説明

電池制御装置

【課題】電池内部から発生するアコースティックエミッション信号から、電池が充電状態であるか、あるいは放電状態であるかを判別可能な電池制御装置を提供すること。
【解決手段】電池内部から発生するアコースティックエミッション信号を検出するアコースティックエミッション検出手段20と、前記電池が充電されているか、または放電されているかの違いによって生じる、前記アコースティックエミッション信号の差異から、前記電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断する判断手段10と、を備えることを特徴とする電池制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、炭素材料はリチウムイオン二次電池の負極活物質、燃料電池の水素吸蔵材料などエネルギー貯蔵材料としての利用が非常に注目されている。たとえば、リチウムイオン二次電池の負極活物質として広く用いられているグラファイトは、過充電により負極表面に金属リチウムが析出したり、電解液の反応が促進されたりということが原因で安全性、寿命が損なわれる可能性があることが知られており、そのため、精度良く充電状態を把握し、充電を制御する必要がある。このような観点の下、電池内部で起こっている現象を、アコースティックエミッション信号を測定することにより検出する研究が進んでおり、グラファイトの充放電領域の遷移に伴いアコースティックエミッション信号の発生回数が増大することが見出されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Damage detection of graphite electrode in lithium ion battery by acoustic emission” , The 20th International Acoustic Emission Symposium, (2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、負極活物質としてのグラファイトの充放電領域の遷移が起こる際にアコースティックエミッション信号の発生回数が増大することが開示されているのみであり、グラファイトの充放電領域の遷移を検出できたとしても、実際の充電、放電におけるどの充放電領域に遷移したかを検出することができず、そのため、電池状態を適切に判断することができないという問題があった。また、上述のとおり、アコースティックエミッション信号に基づいて、電池状態を適切に判断するためには、電池が充電されているのか、あるいは放電されているのかを検出する必要があるが、これを検出するための一般的な手法としては、強電回路に流れる電流等から判断する必要があり、別途、充電中、あるいは放電中であること検出するための構成が必要となってくるという課題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電池内部から発生するアコースティックエミッション信号から、電池が充電状態であるか、あるいは放電状態であるかを判別可能な電池制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電池内部から発生するアコースティックエミッション信号を検出し、前記電池が充電されているか、または放電されているかの違いによって生じる、アコースティックエミッション信号の差異から、電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電池が充電されているか、または放電されているかの違いによって生じる、アコースティックエミッション信号の差異から、電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断するため、電池が充電状態であるか、あるいは放電状態であるかを適切に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本実施形態に係る電池制御システムを示す構成図である。
【図2】図2は、負極活物質の一例としてのグラファイト系活物質の電極電位と、アコースティックエミッション信号の発生頻度との関係を示すグラフである。
【図3】図3は、充電時におけるアコースティックエミッション信号のプロファイルを示す図である。
【図4】図4は、放電時におけるアコースティックエミッション信号のプロファイルを示す図である。
【図5】図5は、負極活物質の一例としてのグラファイト系活物質/Liメタルの充電プロファイルと充放電領域との関係を示す図である。
【図6】図6は、本実施形態における動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る電池制御システムを示す構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る電池制御システムは、二次電池40を制御するためのシステムであり、バッテリコントローラ10と、アコースティックエミッションセンサ20と、充放電装置30とを備えている。
【0011】
二次電池40は、たとえば、リチウムイオン二次電池であり、負極活物質として、リチウムイオンの挿入・脱離に伴って充放電電位が段階的に変化する複数の充放電領域を有する活物質を用いたものが挙げられる。本実施形態では、このようなリチウムイオンの挿入・脱離に伴って充放電電位が段階的に変化する複数の充放電領域を有する活物質として、グラファイト構造を含有するグラファイト系活物質が好適であり、そのため、以下においては、グラファイト系活物質を用いた場合を例示して説明を行なうが、このようなリチウムイオンの挿入・脱離に伴って充放電電位が段階的に変化する複数の充放電領域を有する活物質としては、グラファイト系活物質に特に限定されるものではない。また、正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物などのリチウムイオン二次電池用の正極活物質として公知のものを限定なく用いることができる。
