説明

静電噴霧装置における漏電防止部

【課題】 漏電の発生を防止し、静電噴霧装置に静電効果を安定的に発揮させることができるようにする。
【解決手段】 本発明の静電噴霧装置における漏電防止部としての鍔部32は、液体を無数の液滴Dにして噴出する噴口2aを先端側に有する噴霧ノズル部2と、液滴Dの拡散範囲の外側に近接するように配設された電極3と、噴霧ノズル部2の基端側に対して電極3を支持する電極ホルダ4とを備え、電極3又は電極ホルダ4は、貫通穴4aを有しており、前記液体及び電極3の間に印加される高電圧により液滴Dを帯電させるように構成された静電噴霧装置におけるものである。電極3及び電極ホルダ4内における噴霧ノズル部2の基端側に設けられ、該噴霧ノズル部2の径方向へ突出する略フランジ状に形成されており、その周縁部には、電極3及び電極ホルダ4に接触しないように、かつ、少なくとも貫通穴4a内にまで達するように張り出した突起板部39を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気を利用して薬液等の液体を噴霧する静電噴霧装置における漏電防止部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の静電噴霧装置における漏電防止部として、特許文献1に開示されたものを例示する。図9及び図10に示すように、この静電噴霧装置80は、噴霧ノズル75から噴出される液滴Dの拡散範囲の外側に近接するように配設された電極としての環状電極76と、該環状電極76を噴霧ノズル75に結合する電気絶縁性を有する電極ホルダ92と、該電極ホルダ92の噴管側に設けられた電気絶縁性を有する漏電防止部93とを備えている。環状電極76には高電圧ケーブル63を介して高電圧が印加されるようになっており、また、噴霧ノズル75はアース電位に接続される。
【0003】
電極ホルダ92は、噴管85先端側が開口している略カップ状に形成されている。電極ホルダ92の底壁部の中央には噴管85を配設するための貫通穴92bと、該噴管85の先端に取り付けられた噴霧ノズル75の周囲を囲うように形成された環状突部86とが設けられている。電極ホルダ92の周壁部には、該電極ホルダ92内に溜まった液滴Dを電極ホルダ92外に排出するための複数の液滴排出穴92cが設けられている。また、電極ホルダ92の周壁部には、その開口部側の内周縁部に環状電極76が配設されている。
【0004】
漏電防止部93は、電極ホルダ92の貫通穴92bに長さ方向の一端側が嵌入された筒状の取付パイプ部94と、該取付パイプ部94の長さ方向の他端側の外周に一体形成された円環部95と、該円環部95の外周縁部に一体形成されて電極ホルダ側へ延びる筒部96と、筒部96の開口部に対峙して該開口部の開口を狭めるように取付パイプ部94に設けられた鍔部97を備えている。鍔部97は、取付パイプ部94の外周全体にわたって径方向へ突出した略フランジ状に形成されてなっている。また、取付パイプ部94内には噴管85が挿入されるようになっている。このように、取付パイプ部94と筒部96との間には、噴管85外周の全周にわたる環状凹部69が形成されている。この該環状凹部69は、その開口部69aが噴管85の長さ方向へ開口するとともに、その奥行きが噴管85の長さ方向へ延びている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−193225号公報(図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、噴霧対象に付着しなかった液滴Dは、重力や、マイナス帯電されているためプラスの電極76による吸引力により、噴霧ノズル75側へ舞い戻ってくる。
【0007】
例えば、上方の噴霧対象に向けて噴霧すると、図9に示すように、舞い戻ってきた液滴Dは環状突部86内に溜まり、漏電の原因となるという課題がある。そこで、環状突部86の前方に、漏電防止部93における鍔部97と同様のフランジ状部材を設け、環状突部86の内部に液滴Dが入りにくくすることも考えられる。しかし、前記フランジ状部材を設けたとすると、今度は、該フランジ状部材の表面に付着した液滴Dが該フランジ状部材の周縁部からたれて、これが環状突部86をはじめとする電極ホルダ92の一部にブリッジし、漏電の原因となる可能性がある。
【0008】
また、下方の噴霧対象に向けて噴霧すると、図10に示すように、舞い戻ってきた液滴Dは環状突部86の先端縁から垂れ、環状突部86と電極ホルダ92との間において液滴Dによる液つながりが生じ、漏電の原因になるという課題がある。
