説明

電磁誘導加熱装置

【課題】電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に発生する磁力線だけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線も有効に利用することのできる電磁誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の両側に発生する磁力線Gにより、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の両側にそれぞれ配置された蓄熱繊維層B3を同時に加熱することができるので、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の一方に発生する磁力線Gだけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線Gも有効に利用することができる。即ち、電磁誘導加熱部20は防寒着Bの前面側及び背面側を同時に加熱することができるので、前面側及び背面側をそれぞれ別の電磁誘導加熱部によって加熱する場合と比較し、電磁誘導加熱部の設置に必要なスペースが小さくなり、装置の省スペース化を図る上で極めて有利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導によって加熱可能な蓄熱部を有する食品加熱用皿、衣服、履物、保温器具、クッション等を加熱するための電磁誘導加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電磁誘導加熱装置としては、上面に絶縁性のトッププレートを有する本体と、トッププレートの下面に沿って巻回されたコイルから成る電磁誘導加熱部とを備え、トッププレート上に強磁性体から成る鍋を載置するとともに、電磁誘導加熱部のコイルに高周波電流を通電させることにより、鍋の底面に誘導電流を発生させ、鍋の底面をジュール熱によって加熱するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、近年では、飲食店において蓄熱部を有する食品加熱用皿が用いられており、この食品加熱用皿が電磁誘導によって加熱されるようになってきている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、温熱治療を行う際、スポーツ観戦の際、野外作業を行う際等に蓄熱体を有する衣服、履物、保温器具、クッション等が用いられているが(例えば、特許文献3参照。)、これらの蓄熱体を電磁誘導によって加熱する技術が求められるようになってきている。
【特許文献1】特開平08−190984号公報
【特許文献2】実開平07−027374号公報
【特許文献3】特開2002−161410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記電磁誘導加熱装置では、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に発生する磁力線によってトッププレート上の加熱対象物を加熱するようになっているので、前記食品加熱用皿を加熱する場合は、トッププレート上に食品加熱用皿を1つずつ載置する必要がある。このため、飲食店では、複数の食品加熱用皿を一度に加熱可能な能力を確保するため、複数の電磁誘導加熱装置を平面状に並べて設置する必要があり、電磁誘導加熱装置を設置するために広いスペースが必要になるという問題点があった。
【0006】
また、スポーツ観戦用のクッションをスタジアムで貸出す場合も、トッププレート上にクッションを1つずつ載置して加熱する必要があるので、複数のクッションを一度に加熱可能な能力を確保するため、複数の電磁誘導加熱装置を平面状に並べて配置する必要があり、前述と同様の問題点が生ずる。
【0007】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に発生する磁力線だけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線も有効に利用することのできる電磁誘導加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、所定方向に巻回されたコイルを有する電磁誘導加熱部を備え、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側に電磁誘導によって加熱可能な加熱対象物をそれぞれ配置可能に構成している。
【0009】
これにより、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側に電磁誘導によって加熱可能な加熱対象物をそれぞれ配置可能であることから、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側にそれぞれ加熱対象物を配置するとともに、電磁誘導加熱部のコイルに高周波電流を通電させると、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側に磁力線が発生するとともに、その磁力線によって各加熱対象物内にそれぞれ誘導電流が発生し、各加熱対象物がそれぞれジュール熱によって加熱される。
