静止画・動画両用カメラおよび静止画・動画両用カメラの制御方法
【課題】静止画撮影用釦と動画撮影用釦を有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄にならないようにした静止画・動画両用カメラを提供する。
【解決手段】静止画撮影を行うレリーズ釦117bに連動する第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能を行う動画釦117dに連動する第2のスイッチを有する静止画・動画両用カメラの制御方法において、所定の静止画撮影モードが設定されたか否かを判定し(S61〜S69)、この判定の結果、所定の静止画撮影モードが設定された場合には、予め決められた機能を第2のスイッチに割り当て(S73)、判定の結果、所定の静止画撮影モードが設定されていない場合には、第2のスイッチに設定された機能を割り当て(S71)、静止画撮影の際に第2のスイッチが操作されたときには(S23)、割り当てられた機能を実行する(S25)。
【解決手段】静止画撮影を行うレリーズ釦117bに連動する第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能を行う動画釦117dに連動する第2のスイッチを有する静止画・動画両用カメラの制御方法において、所定の静止画撮影モードが設定されたか否かを判定し(S61〜S69)、この判定の結果、所定の静止画撮影モードが設定された場合には、予め決められた機能を第2のスイッチに割り当て(S73)、判定の結果、所定の静止画撮影モードが設定されていない場合には、第2のスイッチに設定された機能を割り当て(S71)、静止画撮影の際に第2のスイッチが操作されたときには(S23)、割り当てられた機能を実行する(S25)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止画・動画両用カメラおよびその制御方法に関し、詳しくは、静止画撮影用釦と、動画撮影用釦を有し、両釦の操作性の向上を図るようにした静止画・動画両用カメラおよび静止画・動画両用カメラの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静止画撮影に加えて動画撮影を可能としたカメラが提供されている。この種のカメラにおいては、撮影者の意図に応じて静止画撮影と動画撮影のいずれであっても直ちに開始できるようにするために、主に動画を撮影するための動画撮影用専用操作部材と、主に静止画を撮影するための静止画撮影用専用操作部材を配置している。そして、動画撮影中の静止画撮影と、静止画撮影待機中の動画撮影は、それぞれ独立した操作系としている。
【0003】
例えば、特許文献1には、動画撮影の開始及び終了を行うスイッチと、静止画撮影を行うスイッチを有し、動画撮影が行われている間に静止画撮影用のスイッチが押された場合には、動画撮影を中止し、自動的または選択により静止画記録を行う静止画・動画両用カメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3673528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように静止画撮影と動画撮影の両方を可能とした静止画・動画両用カメラは提供されているが、一方の撮影制御シーケンスが、他方の撮影制御シーケンスと矛盾する場合には、様々な撮影場面で問題となる。そのため、静止画撮影と動画撮影を独立の操作系に構成しても、利用できないモードが生じ無駄になってしまうことがある。また、独立の操作釦とすることにより利便性が向上しても、操作釦の増加は、限りある配置スペースの中では操作釦の密度が上がるため、操作が煩雑になり、また誤操作による撮影機会を失うリスクを増大させている。このため、単純な操作部材の追加は好ましいことではない。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、静止画撮影用スイッチと動画撮影用スイッチを有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄にならないようにした静止画・動画両用カメラおよび静止画・動画両用カメラの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、を有する静止画・動画両用カメラであって、上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、を有し、上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替える。
【0008】
第2の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、上記所定の静止画撮影モードは、バルブ撮影モードである。
第3の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、上記所定の静止画撮影モードは、多重露出撮影モードである。
【0009】
第4の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、パノラマ撮影モードである。
第5の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、ブラケット撮影モードである。
【0010】
第6の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、静止画・動画両用カメラは静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、を有する静止画・動画両用カメラであって、上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、上記静止画撮影または上記動画撮影の撮影待機状態か非撮影待機状態の何れにあるかを判定する撮影待機状態判定手段と、を有し、上記撮影待機状態判定手段によって上記非撮影待機状態にあると判定され、かつ上記第2のスイッチが押下げられた際に、上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替える。
【0011】
第7の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能、あるいは静止画撮影機能を行う第2のスイッチと、を有する静止画・動画両用カメラにおいて、上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、動画撮影モードを含む撮影モードを変更する撮影モード変更手段と、を有し、上記動画撮影モードにおいて上記第2のスイッチに静止画撮影機能が割り当てられている場合は、上記第1のスイッチの機能を動画撮影の開始及び停止機能に切り替える。
【0012】
第8の発明に係わる静止画・動画両用カメラの制御方法は、静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能を行う第2のスイッチを有する静止画・動画両用カメラの制御方法であって、所定の静止画撮影モードが設定されたか否かを判定し、上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定された場合には、予め決められた機能を上記第2のスイッチに割り当て、上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定されていない場合には、上記第2のスイッチに設定された機能を割り当て、上記静止画撮影の際に上記第2のスイッチが操作されたときには、上記割り当てられた機能を実行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、静止画撮影用スイッチと動画撮影用スイッチを有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄にならないようにした静止画・動画両用カメラおよび静止画・動画両用カメラの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わるカメラの背面側から見た外観斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わるカメラの撮影モードダイヤルの操作によって選択されたシーンモード応じて変化する撮影モードを説明する図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わるカメラのメニュー画面において、動画釦の機能の設定を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係わるカメラのメイン動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係わるカメラの動画撮影の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係わるカメラの電源オン/撮影モード変更の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係わるカメラのFlag2内容変更の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係わるカメラのFlag2内容変更の動作の第1の変形例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係わるカメラにおいて、動画釦がモード依存機能に設定された場合の撮影動作を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係わるカメラのFlag2内容変更の動作の第2の変形例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係わるカメラのメイン動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図や静止画や動画でのシャッタタイミングを決定する。
【0016】
また、本発明の好ましい実施形態に係わるカメラでは、静止画撮影用のレリーズ釦(第1のスイッチに連動する)と動画撮影用の動画釦(第2のスイッチに連動する)を有し、レリーズ釦を操作すると、静止画の画像データが記録媒体に記録され、動画釦を操作すると、動画の画像データの記録が開始され、再度、動画釦を操作すると動画の画像データの記録が停止される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
【0017】
また、静止画の撮影にあたっては、バルブ撮影モードを選択することができる。バルブ撮影は、数秒から数十分の長時間にわたって露出を行うものであるが、バルブ撮影時に不用意に動画釦を押下げ、バルブ撮影を停止させ、動画撮影を開始させると、静止画撮影としては不適切である。しかもバルブ撮影を行うような状況は暗い被写体であり、動画撮影には適していない。したがって、バルブ撮影モードが選択されている場合には、動画撮影よりも静止画撮影を優先することが望ましい。そこで、本発明の好ましい実施形態においては、バルブ撮影モードが選択されると、動画撮影を禁止している。また、バルブ撮影の終了を指示するタイム機能があると便利である。そこで、動画釦にタイム機能を割り当てるようにしている。
【0018】
さらに、静止画の撮影にあたっては、AEブラケット撮影モードを選択することができる。AEブラケット撮影は、露出条件を自動的に変化させながら複数枚の静止画撮影を行うものである。AEブラケット撮影時に不用意に動画釦を押下げ、AEブラケット撮影を停止させ、動画撮影を開始させると、静止画撮影としてはそぐわない。また、AEブラケット撮影は、一連の撮影を前提している撮影手法であることから、いつ終わるか分からない動画撮影の間、AEブラケット撮影用に静止画パラメータを保持してなければならず、カメラ制御に負担であるばかりでなく、その保持時間によっては、全くブラケット撮影の意思から乖離してしまう。したがって、AEブラケット撮影モードが選択されている場合には、動画撮影よりも静止画撮影を優先することが望ましい。そこで、本発明の好ましい実施形態においては、AEブラケット撮影モードが選択されると、動画撮影を禁止すると共に、動画釦にAEロックとAFロック機能を割り当てるようにしている。
【0019】
上述のバルブ撮影モード、AEブラケット撮影モード以外にも、本発明の好ましい実施形態においては、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード等が選択された場合には、動画撮影を禁止すると共に、動画釦には、動画撮影の開始/停止機能以外の機能を割り当てるようにしている。
【0020】
以下、図面に従って本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係わるカメラ100の主として電気的構成を示すブロック図である。撮影レンズ101の光軸上に、絞り機構103、シャッタ105および撮像素子107が配置されている。撮像素子107の出力はA/D変換部109に接続され、A/D変換部109の出力はメモリ110に接続されている。メモリ110は画像処理部111とシステム制御部116に接続されている。システム制御部116には、撮像制御部108、シャッタ制御部106、絞り制御部104、レンズ制御部102、露出制御部112、AF処理部113、フラッシュ制御部121、不揮発性メモリ118、外部メモリ114、表示部115、操作部117、電源制御部120がそれぞれ接続されている。上述の撮像制御部108は撮像素子107に接続されており、シャッタ制御部106はシャッタ105に接続されており、絞り制御部104は絞り103に接続されており、レンズ制御部102は撮影レンズ101に接続されている。また、電源制御部120は電源部119に接続されており、フラッシュ制御部121はフラッシュ充電部122とフラッシュ発光部123にそれぞれ接続されている。
【0021】
撮影レンズ101は、被写体光束を撮像素子107に集光させ、被写体像を結像させるための光学系である。この撮影レンズ101は、システム制御部116からの指示に応じて動作するレンズ制御部102により光軸方向に移動され、焦点状態が変化する。絞り機構103は、撮影レンズ101を介して撮像素子107に入射する被写体光束の入射量を調節する。絞り機構103は、システム制御部116からの指示に応じて動作する絞り制御部104により開口量が制御される。
【0022】
シャッタ105は、撮影レンズ101によって形成される被写体像の光束の開閉を行うものであり、公知のレンズシャッタやフォーカルプレーンシャッタ等によって構成される。シャッタ105は、システム制御部116からの指示に応じて動作するシャッタ制御部106によりシャッタ開口時間(シャッタ速度値)が制御される。
【0023】
撮像素子107は、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の二次元撮像センサであり、前面に配置されたベイヤ―配列のカラーフィルタと、このカラーフィルタに対応して配列されたフォトダイオード等の光電変換素子から構成される。各カラーフィルタとこれに対応する各光電変換素子によって各画素が、また画素群によって撮像領域が構成される。撮像素子107は、撮影レンズ101により集光された光を各画素で受光し光電流に変換し、この光電流をコンデンサに蓄積し、アナログ電圧信号(画像信号)としてA/D変換部109に出力する。撮像制御部108は、システム制御部116からの指示に応じて撮像素子107の動作制御を行う。
【0024】