【0009】
上記液滴Dがブリッジする課題は、例えば、電極ホルダ92の内径を大きくすることにより、該電極ホルダ92と環状突部86との間隔を大きくすれば、該液つながりの発生を低減することもできるが、そうすると電極ホルダ92が大型化するとともに重量化し、作業性が低下するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の静電噴霧装置における漏電防止部は、
液体を無数の液滴にして噴出する噴口を先端側に有する噴霧ノズル部と、
前記液滴の拡散範囲の外側に近接するように配設された電極と、
前記噴霧ノズル部の基端側に対して前記電極を支持する電極ホルダとを備え、
前記電極又は前記電極ホルダは、貫通穴又は切欠を有しており、
前記液体及び前記電極の間に印加される高電圧により前記液滴を帯電させるように構成された静電噴霧装置における漏電防止部であって、
前記電極及び前記電極ホルダ内における前記噴霧ノズル部の基端側に設けられ、該噴霧ノズル部の径方向へ突出する略フランジ状に形成されており、その周縁部には、前記電極及び前記電極ホルダに接触しないように、かつ、少なくとも前記貫通穴内又は前記切欠内にまで達するように張り出した凸部を備えた静電噴霧装置における漏電防止部。
【0011】
前記凸部としては、特に限定されないが、前記電極又は前記電極ホルダの外側における前記貫通穴又は前記切欠の開口付近に、又は該開口よりも外側に達していることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、例えば上方の噴霧対象に向けて噴霧したときに舞い戻ってきた液滴が前記漏電防止部の表面に付着しても、その液滴が前記凸部を伝い、前記貫通穴又は前記切欠を介して前記電極及び前記電極ホルダの外側へスムーズに排出される。このため、前記漏電防止部と前記電極又は前記電極ホルダとの間において、前記舞い戻ってきた液滴による液つながりを防止することにより漏電の発生を防止し、静電効果を安定的に発揮させることができる。従って、この構成によれば、例えば従来例と同程度の漏電防止機能を備えた静電噴霧装置であればサイズや重量を従来例よりも小型軽量に構成することができ、また、例えば従来例と同程度のサイズや重量の静電噴霧装置であれば漏電防止機能を従来例よりも向上させることができる。
【0013】
前記凸部は、その先端側になるほど、前記液滴の反噴出側にあるように形成された態様を例示する。
【0014】
この構成によれば、例えば上方の噴霧対象に向けて噴霧したときに舞い戻ってきた液滴が前記漏電防止部の表面に付着しても、その液滴をスムーズに前記凸部の先端側へ導いて、前記貫通穴又は前記切欠を介して前記電極ホルダの外側へ排出することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る静電噴霧装置における漏電防止部によれば、漏電の発生を防止し、静電噴霧装置に静電効果を安定的に発揮させることができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1〜図4は本発明を具体化した第一実施形態を示している。この静電噴霧装置1は、作物の病気や虫の防除用薬液を無数の液滴Dからなる噴霧Sにして噴出する噴口2aを先端側に有する噴霧ノズル部2と、該噴霧ノズル部2に加圧された薬液を供給する噴管11と、液滴Dの拡散範囲の外側に近接するように配設された電極としての環状電極3と、噴霧ノズル部2の基端側に対して環状電極3を支持する電極ホルダ4と、漏電防止部28,29とを備えている。
【0017】
噴霧ノズル部2は、本例では導電性材料で形成されているが、これに限定されず、プラスチックやセラミックで形成されたものも適宜採用できる。
【0018】
噴管11は、その一部が導電性材料からなるとともに接地(アース)されており、これにより薬液が接地されるようになっている。薬液を接地する態様としては、これに限定されず、薬液に接する他の導電性部位(後述する噴霧ノズル部2や、導電性材料で形成された収容タンク等)や薬液中に浸けられた電極等を接地することによる態様を例示する。
【0019】
環状電極3は、円筒状に形成されており、噴霧ノズル部2から噴出される液滴Dの拡散範囲の外側に近接するように配設されており、高電圧ケーブル12を介して高電圧が印加されるようになっている。高電圧ケーブル12は非導電性材料で被覆されているものである。本静電噴霧装置1では、接地された薬液及び環状電極3の間に印加される高電圧により噴霧ノズル部2から噴出する液滴Dを帯電させるように構成されている。
