説明

電池温調装置

【課題】電池ケースに収納された電池についてその温度の均等化を図ることができる電池温調装置を提供する。
【解決手段】電池温調装置10は、電池ケース12Aの上流部24に送風機構14から送り出された温調風を流入する第1ダクト34と、第1ダクト34から電池ケース12Aの上流部24に流入され、電池20と熱交換を行った後の温調風を、電池ケース12Aの下流部26から排出する排出ダクト18と、電池と熱交換を行う前の温調風を電池ケース12Aの下流部26に流入する第2ダクト36とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池温調装置に係り、詳しくは電池が収納される電池ケースに温調風を送り出す送風機構を備えた電池温調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された電源装置は、蓄電装置と、バッテリと、それら蓄電装置及びバッテリを収納しているケースと、蓄電装置とバッテリとを冷却する冷却装置とを備えている。この電源装置では、冷却ファンから取り込まれた冷風を通流させるための冷却風通路がケース内に設けられ、その冷却風通路に沿って蓄電装置とバッテリとが順番に配置されることで、冷却装置を用いて蓄電装置とバッテリを冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−311290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電池温調装置において、冷却風通路に沿って冷却風が通流されることとなるが、上流側に配置された装置との熱交換により冷却風が暖められてしまい、下流側に配置された装置が冷却され難くなる。このため、各装置における温度差が大きくなるおそれがあった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、電池ケースに収納された電池についてその温度の均等化を図ることができる電池温調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電池が収納される電池ケースと、前記電池ケースに温調風を送り出す送風機構とを備えた電池温調装置において、前記電池の第1端部側に位置する前記電池ケースの上流部に前記送風機構から送り出された前記温調風を流入する第1流路と、前記第1流路から前記電池ケースの上流部に流入され、前記電池ケースに収納された前記電池と熱交換を行った後の前記温調風を、前記電池の第2端部側に位置する前記電池ケースの下流部から排出する排出流路と、前記電池と熱交換を行う前の前記温調風を前記電池ケースの下流部に流入する第2流路とを備えた。
【0007】
これによれば、第1流路からの温調風により温調され難い電池ケースの下流部に、電池と熱交換を行う前の温調風が第2流路から流入することによって、電池の第1端部側と同じように電池の第2端部側も温調することができる。したがって、電池ケースに収納された電池についてその温度の均等化を図ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第2流路は、第1流路よりも温調風の流量が少ない。これによれば、第1流路からの温調風を大きく減少させることなく、第2流路から温調風を取り入れることによって、電池の第2端部側を効率的に温調することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1流路と前記第2流路との双方に温調風を送り出す単一の送風ファンからなる。これによれば、送風ファンを共通化することで、単一の送風ファンにより第1流路と第2流路との双方に温調風を送り出すことができ、装置の小型化及び省電力化を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電池ケースに収納された電池についてその温度の均等化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態における電池温調装置の構成図。
【図2】(a)及び(b)は、第1実施形態における電池の斜視図。
【図3】第1実施形態における電池温調装置の上面図。
【図4】第2実施形態における電池温調装置の上面図。
【図5】第3実施形態における電池温調装置の上面図。
【図6】別の実施形態における電池温調装置の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、電池温調装置10は、複数の電池20を収納する電池ケース12と、温調風を送り出す送風機構14と、送り出された温調風を電池ケース12に流入する流入路16と、電池ケース12からの温調風を排出する排出ダクト18とを備えている。なお、本実施形態における電池20は、図2(a)及び図2(b)に示すように、角型二次電池が採用されている。また、図1に示すように、本実施形態における電池温調装置10は、複数の電池ケース12A,12Bを備えており、複数の電池ケース12A,12Bのそれぞれに対して、流入路16、排出ダクト18が連通されている。特に、流入路16は、複数の電池ケース12A,12Bのそれぞれに対して2本の流路を形成している。
