説明

電解槽及び電解水製造装置

【課題】電極棒を電極板に着脱でき、電極板の転用を可能にするとともに、電極棒と電極板の間の抵抗を小さくして効率的に電流を通電することを可能にする電極槽及びこれを備えた電解水製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ケーシングの外側から内側に貫通形成された電極棒挿入孔に挿入した状態で、ケーシング内に設けられた電極板に接続して設置される電極棒17、18を、先端17a、18aから軸線O2方向に沿って後端17b、18b側に延び、電極板の端部側を挿入して電極板に着脱可能に接続するための電極板保持スリット43と、この電極板保持スリット43に交差して先端17a、18aから軸線O2方向に沿って後端17b、18b側に延び、電極棒17、18の先端17a、18a側の変位を許容するための歪み吸収スリット44とを備えて、先端17a、18a側を少なくとも4つ以上に分割形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質水溶液を電気分解して電解水を製造するための電解槽及び電解水製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品製造分野等では、電解水製造装置で種々の電解質水溶液を電気分解して電解殺菌水(電解水)を製造し、この電解殺菌水を殺菌消毒などに用いている。例えば、塩化ナトリウム水溶液、塩酸水溶液などの塩素イオンを含有する電解質水溶液を電気分解すると、電解酸化作用により塩素ガスが発生し、この塩素ガスが水に溶解して次亜塩素酸が生成される。そして、このように生成した次亜塩素酸を含む電解殺菌水は、次亜塩素酸ソーダを水に溶解して調製した殺菌水と比較し、低塩素濃度であっても優れた殺菌効果を発揮し、また、使用する度に微妙な濃度調整を行う必要がないなどの多くの利点を有している。
【0003】
一方、電解水製造装置は、電解質水溶液を電気分解するための電解槽を備えて構成されている。また、複数の電極板を直列配置した複極式(直列式)の電解槽が多用されており、この複極式電解槽は、複数の電極板がケーシング内に間隔をあけて並設され、軸線方向一端側の電極板に陽極の電極棒を、他端側の電極板に陰極の電極棒をそれぞれ溶接して配設し、一端側の電極板(陽極)から中間の電極板を経由して他端側の電極板(陰極)に向けて通電するように構成されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0004】
また、電極板と電極棒との接続に関しては、電極棒の端部に1本のスリットを形成し、電極板をこのスリット(電極板保持スリット)と嵌合した上で両者を電気溶接する技術もある(例えば、特許文献5の図3参照)。
【0005】
そして、このような電解水製造装置においては、給水設備から電解槽のケーシング内に電解質水溶液を供給して順次流通させながら電解質水溶液に電流を流すことにより、電解酸化作用で塩素ガスを発生させる。そして、電解槽から取り出した塩素ガス(又は塩素ガスが混濁した液体)に水を混合することにより、水中に次亜塩素酸が生成されて電解殺菌水が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−167699号公報
【特許文献2】特開平11−169856号公報
【特許文献3】特開2008−178809号公報
【特許文献4】特開2002−126737号公報
【特許文献5】特開2003−33765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の電解槽及び電解水製造装置においては、電極板に電極棒を溶接して電解槽が構成されているため、溶接の作業負担が大きく、また、全体の外寸が大きくなり保管スペースを要する等の問題があった。
【0008】
また、電極棒を電極板に溶接して構成した場合には、当該溶接するべき電極板は、溶接のための厚みが必要になるため、中間の電極板よりも厚さを必要とする。例えば、中間の電極板の厚さが0.5mmである場合であっても、電極棒を溶接する電極版の厚さは1.0mmが必要になり、両者の互換性はなくなる。このため、電極棒を溶接した電極板を他の電解槽の中間の電極板などに転用することができない。しかも、溶接すれば、電極棒も再利用して使い回すことが困難になる。
【0009】
