静電式集塵装置
【課題】開口率を大きくして集塵装置の投影面積あたりの性能のアップを図ると共に、異常放電を防止して荷電効率の向上を図る。
【解決手段】荷電部の放電線1が、枠状のアイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に架け渡されることで、フレームの奥行方向の一端開口面内に配設されている。放電線の端部がスプリング18を介してアイオナイザフレームに係止されることにより、放電線に張力が付与されている。放電線の端部が、第1辺に設けた曲げ案内部111でフレームの一端開口面と垂直な方向に曲げられて、周壁の外面に送風方向に沿って配したスプリング18を介してフレームに係止する。
【解決手段】荷電部の放電線1が、枠状のアイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に架け渡されることで、フレームの奥行方向の一端開口面内に配設されている。放電線の端部がスプリング18を介してアイオナイザフレームに係止されることにより、放電線に張力が付与されている。放電線の端部が、第1辺に設けた曲げ案内部111でフレームの一端開口面と垂直な方向に曲げられて、周壁の外面に送風方向に沿って配したスプリング18を介してフレームに係止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間に浮遊する塵埃などの微粒子を荷電させて集塵する静電式集塵装置の放電線支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、空気中に浮遊する各種粉塵や塵埃または煙草の煙などの微粒子を除去するために、微粒子をコロナ放電によって荷電する荷電部(アイオナイザ)と、この荷電部で荷電された微粒子を静電気力により捕集する集塵部(コレクタ)とを備えた静電式集塵装置が開発されている。このうち荷電部は、放電電極となる放電線(イオン化線)と、この放電線に平行に配置された平板状の対向電極とを具備し、放電線と対向電極との間に高電圧を印加してコロナ放電により微粒子を荷電している。
【0003】
図15は従来の静電式集塵装置の荷電部の構成を示す分解図である。図において、310はカバーフレーム、320は本体フレームである。カバーフレーム310には放電線301が配設され、本体フレーム320には対向電極302が設けられており、カバーフレーム310と本体フレーム320を合体することにより、荷電部が構成される。
【0004】
放電線301は、カバーフレーム310の矩形の開口部310Aを挟んで対向する対向辺の間に何回か折り返しながら架け渡されており、両端部をスプリング318を介してカバーフレーム310に係止することにより、張力を付与された状態で、送風方向と直交する平面内に間隔をおいて張設されている。
【0005】
この場合、放電線301は、カバーフレーム310の開口平面と同一の平面内において引き回されており、同平面内に配置されたスプリング318を介して、端部がカバーフレーム310に係止されている。この点は、特許文献1などにおいて記載されたものと同様である。
【0006】
放電線301の端部は、例えば、図16に示すように、コイル状のスプリング318の環状端部318aに絡げることで、スプリング318に連結している。この放電線301の端部(カラゲ部301p)は、その先端が鋭く突出した形になりやすい。
【0007】
また、カバーフレーム310の対向辺には、放電線301を順次折り返すための折返部312と、放電線301の端部をスプリング318に導くための案内凸部313とが設けられている。
【0008】
折返部312は、例えば、図17に示すように、外周に2つの凸部312a、312bを突設し、これら2つの凸部312a、312bの間に放電線301を係合するための係合溝312cを形成した構造をなしており、係合溝312cに放電線301を係合させながら、放電線301を折り返すことにより、容易に放電線301が外れないようしている。
【特許文献1】特開2007−307501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来では、カバーフレーム310の開口面と略同一の平面内で、放電線301の端から端までを取り回しており、スプリング318も同平面内に配置しているので、集塵装置の外形寸法に相当するカバーフレーム310の投影面内に、スプリング318等を配置するための性能に寄与しない無駄スペースが生じてしまい、それだけ、カバーフレーム310の投影面積内に占める開口部310Aの面積の割合(開口率)が小さくなり、集塵装置の投影面積あたりの性能が高くならないという問題があった。
【0010】
