説明

電波時計を備える電子機器

【課題】基地局等から発信された標準時刻情報を有する信号を受信できない状態においても正確な時刻に基づいて管理することのできる電子機器を提供する。
【解決手段】画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態であり、標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を送受信部91で受信したときには、標準時刻とタイマー92によって計測される現在時刻(タイマー時刻)との時間差が計測され、この時間差がメモリ93に記憶される。一方、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態であり、このとき画像形成装置に不具合が生じると、不具合の生じた箇所とタイマー時刻とが関連付けられてメモリ93に記憶される。そして、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態から通信可能な状態に変化したときに、画像形成装置に生じた不具合の箇所と関連付けられてメモリ93に記憶されたタイマー時刻が、標準時刻と等しい時刻に補正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波時計を備える電子機器に関し、特に、この電波時計の標準時刻情報に基づいて電子機器の管理を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内部時計を備えるとともに、この内部時計の時刻情報に基づき、機器内部の電子部品に故障や交換等の不具合が生じた時刻を機器内部のメモリに記憶したり、タイマー機能を利用して機器内部の電子部品の制御を行う電子機器が知られている。
【0003】
しかしながら、このような内部時計を備える電子機器においては、内部カウンタの計数タイミングにずれがあるため、人為的に内部時計の時刻が標準時刻に調整された後、時間の経過とともに内部時計の時刻が標準時刻に対してずれてゆく。このため、従来の電子機器においては、電子機器の動作時に内部時計の時刻と標準時刻との間にずれが生じ、電子部品に不具合が生じた時刻を記憶したりタイマー機能を利用して電子部品の制御を行ったりする場合において、標準時刻に合わせて管理することが困難であった。
【0004】
これに対し、標準時刻を表示する電波時計の時刻情報に基づいて内部時刻情報を補正する複写機が提案されている(特許文献1参照)。この複写機では、内蔵される電波時計が基地局等から発信された標準時刻情報を有する信号を定期的に受信することで、その都度、内部時刻が標準時刻に補正される。そして、原稿の複写時には、内部時刻情報と、直前に補正された内部時刻情報と、直前に補正されたときの内部時刻の補正量とが、複写された原稿とともに印刷紙に出力される。
【特許文献1】特開2003−307977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記複写機のように、電子機器の内部時刻情報を電波時計の時刻情報に基づいて補正するような構成とすれば、補正された内部時刻情報に基づき、電子部品に不具合が生じた時刻を正確にメモリに記憶したり、タイマー機能を利用して正確に電子部品の制御を行ったりすることができる。
【0006】
これに対し、電子機器が基地局等から発信された標準時刻情報を有する信号を受信できない状態にあるときには、内部時刻情報を補正することができない。このため、基地局等から発信された標準時刻情報を有する信号を受信できない状態に陥る直前に補正された内部時刻情報に基づいて、電子機器の管理が行われる。しかしながら、上述のように、内部時刻情報を用いるだけでは、時間の経過とともに内部時刻が標準時刻に対してずれてゆくため、電子機器の管理を正確に行うことができない。
【0007】
このように、電波時計を備える電子機器においては、電子機器が基地局等から発信された標準時刻情報を有する信号を受信できない状態にあるときに、電子部品に不具合が生じた時刻を正確に記憶したり、タイマー機能を利用して正確に電子部品の制御を行ったりすることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基地局等から発信された標準時刻情報を有する信号を受信できない状態においても正確な時刻に基づいて管理することのできる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、標準電波送信所へ標準時刻情報の送信を要求する信号を所定時間ごとに送信するとともに標準電波送信所から標準時刻情報を有する信号を受信する送受信部と、現在時刻を計測するとともに前記送受信部で得られた標準時刻情報に基づいて時刻補正されるタイマーと、時刻情報を必要とするデータが前記タイマーによって計測された現在時刻とともに記憶されるメモリと、を備える電子機器において、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信可能な状態であり、前記標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を前記送受信部で受信したときには、前記タイマーによって計測される現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時刻補正がなされたタイマーによって計測された現在時刻とともに時刻情報を必要とするデータが前記メモリに記憶される一方、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態であるときに時刻情報を必要とするデータとともに前記メモリに記憶される前記タイマーによって計測された現在時刻が、当該現在時刻が前記タイマーによって計測されたときの標準時刻と等しい時刻に補正されて前記メモリに記憶されることを特徴とする。
【0010】