さらに、特許文献5のように、電極棒の端部に1本のスリットを形成し、電極板をこのスリットと嵌合した上で両者を電気溶接する技術にあっては、電気溶接する以上、上記と同様の問題が残っており、また、電気溶接をせずに電極棒と電極板とを1本のスリットにより嵌合しただけでは、電極棒と電極板の接触面積及び接触圧が小さくなってしまい、電流を効率的に通電することができない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の電解槽は、内部に電解質水溶液を流通させるケーシングと、該ケーシング内に軸線方向に間隔をあけて並設される複数の電極板と、前記ケーシングの外側から内側に貫設した電極棒挿入孔に挿入設置されるとともに一対の電極板に接続して設けられる一対の電極棒とを備える電解槽であって、前記電極棒が、先端から軸線方向に沿って後端側に延び、前記電極板の端部側を挿入して前記電極板に着脱可能に接続するための電極板保持スリットと、該電極板保持スリットに交差して先端から軸線方向に沿って後端側に延び、電極棒の先端側の変位を許容するための歪み吸収スリットとを備えて、先端側が少なくとも4つ以上に分割形成され、前記電極棒挿入孔に挿入し、前記電極板保持スリットに前記電極板の端部側を挿入するとともに先端側が前記電極棒挿入孔の内面に押圧されて前記電極板を着脱可能に保持するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の電解槽は、請求項1記載の電解槽において、前記電極棒が、前記電極板保持スリットに対し、前記歪み吸収スリットの軸線方向の長さを小にして形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の電解水製造装置は、請求項1または請求項2に記載の電解槽を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の電解槽においては、電極板の端部側を電極板保持スリットに挿入して電極棒を電極板に接続するように構成されているため、容易に電極板に対して着脱することが可能になる。また、このように電極棒を電極板に対して容易に着脱することができることで、複数の電極板を自在に使い回すことが可能になる。すなわち、電極棒が着脱できることで、陽極、陰極、中間の電極板に同じ電極板を使うことが可能になり、例えば他の電解槽の電極板として転用することが可能になる。
【0014】
さらに、歪み吸収スリットを設けて電極棒を形成することにより、各分割片を弾性変形させることが可能になる。そして、電極棒を電極棒挿入孔に挿入して電極棒の先端側が電極棒挿入孔の内面に押圧されるとともに、電極棒の先端側だけでなく、電極板保持スリットの根元側にも大きな応力が発生する。これにより、電極板と電極棒の接触面積を十分に確保しつつ、接触圧を大きくすることが可能になり、電極棒と電極板の間の抵抗を小さくして効率的に電流を通電することが可能になる。
【0015】
請求項2記載の電解槽においては、電極板保持スリットよりも歪み吸収スリットの長さを小さくして電極棒が形成されていることにより、確実に電極板を差し込んだ部分に満遍なく応力が発生し、電極板と電極棒の接触面積を十分に確保しつつ、接触圧を大きくすることが可能になる。
【0016】
請求項3記載の電解水製造装置においては、請求項1または請求項2に記載の電解槽を備えているため、上記の作用効果を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態に係る電解水製造装置を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電解槽を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電解槽を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る電解槽を示す断面図である。
【図5】本発明の第1及び第2実施形態に係る電極棒を示す斜視図である。
【図6】歪み吸収スリットを備えていない電極棒を示す斜視図である。
【図7】シミュレーションで用いた電極棒(図5と図6に示した両電極棒)及び電極板を示す斜視図である。
【図8】シミュレーションにおける解析モデルを示す斜視図である。
【図9】各電極棒の応力分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図10】各電極棒の変位分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図11】各電極棒の接触圧力分布のシミュレーション結果を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る電解槽を示す斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る電解槽の分解斜視図である。
【図14】図12のX1−X1線矢視図である。
【図15】図12のX2−X2線矢視図である。
【図16】ケーシング部材の正面視図である。
【図17】図15のX1−X1線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1から図11を参照し、本発明の第1実施形態に係る電解槽及び電解水製造装置について説明する。本実施形態は、電解質水溶液を電気分解して電解水を製造するための電解槽及びこれを備えた電解水製造装置に関し、特に、次亜塩素酸を含む電解殺菌水を製造するための電解槽及び電解水製造装置に関するものである。
【0019】