【0013】
次に、本実施形態における電池温調装置10について図3を参照して詳しく説明する。なお、図3においては、複数の電池ケースを代表して電池ケース12Aについて説明する。
【0014】
図3に示すように、本実施形態における電池ケース12Aは、上方から見て矩形状であり、電池ケース12Aの長手方向Xに沿って複数の電池20が並設されている。電池ケース12Aは、複数の電池20を収納する収納部22と、電池20の第1端部20A側に位置する上流部24と、電池20の第2端部20B側に設けられる下流部26とを有する。この上流部24には、送風機構14からの温調風が流入され、下流部26には、上流部24からの温調風が収納部22を介して流入される。
【0015】
収納部22には、複数の電池20が電池ケース12Aの長手方向Xに沿って並設される。複数の電池20のうち、電池ケース12Aの隔壁29の内側30と最も近い位置に配置される電池20は、電池ケース12Aの隔壁29との間に、上流部24と下流部26とを連通する間隙28が形成されるように配置されている。また、複数の電池20は、隣り合う電池20の間に、上流部24と下流部26とを連通する間隙28が形成されるようにスペーサ(図示略)で連結されている。上流部24は、電池ケース12Aの長手方向Xに延伸する空間であり、収納部22及び第1ダクト34と連通している。下流部26は、電池ケース12Aの長手方向Xに延伸する空間であり、収納部22、第2ダクト36及び排出ダクト18と連通している。
【0016】
送風機構14は、流入路16(連結ダクト32)に温調風を送り出す1つ(単一)の送風ファンから構成されている。また、この送風機構14は、加熱機能及び冷却機能の両方を有する機構である。
【0017】
流入路16は、連結ダクト32と、第1ダクト34と、第2ダクト36とを有する。連結ダクト32は、複数の電池ケース12A,12Bのそれぞれに設けられた第1ダクト34及び第2ダクト36に連通しており、送風機構14からの温調風を流入する。
【0018】
第1ダクト34は、上流部24に、電池20の並設方向から温調風が流入するように電池ケース12Aの長手方向Xに対する一端部において、上流部24に連通しており、送風機構14から送り出された温調風を上流部24に流入する。つまり、収納部22を介して第1ダクト34から下流部26に流入する温調風は、電池20と熱交換を行った後の温調風である。
【0019】
第2ダクト36は、下流部26に、電池20の並設方向から温調風が流入するように電池ケース12Aの長手方向Xに対する一端部において、下流部26に連通しており、送風機構14から送り出された温調風を下流部26に流入する。つまり、下流部26に第2ダクト36から流入する温調風は、電池20と熱交換を行う前の温調風である。
【0020】
第1ダクト34及び第2ダクト36のそれぞれは、連結ダクト32から電池ケース12Aまでの距離(長さ)が同じである。また、第1ダクト34及び第2ダクト36のそれぞれは、温調風の流路に沿って、その流路に直交する断面積が均等であるが、第2ダクト36は、第1ダクト34と比較して、その断面積が小さい。このため、第2ダクト36は、第1ダクト34よりも温調風の流量が少なく、その温調風の流入速度が速くなる。
【0021】
なお、本実施形態において、第1ダクト34が「第1流路」に、排出ダクト18が「排出流路」に、第2ダクト36が「第2流路」に、それぞれ相当する。
(第1実施形態の作用)
ここで、上述したように構成された電池温調装置10の作用について説明する。
【0022】
最初に、図3に示すように、送風機構14は、温調風を連結ダクト32に送り出す。連結ダクト32に送り出された温調風は、第1ダクト34を介して電池ケース12A,12Bのそれぞれにおける上流部24に流入する。上流部24に流入した温調風は、電池の並設方向に流れるとともに、収納部22における間隙28に流入する。そして、収納部22に流入した温調風は、電池20の間隙28を通過して下流部26に流入し、排出ダクト18に排出される。
【0023】
このように、送風機構14によって送り出された温調風は、上流部24を介して、電池20の間隙28を通過することで、電池20を温調する。特に、第1ダクト34及び上流部24を介して収納部22に流入する温調風は、電池20を温調することにより温調風の温度が変化するので、電池20の第1端部20A側よりも電池20の第2端部20B側のほうが温調され難くなる。このため、上流部24を介する温調風は、電池20の第1端部20A側を重点に温調することができる。
【0024】
その一方で、連結ダクト32に吹き出された温調風は、第2ダクト36を介して電池ケース12A,12Bのそれぞれにおける下流部26に流入する。この第2ダクト36からの温調風は、上流部24及び収納部22を介さず、電池20を温調する前に下流部26に直接流入する。下流部26に流入した温調風は、電池20の並設方向に流れ、排出ダクト18に排出される。