【0012】
充放電装置30は、たとえば、図1に示す電池制御システム外部からの指令に基づき、二次電池40の充放電を行なうための装置である。
【0013】
アコースティックエミッションセンサ20(以下、「AEセンサ20」とする。)は、二次電池40内部から発生するアコースティックエミッション信号(以下、「AE信号」とする。)を検出するためのセンサであり、図1に示すように二次電池40に接触した状態で設置される。AEセンサ20としては、二次電池40内部の構成物の構造変化に伴って発生する信号に対応する周波数帯を検出可能なセンサであればよく、特に限定されない。
【0014】
バッテリコントローラ10は、AEセンサ20からの出力に基づき、二次電池40の充電状態を検出するための装置である。
【0015】
ここで、図2に、二次電池40の負極を構成する負極活物質として、グラファイト構造を含有するグラファイト系活物質を用いた場合における、負極の充放電プロファイルと、二次電池40内部から発生したAE信号の発生頻度との関係を示す。なお、図2中においては、負極の充放電プロファイルを実線で、AE信号の発生頻度を棒グラフでそれぞれ示した。また、図2においては、左側の縦軸は、時間に対する負極の電極電位(v.s.Li)を、右側の縦軸は、AE信号の発生頻度(1時間あたりの発生回数)を、それぞれ示している。また、本実施形態においては、負極の電極電位が低くなる方向を「充電」とし、負極の電極電位が高くなる方向を「放電」として、以下、説明を行なう。
【0016】
図5からも確認できるように、負極活物質としてグラファイト系活物質を使用した場合には、充放電容量に対する電圧変化率の異なる複数の充放電領域を有しており、これにより、負極活物質としてグラファイト系活物質は、二次電池の充放電に伴って、段階的に充放電領域が変化していくことが知られている。具体的には、図5に破線で囲って示すように、負極電位0.21V付近において、第1領域から第2領域へと遷移し、負極電位0.13V付近において、第2領域から第3領域へと遷移し、さらに、負極電位0.08V付近において、第3領域から第4領域へと遷移することが知られている。そして、図5に示すように、このような負極活物質としてグラファイト系活物質においては、図5に破線で囲って示すように、充放電領域が遷移する際に、充放電曲線の変曲点P(充放電容量に対する電圧変化率が大きく変化する点)が観測されることとなる。なお、この負極電位の低下は、充放電レートや、使用する電解質の種類等によって、若干変化する場合がある。そして、図2からも確認できるように、二次電池40内部から発生するAE信号は、図2に破線で囲って示すように、このようなグラファイト系活物質の充放電領域の遷移による変曲点Pにおいて、その発生頻度が増大するという関係にある。なお、この理由としては、たとえば、充放電領域の遷移により、変曲点Pにおいて、グラファイト系活物質のステージ構造の変化などグラファイト系活物質内部で何らかの構造変化が発生することに起因すると考えられる。
【0017】
そのため、バッテリコントローラ10は、AEセンサ20からの出力に基づき、このようなAE信号の発生頻度の増大を検出し、これにより負極活物質としてのグラファイト系活物質の充放電領域の遷移に伴う充放電曲線の変曲点Pを検出し、これにより、二次電池40の内部状態を検出するものである。
【0018】
また、バッテリコントローラ10は、AEセンサ20からの出力に基づいて、このようなAE信号の発生頻度の増大を検出した際には、検出したAEセンサ20からの出力に基づき、二次電池40が充電されている状態であるか、あるいは、放電されている状態であるかの判別を行なう。図3に、二次電池40が充電されている状態(すなわち、グラファイト系活物質の電極電位が低くなる方向に電圧が印加されている状態)である場合であり、かつ、AE信号の発生頻度の増大が検出された場合における、AE信号のプロファイルの一例を示す。また、図4に、二次電池40が放電されている状態(すなわち、グラファイト系活物質の電極電位が高くなる方向に電圧が印加されている状態)である場合であり、かつ、AE信号の発生頻度の増大が検出された場合における、AE信号のプロファイルの一例を示す。図3に示すように、二次電池40が充電されている状態においては、AE信号のピーク電圧は正の値となる一方で、図4に示すように、二次電池40が放電されている状態においては、AE信号のピーク電圧は負の値となる。すなわち、AE信号のピーク電圧が、充電中と放電中とで逆転することとなる。
【0019】
そのため、本実施形態においては、バッテリコントローラ10は、AE信号の発生頻度の増大が検出され、グラファイト系活物質の充放電領域の遷移が検出された場合に、AE信号のプロファイルの解析を行ない、AE信号の発生頻度の増大が検出された際における、AE信号のピーク電圧の値が正の値であるか、あるいは負の値であるかの判定を行なう。なお、本実施形態では、AE信号のピーク電圧の値が正の値であるか、あるいは負の値であるかの判定は、所定値以上のAE信号を含む所定時間内(たとえば、数十μ秒〜数百μ秒)の信号を用いて、行なうことが望ましい。
【0020】
そして、AE信号のピーク電圧の値が正の値である場合には、バッテリコントローラ10は、二次電池40が充電状態にあると判断する。すなわち、グラファイト系活物質の充放電領域がより満充電状態に近い充放電領域に遷移したと判断する。一方、AE信号のピーク電圧の値が負の値である場合には、バッテリコントローラ10は、二次電池40が放電状態にあると判断する。すなわち、グラファイト系活物質の充放電領域がより完全放電状態に近い充放電領域に遷移したと判断する。
【0021】
そして、バッテリコントローラ10は、AE信号の発生頻度の増大に基づいて、グラファイト系活物質の充放電領域に遷移を検出するとともに、AE信号の発生頻度の増大時における、二次電池40の状態が、充電状態にあるか、放電状態にあるかを検出する動作を、たとえば、二次電池40の使用開始時(完全放電状態)から継続して実施することにより、二次電池40を構成する負極がいずれの充放電領域にあるかを適切に検出することができる。