本実施形態の電解水製造装置Aは、図1に示すように、塩酸水溶液、塩化ナトリウム水溶液などの原液W1を貯留するタンク1と、原液W1と処理水W2を混合した電解質水溶液W3が供給され、この電解質水溶液W3を電気分解する電解槽2と、タンク1から電解槽2に向けて原液W1を送液するための第1ポンプ3と、タンク1と電解槽2の間に処理水W2を送液して原液W1を所定濃度に稀釈し、電解質水溶液W3を生成するための第2ポンプ4と、電解槽2に電力を供給するための電解電源5と、電解槽2で電解質水溶液W3を電気分解して発生した塩素ガス(あるいは塩素ガスが混合した液体)W4と処理水W2を混合して電解殺菌水W5を生成する第1混合器6と、第1混合器6で生成した電解殺菌水W5に処理水W2を混合して電解殺菌水(W5’)を所定濃度に調整する第2混合器7とを備えて構成されている。
【0020】
また、この電解水製造装置Aにおいては、電解槽2と第1ポンプ3と第2ポンプ4と電解電源5と第1混合器6を筐体8内に納めて構成されている。
【0021】
本実施形態の電解槽2は、複数の電極板を直列配置した複極式の電解槽であり、図2から図4に示すように、内部に電解質水溶液を流通させるケーシング10と、このケーシング10内に軸線O1方向に間隔をあけて並設される複数の電極板11、12、13と、電極板11、12、13を軸線O1方向に間隔をあけて並設した状態で保持する複数のスペーサ14、15と、ケーシング10の外側から内側に貫設した電極棒挿入孔16に挿入設置されるとともに軸線O1方向両外側の一対の電極板11、13に接続して設けられ、電解電源5から電極板11、13に電力を供給する一対の電極棒17、18とを備えて構成されている。
【0022】
ケーシング10は、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂を用いて形成したものであり、図2及び図3に示すように、円筒状の胴体20と、胴体20の内部を密閉するように胴体20の軸線O1方向両端側に一体に取り付けられる一対の側体21、22とを備えて構成されている。
【0023】
また、胴体20には、図2から図4に示すように、軸線O1方向両端部側にそれぞれ、外周面から内周面に貫通する挿入孔23が形成され、これら挿入孔23は、外周面側に大径のフランジ係合部23aを設け、内周面側にフランジ係合部23aよりも小径の挿入保持部23bを設けて形成されている。また、胴体20には、各挿入孔23を挟んで周方向の両側にそれぞれ、外周面から内周面に向けて穿設したボルト孔24が形成されている。
【0024】
各側体21、22は、所定の厚みを有する矩形板状の側板部25と、側板部25の一面25aに一端を繋ぎ、一面25aに直交する方向に突設された略円柱状の嵌合部26とを備えて形成されている。嵌合部26は、その外径を胴体20の内径と略同等にして形成されるとともに、突設方向先端の他端面26aに、一端側に向けて凹み、電極板11、12、13と正面視形状が略同形同大に形成された凹所27を備えて形成されている。また、嵌合部26には、他端面26aから一端側に凹み、外周面から凹所27に達する断面略半円形状の挿入溝28が形成されている。さらに、この挿入溝28は、外周面から凹所27に向かうに従い漸次その径が小となるようにテーパー状に形成されている。
【0025】
また、一方の側体21には、下端部側に、側板部25の他面25bから嵌合部26の他端面26aの凹所27よりも下方位置に貫通する電解質水溶液供給孔30が形成され、且つ嵌合部26の凹所27を挟んで左右両側にそれぞれ、他端面26aから軸線O1方向外側に突出する係合凸部31が形成されている。さらに、他方の側体22には、上端部側に、側板部25の他面25bから嵌合部26の他端面26aの凹所27よりも上方位置に貫通する電解水取出孔32が形成され、且つ嵌合部26の凹所27を挟んで左右両側にそれぞれ、他端面26aから軸線O1方向一端側に凹む係合凹部33が形成されている。
【0026】
複数の電極板11、12、13は、チタン合金等の金属製の板体であり、それぞれ、方形板状に形成されている。また、これら電極板11、12、13は、正面視において、ケーシング10の側体21、22に形成された凹所27の正面視形状と略同形同大で形成されている。
【0027】
複数のスペーサ14、15はそれぞれ、略円板状に形成され、ケーシング10の胴体20の内径と略同径の外径を備えて形成されている。また、各スペーサ14、15には、その中央に、一面14a、15aから他面14b、15bに貫通して電解室35となる方形状の貫通孔36が形成されている。また、貫通孔36よりも上方に、一面14a、15aから他面14b、15bに貫通する電解水取出孔32が、貫通孔36よりも下方に、一面14a、15aから他面14b、15bに貫通する電解質水溶液供給孔30が形成され、これら電解水取出孔32と電解質水溶液供給孔30はそれぞれ、一面14a、15aに形成された溝状の流通路37を介して電解室35となる貫通孔36に連通している。
【0028】