このように構成された電子機器において、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態であるときには、前記タイマーによって計測された現在時刻が補正されることなく時刻情報を必要とするデータとともに前記メモリに記憶される一方、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態から前記標準電波送信所と通信可能な状態に変化したときに、前記タイマーによって計測された現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時刻情報を必要とするデータとともに前記メモリに記憶された前記タイマーによって計測された現在時刻が、当該現在時刻が前記タイマーによって計測されたときの標準時刻と等しい時刻に補正されて前記メモリに記憶される。
【0011】
このとき、前記送受信部で受信した標準時刻情報により確認される標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻とを比較することで、標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻との時間差を求めるとともに、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態に陥る直前に前記送受信部で受信した第1の標準時刻情報と、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態から前記標準電波送信所と通信可能な状態に変化した直後に前記送受信部で受信した第2の標準時刻情報と、前記第2の標準時刻情報により確認される標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻との時間差と、に基づいて、前記送受信部が標準電波通信所と通信不可能な状態であるときに前記タイマーによって計測されるとともに前記メモリに記憶された現在時刻が、標準時刻と等しい時刻に補正される。
【0012】
また、このように構成された電子機器において、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態であるときに、前記タイマーによって計測された現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時間情報を必要とするデータが時刻補正がなされた前記タイマーによって計測される現在時刻とともに前記メモリに記憶される。
【0013】
このとき、前記送受信部で受信される標準時刻情報と、標準時刻情報により確認される標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻とを比較することで得られる標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻との時間差と、が前記メモリに格納され、前記送受信部が標準電波通信所と通信不可能な状態であるときに、前記標準時刻情報と前記時間差とに基づいて前記タイマーによって計測された現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時刻補正がなされた前記タイマーによって計測される現在時刻が時刻補正を必要とするデータとともに前記メモリに記憶される。
【0014】
また、上述のそれぞれの電子機器において、時刻補正された前記タイマーによって計測される現在時刻に基づいて、機器内部の各部品の時間管理が行われるものとしても構わない。
【0015】
このように、電子機器では、時刻補正されたタイマーによって現在時刻が計測されるとともに、機器内部の各部品に故障が生じたり、各部品を交換したり清掃したりする必要が生じると、各部品の故障時期や交換時期、清掃時期などの時刻情報を必要とするデータがタイマーによって計測された現在時刻とともにメモリに記憶される。そして、時刻情報を必要とするデータとともにメモリに記憶されたタイマーによって計測された現在時刻から各部品の交換時期や清掃時期などが推測され、時刻補正されたタイマーによって計測される現在時刻に基づいて、機器内部の各部品の時間管理が行われる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子機器の送受信部が標準電波送信所と通信不可能な状態であるときに時刻情報を必要とするデータとともにメモリに記憶されるタイマーによって計測された現在時刻を、当該現在時刻がタイマーによって計測されたときの標準時刻と等しい時刻に補正してメモリに記憶することができる。従って、本発明によれば、電子機器の送受信部が標準電波送信所と通信不可能な状態に陥った場合でも、時刻情報を必要とするデータを正確な時刻とともに電子機器のメモリに記憶させることができ、電子機器の管理性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
《発明の実施形態1》
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、感光ドラム10と、この感光ドラム10の表面全体を帯電させる帯電部20と、感光ドラム10の表面にレーザ光を照射する露光部30と、感光ドラム10の表面のうちレーザ光が照射された部分にトナー43を付着させることで現像を行う現像部40と、感光ドラム10の表面に付着したトナー43を記録紙に転写する転写部50と、記録紙に転写されたトナー43を記録紙に定着させる定着部60と、定着部60で生じる熱を画像形成装置の外部へ放熱することで画像形成装置の内部を冷却する冷却ファン70と、感光ドラム10の表面に残留するトナー43を除去することで感光ドラム10の清掃を行うクリーニング部80とを備えている。
【0019】
また、図2に示すように、この画像形成装置は、装置内部の各部の動作を制御するとともに各部から出力された信号を受信する制御部90と、標準時刻情報を取得するために標準電波送信所との信号の送受信を行う送受信部91と、現在時刻を計測するタイマー92と、装置内部の不具合が生じた箇所をタイマー92で計測された現在時刻(以下、「タイマー時刻」と称する)と関連付けて記憶するとともにタイマー時刻と所定時間ごとに計測される標準時刻との時間差を記憶するメモリ93と、ユーザが各種印刷モード等を入力するための操作部94と、ユーザによって入力された印刷モードや装置内部の状況等が表示される表示部95とを備えている。そして、この画像形成装置は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程、及びクリーニング工程の各工程を順に行う。