【0010】
また、本発明は、衣服を内側から支持可能な支持部材と、支持部材に設けられ、所定方向に巻回されたコイルを有する電磁誘導加熱部とを備え、電磁誘導によって加熱可能な加熱対象物を前面側及び背面側に有する衣服が支持部材によって支持されると、衣服の前面側の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に配置されるとともに、衣服の背面側の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の他方に配置されるように構成している。
【0011】
これにより、前記衣服が支持部材によって支持されると、衣服の前面側の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に配置されるとともに、衣服の背面側の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の他方に配置されることから、支持部材によって衣服を支持するとともに、電磁誘導加熱部のコイルに高周波電流を通電させると、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側に磁力線が発生するとともに、その磁力線によって衣服の前面側及び背面側の各加熱対象物内にそれぞれ誘導電流が発生し、各加熱対象物がそれぞれジュール熱によって加熱される。
【0012】
また、本発明は、電磁誘導によって加熱可能な加熱対象物を有する所定の器具を載置可能に形成された第1棚板と、第1棚板の下側に第1棚板と所定の間隔をおいて配置され、前記所定の器具を載置可能に形成された第2棚板と、第1棚板に設けられ、第1棚板の上面に沿うように巻回されたコイルを有する電磁誘導加熱部とを備え、前記所定の器具を第1棚板及び第2棚板にそれぞれ載置すると、第1棚板上の所定の器具の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に配置されるとともに、第2棚板上の所定の器具の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の他方に配置されるように構成している。
【0013】
これにより、前記所定の器具が第1棚板及び第2棚板にそれぞれ載置されると、第1棚板上の所定の器具の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に配置されるとともに、第2棚板上の所定の器具の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の他方に配置されることから、各棚板にそれぞれ所定の器具を載置するとともに、電磁誘導加熱部のコイルに高周波電流を通電させると、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側に磁力線が発生するとともに、その磁力線によって各棚板上の所定の器具の加熱対象物内にそれぞれ誘導電流が発生し、各加熱対象物がそれぞれジュール熱によって加熱される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側に発生する磁力線により、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側にそれぞれ配置された加熱対象物を同時に加熱することができるので、電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に発生する磁力線だけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線も有効に利用することができ、装置の省スペース化を図る上で極めて有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1乃至図7は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は電磁誘導加熱装置の正面図、図2は電磁誘導加熱装置の要部側面断面図、図3は電磁誘導加熱装置の動作説明図、図4は防寒着の正面図、図5は電磁誘導加熱部の動作を示す動作説明図、図6は電磁誘導加熱装置のブロック図、図7は制御部の動作を示すフローチャートである。
【0016】
この電磁誘導加熱装置は、警備員用の防寒着Bを内側から支持可能な支持部材10と、支持部材10内に設けられた電磁誘導加熱部20と、支持部材に傾動可能に設けられた一対の押付部材30とを備えている。
【0017】
支持部材10は、プラスチックから成る本体部11と、本体部11を支持する金属製の脚部12とを有する。本体部11は防寒着Bを内側から支持するように形成され、互いに重ね合わせられた前面側部材11a及び背面側部材11bから成る。この防寒着Bは外側繊維層B1、内側繊維層B2及び蓄熱繊維層B3を備えた蓄熱生地から成り、図4に示すように外側繊維層B1と内側繊維層B2との間に蓄熱繊維層B3が配置された構造を有する。外側繊維層B1及び内側繊維層B2はナイロン、ポリエステル等の一般的な衣服用繊維から成り、耐熱性を有することが好ましい。蓄熱繊維層B3は電磁誘導加熱によって加熱可能な金属繊維から成る。尚、蓄熱繊維層B3は特許請求の範囲に記載した加熱対象物に相当し、防寒着Bは前面側に加熱対象物である蓄熱繊維層B3を有するとともに、背面側にも加熱対象物である蓄熱繊維層B3を有する。また、防寒着Bは背面側の襟部分に周知のICタグ等の非接触で情報を読書可能な情報記憶媒体B4を有している。情報記憶媒体B4は防寒着Bの種類情報、耐用年数または耐用回数情報、制限電流量情報を固定情報として有しており、加熱回数情報、加熱開始年月日情報を更新可能情報として記憶可能である。