さらに、各スペーサ14、15には、一面14a、15aの貫通孔36を挟んで左右両側にそれぞれ、一面14a、15aから他面14b、15bに貫通して液面調整孔38が形成され、これら液面調整孔38はそれぞれ、一面14a、15aに形成された溝状の調整流路39を介して貫通孔36に連通している。また、一面14a、15a側には、各液面調整孔38の径方向外側に、一面14a、15aから他面14b、15b側に凹む係合凹部33が、他面14b、15b側には、貫通孔36を挟んで左右両側にそれぞれ、他面14b、15bから軸線O1方向外側に突出する係合凸部31が形成されている。
【0029】
また、各スペーサ14、15には、一面14a、15aから他面14b、15b側に、あるいは他面14b、15bから一面14a、15a側に凹み、外周面から貫通孔36に達する断面略半円形状の挿入溝40が形成されている。さらに、この挿入溝40は、外周面から貫通孔36に向かうに従い漸次その径が小となるようにテーパー状に形成されている。
【0030】
一方、本実施形態の電極棒17、18は、図5に示すように、チタン合金等の金属を略円柱棒状に形成した電極本体部41と、絶縁性を有し、筒状に形成され、電極本体部41の軸線O2方向後端側を内孔に挿入して取り付けられた絶縁被覆部42とを備えて構成されている。また、電極本体部41は、先端17a、18a側の電極部41aに対し、後端17b、18b側の電源接続部41bが小径で形成されている。絶縁被覆部42は、電極部41aの後端側を被覆する大径部42aと、電源接続部41bを被覆する小径部42bとを備えて形成されている。さらに、絶縁被覆部42は、大径部42aと小径部42bの軸線O2方向の間に、径方向外側に突出し、周方向に繋がる環状のフランジ部42cを備えて形成されている。
【0031】
また、電極本体部41の電極部41aは、その先端17a、18a側に、先端17a、18aから軸線O2方向に沿って後端17b、18b側に延び、電極板11、13の端部側を挿入して電極板11、13に着脱可能に接続するための電極板保持スリット43と、この電極板保持スリット43に直交して先端17a、18aから軸線O2方向に沿って後端17b、18b側に延び、電極部41aの先端17a、18a側の変位(歪み)を許容するための歪み吸収スリット44とを備えて形成されている。すなわち、電極部41aひいては電極棒17、18は、その先端17a、18a側が十字状に交差して設けられた電極板保持スリット43と歪み吸収スリット44により、4分割して形成されている。
【0032】
さらに、本実施形態の電極棒17、18においては、電極板保持スリット43に対し、歪み吸収スリット44の軸線O2方向の長さを小にして形成されている。
【0033】
そして、上記構成からなる本実施形態の電解槽2は、図2から図5に示すように、一対の側体21、22が胴体20の一端側と他端側に嵌合部26を嵌合させてケーシング10が形成される。また、複数の電極板11、12、13と複数のスペーサ14、15が軸線O1方向に交互に重ね合わせて胴体20の内部に並設される。このとき、軸線O1方向両端側に配される一対の電極板11、13はそれぞれ、一方の側体21と他方の側体22の各凹所27に係合させて設置される。また、隣り合う電極板(11と12、12と13)の間にスペーサ14、15が介設されることにより、複数の電極板11、12、13が軸線O1方向に所定の間隔をあけて配設されるとともに、隣り合う電極板(11と12、12と13)によってスペーサ14、15の貫通孔36が閉塞されて、この貫通孔36部分に電解室35が形成される。さらに、隣り合う側体21、22の嵌合部26とスペーサ14、15、スペーサ14、15同士の係合凸部31と係合凹部33が嵌合することにより、ケーシング10と複数のスペーサ14、15、複数の電極板11、12、13が所定位置に位置決めされて一体に組み付けられる。
【0034】
また、このように一体に組み付けた状態で、側体21、22の嵌合部26に形成された挿入溝28とスペーサ14、15に形成された挿入溝40が軸線O1方向に重なって挿入孔45が形成されるとともに、この挿入孔45と、胴体20に形成された挿入孔23とが連通し、電極棒挿入孔16が形成される。このとき、胴体20の挿入孔23の挿入保持部23bの内面と、側体21、22とスペーサ14、15の挿入溝28、40で形成された挿入孔45の内面が滑らかに繋がる。これにより、ハウジング10の外側に大径のフランジ係合部23aを備えるとともに、フランジ係合部23aからハウジング10の内側に向かうに従い漸次その径が小となるテーパー部46を備えて、ハウジング10の外側から内側に貫設した電極棒挿入孔16が形成される。また、このように形成された電極棒挿入孔16の直下に、ケーシング10の軸線O1方向の両外側にそれぞれ配された電極板11、13の上端(端部)が配されるように位置決めされて、電解槽2が一体に組み付けられる。
【0035】