【0020】
このような構成の画像形成装置において、まず、帯電部20は、図1に示す帯電ワイヤ21を備えており、帯電工程において帯電ワイヤ21のコロナ放電により感光ドラム10の表面を均一に帯電させる。また、露光部30は、図1に示すレーザスキャナユニット31を備えており、露光工程においてレーザスキャナユニット31から感光ドラム10へ向けてレーザ光を照射し、感光ドラム10の表面のうちレーザ光が当たった部分に静電潜像を形成する。
【0021】
また、図1に示すように、現像部40は現像ローラ41を備えるとともにトナー容器42の内部にトナー43が収容されており、現像工程において帯電したトナー43を現像ローラ41により搬送することで感光ドラム10の表面に形成された静電潜像にこのトナー43を付着させて現像を行う。更に、転写部50は、図1に示す転写ローラ51を備えており、転写工程において転写ローラ51と感光ドラム10の間を通過する記録紙に感光ドラム10の表面に付着したトナー43を転写する。
【0022】
また、図1に示すように、定着部60は、定着ローラ61と、定着ローラ61を加熱するための定着ヒータ62と、加圧ローラ63と、定着ローラ61の温度を検出する温度センサ(不図示)とを備えている。そして、温度センサにより定着ローラ61の温度が検出されるとともに、この温度情報に基づいて定着ヒータ62の温度が制御される。また、定着部60は、定着工程において定着ローラ61を定着ヒータ62によって加熱することで定着ローラ61と加圧ローラ63の間を通過する記録紙のトナー43を溶かし、このトナー43を記録紙に定着させる。
【0023】
更に、図1に示すように、クリーニング部80は、クリーニングブレード81を備えており、クリーニング工程においてクリーニングブレード81を感光ドラム10に接触させることで感光ドラム10の表面に残留するトナー43の除去を行う。
【0024】
このように構成された画像形成装置では、タイマー時刻によって各部の管理が行われる。そして、装置内部の記録紙搬送路(不図示)の途中に記録紙が詰まったり、装置内部の電子部品等に故障が生じたりすると、図2に示すように、これらの不具合が起きた箇所から制御部90へ信号が送られ、これらの不具合が起きた箇所とこれらの不具合が起きたときのタイマー時刻とが関連付けられてメモリ93に記憶される。即ち、画像形成装置に不具合が生じたとき、タイマー時刻として、タイマー92で標準時刻を計測し、この計測された標準時刻が不具合の起きた箇所と関連付けられてメモリ93や装置外部のデータベースに記憶されるとともに、この計測された標準時刻がユーザやネットワーク回線網を通じて装置のメンテナンスを行うサービスマンに知らされることが望ましい。
【0025】
そこで、この画像形成装置では、タイマー92によって計測される現在時刻を標準時刻に合わせるため、図3に示すフロチャートに基づく制御が行われる。具体的には、まず、タイマー92によって計測される現在時刻を初めて設定するための初期設定が必要か否かの判定が行われる(ステップS11)。そして、画像形成装置に付属される電源コードがコンセントなどに接続され、画像形成装置に初めて電力が供給されたとき、タイマー92による現在時刻が確認できないため、初期設定が必要であると判断される(ステップS11でYes)。また、このとき、図2に示す制御部90に設置されるカウンタ(不図示)が起動し始める。
【0026】
このように、タイマー92に対する初期設定が必要であると判断されると(ステップS11でYes)、図2に示す送受信部91から標準電波送信所へ標準時刻情報の送信を要求する信号が送信される(ステップS12)。このとき、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態であり、標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を送受信部91で受信したとき(ステップS13でYes)、受信した標準時刻情報が確認されて、この標準時刻に基づく現在時刻情報がメモリ93に格納される(ステップS14)。
【0027】
一方、障害物などが存在し、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態であるとき(ステップS13でNo)、図2に示す表示部95に標準時刻情報を有する信号を受信できない旨の内容が表示される(ステップS15)。このため、ユーザが操作部94で現在時刻を入力することにより(ステップS16)、この入力された現在時刻情報がメモリ93に格納される(ステップS14)。
【0028】
続いて、メモリ93に格納された現在時刻情報が制御部90に読み出されるとともに、この現在時刻と等しい時刻にタイマー時刻が設定される(ステップS17)。その後、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が行われる(ステップS18)。そして、電源から画像形成装置へ電力が供給されていないとき(ステップS18でNo)、すなわち画像形成装置に付属される電源コードがコンセントから引き抜かれているときなど、動作不可能となるため、処理が終了する。一方、電源から画像形成装置へ電力が供給されているとき(ステップS18でYes)、タイマー92の時刻設定がなされてから所定時間(例えば、T秒)が経過しているか否かの判定が行われる(ステップS19)。
【0029】
そして、タイマー92の時刻設定がなされてから所定時間が経過しているとき(ステップS19でYes)、再びステップS11に移行して初期設定を行う必要があるか否かの判定が行われる。一方、タイマー92の時刻設定がなされてから所定時間が経過していないとき(ステップS19でNo)、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が再び行われる(ステップS18)。
【0030】
