説明

電気掃除機

【課題】使い勝手を低下させることなく簡単な構成で光センサの感度を確保できる電気掃除機を提供する。
【解決手段】電気掃除機は、光センサ38を有する。光センサ38は、発光面54aを有し本体ケース30に位置する発光部48を備える。光センサ38は、発光面54aから発光した光を受光する受光面57aを有し本体ケース30に位置する受光部49を備える。光センサ38は、管部12に位置し発光面54aから発光した光を風路W内へと導く発光側導光体87を備える。光センサ38は、管部12に位置し発光側導光体87により風路W内へと導いた光を受光面57aへと導く受光側導光体88を備える。受光面57aが間隙G2に臨む。光センサ38は、受光部49での受光量に応じて風路Wを通過する塵埃量を検出する。電気掃除機は、間隙G2に臨む送風口63を備え、送風口63から間隙G2へと空気を送り込む送風手段76を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、風路を通過する塵埃量を検出する光センサを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動送風機の吸込側に連通する風路中を通過する塵埃量を光センサにより検出し、その塵埃量を使用者に報知したり、その塵埃量に応じて電動送風機の入力を変化させたりする電気掃除機がある。このような電気掃除機に用いられる光センサは、互いに対向配置された発光部と受光部とを有しており、発光部から発光された光を、風路内を介して受光部へと導き、発光部の発光量に対する受光部での受光量によって風路内を通過する塵埃量の寡多を検出可能となっている。
【0003】
このような電気掃除機の場合、発光部の発光面、あるいは受光部の受光面に塵埃が付着して汚れると、光センサの検出感度が低下するため、これら発光面あるいは受光面を使用者が適宜布などによって拭いて塵埃を除去する必要がある。したがって、この塵埃の除去のタイミングの判断や拭き取りを使用者に強いることとなり、使い勝手が良好とは言えないという問題がある。
【0004】
そこで、風路内に位置する光センサの発光部の発光面、あるいは受光部の受光面の汚れを自動的に判定するとともに、電動送風機の排気風などを利用して塵埃を自動的に除去する構成が知られている。しかしながら、このような構成の場合、風路内に位置する発光部の発光面、あるいは受光部の受光面の汚れを自動的に判定するための機構が必要になるなど、構成が複雑化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−284352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、使い勝手を低下させることなく簡単な構成で光センサの感度を確保できる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電気掃除機は、本体吸込口を備えた本体ケースを有する。また、この電気掃除機は、本体吸込口に吸込側が連通した状態で本体ケースに収容された電動送風機を有する。さらに、この電気掃除機は、内部に風路を形成し、本体吸込口に間隙を有する状態で着脱可能に接続される風路形成体を有する。そして、この電気掃除機は、光センサを有する。この光センサは、発光面を有し本体ケースに配置された発光部を備える。また、この光センサは、発光部の発光面から発光された光を受光する受光面を有し本体ケースに配置された受光部を有する。さらに、この光センサは、風路形成体に配置され発光部の発光面から発光された光を風路内へと導く発光側導光体を有する。また、この光センサは、風路形成体に配置され発光側導光体により風路内へと導かれた光を受光部の受光面へと導く受光側導光体を備える。そして、光センサは、発光部の発光面と受光部の受光面との少なくともいずれか一方が間隙に臨み、発光部から発光された光の受光部での受光量に応じて風路を通過する塵埃量を検出する。そして、電気掃除機は、間隙に臨む送風口を備え、この送風口から間隙へと空気を送り込む送風手段を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態の電気掃除機の一部を拡大して示す断面図であり、(a)は送風手段の動作前の状態を示し、(b)は送風手段の動作後の状態を示す。
【図2】同上掃除機本体の本体吸込口近傍を示す斜視図である。
【図3】同上掃除機本体を示す断面図である。
【図4】同上電気掃除機を示す斜視図である。
【図5】第2の実施形態の電気掃除機の一部を拡大して示す断面図である。
【図6】第3の実施形態の電気掃除機の一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0010】