【0020】
電極ホルダ4は、非導電性材料からなり、周壁に4つの貫通穴4aが周方向に等間隔をおいて設けられた、略カップ状に形成されている。電極ホルダ4の底壁部の中央には、取付穴4bが設けられるとともに、該取付穴4b内には薬液が通過しないようシールした状態で噴霧ノズル部2が挿着されている。電極ホルダ4の開口には、環状電極3が螺着されている。このように、電極ホルダ4は、カップ内底側及びカップ開口側にそれぞれ噴霧ノズル部2及び環状電極3を支持している。
【0021】
また、電極ホルダ4の底壁部の内面側及び外面側には、導電性を有する薬液を通じて環状電極3の高電位が噴管11側に伝わることを防止する漏電防止部28,29がそれぞれ設けられている。
【0022】
漏電防止部28は、電極ホルダ4の底壁部内面から噴霧ノズル部2の周囲を囲うように突設された円環部31と、円環部31の開口部に対峙して該開口部の開口を狭めるように設けられた鍔部32を備えている。鍔部32は、噴霧ノズル部2との接合部を薬液が通過しないようにパッキン37によりシールした状態で噴霧ノズル部2に取り付けられている。この鍔部32は、環状電極3及び電極ホルダ内における噴霧ノズル部2の基端側に設けられ、噴霧ノズル部2の外周全体にわたって噴霧ノズル部2の径方向へ突出する略フランジ状に形成されてなるとともに、その周縁部には円環部31の開口側外周部を覆うように環状突部32aが形成されている。鍔部32の周縁部としての環状突部32aの先端縁部には、電極ホルダ4に接触しないように、かつ、貫通穴4a内にまで達するように、噴霧ノズル部2の略径方向へ張り出す凸部としての突起板部39が設けられている。本例では、各貫通穴4aに対応して4つの突起板部39が設けられているが、これに限定されず、突起板部39の数は適宜変更できる。この突起板部39は、その先端側になるほど、液滴Dの反噴出側にあるように形成されており、特に限定されないが、図3における寸法Lを約1〜2mm以上とすることを例示する。そして、電極ホルダ4の貫通穴4aと、該貫通穴4aの内周縁に連続するように形成された電極ホルダ4の内底面とにおける突起板部39に対峙する部位には、窪み4cが形成されることにより、突起板部39に対して間隔をあけるようにしている。
【0023】
漏電防止部29は、電極ホルダ4の底壁部外面から噴霧ノズル部2の周囲を囲うように突設された2重の円環部34,35と、円環部34の開口部に対峙して該開口部の開口を狭めるように設けられた鍔部36を備えている。鍔部36は、噴霧ノズル部2の外周全体にわたって径方向へ突出したフランジ状に形成されてなるとともに、その周縁部には円環部に向かって延びる環状突部36aが設けられている。また、鍔部36は、噴霧ノズル部2との接合部を薬液が通過しないようにパッキン37によりシールした状態で噴霧ノズル部2に取り付けられている。なお、本例では、高電圧ケーブル12もこの漏電防止部29を経由するように配線されている。高電圧ケーブル12は、その外周面と漏電防止部29との接合部を薬液が通過しないようにパッキン38によりシールした状態で漏電防止部29に取り付けられている。これにより、高電圧ケーブル12専用の漏電防止部を設ける必要がなく、軽量化できるとともにコストを低減することができる。
【0024】
このように、円環部31,34内には、該噴霧ノズル部2の外周の全周にわたる環状凹部33がそれぞれ形成されている。この環状凹部33の内側には、液滴Dが入り込み難いので、環状電極3、電極ホルダ4等への液滴Dの付着による連続膜を環状凹部33で途切れさせるようにすることができる。これにより、導電性を有する液滴Dを通じて環状電極3の高電位が噴霧ノズル部2や高電圧ケーブル12を伝って噴管11側に伝わることを防止するようになっている。
【0025】
次に、本例の漏電防止部としての鍔部32の作用について、比較例との対比により説明する。図5及び図6は本例及び比較例をそれぞれ示している。この比較例は、鍔部32が突起板部39を備えていない点において、主に本例と相違している。本例の鍔部32は突起板部39を備えているので、図5(a)に示すように該突起板部39が真下にあれば(即ち、貫通穴4aの中心が真下にあれば)、液滴Dは貫通穴4a内から電極ホルダ4の外側へ落下するし、図5(b)に示すように突起板部39が真下から多少傾いていても、突起板部39に液滴Dが集中し、貫通穴4aの縁部に静電的に引きつけられることもなく、鍔部32と電極ホルダ4との間が液つながりにならない。一方、比較例の鍔部32では、図6(a)に示すように貫通穴4aの中心が真下にあれば、液滴Dは貫通穴4a内から電極ホルダ4の外側へ落下するが、図6(b)に示すように貫通穴4aの中心が真下から傾いていると、液滴Dは鍔部32の周面に沿って広がっているので、該液滴Dが貫通穴4aの縁部に静電的に引きつけられて鍔部32と電極ホルダ4との間が液つながりになり易く、漏電し易い。