また、画像形成装置の初期設定が完了していることを確認して、初期設定が不要であると判断すると(ステップS11でNo)、送受信部91から標準電波送信所へ標準時刻情報の送信を要求する信号が送信される(ステップS20)。このとき、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態であり、標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を送受信部91で受信したとき(ステップS21でYes)、制御部90において標準時刻とタイマー時刻との時間差が計測される(ステップS22)。そして、この計測された標準時刻とタイマー時刻との時間差が、図2に示すメモリ93に記憶される(ステップS23)。その後、送受信部91で受信した標準時刻情報が確認されて、この標準時刻に基づく現在時刻情報がメモリ93に格納される(ステップS14)。
【0031】
続いて、タイマー時刻が、標準時刻と等しい時刻に補正される(ステップS17)。このタイマー時刻の補正方法としては、例えば、タイマー時刻と標準時刻との時間差を現在のタイマー時刻に加算または減算するやり方が挙げられる。その後、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が行われる(ステップS18)。
【0032】
一方、障害物などが存在し、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態であるとき(ステップS21でNo)、標準時刻とタイマー時刻との時間差を計測できないためにタイマー時刻の補正が行われず、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が行われる(ステップS18)。
【0033】
このように、この画像形成装置では、制御部90に設置されるカウンタの計測値に基づき、所定時間(T秒)ごとに送受信部91から標準電波送信所へ標準時刻情報の送信を要求する信号が送信される。そして、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態であり、標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を送受信部91で受信したときには、標準時刻と等しい時刻にタイマー時刻が補正され、補正されたタイマー時刻によって画像形成装置の各部の制御が行われる。
【0034】
また、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態にある間、所定時間(T秒)ごとに標準時刻とタイマー時刻との時間差がメモリ93に記憶される。そして、メモリ93に記憶された標準時刻とタイマー時刻との時間差と、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態に陥る直前にメモリ93に格納された現在時刻情報と、画形成装置が再び標準電波送信所と通信可能な状態に変化した直後にメモリ93に格納された現在時刻情報とに基づき、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態にあるときにメモリ93に記憶された画像形成装置に不具合が生じたときの時刻が補正される。
【0035】
具体的に、図4を参照しながら、メモリ93に記憶された画像形成装置に不具合が生じたときの時刻の補正方法を説明する。尚、図4において、例えば13:00:00はタイマー92によって計測される現在時刻を表し、(13:00:00)は標準時刻情報に基づく現在時刻を表す。そして、図4に示すように、13時00分00秒という現在時刻情報がメモリ93に格納された直後に画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態に陥り、再び画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態に変化した直後にメモリ93に格納された現在時刻情報が同日の14時01分00秒であったとする。また、同日の14時01分00秒において、標準時刻とタイマー時刻との時間差が60秒と計測されたとする。
【0036】
このとき、画像形成装置の記録紙搬送路で紙詰まりが発生した時刻が同日の13時30分00秒であるとメモリ93に記憶されていれば、メモリ93に記憶された標準時刻とタイマー時刻との時間差60秒と、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態に陥る直前にメモリ93に格納された13時00分00秒という現在時刻情報と画像形成装置が再び標準電波送信所と通信可能な状態に変化したときのタイマー時刻14時00分00秒との時間差3600秒との比に基づいて、画像形成装置の記録紙搬送路で紙詰まりが発生した時刻の標準時刻との差30秒が求められる。よって、画像形成装置の記録紙搬送路で紙詰まりが発生した時刻が13時30分30秒に補正されてメモリ93に記憶される。
【0037】
このように、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態にあるときには、画像形成装置に生じた不具合の箇所が補正されたタイマー時刻と関連付けられてメモリ93に記憶される。一方、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態に陥り、再び画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態に変化したときに、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態においてメモリ93に記憶された画像形成装置に不具合が生じたときの時刻が、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態に変化したときにメモリ93に記憶された標準時刻とタイマー時刻との時間差に基づいて補正される。
【0038】
よって、この画像形成装置では、標準電波送信所と通信不可能な状態にあるときにメモリに93に記憶された装置に不具合が生じたときの時刻を、標準電波送信所と通信不可能な状態から標準電波送信所と通信可能な状態に変化したときに、標準時刻と同じ時刻に補正することができる。そして、画像形成装置に不具合が生じたときの正確な時刻をユーザやサービスマンへ知らせることができる。また、画像形成装置に生じた不具合の箇所を正確な時刻と関連付けて管理することで、装置内部のメモリ93や装置外部のデータベースに蓄積されたデータに基づいて、例えば画像形成装置に不具合が生じた時刻から装置外部の温度等を正確に推測できる。これにより、画像形成装置に不具合が生じた原因を容易に解明することができる。従って、画像形成装置の管理性能を向上させることができる。