A/D変換部109は、撮像素子107から出力されるアナログ電圧信号(画像信号)をデジタル画像信号(画像データ)に変換する。メモリ110は、A/D変換部109において得られた画像データや、画像処理部111において処理された画像データ等、各種データを一時的に記憶する記憶部である。なお、本明細書においては、撮像素子107から出力される画像信号に基づく信号であれば、A/D変換部109によってA/D変換された信号のみならず画像処理された信号も含めて画像データと称する。
【0025】
画像処理部111は、メモリ110に一時記憶された画像データを読み出し、この画像データに対して、ホワイトバランス補正処理、同時化処理、色変換処理等の画像処理を行う。また、画像処理部111は、後述する外部メモリ114に記録する際に画像圧縮を行い、また外部メモリ114から読み出した圧縮された画像データの伸張を行う。
【0026】
露出制御部112はメモリ110に一時記憶された画像データを用いて被写体輝度(被写体を含むシーンの明るさ)を算出する。なお、専用の測光センサを用いて被写体輝度を算出するようにしても勿論かまわない。AF(Auto Focus)処理部113は、メモリ110に一時記憶された画像データから高周波成分の信号を抽出し、AF積算処理により合焦評価値を取得する。システム制御部116は、合焦評価値に基づいてレンズ制御部102を通じて、撮影レンズ101が合焦位置となるように駆動制御を行う。なお、AF処理部113は、TTL位相差AFセンサ等、専用のセンサを設け、この専用センサの出力に基づいて撮影レンズ101の焦点ずれ量を求めるようにしても勿論かまわない。露出制御部112およびAF処理部113は、静止画撮影時と動画撮影時ではそれぞれの撮影モードに適した処理を行い、両者の処理は異なっている。
【0027】
システム制御部116は、CPU等を含むASICで構成され、撮像制御部108やフラッシュ制御部121等のカメラ100の各種シーケンスを統括的に制御する。操作部117は、電源釦117a(以下、釦類は図2参照)、レリーズ釦117b、撮影モードダイヤル117c、動画釦117d、ファンクション釦117e、十字釦117f、OK釦117g、メニュー釦、各種入力キー等の操作部材である。ユーザが操作部117のいずれかの操作部材を操作すると、システム制御部116は、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。
【0028】
操作部117の内の電源釦117aはカメラ100の電源のオンオフを指示するための操作部材であり、電源釦117aが押されるとシステム制御部116は電源オンとし、再度押されると電源オフとする。レリーズ釦117bは、1stレリーズスイッチと2ndレリーズスイッチ(第1のスイッチともいう)の2段スイッチを有している。レリーズ釦117bが半押しされると1stレリーズスイッチがオンとなり、半押しから更に押し込まれ全押しされると2ndレリーズスイッチがオンとなる。1stレリーズスイッチがオンとなると、システム制御部116は、AE処理やAF処理等撮影準備シーケンスを実行する。また2ndレリーズスイッチがオンとなると、システム制御部116は、静止画の撮影シーケンスを実行し、撮影を行う。
【0029】
操作部117の内の動画釦117dは、第2のスイッチに連動しており、動画撮影の開始と停止を指示する釦である。最初に動画釦117dを押下げると動画撮影を開始し、再度、動画釦117dを押下げると動画撮影を停止する。しかし、この動画釦117dの機能は、図4を用いて後述するように、メニュー画面において、動画撮影以外の機能を割り当てることも可能であり、この場合には割り当てられた機能で動作する。前述のシステム制御部116等は、第2のスイッチを、動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段として機能する。
【0030】
撮影モードダイヤル117cは、オートモード、絞り優先モード、シャッタ速度優先モード、ムービー撮影モード(動画撮影モード)、シーンモード、バルブ撮影モード等を設定するためのダイヤルであり、詳しくは図3を用いて後述する。撮影モードダイヤル117c等の撮影モードの変更操作部材とシステム制御部116等は、静止画撮影を行う静止画撮影モードを、バルブ撮影モード等の所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段として機能する。
【0031】
外部メモリ114は、例えば、カメラ本体に着脱自在に記憶媒体であり、画像処理部111において圧縮された画像データおよびその付随データが記録される。なお、画像データ等を記録するための記録媒体として、カメラ本体に着脱可能な外部メモリに限らず、カメラ本体に内蔵のハードディスク等の記録媒体であってもかまわない。
【0032】
表示部115は、カメラ本体の背面等に配置された液晶モニタ115a(図2参照)等を含み、画像データに基づいてライブビュー表示を行う。また、表示部115は、外部メモリ114に記録された撮影画像の再生表示を行い、さらに露出制御値等の表示や撮影モード等設定のためのメニュー画面の表示を行う。このメニュー画面において、動画釦117dの機能や、ファンクション釦(Fn釦)117eの機能設定等を行う。なお、画像等を表示できるものであれば、液晶モニタに限らず、有機EL等のディスプレイでもよい。
【0033】
不揮発性メモリ118は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、カメラ100の動作に必要な各種パラメータを記憶している。また、不揮発性メモリ118は、システム制御部116において実行するプログラムも記憶している。システム制御部116は、不揮発性メモリ118に記憶されているプログラムに従い、また不揮発性メモリ118に記憶されているパラメータを読み込み、各種シーケンスを実行する。
【0034】
電源部119は、カメラ100の各部の動作に必要な電力を供給し、例えば、2次電池等の電源電池で構成される。電源制御部120は、電源部119を構成する電池の電源電圧や残量の検出等、電源部119の制御を行う。
【0035】
フラッシュ制御部121は、システム制御部116からの指示に応じてフラッシュ充電部122における充電動作、およびフラッシュ発光部123における発光動作を制御する。フラッシュ充電部122は、電源部119の電源電圧を昇圧する昇圧回路や、ここで昇圧された電圧でエネルギを蓄積するコンデンサを有し、フラッシュ発光部123の発光を行うに必要なエネルギを蓄積する。フラッシュ発光部123は、例えば、キセノン(Xe)管等の発光管や反射傘を備えており、フラッシュ制御部121から発光指示を受信した際に、フラッシュ充電部122のコンデンサに蓄積されたエネルギを利用して発光する。
【0036】
次に、本実施形態に係わるカメラ100の外観について、図2を用いて説明する。図2は、背面側からみたカメラ100の外観図であり、カメラ本体10に交換レンズ20が装着されている。カメラ本体10の上面には、電源釦117a、レリーズ釦117b、撮影モードダイヤル117cが配置されている。
【0037】
また、カメラ本体10の背面には、液晶モニタ115aが配置されており、これによって被写体像のライブビュー表示やメニュー画面表示等の各種表示を行う。カメラ本体10の背面の右上側には、動画釦117d、ファンクション釦117eが配置されており、また、これらの釦の下側には、十字釦117gとOK釦117fが配置されている。十字釦117gは、液晶モニタ115aに表示されるメニュー画面等において、カーソルを画面上で移動させ、OK釦117fを押下げるとカーソルによって選択された項目を確定させることができる。
【0038】
次に、撮影モードダイヤル117cによって設定される撮影モードについて、図3を用いて説明する。撮影モードダイヤル117cは、回転自在に軸支されており、撮影モードダイヤル117c上には、シーンモード117ca、ムービー撮影モード(動画撮影モード)117cb、バルブ撮影モード117cc等を表わす記号や絵記号が描かれている。撮影モードダイヤル117cの近傍には撮影モード指標117cgが刻印されており、撮影モードダイヤル117cを回転操作させ、撮影モード指標117cgと一致させると、その一致した撮影モードが設定される。
【0039】
撮影モードの内、シーンモード117caを撮影モード指標117cgに一致させると、図3に示すように、液晶モニタ115aにシーン選択用の画面が表示される。本実施形態においては、シーンSCN1はポートレートモード、シーンSCN2は風景モード、シーンSCN3はスポーツモード等を表わし、図3に示すように、シーンSCN1〜シーンSCN14まで、14通りのシーンが用意されている。シーンの選択にあたっては、十字釦117fの上釦または下釦を操作することにより、シーンが順次変更され、OK釦117gを操作することにより、シーンが確定される。また、メニュー釦を操作することにより確定されたシーンがキャンセルされる。シーンが設定されると、システム制御部116は、設定されたシーンに相応しい露出制御、AF制御、画像処理等の制御を行う。上述の撮影モードダイヤル117c等の操作部117やシステム制御部116等によって、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード等、静止画撮影を行う際に設定可能な所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段が構成される。
【0040】
次に、動画釦117dの機能割り当てについて、図4を用いて説明する。メニュー釦を操作し、液晶モニタ115aにカスタマイズメニュー画面を開き、「ボタン機能」を選択し、十字釦117fを操作することによって動画釦117dの機能を変更することができる。すなわち、十字釦117fの上釦または下釦を操作することによって、順次、機能を変更でき、OK釦117gを操作することにより、機能を設定できる。これらの撮影機能の設定は、動画釦117d等の操作部117およびシステム制御部116によって行われ、動画釦117dに連動する第2のスイッチのカスタマイズ手段として機能する。
【0041】
動画釦117dに割り当てる機能が設定されると、不揮発性メモリ118または不図示のランダムアクセスメモリ(RAM)にフラグ(Flag)1として書き込まれる。本実施形態においては、画面中の顔と背景を適正露光とするフェイス&バック機能、プレビュー表示を行わせるプレビュー機能、ワンタッチでホワイトバランスを設定するワンタッチWB機能等、図4に示すように、15通りの機能を割り当て可能である。
【0042】
なお、15通りの機能中の10番目のAEL/AFL機能が動画釦117dに割り当てられると、動画釦117d操作時の画面中央の被写体に対して適正露光にするAEロック機能と、同被写体に対してピントを合わせるAFロック機能を実行する。また、11番目の動画開始/停止機能が割り当てられると、動画釦117dの操作時に動画撮影を開始し、再度、動画釦117dが操作されると動画撮影を停止する。さらに、13番目のOFF機能が割り当てられると、動画釦117dを操作しても何も動作を行わない。さらに、14番目のタイム機能が割り当てられると、バルブ撮影時において動画釦117dを操作すると露光を開始し(すなわちシャッタ105を開き)、再度、動画釦117dを操作すると露光を終了する(すなわちシャッタ105を閉じる)。さらに、15番目のモード依存機能が割り当てられると、設定されている他の撮影モード、例えば、バルブ撮影モード、ブラケット(BKT)撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード等の撮影モードに応じて、動画釦117dの機能は自動的に変更される。
【0043】
このように、本実施形態においては、動画釦117dの本来の機能である動画開始/停止機能以外に、バルブ撮影時のタイム機能、AEL/AFL機能等の機能を割り当てることができる。バルブ撮影やオートブラケット撮影等は動画撮影時に使用することがなく、このような場合に頻繁に使用する、タイム機能やAEL/AFL機能等を動画釦117dに割り当てるようにしている。
【0044】
次に、本実施形態におけるカメラ100の動作について、図5ないし図8に示すフローチャートを用いて説明する。このフローは不揮発性メモリ118に記憶されているプログラムに従ってシステム制御部116によって実行される。図5に示すフローはメインルーチン動作である。このメインルーチンは、操作部117の電源釦117aがオンとなると実行を開始する。
【0045】
メインルーチンの動作が開始すると、まず、ライブビュー動作を行う(S1)。ライブビュー動作では、撮像素子107から出力される画像信号が、画像処理部111によってライブビュー表示用に画像処理され、この処理された画像データが表示部115の液晶モニタ115aに表示される。撮影者はこのライブビュー表示を見て、静止画や動画の構図を決定し、シャッタタイミングを決める。
【0046】
ライブビュー動作を行うと、次に、操作部117のレリーズ釦117bが半押しされたか、すなわち、1stレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S3)。この判定の結果、1stレリーズスイッチがオンとなると、AF処理を実行する(S5)。このステップでは、システム制御部116は、AF処理部113によって得られる合焦評価値に基づいて、撮像素子107上に結像される被写体像が最も鮮明になるように、言い換えると合焦状態となるように、レンズ制御部102を介して撮影レンズ101の焦点状態を制御する。
【0047】
AF処理を行うと、続いて、測光を行い(S7)、露出演算を行う(S9)。これらのステップにおいて、システム制御部116は、露出制御部112において被写体輝度の算出を行い、算出された被写体輝度を用いて絞り値とシャッタ速度(蓄積時間)等の露出制御値を求める。絞り値とシャッタ速度の算出にあたっては、アペックス演算またはテーブル参照により決定する。
【0048】
ステップS9において露出演算を行うと、または、ステップS3における判定の結果、1stレリーズがオンでなかった場合には、次に、動画釦117dに連動してオンオフする動画スイッチ(第2のスイッチともいう)がオンしたか否かの判定を行う(S11)。ここでは、動画釦117dが操作されるたびに反転する動画スイッチ状態フラグのオン/オフに基づいて判定する。
【0049】
ステップS11における判定の結果、動画スイッチがオンであった場合には、次に、動画スイッチ機能処理を実行する(S13)。動画釦117dに割り当てられた機能は、不揮発性メモリ118または不図示の揮発性メモリに動画釦機能参照フラグとして記憶されているので、このフラグを読出し処理内容を決定する。この動画釦機能参照フラグは、図7を用いて後述する電源オン/撮影モード変更のサブルーチンにおいて設定される。なお、動画釦117dに動画開始/停止機能が割り当てられた場合の動作について、図6を用いて後述する。
【0050】
ステップS13における動画スイッチ機能処理を実行すると、またはステップS11における判定の結果、動画スイッチがオンではなかった場合には、次に、2ndレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S15)。ここでは、レリーズ釦117bが全押しされたか否かを判定する。この判定の結果、2ndレリーズスイッチがオンでなかった場合には、ステップS1に戻る。2ndレリーズスイッチがオンとなるまでは、システム制御部116は、ステップS1からステップS13を繰り返し実行し、ライブビュー表示を行うと共に被写体の変化に対してAF(自動焦点調節)とAE(自動露出制御)を追従させる。また、動画釦117dが操作されると、動画釦117dに割り当てられた機能を実行する。
【0051】
一方、ステップS15における判定の結果、2ndレリーズスイッチがオンであった場合には、静止画撮影を開始する(S21)。静止画撮影においては、システム制御部116は、シャッタ制御部106、絞り制御部104によってシャッタ105および絞り103適正露出となるように制御し、このとき撮像素子107によって取得した画像データを画像処理部111によって処理した後、外部メモリ114に記録する。