図3および図4において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、風路形成体である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
【0011】
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側、あるいはホース体16の先端側に選択的に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備え、内部に風路Wを区画している。
【0012】
接続管部15には、掃除機本体13側に挿入される一方および他方の位置決め部としての一方および他方の取付部21,22が上下に突設されている。また、この接続管部15の一側部には、管部12を掃除機本体13に対して電気的に接続するための図示しない接続ピン、および、管部12を掃除機本体13に対して係止固定するための図示しない係止固定部を備える図示しないクランプなどの係止部が突設されている。
【0013】
また、手元操作部17には、ループ状の把持部25がホース体16側へと突出し、この把持部25の上部には、操作用の設定ボタン26が複数設けられている。
【0014】
また、掃除機本体13は、大径の走行輪28を両側に有し旋回輪29を下部に有する本体ケース30を備えている。そして、掃除機本体13は、走行輪28および旋回輪29によって被掃除面である床面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能に構成されている。
【0015】
本体ケース30は、例えば合成樹脂などにより中空状に形成されており、管部12の接続管部15が着脱可能に接続される本体吸込口31と、この本体吸込口31の下流側である後部に連通する集塵部としての集塵室32と、この集塵室32の下流側である後部に連通する電動送風機室33と、この電動送風機室33の側部に位置する図示しない電源室と、電動送風機室33の上部に位置する制御室35と、集塵室32の上部を開閉する蓋体36とを備えている。そして、本体吸込口31には風路W内を通過する塵埃量を検出するための光センサ38の一部が配置され、集塵室32には例えば使い捨ての紙パックなどの集塵袋39が着脱可能に取り付けられ、電動送風機室33には電動送風機40が収容され、電源室には図示しない電源装置であるコードリール装置が収容され、制御室35には電動送風機40などの駆動を制御する制御手段42が収容されている。
【0016】
本体吸込口31は、電動送風機40の吸込側と連通しており、図2および図3に示すように、本体ケース30の前端部に位置しており、前後方向に沿って長手状に形成されている。また、この本体吸込口31は、一側部に固定凹部44を有しているとともに、上下に一方および他方の被取付部としての嵌合凹部45,46を有している。また、この本体吸込口31の集塵室32寄りの位置には、シール部47が配置されている。
【0017】
固定凹部44は、本体吸込口31に挿入された接続管部15(管部12)を掃除機本体13に係止固定するとともに接続管部15(管部12)側と掃除機本体13側とを電気的に接続する部分であり、本体吸込口31の上流端から前後方向に沿って凹設されている。
【0018】
一方および他方の嵌合凹部45,46は、本体吸込口31に挿入された接続管部15(管部12)の一方および他方の取付部21,22との間に所定の(一方および他方の)間隙G1,G2を形成する部分であり、本体吸込口31の上流端から前後方向に沿って凹設されている。また、これら一方および他方の嵌合凹部45,46は、上下方向に互いに対向して配置されている。そして、一方の嵌合凹部45には、光センサ38の一部を構成する発光部48が配置され、他方の嵌合凹部46には、光センサ38の他の一部を構成する受光部49が配置されている。さらに、この他方の嵌合凹部46の後部下側には、この他方の嵌合凹部46に連通する風路部50が形成されている。
【0019】
発光部48は、発光素子53と、この発光素子53を覆って保護する発光側カバー部である発光側レンズ54とを備えている。発光素子53は、例えば赤外線LEDなどであり、下方に向けて赤外光などの光を出力するものである。また、発光側レンズ54は、透光性を有する部材により形成されており、発光素子53と対向する下面が、この発光素子53からの光が出力する平面状の発光面54aとなっている。この発光面54aは、一方の嵌合凹部45の下面すなわち発光部48の(一方の)取付面45aに対して下方へと突出している。
【0020】