本実施形態の電解槽2においては、このように形成された一対の電極棒挿入孔16にそれぞれ外側から電極棒17、18を挿入して設置する。電極棒17、18は、電極本体部41の電極部41aを電極棒挿入孔16のテーパー部46に挿入するとともに、Oリング47を設置したフランジ係合部23aにフランジ部42cを係合させてケーシング10(胴体20)に取り付けられる。このとき、電極部41aの先端17a、18a側に形成された電極板保持スリット43に電極板11、13の端部側を挿入するとともに先端17a、18a側が電極棒挿入孔16のテーパー部46の内面に押圧され、電極部41aの各分割片48〜51が電極板11、13を圧接して保持する。また、電極棒17、18を電極棒挿入孔16から外側に引き出すとともに先端17a、18a側の押圧状態が解除され、且つ電極板11、13の保持状態が解除される。これにより、本実施形態の電解槽2ひいては電解水製造装置Aにおいては、電極棒17、18が電極棒挿入孔16に挿入するとともに電極板11、13に着脱可能に接続される。
【0036】
また、このように設置した電極棒17、18は、3つの孔を備えた固定板52を用いてケーシング10の胴体20に固定される。すなわち、胴体20の外周面から径方向外側に突出した電源接続部41b及びこの電源接続部41bを被覆する小径部42bを中央の1つの孔に挿通し、さらに、外側の2つの孔にボルト(あるいはピン)53を挿通して胴体20のボルト孔24に締結することによって、電極棒17、18が固定板52を介してケーシング10に固設される。
【0037】
これにより、本実施形態の電解槽2においては、従来のように電極棒を溶接して電極板11、13に取り付ける場合と比較し、電極板保持スリット43に電極板11、13の端部側を挿入し、電極部41aの各分割片48〜51で圧接保持させて電極板11、13に接続するように構成されているため、容易に電極板11、13及びケーシング10に対して着脱することが可能になる。
【0038】
そして、このように電極棒17、18を電極板11、13に対して容易に着脱することができることで、複数の電極板11、12、13を自在に使い回すことが可能になる。すなわち、従来では、電極棒が電極板11、13に溶接されているため、電極棒を溶接した電極板11、13は、電流を陽極から陰極に向かって流す際に中間に設ける電極板12として転用することができなくなるが、本実施形態では、電極棒17、18が着脱できることで、陽極、陰極、中間の電極板11、12、13に同じ電極板を使うことが可能になる。また、他の電解槽2の電極板11、12、13として転用することも可能になる。
【0039】
ここで、図6に示すように、歪み吸収スリット44を設けず、電極本体部41の電極部41aに電極板保持スリット43のみを設け、先端60a側を2分割して電極棒60を構成した場合であっても、2つの分割片61、62で電極板11、13の端部側を圧接して電極棒60を着脱可能に接続することが可能である。
【0040】
一方、電極棒17、18と電極板11、13の接触面積を大きくするほど、また、電極棒17、18と電極板11、13の接触圧を大きくするほど、抵抗が小さくなって、電極棒17、18と電極板11、13の間の抵抗を小さくして効率的に電流を通電することが可能になる。これに対し、図7に示す本実施形態の電極棒17(18)(モデル1)と、電極棒60(モデル2)とに対してシミュレーションを行い、両者の違いを確認した。
【0041】
このシミュレーションでは、計算ソフトとして、SolidWorks2009 SP4 Premiumのシミュレーションソルバー(COSMOS)を使用した。また、解析モデルは、図8に示すように、スケールを1:1とし、要素を0.5mmピッチで5.5万要素のテトラ形状とした。さらに、拘束条件は、電極棒17、60の根元部分17b、60bと電極板11(13)の先端部11aを完全拘束とし、荷重条件は、電極棒17、60の先端17a、60a部分に等分布荷重で10Nを荷重し、重量を無視した。これは、電極棒挿入孔16のテーパー部46へ電極棒17、60を差し込むときの先端17a、60aにかかる荷重を模擬したものである。また、接触条件は、電極棒17、60と電極板11が接する部分のそれぞれ2箇所ずつ、計4箇所で設定し、摩擦係数を0.3とした。
【0042】
図9は、各電極棒17、60に作用する応力の分布、図10は、各電極棒17、60に生じる変位の分布、図11は、各電極棒17、60に作用する接触圧力の分布のシミュレーション結果を示している。
【0043】
そして、図9に示すように、モデル1(電極棒17)では、歪み吸収スリット44(電極板保持スリット43)の根元側に応力が集中し、先端17a側には大きな応力が発生していない。一方、モデル2(電極棒60)では、先端60a側にのみ応力が集中している。また、図10に示すように、モデル1の変位は、モデル2よりも大きく、特にX方向の変位に関しては、歪み吸収スリット44があることにより、かなり大きくなる。また、Y方向の変位は、モデル1、モデル2ともに先端17a、60a側に変位が集中する。そして、図11に示すように、接触圧力は、応力分布と同様、モデル1は中心部の圧力が高く、外周部の圧力が小さくなっている。また、モデル2は、接触圧力が均等にかかっている。
【0044】
