電気貯湯容器
【課題】耐熱性および外観の質感の両者を実現しつつより部品コストを低減するとともに、メンテナンス性を高めることができる。
【解決手段】
電気貯湯容器100は、水を加熱する電気貯湯容器であって、少なくとも水を収容する容器を内蔵するとともに前面開口部が形成された胴体部110と、第1部材からなり、かつ容器から液体を吐出する吐出部500と、第2部材からなり、吐出部500と嵌合し、前面開口部を閉塞する前パネル600と、を備えたものである。
【解決手段】
電気貯湯容器100は、水を加熱する電気貯湯容器であって、少なくとも水を収容する容器を内蔵するとともに前面開口部が形成された胴体部110と、第1部材からなり、かつ容器から液体を吐出する吐出部500と、第2部材からなり、吐出部500と嵌合し、前面開口部を閉塞する前パネル600と、を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を加熱して湯沸しを行う電気貯湯容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電気貯湯容器に関して種々の研究開発が行われている。例えば、組立時や修理時の作業性の向上を図るとともに、清掃が容易な電気ポットについて開示されている。
【0003】
特許文献1記載の電気ポットにおいては、外装体の内部に、内容器と、該内容器内の水を加熱するヒータと、内容器内のお湯を揚水管を介して外装体上部のノーズ部から吐出する給湯ポンプとを備えた電気ポットにおいて、外装体を、前部に突出したノーズ部を備え該ノーズ部の下部から少なくとも底の一部にかけて連続した開口を設けた胴体と、該胴体の開口を閉塞する樹脂製の前面パネルとで構成したものである。
【0004】
また、特許文献2記載の電気ポットにおいては、本体ケースと、該本体ケースの上方部に位置する蓋部と、本体ケース内に収納される内容器と、該内容器内の液体を加熱する加熱源と、蓋部の前方側に設けられ、加熱源をオンオフする操作部と、本体ケースの前方側下方に設けられ、内容器内の液量を表示する液量表示窓と、本体ケースの前方側に設けられる下口カバーとを備えた電気ポットにおいて、本体ケースの前方側には、後方に向かって凹んだ凹嵌部を有し、凹陥部は、本体ケースの上端部より下方に下がった位置から本体ケースの下端部の湾曲部まで延設し、下口カバーは、その下端部を凹嵌部の湾曲部まで延設し、その下端部にビス止め用突起を有し、下口カバーは、ビス止め用突起を利用して本体ケースの下方にビス止めされ、前パネルとして兼用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−245789号公報
【特許文献2】特許4215005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気貯湯容器の一例である電気ポットでは、特許文献1の段落番号0004に記載のあるとおり、吐出口から吐出された熱湯の勢いで種々の液体が電気ポットの胴体に飛び散り、すぐに拭取らなければ拭取ることが困難な場合がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の電気ポットにおいては、組立や修理の作業性を図るとともに、清掃が容易であると開示されているが、図1の前面パネルを参考とする限り、前面パネルの上部でかつノーズ部の下、すなわち胴体部側に隙間が生じる構造を採用しており、当該隙間に汚れが蓄積される可能性があり清掃面で好ましくない。
【0008】
例えば、吐出口から吐出された熱湯の勢いでコーヒーが飛散する場合などは、吐出口下方の胴体部に付着するので、当該付着物を拭取る際に、隙間が在るのは清掃面から好ましくない。少なくとも胴体部に隙間が在るのは好ましくない。
【0009】
また、特許文献2に記載の電気ポットにおいては、部品コストを低減し、見栄えを向上するとともに、液量表示窓の取り付けが容易であるという効果を充分に奏し、かつ特許文献1記載の問題点も同時に解決する。
【0010】
しかしながら、近年においては、外観の質感を高めるとともに、清掃等のメンテナンスも必要とされる。しかし、単に外観の質感を高める場合には、部品コストの上昇を避けることができないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、耐熱性および外観の質感の両者を実現しつつより部品コストを低減するとともに、メンテナンス性を高めた電気貯湯容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)
一の局面に従う電気貯湯容器は、液体を加熱する電気貯湯容器であって、少なくとも液体を収容する容器を内蔵するとともに前面開口部が形成された胴体部と、第1部材からなり、かつ容器から液体を吐出する吐出部と、第2部材からなり、吐出部と嵌合し、前面開口部を閉塞する前パネルと、を備えたものである。
【0013】
この場合、吐出部を形成する第1部材と、前パネルを構成する第2部材とが、別部材から構成されるので、低コストを実現しつつ、耐熱性および外観の質感寸法安定性、品質の両者を実現することができる。
(2)
電気貯湯容器であって、第1部材の材質は、第2部材の材質と異なり、第2部材の材質の耐熱性よりも高くてもよい。
【0014】
この場合、第1部材の材質は、吐出部を形成するので、耐熱性の高い材質、例えば、PP等の樹脂から形成し、第2部材の材質は、外観の質感、寸法安定性、品質を高めるためにABS等の樹脂から形成することができる。
【0015】
(3)
電気貯湯容器において、前パネルは、液体の吐出を操作する給湯操作部を取り付けるための給湯操作配設部を有する。
【0016】