また、受光部49は、受光素子56と、この受光素子56を覆って保護する受光側カバー部である受光側レンズ57とを備えている。受光素子56は、例えばフォトトランジスタなどであり、上方に向けて配置されている。さらに、受光側レンズ57は、透光性を有する部材により形成されており、受光素子56と対向する上面が、この受光素子56に光を受光する平面状の受光面57aとなっている。この受光面57aは、他方の嵌合凹部46の上面すなわち受光部49の(他方の)取付面46aに対して上方へと突出している。
【0021】
また、シール部47は、例えばゴムなどの弾性部材により環状に形成されたパッキン部であり、一方および他方の嵌合凹部45,46よりも下流側である後方の内周面に位置している。さらに、このシール部47は、本体吸込口31に挿入された管部12(接続管部15)の外周面に対して圧接されることで、本体吸込口31と管部12(接続管部15)との間での空気漏れが生じる隙間の形成を防止する。
【0022】
また、風路部50は、集塵室32に通気口61を介して連通する風路室62と、他方の嵌合凹部46に送風口63を介して連通するノズル部64とを備えている。
【0023】
通気口61は、集塵袋39の外方、本実施形態では下方の位置で集塵室32に連通している。また、この通気口61の前側の外縁部には、シール部材であるパッキン67が取り付けられている。
【0024】
風路室62は、他方の嵌合凹部46の下側後部に位置している。また、この風路室62には、この風路室62内の空気を圧縮してノズル部64へと押し出す押し出し部材としての圧縮弁71と、この圧縮弁71を前方に向けて、すなわち通気口61から離間される方向へと付勢する付勢手段としてのコイルばね72とが収容されている。
【0025】
圧縮弁71は、前後方向に沿って移動(摺動)可能に風路室62に嵌合しており、通気口61から作用する負圧によってコイルばね72の付勢に抗して風路室62内を後方へと移動(摺動)可能となっている。また、この圧縮弁71は、風路室62内で後方へと最大に移動した状態でパッキン67に圧接されて通気口61を閉塞するように構成されている。
【0026】
送風口63は、他方の嵌合凹部46の取付面46a、換言すれば受光部49の受光側レンズ57の受光面57aに沿って、すなわち前後方向に沿って開口しており、受光部49の受光側レンズ57の受光面57aよりも下流側である後方に位置している。また、この送風口63には、筒状のノズル74が嵌合されている。
【0027】
また、ノズル部64は、風路室62よりも断面積が小さく設定されており、風路室62の前側上部から他方の嵌合凹部46へとL字状に屈曲して形成されている。
【0028】
したがって、これら風路部50、圧縮弁71、コイルばね72およびノズル74などにより、送風手段76が構成されている。すなわち、この送風手段76は、電動送風機40の駆動によって動作し、電動送風機40を駆動状態から停止状態とした際に間隙G2に空気Aを送り込むように構成されている。
【0029】
また、集塵室32は、本体ケース30の前側寄りに位置し、電動送風機室33および電動送風機40の吸込側に連通口78を介して連通している。この連通口78の上流側である集塵室32の後部には、濾過フィルタ79が取り付けられている。
【0030】
また、電動送風機室33は、本体ケース30の後側寄りに位置しており、連通口78の下流側である電動送風機室33の前部には、連通口78を通過した空気を整流しつつ電動送風機40の吸込側へと気密に導くインデューサ部81が取り付けられている。さらに、この電動送風機室33に収容された電動送風機40は、弾性部材82,83などを介して本体ケース30に対して弾性的に支持されている。
【0031】
また、電源室および制御室35は、それぞれ電動送風機室33の下流側すなわち排気側と連通しており、電動送風機40の排気風が本体ケース30の後部に多数形成された排気孔85へと通過するように構成されている。
【0032】
そして、光センサ38は、上記発光部48および受光部49の他に、管部12に互いに対向して配置された発光側導光体87および受光側導光体88を備えている。
【0033】
発光側導光体87は、発光部48から発光された光を風路W内へと導くもので、透光性を有する部材により柱状に形成され、接続管部15の一方の取付部21にこの接続管部15(管部12)の径方向に沿って配置されている。そして、この発光側導光体87は、下端側が管部12内の風路Wに臨んでおり、上端側が管部12(接続管部15)を本体吸込口31に挿入接続した状態で発光部48の発光側レンズ54の発光面54aに間隙G1を介して対向する。
【0034】
同様に、受光側導光体88は、発光側導光体87により風路W内へと導かれた光を受光部49へと導くもので、透光性を有する部材により柱状に形成され、接続管部15の他方の取付部22にこの接続管部15(管部12)の径方向に沿って配置されている。そして、この受光側導光体88は、上端側が管部12内の風路Wに臨んでおり、下端側が管部12(接続管部15)を本体吸込口31に挿入接続した状態で受光部49の受光側レンズ57の受光面57aに間隙G2を介して対向する。