【0052】
ステップS21において、静止画撮影を開始すると、次に、ステップS11と同様に、動画スイッチがオンか否かの判定を行い(S23)、この判定の結果、動画スイッチがオンであった場合には、ステップS13と同様に、動画スイッチ機能処理を実行する(S25)。単純な1コマ撮影の場合には、2ndレリーズがオンとなると静止画撮影を開始し直ちに終了するが、バルブ撮影、オートブラケット撮影、連写等においては、静止画撮影を開始しても直ちには終了しない。この間、動画釦117dを操作することにより、動画釦117dに割り当てられた機能を実行することができる。例えば、動画釦117dにタイム機能が割り当てられている場合にバルブ撮影を開始すると、動画釦117dの操作によりバルブ撮影を終了させることができる。
【0053】
ステップS25において動画スイッチ機能処理を実行すると、またはステップS23における判定の結果、動画スイッチがオンでなかった場合には、次に、静止画撮影が終了したか否かの判定を行う(S27)。ここでは、静止画の画像データの記録が終了したか否かを判定する。静止画撮影の終了は、単純な1コマ撮影の場合には、静止画の画像データを記録すると終了するが、所定の静止画撮影の場合には次の時点で撮影終了となる。
(1)連写モードの場合には、2ndレリーズがオフになって、連写撮影が停止したとき、
(2)ブラケット撮影モードの場合には、所定枚数のブラケット(BKT)撮影が終了したとき、
(3)パノラマ撮影モードの場合には、パノラマ撮影の終了が指示され、パノラマ撮影が終了したとき、
(4)多重露出撮影モードの場合には、多重露出撮影の終了が指示され、多重露出撮影が終了したとき。
ステップS27における判定の結果、静止画撮影が終了していなかった場合には、ステップS23に戻り、静止画撮影を続行する。一方、判定の結果、静止画撮影が終了すると、ステップS1に戻る。
【0054】
次に、動画釦117dに動画の開始/停止機能が割り当てられている場合の動画撮影の動作について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。この動画撮影のフローは、図5のステップS11における判定の結果、動画スイッチがオンとなった際に、ステップS13において実行される。
【0055】
動画撮影のフローに入ると、まず、動画撮影を開始する(S31)。ここでは、撮像素子107によって取得した画像データを画像処理部111によって動画処理した後、外部メモリ114に記録する。また、同時に表示部115にライブビュー表示を行う。
【0056】
動画撮影を開始すると、続いて、ステップS11と同様に動画スイッチがオンか否かの判定を行う(S33)。前述したように、動画釦117dに動画撮影の開始/停止機能が割り当てられている場合には、再度、動画釦117dが操作されると、動画撮影を停止する。そこで、このステップでは、撮影者が動画撮影を停止するために、動画釦117dに連動する動画スイッチがオンしたか否かを判定する。
【0057】
ステップS33における判定の結果、動画スイッチがオンであった場合には、動画撮影停止処理を行う(S51)。ここでは、動画の画像データの記録動作を終了するための処理を行う。この動画撮影停止処理を行うと、元のフローに戻る。
【0058】
一方、ステップS33における判定の結果、動画スイッチがオンでなかった場合には、動画の撮影を続行しながら、ステップS11と同様に、1stレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S35)。本実施形態においては、動画の撮影中にレリーズ釦117bが半押しされた場合には、自動焦点調節および自動露出制御を行うようにしている。
【0059】
ステップS35における判定の結果、1stレリーズスイッチがオンであった場合には、まずAF処理を行う(S37)。動画撮影に適したAF処理を行い、画面の中央等の被写体にピントを合わせる。続いて、測光を行い(S39)、露出演算を行う(S41)。これによって、動画撮影中であっても、被写体に対してピントが合い、かつ適正露出で動画撮影を行うことができる。
【0060】
ステップS41において露出演算を行うと、またはステップS35における判定の結果、1stレリーズスイッチがオンではなかった場合には、次に、2ndレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S43)。本実施形態においては、動画撮影中であっても、レリーズ釦117bが全押しされた場合には、静止画撮影を許可していることから、このステップでは、2ndレリーズスイッチの状態を判定している。この判定の結果、2ndレリーズスイッチがオフであった場合には、ステップS33に戻り、動画釦117dが操作されない限り、動画撮影を続行する。
【0061】
ステップS43における判定の結果、2ndレリーズスイッチがオンとなると、静止画撮影のためのシーケンスに移る。まず、ステップS51と同様に、動画撮影停止処理を行う(S45)。動画撮影停止処理を行うと、続いて、ステップS21と同様に、静止画撮影を開始し(S47)、静止画撮影が終了したか否かを判定する(S49)。この判定の結果、静止画撮影が終了すると、ステップS31に戻り、動画撮影を再開する。
【0062】
このように、本実施形態における動画撮影では、動画撮影開始後に、動画釦117dが、再度、操作されると、動画撮影が停止される。また、動画撮影の最中に、レリーズ釦117dが半押しされると、AF処理やAE処理等がなされ、さらにレリーズ釦117dが全押しされると、静止画撮影を行うようにしている。静止画の撮影が終了すると、直ちに、動画撮影を再開できるので、動画撮影→静止画撮影→動画撮影を円滑に切り換えることができる。なお、静止画撮影が終了すると、動画を再開することなく、静止画および動画の撮影を終了するようにしても勿論かまわない。
【0063】
次に、本実施形態における動画釦117dに割り当てられた機能の変更について、図7を用いて説明する。本実施形態においては、撮影モードによっては、動画釦117dに割り当てる機能を特定の機能に自動的に設定する方がよい場合がある。例えば、バルブ撮影モードが設定された場合には、動画撮影を行うことがないことから、バルブ撮影の終了の指示(タイム機能)を動画釦117dに割り当ておけば便利であり、バルブ撮影終了指示用の操作部材を設けずに済みカメラの小型化を図ることができる。そこで、本実施形態においては、バルブ撮影モード等の所定静止画撮影モードが設定された場合には、電源オン/撮影モード変更のサブルーチンにおいて、自動的に予め決められた機能を動画釦117dに割り当てるようにしている。
【0064】
この電源オン/撮影モード変更のサブルーチンは、カメラ100の電源釦117aが操作され電源オンとなったとき、および撮影モードダイヤル117cによって撮影モードが設定されたとき、およびメニュー画面において撮影モードが設定されたときに、実行される。
【0065】
電源オン/撮影モード変更のサブルーチンに入ると、まず、バルブ撮影モードが設定されたか否かの判定を行う(S61)。前述したように、撮影モードダイヤル117cを回動操作し、バルブ撮影モード117ccを選択したか否かを判定する。この判定の結果、バルブ撮影モードでなかった場合には、次に、ブラケット(BKT)撮影モードか否かの判定を行う(S63)。ブラケット撮影モードはメニュー画面において設定されることから、このステップではメニュー画面において設定されたか否かを判定する。
【0066】
ステップS63における判定の結果、ブラケット撮影モードでなかった場合には、次に、パノラマ撮影モードであるか否かの判定を行う(S65)。パノラマ撮影モードはシーンモード117caにおいて設定されることから、このステップではシーンモードのシーン設定の画面において設定されたか否かを判定する。
【0067】
ステップS65における判定の結果、パノラマ撮影モードでなかった場合には、次に、多重露出撮影モードであるか否かの判定を行う(S67)。多重露出撮影モードは、メニュー画面において設定されることから、このステップではメニュー画面において設定されたか否かを判定する。
【0068】
ステップS67における判定の結果、多重露出撮影モードでなかった場合には、次に、ムービー撮影モードであるか否かの判定を行う(S69)。ムービー撮影モードは撮影モードダイヤル117cによって設定されることから、このステップでは、撮影モードダイヤル117cによって設定されたか否かを判定する。
【0069】
ステップS69における判定の結果、ムービー撮影モードでなかった場合には、動画釦機能参照フラグをフラグ(Flag)1に変更する。フラグ1は、図4を用いて前述したように、動画釦117dの機能を割り当てた際に、設定された機能を記憶する。動画釦機能参照フラグは、ステップS13、S25において、動画スイッチ機能処理を実行する際に参照するフラグである。したがって、動画釦機能参照フラグとして、フラグ1が設定されていると、撮影者が動画釦117dに割り当てた機能がそのまま実行される。
【0070】
ステップS61〜S69における判定の結果、いずれかにおいて、Yesであった場合、すなわち、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード、またはムービー撮影モードであった場合には、動画釦機能参照フラグをフラグ(Flag)2に変更する(S73)。これらの撮影モードの場合には、撮影者が動画釦117dに割り当てた機能ではなく、予め決められた機能に自動的に変更する。このステップS73における処理は、「Flag2内容変更」のサブルーチンであるので、詳細は図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0071】
次に、Flag2内容変更のサブルーチンについて説明する。Flag2内容変更のサブルーチンに入ると、まず、ステップS61と同様に、バルブ撮影モードか否かの判定を行う(S81)。この判定の結果、バルブ撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn14(タイム機能)に変更する(S83)。この変更により、動画釦117dは、タイム機能が割り当てられ、動画釦117dを操作すると、バルブ撮影における撮影停止指示用の操作部材としての機能を果たす。バルブ撮影の際にタイム機能があると、ケーブルレリーズが不要となり、バルブ撮影の利便性が向上する。
【0072】
ステップS81における判定の結果、バルブ撮影モードでなかった場合には、次に、ブラケット(BKT)撮影モードか否かの判定を行う(S85)。この判定の結果、ブラケット撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn10(AEL/AFL機能)に変更する(S87)。ブラケット撮影モードでは、絞り値やシャッタ速度値を変化させながら、異なる露出量で複数枚の撮影を行うモードであり、基準となる露出を固定するためのAEL機能があると、ブラケット撮影の利便性が向上する。
【0073】
ステップS85における判定の結果、ブラケット撮影モードでなかった場合には、次に、パノラマ撮影モードであるか否かの判定を行う(S89)。この判定の結果、パノラマ撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn10(AEL/AFL機能)に変更する(S91)。パノラマ撮影は、順次撮影の方向を変えながら連続的に風景を撮影するモードであるが、撮影方向によって明るさが異なる場合には、背景の明るさが不連続となってしまう。そこで、基準となる露出をAEL機能によって固定すると、パノラマ撮影の利便性が向上する。
【0074】
ステップS89における判定の結果、パノラマ撮影モードでなかった場合には、次に、多重露出撮影モードであるか否かの判定を行う(S93)。この判定の結果、多重露出撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn10(AEL/AFL機能)に変更する(S95)。多重露出撮影は、レリーズ釦117bを全押しするたびに露光を重ねる撮影であるが、レリーズ釦117bの全押しのタイミングによって、明るさが異なって、不自然な多重露出となってしまう。そこで、足し込み露出の調整にAEL機能があると、多重露出撮影の利便性が向上する。
【0075】
ステップS93における判定の結果、多重露出撮影モードでなかった場合には、次に、ムービー撮影モードであるか否かの判定を行う(S97)。この判定の結果、ムービー撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn11(動画開始/停止機能)に変更する(S99)。本実施形態においては、動画釦117dの機能は、図4を用いて説明したように種々の機能の中から選択して割り当てることができ、一方、撮影モードダイヤル117cによってムービー撮影モードを設定することができる。このため、ムービー撮影モードを選択しながら、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てた場合には、ムービー撮影の開始を行うことができない。そこで、本実施形態においては、ムービー撮影モードを設定した場合には、自動的に動画釦117dに動画開始/停止機能を割り当てるようにした。
【0076】
ステップS97における判定の結果、ムービー撮影モードでなかった場合、またはステップS83、S87、S91、S95、またはS99においてFlag2の内容を変更すると、元のフローに戻る。
【0077】
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、動画釦117dに種々の機能の中から選択して割り当てるようにしている。これらの機能は、動画開始/停止機能を除くと、いずれも動画撮影時には使用しなか、または動画撮影時に使用しても撮影を損なうことのない機能であることから、静止画撮影用釦と動画撮影用釦を有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄になることがない。
【0078】
また、本発明の第1実施形態においては、所定の撮影モード、例えば、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モードが設定された場合には、動画釦117dに予め決めた機能を割り当てるようにしている。このため、撮影者が、設定した撮影モードに応じて動画釦117dの機能を割り当てる動作を省略することができ便利である。
【0079】
なお、本実施形態において、動画釦117dに予め決めた機能を割り当てるとしたバルブ撮影モード等の所定の撮影モードは例示であり、これらの撮影モードの全てについて機能を自動的に割り当てなくてもよく、また他の撮影モードに対して機能を割り当てるようにしても勿論かまわない。
【0080】
また、本実施形態においては、電源オンまたは撮影モードの変更を行った際に、バルブ撮影モード等の所定の撮影モードの場合に動画釦117dに予め決めた機能を割り当てるようにしていた。しかし、これ以外のタイミングでもよく、例えば、動画釦117dを押下げたタイミングで、撮影待機状態にあるか否かを判定し、非撮影待機状態の場合(言い換えると、動画の記録中のときや、静止画撮影の途中である場合)に、ステップS61〜S73(図7参照)における処理を行うようにしてもよい。この場合には、システム制御部116等によって、静止画撮影または上記動画撮影の撮影待機状態か非撮影待機状態の何れにあるかを判定する撮影待機状態判定手段を構成する。
【0081】
次に、本実施形態におけるFlag2内容変更の第1の変形例について、図9および図10を用いて説明する。第1実施形態においては、バルブ撮影モードやブラケット撮影モード等の所定静止画撮影モードが設定された場合には、それぞれの撮影モードに応じて動画釦117dの機能を割り当てていた。これに対して第1の変形例においては、所定静止画撮影モードが設定されると、一律にモード依存機能を設定するようにしている。