この場合、前パネル部材は、液体の吐出を操作する給湯操作部を取り付けるための給湯操作配設部を有するので、電気貯湯容器の前面を略一体の部材で形成することができ、清掃等のメンテナンス性を高めることができる。
【0017】
電気貯湯容器において、前パネルは、上面と係止する係止構造を有することが好ましい。
【0018】
この場合、前パネルは、上面と係止する係止構造を有するので、胴体部から前方に延在して設けられたノーズ部の下面が鉛直下方へ曲がることを防止することができる。
ここで、係止構造とは、例えば、吐出部の先端が差し込まれ、前パネルのフック部材が、吐出部の後端部を係止することである。さらに、吐出部のボスは、シタクチ部材を介して上面パネル部材の凹部とビスにより、固定されることである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、耐熱性および外観の質感の両者を実現しつつより部品コストを低減するとともに、メンテナンス性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る電気貯湯容器の外観の一例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1の電気貯湯容器の動作を示す模式的斜視図である。
【図3】図1および図2の電気貯湯容器のノーズ部の拡大図である。
【図4】給湯操作レバーと基板と吐出部との構造の一例を示す模式的斜視図である。
【図5】吐出部を含むノーズ部の中央部の断面の一例を示す模式図である。
【図6】給湯操作レバーと、基板との構造の断面を示す模式図である。
【図7】給湯操作レバーと、基板との構造の断面を示す模式図である。
【図8】前パネルの構造について説明する説明図である。
【図9】前パネルの構造について説明する説明図である。
【図10】前パネルの断面構造について説明する説明図である。
【図11】図4の他の例を示す模式図である。
【図12】図4のさらに他の例を示す模式図である。
【図13】図3の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る電気貯湯容器について図面を参照しながら説明する。
【0022】
<本実施形態>
本実施形態の電気貯湯容器100は、飲料水等の液体を加熱する装置であって、家庭用の電気ポットまたは電気ケトルとして利用される。この電気貯湯容器100は、図1および図2に示すように、胴体部110と、胴体部110の上部に取り付けられる蓋部200と、操作部を含むノーズ部300と、加熱された液体が吐出される吐出ノズルを含む吐出部500と、液量表示の表示シール690を有する前パネル600と、を備える。
【0023】
また、図1に示すように、ノーズ部300の上面パネル部材301には、液晶310、複数のボタンスイッチ320が設けられ、ノーズ部300の下部には、前パネル600の一部を凹形状で形成したポケット部600pが配置され、当該ポケット部600p内に給湯操作レバー400が設けられる。
【0024】
<使用状態の説明>
次に、図2は電気貯湯容器100の動作を示す模式的斜視図である。
【0025】
図1および図2に示すように、電気貯湯容器100の蓋部200は、開閉レバー210を操作することにより、胴体部110の後上部に設けられたヒンジピンを軸として矢印R1の方向に軸回転する。その結果、胴体部110内部の内容器130を露出させることができ、内容器130内に水を供給することができる。
また、胴体部110内部には、内容器130を支持するとともに、ノーズ部300内部の強度向上構造を有するシタクチ部材140が設けられている。シタクチ部材140には、手持ちハンドル149も取り付けられている。当該手持ちハンドル149は、電気貯湯容器100を持ち運ぶ際に、垂直方向に回動して用いられる。
【0026】
また、図2に示すように、本実施の形態に係る電気貯湯容器100は、矢印R2の方向に回転可能である。その結果、吐出部500を鉛直軸周りに360度移動させることができる。
【0027】
<ノーズ部の説明>
図3は図1および図2の電気貯湯容器100のノーズ部300の拡大図である。図3に示すように、ノーズ部300の上面に設けられた複数のボタンスイッチ320の一つに、給湯操作レバー400のロックを解除するロック解除ボタン320Lが設けられる。したがって、ノーズ部300の上面にロック解除ボタン320Lが設けられ、給湯操作レバー400は、ノーズ部300の上面に設けられず、ノーズ部300の下方に設けられたポケット部600p内に配置される。
【0028】
例えば、使用者は、ロック解除ボタン320Lを押下操作した後に、給湯操作レバー400を操作(矢印P1または矢印P2の部分を押下操作)することにより、吐出部500から熱湯または水が矢印EXの方向に吐出される。
一方、ロック解除ボタン320Lを押下操作することなく、給湯操作レバー400を操作しても吐出部500から熱湯または水が吐出されないよう制御される。また、さらに、ロック解除ボタン320Lは、所定の時間内に給湯操作レバー400の操作がない場合には、自動的にオフとなるように制御される。
【0029】
<給湯操作レバー、基板、吐出口の構造>
図4は給湯操作レバー400と、基板351,352と、吐出部500の構造の一例を示す模式的斜視図であり、図5は吐出部500を含むノーズ部300の中央部の断面の一例を示す模式図である。
【0030】
まず、図4および図5に示すように、給湯操作レバー400の中央部には、孔405が形成されており、当該孔405に吐出部500を含む吐出ノズル520が貫通して配設される。それにより、給湯操作レバー400を吐出部500に対して上下方向に近接して配設することができ、さらに、給湯操作レバー400の幅Hを大きく設けることができる。当該幅Hの詳細説明は、後述する。
【0031】