また、従来では、放電線301の端部とスプリング318が、放電線301を張設している面と略同一平面内に存在するので、カラゲ部301pの先端が、低電位部品である対向電極302に近接する場合が起こりやすかった。このようにカラゲ部301pの先端が低電位部品に近接していると、カラゲ部301pの先端に高電圧が集中し、放電線301の他の部分からの放電量が減少して荷電効率が低下することがあるので、カラゲ部301pと低電位部品の間に十分な距離をとったり、両者間に絶縁物を介在させたりする予防措置をとる必要があるが、スペース上そのような措置がとれないことがあり、そのため異常放電を確実に防げないことが多くあった。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮し、フレームの外形の投影面積内における通風用の開口部の面積の割合(開口率)を大きくとることができて、集塵装置の投影面積あたりの性能のアップを図ることができると共に、異常放電を防止して荷電効率の向上を図り、集塵性能のアップを図れるようにした静電式集塵装置の放電線支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明の静電気式集塵装置は、枠形状を有し、開口する枠内筒状部が送風路に設定されたフレームと、金属線からなり、該フレームを構成する周壁の対向する部位に開口面に沿って架け渡され、且つ端部がスプリングを介して所定の張力を付与された状態で該フレームに係止された放電線と、を有する荷電部を備えた静電気式集塵装置であって、前記周壁の外側面に、送風路の送風方向に沿って前記スプリングが配設されたことを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の対向する両対向部位の一方に、前記スプリングが配設され、当該両対向部位の他方に、折返部を設け、該折返部に前記放電線を係合させて、該放電線を二つ折りに折り返し、架け渡したことを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の前記対向部位の一方に曲げ案内部を設け、該曲げ案内部によって、前記放電線の両端部を共に、前記周壁の前記外側面の前記送風方向に沿って曲げられ、前記周壁の前記外側面上に配設された前記スプリングを介してそれぞれ前記フレームに係止されたことを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3に記載の静電気式集塵装置において、前記曲げ案内部が、前記周壁の送風方向上流側の端面に、前記送風方向に沿って突出する複数の凸部を該端面に沿って隣接配置することで形成される位置決め溝を備え、該位置決め溝に前記放電線が配索されることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4に記載の静電気式集塵装置において、前記凸部を断面略楔形状に形成し、且つ該断面略楔形状の先細側と幅広側とが交互に隣接するよう該凸部を配列し、該凸部の配列の外側と内側の前記位置決め溝の両開口の位置を、前記凸部の配列方向にずらしたことを特徴としている。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の前記外側面上に、前記曲げ案内部から前記送風方向に沿って突出する遮蔽壁を設けたことを特徴としている。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の対向する両対向部位上に折返部を複数箇所設け、前記周壁の前記対向部位の一方の該折返し部と、前記周壁の前記対向部位の他方の該折返し部とに交互に前記放電線を係合させて、該放電線を複数回折り返し、架け渡したことを特徴としている。
【0019】
請求項8の発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の静電気式集塵装置において、前記折返部が、前記周壁の対向する前記対向部位の前記外側面上に突設され、該折返し部先端に該外側面に沿って突設された顎部と、該顎部と該外側面とで形成される係合溝とを備え、該係合溝に前記放電線を巻き掛けることで、該放電線を折り返すことを特徴としている。
【0020】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電気式集塵装置において、前記フレームの少なくとも前記放電線と接触する部分が絶縁体で構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、放電線を張設するフレームの一端開口面と略同じ平面内にスプリングを配置するのではなく、スプリングを、送風路の送風方向(フレームの奥行方向)に延在する周壁の外面上に配置しているので、スプリングの配置スペースを、フレームの開口面に沿って確保する必要がなくなり、フレーム上の集塵性能に寄与しない無駄スペースを減少させることができる。
【0022】
従って、従来はスプリングの長さや伸びに対応した無駄スペースがフレームの開口面と略同じ平面内に発生していたが、その無駄スペースを無くせることにより、同一通風面積(開口部の面積)を維持したまま、集塵電極を構成するフレームの外形寸法を小さくすることができる。即ち、集塵機の開口率(=通風面積/外形の投影面積)のアップを図ることができ、同一投影面積における性能の向上が図れる。
【0023】
また、スプリングを、フレームに対する放電線の張設面(一端開口面)と垂直なフレームの周壁上に配置しているので、放電線の端部をスプリングに対して絡げているカラゲ部を、低電位の対向電極から空間的に離すことができ、カラゲ部からの異常放電を防止することができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、1本の放電線を折返部に係合させて二つ折りに折り返すことにより、都合2本の放電線が、フレームの周壁の開口部を挟んで対向する部位との間に架け渡されることになるので、使用する放電線の数を少なくして、張設が楽にできる。
【0025】