【0082】
第1の変形例に係わる「Flag2内容変更」のサブルーチンに入ると、第1実施形態の場合と同様に、ステップS81からステップS97において、バルブ撮影モードに設定されたか(S81)、ブラケット撮影モードに設定されたか(S85)、パノラマ撮影モードに設定されたか(S89)、多重露出撮影モードに設定されたか(S93)、ムービー撮影モードに設定されたか(S97)について、それぞれ判定する。
【0083】
ステップS81からステップS97のいずれかにおいて、判定結果がYesであった場合には、すなわち、設定された撮影モードが、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード、ムービー撮影モードのいずれかであった場合には、Flag2をFn14(モード依存機能)に設定する(S101)。モード依存機能は、設定されている撮影モードに応じて、設定された撮影モードで最適な機能に自動的に設定する。
【0084】
モード依存機能について、図10を用いて説明する。図10はモード依存機能に設定された場合の撮影動作を示しており、一番左側のモードの欄には、設定されている撮影モードを示している。モードの欄の右側の操作順組合せの欄には、最初(1st)にレリーズ釦117bまたは動画釦117dが操作されたときの操作内容、2番目(2nd)にレリーズ釦117bまたは動画釦117dが操作されたときの操作内容、3番目(3rd)にレリーズ釦117bまたは動画釦117dが操作されたときの操作内容を示している。
【0085】
操作順組合せの欄の右側には、撮影動作を示しており、動作手順を示しており、さらに右にはカスタマイズについて示している。カスタマイズの欄において、ノーマルは通常状態で設定されている手順であり、○印はメニュー画面等において、変更可能な内容を示している。
【0086】
例えば、本実施形態におけるモード依存機能は、今、スチルモード(単純な静止画撮影モード)に撮影モードが設定されている場合には、レリーズ釦117bが操作されると、静止画の撮影を行って終了する。この後、動画釦117dが操作されたとしても無視される(図中(2)の場合)。一方、スチルモードが設定されている場合であって、最初に動画釦117dが操作された場合には、動画撮影を開始し、再度動画釦117dが操作されると動画撮影を終了するが(図中(3)の場合)、レリーズ釦117bが操作された場合には、静止画を撮影し、再度動画釦117dが操作されると動画撮影を終了する(図中(4)の場合)。
【0087】
また、バルブ撮影モードが設定されている場合には、最初にレリーズ釦117bが操作されると、静止画撮影が開始され、次にレリーズ釦117bが操作されると静止画撮影が終了するが(図中(5)の場合)、次にレリーズ釦117bではなく動画釦117dが操作されると、この操作は無視される(図中(6)の場合)。一方、最初に動画釦117dが操作されると、静止画撮影が開始され、次に、動画釦117dが操作されると静止画撮影を終了し(図中(7)の場合)、次に、動画釦117dではなくレリーズ釦117bが操作されると無視され、その次の動画釦117dの操作によって静止画撮影が終了する(図中(8)の場合)。
【0088】
パノラマ撮影モード、多重露光撮影モード、ブラケット撮影モード、ムービー撮影モード、シャッタ速度(ss)優先ムービー撮影モード、ライブビュー(LvB)ムービー撮影モードが設定された場合には、図10に示すような操作手順で動作する。このように、モード依存機能に設定されると、設定された撮影モードに応じて、レリーズ釦117bと動画釦117dの操作順に応じて、最適な動作を実行する。
【0089】
以上、説明したように本発明の第1実施形態における第1の変形例においては、バルブ撮影モード等の所定静止画撮影モードに設定すると、自動的にモード依存機能に設定され、設定された撮影モードに応じて動画釦117dの機能が最適になる。なお、図10では、スチル撮影モード等、図9のフローチャートの判定条件に示されていない撮影モードが記載されているが、モード依存機能は、図4において説明したように、撮影者が意図的に設定できる機能であるからである。
【0090】
次に、本実施形態におけるFlag2内容変更の第2の変形例について、図11を用いて説明する。第2の変形例においては、所定静止画撮影モードが設定されると、一律にオフ機能を設定し、動画釦117dの操作に対して何も処理を実行しないようにしている。
【0091】
図11に示す本変形例のFlag2内容変更のサブルーチンに入ると、第1実施形態の場合と同様に、ステップS81からステップS93において、バルブ撮影モードに設定されたか(S81)、ブラケット撮影モードに設定されたか(S85)、パノラマ撮影モードに設定されたか(S89)、多重露出撮影モードに設定されたか(S93)について、それぞれ判定する。
【0092】
ステップS81からステップS93のいずれかにおいて、判定結果がYesであった場合には、すなわち、設定された撮影モードが、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モードのいずれかであった場合には、Flag2をFn13(オフ機能)に設定する(S111)。オフ機能に設定されると、動画釦117dが操作されても何も処理を実行しない。
【0093】
このため、本変形例においては、バルブ撮影モード等の所定静止画撮影モードが設定された場合、撮影者が誤って動画釦117dに不適当な機能を割り当てたとしても、その機能の処理がなされることがない。
【0094】
次に、本発明の第2実施形態について図12を用いて説明する。本発明の第1実施形態においては、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てると、ムービー撮影モードに設定しても、動画撮影を行うことができない。これに対して、第2実施形態においては、ムービー撮影モードが設定された場合には、レリーズ釦117bの操作によって動画撮影の開始と停止を行うことができるようにしている。
【0095】
本実施形態における構成は、第1実施形態の構成と同様であり、図5に示したメインフローを図12に示すフローチャートに変更するだけである。また、図12に示すメインフローは、図5に示すメインフローに対して、ステップS17ないしS20を追加しただけである。そこで、この相違点を中心説明する。
【0096】
メインフローに入ると、ライブビュー動作を行い(S1)、またレリーズ釦117bの半押しがなされると、AF処理、測光処理、露出演算を行い(S5〜S9)、動画釦117dが操作されると動画スイッチ機能処理を行う(S11、S13)。そして、レリーズ釦117bの全押しがなされると(S15→Yes)、ムービー撮影モードが設定されているか否かを判定する(S17)。ここでは、撮影モードダイヤル117cによってムービー撮影モードが設定されたか否かを判定する。
【0097】
ステップS17における判定の結果、ムービー撮影モードが設定されていた場合には、ステップS31(図6参照)と同様に、動画撮影を開始する(S18)。ここでは、撮像素子107によって取得した画像データを画像処理部111によって動画処理した後、外部メモリ114に記録する。また、同時に表示部115に記録画像のライブビュー表示を行う。
【0098】
動画撮影を開始すると、次に、2ndレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S19)。ここでは、レリーズ釦117bが全押しされたか否かを判定する。この判定の結果、2ndレリーズスイッチがオフからオンに変化しなかった場合には、2ndレリーズスイッチがオンとなるまで、動画撮影を継続する。ステップS19における判定の結果、2ndレリーズスイッチがオフからオンに変化すると、動画撮影を終了する(S20)。ここでは、ステップS51と同様に、動画の画像データの記録動作を終了するための処理を行う。
【0099】
動画撮影を終了すると、またはステップS17における判定の結果、ムービー撮影モードでなかった場合には、第1実施形態と同様に、ステップS21以下を実行する。すなわち、レリーズ釦117bが操作されたかことから静止画撮影を開始し(S21)、動画スイッチが操作された場合には動画スイッチ機能処理を行い(S23、S25)、静止画撮影が終了したかを判定し(S27)、終了していない場合には、ステップS23に戻り、一方、判定の結果、終了した場合にはステップS1に戻る。
【0100】
このように、本発明の第2実施形態においては、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てた場合には、レリーズ釦117bに動画撮影の開始と停止機能を割り当てるようにしている。このため、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てた場合であっても、動画撮影を行うことができる。
【0101】
以上、説明したように、本発明の各実施形態や各変形例においては、静止画撮影を行うレリーズ釦117bに連動する第1のスイッチ(2ndレリーズスイッチ)と、動画撮影の開始及び停止を行う動画釦117dに連動する第2のスイッチと、第2のスイッチを、動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定するカスタマイズ手段と(図4参照)、静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と(図3参照)、を有し、静止画撮影モード変更手段によって変更された所定の静止画撮影モードに応じて、第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替えるようにしている。すなわち、所定の静止画モードに変更された場合に、動画釦117dに動画撮影開始及び停止機能以外の所定の静止画モードに相応しい機能を割り当てるようにしている。このため、静止画撮影用釦と動画撮影用釦を有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄にならない。
【0102】
なお、本発明の各実施形態や各変形例においては、撮影モードの設定にあたっては、バルブ撮影モードは撮影モードダイヤル117cの操作によって、パノラマ撮影モードは、シーンモードの中での操作によって、またブラケット撮影モードと多重露出撮影モードは、メニュー画面での操作によって行っていた。しかし、撮影モードの設定はこれらに限定されず、各手段によって設定するようにしてもよい。
【0103】
また、本発明の各実施形態や各変形例においては、所定の静止画撮影モードとして、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モードを挙げて説明したが、これらのすべてについて、動画釦117dに予め決めた機能を割り当てなくてもよく、また、これら以外の静止画撮影モードが設定された場合に、機能を自動的に割り当てるようにしてもよい。
【0104】
また、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、静止画撮影と動画撮影の可能な撮影機器であれば、本発明を適用することができる。
【0105】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0106】
10・・・カメラ本体、20・・・交換レンズ、100・・・デジタルカメラ、101・・・撮影レンズ、102・・・レンズ制御部、103・・・絞り機構、104・・・絞り制御部、105・・・シャッタ、106・・・シャッタ制御部、107・・・撮像素子、108・・・撮像制御部、109・・・A/D変換部、110・・・メモリ、111・・・画像処理部、112・・・露出制御部、113・・・AF処理部、114・・・外部メモリ、115・・・表示部、115a・・・液晶モニタ、116・・・システム制御部、117・・・操作部、117a・・・電源釦、117b・・・レリーズ釦、117c・・・撮影モードダイヤル、117ca・・・シーンモード、117cb・・・ムービー撮影モード、117cc・・・バルブ撮影モード、117cg・・・撮影モード指標、117d・・・動画釦、117e・・・ファンクション釦、117f・・・十字釦、117g・・・OK釦、118・・・不揮発性メモリ、119・・・電源部、120・・・電源制御部、121・・・フラッシュ制御部、122・・・フラッシュ充電部、123・・・フラッシュ発光部
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止画・動画両用カメラおよびその制御方法に関し、詳しくは、静止画撮影用釦と、動画撮影用釦を有し、両釦の操作性の向上を図るようにした静止画・動画両用カメラおよび静止画・動画両用カメラの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静止画撮影に加えて動画撮影を可能としたカメラが提供されている。この種のカメラにおいては、撮影者の意図に応じて静止画撮影と動画撮影のいずれであっても直ちに開始できるようにするために、主に動画を撮影するための動画撮影用専用操作部材と、主に静止画を撮影するための静止画撮影用専用操作部材を配置している。そして、動画撮影中の静止画撮影と、静止画撮影待機中の動画撮影は、それぞれ独立した操作系としている。
【0003】
例えば、特許文献1には、動画撮影の開始及び終了を行うスイッチと、静止画撮影を行うスイッチを有し、動画撮影が行われている間に静止画撮影用のスイッチが押された場合には、動画撮影を中止し、自動的または選択により静止画記録を行う静止画・動画両用カメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3673528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように静止画撮影と動画撮影の両方を可能とした静止画・動画両用カメラは提供されているが、一方の撮影制御シーケンスが、他方の撮影制御シーケンスと矛盾する場合には、様々な撮影場面で問題となる。そのため、静止画撮影と動画撮影を独立の操作系に構成しても、利用できないモードが生じ無駄になってしまうことがある。また、独立の操作釦とすることにより利便性が向上しても、操作釦の増加は、限りある配置スペースの中では操作釦の密度が上がるため、操作が煩雑になり、また誤操作による撮影機会を失うリスクを増大させている。このため、単純な操作部材の追加は好ましいことではない。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、静止画撮影用スイッチと動画撮影用スイッチを有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄にならないようにした静止画・動画両用カメラおよび静止画・動画両用カメラの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、を有する静止画・動画両用カメラであって、上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、を有し、上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替える。
【0008】
第2の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、上記所定の静止画撮影モードは、バルブ撮影モードである。
第3の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、上記所定の静止画撮影モードは、多重露出撮影モードである。
【0009】