給湯操作レバー400の上方には、基板351および基板352が設けられている。基板351および基板352は、フレキシブル基板(FPC(Flexible printed circuits)353により接続されている。
【0032】
基板351の表面には、液晶310が配設されており、基板352の表面には、複数のボタンスイッチ320(図1から図3参照)の位置に応じて各種タクタイルスイッチ360等が設けられる。また、基板352の裏面には、給湯スイッチ335が設けられている。
【0033】
また、給湯操作レバー400と基板351,352およびフレキシブル基板353との間には、電気貯湯容器100の転倒時における吐出ノズル520からの吐出を防止する止水バルブ510が設けられる。
【0034】
図4の給湯操作レバー400と、基板351,352およびフレキシブル基板353と、止水バルブ510等は、図5に示すように、主に前パネル600と吐出部500とシタクチ部材140により保持される。前パネル600と吐出部500との詳細構造は、後述する。
【0035】
<給湯操作レバー>
図6および図7は、給湯操作レバー400と、基板351,352との構造の断面を示す模式図である。
【0036】
図4、図6および図7に示すように、給湯操作レバー400は、てこ構造からなり、回転軸410を中心に矢印R3の方向(図6参照)に回転可能に設けられる。また、回転軸410には、弾性部材420が固定されており、矢印R3の方向とは逆方向に付勢力が働くように設けられる。
【0037】
ここで、図4に示すように、給湯操作レバー400では水平方向(左右方向)の幅Hが、操作する操作部位の先端(前側)から回転軸410までの距離Lよりも大きく設けられる。また、給湯操作レバー400の後側、すなわち、給湯操作レバー400の先端(前側)から回転軸410の方向に、回転軸410を超えた後側に、給湯スイッチ押し込み部435が設けられる。
【0038】
<給湯操作レバーの動作>
ここで、給湯操作レバー400の動きについて説明行う。例えば、使用者は、給湯を行う場合、給湯操作レバー400を鉛直下方向(矢印PFの方向)に押下操作する(図6参照)。その結果、給湯操作レバー400は、回転軸410を中心に回転し、給湯スイッチ押し込み部435が矢印UFの方向へ移動する。その結果、基板352の裏面に設けられた給湯スイッチ335がONされる。また、給湯スイッチ335と給湯スイッチ押し込み部435との間には、空間を遮蔽するシートが配設されている。
【0039】
そして、使用者が給湯を終了する場合、給湯操作レバー400から手を離す。その結果、給湯操作レバー400は、弾性部材420の働きにより矢印R3の方向とは、逆方向に付勢力が働き、給湯操作レバー400の先端部が矢印PFと逆方向(鉛直上方向)に移動し、給湯スイッチ押し込み部435が矢印UFとは逆方向へ移動する。その結果、基板352の他方の面に設けられた給湯スイッチ335がOFFされる。
【0040】
<前パネルの構造>
続いて、前パネル600の構造について説明するとともに、前パネル600に取り付けられる給湯操作レバー400および吐出部500について説明を行う。図8および図9は前パネル600の構造について説明する説明図であり、図10は図8および図9に示した前パネル600の断面構造を説明するための模式図である。
【0041】
図8および図9に示すように、前パネル600は、ノーズ部300の上面以外を形成する。したがって、図1に示すように前パネル600は、胴体部110の前面の略全体を一部材で覆うように設けられている。
【0042】
前パネル600は、ノーズ部300を形成するために前方に大きく突出し、胴体部110からノーズ部300にかけて湾曲した形状を有する。また、前パネル600には、上述した給湯操作レバー400が配設される載置部673および開口部640が設けられる。また載置部673には、リブ641が設けられる。当該リブ641は、給湯操作レバー400を操作させるためのクリアランス(隙間)から内部の構造が前方から視認できないようにするための目隠し機能を有する。載置部673の下側には、隙間空間が形成される。さらに、前パネル600の裏側には、そり防止のための補強リブ671が設けられている。
【0043】
また、前パネル600の前方に大きく突出し、かつ湾曲した形状に略矩形状孔670が形成される。当該略矩形状孔670には、吐出部500が挿入され、前パネル600の外観面と面一となるように形成されている。(図5参照)。また、略矩形状孔670の後側には、フック部材676が設けられる。
【0044】
<前パネルと吐出部と給湯操作レバーとの組立方法>
給湯操作レバー400の孔405に吐出部500の一部が貫通して配設される。次いで、開口部640に給湯操作レバー400の先端が差し込まれ、載置部673に設けられたリブ641が給湯操作レバー400の切り欠き部465の空間に入る。次に、前パネル600の載置部673の下方に設けられた空間に吐出部500の先端STが差し込まれる。
その結果、前パネル600により吐出部500の先端STが上下方向に挟み込まれ、載置部673は、いわゆる吐出部500が上方へ移動しないように押さえの役割を有する。
【0045】
吐出部500の先端STが完全に差し込まれた場合、前パネル600のフック部材676が、吐出部500の後端部を係止する。その結果、吐出部500が前パネル600から外れない構造を有する。最後に、固定部材490を介して給湯操作レバー400の回転軸を螺子締結する。さらに、前パネル600には、液量表示窓を形成する透明板部材680と表示シール690とが取り付けられる。
【0046】
また、本実施の形態に係る前パネル600は、ABS樹脂(アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂)からなる。また、ABS樹脂は、吐出部500から吐出される熱湯の蒸気の耐熱性が問題となるため、本実施の形態に係る電気貯湯容器100における蒸気と触れる部分(吐出部500)は、PP樹脂(ポリプロピレン)からなる。