請求項3の発明によれば、折返部で折り返された放電線の両端部が共に、スプリングを介してそれぞれフレームに係止されることにより、折返部での摩擦に関係なく、開口部に架け渡された放電線の1本1本に均等にスプリングによって張力をかけることができる。従って、弛みなく放電線を張設することができ、性能の安定を図ることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、周壁の送風方向上流側の端面に位置決め溝を形成し、その位置決め溝に放電線を通すことによって、放電線を正確に位置決めしながら、フレームの周壁の対向する部位の間に張設することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、断面略楔形状の凸部を先細側と幅広側とが交互に隣接するよう配列することにより、凸部の配列の外側と内側の位置決め溝の両開口の位置をずらしているので、凸部の配列による絶縁遮蔽壁の機能を有効に発揮させることができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、遮蔽壁によって放電線の端部を絶縁遮蔽することができるので、異常放電を防止することができる。即ち、異常放電は、放電線の端部のカラゲ部より集塵電極内の電位の低い部分(例えば、荷電部の対向電極や集塵部の低電位電極)に対して放電する現象であるが、放電線の端部を遮蔽壁によって絶縁遮蔽するので、カラゲ部からの異常放電を防止することができる。
【0029】
請求項7の発明によれば、1本の放電線が複数回以上折り返されることにより、都合3本以上の複数本の放電線が、フレームの周壁の開口部を挟んで対向する部位の間に架け渡たされることになるので、使用する放電線の本数を少なくして、張設が楽にできる。
【0030】
請求項8の発明によれば、フレームの一端開口面と反対側を向いた係合溝に放電線を係合させることにより、放電線が折り返されるので、放電線の外れ防止を図ることができる。例えば、メンテナンス時などに放電線に付着した汚れをブラシ等で掻き落とす際に、放電線に強い力が加わり放電線が折返部から外れるおそれがあるが、係合溝がフレームの一端開口面と反対側を向いているので、放電線に強い力が加わっても、係合溝から放電線が簡単に外れることがない。特に、係合溝の溝底部がフレームの一端開口面よりも奥側に位置しているので、放電線の折返し部からの外れを確実に防ぐことができる。
【0031】
請求項9の発明によれば、フレームの少なくとも放電線と接触する部分が絶縁体で構成されているので、放電線を絶縁状態で支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態の放電線支持構造を含む静電式集塵装置の分解斜視図、図2は同静電式集塵装置の組立状態を示す外観斜視図、図3は同静電式集塵装置の荷電部(アイオナイザ)の構成を示す斜視図、図4は同荷電部の構成を示す正面図、図5は荷電部のフレーム(アイオナイザフレーム)の構成を示す斜視図、図6は同アイオナイザフレームの構成を示す正面図、図7は同アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す斜視図、図8は同アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を図7と反対側から見て示す斜視図、図9は同アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す正面図、図10は図7の給電部側の構成を示す斜視図、図11は図10と同部分の側面図、図12は図11の部分拡大図、図13は図7の折返部側の構成を示す側面図、図14は同折返部側の構成を拡大して示す斜視図である。
【0033】
図1および図2に示すように、この静電式集塵装置Mは、それぞれ絶縁性樹脂の一体成形品よりなり、互いに合体することで装置の筐体を構成するアイオナイザフレーム10およびコレクタフレーム20を備える。さらに静電式集塵装置Mは、アイオナイザフレーム10に組み付けられる複数本の放電線(イオン化線)1と、それら放電線1に給電する給電バー50と、アイオナイザフレーム10に組み付けられるアースブロック(低圧電極ブロック)30と、コレクタフレーム20に組み付けられるホットブロック(高圧電極ブロック)40と、アースブロック30をアース側に接続するためのアース接点部材60と、ホットブロック40に給電するためのコレクタ給電部材70と、アイオナイザフレーム10の前面に装着されるプレフィルタ保持材80と、を備えて構成されている。
【0034】
放電線1は、例えばタングステン線等の金属製細線のほか、抗張力に富む線材の表面に白金等を被覆したメッキ線やクラッド線等を用いることができる。アースブロック30は、導電性を有する樹脂又は金属からなる。また、ホットブロック40は導電性又は半絶縁性を有する樹脂又は金属からなり、アース接点部材60およびコレクタ給電部材70は導電性を有する部材(例えば金属)からなる。
【0035】
この静電式集塵装置Mは、原理的には、図1に示すように、矩形枠形状を有し、開口する枠内筒状部が送風路に設定されたアイオナイザフレーム10の送風方向(矢印F方向)の上流側に配されて流れる空気の中に含まれる微粒子に電荷を与える荷電部Aと、荷電部Aの送風方向下流側に配されて荷電部Aにて電荷を与えられた微粒子を静電気力により捕集する集塵部Bとを備えるものであり、荷電部Aは、送風方向と直交する平面内に間隔をおいて配された複数の放電線1と、放電線1より所定間隔離れて配置された対向電極2とを備えている。また、集塵部Bは、交互に配列された高圧電極4と低圧電極3とを備えている。