【0025】
このように、送風機構14によって送り出された温調風は、第2ダクト36を介して下流部26を通過することで、電池20の第2端部20B側を温調する。特に、第2ダクト36を介して下流部26に流入する温調風は、収納部22における電池20を温調する前に流入するので、送風機構14から送り出される温調風の温度から大きく変化しない。このため、電池20の第1端部20A側に供給される温調風の温度とほぼ同等の温度の温調風を電池20の第2端部20B側に供給することができる。
【0026】
また、第2ダクト36を介して下流部26に流入する温調風は、第1ダクト34、上流部24及び収納部22を介して下流部26に流入する温調風を排出ダクト18に導くことにもなる。
【0027】
従来においては、第2ダクト36を含まない構成においては、図2(b)に示すように、電池20に第1ダクトからの温調風Y1だけが流入し、電池20の第2端部20B側が第1端部20A側よりも温調され難く、温度差が大きくなってしまっていた。
【0028】
そこで、本実施形態において、第2ダクト36を含む構成とすることで、図2(a)に示すように、第1ダクト34からの温調風Y1だけではなく、第2ダクト36からの温調風X1が流入し、電池20の第2端部20B側を従来よりも温調することができる。
【0029】
(第1実施形態の効果)
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)第1ダクト34からの温調風により温調され難い電池ケース12Aの下流部26に、第1ダクト34とは別に第2ダクト36が連通され、電池20の温調を行っていない温調風が第2ダクト36から電池ケース12Aの下流部26に流入する。これによって、電池20の第1端部20A側に供給される温調風の温度とほぼ同等の温度の温調風を電池20の第2端部20B側に供給することができる。したがって、電池ケース12Aに収納された電池についてその温度の均等化を図ることができる。
【0030】
(2)第2ダクト36は、第1ダクト34よりも温調風の流量が少ない。これによれば、第1ダクト34からの温調風を大きく減少させることなく、第2ダクト36から温調風を取り入れることによって、電池20を効率的に温調することができる。
【0031】
(3)送風機構14は、第1ダクト34と第2ダクト36との双方に温調風を送り出す単一の送風ファンを有する。これによれば、送風ファンを共通化することで、単一の送風ファンにより第1ダクト34と第2ダクト36との双方に温調風を送り出すことができ、装置の小型化及び省電力化を図ることができる。
【0032】
(4)第1ダクト34と第2ダクト36は、第1ダクト34からの温調風および第2ダクト36からの温調風が、電池ケース12Aに、電池20の並設方向から流入するように電池ケース12Aに連通されている。このため、温調風の流入を互いに干渉し難くすることができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第1実施形態では、1つの送風ファンからの温調風を、第1ダクト34と第2ダクト36との両方に流入させた。これに対して、本実施形態では、図4に示すように、電池温調装置100において、第1送風ファン114Aからの温調風を第1ダクト34に、第2送風ファン114Bからの温調風を第2ダクト36にそれぞれ流入させる。
【0034】
具体的には、送風機構114は、2つの送風ファン114A,114Bから構成される。流入路116は、第1連結ダクト132Aと、第2連結ダクト132Bと、第1ダクト34と、第2ダクト36とを有する。
【0035】
第1送風ファン114Aは、第1連結ダクト132Aに連通する。第1連結ダクト132Aは、第1ダクト34に連通する。第2送風ファン114Bは、第2連結ダクト132Bに連通する。第2連結ダクト132Bは、第2ダクト36に連通する。なお、本実施形態において、第1連結ダクト132Aは、電池ケース12A以外の複数の電池ケースのそれぞれに対応する第1ダクトに連通し、第2連結ダクト132Bは、電池ケース12A以外の複数の電池ケースのそれぞれに対応する第2ダクトに連通する。
【0036】
また、第2ダクト36のほうが第1ダクト34よりも流量が少ないため、第2連結ダクト132B及び第2ダクト36に温調風を流入させる第2送風ファン114Bは、第1連結ダクト132A及び第1ダクト34に温調風を流入させる第1送風ファン114Aよりも流量が少ないファンを用いる。
【0037】
このように構成することで、第1送風ファン114Aからの温調風は、第1連結ダクト132A及び第1ダクト34を介して上流部24に流入する。その一方で、第2送風ファン114Bからの温調風は、第2連結ダクト132B及び第2ダクト36を介して、下流部26に流入する。
【0038】
このため、第1ダクト34への温調風の流量と、第2ダクト36への温調風の流量とを調整し易くなり、電池ケース12Aに配置された電池20についてその温度の均等化を図り易くすることができる。