【0039】
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、上記実施形態1の画像形成装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0040】
本実施形態の画像形成装置には、図1に示すレーザスキャナユニット31の光学系レンズや感光ドラム10等に結露が発生することを防止するための結露防止ヒータ(不図示)が設置される。ここで、冬場等において、画像形成装置が設置される室内の温度が低下すると、例えば感光ドラム10の表面に結露が発生する。そして、画像形成装置の内部の温度が低下したままの状態で動作が開始されると、感光ドラム10の表面にトナー43が付着しにくくなり、記録紙の画像が不鮮明なものとなる。このため、感光ドラム10の近傍に結露防止ヒータを設置して画像形成装置の動作開始前に所定時間だけ結露防止ヒータへ通電することにより、感光ドラム10の表面温度を上昇させ、感光ドラム10の表面に結露が発生することを防止する。
【0041】
このように構成された画像形成装置では、図5に示すように、ユーザが操作部94で結露防止ヒータに通電される時間帯を入力すると、ユーザが入力した情報がメモリ93に記憶される。そして、メモリ93に記憶された情報が制御部90によって読み出され、タイマー92で計測した現在時刻と比較される。この比較結果により、タイマー92で計測した現在時刻がユーザが入力した開始時間と等しいことが確認されると結露防止ヒータが電源ONとなり、タイマー92で計測した現在時刻がユーザが入力した終了時間と等しいことが確認されると結露防止ヒータが電源OFFとなる。
【0042】
また、この画像形成装置では、記録紙の印刷が行われるとき、上記実施形態1と同様に現像工程において現像部40のトナー容器42に収容されるトナー43が感光ドラム10へと搬送される。このため、記録紙の印刷枚数が増加するにつれ、現像部40のトナー容器42に収容されるトナー43が減少してゆく。そして、トナー容器42のトナー43が無くなったところで、トナー容器42を交換する必要がある。
【0043】
そこで、この画像形成装置には、図5に示すように、制御部90からの制御信号によって記録紙の印字量を演算する印字量演算部96が設けられる。そして、記録紙が印刷されるごとに、この印字量演算部96において記録紙へのトナー43の印字量が演算される。具体的に、印字量演算部96におけるトナー43の印字量は、記録紙1枚あたりのトナー43の最大印字量に記録紙の印字率を乗じた値で算出される。そして、印字量演算部96において算出された記録紙へのトナー43の印字量は、記録紙が1枚印刷されるごとに積算されて画像形成装置のメモリ93に記憶される。
【0044】
一方、画像形成装置のメモリ93には、トナー容器42に収容されるトナー43の最大量が予め記憶されている。そして、記録紙の印刷時には、トナー容器42に収容されるトナー43の最大量と積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量とが比較される。この比較結果により、トナー容器42に収容されるトナー43の最大量に対して積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量が所定の閾値に達したところで、トナー43の交換時期が近いこと知らせる内容が表示部95に表示される。また、このとき、画像形成装置に接続されるネットワーク回線網を通じて、トナー43の交換時期が近いこと知らせる内容がサービスマンへ伝達される。
【0045】
トナー43の交換時期が近いこと知らせる内容が表示部95に表示されると、ユーザ又はサービスマンによってトナー容器42の交換が行われる。そして、ユーザ又はサービスマンがトナー容器42の交換が終了したことを操作部94に入力すると、この情報が制御部90へ送られ、積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量がリセットされる。また、トナー容器42の交換を終了したときのタイマー92によって計測される現在時刻がメモリ93に記憶される。そして、トナー容器42の交換が行われるごとに、制御部90においてトナー容器42の交換が行われた時刻の間隔の平均値が算出され、この平均値がメモリ93に記憶される。また、トナー容器42の交換が行われた時刻の間隔の平均値に基づいて次回にトナー容器42の交換を行う時期が予測され、予測された次回にトナー容器42の交換を行う時期が表示部95に表示される。
【0046】
また、この画像形成装置の動作時には、図1に示すように、感光ドラム10の表面に付着したトナー43の一部が感光ドラム10の近傍に設置された帯電部20付近まで飛散する。そして、感光ドラム10から飛散したトナー43が、帯電部20の帯電ワイヤ21に付着する。このため、記録紙の印刷枚数が増加するにつれ、帯電ワイヤ21の汚れが増してゆく。そして、帯電ワイヤ21の汚れがひどくなると、すなわち帯電ワイヤ21に付着するトナー43の量が増してゆくと、この帯電ワイヤ21によって感光ドラム10の表面を均一に帯電させることが困難となる。このため、定期的に帯電部20を清掃し、帯電ワイヤ21に付着したトナー43を完全に除去する必要がある。
【0047】
そこで、この画像形成装置では、トナー容器42の交換を行う場合と同様に、帯電部20の清掃を行うタイミングが、記録紙が印刷されるごとに積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量により決定される。また、画像形成装置のメモリ93には、帯電部20の清掃を行う必要が生じるまでの記録紙へのトナー43の印字量が予め記憶されている。
【0048】