【0035】
また、制御手段42は、例えば回路基板上にマイコンなどの各種素子を実装して構成された制御回路であり、電動送風機40の入力を制御することにより、この電動送風機40を設定ボタン26により設定された動作モード、例えば弱、中、強、あるいは自動などのモードで動作させるものである。さらに、この制御手段42は、光センサ38の動作を制御しており、この光センサ38を介して風路W内を通過する塵埃量を監視している。
【0036】
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
【0037】
まず、掃除の際には、蓋体36を開き、集塵室32に例えば使い捨ての集塵袋39を装着して蓋体36を閉じるとともに、本体吸込口31に管部12を接続する。
【0038】
このとき、管部12は、接続管部15の一方および他方の取付部21,22を本体吸込口31の一方および他方の嵌合凹部45,46に位置合わせするとともに、接続管部15の係止部を本体吸込口31の固定凹部44に位置合わせしつつ、接続管部15を本体吸込口31へと挿入し、係止部によって管部12を本体吸込口31に係止固定する。この状態で、発光側導光体87の上部が発光部48の発光面54aに間隙G1を介して対向し、受光側導光体88の下部が受光部49の受光面57aに間隙G2を介して対向するとともに、管部12側と掃除機本体13側とが電気的に接続され、かつ、接続管部15の先端側がシール部47に圧接され、接続管部15のシール部47よりも先端側の部分が集塵袋39の内部へと挿入される。したがって、風路Wが集塵室32(集塵袋39)などを介して電動送風機40の吸込側に連通する。
【0039】
なお、例えば電気掃除機11の収納状態で集塵室32に集塵袋39が装着されている場合、あるいは本体吸込口31に管部12が接続されている場合には、それぞれ上記作業は不要である。
【0040】
そして、使用者が把持部25を把持し、所望の動作モードに対応する設定ボタン26を操作すると、制御手段42が電動送風機40を設定された動作モードで駆動させるとともに、光センサ38を動作させて発光部48の発光素子53から(赤外)光を発光する。この光は、発光側レンズ54の発光面54aから出射し、間隙G1を介して発光側導光体87に入射し、この発光側導光体87により風路W内へと導かれてこの風路W内へと下方に向けて出射する。この出射した光は、受光側導光体88に入射し、この受光側導光体88により風路W外へと導かれて間隙G2を介して受光側レンズ57の受光面57aから受光部49の受光素子56へと受光される。すなわち、発光部48から発光された(赤外)光は、風路Wを上下方向に横切って、換言すれば風路Wを通過する風の流れ方向と交差する方向に沿って受光部49に受光される(図1(a))。
【0041】
電動送風機40の駆動により生じた負圧は、インデューサ部81および連通口78を介して集塵室32(集塵袋39)、本体吸込口31、接続管部15、ホース体16、延長管18および床ブラシ19と順次作用する。この結果、使用者が床ブラシ19を被掃除面上に載置して前後に走行させることで、床ブラシ19の吸込口から空気とともに被掃除面上の塵埃が風路Wに吸い込まれる。また、集塵室32に作用した負圧がこの集塵室32に連通する風路部50にも作用し、圧縮弁71がコイルばね72の付勢に抗して通気口61側(後方)へと吸い寄せられて移動(摺動)し、パッキン67に当接することで通気口61を気密に閉塞する。そして、風路Wに吸い込まれた塵埃は、床ブラシ19から延長管18、ホース体16、接続管部15と空気とともに通過する。
【0042】
この塵埃は、接続管部15を通過する際に導光体87,88間で光センサ38の光を遮る。したがって、風路W内を通過する塵埃量が相対的に多い場合には、これら塵埃により光が相対的に多く遮られることで、受光部49で受光する受光量が相対的に少なくなる、一方、風路W内を通過する塵埃量が相対的に少ない場合には、塵埃により遮られる光が相対的に少なくなり、受光部49で受光する受光量が相対的に少なくなる、このように、光センサ38は、発光部48での発光量に対する受光部49での受光量に基づき、風路W内を通過する塵埃量を検出する。そして、光センサ38で検出した塵埃量に基づき、制御手段42は、所定の制御、例えば電動送風機40の入力を変化させたり、管部12あるいは掃除機本体13などに配置された図示しない表示手段(報知手段)などを動作させて塵埃量を使用者に報知したりする。
【0043】