【0018】
電磁誘導加熱部20は前面側部材11aと背面側部材11との間に形成された中空部内に配置され、円環状に巻回されたコイル21を有する。コイル21は導体を複数回に亘って巻回することにより形成することができ、金属薄板を渦巻形状に打ち抜くことによっても形成することができる。また、コイル21の軸方向は支持部材10の前後方向と一致しており、コイル21には図6のブロック図に示す電流供給装置1から数十kHzの高周波電流が供給されるようになっている。コイル21の中心部には第1フェライトコア22が設けられ、コイル21の外周側には第2フェライトコア23が設けられている。第1フェライトコア22はコイル21と同軸の円柱形状であり、第2フェライトコア23はコイル21と同軸の円環形状である。各フェライトコア22,23はコイル21の軸方向の両側に磁力線Gを効率良く発生させるために設けられている。
【0019】
各押付部材30は可撓性のプラスチックから成り、支持部材10に支持された防寒着Bの左側半分及び右側半分をそれぞれ前後から覆うようになっている。また、支持部材10に支持された防寒着Bが各押付部材30によって覆われると、各押付部材30が弾性変形域内で前後方向に広がる。即ち、各押付部材30が前記変形に抗して復帰しようとするので、各押付部材30によって防寒着Bの前面側及び背面側が支持部材10に押付けられる。
【0020】
支持部材10の背面側の襟部分には情報読書装置35が設けられている。情報読書装置35は、防寒着Bが支持部材10によって支持されると、防寒着Bの情報記憶媒体B4の情報を非接触で読取ることができるとともに、衣服の情報記憶媒体B4に非接触で情報を記憶させることができる周知の装置である。
【0021】
情報読書装置35は周知のマイクロコンピュータから成る制御部36に接続され、制御部36は電流供給装置1及び表示装置37にも接続されている(図6参照)。表示装置37はLED(発行ダイオード)や液晶表示装置等の所定の視覚的表示を行う装置から成る場合もあり、所定の音を発する装置から成る場合もある。表示装置37は終了表示及び警告表示を行うことが可能である。
【0022】
以上のように構成された電磁誘導加熱装置において、防寒着Bを加熱する場合は、先ず、各押付部材30が下側に配置されている状態で、防寒着Bを支持部材10によって内側から支持する。これにより、防寒着Bの前面側が電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の一方に配置され、防寒着Bの背面側が電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の他方に配置される(図3参照)。
【0023】
次に、各押付部材30を上方に向かって傾動させることにより、支持部材10に支持されている防寒着Bの右側半分及び左側半分がそれぞれ各押付部材30によって覆われる(図3参照)。
【0024】
続いて、電磁誘導加熱部20のコイル21に高周波電流を通電させることにより、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の一方及び他方にそれぞれ磁力線Gが発生し、この磁力線Gが防寒着Bの前面側及び背面側の蓄熱繊維層B3を通過する。即ち、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の一方に発生する磁力線Gによって防寒着Bの前面側の蓄熱繊維層B3に誘導電流が発生するとともに、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の他方に発生する磁力線Gによって防寒着Bの背面側の蓄熱繊維層B3に誘導電流が発生し、防寒着Bの前面側及び背面側の蓄熱繊維層B3がそれぞれジュール熱によって加熱される(図5参照)。また、金属繊維から成る蓄熱繊維層B3は防寒着Bの全体に延びるように配置されているので、前面側及び背面側の熱が防寒着Bの全体に伝達される。
【0025】
ここで、防寒着Bの右側半分及び左側半分がそれぞれ各押付部材30によって覆われると、各押付部材30によって防寒着Bの前面側及び背面側が支持部材10に押付けられる。即ち、電磁誘導加熱部20によって加熱される防寒着Bの前面側及び背面側が各押付部材30によって支持部材10側に押付けられるので、電磁誘導加熱部20と蓄熱繊維層B3との距離が近くなり、電磁誘導加熱部20による蓄熱繊維層B3の加熱が効率良く行われる。
【0026】
一方、制御部36によって電磁誘導加熱部20への高周波電流の通電を制御することも可能である。この場合の制御部36の動作について図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0027】