そして、画像形成装置の印刷時には、帯電部20の清掃を行う必要が生じるまでの記録紙へのトナー43の印字量と、積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量とが制御部90で比較される。この比較結果により、帯電部20の清掃を行う必要が生じるまでの記録紙へのトナー43の印字量に対して積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量が所定の閾値に達したところで、帯電部20の清掃時期が近いことを知らせる内容が表示部95に表示される。また、このとき、画像形成装置に接続されるネットワーク回線網を通じて、帯電部20の清掃時期が近いこと知らせる内容がサービスマンへ伝達される。
【0049】
そして、帯電部20の清掃時期が近いことを知らせる内容が表示部95に表示されると、ユーザ又はサービスマンによって帯電部20の清掃が行われる。そして、ユーザ又はサービスマンが帯電部20の清掃が終了したことを操作部94に入力すると、この情報が制御部90へ送られ、積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量がリセットされる。また、帯電部20の清掃が終了したときのタイマー92によって計測される現在時刻がメモリ93に記憶される。そして、帯電部20の清掃が行われるごとに、制御部90において帯電部20の清掃が行われた時刻の間隔の平均値が算出され、この平均値がメモリ93に記憶される。また、帯電部20の清掃が行われた時刻の間隔の平均値に基づいて次回に帯電部20の清掃を行う時期が予測され、予測された次回に帯電部20の清掃を行う時期が表示部95に表示される。
【0050】
更に、この画像形成装置の動作時には、上記実施形態1で述べたように、クリーニング工程において、感光ドラム10の表面に残留するトナー43がクリーニングブレード81によって感光ドラム10の表面から除去される。しかしながら、感光ドラム10の表面に強固にトナー43が付着していると、クリーニング工程によっても、このトナー43を感光ドラム10の表面から完全に除去することができない。このため、記録紙の印刷枚数が増加するにつれ、感光ドラム10の表面に残留するトナー43の量が少しずつ増してゆく。そして、感光ドラム10の表面に残留するトナー43の量が多くなると、感光ドラム10のトナー43を転写工程において記録紙に正確に転写することが困難となる。このため、定期的に感光ドラム10を清掃し、感光ドラム10の表面に残留するトナー43を完全に除去する必要がある。
【0051】
そこで、この画像形成装置では、トナー容器42の交換を行う場合と同様に、感光ドラム10の清掃を行うタイミングが、記録紙が印刷されるごとに積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量により決定される。また、画像形成装置のメモリ93には、感光ドラム10の清掃を行う必要が生じるまでの記録紙へのトナー43の印字量が予め記憶されている。
【0052】
そして、画像形成装置の動作時には、感光ドラム10の清掃を行う必要が生じるまでの記録紙へのトナー43の印字量と、積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量とが制御部90で比較される。この比較結果により、感光ドラム10の清掃を行う必要が生じるまでの記録紙へのトナー43の印字量に対して積算されてメモリ93に記憶される記録紙へのトナー43の印字量が所定の閾値に達したところで、感光ドラム10の清掃時期が近いことを知らせる内容が表示部95に表示される。また、このとき、画像形成装置に接続されるネットワーク回線網を通じて、感光ドラム10の清掃時期が近いこと知らせる内容がサービスマンへ伝達される。
【0053】
そして、感光ドラム10の清掃時期が近いことを知らせる内容が表示部95に表示されると、ユーザ又はサービスマンによって感光ドラム10の清掃が行われる。そして、ユーザ又はサービスマンが感光ドラム10の清掃が終了したことを操作部94に入力すると、この情報が制御部90へ送られ、積算されてメモリ93に記憶された記録紙へのトナー43の印字量がリセットされる。また、感光ドラム10の清掃が終了したときのタイマー92によって計測される現在時刻がメモリ93に記憶される。そして、感光ドラム10の清掃が行われるごとに、制御部90において感光ドラム10の清掃が行われた時刻の間隔の平均値が算出され、この平均値がメモリ93に記憶される。また、感光ドラム10の清掃が行われた時刻の間隔の平均値に基づいて次回に感光ドラム10の清掃を行う時期が予測され、予測された次回に感光ドラム10の清掃を行う時期が表示部95に表示される。
【0054】
このように構成された画像形成装置では、タイマー92によって計測される現在時刻を標準時刻に合わせるため、図6に示すフロチャートに基づく制御が行われる。尚、図3に示すフロチャートにおける動作と同じ動作については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
具体的には、まず、タイマー92によって計測される現在時刻を初めて設定するための初期設定が必要か否かの判定が行われる(ステップS11)。そして、タイマー92に対する初期設定が必要であると判断されると(ステップS11でYes)、図5に示す送受信部91から標準電波送信所へ標準時刻情報の送信を要求する信号が送信される(ステップS12)。このとき、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態であり、標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を送受信部91で受信したとき(ステップS13でYes)、受信した標準時刻情報が確認されて、この標準時刻に基づく現在時刻情報がメモリ93に格納される(ステップS14)。
【0056】
一方、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態であるとき(ステップS13でNo)、図5に示す表示部95に標準時刻情報を有する信号を受信できない旨の内容が表示される(ステップS15)。このため、ユーザが操作部94で現在時刻を入力することにより(ステップS16)、この入力された現在時刻情報がメモリ93に格納される(ステップS14)。
【0057】