第4の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、パノラマ撮影モードである。
第5の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、上記第1の発明において、ブラケット撮影モードである。
【0010】
第6の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、静止画・動画両用カメラは静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、を有する静止画・動画両用カメラであって、上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、上記静止画撮影または上記動画撮影の撮影待機状態か非撮影待機状態の何れにあるかを判定する撮影待機状態判定手段と、を有し、上記撮影待機状態判定手段によって上記非撮影待機状態にあると判定され、かつ上記第2のスイッチが押下げられた際に、上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替える。
【0011】
第7の発明に係わる静止画・動画両用カメラは、静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能、あるいは静止画撮影機能を行う第2のスイッチと、を有する静止画・動画両用カメラにおいて、上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、動画撮影モードを含む撮影モードを変更する撮影モード変更手段と、を有し、上記動画撮影モードにおいて上記第2のスイッチに静止画撮影機能が割り当てられている場合は、上記第1のスイッチの機能を動画撮影の開始及び停止機能に切り替える。
【0012】
第8の発明に係わる静止画・動画両用カメラの制御方法は、静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能を行う第2のスイッチを有する静止画・動画両用カメラの制御方法であって、所定の静止画撮影モードが設定されたか否かを判定し、上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定された場合には、予め決められた機能を上記第2のスイッチに割り当て、上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定されていない場合には、上記第2のスイッチに設定された機能を割り当て、上記静止画撮影の際に上記第2のスイッチが操作されたときには、上記割り当てられた機能を実行する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、静止画撮影用スイッチと動画撮影用スイッチを有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄にならないようにした静止画・動画両用カメラおよび静止画・動画両用カメラの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わるカメラの背面側から見た外観斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わるカメラの撮影モードダイヤルの操作によって選択されたシーンモード応じて変化する撮影モードを説明する図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係わるカメラのメニュー画面において、動画釦の機能の設定を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係わるカメラのメイン動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係わるカメラの動画撮影の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係わるカメラの電源オン/撮影モード変更の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に係わるカメラのFlag2内容変更の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係わるカメラのFlag2内容変更の動作の第1の変形例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係わるカメラにおいて、動画釦がモード依存機能に設定された場合の撮影動作を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係わるカメラのFlag2内容変更の動作の第2の変形例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係わるカメラのメイン動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図や静止画や動画でのシャッタタイミングを決定する。
【0016】
また、本発明の好ましい実施形態に係わるカメラでは、静止画撮影用のレリーズ釦(第1のスイッチに連動する)と動画撮影用の動画釦(第2のスイッチに連動する)を有し、レリーズ釦を操作すると、静止画の画像データが記録媒体に記録され、動画釦を操作すると、動画の画像データの記録が開始され、再度、動画釦を操作すると動画の画像データの記録が停止される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
【0017】
また、静止画の撮影にあたっては、バルブ撮影モードを選択することができる。バルブ撮影は、数秒から数十分の長時間にわたって露出を行うものであるが、バルブ撮影時に不用意に動画釦を押下げ、バルブ撮影を停止させ、動画撮影を開始させると、静止画撮影としては不適切である。しかもバルブ撮影を行うような状況は暗い被写体であり、動画撮影には適していない。したがって、バルブ撮影モードが選択されている場合には、動画撮影よりも静止画撮影を優先することが望ましい。そこで、本発明の好ましい実施形態においては、バルブ撮影モードが選択されると、動画撮影を禁止している。また、バルブ撮影の終了を指示するタイム機能があると便利である。そこで、動画釦にタイム機能を割り当てるようにしている。
【0018】
さらに、静止画の撮影にあたっては、AEブラケット撮影モードを選択することができる。AEブラケット撮影は、露出条件を自動的に変化させながら複数枚の静止画撮影を行うものである。AEブラケット撮影時に不用意に動画釦を押下げ、AEブラケット撮影を停止させ、動画撮影を開始させると、静止画撮影としてはそぐわない。また、AEブラケット撮影は、一連の撮影を前提している撮影手法であることから、いつ終わるか分からない動画撮影の間、AEブラケット撮影用に静止画パラメータを保持してなければならず、カメラ制御に負担であるばかりでなく、その保持時間によっては、全くブラケット撮影の意思から乖離してしまう。したがって、AEブラケット撮影モードが選択されている場合には、動画撮影よりも静止画撮影を優先することが望ましい。そこで、本発明の好ましい実施形態においては、AEブラケット撮影モードが選択されると、動画撮影を禁止すると共に、動画釦にAEロックとAFロック機能を割り当てるようにしている。
【0019】
上述のバルブ撮影モード、AEブラケット撮影モード以外にも、本発明の好ましい実施形態においては、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード等が選択された場合には、動画撮影を禁止すると共に、動画釦には、動画撮影の開始/停止機能以外の機能を割り当てるようにしている。
【0020】
以下、図面に従って本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係わるカメラ100の主として電気的構成を示すブロック図である。撮影レンズ101の光軸上に、絞り機構103、シャッタ105および撮像素子107が配置されている。撮像素子107の出力はA/D変換部109に接続され、A/D変換部109の出力はメモリ110に接続されている。メモリ110は画像処理部111とシステム制御部116に接続されている。システム制御部116には、撮像制御部108、シャッタ制御部106、絞り制御部104、レンズ制御部102、露出制御部112、AF処理部113、フラッシュ制御部121、不揮発性メモリ118、外部メモリ114、表示部115、操作部117、電源制御部120がそれぞれ接続されている。上述の撮像制御部108は撮像素子107に接続されており、シャッタ制御部106はシャッタ105に接続されており、絞り制御部104は絞り103に接続されており、レンズ制御部102は撮影レンズ101に接続されている。また、電源制御部120は電源部119に接続されており、フラッシュ制御部121はフラッシュ充電部122とフラッシュ発光部123にそれぞれ接続されている。
【0021】
撮影レンズ101は、被写体光束を撮像素子107に集光させ、被写体像を結像させるための光学系である。この撮影レンズ101は、システム制御部116からの指示に応じて動作するレンズ制御部102により光軸方向に移動され、焦点状態が変化する。絞り機構103は、撮影レンズ101を介して撮像素子107に入射する被写体光束の入射量を調節する。絞り機構103は、システム制御部116からの指示に応じて動作する絞り制御部104により開口量が制御される。
【0022】
シャッタ105は、撮影レンズ101によって形成される被写体像の光束の開閉を行うものであり、公知のレンズシャッタやフォーカルプレーンシャッタ等によって構成される。シャッタ105は、システム制御部116からの指示に応じて動作するシャッタ制御部106によりシャッタ開口時間(シャッタ速度値)が制御される。
【0023】
撮像素子107は、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の二次元撮像センサであり、前面に配置されたベイヤ―配列のカラーフィルタと、このカラーフィルタに対応して配列されたフォトダイオード等の光電変換素子から構成される。各カラーフィルタとこれに対応する各光電変換素子によって各画素が、また画素群によって撮像領域が構成される。撮像素子107は、撮影レンズ101により集光された光を各画素で受光し光電流に変換し、この光電流をコンデンサに蓄積し、アナログ電圧信号(画像信号)としてA/D変換部109に出力する。撮像制御部108は、システム制御部116からの指示に応じて撮像素子107の動作制御を行う。
【0024】
A/D変換部109は、撮像素子107から出力されるアナログ電圧信号(画像信号)をデジタル画像信号(画像データ)に変換する。メモリ110は、A/D変換部109において得られた画像データや、画像処理部111において処理された画像データ等、各種データを一時的に記憶する記憶部である。なお、本明細書においては、撮像素子107から出力される画像信号に基づく信号であれば、A/D変換部109によってA/D変換された信号のみならず画像処理された信号も含めて画像データと称する。
【0025】
画像処理部111は、メモリ110に一時記憶された画像データを読み出し、この画像データに対して、ホワイトバランス補正処理、同時化処理、色変換処理等の画像処理を行う。また、画像処理部111は、後述する外部メモリ114に記録する際に画像圧縮を行い、また外部メモリ114から読み出した圧縮された画像データの伸張を行う。
【0026】
露出制御部112はメモリ110に一時記憶された画像データを用いて被写体輝度(被写体を含むシーンの明るさ)を算出する。なお、専用の測光センサを用いて被写体輝度を算出するようにしても勿論かまわない。AF(Auto Focus)処理部113は、メモリ110に一時記憶された画像データから高周波成分の信号を抽出し、AF積算処理により合焦評価値を取得する。システム制御部116は、合焦評価値に基づいてレンズ制御部102を通じて、撮影レンズ101が合焦位置となるように駆動制御を行う。なお、AF処理部113は、TTL位相差AFセンサ等、専用のセンサを設け、この専用センサの出力に基づいて撮影レンズ101の焦点ずれ量を求めるようにしても勿論かまわない。露出制御部112およびAF処理部113は、静止画撮影時と動画撮影時ではそれぞれの撮影モードに適した処理を行い、両者の処理は異なっている。
【0027】
システム制御部116は、CPU等を含むASICで構成され、撮像制御部108やフラッシュ制御部121等のカメラ100の各種シーケンスを統括的に制御する。操作部117は、電源釦117a(以下、釦類は図2参照)、レリーズ釦117b、撮影モードダイヤル117c、動画釦117d、ファンクション釦117e、十字釦117f、OK釦117g、メニュー釦、各種入力キー等の操作部材である。ユーザが操作部117のいずれかの操作部材を操作すると、システム制御部116は、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。
【0028】
操作部117の内の電源釦117aはカメラ100の電源のオンオフを指示するための操作部材であり、電源釦117aが押されるとシステム制御部116は電源オンとし、再度押されると電源オフとする。レリーズ釦117bは、1stレリーズスイッチと2ndレリーズスイッチ(第1のスイッチともいう)の2段スイッチを有している。レリーズ釦117bが半押しされると1stレリーズスイッチがオンとなり、半押しから更に押し込まれ全押しされると2ndレリーズスイッチがオンとなる。1stレリーズスイッチがオンとなると、システム制御部116は、AE処理やAF処理等撮影準備シーケンスを実行する。また2ndレリーズスイッチがオンとなると、システム制御部116は、静止画の撮影シーケンスを実行し、撮影を行う。
【0029】
操作部117の内の動画釦117dは、第2のスイッチに連動しており、動画撮影の開始と停止を指示する釦である。最初に動画釦117dを押下げると動画撮影を開始し、再度、動画釦117dを押下げると動画撮影を停止する。しかし、この動画釦117dの機能は、図4を用いて後述するように、メニュー画面において、動画撮影以外の機能を割り当てることも可能であり、この場合には割り当てられた機能で動作する。前述のシステム制御部116等は、第2のスイッチを、動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段として機能する。
【0030】
撮影モードダイヤル117cは、オートモード、絞り優先モード、シャッタ速度優先モード、ムービー撮影モード(動画撮影モード)、シーンモード、バルブ撮影モード等を設定するためのダイヤルであり、詳しくは図3を用いて後述する。撮影モードダイヤル117c等の撮影モードの変更操作部材とシステム制御部116等は、静止画撮影を行う静止画撮影モードを、バルブ撮影モード等の所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段として機能する。
【0031】
外部メモリ114は、例えば、カメラ本体に着脱自在に記憶媒体であり、画像処理部111において圧縮された画像データおよびその付随データが記録される。なお、画像データ等を記録するための記録媒体として、カメラ本体に着脱可能な外部メモリに限らず、カメラ本体に内蔵のハードディスク等の記録媒体であってもかまわない。
【0032】
表示部115は、カメラ本体の背面等に配置された液晶モニタ115a(図2参照)等を含み、画像データに基づいてライブビュー表示を行う。また、表示部115は、外部メモリ114に記録された撮影画像の再生表示を行い、さらに露出制御値等の表示や撮影モード等設定のためのメニュー画面の表示を行う。このメニュー画面において、動画釦117dの機能や、ファンクション釦(Fn釦)117eの機能設定等を行う。なお、画像等を表示できるものであれば、液晶モニタに限らず、有機EL等のディスプレイでもよい。