【0022】
たとえば、図5に示す例において、負極の充放電領域が、第3領域である場合において、AE信号の発生頻度の増大が検出され、かつ、この際におけるAE信号のピーク電圧の値が図3に示すように正の値である場合には、負極の充放電領域が第3領域から第4領域に変化したと判断することができる。一方、図5に示す例において、負極の充放電領域が、同様に第3領域である場合において、AE信号の発生頻度の増大が検出され、かつ、この際におけるAE信号のピーク電圧の値が図4に示すように負の値である場合には、負極の充放電領域が第3領域から第2領域に変化したと判断することができる。
【0023】
加えて、本実施形態においては、図5に示す例において、負極の充放電領域が、第4領域である場合において、AE信号の発生頻度の増大が検出され、かつ、AE信号のピーク電圧の値が図3に示すように正の値である場合には、第4領域を超えてさらに充電が進んでしまうと判断することができる。そして、このように第4領域を超えてさらに充電が進んでしまうと、負極が過充電状態となってしまうおそれがあるため、このような場合には、バッテリコントローラ10は、充放電装置30に、二次電池40の充電を終了させるための信号を送り、これにより二次電池40の充電を終了させる。
【0024】
このように、AE信号の発生頻度の増大時における、二次電池40の状態が、充電状態にあるか、放電状態にあるかを検出する動作を、たとえば、二次電池40の使用開始時(完全放電状態)から継続して実施することにより、二次電池40を構成する負極がいずれの充放電領域にあるかを適切に検出することができ、さらには、第4領域を超えてさらに充電が進んでしまうことにより、負極が過充電状態となってしまうことを適切に防止することができる。なお、本実施形態では、AE信号の発生頻度の増大時における、二次電池40の状態が、充電状態にあるか、放電状態にあるかを検出する動作を、二次電池40の使用開始時から継続して実施する一方で、データ消失等の理由により、このような動作を継続して実施できなくなった場合でも、一度、二次電池40を完全放電状態とし、充放電領域を、図5に示す第1領域とし、再度、継続して上記動作を実行することで、二次電池40を構成する負極がいずれの充放電領域にあるかを適切に検出することが可能となる。
【0025】
次いで、本実施形態の動作例を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
まず、ステップS1では、AEセンサ20によって、二次電池40内部から発生するAE信号を検出する処理が行われる。そして、AEセンサ20による検出結果は、バッテリコントローラ10により取得される。
【0027】
次いで、ステップS2では、バッテリコントローラ10により、AEセンサ20により検出された二次電池40内部からのAE信号の発生頻度が増大しているか否かの判断が行なわれる。たとえば、バッテリコントローラ10は、ステップS1において繰り返し取得したAEセンサ20による検出結果に基づいて、二次電池40内部からのAE信号の発生頻度が急上昇したと判断される場合には、AE信号の発生頻度が増大していると判定することができる。そして、この場合には、負極活物質としてのグラファイト系活物質の充放電領域が変化したと判断して、ステップS3に進む。一方、AE信号の発生頻度の急上昇が認められず、AE信号の発生頻度の増大が認められない場合には、ステップS1に戻り、AE信号の発生頻度の増大が認められるまで、ステップS1,S2を繰り返し実行する。
【0028】
ステップS2において、AE信号の発生頻度の増大が認められた場合には、ステップS3に進み、ステップS3では、バッテリコントローラ10により、AEセンサ20によって検出されたAE信号のピーク強度が正の値であるか、あるいは負の値であるかの判定が行なわれる。そして、AE信号のピーク強度が正の値であった場合にはステップS4に進み、一方、AE信号のピーク強度が負の値であった場合にはステップS7に進む。
【0029】
ステップS3において、AE信号のピーク強度が正の値であったと判定された場合にはステップS4に進み、ステップS4では、負極活物質としてのグラファイト系活物質の充放電領域が、充電側に変化したと判断する。たとえば、図5に示す例において、負極の充放電領域が、第3領域であった場合においては、負極の充放電領域が第3領域から第4領域に変化したと判断する。
【0030】
そして、ステップS5では、負極活物質としてのグラファイト系活物質の充放電領域が、第4領域を超えてさらに変化したか否かの判定が行なわれる。すなわち、変化前の充放電領域が第4領域である場合において、さらに、充放電領域が、充電側に変化したと判断されたか否かの判定が行なわれる。充放電領域が、第4領域を越えて変化したと判定された場合には、ステップS6に進み、充放電装置30に、二次電池40の充電を終了させるための信号を送り、これにより二次電池40の充電を終了させる処理が実行される。あるいは、充放電領域が、第4領域を越えて変化していないと判定された場合には、ステップS1に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0031】
一方、ステップS3において、AE信号のピーク強度が負の値であったと判定された場合にはステップS7に進み、ステップS7では、負極活物質としてのグラファイト系活物質の充放電領域が、放電側に変化したと判断する。たとえば、図5に示す例において、負極の充放電領域が、第3領域であった場合においては、負極の充放電領域が第3領域から第2領域に変化したと判断する。そして、ステップS1に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0032】
本実施形態の電池制御システムは、以上のように動作する。
【0033】