続いて、メモリ93に格納された現在時刻情報が制御部90に読み出されるとともに、標準時刻と等しい時刻にタイマー時刻が設定される(ステップS17)。その後、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が行われる(ステップS18)。そして、電源から画像形成装置へ電力が供給されていないとき(ステップS18でNo)、処理が終了する。一方、電源から画像形成装置へ電力が供給されているとき(ステップS18でYes)、タイマー92の時刻設定がなされてから所定時間(例えば、T秒)が経過しているか否かの判定が行われる(ステップS19)。
【0058】
そして、タイマー92の時刻設定がなされてから所定時間が経過しているとき(ステップS19でYes)、再びステップS11に移行して初期設定を行う必要があるか否かの判定が行われる。一方、タイマー92の時刻設定がなされてから所定時間が経過していないとき(ステップS19でNo)、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が再び行われる(ステップS18)。
【0059】
また、画像形成装置の初期設定が完了していることを確認して、初期設定が不要であると判断すると(ステップS11でNo)、送受信部91から標準電波送信所へ標準時刻情報の送信を要求する信号が送信される(ステップS20)。このとき、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態であり、標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を送受信部91で受信したとき(ステップS21でYes)、制御部90において標準時刻とタイマー時刻との時間差が計測される(ステップS22)。
【0060】
そして、メモリ93に記憶された所定時間ごとの標準時刻とタイマー時刻との時間差がメモリ93から読み出され、新たに計測された標準時刻とタイマー時刻との時間差を含めて標準時刻とタイマー時刻との時間差の平均値が求められる(ステップS31)。その後、新たに計測された標準時刻とタイマー時刻との時間差と、標準時刻とタイマー時刻との時間差の平均値とがメモリ93に記憶される(ステップS32)。また、送受信部91で受信した標準時刻情報が確認されて、この標準時刻に基づく現在時刻情報がメモリ93に格納される(ステップS14)。続いて、タイマー時刻が、標準時刻と等しい時刻に補正される(ステップS17)。その後、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が行われる(ステップS18)。
【0061】
一方、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態であるとき(ステップS21でNo)、メモリ93に記憶された標準時刻とタイマー時刻との時間差の平均値がメモリ93から読み出される(ステップS33)。そして、この標準時刻とタイマー時刻との時間差の平均値に基づいて、タイマー時刻が補正される(ステップS17)。このタイマー時刻の補正方法としては、例えば、現在のタイマー時刻に標準時刻とタイマー時刻との時間差の平均値を加算又は減算するやり方が挙げられる。その後、電源から画像形成装置へ電力が供給されているか否かの判定が行われる(ステップS18)。
【0062】
このように、画像形成装置が標準電波送信所と通信可能な状態にあるときには、標準時刻と等しい時刻にタイマー時刻が補正されるとともに、タイマー時刻と標準時刻との時間差が演算されてこの時間差とこの時間差の平均値とがメモリ93に記憶される。一方、画像形成装置が標準電波送信所と通信不可能な状態にあるときには、メモリ93に記憶されたタイマー時刻と標準時刻との時間差の平均値を用いてタイマー時刻が補正される。すなわち、この画像形成装置では、標準電波送信所からの信号を受信できないときにも、標準時刻と等しい時刻にタイマー時刻が補正される。
よって、この画像形成装置では、標準電波送信所との通信が可能であるか不可能であるかに関わらず、補正されたタイマー時刻によって結露防止ヒータへの通電をユーザが設定した時間帯で正確に行うことができる。また、同様に、補正されたタイマー時刻に基づいて、トナー43の交換時期、帯電部20の清掃時期、或いは感光ドラム10の清掃時期を正確にユーザまたはサービスマンへ知らせることができる。従って、画像形成装置の管理性能を向上させることができる。
【0063】
尚、上記画像形成装置において、帯電部20の清掃時期や感光ドラム10の清掃時期を、トナー容器42の交換時期と関連付けて予めメモリ93に記憶させるようにしてもよい。すなわち、帯電部20の清掃を行うタイミングや感光ドラム10の清掃を行うタイミングをトナー容器42の交換回数に基づいて設定し、これらの情報を予めメモリ93に記憶させるようにしてもよい。
【0064】
また、トナー容器42の交換時期、帯電部20の清掃時期、或いは感光ドラム10の清掃時期に限らず、給紙トレイ(不図示)から記録紙を搬送させる給紙コロ(不図示)などの消耗品の交換時期についても上述のタイマー時刻による正確な時刻情報に基づいて表示部95へ表示させることが可能である。
【0065】
そして、このとき、画像形成装置の各部の動作が開始された時間と終了された時間とから画像形成装置の各部の動作時間を計測するとともに、画像形成装置の各部の総動作時間をメモリ93に記憶することで、画像形成装置内部の電子部品を交換するタイミングを判断することができる。すなわち、画像形成装置内部の電子部品を交換する必要が生じるまでの時間を予めメモリ93に記憶させ、画像形成装置の各部の電子部品を交換する必要が生じるまでの時間と画像形成装置の各部の総動作時間と比較することで、画像形成装置内部の電子部品の交換を行うタイミングを判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上説明したように、本発明は、電波時計を備える電子機器に関し、特に、この電波時計の標準時刻情報に基づいて電子機器の管理を行うものについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】実施形態1に係る画像形成装置の動作を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係る画像形成装置の制御方法を示すフロチャートである。