先ず、防寒着Bが支持部材10によって支持され、情報記憶媒体B4が情報読書装置35によって認識されると(S1)、情報読書装置35に情報記憶媒体B4の有する種類情報、耐用回数情報、加熱回数情報及び制限電流量情報を読取らせる(S2)。この種類情報が予め制御部35に記憶されている所定の種類でなければ(S3)、表示装置37に警告表示を行わせる(S4)。種類情報が所定の種類であり(S3)、この時の加熱回数情報が耐用回数情報の範囲内であれば(S5)、種類情報に応じた所定時間だけ高周波電流が供給されるように電流供給装置1を制御する(S6)。ここで、電流供給装置1によって供給している電流量が制限電流量情報よりも大きくなると(S7)、電流供給装置1による電流の供給を停止させ(S8)、表示装置37に警告表示を行わせる(S9)。一方、前記所定時間の高周波電流の供給が終了すると(S10)、情報記憶媒体B4に加熱回数情報等の更新可能情報を記憶させるように情報読書装置35を制御するとともに(S11)、表示装置37に終了表示を行わせる(S12)。
【0028】
このように、本実施形態によれば、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の両側に発生する磁力線Gにより、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の両側にそれぞれ配置された蓄熱繊維層B3を同時に加熱することができるので、電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の一方に発生する磁力線Gだけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線Gも有効に利用することができる。即ち、電磁誘導加熱部20は防寒着Bの前面側及び背面側を同時に加熱することができるので、前面側及び背面側をそれぞれ別の電磁誘導加熱部によって加熱する場合と比較し、電磁誘導加熱部の設置に必要なスペースが小さくなり、装置の省スペース化を図る上で極めて有利である。
【0029】
また、電磁誘導加熱部20によって加熱される防寒着Bの前面側及び背面側を各押付部材30によって支持部材10側に押付けるようにしたので、電磁誘導加熱部20と蓄熱繊維層B3との距離が近くなり、電磁誘導加熱部20による蓄熱繊維層B3の加熱を効率良く行うことができる。また、各押付部材30は防寒着Bを前後から覆うようになっているので、防寒着Bが外気によって冷却され難く、電磁誘導加熱部20による蓄熱繊維層B3の加熱をより効率良く行うことができる。
【0030】
また、情報記憶媒体B4を有する防寒着Bが支持部材10によって支持された際に、防寒着Bの情報記憶媒体B4の情報を非接触で読取ることができるとともに、防寒着Bの情報記憶媒体B4に情報を非接触で記憶させることのできる情報読書装置35を備えているので、例えば情報記憶媒体B4に記憶されている種類情報を読取ることにより、異なる種類の防寒着Bが間違って加熱されることを防止可能である。また、情報記憶媒体B4に記憶されている制限電流量情報を読取ることにより、制限電流量を超えた電流による加熱を防止可能である。また、耐用回数情報を読取るとともに、加熱回数情報を読み書きすることにより、耐用回数を超えた加熱を防止可能である。本実施形態では、耐用年数情報や加熱開始年月日情報を利用していないが、これらの情報を利用することも可能であり、その他の情報を利用することも可能である。
【0031】
尚、本実施形態では、防寒着Bが蓄熱繊維層B3を備えた蓄熱生地から成り、支持部材10が防寒着Bを支持するように構成されたものを示したが、蓄熱生地から成るズボン、帽子、履物、手袋等を内側から支持するように支持部材10を構成すると、前述と同様にズボン、帽子、履物、手袋等の加熱を行うことが可能となる。
【0032】
また、本実施形態では、防寒着Bの全体に亘って蓄熱繊維層B3が設けられたものを示したが、防寒着Bの腹部に対応する部分と背中に対応する部分のみに蓄熱繊維層B3を設けることも可能である。
【0033】
尚、本実施形態では、支持部材10内に単一の電磁誘導加熱部20を設けたものを示したが、図8に示すように、支持部材10内に複数の電磁誘導加熱部20を設けることも可能である。この場合でも、各電磁誘導加熱部20のコイル軸方向の一方に発生する磁力線だけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線も利用して防寒着Bの蓄熱繊維層B3を加熱することができる。
【0034】
また、本実施形態では、単一のコイル21を有する電磁誘導加熱部20を示したが、図9に示すように、電磁誘導加熱部20の代わりに複数のコイル41を有する電磁誘導加熱部40を設けることも可能である。
【0035】
この場合、各コイル41の軸方向は支持部材10の前後方向と一致しており、各コイル41は互いに軸方向と直交する方向に並ぶように配置されている。また、各コイル41の中心部にはそれぞれ第1フェライトコア42が設けられ、各コイル41の外周側にはそれぞれ第2フェライトコア43が設けられている。第1フェライトコア42はコイル41と同軸の円柱形状であり、第2フェライトコア43はコイル41と同軸の円環形状である。各フェライトコア42,43は各コイル41の軸方向の両側に磁力線を効率良く発生させるために設けられている。