【0036】
荷電部Aの対向電極2と集塵部Bの低圧電極3は、アースブロック30の一方の面と他方の面に一体に形成されており、アースブロック30は、アイオナイザフレーム10の周壁の装着口62に装着されたアース接点部材60を介してアースに接続される。また、荷電部Aの放電線1は、給電バー50を介して高圧電源に接続される。また、集塵部Bの高圧電極4はホットブロック40に形成されており、ホットブロック40に装着されたコレクタ給電部材70を介して高圧電源に接続される。なお、給電バー50は金属などの導電性材料によって形成されている。
【0037】
図3〜図14に示すように、アイオナイザフレーム10は、送風用の矩形の開口部10Aを有する矩形枠状の枠体で、周壁は、互いに対向する対向部位としての第1辺11および第2辺12と、それらと直交する関係にある互いに対向する第3辺13および第4辺14の4つの辺を持っている。
【0038】
放電線1は、アイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に架け渡されることにより、アイオナイザフレーム10の奥行方向(送風方向F)の一端開口面(上流側の端部開口面)内に配設されている。そして、放電線1の端部が、コイル状のスプリング18を介してアイオナイザフレーム10に係止されることにより、張力を付与された状態でアイオナイザフレーム10の一端開口面内に張設されている。
【0039】
この場合、アイオナイザフレーム10の周壁の対向部位の一方としての第1辺11上に放電線1の給電端の固定部110が配設され、周壁の対向部位の他方としての第2辺12上に折り返し端の固定部120が配置されている。アイオナイザフレーム10の周壁の第2辺12上には、凸状の折返部122が樹脂製のアイオナイザフレーム10と一体に設けられており、その折返部122に放電線1の中間部を係合させて、放電線1を二つ折りに折り返すことにより、1本の連続した放電線1により、都合2本の放電線が、開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に互いに平行に架け渡されている。
【0040】
折返部122で二つ折りに折り返した放電線1の両端部は、共に、第1辺11上に樹脂製のアイオナイザフレーム10と一体に設けられた曲げ案内部111でアイオナイザフレーム10の一端開口面と垂直な方向(奥行方向または送風方向)に曲げられて、アイオナイザフレーム10の奥行方向(送風方向F)に延在する周壁上に配したスプリング18を介して、それぞれアイオナイザフレーム10に係止され、それにより、放電線1の端部に対して、スプリング18により一端開口面と垂直な方向の引張力が付与されている。そして、その引張力によって、アイオナイザフレーム10の一端開口面内に張設された放電線1に張力が付与されている。
【0041】
放電線1の端部は、コイル状のスプリング18の一端18aに絡げることにより連結され、スプリング18の他端が、アイオナイザフレーム10に装着された給電バー50の係止孔51に係止されることで、放電線1の端部が、スプリング18を介してアイオナイザフレーム10に固定されている。そして、各放電線1には、給電バー50およびスプリング18を介して高電圧が印加されるようになっている。
【0042】
また、アイオナイザフレーム10の周壁の第1辺11の送風方向上流側の端面には、該第1辺11の端面に沿って複数の凸部112,113を隣接配置することによって、隣接する凸部112,113間に放電線1を通す位置決め溝118が形成されている。なお、曲げ案内部111は、この位置決め溝118の溝内底面として構成されている。凸部112,113は、断面略楔形状に形成され、且つ断面略楔形状の先細側と幅広側とが交互に隣接するよう凸部112,113を交互に配列することにより、凸部112,113の配列の外側(開口部10Aと反対側)と内側(開口部10A側)の位置決め溝118の両開口の位置が、凸部112,113の配列方向にずれている。
【0043】
また、図10に示すように、1本の放電線1の両端部が両側を通過する、凸部112,113の配列の外側に位置する凸部112の外側面には、曲げ案内部111から送風方向Fに沿って突出する遮蔽壁114が一体に形成されている。これらの凸部112,113や遮蔽壁114の存在により、放電線1のコロナ放電に寄与しない端部領域を、できるだけ低電位部位(対向電極2や低圧電極3)に対して絶縁遮蔽するようになっている。
【0044】
また、アイオナイザフレーム10の周壁の第1辺11の外面には、外側(開口部10Aから離れる方向)に出っ張らないようにスプリング18を収容する凹所115と、給電バー50を装着するための凹部116が設けられている。
【0045】
また、アイオナイザフレーム10の周壁の第2辺12の一端開口面側の端面には、折返部122が設けられており、この折返部122は、図13および図14に示すように、折返部122先端には、外側面に沿って送風方向下流側に突設された顎部126と、顎部126と外側面とで形成される係合溝125とが設けられている。この係合溝125の溝底部は、一端開口面より該開口面に垂直な方向の奥側(図14の下側)に位置しており、係合溝125に放電線1を係合させることにより、放電線1を折返している。
【0046】