このように、歪み吸収スリット44を設けていないモデル2においては、電極棒挿入孔16のテーパー部46の内面に押圧される先端60a側のみに応力が集中し、電極板保持スリット43の根元側の応力が著しく小さくなる。このため、モデル2では、分割片61、62の先端60a側が電極板保持スリット43の間隔を狭くするように、根元側が電極板保持スリット43の間隔を広げるように、分割片61、62が軸線O2直交方向に凸の円弧状に変形することになる。これにより、モデル2においては、電極板保持スリット43の根元側と電極板11(13)が離れ、接触面積及び接触圧が小さくなってしまう。
【0045】
これに対し、歪み吸収スリット44を設けたモデル1においては、電極棒挿入孔16
のテーパー部46の内面に押圧される先端17a側だけでなく、電極板保持スリット43の根元側にも大きな応力が発生する。これは、歪み吸収スリット44によって各分割片48〜51が弾性変形することによるものであり、電極板11を差し込んだ部分に満遍なく応力が発生することで、電極板11と電極棒17の接触面積を十分に確保しつつ、接触圧を大きくすることが可能になる。これにより、本実施形態の電極棒17、18は、歪み吸収スリット44を備えることにより、電極棒17、18と電極板11、13の間の抵抗を小さくして効率的に電流を通電することが可能になる。
【0046】
さらに、このとき、電極板保持スリット43よりも歪み吸収スリット44の長さを小さくすることにより、各分割片48〜51が大きく変位して電極板11に沿う方向に隣り合う分割片同士(48と49、50と51)の先端17a側が接触することがない。すなわち、各分割片48〜51が変位してモデル2のように2分割した形になってしまうことがない。このため、確実に電極板11を差し込んだ部分に満遍なく応力が発生し、電極板11、13と電極棒17、18の接触面積を十分に確保しつつ、接触圧を大きくすることが可能になる。
【0047】
また、このように電極棒17、18を電極板11、13に溶接しなくても十分な接触面積及び接触圧を確保でき、電流を効率的に通電できるため、溶接作業が不要になる。しかも溶接するべき電極板11、13と中間の電極板12とを同一の仕様にすることができるため、複数の電極板11、12、13を自在に使い回すことが可能になる。また、溶接が不要になるため、電極棒17、18も再利用して使い回すことが可能になる。特に、歪み吸収スリット44の作用により、長期間運転した後でも電極棒自身の変形が最小限に抑えられるため、電極棒17、18は再利用に適する。
【0048】
したがって、本実施形態の電解槽2及びこれを備えた電解水製造装置Aにおいては、電極板11、13の端部側を電極板保持スリット43に挿入して電極棒17、18を電極板11、13に接続するように構成されているため、容易に電極板11、13に対して着脱することが可能になる。また、このように電極棒17、18を電極板11、13に対して容易に着脱することができることで、複数の電極板11、12、13を自在に使い回すことが可能になる。すなわち、電極棒17、18が着脱できることで、陽極、陰極、中間の電極板11、12、13に同じ電極板を使うことが可能になり、例えば他の電解槽2の電極板11、12、13として転用することが可能になる。
【0049】
さらに、歪み吸収スリット44を設けて電極棒17、18を形成することにより、各分割片48〜51を弾性変形させることが可能になる。そして、電極棒17、18を電極棒挿入孔16に挿入して電極棒17、18の先端17a、18a側が電極棒挿入孔16の内面に押圧されるとともに、電極棒17、18の先端17a、18a側だけでなく、電極板保持スリット43の根元側にも大きな応力が発生する。これにより、電極板11、13と電極棒17、18の接触面積を十分に確保しつつ、接触圧を大きくすることが可能になり、電極棒17、18と電極板11、13の間の抵抗を小さくして効率的に電流を通電することが可能になる。
【0050】
さらに、電極板保持スリット43よりも歪み吸収スリット44の長さを小さくして電極棒17、18が形成されていることにより、確実に電極板11、13を差し込んだ部分に満遍なく応力が発生し、電極板11、13と電極棒17、18の接触面積を十分に確保しつつ、接触圧を大きくすることが可能になる。
【0051】
以上、本発明に係る電極棒及び電解水製造装置の第1実施形態について説明したが、本発明は上記の第1実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、次亜塩素酸を含む電解殺菌水を製造するための電解槽2及び電解水製造装置Aであるものとして説明を行ったが、本発明は、他の電解水を製造するために適用してもよい。
【0052】
また、本実施形態では、電極棒17、18が十字状に交差する電極板保持スリット43と歪み吸収スリット44を備えて、その先端17a、18a側が4分割して形成されているものとしたが、複数の歪み吸収スリットを備えていてもよい。すなわち、本発明にかかる電極棒は、歪み吸収スリットを備えて4つ以上に分割されていればよい。