【0047】
<前パネルとシタクチ部材と天面部との固定>
図10に示すように、吐出部500のボス550は、シタクチ部材140を介して上面パネル部材301の凹部F12とビスFIXにより、固定される。また上述したように、前パネル600のノーズ部300は、吐出部500の先端STが載置部673を下方から支える。
【0048】
さらに、図10に示すように、前パネル600の上端に設けられた孔601に上面パネル部材301のフック部302が入り込み、シタクチ部材140がフック部302の抜け防止のため前方に向かって力を加える。その結果、使用者が給湯操作レバー400を大きな力で押下操作した場合でも、前パネル600の下方垂れ下がりを防止することができる。
【0049】
<他の例(基板一枚タイプ)&(給湯操作レバー切り欠きタイプ)>
図11は、図4の他の例を示す模式図である。
【0050】
図11に示すように、基板351,352、フレキシブル基板353の代わりに一枚の基板352aから構成してもよい。それにより、製造コストを削減することができる。
【0051】
また、図4に示した給湯操作レバー400のように、吐出ノズル520を跨ることなく、図11に示すように、給湯操作レバー400の孔405を切り欠き405aとして設けて、吐出ノズル520を当該切り欠き405aに配置してもよい。
【0052】
<他の例(給湯操作レバー複数タイプ)>
図12は、図4のさらに他の例を示す模式図である。
【0053】
図4に示した給湯操作レバー400のように、吐出ノズル520を跨ることなく、図12に示すように、吐出ノズル520の両側に、給湯操作レバー400b1,400b2をそれぞれ配置してもよい。
【0054】
また、給湯操作レバー400b1,400b2の幅H1、H2は、それぞれ、操作する操作部位の先端(前側)から回転軸410までの距離Lよりも大きく設けられる。
【0055】
<他の例(給湯操作レバー部面一)>
図13は、図3の他の例を示す模式図である。
【0056】
図13に示すように、吐出ノズル520を後側へ移動させて、給湯操作レバー400cをフラットな板形状であってもよい。
給湯操作レバー400の表面に、鏡面または高反射率の表面加工(いわゆるメッキ)を施すことにより、前パネル600のポケット部600paの上面部が写りこむので、奥行き感を生むことができる。また、給湯操作レバー400の表面にPUSH等の文字を印刷またはレーザ加工することにより、印刷または刻印が浮き上がって見えるため、給湯操作レバー400の品質感を高めることができる。
【0057】
なお、本実施の形態においては、ロック解除ボタン320Lを上面に配置し、給湯操作レバー400をポケット部600pに配置することとしたが、これに限定されず、それぞれ逆の位置に設けても良い。
【0058】
さらに、本実施の形態においては、給湯操作レバー400を用いることとしたが、これに限定されず、給湯ボタンであってもよい。また、給湯スイッチ335は、給湯操作レバー400の先端および回転軸410の間の下方に設けても良い。
また、給湯スイッチ335は、給湯スイッチ押し込み部435が接触した場合に、ONすることとしたが、これに限定されず、スイッチの位置を変更し、給湯スイッチ押し込み部435が離れることによりONする開放型スイッチを用いてもよい。
【0059】
以上のように、本実施の形態に係る電気貯湯容器100は、吐出部500を形成する第1部材と、前パネル600を構成する第2部材とが、別部材から構成されるので、より部品コストを低減するとともに、耐熱性および外観の質感の両者を実現することができる。
【0060】
(2)
電気貯湯容器100であって、吐出部500は、耐熱性の高い材質、例えば、PP等の樹脂から形成し、前パネル600は、品質を高めるためにABS等の樹脂から形成することができる。
【0061】
(3)
電気貯湯容器100であって、前パネル600は、水または熱湯の吐出を操作する給湯操作レバー400を取り付けるためのポケット部600pを有するので、電気貯湯容器100の前面を略一体の部材で形成することができ、清掃等のメンテナンス性を高めることができる。
【0062】
電気貯湯容器100において、前パネル600は、上面301と係止する係止構造を有するので、胴体部から前方に延在して設けられたノーズ部の下面が鉛直下方へ曲がることを防止することができる。
【0063】
本実施の形態において、水または熱湯が液体に相当し、電気貯湯容器100が電気貯湯容器に相当し、胴体部110が胴体部に相当し、吐出部500が吐出部に相当し、前パネル600が前パネルに相当し、給湯操作レバー400が給湯操作部に相当し、ポケット部600pが給湯操作配設部に相当する。
【0064】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0065】
100 電気貯湯容器
301 上面パネル部材
320L ロック解除ボタン
400 給湯操作レバー
410 回転軸
500 吐出部
600 前パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を加熱して湯沸しを行う電気貯湯容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電気貯湯容器に関して種々の研究開発が行われている。例えば、組立時や修理時の作業性の向上を図るとともに、清掃が容易な電気ポットについて開示されている。
【0003】