この後、塵埃は、空気とともに本体吸込口31から集塵室32の集塵袋39へと吸い込まれ、この集塵袋39に濾過捕集される。塵埃が濾過捕集された空気は、濾過フィルタ79を介して連通口78を通過した後、インデューサ部81により整流されつつ電動送風機40に吸い込まれ、この電動送風機40を冷却して排気風となり、電源室および制御室35を通過してコードリール装置および制御手段42を冷却しつつ、排気孔85から本体ケース30(掃除機本体13)の外部へと排気される。
【0044】
掃除が終了すると、使用者が設定ボタン26を操作することで、制御手段42が電動送風機40を停止させる。このとき、電動送風機40の負圧が解消されて集塵室32が徐々に大気圧へと復帰することにより、通気口61側へと吸い寄せられていた圧縮弁71がコイルばね72の復帰(伸張)によって風路部50の風路室62内を前方へと移動(摺動)し、この風路室62内の空気をノズル部64へと押し出す。この結果、風路室62よりも断面積が狭いノズル部64により空気Aの圧力(風速)が増加した状態でノズル74を介して間隙G2へと、この間隙G2の長手方向である前後方向に沿って送り込まれ、この間隙G2に臨む受光部49の受光側レンズ57の受光面57aに付着した塵埃が、受光面57aに略平行に流れる空気Aによって吹き飛ばされて除去される(図1(b))。
【0045】
上記第1の実施形態によれば、本体吸込口31と、この本体吸込口31に接続された管部12との間に、光センサ38の受光部49の受光面57aが臨む間隙G2が形成され、この間隙G2へと送風手段76が送風口63から空気Aを送り込むことで、使用者が受光部49の受光面57aを拭く作業などをすることなく受光部49の受光面57aに付着した塵埃を空気Aによって吹き飛ばして受光部49の受光面57aの汚れを防止できる。したがって、使い勝手を低下させることなく風路Wの外側の位置にて間隙G2に空気Aを送る簡単な構成で光センサ38の感度を確保できる。
【0046】
次に、第2の実施形態を図5を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態において、管部12の接続管部15に、拭き取り部材91が取り付けられているものである。
【0048】
拭き取り部材91は、例えば不織布、あるいは起毛布などであり、接続管部15の他方の取付部22の受光側導光体88よりも先端側の下部に突出して取り付けられている。また、この拭き取り部材91は、管部12を本体吸込口31に対して着脱する際に受光部49の受光側レンズ57の受光面57aに対して摺接するように構成されている。すなわち、拭き取り部材91は、掃除機本体13の本体吸込口31に対して管部12(接続管部15)を接続した状態で間隙G2よりも他方の取付部22からの突出量が大きく設定されている。
【0049】
さらに、送風手段76のノズル部64は、本体吸込口31の他方の嵌合凹部46の取付面46aに対して、後側から前側へと下方から上方に向かって傾斜状に形成されており、送風口63が受光部49の受光側レンズ57の受光面57aの後方で、かつ、拭き取り部材91よりも前方に位置している。
【0050】
したがって、拭き取り部材91は、掃除機本体13の本体吸込口31に対して管部12を接続した状態で送風口63よりも後方、すなわち、送風口63に対して受光部49と反対側に位置している。
【0051】
そして、掃除の際には、上記第1の実施形態と同様に、管部12(接続管部15)を掃除機本体13に対して接続状態とした後、設定ボタン26により設定された動作モードで制御手段42が電動送風機40および光センサ38を動作させる。さらに、動作した電動送風機40の負圧により、空気とともに被掃除面上の塵埃が風路Wに吸い込まれ、送風手段76の圧縮弁71がコイルばね72の付勢に抗して通気口61側(後方)へと吸い寄せられて移動(摺動)し、パッキン67に当接することで通気口61を気密に閉塞する。そして、制御手段42は、光センサ38により風路Wを通過する塵埃量を監視(検出)しつつ、所定の制御を行う。
【0052】
掃除が終了すると、使用者が設定ボタン26を操作することにより制御手段42が電動送風機40を停止させる。この電動送風機40の停止によって、集塵室32が徐々に大気圧へと復帰することにより、通気口61側へと吸い寄せられていた圧縮弁71がコイルばね72の復帰(伸張)によって風路部50の風路室62を前方へと移動(摺動)し、この風路室62内の空気をノズル部64へと圧縮して押し出す。そして、この押し出された空気Aがノズル74を介して間隙G2へと送り込まれ、受光部49の受光面57aに付着した塵埃が、この受光面57aに略平行に流れる空気Aによって吹き飛ばされて除去される。
【0053】
この後、塵埃が多量に(所定量以上)溜まった集塵袋39を廃棄する際には、まず、管部12(接続管部15)の係止部を操作して、この管部12(接続管部15)を本体吸込口31から引き抜いて取り外す。このとき、接続管部15は、一方および他方の取付部21,22が本体吸込口31の一方および他方の嵌合凹部45,46により軸方向にガイドされつつ本体吸込口31から外方へと移動することで、拭き取り部材91が受光部49の受光面57a上を摺接し、この受光面57aを拭いて塵埃を除去する。