本実施形態によれば、二次電池40内部から発生するAE信号の検出を行い、AE信号の発生頻度の増大が検出された際における、AE信号のピーク電圧の値が正の値であるか、あるいは負の値であるかの判定を行ない、該判定結果に基づいて、二次電池40が充電状態にあるか、あるいは放電状態にあるかを判断することができる。そのため、本実施形態によれば、二次電池40が、充電状態にあるか、あるいは放電状態にあるかを適切に判断することができ、さらには、二次電池40を構成する負極中のグラファイト系活物質の充放電領域を適切に把握することも可能となる。また、負極中のグラファイト系活物質の充放電領域を適切に把握することが可能となることにより、負極において過充電が発生することを有効に防止することもできる。しかも、本実施形態によれば、このような判定を、非破壊で、かつ、適切に行なうことができる。
【0034】
加えて、本実施形態によれば、二次電池40内部から発生するAE信号を用いて、二次電池40が充電状態にあるか、あるいは放電状態にあるかを判断するものであるため、二次電池40が、充電中、あるいは放電中であること検出するための構成(たとえば、強電回路に流れる電流から、充電中、あるいは放電中であること検出するための構成)を設けることなく、二次電池40が充電状態にあるか、あるいは放電状態にあるかを適切に判定することができる。
【0035】
なお、上述の実施形態において、二次電池40は本発明の電池に、AEセンサ20は本発明のアコースティックエミッション検出手段に、バッテリコントローラ10は本発明の判断手段および信号増大検知手段に、それぞれ相当する。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0037】
たとえば、上述した実施形態では、AE信号のピーク電圧の値が正の値であるか、あるいは負の値であるかの判定を、AE信号の発生頻度の増大が検出された際、すなわち、負極活物質としてのグラファイト系活物質の充放電領域が変化した際にのみ、実行するような構成を例示したが、このような態様に特に限定されず、AE信号の発生頻度の増大の有無とは関係なく、AE信号が検出される度に、AE信号のピーク電圧の値が正の値であるか、あるいは負の値であるかの判定を行なうような構成としてもよい。すなわち、AE信号が検出される度に、二次電池40が充電状態にあるか、あるいは放電状態にあるかを判定するような構成としてもよい。このような構成とすることにより、二次電池40内部で充放電の切り替えが行なわれた場合に、充放電の切り替えを正確かつ速やかに判定することが可能となる。特に、本実施形態によれば、二次電池40内部から発生するAE信号に基づいて、すなわち、二次電池40内部からの情報に基づいて、二次電池40が充電状態にあるか、あるいは放電状態にあるかを判断するものであるため、充放電の切り替えを正確に判定することができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、一つの二次電池40のみからなる電池制御システムを例示して説明したが、本発明の電池制御装置は、複数の二次電池40からなる電池モジュールについてももちろん適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
10…バッテリコントローラ
20…アコースティックエミッションセンサ
30…充放電装置
40…二次電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池内部から発生するアコースティックエミッション信号を検出するアコースティックエミッション検出手段と、
前記電池が充電されているか、または放電されているかの違いによって生じる、前記アコースティックエミッション信号の差異から、前記電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断する判断手段と、を備えることを特徴とする電池制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電池制御装置において、
前記アコースティックエミッション信号が増大したことを検知する信号増大検知手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記信号増大検知手段により前記アコースティックエミッション信号の増大を検知した場合に、該アコースティックエミッション信号の位相に基づいて、前記電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断することを特徴とする電池制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電池制御装置において、
前記判断手段は、前記アコースティックエミッション信号の波形のピーク電圧が正の値であるか負の値であるかに基づいて、前記電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断することを特徴とする電池制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電池制御装置において、
前記判断手段は、前記信号増大検知手段により前記アコースティックエミッション信号の増大を検知した際の所定時間内における、前記アコースティックエミッション信号の波形のピーク電圧が正の値であるか負の値であるかに基づいて、前記電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断することを特徴とする電池制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−113831(P2013−113831A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263392(P2011−263392)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】