【0033】
不揮発性メモリ118は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、カメラ100の動作に必要な各種パラメータを記憶している。また、不揮発性メモリ118は、システム制御部116において実行するプログラムも記憶している。システム制御部116は、不揮発性メモリ118に記憶されているプログラムに従い、また不揮発性メモリ118に記憶されているパラメータを読み込み、各種シーケンスを実行する。
【0034】
電源部119は、カメラ100の各部の動作に必要な電力を供給し、例えば、2次電池等の電源電池で構成される。電源制御部120は、電源部119を構成する電池の電源電圧や残量の検出等、電源部119の制御を行う。
【0035】
フラッシュ制御部121は、システム制御部116からの指示に応じてフラッシュ充電部122における充電動作、およびフラッシュ発光部123における発光動作を制御する。フラッシュ充電部122は、電源部119の電源電圧を昇圧する昇圧回路や、ここで昇圧された電圧でエネルギを蓄積するコンデンサを有し、フラッシュ発光部123の発光を行うに必要なエネルギを蓄積する。フラッシュ発光部123は、例えば、キセノン(Xe)管等の発光管や反射傘を備えており、フラッシュ制御部121から発光指示を受信した際に、フラッシュ充電部122のコンデンサに蓄積されたエネルギを利用して発光する。
【0036】
次に、本実施形態に係わるカメラ100の外観について、図2を用いて説明する。図2は、背面側からみたカメラ100の外観図であり、カメラ本体10に交換レンズ20が装着されている。カメラ本体10の上面には、電源釦117a、レリーズ釦117b、撮影モードダイヤル117cが配置されている。
【0037】
また、カメラ本体10の背面には、液晶モニタ115aが配置されており、これによって被写体像のライブビュー表示やメニュー画面表示等の各種表示を行う。カメラ本体10の背面の右上側には、動画釦117d、ファンクション釦117eが配置されており、また、これらの釦の下側には、十字釦117gとOK釦117fが配置されている。十字釦117gは、液晶モニタ115aに表示されるメニュー画面等において、カーソルを画面上で移動させ、OK釦117fを押下げるとカーソルによって選択された項目を確定させることができる。
【0038】
次に、撮影モードダイヤル117cによって設定される撮影モードについて、図3を用いて説明する。撮影モードダイヤル117cは、回転自在に軸支されており、撮影モードダイヤル117c上には、シーンモード117ca、ムービー撮影モード(動画撮影モード)117cb、バルブ撮影モード117cc等を表わす記号や絵記号が描かれている。撮影モードダイヤル117cの近傍には撮影モード指標117cgが刻印されており、撮影モードダイヤル117cを回転操作させ、撮影モード指標117cgと一致させると、その一致した撮影モードが設定される。
【0039】
撮影モードの内、シーンモード117caを撮影モード指標117cgに一致させると、図3に示すように、液晶モニタ115aにシーン選択用の画面が表示される。本実施形態においては、シーンSCN1はポートレートモード、シーンSCN2は風景モード、シーンSCN3はスポーツモード等を表わし、図3に示すように、シーンSCN1〜シーンSCN14まで、14通りのシーンが用意されている。シーンの選択にあたっては、十字釦117fの上釦または下釦を操作することにより、シーンが順次変更され、OK釦117gを操作することにより、シーンが確定される。また、メニュー釦を操作することにより確定されたシーンがキャンセルされる。シーンが設定されると、システム制御部116は、設定されたシーンに相応しい露出制御、AF制御、画像処理等の制御を行う。上述の撮影モードダイヤル117c等の操作部117やシステム制御部116等によって、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード等、静止画撮影を行う際に設定可能な所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段が構成される。
【0040】
次に、動画釦117dの機能割り当てについて、図4を用いて説明する。メニュー釦を操作し、液晶モニタ115aにカスタマイズメニュー画面を開き、「ボタン機能」を選択し、十字釦117fを操作することによって動画釦117dの機能を変更することができる。すなわち、十字釦117fの上釦または下釦を操作することによって、順次、機能を変更でき、OK釦117gを操作することにより、機能を設定できる。これらの撮影機能の設定は、動画釦117d等の操作部117およびシステム制御部116によって行われ、動画釦117dに連動する第2のスイッチのカスタマイズ手段として機能する。
【0041】
動画釦117dに割り当てる機能が設定されると、不揮発性メモリ118または不図示のランダムアクセスメモリ(RAM)にフラグ(Flag)1として書き込まれる。本実施形態においては、画面中の顔と背景を適正露光とするフェイス&バック機能、プレビュー表示を行わせるプレビュー機能、ワンタッチでホワイトバランスを設定するワンタッチWB機能等、図4に示すように、15通りの機能を割り当て可能である。
【0042】
なお、15通りの機能中の10番目のAEL/AFL機能が動画釦117dに割り当てられると、動画釦117d操作時の画面中央の被写体に対して適正露光にするAEロック機能と、同被写体に対してピントを合わせるAFロック機能を実行する。また、11番目の動画開始/停止機能が割り当てられると、動画釦117dの操作時に動画撮影を開始し、再度、動画釦117dが操作されると動画撮影を停止する。さらに、13番目のOFF機能が割り当てられると、動画釦117dを操作しても何も動作を行わない。さらに、14番目のタイム機能が割り当てられると、バルブ撮影時において動画釦117dを操作すると露光を開始し(すなわちシャッタ105を開き)、再度、動画釦117dを操作すると露光を終了する(すなわちシャッタ105を閉じる)。さらに、15番目のモード依存機能が割り当てられると、設定されている他の撮影モード、例えば、バルブ撮影モード、ブラケット(BKT)撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード等の撮影モードに応じて、動画釦117dの機能は自動的に変更される。
【0043】
このように、本実施形態においては、動画釦117dの本来の機能である動画開始/停止機能以外に、バルブ撮影時のタイム機能、AEL/AFL機能等の機能を割り当てることができる。バルブ撮影やオートブラケット撮影等は動画撮影時に使用することがなく、このような場合に頻繁に使用する、タイム機能やAEL/AFL機能等を動画釦117dに割り当てるようにしている。
【0044】
次に、本実施形態におけるカメラ100の動作について、図5ないし図8に示すフローチャートを用いて説明する。このフローは不揮発性メモリ118に記憶されているプログラムに従ってシステム制御部116によって実行される。図5に示すフローはメインルーチン動作である。このメインルーチンは、操作部117の電源釦117aがオンとなると実行を開始する。
【0045】
メインルーチンの動作が開始すると、まず、ライブビュー動作を行う(S1)。ライブビュー動作では、撮像素子107から出力される画像信号が、画像処理部111によってライブビュー表示用に画像処理され、この処理された画像データが表示部115の液晶モニタ115aに表示される。撮影者はこのライブビュー表示を見て、静止画や動画の構図を決定し、シャッタタイミングを決める。
【0046】
ライブビュー動作を行うと、次に、操作部117のレリーズ釦117bが半押しされたか、すなわち、1stレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S3)。この判定の結果、1stレリーズスイッチがオンとなると、AF処理を実行する(S5)。このステップでは、システム制御部116は、AF処理部113によって得られる合焦評価値に基づいて、撮像素子107上に結像される被写体像が最も鮮明になるように、言い換えると合焦状態となるように、レンズ制御部102を介して撮影レンズ101の焦点状態を制御する。
【0047】
AF処理を行うと、続いて、測光を行い(S7)、露出演算を行う(S9)。これらのステップにおいて、システム制御部116は、露出制御部112において被写体輝度の算出を行い、算出された被写体輝度を用いて絞り値とシャッタ速度(蓄積時間)等の露出制御値を求める。絞り値とシャッタ速度の算出にあたっては、アペックス演算またはテーブル参照により決定する。
【0048】
ステップS9において露出演算を行うと、または、ステップS3における判定の結果、1stレリーズがオンでなかった場合には、次に、動画釦117dに連動してオンオフする動画スイッチ(第2のスイッチともいう)がオンしたか否かの判定を行う(S11)。ここでは、動画釦117dが操作されるたびに反転する動画スイッチ状態フラグのオン/オフに基づいて判定する。
【0049】
ステップS11における判定の結果、動画スイッチがオンであった場合には、次に、動画スイッチ機能処理を実行する(S13)。動画釦117dに割り当てられた機能は、不揮発性メモリ118または不図示の揮発性メモリに動画釦機能参照フラグとして記憶されているので、このフラグを読出し処理内容を決定する。この動画釦機能参照フラグは、図7を用いて後述する電源オン/撮影モード変更のサブルーチンにおいて設定される。なお、動画釦117dに動画開始/停止機能が割り当てられた場合の動作について、図6を用いて後述する。
【0050】
ステップS13における動画スイッチ機能処理を実行すると、またはステップS11における判定の結果、動画スイッチがオンではなかった場合には、次に、2ndレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S15)。ここでは、レリーズ釦117bが全押しされたか否かを判定する。この判定の結果、2ndレリーズスイッチがオンでなかった場合には、ステップS1に戻る。2ndレリーズスイッチがオンとなるまでは、システム制御部116は、ステップS1からステップS13を繰り返し実行し、ライブビュー表示を行うと共に被写体の変化に対してAF(自動焦点調節)とAE(自動露出制御)を追従させる。また、動画釦117dが操作されると、動画釦117dに割り当てられた機能を実行する。
【0051】
一方、ステップS15における判定の結果、2ndレリーズスイッチがオンであった場合には、静止画撮影を開始する(S21)。静止画撮影においては、システム制御部116は、シャッタ制御部106、絞り制御部104によってシャッタ105および絞り103適正露出となるように制御し、このとき撮像素子107によって取得した画像データを画像処理部111によって処理した後、外部メモリ114に記録する。
【0052】
ステップS21において、静止画撮影を開始すると、次に、ステップS11と同様に、動画スイッチがオンか否かの判定を行い(S23)、この判定の結果、動画スイッチがオンであった場合には、ステップS13と同様に、動画スイッチ機能処理を実行する(S25)。単純な1コマ撮影の場合には、2ndレリーズがオンとなると静止画撮影を開始し直ちに終了するが、バルブ撮影、オートブラケット撮影、連写等においては、静止画撮影を開始しても直ちには終了しない。この間、動画釦117dを操作することにより、動画釦117dに割り当てられた機能を実行することができる。例えば、動画釦117dにタイム機能が割り当てられている場合にバルブ撮影を開始すると、動画釦117dの操作によりバルブ撮影を終了させることができる。
【0053】
ステップS25において動画スイッチ機能処理を実行すると、またはステップS23における判定の結果、動画スイッチがオンでなかった場合には、次に、静止画撮影が終了したか否かの判定を行う(S27)。ここでは、静止画の画像データの記録が終了したか否かを判定する。静止画撮影の終了は、単純な1コマ撮影の場合には、静止画の画像データを記録すると終了するが、所定の静止画撮影の場合には次の時点で撮影終了となる。
(1)連写モードの場合には、2ndレリーズがオフになって、連写撮影が停止したとき、
(2)ブラケット撮影モードの場合には、所定枚数のブラケット(BKT)撮影が終了したとき、
(3)パノラマ撮影モードの場合には、パノラマ撮影の終了が指示され、パノラマ撮影が終了したとき、
(4)多重露出撮影モードの場合には、多重露出撮影の終了が指示され、多重露出撮影が終了したとき。
ステップS27における判定の結果、静止画撮影が終了していなかった場合には、ステップS23に戻り、静止画撮影を続行する。一方、判定の結果、静止画撮影が終了すると、ステップS1に戻る。
【0054】
次に、動画釦117dに動画の開始/停止機能が割り当てられている場合の動画撮影の動作について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。この動画撮影のフローは、図5のステップS11における判定の結果、動画スイッチがオンとなった際に、ステップS13において実行される。
【0055】
動画撮影のフローに入ると、まず、動画撮影を開始する(S31)。ここでは、撮像素子107によって取得した画像データを画像処理部111によって動画処理した後、外部メモリ114に記録する。また、同時に表示部115にライブビュー表示を行う。
【0056】
動画撮影を開始すると、続いて、ステップS11と同様に動画スイッチがオンか否かの判定を行う(S33)。前述したように、動画釦117dに動画撮影の開始/停止機能が割り当てられている場合には、再度、動画釦117dが操作されると、動画撮影を停止する。そこで、このステップでは、撮影者が動画撮影を停止するために、動画釦117dに連動する動画スイッチがオンしたか否かを判定する。
【0057】
ステップS33における判定の結果、動画スイッチがオンであった場合には、動画撮影停止処理を行う(S51)。ここでは、動画の画像データの記録動作を終了するための処理を行う。この動画撮影停止処理を行うと、元のフローに戻る。
【0058】
一方、ステップS33における判定の結果、動画スイッチがオンでなかった場合には、動画の撮影を続行しながら、ステップS11と同様に、1stレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S35)。本実施形態においては、動画の撮影中にレリーズ釦117bが半押しされた場合には、自動焦点調節および自動露出制御を行うようにしている。
【0059】
ステップS35における判定の結果、1stレリーズスイッチがオンであった場合には、まずAF処理を行う(S37)。動画撮影に適したAF処理を行い、画面の中央等の被写体にピントを合わせる。続いて、測光を行い(S39)、露出演算を行う(S41)。これによって、動画撮影中であっても、被写体に対してピントが合い、かつ適正露出で動画撮影を行うことができる。
【0060】
ステップS41において露出演算を行うと、またはステップS35における判定の結果、1stレリーズスイッチがオンではなかった場合には、次に、2ndレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S43)。本実施形態においては、動画撮影中であっても、レリーズ釦117bが全押しされた場合には、静止画撮影を許可していることから、このステップでは、2ndレリーズスイッチの状態を判定している。この判定の結果、2ndレリーズスイッチがオフであった場合には、ステップS33に戻り、動画釦117dが操作されない限り、動画撮影を続行する。
【0061】