【0036】
この場合でも、電磁誘導加熱部40のコイル軸方向の一方に発生する磁力線だけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線も利用して防寒着Bの蓄熱繊維層B3を加熱することができる。
【0037】
図10乃至図12は本発明の第2実施形態を示すもので、図10は電磁誘導加熱装置の正面図、図11は図10におけるA−A線断面図、図12は電磁誘導加熱装置の使用状態図である。
【0038】
この電磁誘導加熱装置は、第1実施形態で示した防寒着Bを内側から支持可能な支持部材50と、支持部材50内に設けられた一対の電磁誘導加熱部60とを備えている。
【0039】
支持部材50は、プラスチックから成る本体部51と、本体部51の上端に設けられた金属製のフック部52とを有する。本体部51は防寒着Bの肩部を内側から支持するように形成され、互いに重ね合わせられた前面側部材51a及び背面側部材51bから成る。即ち、支持部材50は周知のハンガーに相当する構成を有する。
【0040】
各電磁誘導加熱部60はそれぞれ前面側部材51aと背面側部材51bとの間に形成された中空部内に配置され、それぞれ楕円形状に巻回されたコイル61を有する。各コイル61の軸方向は支持部材50の前後方向と一致しており、各コイル61には図示しない電流供給装置から数十kHzの高周波電流が供給されるようになっている。各コイル61の中心部にはそれぞれ第1フェライトコア62が設けられ、各コイル61の外周側にはそれぞれ第2フェライトコア63が設けられ、第2フェライトコア63はコイル61の周縁に沿って延びるように形成されている。各フェライトコア62,63はコイル61の軸方向の両側に磁力線を効率良く発生させるために設けられている。
【0041】
以上のように構成された電磁誘導加熱装置において、防寒着Bを加熱する場合は、先ず、防寒着Bを支持部材50によって内側から支持する。これにより、防寒着Bの肩部の前面側が各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の一方に配置され、防寒着Bの肩部の背面側が各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の他方に配置される(図12参照)。
【0042】
次に、各電磁誘導加熱部60のコイル61に高周波電流を通電させることにより、各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の一方及び他方にそれぞれ磁力線が発生し、この磁力線が防寒着Bの肩部の前面側及び背面側の蓄熱繊維層B3を通過する。即ち、各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の一方に発生する磁力線によって防寒着Bの肩部の前面側における蓄熱繊維層B3に誘導電流が発生するとともに、各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の他方に発生する磁力線によって防寒着Bの肩部の背面側における蓄熱繊維層B3に誘導電流が発生し、防寒着Bの肩部の前面側及び背面側の蓄熱繊維層B3がそれぞれジュール熱によって加熱される。また、金属繊維から成る蓄熱繊維層B3は防寒着Bの全体に亘って延びるように配置されているので、肩部の熱が防寒着Bの全体に伝達される。
【0043】
このように、本実施形態によれば、各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の両側に発生する磁力線により、各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の両側にそれぞれ配置された蓄熱繊維層B3を同時に加熱することができるので、各電磁誘導加熱部60のコイル軸方向の一方に発生する磁力線だけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線も有効に利用することができる。即ち、各電磁誘導加熱部60は防寒着Bの肩部の前面側及び背面側を同時に加熱することができるので、前面側及び背面側をそれぞれ別の電磁誘導加熱部によって加熱する場合と比較し、電磁誘導加熱部の設置に必要なスペースが小さくなり、装置の省スペース化を図る上で極めて有利である。
【0044】
尚、第2実施形態の電磁誘導加熱装置に第1実施形態で示した情報読書装置35、制御部36及び表示装置37を設けることも可能である。
【0045】
図13及び図14は本発明の第3実施形態を示すもので、図13は電磁誘導加熱装置の側面断面図、図14はクッションの側面断面図である。
【0046】
この電磁誘導加熱装置は、スポーツ観戦等の際に貸出すクッション100を加熱するためのものであり、互いに上下方向に間隔をおいて配置された複数の第1棚板70と、互いに上下方向に間隔をおいて配置された複数の第2棚板80と、各第1棚板70及び各第2棚板80の一端側をそれぞれ支持するフレーム90とを備えている。また、各第1棚板70と各第2棚板80とは上下方向に互い違いに配置され、互いに上下方向に所定の間隔をおいて配置されている。
【0047】