特許文献1記載の電気ポットにおいては、外装体の内部に、内容器と、該内容器内の水を加熱するヒータと、内容器内のお湯を揚水管を介して外装体上部のノーズ部から吐出する給湯ポンプとを備えた電気ポットにおいて、外装体を、前部に突出したノーズ部を備え該ノーズ部の下部から少なくとも底の一部にかけて連続した開口を設けた胴体と、該胴体の開口を閉塞する樹脂製の前面パネルとで構成したものである。
【0004】
また、特許文献2記載の電気ポットにおいては、本体ケースと、該本体ケースの上方部に位置する蓋部と、本体ケース内に収納される内容器と、該内容器内の液体を加熱する加熱源と、蓋部の前方側に設けられ、加熱源をオンオフする操作部と、本体ケースの前方側下方に設けられ、内容器内の液量を表示する液量表示窓と、本体ケースの前方側に設けられる下口カバーとを備えた電気ポットにおいて、本体ケースの前方側には、後方に向かって凹んだ凹嵌部を有し、凹陥部は、本体ケースの上端部より下方に下がった位置から本体ケースの下端部の湾曲部まで延設し、下口カバーは、その下端部を凹嵌部の湾曲部まで延設し、その下端部にビス止め用突起を有し、下口カバーは、ビス止め用突起を利用して本体ケースの下方にビス止めされ、前パネルとして兼用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−245789号公報
【特許文献2】特許4215005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電気貯湯容器の一例である電気ポットでは、特許文献1の段落番号0004に記載のあるとおり、吐出口から吐出された熱湯の勢いで種々の液体が電気ポットの胴体に飛び散り、すぐに拭取らなければ拭取ることが困難な場合がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の電気ポットにおいては、組立や修理の作業性を図るとともに、清掃が容易であると開示されているが、図1の前面パネルを参考とする限り、前面パネルの上部でかつノーズ部の下、すなわち胴体部側に隙間が生じる構造を採用しており、当該隙間に汚れが蓄積される可能性があり清掃面で好ましくない。
【0008】
例えば、吐出口から吐出された熱湯の勢いでコーヒーが飛散する場合などは、吐出口下方の胴体部に付着するので、当該付着物を拭取る際に、隙間が在るのは清掃面から好ましくない。少なくとも胴体部に隙間が在るのは好ましくない。
【0009】
また、特許文献2に記載の電気ポットにおいては、部品コストを低減し、見栄えを向上するとともに、液量表示窓の取り付けが容易であるという効果を充分に奏し、かつ特許文献1記載の問題点も同時に解決する。
【0010】
しかしながら、近年においては、外観の質感を高めるとともに、清掃等のメンテナンスも必要とされる。しかし、単に外観の質感を高める場合には、部品コストの上昇を避けることができないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、耐熱性および外観の質感の両者を実現しつつより部品コストを低減するとともに、メンテナンス性を高めた電気貯湯容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)
一の局面に従う電気貯湯容器は、液体を加熱する電気貯湯容器であって、少なくとも液体を収容する容器を内蔵するとともに前面開口部が形成された胴体部と、第1部材からなり、かつ容器から液体を吐出する吐出部と、第2部材からなり、吐出部と嵌合し、前面開口部を閉塞する前パネルと、を備えたものである。
【0013】
この場合、吐出部を形成する第1部材と、前パネルを構成する第2部材とが、別部材から構成されるので、低コストを実現しつつ、耐熱性および外観の質感寸法安定性、品質の両者を実現することができる。
(2)
電気貯湯容器であって、第1部材の材質は、第2部材の材質と異なり、第2部材の材質の耐熱性よりも高くてもよい。
【0014】
この場合、第1部材の材質は、吐出部を形成するので、耐熱性の高い材質、例えば、PP等の樹脂から形成し、第2部材の材質は、外観の質感、寸法安定性、品質を高めるためにABS等の樹脂から形成することができる。
【0015】
(3)
電気貯湯容器において、前パネルは、液体の吐出を操作する給湯操作部を取り付けるための給湯操作配設部を有する。
【0016】
この場合、前パネル部材は、液体の吐出を操作する給湯操作部を取り付けるための給湯操作配設部を有するので、電気貯湯容器の前面を略一体の部材で形成することができ、清掃等のメンテナンス性を高めることができる。
【0017】
電気貯湯容器において、前パネルは、上面と係止する係止構造を有することが好ましい。
【0018】
この場合、前パネルは、上面と係止する係止構造を有するので、胴体部から前方に延在して設けられたノーズ部の下面が鉛直下方へ曲がることを防止することができる。
ここで、係止構造とは、例えば、吐出部の先端が差し込まれ、前パネルのフック部材が、吐出部の後端部を係止することである。さらに、吐出部のボスは、シタクチ部材を介して上面パネル部材の凹部とビスにより、固定されることである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、耐熱性および外観の質感の両者を実現しつつより部品コストを低減するとともに、メンテナンス性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る電気貯湯容器の外観の一例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1の電気貯湯容器の動作を示す模式的斜視図である。
【図3】図1および図2の電気貯湯容器のノーズ部の拡大図である。
【図4】給湯操作レバーと基板と吐出部との構造の一例を示す模式的斜視図である。
【図5】吐出部を含むノーズ部の中央部の断面の一例を示す模式図である。
【図6】給湯操作レバーと、基板との構造の断面を示す模式図である。