【0054】
そして、蓋体36を開いて集塵室32から集塵袋39を取り外して廃棄する。次回の掃除の際には、新たな未使用の集塵袋39を集塵室32に装着した後、管部12(接続管部15)を本体吸込口31に接続する。なお、この接続の際にも、上記作用と逆順の作用によって拭き取り部材91が受光面57aを拭く。
【0055】
上記第2の実施形態によれば、本体吸込口31への管部12の接続状態で、送風口63に対して、間隙G2に臨む受光部49の受光面57aと反対側に位置し、本体吸込口31からの管部12の取り外しにより間隙G2に臨む受光部49の受光面57aを拭いて塵埃を除去する拭き取り部材91を備えることで、例えば集塵袋39の廃棄の際など、管部12を本体吸込口31から取り外す毎に受光部49の受光面57aに付着した塵埃をより確実に除去でき、光センサ38の感度を確保できるとともに、電動送風機40の停止の際に送風手段76により間隙G2に送り込まれる空気Aの流れを拭き取り部材91が妨げることもない。
【0056】
しかも、一般に管部12は電動送風機40を停止させた状態でのみ本体吸込口31から取り外すので、拭き取り部材91により受光部49の受光面57aに付着した塵埃を拭き取る前に送風手段76から間隙G2に送り込まれた空気Aによって受光部49の受光面57aの塵埃が吹き飛ばされているため、拭き取り部材91によって受光部49の受光面57aを拭く時点では、殆どの塵埃が受光部49の受光面57aから除去されている。したがって、拭き取り部材91による拭き取りの際に拭き取り部材91と受光部49の受光面57aとの間に大きな塵埃などが介在することがなく、拭き取り部材91の摺接によって受光面57aが傷付くこともない。
【0057】
そして、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、送風手段76が、電動送風機40を駆動状態から停止状態とした際に動作することで、電動送風機40を駆動させて停止する毎、すなわち掃除を開始して終了する毎に受光部49の受光面57aの塵埃を除去できる。すなわち、掃除を終了した時点で受光部49の受光面57aに付着した塵埃が除去されるため、塵埃が付着してから時間が経過しないうちに塵埃を除去できるので、効果的に塵埃を除去できるとともに、例えば長期に亘って掃除をしない場合であっても、受光面57aに塵埃が固着することを確実に防止できる。
【0058】
特に、送風手段76が、電動送風機40を駆動状態から停止状態としたときの集塵室32の圧力変化によって動作することで、圧縮空気を生成する構成などを別途必要とせず、構成を簡略化でき、製造コストをより低減できる。
【0059】
また、電動送風機40の駆動中には、送風手段76は圧縮弁71によって通気口61を閉塞した状態を維持するので、電動送風機40の駆動中の吸込力が低下することがない。
【0060】
次に、第3の実施形態を図6を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
この第3の実施形態は、上記第2の実施形態の送風手段76に代えて、電動送風機40の排気風を用いる送風手段93を備えるものである。
【0062】
この送風手段93は、例えば電動送風機40の下方で電動送風機室33と連通する導風部95と、この導風部95と連通する風路室96と、他方の嵌合凹部46に送風口97を介して連通するノズル部98とを備えている。
【0063】
導風部95は、電動送風機室33および集塵室32の下部を経由して、前後方向に沿って長手状に形成されている。
【0064】
また、風路室96は、導風部95およびノズル部98よりも断面積が大きく設定されている。
【0065】
さらに、ノズル部98は、導風部95よりも断面積が狭く設定され、本体吸込口31の他方の嵌合凹部46の取付面46aに対して、後側から前側へと下方から上方に向かって傾斜状に形成されており、送風口97が受光部49の受光側レンズ57の受光面57aの後方で、かつ、拭き取り部材91よりも前方に位置している。また、送風口97は、前側へと上方に向けて傾斜している。
【0066】
そして、掃除の際には、上記第2の実施形態と同様に、管部12を掃除機本体13と接続した状態とした後、設定ボタン26により設定された動作モードで制御手段42が電動送風機40を駆動させるとともに光センサ38を動作させる。駆動した電動送風機40の負圧により、空気とともに被掃除面上の塵埃が風路Wに吸い込まれる。また、電動送風機40から電動送風機室33内へと排気された排気風の一部(空気A)は導風部95に流入し、風路室96、ノズル部98を介して送風口97から間隙G2へと送り込まれる。そして、この空気Aは、管部12(接続管部15)の他方の取付部22の下部に衝突して他方の嵌合凹部46に沿って整流され、光センサ38の受光部49の受光面57aに付着した塵埃を、受光面57aに略平行に流れることで吹き飛ばして除去する。さらに、制御手段42は、光センサ38により風路Wを通過する塵埃量を監視(検出)しつつ、所定の制御を行う。