各第1棚板70は、プラスチックから成る棚板本体71と、棚板本体71内に設けられた電磁誘導加熱部72とを有する。棚板本体71は水平方向に延びる平板状に形成され、電磁誘導加熱部72は棚板本体71の上面に沿うように円環状に巻回されたコイル72aを有する。即ち、コイル72aの軸方向は上下方向と一致している。また、電磁誘導加熱部72には図示しない電流供給装置から数十kHzの高周波電流が供給されるようになっている。コイル72aの中心部には第1フェライトコア72bが設けられ、コイル72aの外周側には第2フェライトコア72cが設けられている。第1フェライトコア72bはコイル72aと同軸の円柱形状であり、第2フェライトコア72bはコイル72aと同軸の円環形状である。各フェライトコア72b,72cはコイル72aの軸方向の両側に磁力線Gを効率良く発生させるために設けられている。
【0048】
各第2棚板80は、プラスチックから成る棚板本体81と、棚板本体81の上側に上下方向に移動可能に設けられた移動プレート82とを有する。移動プレート82は周知のエアシリンダ等によって上下方向に移動するようになっている。
【0049】
この装置によって加熱されるクッション100は、図14に示すように、電磁誘導によって加熱可能な金属繊維群111を有する蓄熱体110と、蓄熱体110を収容する袋部材120と、袋部材120の下面側に沿って延びるように設けられた反射部材130と、袋部材120及び反射部材130を収容するように形成されたクッション本体140とを備えている。蓄熱体110は金属繊維群111の各金属繊維同士の間に入り込むように設けられた潜熱蓄熱材112も有しており、潜熱蓄熱材112は相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱する粉体から成る。さらに説明すると、粉体の各粉粒は、固相と液相との間の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱を行う蓄熱コア材と、蓄熱コア材を収容するプラスチックのカプセル部材とから成る。尚、蓄熱体110は特許請求の範囲に記載した加熱対象物に相当し、クッション100は特許請求の範囲に記載した所定の器具に相当する。
【0050】
以上のように構成された電磁誘導加熱装置において、クッション100を加熱する場合は、先ず、第2棚板80の移動プレート82が下方に配置されている状態で、第1棚板70の上面にクッション100を載置するとともに、クッション100が載置された第1棚板70の下側に配置されている第2棚板80の移動プレート82の上面にクッション100を載置する。次に、移動プレート82を上方に移動させ、移動プレート82上のクッション100の上面を第1棚板70の下面に押付ける。これにより、第1棚板70の電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方に第1棚板70上のクッション100の蓄熱体110が配置され、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の他方に第2棚板80上のクッション100の蓄熱体110が配置される。
【0051】
続いて、第1棚板70の電磁誘導加熱部72のコイル72aに高周波電流を通電させると、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方及び他方にそれぞれ磁力線Gが発生し、この磁力線Gが各クッション100の蓄熱体110を通過する。即ち、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方に発生する磁力線Gによって第1棚板70上のクッション100の蓄熱体110に誘導電流が発生するとともに、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の他方に発生する磁力線Gによって第2棚板80上のクッション100の蓄熱体110に誘導電流が発生し、各クッション100の蓄熱体110がそれぞれジュール熱によって加熱される(図13参照)。
【0052】
このように、本実施形態によれば、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の両側に磁力線Gが発生し、その磁力線Gによって電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の両側に配置された蓄熱体110をそれぞれ加熱することができるので、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方に発生する磁力線Gだけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線Gも有効に利用することができる。即ち、電磁誘導加熱部72は第1棚板70の上側及び下側に配置されたクッション100を同時に加熱することができるので、2つのクッション100をそれぞれ別の電磁誘導加熱部によって加熱する場合と比較し、電磁誘導加熱部の設置に必要なスペースが小さくなり、省スペース化を図る上で極めて有利である。
【0053】