【図7】給湯操作レバーと、基板との構造の断面を示す模式図である。
【図8】前パネルの構造について説明する説明図である。
【図9】前パネルの構造について説明する説明図である。
【図10】前パネルの断面構造について説明する説明図である。
【図11】図4の他の例を示す模式図である。
【図12】図4のさらに他の例を示す模式図である。
【図13】図3の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る電気貯湯容器について図面を参照しながら説明する。
【0022】
<本実施形態>
本実施形態の電気貯湯容器100は、飲料水等の液体を加熱する装置であって、家庭用の電気ポットまたは電気ケトルとして利用される。この電気貯湯容器100は、図1および図2に示すように、胴体部110と、胴体部110の上部に取り付けられる蓋部200と、操作部を含むノーズ部300と、加熱された液体が吐出される吐出ノズルを含む吐出部500と、液量表示の表示シール690を有する前パネル600と、を備える。
【0023】
また、図1に示すように、ノーズ部300の上面パネル部材301には、液晶310、複数のボタンスイッチ320が設けられ、ノーズ部300の下部には、前パネル600の一部を凹形状で形成したポケット部600pが配置され、当該ポケット部600p内に給湯操作レバー400が設けられる。
【0024】
<使用状態の説明>
次に、図2は電気貯湯容器100の動作を示す模式的斜視図である。
【0025】
図1および図2に示すように、電気貯湯容器100の蓋部200は、開閉レバー210を操作することにより、胴体部110の後上部に設けられたヒンジピンを軸として矢印R1の方向に軸回転する。その結果、胴体部110内部の内容器130を露出させることができ、内容器130内に水を供給することができる。
また、胴体部110内部には、内容器130を支持するとともに、ノーズ部300内部の強度向上構造を有するシタクチ部材140が設けられている。シタクチ部材140には、手持ちハンドル149も取り付けられている。当該手持ちハンドル149は、電気貯湯容器100を持ち運ぶ際に、垂直方向に回動して用いられる。
【0026】
また、図2に示すように、本実施の形態に係る電気貯湯容器100は、矢印R2の方向に回転可能である。その結果、吐出部500を鉛直軸周りに360度移動させることができる。
【0027】
<ノーズ部の説明>
図3は図1および図2の電気貯湯容器100のノーズ部300の拡大図である。図3に示すように、ノーズ部300の上面に設けられた複数のボタンスイッチ320の一つに、給湯操作レバー400のロックを解除するロック解除ボタン320Lが設けられる。したがって、ノーズ部300の上面にロック解除ボタン320Lが設けられ、給湯操作レバー400は、ノーズ部300の上面に設けられず、ノーズ部300の下方に設けられたポケット部600p内に配置される。
【0028】
例えば、使用者は、ロック解除ボタン320Lを押下操作した後に、給湯操作レバー400を操作(矢印P1または矢印P2の部分を押下操作)することにより、吐出部500から熱湯または水が矢印EXの方向に吐出される。
一方、ロック解除ボタン320Lを押下操作することなく、給湯操作レバー400を操作しても吐出部500から熱湯または水が吐出されないよう制御される。また、さらに、ロック解除ボタン320Lは、所定の時間内に給湯操作レバー400の操作がない場合には、自動的にオフとなるように制御される。
【0029】
<給湯操作レバー、基板、吐出口の構造>
図4は給湯操作レバー400と、基板351,352と、吐出部500の構造の一例を示す模式的斜視図であり、図5は吐出部500を含むノーズ部300の中央部の断面の一例を示す模式図である。
【0030】
まず、図4および図5に示すように、給湯操作レバー400の中央部には、孔405が形成されており、当該孔405に吐出部500を含む吐出ノズル520が貫通して配設される。それにより、給湯操作レバー400を吐出部500に対して上下方向に近接して配設することができ、さらに、給湯操作レバー400の幅Hを大きく設けることができる。当該幅Hの詳細説明は、後述する。
【0031】
給湯操作レバー400の上方には、基板351および基板352が設けられている。基板351および基板352は、フレキシブル基板(FPC(Flexible printed circuits)353により接続されている。
【0032】
基板351の表面には、液晶310が配設されており、基板352の表面には、複数のボタンスイッチ320(図1から図3参照)の位置に応じて各種タクタイルスイッチ360等が設けられる。また、基板352の裏面には、給湯スイッチ335が設けられている。
【0033】
また、給湯操作レバー400と基板351,352およびフレキシブル基板353との間には、電気貯湯容器100の転倒時における吐出ノズル520からの吐出を防止する止水バルブ510が設けられる。
【0034】
図4の給湯操作レバー400と、基板351,352およびフレキシブル基板353と、止水バルブ510等は、図5に示すように、主に前パネル600と吐出部500とシタクチ部材140により保持される。前パネル600と吐出部500との詳細構造は、後述する。
【0035】
<給湯操作レバー>
図6および図7は、給湯操作レバー400と、基板351,352との構造の断面を示す模式図である。
【0036】
図4、図6および図7に示すように、給湯操作レバー400は、てこ構造からなり、回転軸410を中心に矢印R3の方向(図6参照)に回転可能に設けられる。また、回転軸410には、弾性部材420が固定されており、矢印R3の方向とは逆方向に付勢力が働くように設けられる。
【0037】
