充電器100から電力を受電する場合でも、通話を継続させることができる。
【0098】
なお、変形例のスマートフォン1は、上述した骨伝導部66の代わりに、軟骨伝導部(図示せず)を備えていてもよい。その軟骨伝導部は、ハウジング20を振動させる圧電振動部を備える。圧電振動部は、通信ユニット6(図9には図示せず)によって通話が行われることにより得られた相手側の音声のデータに基づいて振動する。そして、スマートフォン1がユーザの耳に近づけられた場合には、圧電振動部の振動(ハウジング20の振動)は、ユーザの頭部を構成する軟骨等を介して鼓膜に伝達される。これにより、ユーザは、相手側の音声を聞くことができる。
【0099】
また、上述した実施形態では、通信ユニット6によって通話が行われることにより得られた相手側の音声をスピーカ部61から出力させる場合について説明した。しかしながら、スマートフォン1にイヤホンが接続されている場合には、コントローラ10は、通信ユニット6によって通話が行われることにより得られた相手側の音声をイヤホンから出力させる。
【0100】
また、図5においてストレージ9が記憶することとしたプログラムの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。また、図5においてストレージ9が記憶することとしたプログラムの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。また、図5においてストレージ9が記憶することとしたプログラムの一部又は全部は、外部インターフェイス14に接続される読み取り装置が読み取り可能なCD、DVD、又はBlu−ray(登録商標)等の記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0101】
また、図5に示したスマートフォン1の構成は一例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は図5の例に限定されない。例えば、スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。また、スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてよいし、ボタンを備えなくてもよい。また、図5に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えることとしたが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。また、図5に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えることとしたが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよいし、位置及び姿勢を検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。また、照度センサ4と近接センサ5は、別体ではなく、単一のセンサにより構成されてもよい。
【0102】
本発明を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施例に関し記載してきた。しかし、添付の請求項に係る発明は、上記実施例に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。
【0103】
例えば、図5に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。
【0104】
また、上記の実施形態では、タッチスクリーンディスプレイを備える装置の一例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォンに限定されない。例えば、添付の請求項に係る装置は、モバイルフォン、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、又はゲーム機等の携帯電子機器であってもよい。また、添付の請求項に係る装置は、デスクトップパソコン、テレビ受像器等の据え置き型の電子機器であってもよい。
【0105】
また、上記の実施形態では、コントローラが、第1のシングルタッチジェスチャ及び第2のシングルタッチジェスチャが、1本の指で円弧を描くジェスチャであるものとしたが、これに限られない。
例えば、タッチスクリーン2Bの検出方式が静電容量方式である場合、コントローラ10は、タッチされた面積を検出するようにしてもよい。このようにすることで、コントローラ10は、例えば、指の腹でタッチスクリーンディスプレイ2にタッチされた場合のタッチ面積を検出できる。以下、シングルタッチジェスチャによってタッチスクリーンディスプレイ2に接触した面積を接触面積という。
【0106】
この場合において、コントローラ10は、接触面積が第1の面積以上である状態で、所定時間内に第1の方向(例えば右方向)へ接触位置を移動させるジェスチャが行われると、これらのジェスチャを第1のシングルタッチジェスチャとしてもよい。
また、コントローラ10は、第1の面積以上である状態で、所定時間内に第2の方向(例えば左方向)へ接触位置を移動させるジェスチャが行われると、これらのジェスチャを第2のシングルタッチジェスチャとしてもよい。
【0107】
また、コントローラ10は、接触面積が第2の面積以上である状態において、所定時間内にフリックするジェスチャが行われると、これらのジェスチャを第1のシングルタッチジェスチャとしてもよい。また、コントローラ10は、接触面積が第2の面積より大きい第3の面積以上である状態において、所定時間内にフリックするジェスチャが行われると、これらのジェスチャを第2のシングルタッチジェスチャとしてもよい。
【0108】
本実施形態においては、スマートフォン1には、受信部63を備える構成を記載したものの、実施形態はこれに限られない。例えば、受電部60が、送電部103から電磁波を介して電力を受電すると共に、識別情報等の情報を送信する、電力用の電磁波とは異なる周波数の電磁波を受信するようにしてもよい。
同様に、充電器100も無線通信部101を備えずに、識別情報を送信するための電磁波であって、電力用の電磁波とは周波数の異なる電磁波を送電部103によって送信してもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 スマートフォン
2 タッチスクリーンディスプレイ
6 通信ユニット(通信部)
7 レシーバ
9 ストレージ
10 コントローラ
10A 判断部
12、13 カメラ
15 加速度センサ
20 ハウジング
60 受電部
61 スピーカ部
62 スピーカ
63 受信部
64 変換部
65 送信部
66 骨伝導部
100 充電器
102 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器から電磁波によって電力を受電する受電部と、
電子機器がユーザの耳に近接された場合における音声出力モードである第1モード、又は電子機器がユーザの耳から離間された場合における音声出力モードである第2モードにて音声出力するスピーカ部と、を備え、
前記スピーカ部は、前記受電部が電力を受電している場合には、前記第2モードにて音声出力する
電子機器。
【請求項2】
前記充電器を識別するための識別情報を受信し、当該識別情報に基づいて、所定の場所に配置された充電器であるか否かを判断する判断部をさらに備え、
前記スピーカ部は、前記判断部によって前記所定の場所に配置された充電器であると判断された場合には、前記受電部で電力を受電するときに、前記第2モードで音声出力する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記判断部によって前記所定の場所以外の他の場所に配置された充電器であると判断された場合には、音声を文字に変換する変換部と、
前記変換部によって変換された文字を表示する表示部と、をさらに備える
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記充電器に第2のスピーカが配置される場合には、前記第2モードになると、前記充電器に配置された第2のスピーカから音声を出力させるよう、当該音声のデータを前記充電器に送信する送信部をさらに備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記充電器から電子機器が離れたことを検出する検出部をさらに備え、
前記スピーカ部は、前記第2モードで音声出力している場合に、前記検出部によって前記充電器から電子機器が離れたことを検出されると、前記第1モードで音声出力する
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
通信網に接続して音声のデータを受信することが可能な通信部をさらに備え、
前記スピーカ部は、前記音声のデータに基づいた前記音声を出力する
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第2モードは、前記スピーカ部から出力される音声の音量が前記第1モードの場合よりも大きいモードである
請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
スピーカ部は、電子機器がユーザの耳に近接された場合に、ユーザの耳に近接するレシーバと、レシーバとは異なる位置に配置されたスピーカとを備え、
前記第1モードの場合には、前記レシーバから音声が出力され、前記第2モードの場合には、前記スピーカから音声が出力される
請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
充電器から電磁波によって電力を受電する受電部と、
ユーザの耳に当接されることによって音声をユーザに伝える骨伝導部と、
音声出力するスピーカ部と、を備え、
前記受電部が電力を受電していない場合には、前記骨伝導部を駆動させ、前記受電部が電力を受電している場合には、前記スピーカ部を駆動させる制御部と、
を備える電子機器。
【請求項10】
充電器から電磁波によって電力を受電する受電部と、
ユーザの耳に当接されることによって音声をユーザに伝える軟骨伝導部と、
音声出力するスピーカ部と、を備え、
前記受電部が電力を受電していない場合には、前記軟骨伝導部を駆動させ、前記受電部が電力を受電している場合には、前記スピーカ部を駆動させる制御部と、
を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−115538(P2013−115538A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258661(P2011−258661)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】