【0067】
また、掃除の終了後、塵埃が多量に(所定量以上)溜まった集塵袋39を廃棄する際には、管部12(接続管部15)の係止部を操作して、この管部12(接続管部15)を本体吸込口31から引き抜いて取り外すと、接続管部15が、一方および他方の取付部21,22が本体吸込口31の一方および他方の嵌合凹部45,46により軸方向にガイドされつつ本体吸込口31から外方へと移動することで、拭き取り部材91が受光部49の受光面57a上を摺接し、この受光面57aを拭いて塵埃を除去する。
【0068】
上記第3の実施形態によれば、送風手段93が、電動送風機40の排気風を送風口97から間隙G2へと送り込むことにより、電動送風機40の排気風を有効に利用して、電動送風機40の駆動中の吸込力を低下させることなく、送風手段93を簡単な構成で形成でき、製造コストをより低減できる。
【0069】
また、本体吸込口31への管部12の接続状態で、送風口97に対して、間隙G2に臨む受光部49の受光面57aと反対側に位置し、本体吸込口31からの管部12の取り外しにより間隙G2に臨む受光部49の受光面57aを拭いて塵埃を除去する拭き取り部材91を備えることで、例えば集塵袋39の廃棄の際など、管部12を本体吸込口31から取り外す毎に受光部49の受光面57aに付着した塵埃をより確実に除去でき、光センサ38の感度を確保できるとともに、電動送風機40の停止の際に送風手段93により間隙G2に送り込まれる空気Aの流れを拭き取り部材91が妨げることもない。
【0070】
しかも、一般に管部12は電動送風機40を停止させた状態でのみ本体吸込口31から取り外すので、拭き取り部材91により受光部49の受光面57aに付着した塵埃を拭き取る前に送風手段93から間隙G2に送り込まれた空気Aによって受光部49の受光面57aの塵埃が吹き飛ばされているため、拭き取り部材91によって受光部49の受光面57aを拭く時点では、殆どの塵埃が受光部49の受光面57aから除去された状態となっている。したがって、拭き取り部材91による拭き取りの際に、拭き取り部材91と受光部49の受光面57aとの間に大きな塵埃などが介在することがなく、拭き取り部材91の摺接によって受光面57aが傷付くこともない。
【0071】
なお、上記第3の実施形態において、送風手段93は、集塵室32をバイパスして電動送風機室33から間隙G2へと電動送風機40の排気風を送り込むことができる構成であれば、上記第3の実施形態のように導風部95、風路室96およびノズル部98により構成する以外でも、任意の風路構成とすることができる。
【0072】
また、上記第3の実施形態の送風手段93を、上記第1の実施形態に適用することも可能である。
【0073】
そして、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、本体吸込口31と、この本体吸込口31に接続された管部12との間に、光センサ38の受光部49の受光面57aが臨む間隙G2が形成され、この間隙G2へと送風手段76,93が送風口63,97から空気Aを送り込むことで、使用者が受光部49の受光面57aを拭く作業などをすることなく受光部49の受光面57aに付着した塵埃を空気Aによって吹き飛ばして受光部49の受光面57aの汚れを防止できる。したがって、使い勝手を低下させることなく風路Wの外側の位置にて間隙G2に空気Aを送る簡単な構成で光センサ38の感度を確保できる。
【0074】
また、間隙G2に臨む受光部49の受光面57aが、取付面46aに対して突出しているため、受光面57a上に塵埃が溜まりにくい。
【0075】
さらに、送風手段76,93から間隙G2に送り込む空気Aを受光部49の受光面57aと略平行に流すことで、空気Aの吹き付けによって受光面57aに付着した塵埃を、受光面57aに押し付けることなく、より確実に除去できる。
【0076】
そして、重力により落下する塵埃は、上側に位置する発光部48の発光面54aよりも下側に位置する受光部49の受光面57aの方に塵埃が溜まりやすいので、送風手段76,93により下側の間隙G2に空気Aを送り込むことで、光センサ38の感度の低下をより効果的に防止できる。
【0077】
また、送風手段76,93は、風路Wの外側に空気Aを送り込むので、この空気Aによって電動送風機40の吸い込みが妨げられることがない。
【0078】