【0026】
なお、噴霧ノズル部2の先端側を略下向きにして噴霧するときは、窪み4cの中央部よりも縁部が低位に位置するようになるので、電極ホルダ4の底壁部の内面に付着した液滴Dが、窪み4cの縁部を流れて行き、電極ホルダ4の外側へ排出される。図2には、このときの様子を二点鎖線の矢印で示しており、同図では、噴霧ノズル部2の先端側が略下向きになるとともに、同図における下側の窪み4cが地面に面した状態となっており、液滴Dは突起板部39の上には落下し難い。このため、電極ホルダ4の底壁部と突起板部39との間において、液滴Dによる液つながりを防止することにより漏電の発生を防止することができる。
【0027】
以上のように本例の漏電防止部としての鍔部32は、その周縁部に、環状電極3及び電極ホルダ4に接触しないように、かつ、少なくとも貫通穴4a内にまで達するように張り出した突起板部39が設けられている。このため、例えば上方の噴霧対象に向けて噴霧したときに舞い戻ってきた液滴Dが鍔部32の表面に付着しても、図3に二点鎖線の矢印で示すように、その液滴Dが突起板部39を伝い、貫通穴4aを介して環状電極3及び電極ホルダ4の外側へスムーズに排出される。このため、鍔部32と環状電極3又は電極ホルダ4との間において、前記舞い戻ってきた液滴Dによる液つながりを防止することにより漏電の発生を防止し、静電効果を安定的に発揮させることができる。従って、この構成によれば、例えば従来例と同程度の漏電防止機能を備えた静電噴霧装置であればサイズや重量を従来例よりも小型軽量に構成することができ、また、例えば従来例と同程度のサイズや重量の静電噴霧装置であれば漏電防止機能を従来例よりも向上させることができる。
【0028】
また、突起板部39は、その先端側になるほど、液滴Dの反噴出側にあるように形成されているので、例えば上方の噴霧対象に向けて噴霧したときに舞い戻ってきた液滴Dが鍔部32の表面に付着しても、その液滴Dをスムーズに突起板部39の先端側へ導いて、貫通穴4aを介して電極ホルダ4の外側へ排出することが可能になる。
【0029】
次に、図7は本発明を具体化した第二実施形態を示している。本例では、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
【0030】
本例の静電噴霧装置41は、その電極43が、噴霧ノズル部2の基端側まで延びる円筒状に形成されており、噴霧ノズル部2の基端側に取り付けられた円盤状の電極ホルダ44に支持されている。そして、高電圧ケーブル12は、電極ホルダ44の内部を経由して、電極43の内周面に接続されている。電極ホルダ44は非導電性材料からなっており、非導電性樹脂で形成することを例示する。電極43は導電性材料からなっており、金属又は導電性樹脂で形成することを例示する。また、電極43は、内側が導電性樹脂からなり、外側が非導電性樹脂からなる2色成型としてもよい。第一実施形態とは異なり、高電圧ケーブル12が電極ホルダ44及び電極43の外部に露出しないので、見栄えが良く、組立も容易になる。
【0031】
本例によれば、第一実施形態と同様の効果に加え、上記本例特有の効果を得ることができる。
【0032】
次に、図8は本発明を具体化した第三実施形態を示している。本例では、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
【0033】
本例の静電噴霧装置51は、電極53が電極ホルダ54の開口の内周に装備されており、金属リード線55(例えば線状又は円筒状に形成)を電極ホルダ54に樹脂インサートしている。そして、高電圧ケーブル12は、電極ホルダ54の内部を経由して、金属リード線55に接続されている。電極ホルダ54は非導電性材料からなっており、非導電性樹脂で形成することを例示する。電極53は導電性材料からなっており、金属又は導電性樹脂で形成することを例示する。本例においても、第一実施形態とは異なり、高電圧ケーブル12が電極ホルダ54及び電極53の外部に露出しないので、見栄えが良く、組立も容易になる。