上述したように、この静電式集塵装置Mでは、放電線1を張設するアイオナイザフレーム10の一端開口面と略同じ平面内にスプリング18を配置するのではなく、スプリング18を、アイオナイザフレーム10の周壁の外周面上に配置しているので、スプリング18の配置スペースを、アイオナイザフレーム10の一端開口面と略同じ平面内に確保する必要がなくなり、アイオナイザフレーム10上の集塵性能に寄与しない無駄スペースを減少させることができる。
【0047】
従って、従来は、スプリングの長さや伸びに対応した無駄スペースがフレームの開口面と略同じ平面内に発生していたが、その無駄スペースを無くせることにより、同一通風面積(開口部10Aの面積)を維持したまま、集塵電極を構成するアイオナイザフレーム10の外形寸法を小さくすることができる。したがって、アイオナイザフレーム10を、その外周が従来アイオナイザフレームと同じ長さとなるように形成した場合、集塵装置の開口率(=通風面積/外形の投影面積)のアップを図ることができ、同一投影面積における性能の向上が図れる。
【0048】
また、スプリング18を、アイオナイザフレーム10に対する放電線1の張設面(一端開口面)と垂直なアイオナイザフレーム10の周壁上に配置しているので、放電線1の端部をスプリング18に対して絡げているカラゲ部(特に図示しないが、図16に示すように構成されている符号301p)を、低電位の対向電極2から空間的に離すことができ、カラゲ部からの異常放電を防止することができる。
【0049】
また、本実施形態では、1本の放電線1を折返部122に係合させて二つ折りに折り返すことにより、2本の放電線を、アイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に互いに平行に架け渡しているので、使用する放電線1の数を少なくすることができ、張設が楽にできる。
【0050】
また、折返部122で二つ折りに折り返した放電線1の両端部を共に、スプリング18を介してそれぞれアイオナイザフレーム10に係止しているので、折返部122での摩擦に関係なく、放電線1の1本1本に均等にスプリング18によって張力をかけることができる。従って、弛みなく放電線1を張設することができ、性能の安定を図ることができる。放電線1を設ける方法はこれに限らず、放電線1の一端を給電バー50の係合孔51に係止し、他端をスプリング18によって張力をかけるようにしても良い。この方法を用いた場合でも、弛みなく放電線1を張設することができ、性能の安定を図ることができる。
【0051】
また、アイオナイザフレーム10の第1辺11の端面に位置決め溝118を形成しているので、その位置決め溝118に放電線1を通すことによって、放電線1を正確に位置決めしながら、アイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に互いに平行に張設することができる。
【0052】
特に、断面略楔形状の凸部112,113を交互に配列することによって、凸部112,113の配列の外側と内側の位置決め溝118の両開口の位置をずらしているので、凸部112,113の配列による絶縁遮蔽壁の機能を有効に発揮させることができる。
【0053】
また、凸部112の外側面に一体に形成した遮蔽壁114によって放電線1の端部を絶縁遮蔽することができるので、より確実に異常放電を防止することができる。即ち、異常放電は、放電線1の端部のカラゲ部より集塵電極内の電位の低い部分(例えば、荷電部の対向電極2や集塵部の低圧電極3)に対して放電する現象であるが、放電線1の端部が遮蔽壁114によって絶縁遮蔽されているので、カラゲ部からの異常放電をより確実に防止することができる。
【0054】
また、本実施形態では、アイオナイザフレーム10の一端開口面と反対側を向いた係合溝125に放電線1を係合させることにより、放電線1を二つ折りに折り返しているので、放電線1の外れ防止を図ることができる。例えば、メンテナンス時などに放電線1に付着した汚れをブラシ等で掻き落とす際に、従来の構成では放電線1に強い力や振動が加わり放電線1が折返部122から外れるおそれがあるが、係合溝125がアイオナイザフレーム10の一端開口面と反対側を向いているので、放電線1に強い力が加わっても、係合溝125から放電線1が簡単に外れることがない。特に係合溝125の溝底部がアイオナイザフレーム10の一端開口面よりも送風方向下流側(奥側)に位置しているので、放電線1のターン部の外れを確実に防ぐことができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、1本の放電線1を二つ折りに折り返す場合を示したが、開口部10Aを挟んで対向する2つの辺にそれぞれ折返部を設け、それらの折返部に順次放電線を係合させて放電線を2回以上折り返すことにより、1本の放電線を用いて、3本以上の複数本の放電線を、開口部10Aを挟んで対向する辺と辺の間に互いに平行に架け渡すこともできる。そのようにすれば、使用する放電線1の本数を更に少なくすることができる。
【0056】
また、上記実施形態では、アイオナイザフレーム10の全体を絶縁性樹脂で構成した場合を説明したが、フレームを導電体または半導電体で構成し、放電線1や給電バー50と接触する部分だけを絶縁体で構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態の放電線支持構造を含む静電式集塵装置の分解斜視図である。
【図2】静電式集塵装置の組立状態を示す外観斜視図である。
【図3】静電式集塵装置の荷電部(アイオナイザ)の構成を示す斜視図である。