【0039】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第1実施形態及び第2実施形態では、上流部24に、電池20の並設方向から温調風が流入するように、上流部24に第1ダクト34を連通した。これに対して、本実施形態では、図5に示すように、電池温調装置200において、上流部24に、上流部24から下流部26に向かう方向から温調風が流入するように、上流部24に第1ダクト234を連通した。
【0040】
具体的には、送風機構214は、第1送風ファン214A、左右の第2送風ファン214B,214Cを含む構成である。流入路216は、第1ダクト234と、左右の第2ダクト236A,236Bとを含む構成である。
【0041】
第1送風ファン214Aは、第1ダクト234と連通する。第2送風ファン214Bは、第2ダクト236Aと、第2送風ファン214Cは、第2ダクト236Bとそれぞれ連通する。
【0042】
第1ダクト234は、電池ケース12Aの長手方向Xに対する中央において、上流部24に、上流部24から下流部26に向かう方向から温調風が流入するように、上流部24に連通する。第2ダクト236A,236Bのそれぞれは、下流部26に、電池20の並設方向から温調風が流入するように電池ケース12Aの長手方向Xに対する両端部において、下流部26に連通する。排出ダクト218は、電池ケース12Aの長手方向Xに対する中央において、下流部26内の温調風を上流部24から下流部26に向かう方向から排出するように電池ケース12Aの下流部26に連通する。
【0043】
このように構成することで、第1送風ファン214Aからの温調風は、第1ダクト234を介して、電池20の並設方向から電池ケース12Aの上流部24に流入する。電池ケース12Aの長手方向Xに対する中央で第1ダクト234が上流部24に連通しているため、第1実施形態及び第2実施形態と比べて、第1ダクト234から最も離れた位置に配置される電池と第1ダクト234との距離が短くなり、各電池20に供給される温調風の温度差を小さくすることができる。
【0044】
その一方で、第2送風ファン214B,214Cからの温調風は、第2ダクト236A,236Bを介して、電池ケース12Aの長手方向Xに対する両端部から下流部26に流入する。電池ケース12Aの長手方向Xに対する両端部で第2ダクト236A,236Bが下流部26に連通しているため、第1実施形態及び第2実施形態と比べて、第2ダクト236A,236Bから最も離れた位置に配置される電池と第2ダクト236A,236Bとの距離が短くなり、各電池20に供給される温調風の温度差を小さくすることができる。更にまた、電池ケース12Aの長手方向Xに対する中央で排出ダクト218が下流部26に連通しているため、排出ダクト218から温調風を排出し易い。
【0045】
このように、電池ケース12Aの長手方向Xに対する中央に第1ダクト234が設けられることによって、各電池20に第1ダクト234から供給される温調風の温度差を小さくすることができる。
【0046】
また、電池ケース12Aの長手方向Xに対する両端部に第2ダクト236A,236Bが設けられることによって、各電池20に第2ダクト236A,236Bから供給される温調風の温度差も小さくすることができる。
【0047】
更にまた、電池ケース12Aの長手方向Xに対する中央に排出ダクト218が設けられることによって、第2ダクト236A,236Bからの温調風の流入により、円滑に温調風を排出することができる。
【0048】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○第1実施形態において、第1ダクト34と第2ダクト36の長さを異ならせてもよく、第1ダクト34と第2ダクト36の断面積を同じとしてもよい。また、第1ダクト34の断面積を均一にしなくてもよく、絞りを形成してもよい。同じように、第2ダクト36の断面積を均一にしなくてもよく、絞りを形成してもよい。また、第1ダクト34と第2ダクト36の流量を同じとしてもよい。
【0049】
○第1実施形態において、一つの電池ケースの上流部24に対して複数の第1ダクトを連通し、送風機構からの温調風が複数箇所から上流部24に流入するように構成してもよい。また、一つの電池ケースの下流部26に対して複数の第2ダクトを連通し、電池と熱交換を行う前の温調風が複数箇所から下流部26に流入するように構成してもよい。また、一つの電池ケースの下流部26に対して複数の排出ダクトを連通し、下流部26内の温調風を外部に排出してもよい。
【0050】
○第1実施形態において、第1ダクト34と第2ダクト36は、第1ダクト34からの温調風および第2ダクト36からの温調風が、電池20の並設方向から電池ケース12に流入するように電池ケース12Aに連通した。しかし、これに限らず、例えば、上流部24から下流部26に向かう方向から電池ケース12に流入するように電池ケース12Aに連通してもよい。また、例えば、第1ダクト34と第2ダクト36のうち、一方が、電池20の並設方向から電池ケース12に温調風が流入するように電池ケース12Aに連通され、他方が上流部24から下流部26に向かう方向から電池ケース12に温調風が流入するように電池ケース12Aに連通されてもよい。