ステップS43における判定の結果、2ndレリーズスイッチがオンとなると、静止画撮影のためのシーケンスに移る。まず、ステップS51と同様に、動画撮影停止処理を行う(S45)。動画撮影停止処理を行うと、続いて、ステップS21と同様に、静止画撮影を開始し(S47)、静止画撮影が終了したか否かを判定する(S49)。この判定の結果、静止画撮影が終了すると、ステップS31に戻り、動画撮影を再開する。
【0062】
このように、本実施形態における動画撮影では、動画撮影開始後に、動画釦117dが、再度、操作されると、動画撮影が停止される。また、動画撮影の最中に、レリーズ釦117dが半押しされると、AF処理やAE処理等がなされ、さらにレリーズ釦117dが全押しされると、静止画撮影を行うようにしている。静止画の撮影が終了すると、直ちに、動画撮影を再開できるので、動画撮影→静止画撮影→動画撮影を円滑に切り換えることができる。なお、静止画撮影が終了すると、動画を再開することなく、静止画および動画の撮影を終了するようにしても勿論かまわない。
【0063】
次に、本実施形態における動画釦117dに割り当てられた機能の変更について、図7を用いて説明する。本実施形態においては、撮影モードによっては、動画釦117dに割り当てる機能を特定の機能に自動的に設定する方がよい場合がある。例えば、バルブ撮影モードが設定された場合には、動画撮影を行うことがないことから、バルブ撮影の終了の指示(タイム機能)を動画釦117dに割り当ておけば便利であり、バルブ撮影終了指示用の操作部材を設けずに済みカメラの小型化を図ることができる。そこで、本実施形態においては、バルブ撮影モード等の所定静止画撮影モードが設定された場合には、電源オン/撮影モード変更のサブルーチンにおいて、自動的に予め決められた機能を動画釦117dに割り当てるようにしている。
【0064】
この電源オン/撮影モード変更のサブルーチンは、カメラ100の電源釦117aが操作され電源オンとなったとき、および撮影モードダイヤル117cによって撮影モードが設定されたとき、およびメニュー画面において撮影モードが設定されたときに、実行される。
【0065】
電源オン/撮影モード変更のサブルーチンに入ると、まず、バルブ撮影モードが設定されたか否かの判定を行う(S61)。前述したように、撮影モードダイヤル117cを回動操作し、バルブ撮影モード117ccを選択したか否かを判定する。この判定の結果、バルブ撮影モードでなかった場合には、次に、ブラケット(BKT)撮影モードか否かの判定を行う(S63)。ブラケット撮影モードはメニュー画面において設定されることから、このステップではメニュー画面において設定されたか否かを判定する。
【0066】
ステップS63における判定の結果、ブラケット撮影モードでなかった場合には、次に、パノラマ撮影モードであるか否かの判定を行う(S65)。パノラマ撮影モードはシーンモード117caにおいて設定されることから、このステップではシーンモードのシーン設定の画面において設定されたか否かを判定する。
【0067】
ステップS65における判定の結果、パノラマ撮影モードでなかった場合には、次に、多重露出撮影モードであるか否かの判定を行う(S67)。多重露出撮影モードは、メニュー画面において設定されることから、このステップではメニュー画面において設定されたか否かを判定する。
【0068】
ステップS67における判定の結果、多重露出撮影モードでなかった場合には、次に、ムービー撮影モードであるか否かの判定を行う(S69)。ムービー撮影モードは撮影モードダイヤル117cによって設定されることから、このステップでは、撮影モードダイヤル117cによって設定されたか否かを判定する。
【0069】
ステップS69における判定の結果、ムービー撮影モードでなかった場合には、動画釦機能参照フラグをフラグ(Flag)1に変更する。フラグ1は、図4を用いて前述したように、動画釦117dの機能を割り当てた際に、設定された機能を記憶する。動画釦機能参照フラグは、ステップS13、S25において、動画スイッチ機能処理を実行する際に参照するフラグである。したがって、動画釦機能参照フラグとして、フラグ1が設定されていると、撮影者が動画釦117dに割り当てた機能がそのまま実行される。
【0070】
ステップS61〜S69における判定の結果、いずれかにおいて、Yesであった場合、すなわち、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード、またはムービー撮影モードであった場合には、動画釦機能参照フラグをフラグ(Flag)2に変更する(S73)。これらの撮影モードの場合には、撮影者が動画釦117dに割り当てた機能ではなく、予め決められた機能に自動的に変更する。このステップS73における処理は、「Flag2内容変更」のサブルーチンであるので、詳細は図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0071】
次に、Flag2内容変更のサブルーチンについて説明する。Flag2内容変更のサブルーチンに入ると、まず、ステップS61と同様に、バルブ撮影モードか否かの判定を行う(S81)。この判定の結果、バルブ撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn14(タイム機能)に変更する(S83)。この変更により、動画釦117dは、タイム機能が割り当てられ、動画釦117dを操作すると、バルブ撮影における撮影停止指示用の操作部材としての機能を果たす。バルブ撮影の際にタイム機能があると、ケーブルレリーズが不要となり、バルブ撮影の利便性が向上する。
【0072】
ステップS81における判定の結果、バルブ撮影モードでなかった場合には、次に、ブラケット(BKT)撮影モードか否かの判定を行う(S85)。この判定の結果、ブラケット撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn10(AEL/AFL機能)に変更する(S87)。ブラケット撮影モードでは、絞り値やシャッタ速度値を変化させながら、異なる露出量で複数枚の撮影を行うモードであり、基準となる露出を固定するためのAEL機能があると、ブラケット撮影の利便性が向上する。
【0073】
ステップS85における判定の結果、ブラケット撮影モードでなかった場合には、次に、パノラマ撮影モードであるか否かの判定を行う(S89)。この判定の結果、パノラマ撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn10(AEL/AFL機能)に変更する(S91)。パノラマ撮影は、順次撮影の方向を変えながら連続的に風景を撮影するモードであるが、撮影方向によって明るさが異なる場合には、背景の明るさが不連続となってしまう。そこで、基準となる露出をAEL機能によって固定すると、パノラマ撮影の利便性が向上する。
【0074】
ステップS89における判定の結果、パノラマ撮影モードでなかった場合には、次に、多重露出撮影モードであるか否かの判定を行う(S93)。この判定の結果、多重露出撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn10(AEL/AFL機能)に変更する(S95)。多重露出撮影は、レリーズ釦117bを全押しするたびに露光を重ねる撮影であるが、レリーズ釦117bの全押しのタイミングによって、明るさが異なって、不自然な多重露出となってしまう。そこで、足し込み露出の調整にAEL機能があると、多重露出撮影の利便性が向上する。
【0075】
ステップS93における判定の結果、多重露出撮影モードでなかった場合には、次に、ムービー撮影モードであるか否かの判定を行う(S97)。この判定の結果、ムービー撮影モードであった場合には、Flag2の内容をFn11(動画開始/停止機能)に変更する(S99)。本実施形態においては、動画釦117dの機能は、図4を用いて説明したように種々の機能の中から選択して割り当てることができ、一方、撮影モードダイヤル117cによってムービー撮影モードを設定することができる。このため、ムービー撮影モードを選択しながら、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てた場合には、ムービー撮影の開始を行うことができない。そこで、本実施形態においては、ムービー撮影モードを設定した場合には、自動的に動画釦117dに動画開始/停止機能を割り当てるようにした。
【0076】
ステップS97における判定の結果、ムービー撮影モードでなかった場合、またはステップS83、S87、S91、S95、またはS99においてFlag2の内容を変更すると、元のフローに戻る。
【0077】
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、動画釦117dに種々の機能の中から選択して割り当てるようにしている。これらの機能は、動画開始/停止機能を除くと、いずれも動画撮影時には使用しなか、または動画撮影時に使用しても撮影を損なうことのない機能であることから、静止画撮影用釦と動画撮影用釦を有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄になることがない。
【0078】
また、本発明の第1実施形態においては、所定の撮影モード、例えば、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モードが設定された場合には、動画釦117dに予め決めた機能を割り当てるようにしている。このため、撮影者が、設定した撮影モードに応じて動画釦117dの機能を割り当てる動作を省略することができ便利である。
【0079】
なお、本実施形態において、動画釦117dに予め決めた機能を割り当てるとしたバルブ撮影モード等の所定の撮影モードは例示であり、これらの撮影モードの全てについて機能を自動的に割り当てなくてもよく、また他の撮影モードに対して機能を割り当てるようにしても勿論かまわない。
【0080】
また、本実施形態においては、電源オンまたは撮影モードの変更を行った際に、バルブ撮影モード等の所定の撮影モードの場合に動画釦117dに予め決めた機能を割り当てるようにしていた。しかし、これ以外のタイミングでもよく、例えば、動画釦117dを押下げたタイミングで、撮影待機状態にあるか否かを判定し、非撮影待機状態の場合(言い換えると、動画の記録中のときや、静止画撮影の途中である場合)に、ステップS61〜S73(図7参照)における処理を行うようにしてもよい。この場合には、システム制御部116等によって、静止画撮影または上記動画撮影の撮影待機状態か非撮影待機状態の何れにあるかを判定する撮影待機状態判定手段を構成する。
【0081】
次に、本実施形態におけるFlag2内容変更の第1の変形例について、図9および図10を用いて説明する。第1実施形態においては、バルブ撮影モードやブラケット撮影モード等の所定静止画撮影モードが設定された場合には、それぞれの撮影モードに応じて動画釦117dの機能を割り当てていた。これに対して第1の変形例においては、所定静止画撮影モードが設定されると、一律にモード依存機能を設定するようにしている。
【0082】
第1の変形例に係わる「Flag2内容変更」のサブルーチンに入ると、第1実施形態の場合と同様に、ステップS81からステップS97において、バルブ撮影モードに設定されたか(S81)、ブラケット撮影モードに設定されたか(S85)、パノラマ撮影モードに設定されたか(S89)、多重露出撮影モードに設定されたか(S93)、ムービー撮影モードに設定されたか(S97)について、それぞれ判定する。
【0083】
ステップS81からステップS97のいずれかにおいて、判定結果がYesであった場合には、すなわち、設定された撮影モードが、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モード、ムービー撮影モードのいずれかであった場合には、Flag2をFn14(モード依存機能)に設定する(S101)。モード依存機能は、設定されている撮影モードに応じて、設定された撮影モードで最適な機能に自動的に設定する。
【0084】
モード依存機能について、図10を用いて説明する。図10はモード依存機能に設定された場合の撮影動作を示しており、一番左側のモードの欄には、設定されている撮影モードを示している。モードの欄の右側の操作順組合せの欄には、最初(1st)にレリーズ釦117bまたは動画釦117dが操作されたときの操作内容、2番目(2nd)にレリーズ釦117bまたは動画釦117dが操作されたときの操作内容、3番目(3rd)にレリーズ釦117bまたは動画釦117dが操作されたときの操作内容を示している。
【0085】
操作順組合せの欄の右側には、撮影動作を示しており、動作手順を示しており、さらに右にはカスタマイズについて示している。カスタマイズの欄において、ノーマルは通常状態で設定されている手順であり、○印はメニュー画面等において、変更可能な内容を示している。
【0086】
例えば、本実施形態におけるモード依存機能は、今、スチルモード(単純な静止画撮影モード)に撮影モードが設定されている場合には、レリーズ釦117bが操作されると、静止画の撮影を行って終了する。この後、動画釦117dが操作されたとしても無視される(図中(2)の場合)。一方、スチルモードが設定されている場合であって、最初に動画釦117dが操作された場合には、動画撮影を開始し、再度動画釦117dが操作されると動画撮影を終了するが(図中(3)の場合)、レリーズ釦117bが操作された場合には、静止画を撮影し、再度動画釦117dが操作されると動画撮影を終了する(図中(4)の場合)。
【0087】
また、バルブ撮影モードが設定されている場合には、最初にレリーズ釦117bが操作されると、静止画撮影が開始され、次にレリーズ釦117bが操作されると静止画撮影が終了するが(図中(5)の場合)、次にレリーズ釦117bではなく動画釦117dが操作されると、この操作は無視される(図中(6)の場合)。一方、最初に動画釦117dが操作されると、静止画撮影が開始され、次に、動画釦117dが操作されると静止画撮影を終了し(図中(7)の場合)、次に、動画釦117dではなくレリーズ釦117bが操作されると無視され、その次の動画釦117dの操作によって静止画撮影が終了する(図中(8)の場合)。
【0088】
パノラマ撮影モード、多重露光撮影モード、ブラケット撮影モード、ムービー撮影モード、シャッタ速度(ss)優先ムービー撮影モード、ライブビュー(LvB)ムービー撮影モードが設定された場合には、図10に示すような操作手順で動作する。このように、モード依存機能に設定されると、設定された撮影モードに応じて、レリーズ釦117bと動画釦117dの操作順に応じて、最適な動作を実行する。
【0089】
以上、説明したように本発明の第1実施形態における第1の変形例においては、バルブ撮影モード等の所定静止画撮影モードに設定すると、自動的にモード依存機能に設定され、設定された撮影モードに応じて動画釦117dの機能が最適になる。なお、図10では、スチル撮影モード等、図9のフローチャートの判定条件に示されていない撮影モードが記載されているが、モード依存機能は、図4において説明したように、撮影者が意図的に設定できる機能であるからである。
【0090】
次に、本実施形態におけるFlag2内容変更の第2の変形例について、図11を用いて説明する。第2の変形例においては、所定静止画撮影モードが設定されると、一律にオフ機能を設定し、動画釦117dの操作に対して何も処理を実行しないようにしている。
【0091】
図11に示す本変形例のFlag2内容変更のサブルーチンに入ると、第1実施形態の場合と同様に、ステップS81からステップS93において、バルブ撮影モードに設定されたか(S81)、ブラケット撮影モードに設定されたか(S85)、パノラマ撮影モードに設定されたか(S89)、多重露出撮影モードに設定されたか(S93)について、それぞれ判定する。
【0092】