【図4】荷電部の構成を示す正面図である。
【図5】荷電部のフレーム(アイオナイザフレーム)の構成を示す斜視図である。
【図6】アイオナイザフレームの構成を示す正面図である。
【図7】アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図8】アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を図7と反対側から見て示す斜視図である。
【図9】アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す正面図である。
【図10】図7の給電部側の構成を示す斜視図である。
【図11】図10と同部分の側面図である。
【図12】図11の部分拡大図である。
【図13】図7の折返部側の構成を示す側面図である。
【図14】折返部側の構成を拡大して示す斜視図である。
【図15】従来の静電式集塵装置の荷電部(アイオナイザ)の構成を示す分解正面図である。
【図16】従来の荷電部における放電線の端部とスプリングの連結部の構成を拡大して示す図である。
【図17】従来の荷電部における放電線の折返部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
M 静電式集塵装置
A 荷電部(アイオナイザ)
B 集塵部(コレクタ)
1 放電線
2 対向電極
3 低圧電極
4 高圧電極
10 アイオナイザフレーム
10A 開口部
11 第1辺
12 第2辺
18 スプリング
111 曲げ案内部
112,113 楔形状の凸部
118 位置決め溝
122 折返部
125 係合溝
126 凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間に浮遊する塵埃などの微粒子を荷電させて集塵する静電式集塵装置の放電線支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、空気中に浮遊する各種粉塵や塵埃または煙草の煙などの微粒子を除去するために、微粒子をコロナ放電によって荷電する荷電部(アイオナイザ)と、この荷電部で荷電された微粒子を静電気力により捕集する集塵部(コレクタ)とを備えた静電式集塵装置が開発されている。このうち荷電部は、放電電極となる放電線(イオン化線)と、この放電線に平行に配置された平板状の対向電極とを具備し、放電線と対向電極との間に高電圧を印加してコロナ放電により微粒子を荷電している。
【0003】
図15は従来の静電式集塵装置の荷電部の構成を示す分解図である。図において、310はカバーフレーム、320は本体フレームである。カバーフレーム310には放電線301が配設され、本体フレーム320には対向電極302が設けられており、カバーフレーム310と本体フレーム320を合体することにより、荷電部が構成される。
【0004】
放電線301は、カバーフレーム310の矩形の開口部310Aを挟んで対向する対向辺の間に何回か折り返しながら架け渡されており、両端部をスプリング318を介してカバーフレーム310に係止することにより、張力を付与された状態で、送風方向と直交する平面内に間隔をおいて張設されている。
【0005】
この場合、放電線301は、カバーフレーム310の開口平面と同一の平面内において引き回されており、同平面内に配置されたスプリング318を介して、端部がカバーフレーム310に係止されている。この点は、特許文献1などにおいて記載されたものと同様である。
【0006】
放電線301の端部は、例えば、図16に示すように、コイル状のスプリング318の環状端部318aに絡げることで、スプリング318に連結している。この放電線301の端部(カラゲ部301p)は、その先端が鋭く突出した形になりやすい。
【0007】
また、カバーフレーム310の対向辺には、放電線301を順次折り返すための折返部312と、放電線301の端部をスプリング318に導くための案内凸部313とが設けられている。
【0008】
折返部312は、例えば、図17に示すように、外周に2つの凸部312a、312bを突設し、これら2つの凸部312a、312bの間に放電線301を係合するための係合溝312cを形成した構造をなしており、係合溝312cに放電線301を係合させながら、放電線301を折り返すことにより、容易に放電線301が外れないようしている。
【特許文献1】特開2007−307501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来では、カバーフレーム310の開口面と略同一の平面内で、放電線301の端から端までを取り回しており、スプリング318も同平面内に配置しているので、集塵装置の外形寸法に相当するカバーフレーム310の投影面内に、スプリング318等を配置するための性能に寄与しない無駄スペースが生じてしまい、それだけ、カバーフレーム310の投影面積内に占める開口部310Aの面積の割合(開口率)が小さくなり、集塵装置の投影面積あたりの性能が高くならないという問題があった。
【0010】