尚、第3実施形態では、第2棚板80に移動プレート82を設け、移動プレート82によってクッション100を第1棚板70の下面に押付けるようにしたものを示したが、第1棚板70と第2棚板80との間隔がクッション100の厚さ寸法に応じて設定してある場合は、移動プレート82を設けなくても第2棚板80上のクッション100の加熱を行うことが可能である。
【0054】
また、第3実施形態のクッション100に第1実施形態と同様の情報記憶媒体を設けるとともに、第3実施形態の電磁誘導加熱装置に第1実施形態で示した情報読書装置35、制御部36及び表示装置37を設けることも可能である。
【0055】
図15及び図16は本発明の第4実施形態を示すもので、図15は電磁誘導加熱装置の側面断面図、図16は食品加熱用皿の側面断面図である。尚、第3実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0056】
この電磁誘導加熱装置は、飲食店において使用する食品加熱用皿200を加熱するためのものであり、第3実施形態と同様の構成を有するものである。
【0057】
この装置によって加熱される食品加熱用皿200は、電磁誘導によって加熱可能な金属から成る円板状の蓄熱体211が内部に設けられた受け皿210と、蓄熱体211の上面に接触するように受け皿210上に載置されるプレート220とを備えている。尚、受け皿210の蓄熱体211は特許請求の範囲に記載した加熱対象物に相当し、食品加熱用皿200は特許請求の範囲に記載した所定の器具に相当する。
【0058】
この食品加熱用皿200の蓄熱体211を加熱する場合は、第1棚板70の上面に受け皿210を載置するとともに、受け皿210が載置された第1棚板70の下側に所定の間隔をおいて配置された第2棚板80の移動プレート82の上面に受け皿210を底面側が上になるように載置する。次に、移動プレート82を上方に移動させ、移動プレート82上の受け皿210の底面を第1棚板70の下面に押付ける。これにより、第1棚板70の電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方に第1棚板70上の受け皿210の蓄熱体211が配置され、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の他方に第2棚板80上の受け皿210の蓄熱体211が配置される。
【0059】
続いて、第1棚板70の電磁誘導加熱部72のコイル72aに高周波電流を通電させると、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方及び他方にそれぞれ磁力線Gが発生し、この磁力線Gが各受け皿210の蓄熱体211を通過する。即ち、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方に発生する磁力線Gによって第1棚板70上の受け皿210の蓄熱体211に誘導電流が発生するとともに、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の他方に発生する磁力線Gによって第2棚板80上の受け皿210の蓄熱体211に誘導電流が発生し、各受け皿210の蓄熱体211がそれぞれジュール熱によって加熱される(図15参照)。
【0060】
このように、本実施形態によれば、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の両側に磁力線Gが発生し、その磁力線Gによって電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の両側に配置された蓄熱体211をそれぞれ加熱することができるので、電磁誘導加熱部72のコイル軸方向の一方に発生する磁力線Gだけではなくコイル軸方向の他方に発生する磁力線Gも有効に利用することができる。即ち、電磁誘導加熱部72は第1棚板70の上側及び下側に配置された受け皿210を同時に加熱することができるので、2つの受け皿210をそれぞれ別の電磁誘導加熱部によって加熱する場合と比較し、電磁誘導加熱部の設置に必要なスペースが小さくなり、省スペース化を図る上で極めて有利である。
【0061】
尚、第4実施形態では、移動プレート82の上面に底面側が上になるように受け皿210を載置し、電磁誘導加熱部72と蓄熱体211との距離が上側と下側で略等しくなるようにし、上側及び下側の蓄熱体211が互いに略等しい温度に加熱されるようにしたものを示したが、移動プレート82上に底面側が下になるように受け皿210を載置することも可能である。
【0062】
また、第4実施形態では、受け皿210に蓄熱体211が設けられ、第1棚板70の電磁誘導加熱部72によって蓄熱体211を加熱するようにしたものを示したが、食品加熱用皿200のプレート220を電磁誘導によって加熱可能な金属から形成し、第1棚板70の電磁誘導加熱部72によって220を加熱することも可能である。この場合、プレート220が特許請求の範囲に記載した加熱対象物に相当する。
【0063】
また、第4実施形態の食品加熱用皿200に第1実施形態と同様の情報記憶媒体を設けるとともに、第4実施形態の電磁誘導加熱装置に第1実施形態で示した情報読書装置35、制御部36及び表示装置37を設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電磁誘導加熱装置の正面図
【図2】電磁誘導加熱装置の要部側面断面図