【0053】
次に、図12から図17を参照し、本発明の第2実施形態に係る電解槽及び電解水製造装置について説明する。本実施形態は、第1実施形態と同様、次亜塩素酸を含む電解殺菌水を製造するための電解槽及び電解水製造装置に関するものである。よって、第1実施形態と同様の構成に対し、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施形態の電解槽65は、図12から図17に示すように、一対のケーシング部材66、67を着脱可能に組み付けて、内部に電解室35を形成するケーシング68と、複数の電極板11、12、13と、複数のスペーサ69と、各ケーシング部材66、67に取り付けられ、電解電源5から電極板11、13に電力を供給する一対の電極棒17、18とを備えて構成されている。
【0055】
ケーシング68の一対のケーシング部材66、67はそれぞれ、正面視で略方形状に形成されている。また、各ケーシング部材66、67は、一面66a、67aから他面66b、67b側に凹む方形状の凹所66c、67cを備えて形成されている。そして、一対のケーシング部材66、67は、図16に示すように一面66a、67aの外周側に接着剤70を塗布し、図12から図15、図17に示すように、互いの一面66a、67a同士を接着して一体に組み付けられ、このように一体に組み付けるとともに互いの凹所66c、67cによって電解室35を形成するように構成されている。
【0056】
さらに、各ケーシング部材66、67には、図12から図17に示すように、上端側の幅方向略中央に、一面66a、67aから他面66b、67bに向かう横方向に延びる軸線O1方向に中心軸方向を配して、筒状の配管接続部71、72が一体形成されている。また、図12、図13及び図16に示すように、一面66a、67aの上端側の幅方向略中央には、一面66a、67aから他面66b、67b側に凹み、且つ配管接続部71、72と凹所66c、67cを連通させるように上下方向に延びる取出溝73、74が形成されている。さらに、一面66a、67aの下端側の幅方向略中央には、一面66a、67aから他面66b、67b側に凹み、且つ凹所66c、67cと外部を連通させるように上下方向に延びる供給溝75、76が形成されている。
【0057】
そして、一対のケーシング部材66、67を一体に組み付けるとともに、互いの配管接続部71、72の内孔同士が連通し、また、互いの取出溝73、74同士、供給溝75、76同士が繋がって配管接続部71、72の内孔と電解室35を連通させる取出孔77と、互いの供給溝75、76同士が繋がって電解室35と外部を連通させる供給孔78が形成される。
【0058】
また、各ケーシング部材66、67には、図13、図16及び図17に示すように、上端面から凹所66c、67c(電解室35)に貫通する電極棒挿入孔80、81が形成されている。さらに、この電極棒挿入孔80、81は、上端側から凹所66c、67cに向かうに従い漸次その径が小となるテーパー部80a、81aと、上端面からテーパー部80a、81aまでの部分に設けられ、テーパー部80a、81aよりも大径且つ一定の径で断面円形状に形成されたフランジ係合部80b、81bとを備えて形成されている。また、本実施形態の電解槽65においては、図13及び図17に示すように、各ケーシング部材66、67の電極棒挿入孔80、81の直下に配されるスペーサ69が切欠部69aを備えて形成されており、このスペーサ69の切欠部69aが電極棒挿入孔80、81の一部を構成して、図12及び図17に示すように、各電極棒挿入孔80、81がケーシング68の外側から内側に(すなわち、外部から電解室35に)貫通形成される。
【0059】
複数の電極板11、12、13はそれぞれ、図12、図13、図16及び図17に示すように、コ字状に形成した一対のスペーサ69が、互いの開口側を対向させつつ隣り合う電極板同士(11と12、12と13)の間に介設され、電極板11、12、13とともにこれらスペーサ69を電解室35内に収容されている。このとき、一対のケーシング部材66、67の軸線O1方向の両外側にそれぞれ配される電極板11、13は、各ケーシング部材66、67の上端側に形成した電極棒挿入孔80、81の直下に上端(端部)が配されるように位置決めされて、凹所66c、67c内に設置されている。
【0060】
一方、本実施形態の電極棒17、18は、第1実施形態と同様に、略円柱棒状の電極本体部41と絶縁被覆部42とを備えて構成されている。また、電極部41aひいては電極棒17、18は、その先端17a、18a側が十字状に交差して設けられた電極板保持スリット43と歪み吸収スリット44により、4分割して形成されている。
【0061】