また、従来では、放電線301の端部とスプリング318が、放電線301を張設している面と略同一平面内に存在するので、カラゲ部301pの先端が、低電位部品である対向電極302に近接する場合が起こりやすかった。このようにカラゲ部301pの先端が低電位部品に近接していると、カラゲ部301pの先端に高電圧が集中し、放電線301の他の部分からの放電量が減少して荷電効率が低下することがあるので、カラゲ部301pと低電位部品の間に十分な距離をとったり、両者間に絶縁物を介在させたりする予防措置をとる必要があるが、スペース上そのような措置がとれないことがあり、そのため異常放電を確実に防げないことが多くあった。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮し、フレームの外形の投影面積内における通風用の開口部の面積の割合(開口率)を大きくとることができて、集塵装置の投影面積あたりの性能のアップを図ることができると共に、異常放電を防止して荷電効率の向上を図り、集塵性能のアップを図れるようにした静電式集塵装置の放電線支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明の静電気式集塵装置は、枠形状を有し、開口する枠内筒状部が送風路に設定されたフレームと、金属線からなり、該フレームを構成する周壁の対向する部位に開口面に沿って架け渡され、且つ端部がスプリングを介して所定の張力を付与された状態で該フレームに係止された放電線と、を有する荷電部を備えた静電気式集塵装置であって、前記周壁の外側面に、送風路の送風方向に沿って前記スプリングが配設されたことを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の対向する両対向部位の一方に、前記スプリングが配設され、当該両対向部位の他方に、折返部を設け、該折返部に前記放電線を係合させて、該放電線を二つ折りに折り返し、架け渡したことを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の前記対向部位の一方に曲げ案内部を設け、該曲げ案内部によって、前記放電線の両端部を共に、前記周壁の前記外側面の前記送風方向に沿って曲げられ、前記周壁の前記外側面上に配設された前記スプリングを介してそれぞれ前記フレームに係止されたことを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3に記載の静電気式集塵装置において、前記曲げ案内部が、前記周壁の送風方向上流側の端面に、前記送風方向に沿って突出する複数の凸部を該端面に沿って隣接配置することで形成される位置決め溝を備え、該位置決め溝に前記放電線が配索されることを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4に記載の静電気式集塵装置において、前記凸部を断面略楔形状に形成し、且つ該断面略楔形状の先細側と幅広側とが交互に隣接するよう該凸部を配列し、該凸部の配列の外側と内側の前記位置決め溝の両開口の位置を、前記凸部の配列方向にずらしたことを特徴としている。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の前記外側面上に、前記曲げ案内部から前記送風方向に沿って突出する遮蔽壁を設けたことを特徴としている。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1に記載の静電気式集塵装置において、前記周壁の対向する両対向部位上に折返部を複数箇所設け、前記周壁の前記対向部位の一方の該折返し部と、前記周壁の前記対向部位の他方の該折返し部とに交互に前記放電線を係合させて、該放電線を複数回折り返し、架け渡したことを特徴としている。
【0019】
請求項8の発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の静電気式集塵装置において、前記折返部が、前記周壁の対向する前記対向部位の前記外側面上に突設され、該折返し部先端に該外側面に沿って突設された顎部と、該顎部と該外側面とで形成される係合溝とを備え、該係合溝に前記放電線を巻き掛けることで、該放電線を折り返すことを特徴としている。
【0020】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電気式集塵装置において、前記フレームの少なくとも前記放電線と接触する部分が絶縁体で構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、放電線を張設するフレームの一端開口面と略同じ平面内にスプリングを配置するのではなく、スプリングを、送風路の送風方向(フレームの奥行方向)に延在する周壁の外面上に配置しているので、スプリングの配置スペースを、フレームの開口面に沿って確保する必要がなくなり、フレーム上の集塵性能に寄与しない無駄スペースを減少させることができる。
【0022】
従って、従来はスプリングの長さや伸びに対応した無駄スペースがフレームの開口面と略同じ平面内に発生していたが、その無駄スペースを無くせることにより、同一通風面積(開口部の面積)を維持したまま、集塵電極を構成するフレームの外形寸法を小さくすることができる。即ち、集塵機の開口率(=通風面積/外形の投影面積)のアップを図ることができ、同一投影面積における性能の向上が図れる。
【0023】
また、スプリングを、フレームに対する放電線の張設面(一端開口面)と垂直なフレームの周壁上に配置しているので、放電線の端部をスプリングに対して絡げているカラゲ部を、低電位の対向電極から空間的に離すことができ、カラゲ部からの異常放電を防止することができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、1本の放電線を折返部に係合させて二つ折りに折り返すことにより、都合2本の放電線が、フレームの周壁の開口部を挟んで対向する部位との間に架け渡されることになるので、使用する放電線の数を少なくして、張設が楽にできる。