【0051】
○第1実施形態において、送風機構14を1つの送風ファンから構成したが、これに限らず、例えば、複数の電池ケース12A,12Bに対して単一の送風ファンが配設されていれば、複数の送風ファンが配設されていてもよい。もちろん、1つの電池ケースに対して単一の送風ファンが配設されていてもよい。
【0052】
○上記実施形態において、連結ダクト32を備えない構成であってもよく、その場合、電池ケース毎に、送風機構を配設して独立して温調風を流入する構成が好ましい。また、電池ケース12と送風機構とが直接接続される構成であってもよい。例えば、図6に示すように、電池ケース12Aにおける隔壁29の肉厚分だけ、各ダクトが形成されることとなる。なお、図6においては、第1流路に相当する第1ダクト334のみを示したが、第2流路に相当する第2ダクトについても同じように構成してもよい。このように、第1流路と第2流路の両方について、電池ケース12と送風機構とが直接接続される場合には、送風機構を別々に設けることとなる。また、一方の流路については電池ケース12と送風機構とが直接接続され、他方の流路については電池ケース12と送風機構とが直接接続されてなくてもよく、その場合には、一方の流路に連通している送風機構から、他方の流路に温調風を流入させてもよい。
【0053】
○上記実施形態において、送風機構14として、加熱機能と冷却機能とを有する送風ファンを採用したが、これに限らず、加熱機能を有するが冷却機能を有さない送風ファンであってもよい。また、送風機構14として、冷却機能を有するが加熱機能を有さない送風ファンであってもよい。つまり、電池の温度を調整できれば、冷却する調温風(温調媒体)であっても加熱する調温風であってもよい。
【0054】
○上記実施形態において、電池20と電池ケース12Aの隔壁29との間に間隙28を形成されなくてもよい。
○上記実施形態において、電池20として角型の二次電池を用いたが、これに限らない。
【0055】
○上記実施形態において、一つの電池ケースのみの構成であってもよい。また、一つの電池ケースに対して一つの電池が収納されていてもよい。
○上記実施形態において、上方から見て矩形状の電池ケース12Aとしたが、この形状に限らない。
【0056】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 前記第2流路は、前記送風機構から送り出された温調風を、前記第1流路を介さずに、前記電池ケースに収納された前記電池と熱交換することなく、前記電池ケースの下流部に流入することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の電池温調装置。
【0057】
(ロ) 前記送風機構は、前記第1流路に連通している第1送風ファンと、前記第2流路に連通している第2送風ファンとを有し、前記第2送風ファンは、前記第1送風ファンよりも温調風の流量が少ないことを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の電池温調装置。
【符号の説明】
【0058】
10,100,200…電池温調装置、12A,12B…電池ケース、14,114,214…送風機構、20…電池、20A…第1端部、20B…第2端部、22…収納部、24…上流部、26…下流部、34,234…第1ダクト、36,236A,236B…第2ダクト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池が収納される電池ケースと、前記電池ケースに温調風を送り出す送風機構とを備えた電池温調装置において、
前記電池の第1端部側に位置する前記電池ケースの上流部に前記送風機構から送り出された前記温調風を流入する第1流路と、
前記第1流路から前記電池ケースの上流部に流入され、前記電池ケースに収納された前記電池と熱交換を行った後の前記温調風を、前記電池の第2端部側に位置する前記電池ケースの下流部から排出する排出流路と、
前記電池と熱交換を行う前の前記温調風を前記電池ケースの下流部に流入する第2流路とを備えたことを特徴とする電池温調装置。
【請求項2】
前記第2流路は、前記第1流路よりも温調風の流量が少ないことを特徴とする請求項1に記載の電池温調装置。
【請求項3】
前記送風機構は、前記第1流路と前記第2流路との双方に前記温調風を送り出す単一の送風ファンからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電池温調装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−110021(P2013−110021A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255250(P2011−255250)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】