そして、電極棒17、18は、電極部41aの先端17a、18a側に形成された電極板保持スリット43に電極板11、13の端部側を挿入するとともに先端17a、18a側が電極棒挿入孔80、81のテーパー部80a、81aの内面に押圧され、電極部41aの各分割片48〜51が電極板11、13を圧接して保持する。また、電極棒17、18を電極棒挿入孔80、81から外側に引き出すとともに先端17a、18a側の押圧状態が解除され、且つ電極板11、13の保持状態が解除される。これにより、本実施形態の電解槽65及びこれを備えた電解水製造装置Aにおいても、電極棒17、18が電極棒挿入孔80、81に挿入するとともに電極板11、13に着脱可能に接続される。
【0062】
これにより、従来の電極棒のように溶接して電極板11、13に取り付ける場合と比較し、電極板保持スリット43に電極板11、13の端部側を挿入し、電極部41aの各分割片48〜51で圧接保持させて電極板11、13に接続するように構成されているため、容易に電極板11、13及びケーシング部材66、67に対して着脱することが可能になる。よって、第1実施形態と同様の作用効果を得ることが可能になる。
【0063】
以上、本発明に係る電極棒及び電解水製造装置の第2実施形態について説明したが、本発明は上記の第2実施形態に限定されるものではなく、第1実施形態の変更例を含め、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 タンク
2 電解槽
3 第1ポンプ
4 第2ポンプ
5 電解電源
6 第1混合器
7 第2混合器
8 筐体
10 ケーシング
11 電極板
12 電極板
13 電極板
14 スペーサ
14a 一面
14b 他面
15 スペーサ
15a 一面
15b 他面
16 電極棒挿入孔
17 電極棒
17a 先端
17b 後端
18 電極棒
18a 先端
18b 後端
20 胴体
21 側体
22 側体
23 挿入孔
23a フランジ係合部
23b 挿入保持部
24 ボルト孔
25 側板部
25a 一面
25b 他面
26 嵌合部
26a 他端面
27 凹所
28 挿入溝
30 電解質水溶液供給孔
31 係合凸部
32 電解水取出孔
33 係合凹部
35 電解室
36 貫通孔
37 流通路
38 液面調整孔
39 調整流路
40 挿入溝
41 電極本体部
41a 電極部
41b 電源接続部
42 絶縁被覆部
42a 大径部
42b 小径部
42c フランジ部
43 電極板保持スリット
44 歪み吸収スリット
45 挿入孔
46 テーパー部
47 Oリング
48 分割片
49 分割片
50 分割片
51 分割片
52 固定板
53 ボルト
60 電極棒
60a 先端
60b 後端(根元)
61 分割片
62 分割片
65 電解槽
66 ケーシング部材
66a 一面
66b 他面
66c 凹所
67 ケーシング部材
67a 一面
67b 他面
67c 凹所
68 ケーシング
69 スペーサ
69a 切欠部
71 配管接続部
72 配管接続部
73 取出溝
74 取出溝
75 供給溝
76 供給溝
77 取出孔
78 供給孔
80 電極棒挿入孔
80a テーパー部
80b フランジ係合部
81 電極棒挿入孔
81a テーパー部
81b フランジ係合部
A 電解水製造装置
O1 ケーシングの軸線
O2 電極棒の軸線
W1 原液
W2 処理水
W3 電解質水溶液
W4 塩素ガス(塩素ガスが混合した液体)
W5 電解殺菌水
W5’ 電解殺菌水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電解質水溶液を流通させるケーシングと、該ケーシング内に軸線方向に間隔をあけて並設される複数の電極板と、前記ケーシングの外側から内側に貫設した電極棒挿入孔に挿入設置されるとともに一対の電極板に接続して設けられる一対の電極棒とを備える電解槽であって、
前記電極棒が、先端から軸線方向に沿って後端側に延び、前記電極板の端部側を挿入して前記電極板に着脱可能に接続するための電極板保持スリットと、該電極板保持スリットに交差して先端から軸線方向に沿って後端側に延び、電極棒の先端側の変位を許容するための歪み吸収スリットとを備えて、先端側が少なくとも4つ以上に分割形成され、
前記電極棒挿入孔に挿入し、前記電極板保持スリットに前記電極板の端部側を挿入するとともに先端側が前記電極棒挿入孔の内面に押圧されて前記電極板を着脱可能に保持するように構成されていることを特徴とする電解槽。
【請求項2】
請求項1記載の電解槽において、
前記電極棒が、前記電極板保持スリットに対し、前記歪み吸収スリットの軸線方向の長さを小にして形成されていることを特徴とする電解槽。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電解槽を備えることを特徴とする電解水製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−26015(P2012−26015A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168135(P2010−168135)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000006127)森永乳業株式会社 (269)
【Fターム(参考)】