ここで、図4に示すように、給湯操作レバー400では水平方向(左右方向)の幅Hが、操作する操作部位の先端(前側)から回転軸410までの距離Lよりも大きく設けられる。また、給湯操作レバー400の後側、すなわち、給湯操作レバー400の先端(前側)から回転軸410の方向に、回転軸410を超えた後側に、給湯スイッチ押し込み部435が設けられる。
【0038】
<給湯操作レバーの動作>
ここで、給湯操作レバー400の動きについて説明行う。例えば、使用者は、給湯を行う場合、給湯操作レバー400を鉛直下方向(矢印PFの方向)に押下操作する(図6参照)。その結果、給湯操作レバー400は、回転軸410を中心に回転し、給湯スイッチ押し込み部435が矢印UFの方向へ移動する。その結果、基板352の裏面に設けられた給湯スイッチ335がONされる。また、給湯スイッチ335と給湯スイッチ押し込み部435との間には、空間を遮蔽するシートが配設されている。
【0039】
そして、使用者が給湯を終了する場合、給湯操作レバー400から手を離す。その結果、給湯操作レバー400は、弾性部材420の働きにより矢印R3の方向とは、逆方向に付勢力が働き、給湯操作レバー400の先端部が矢印PFと逆方向(鉛直上方向)に移動し、給湯スイッチ押し込み部435が矢印UFとは逆方向へ移動する。その結果、基板352の他方の面に設けられた給湯スイッチ335がOFFされる。
【0040】
<前パネルの構造>
続いて、前パネル600の構造について説明するとともに、前パネル600に取り付けられる給湯操作レバー400および吐出部500について説明を行う。図8および図9は前パネル600の構造について説明する説明図であり、図10は図8および図9に示した前パネル600の断面構造を説明するための模式図である。
【0041】
図8および図9に示すように、前パネル600は、ノーズ部300の上面以外を形成する。したがって、図1に示すように前パネル600は、胴体部110の前面の略全体を一部材で覆うように設けられている。
【0042】
前パネル600は、ノーズ部300を形成するために前方に大きく突出し、胴体部110からノーズ部300にかけて湾曲した形状を有する。また、前パネル600には、上述した給湯操作レバー400が配設される載置部673および開口部640が設けられる。また載置部673には、リブ641が設けられる。当該リブ641は、給湯操作レバー400を操作させるためのクリアランス(隙間)から内部の構造が前方から視認できないようにするための目隠し機能を有する。載置部673の下側には、隙間空間が形成される。さらに、前パネル600の裏側には、そり防止のための補強リブ671が設けられている。
【0043】
また、前パネル600の前方に大きく突出し、かつ湾曲した形状に略矩形状孔670が形成される。当該略矩形状孔670には、吐出部500が挿入され、前パネル600の外観面と面一となるように形成されている。(図5参照)。また、略矩形状孔670の後側には、フック部材676が設けられる。
【0044】
<前パネルと吐出部と給湯操作レバーとの組立方法>
給湯操作レバー400の孔405に吐出部500の一部が貫通して配設される。次いで、開口部640に給湯操作レバー400の先端が差し込まれ、載置部673に設けられたリブ641が給湯操作レバー400の切り欠き部465の空間に入る。次に、前パネル600の載置部673の下方に設けられた空間に吐出部500の先端STが差し込まれる。
その結果、前パネル600により吐出部500の先端STが上下方向に挟み込まれ、載置部673は、いわゆる吐出部500が上方へ移動しないように押さえの役割を有する。
【0045】
吐出部500の先端STが完全に差し込まれた場合、前パネル600のフック部材676が、吐出部500の後端部を係止する。その結果、吐出部500が前パネル600から外れない構造を有する。最後に、固定部材490を介して給湯操作レバー400の回転軸を螺子締結する。さらに、前パネル600には、液量表示窓を形成する透明板部材680と表示シール690とが取り付けられる。
【0046】
また、本実施の形態に係る前パネル600は、ABS樹脂(アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂)からなる。また、ABS樹脂は、吐出部500から吐出される熱湯の蒸気の耐熱性が問題となるため、本実施の形態に係る電気貯湯容器100における蒸気と触れる部分(吐出部500)は、PP樹脂(ポリプロピレン)からなる。
【0047】
<前パネルとシタクチ部材と天面部との固定>
図10に示すように、吐出部500のボス550は、シタクチ部材140を介して上面パネル部材301の凹部F12とビスFIXにより、固定される。また上述したように、前パネル600のノーズ部300は、吐出部500の先端STが載置部673を下方から支える。
【0048】
さらに、図10に示すように、前パネル600の上端に設けられた孔601に上面パネル部材301のフック部302が入り込み、シタクチ部材140がフック部302の抜け防止のため前方に向かって力を加える。その結果、使用者が給湯操作レバー400を大きな力で押下操作した場合でも、前パネル600の下方垂れ下がりを防止することができる。
【0049】
<他の例(基板一枚タイプ)&(給湯操作レバー切り欠きタイプ)>
図11は、図4の他の例を示す模式図である。
【0050】
図11に示すように、基板351,352、フレキシブル基板353の代わりに一枚の基板352aから構成してもよい。それにより、製造コストを削減することができる。
【0051】
また、図4に示した給湯操作レバー400のように、吐出ノズル520を跨ることなく、図11に示すように、給湯操作レバー400の孔405を切り欠き405aとして設けて、吐出ノズル520を当該切り欠き405aに配置してもよい。
【0052】