【図4】実施形態1に係る画像形成装置のタイマー時刻の補正方法を説明する図である。
【図5】実施形態2に係る画像形成装置の動作を示すブロック図である。
【図6】実施形態2に係る画像形成装置の制御方法を示すフロチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10 感光ドラム
20 帯電部
21 帯電ワイヤ
30 露光部
31 レーザスキャナユニット
40 現像部
41 現像ローラ
42 トナー容器
43 トナー
50 転写部
51 転写ローラ
60 定着部
61 定着ローラ
62 定着ヒータ
63 加圧ローラ
70 冷却ファン
80 クリーニング部
81 クリーニングブレード
90 制御部
91 送受信部
92 タイマー
93 メモリ
94 操作部
95 表示部
96 印字量演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準電波送信所へ標準時刻情報の送信を要求する信号を所定時間ごとに送信するとともに標準電波送信所から標準時刻情報を有する信号を受信する送受信部と、現在時刻を計測するとともに前記送受信部で得られた標準時刻情報に基づいて時刻補正されるタイマーと、時刻情報を必要とするデータが前記タイマーによって計測された現在時刻とともに記憶されるメモリと、を備える電子機器において、
前記送受信部が前記標準電波送信所と通信可能な状態であり、前記標準電波送信所からの標準時刻情報を有する信号を前記送受信部で受信したときには、前記タイマーによって計測される現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時刻補正がなされたタイマーによって計測された現在時刻とともに時刻情報を必要とするデータが前記メモリに記憶される一方、
前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態であるときに時刻情報を必要とするデータとともに前記メモリに記憶される前記タイマーによって計測された現在時刻が、当該現在時刻が前記タイマーによって計測されたときの標準時刻と等しい時刻に補正されて前記メモリに記憶されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態であるときには、前記タイマーによって計測された現在時刻が補正されることなく時刻情報を必要とするデータとともに前記メモリに記憶される一方、
前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態から前記標準電波送信所と通信可能な状態に変化したときに、前記タイマーによって計測された現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時刻情報を必要とするデータとともに前記メモリに記憶された前記タイマーによって計測された現在時刻が、当該現在時刻が前記タイマーによって計測されたときの標準時刻と等しい時刻に補正されて前記メモリに記憶されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記送受信部で受信した標準時刻情報により確認される標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻とを比較することで、標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻との時間差を求めるとともに、
前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態に陥る直前に前記送受信部で受信した第1の標準時刻情報と、前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態から前記標準電波送信所と通信可能な状態に変化した直後に前記送受信部で受信した第2の標準時刻情報と、前記第2の標準時刻情報により確認される標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻との時間差と、に基づいて、
前記送受信部が標準電波通信所と通信不可能な状態であるときに前記タイマーによって計測されるとともに前記メモリに記憶された現在時刻が、標準時刻と等しい時刻に補正されることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記送受信部が前記標準電波送信所と通信不可能な状態であるときに、前記タイマーによって計測された現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時間情報を必要とするデータが時刻補正がなされた前記タイマーによって計測される現在時刻とともに前記メモリに記憶されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記送受信部で受信される標準時刻情報と、標準時刻情報により確認される標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻とを比較することで得られる標準時刻と前記タイマーによって計測された現在時刻との時間差と、が前記メモリに格納され、
前記送受信部が標準電波通信所と通信不可能な状態であるときに、前記標準時刻情報と前記時間差とに基づいて前記タイマーによって計測された現在時刻が標準時刻と等しい時刻に補正されるとともに、時刻補正がなされた前記タイマーによって計測される現在時刻が時刻補正を必要とするデータとともに前記メモリに記憶されることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
時刻補正された前記タイマーによって計測される現在時刻に基づいて、機器内部の各部品の時間管理が行われることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−123420(P2006−123420A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316527(P2004−316527)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】