【0034】
本例によれば、第一実施形態と同様の効果に加え、上記本例特有の効果を得ることができる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)本発明を液肥の散布に使用する静電噴霧装置1に装備すること。
(2)漏電防止部としての鍔部32やその突起板部39の形状や大きさを適宜変更すること。例えば、鍔部32を傘状、略半球状、又は略円錐状に形成するとともに、その周縁部に突起板部39を設けること。また、例えば、突起板部39を、先端側になるほど、液滴Dの噴出側にあるように形成すること。
(3)漏電防止部28における円環部31を省くこと。
(4)電極ホルダ4における少なくとも環状電極3に近接した部位と環状電極3とを含む高電位側部位から離れた電極ホルダ4、噴霧ノズル部2、又は噴管11における低電位側部位に支持されるとともに、該高電位側部位に接触しないように配設され、該高電位側部位における噴霧方向の周囲の一部又は全部をカバーする保護カバーを備えた静電噴霧装置に装備すること。
(5)貫通穴4aに代えて、又は該貫通穴4aとともに、電極ホルダ4に切欠を設け、該切欠内にまで達するように張り出した凸部を鍔部32に設けること。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態に係る漏電防止部が装備された静電噴霧装置を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】同漏電防止部を示す斜視図である。
【図5】同漏電防止部の作用を示す断面図であり、図2と同様の断面図である。
【図6】比較例に係る漏電防止部の作用を示す断面図であり、図2と同様の断面図である。
【図7】本発明を具体化した第二実施形態に係る静電噴霧装置を示す側断面図であり、図3と同様の断面図である。
【図8】本発明を具体化した第三実施形態に係る静電噴霧装置を示す側断面図であり、図3と同様の断面図である。
【図9】従来の静電噴霧装置(上方の噴霧対象に向けて噴霧している状態)における漏電防止部を示す側断面図である。
【図10】従来の静電噴霧装置(下方の噴霧対象に向けて噴霧している状態)における漏電防止部を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 静電噴霧装置
2 噴霧ノズル部
2a 噴口
3 環状電極
4 電極ホルダ
4a 貫通穴
4b 取付穴
4c 窪み
11 噴管
12 高電圧ケーブル
28 漏電防止部
29 漏電防止部
31 円環部
32 鍔部
32a 環状突部
33 環状凹部
34 円環部
35 円環部
36 鍔部
36a 環状突部
37 パッキン
38 パッキン
39 凸部
41 静電噴霧装置
43 電極
44 電極ホルダ
51 静電噴霧装置
53 電極
54 電極ホルダ
55 金属リード線
D 液滴
S 噴霧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を無数の液滴にして噴出する噴口を先端側に有する噴霧ノズル部と、
前記液滴の拡散範囲の外側に近接するように配設された電極と、
前記噴霧ノズル部の基端側に対して前記電極を支持する電極ホルダとを備え、
前記電極又は前記電極ホルダは、貫通穴又は切欠を有しており、
前記液体及び前記電極の間に印加される高電圧により前記液滴を帯電させるように構成された静電噴霧装置における漏電防止部であって、
前記電極及び前記電極ホルダ内における前記噴霧ノズル部の基端側に設けられ、該噴霧ノズル部の径方向へ突出する略フランジ状に形成されており、その周縁部には、前記電極及び前記電極ホルダに接触しないように、かつ、少なくとも前記貫通穴内又は前記切欠内にまで達するように張り出した凸部を備えた静電噴霧装置における漏電防止部。
【請求項2】
前記凸部は、その先端側になるほど、前記液滴の反噴出側にあるように形成された請求項1記載の静電噴霧装置における漏電防止部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−136289(P2007−136289A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330655(P2005−330655)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【Fターム(参考)】