なお、上記各実施形態において、受光部49を一方の嵌合凹部45および一方の取付部21に配置し、発光部48を他方の嵌合凹部46および他方の取付部22に配置してもよい。この場合には、送風手段76,93により間隙G2に空気Aを送り込むことで、上記各実施形態の受光部49の受光面57aに代えて、発光部48の発光面54aに付着した塵埃を吹き飛ばすなど、上記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0079】
また、送風手段76,93は、間隙G1に対して空気Aを送り込むようにしてもよいし、間隙G1,G2のそれぞれに対して空気Aを送り込むようにしてもよい。
【0080】
さらに、集塵室32に集塵袋39を装着する構成としたが、例えば塵埃を遠心分離(サイクロン分離)、あるいは慣性分離する集塵装置を装着する構成としてもよいし、集塵室32を本体ケース30内に設ける構成に代えて、集塵装置などの集塵部を本体ケース30に着脱する構成などとしてもよい。
【0081】
また、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、風路Wを形成する風路形成体が掃除機本体13に対して間隙を有して着脱可能に接続される構成であれば、例えばアップライト型、あるいはハンディ型など、任意の構成とすることができる。
【0082】
そして、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
11 電気掃除機
12 風路形成体である管部
30 本体ケース
31 本体吸込口
32 集塵部としての集塵室
38 光センサ
40 電動送風機
46a 取付面
48 発光部
49 受光部
54a 発光面
57a 受光面
63,97 送風口
76,93 送風手段
87 発光側導光体
88 受光側導光体
91 拭き取り部材
G2 間隙
W 風路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体吸込口を備えた本体ケースと、
前記本体吸込口に吸込側が連通した状態で前記本体ケースに収容された電動送風機と、
内部に風路を形成し、前記本体吸込口に間隙を有する状態で着脱可能に接続される風路形成体と、
発光面を有し前記本体ケースに配置された発光部、この発光部の発光面から発光された光を受光する受光面を有し前記本体ケースに配置された受光部、前記風路形成体に配置され前記発光部の前記発光面から発光された光を前記風路内へと導く発光側導光体、および、前記風路形成体に配置され前記発光側導光体により前記風路内へと導かれた光を前記受光部の前記受光面へと導く受光側導光体を備え、前記発光部の前記発光面と前記受光部の前記受光面との少なくともいずれか一方が前記間隙に臨み、前記発光部から発光された光の前記受光部での受光量に応じて前記風路を通過する塵埃量を検出する光センサと、
前記間隙に臨む送風口を備え、この送風口から前記間隙へと空気を送り込む送風手段と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。
【請求項2】
間隙に臨む発光部の発光面と受光部の受光面との少なくともいずれか一方は、取付面に対して突出している
ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
送風手段は、電動送風機を駆動状態から停止状態とした際に動作する
ことを特徴とした請求項1または2記載の電気掃除機。
【請求項4】
本体ケースの本体吸込口と電動送風機の吸込側とに連通する集塵部を具備し、
送風手段は、前記電動送風機を駆動状態から停止状態としたときの前記集塵部の圧力変化によって動作する
ことを特徴とした請求項3記載の電気掃除機。
【請求項5】
送風手段は、電動送風機の排気風を送風口から間隙へと送り込む
ことを特徴とした請求項1または2記載の電気掃除機。
【請求項6】
風路形成体に配置され、本体吸込口への前記風路形成体の接続状態で、送風口に対して、間隙に臨む発光部の発光面と受光部の受光面との少なくともいずれか一方と反対側に位置し、前記本体吸込口からの前記風路形成体の取り外しにより前記間隙に臨む前記発光部の前記発光面と前記受光部の前記受光面との少なくともいずれか一方を拭いて塵埃を除去する拭き取り部材を具備した
ことを特徴とした請求項1ないし5いずれか一記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−70709(P2013−70709A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209888(P2011−209888)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】