<他の例(給湯操作レバー複数タイプ)>
図12は、図4のさらに他の例を示す模式図である。
【0053】
図4に示した給湯操作レバー400のように、吐出ノズル520を跨ることなく、図12に示すように、吐出ノズル520の両側に、給湯操作レバー400b1,400b2をそれぞれ配置してもよい。
【0054】
また、給湯操作レバー400b1,400b2の幅H1、H2は、それぞれ、操作する操作部位の先端(前側)から回転軸410までの距離Lよりも大きく設けられる。
【0055】
<他の例(給湯操作レバー部面一)>
図13は、図3の他の例を示す模式図である。
【0056】
図13に示すように、吐出ノズル520を後側へ移動させて、給湯操作レバー400cをフラットな板形状であってもよい。
給湯操作レバー400の表面に、鏡面または高反射率の表面加工(いわゆるメッキ)を施すことにより、前パネル600のポケット部600paの上面部が写りこむので、奥行き感を生むことができる。また、給湯操作レバー400の表面にPUSH等の文字を印刷またはレーザ加工することにより、印刷または刻印が浮き上がって見えるため、給湯操作レバー400の品質感を高めることができる。
【0057】
なお、本実施の形態においては、ロック解除ボタン320Lを上面に配置し、給湯操作レバー400をポケット部600pに配置することとしたが、これに限定されず、それぞれ逆の位置に設けても良い。
【0058】
さらに、本実施の形態においては、給湯操作レバー400を用いることとしたが、これに限定されず、給湯ボタンであってもよい。また、給湯スイッチ335は、給湯操作レバー400の先端および回転軸410の間の下方に設けても良い。
また、給湯スイッチ335は、給湯スイッチ押し込み部435が接触した場合に、ONすることとしたが、これに限定されず、スイッチの位置を変更し、給湯スイッチ押し込み部435が離れることによりONする開放型スイッチを用いてもよい。
【0059】
以上のように、本実施の形態に係る電気貯湯容器100は、吐出部500を形成する第1部材と、前パネル600を構成する第2部材とが、別部材から構成されるので、より部品コストを低減するとともに、耐熱性および外観の質感の両者を実現することができる。
【0060】
(2)
電気貯湯容器100であって、吐出部500は、耐熱性の高い材質、例えば、PP等の樹脂から形成し、前パネル600は、品質を高めるためにABS等の樹脂から形成することができる。
【0061】
(3)
電気貯湯容器100であって、前パネル600は、水または熱湯の吐出を操作する給湯操作レバー400を取り付けるためのポケット部600pを有するので、電気貯湯容器100の前面を略一体の部材で形成することができ、清掃等のメンテナンス性を高めることができる。
【0062】
電気貯湯容器100において、前パネル600は、上面301と係止する係止構造を有するので、胴体部から前方に延在して設けられたノーズ部の下面が鉛直下方へ曲がることを防止することができる。
【0063】
本実施の形態において、水または熱湯が液体に相当し、電気貯湯容器100が電気貯湯容器に相当し、胴体部110が胴体部に相当し、吐出部500が吐出部に相当し、前パネル600が前パネルに相当し、給湯操作レバー400が給湯操作部に相当し、ポケット部600pが給湯操作配設部に相当する。
【0064】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0065】
100 電気貯湯容器
301 上面パネル部材
320L ロック解除ボタン
400 給湯操作レバー
410 回転軸
500 吐出部
600 前パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を加熱する電気貯湯容器であって、
少なくとも液体を収容する容器を内蔵するとともに前面開口部が形成された胴体部と、
第1部材からなり、かつ前記容器から液体を吐出する吐出部と、
第2部材からなり、前記吐出部と嵌合し、前面開口部を閉塞する前パネルと、を備えたことを特徴とする電気貯湯容器。
【請求項2】
前記第1部材の材質は、前記第2部材の材質と異なり、前記第2部材の材質の耐熱性よりも高いことを特徴とする請求項1記載の電気貯湯容器。
【請求項3】
前記前パネルは、前記液体の吐出を操作する給湯操作部を取り付けるための給湯操作配設部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気貯湯容器。
【請求項1】
液体を加熱する電気貯湯容器であって、
少なくとも液体を収容する容器を内蔵するとともに前面開口部が形成された胴体部と、
第1部材からなり、かつ前記容器から液体を吐出する吐出部と、
第2部材からなり、前記吐出部と嵌合し、前面開口部を閉塞する前パネルと、を備えたことを特徴とする電気貯湯容器。
【請求項2】
前記第1部材の材質は、前記第2部材の材質と異なり、前記第2部材の材質の耐熱性よりも高いことを特徴とする請求項1記載の電気貯湯容器。
【請求項3】
前記前パネルは、前記液体の吐出を操作する給湯操作部を取り付けるための給湯操作配設部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気貯湯容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−249982(P2012−249982A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126835(P2011−126835)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】
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