ステップS81からステップS93のいずれかにおいて、判定結果がYesであった場合には、すなわち、設定された撮影モードが、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モードのいずれかであった場合には、Flag2をFn13(オフ機能)に設定する(S111)。オフ機能に設定されると、動画釦117dが操作されても何も処理を実行しない。
【0093】
このため、本変形例においては、バルブ撮影モード等の所定静止画撮影モードが設定された場合、撮影者が誤って動画釦117dに不適当な機能を割り当てたとしても、その機能の処理がなされることがない。
【0094】
次に、本発明の第2実施形態について図12を用いて説明する。本発明の第1実施形態においては、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てると、ムービー撮影モードに設定しても、動画撮影を行うことができない。これに対して、第2実施形態においては、ムービー撮影モードが設定された場合には、レリーズ釦117bの操作によって動画撮影の開始と停止を行うことができるようにしている。
【0095】
本実施形態における構成は、第1実施形態の構成と同様であり、図5に示したメインフローを図12に示すフローチャートに変更するだけである。また、図12に示すメインフローは、図5に示すメインフローに対して、ステップS17ないしS20を追加しただけである。そこで、この相違点を中心説明する。
【0096】
メインフローに入ると、ライブビュー動作を行い(S1)、またレリーズ釦117bの半押しがなされると、AF処理、測光処理、露出演算を行い(S5〜S9)、動画釦117dが操作されると動画スイッチ機能処理を行う(S11、S13)。そして、レリーズ釦117bの全押しがなされると(S15→Yes)、ムービー撮影モードが設定されているか否かを判定する(S17)。ここでは、撮影モードダイヤル117cによってムービー撮影モードが設定されたか否かを判定する。
【0097】
ステップS17における判定の結果、ムービー撮影モードが設定されていた場合には、ステップS31(図6参照)と同様に、動画撮影を開始する(S18)。ここでは、撮像素子107によって取得した画像データを画像処理部111によって動画処理した後、外部メモリ114に記録する。また、同時に表示部115に記録画像のライブビュー表示を行う。
【0098】
動画撮影を開始すると、次に、2ndレリーズスイッチがオンか否かの判定を行う(S19)。ここでは、レリーズ釦117bが全押しされたか否かを判定する。この判定の結果、2ndレリーズスイッチがオフからオンに変化しなかった場合には、2ndレリーズスイッチがオンとなるまで、動画撮影を継続する。ステップS19における判定の結果、2ndレリーズスイッチがオフからオンに変化すると、動画撮影を終了する(S20)。ここでは、ステップS51と同様に、動画の画像データの記録動作を終了するための処理を行う。
【0099】
動画撮影を終了すると、またはステップS17における判定の結果、ムービー撮影モードでなかった場合には、第1実施形態と同様に、ステップS21以下を実行する。すなわち、レリーズ釦117bが操作されたかことから静止画撮影を開始し(S21)、動画スイッチが操作された場合には動画スイッチ機能処理を行い(S23、S25)、静止画撮影が終了したかを判定し(S27)、終了していない場合には、ステップS23に戻り、一方、判定の結果、終了した場合にはステップS1に戻る。
【0100】
このように、本発明の第2実施形態においては、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てた場合には、レリーズ釦117bに動画撮影の開始と停止機能を割り当てるようにしている。このため、動画釦117dに動画開始/停止機能以外の機能を割り当てた場合であっても、動画撮影を行うことができる。
【0101】
以上、説明したように、本発明の各実施形態や各変形例においては、静止画撮影を行うレリーズ釦117bに連動する第1のスイッチ(2ndレリーズスイッチ)と、動画撮影の開始及び停止を行う動画釦117dに連動する第2のスイッチと、第2のスイッチを、動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定するカスタマイズ手段と(図4参照)、静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と(図3参照)、を有し、静止画撮影モード変更手段によって変更された所定の静止画撮影モードに応じて、第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替えるようにしている。すなわち、所定の静止画モードに変更された場合に、動画釦117dに動画撮影開始及び停止機能以外の所定の静止画モードに相応しい機能を割り当てるようにしている。このため、静止画撮影用釦と動画撮影用釦を有するカメラにおいて、撮影場面での矛盾が生ぜず、また独立操作系が無駄にならない。
【0102】
なお、本発明の各実施形態や各変形例においては、撮影モードの設定にあたっては、バルブ撮影モードは撮影モードダイヤル117cの操作によって、パノラマ撮影モードは、シーンモードの中での操作によって、またブラケット撮影モードと多重露出撮影モードは、メニュー画面での操作によって行っていた。しかし、撮影モードの設定はこれらに限定されず、各手段によって設定するようにしてもよい。
【0103】
また、本発明の各実施形態や各変形例においては、所定の静止画撮影モードとして、バルブ撮影モード、ブラケット撮影モード、パノラマ撮影モード、多重露出撮影モードを挙げて説明したが、これらのすべてについて、動画釦117dに予め決めた機能を割り当てなくてもよく、また、これら以外の静止画撮影モードが設定された場合に、機能を自動的に割り当てるようにしてもよい。
【0104】
また、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、静止画撮影と動画撮影の可能な撮影機器であれば、本発明を適用することができる。
【0105】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0106】
10・・・カメラ本体、20・・・交換レンズ、100・・・デジタルカメラ、101・・・撮影レンズ、102・・・レンズ制御部、103・・・絞り機構、104・・・絞り制御部、105・・・シャッタ、106・・・シャッタ制御部、107・・・撮像素子、108・・・撮像制御部、109・・・A/D変換部、110・・・メモリ、111・・・画像処理部、112・・・露出制御部、113・・・AF処理部、114・・・外部メモリ、115・・・表示部、115a・・・液晶モニタ、116・・・システム制御部、117・・・操作部、117a・・・電源釦、117b・・・レリーズ釦、117c・・・撮影モードダイヤル、117ca・・・シーンモード、117cb・・・ムービー撮影モード、117cc・・・バルブ撮影モード、117cg・・・撮影モード指標、117d・・・動画釦、117e・・・ファンクション釦、117f・・・十字釦、117g・・・OK釦、118・・・不揮発性メモリ、119・・・電源部、120・・・電源制御部、121・・・フラッシュ制御部、122・・・フラッシュ充電部、123・・・フラッシュ発光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、
動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、
を有する静止画・動画両用カメラであって、
上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、
上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、
を有し、
上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替えることを特徴とする静止画・動画両用カメラ。
【請求項2】
上記所定の静止画撮影モードは、バルブ撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項3】
上記所定の静止画撮影モードは、多重露出撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項4】
上記所定の静止画撮影モードは、パノラマ撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項5】
上記所定の静止画撮影モードは、ブラケット撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項6】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、
動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、
を有する静止画・動画両用カメラであって、
上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、
上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、
上記静止画撮影または上記動画撮影の撮影待機状態か非撮影待機状態の何れにあるかを判定する撮影待機状態判定手段と、
を有し、
上記撮影待機状態判定手段によって上記非撮影待機状態にあると判定され、かつ上記第2のスイッチが押下げられた際に、上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替えることを特徴とする静止画・動画両用カメラ。
【請求項7】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、
動画撮影の開始及び停止機能、あるいは静止画撮影機能を行う第2のスイッチと、
を有する静止画・動画両用カメラであって、
上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、
上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、
動画撮影モードを含む撮影モードを変更する撮影モード変更手段と、
を有し、
上記動画撮影モードにおいて上記第2のスイッチに静止画撮影機能が割り当てられている場合は、上記第1のスイッチの機能を動画撮影の開始及び停止機能に切り替えることを特徴とする静止画・動画両用カメラ。
【請求項8】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能を行う第2のスイッチを有する静止画・動画両用カメラの制御方法であって、
所定の静止画撮影モードが設定されたか否かを判定し、
上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定された場合には、予め決められた機能を上記第2のスイッチに割り当て、
上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定されていない場合には、上記第2のスイッチに設定された機能を割り当て、
上記静止画撮影の際に上記第2のスイッチが操作されたときには、上記割り当てられた機能を実行する、
ことを特徴とする静止画・動画両用カメラの制御方法。
【請求項1】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、
動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、
を有する静止画・動画両用カメラであって、
上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、
上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、
を有し、
上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替えることを特徴とする静止画・動画両用カメラ。
【請求項2】
上記所定の静止画撮影モードは、バルブ撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項3】
上記所定の静止画撮影モードは、多重露出撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項4】
上記所定の静止画撮影モードは、パノラマ撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項5】
上記所定の静止画撮影モードは、ブラケット撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の静止画・動画両用カメラ。
【請求項6】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、
動画撮影の開始及び停止を行う第2のスイッチと、
を有する静止画・動画両用カメラであって、
上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、
上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、
上記静止画撮影または上記動画撮影の撮影待機状態か非撮影待機状態の何れにあるかを判定する撮影待機状態判定手段と、
を有し、
上記撮影待機状態判定手段によって上記非撮影待機状態にあると判定され、かつ上記第2のスイッチが押下げられた際に、上記静止画撮影モード変更手段によって変更された上記所定の静止画撮影モードに応じて、上記第2のスイッチを動画撮影開始及び停止機能以外の機能に切り替えることを特徴とする静止画・動画両用カメラ。
【請求項7】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、
動画撮影の開始及び停止機能、あるいは静止画撮影機能を行う第2のスイッチと、
を有する静止画・動画両用カメラであって、
上記第2のスイッチを、上記動画撮影の開始及び停止機能を含み少なくとも2つ以上の撮影機能を選択的に設定する第2のスイッチカスタマイズ手段と、
上記静止画撮影を行う静止画撮影モードを所定の静止画撮影モードに変更する静止画撮影モード変更手段と、
動画撮影モードを含む撮影モードを変更する撮影モード変更手段と、
を有し、
上記動画撮影モードにおいて上記第2のスイッチに静止画撮影機能が割り当てられている場合は、上記第1のスイッチの機能を動画撮影の開始及び停止機能に切り替えることを特徴とする静止画・動画両用カメラ。
【請求項8】
静止画撮影を行う第1のスイッチと、動画撮影の開始及び停止機能を行う第2のスイッチを有する静止画・動画両用カメラの制御方法であって、
所定の静止画撮影モードが設定されたか否かを判定し、
上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定された場合には、予め決められた機能を上記第2のスイッチに割り当て、
上記判定の結果、上記所定の静止画撮影モードが設定されていない場合には、上記第2のスイッチに設定された機能を割り当て、
上記静止画撮影の際に上記第2のスイッチが操作されたときには、上記割り当てられた機能を実行する、
ことを特徴とする静止画・動画両用カメラの制御方法。
【図2】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−211487(P2011−211487A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77351(P2010−77351)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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