【図3】電磁誘導加熱装置の動作説明図
【図4】防寒着の正面図
【図5】電磁誘導加熱部の動作を示す動作説明図
【図6】磁誘導加熱装置のブロック図
【図7】制御部の動作を示すフローチャート
【図8】第1実施形態の第1変形例を示す電磁誘導加熱装置の要部正面図
【図9】第1実施形態の第2変形例を示す電磁誘導加熱装置の要部正面図
【図10】本発明の第2実施形態を示す電磁誘導加熱装置の正面図
【図11】図8におけるA−A線断面図
【図12】電磁誘導加熱装置の使用状態図
【図13】本発明の第3実施形態を示す電磁誘導加熱装置の側面断面図
【図14】クッションの側面断面図
【図15】本発明の第4実施形態を示す電磁誘導加熱装置の側面断面図
【図16】食品加熱用皿の側面断面図
【符号の説明】
【0065】
10…支持部材、11…本体部、12…脚部、20…電磁誘導加熱部、21…コイル、22…第1フェライトコア、23…第2フェライトコア、30…押付部材、35…情報読書装置、36…制御部、37…表示装置、40…電磁誘導加熱部、41…コイル、42…第1フェライトコア、43…第2フェライトコア、50…支持部材、51…本体部、52…フック部、60…電磁誘導加熱部、61…コイル、62…第1フェライトコア、63…第2フェライトコア、70…第1棚板、71…棚板本体、72…電磁誘導加熱部、72a…コイル、72b…第1フェライトコア、72c…第2フェライトコア、80…第2棚板、81…棚板本体、82…移動プレート、100…クッション、110…蓄熱体、111…金属繊維群、112…潜熱蓄熱材、120…袋部材、130…反射部材、140…クッション本体、200…食品加熱用皿、210…受け皿、211…蓄熱体、220…プレート、B…防寒着、B1…外側繊維層、B2…内側繊維層、B3…蓄熱繊維層、B4…情報記憶媒体、G…磁力線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に巻回されたコイルを有する電磁誘導加熱部を備え、
電磁誘導加熱部のコイル軸方向の両側に電磁誘導によって加熱可能な加熱対象物をそれぞれ配置可能に構成した
ことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項2】
衣服を内側から支持可能な支持部材と、
支持部材に設けられ、所定方向に巻回されたコイルを有する電磁誘導加熱部とを備え、
電磁誘導によって加熱可能な加熱対象物を前面側及び背面側に有する衣服が支持部材によって支持されると、衣服の前面側の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に配置されるとともに、衣服の背面側の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の他方に配置されるように構成した
ことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項3】
前記支持部材によって支持された衣服の電磁誘導加熱部によって加熱される範囲を支持部材側に押付ける押付手段を備えた
ことを特徴とする請求項2記載の電磁誘導加熱装置。
【請求項4】
所定の情報を読書可能な情報記憶媒体を有する衣服が前記支持部材によって支持された際に、衣服の情報記憶媒体の情報を非接触で読取ることができるとともに、衣服の情報記憶媒体に非接触で情報を記憶させることができる情報読書装置を備えた
ことを特徴とする請求項2または3記載の電磁誘導加熱装置。
【請求項5】
電磁誘導によって加熱可能な加熱対象物を有する所定の器具を載置可能に形成された第1棚板と、
第1棚板の下側に第1棚板と所定の間隔をおいて配置され、前記所定の器具を載置可能に形成された第2棚板と、
第1棚板に設けられ、第1棚板の上面に沿うように巻回されたコイルを有する電磁誘導加熱部とを備え、
前記所定の器具を第1棚板及び第2棚板にそれぞれ載置すると、第1棚板上の所定の器具の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の一方に配置されるとともに、第2棚板上の所定の器具の加熱対象物が電磁誘導加熱部のコイル軸方向の他方に配置されるように構成した
ことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項6】
所定の情報を読書可能な情報記憶媒体を有する所定の器具が前記第1棚板及び第2棚板に載置された際に、各所定の器具の情報記憶媒体の情報を非接触で読取ることができるとともに、各所定の器具の情報記憶媒体に非接触で情報を記憶させることのできる情報読書装置を備えた
ことを特徴とする請求項5記載の電磁誘導加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−178575(P2008−178575A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14783(P2007−14783)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(505278931)株式会社まるや (10)
【出願人】(300054631)有限会社エフ・テイ・イノベーション (14)
【Fターム(参考)】