【0025】
請求項3の発明によれば、折返部で折り返された放電線の両端部が共に、スプリングを介してそれぞれフレームに係止されることにより、折返部での摩擦に関係なく、開口部に架け渡された放電線の1本1本に均等にスプリングによって張力をかけることができる。従って、弛みなく放電線を張設することができ、性能の安定を図ることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、周壁の送風方向上流側の端面に位置決め溝を形成し、その位置決め溝に放電線を通すことによって、放電線を正確に位置決めしながら、フレームの周壁の対向する部位の間に張設することができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、断面略楔形状の凸部を先細側と幅広側とが交互に隣接するよう配列することにより、凸部の配列の外側と内側の位置決め溝の両開口の位置をずらしているので、凸部の配列による絶縁遮蔽壁の機能を有効に発揮させることができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、遮蔽壁によって放電線の端部を絶縁遮蔽することができるので、異常放電を防止することができる。即ち、異常放電は、放電線の端部のカラゲ部より集塵電極内の電位の低い部分(例えば、荷電部の対向電極や集塵部の低電位電極)に対して放電する現象であるが、放電線の端部を遮蔽壁によって絶縁遮蔽するので、カラゲ部からの異常放電を防止することができる。
【0029】
請求項7の発明によれば、1本の放電線が複数回以上折り返されることにより、都合3本以上の複数本の放電線が、フレームの周壁の開口部を挟んで対向する部位の間に架け渡たされることになるので、使用する放電線の本数を少なくして、張設が楽にできる。
【0030】
請求項8の発明によれば、フレームの一端開口面と反対側を向いた係合溝に放電線を係合させることにより、放電線が折り返されるので、放電線の外れ防止を図ることができる。例えば、メンテナンス時などに放電線に付着した汚れをブラシ等で掻き落とす際に、放電線に強い力が加わり放電線が折返部から外れるおそれがあるが、係合溝がフレームの一端開口面と反対側を向いているので、放電線に強い力が加わっても、係合溝から放電線が簡単に外れることがない。特に、係合溝の溝底部がフレームの一端開口面よりも奥側に位置しているので、放電線の折返し部からの外れを確実に防ぐことができる。
【0031】
請求項9の発明によれば、フレームの少なくとも放電線と接触する部分が絶縁体で構成されているので、放電線を絶縁状態で支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態の放電線支持構造を含む静電式集塵装置の分解斜視図、図2は同静電式集塵装置の組立状態を示す外観斜視図、図3は同静電式集塵装置の荷電部(アイオナイザ)の構成を示す斜視図、図4は同荷電部の構成を示す正面図、図5は荷電部のフレーム(アイオナイザフレーム)の構成を示す斜視図、図6は同アイオナイザフレームの構成を示す正面図、図7は同アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す斜視図、図8は同アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を図7と反対側から見て示す斜視図、図9は同アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す正面図、図10は図7の給電部側の構成を示す斜視図、図11は図10と同部分の側面図、図12は図11の部分拡大図、図13は図7の折返部側の構成を示す側面図、図14は同折返部側の構成を拡大して示す斜視図である。
【0033】
図1および図2に示すように、この静電式集塵装置Mは、それぞれ絶縁性樹脂の一体成形品よりなり、互いに合体することで装置の筐体を構成するアイオナイザフレーム10およびコレクタフレーム20を備える。さらに静電式集塵装置Mは、アイオナイザフレーム10に組み付けられる複数本の放電線(イオン化線)1と、それら放電線1に給電する給電バー50と、アイオナイザフレーム10に組み付けられるアースブロック(低圧電極ブロック)30と、コレクタフレーム20に組み付けられるホットブロック(高圧電極ブロック)40と、アースブロック30をアース側に接続するためのアース接点部材60と、ホットブロック40に給電するためのコレクタ給電部材70と、アイオナイザフレーム10の前面に装着されるプレフィルタ保持材80と、を備えて構成されている。
【0034】
放電線1は、例えばタングステン線等の金属製細線のほか、抗張力に富む線材の表面に白金等を被覆したメッキ線やクラッド線等を用いることができる。アースブロック30は、導電性を有する樹脂又は金属からなる。また、ホットブロック40は導電性又は半絶縁性を有する樹脂又は金属からなり、アース接点部材60およびコレクタ給電部材70は導電性を有する部材(例えば金属)からなる。
【0035】
この静電式集塵装置Mは、原理的には、図1に示すように、矩形枠形状を有し、開口する枠内筒状部が送風路に設定されたアイオナイザフレーム10の送風方向(矢印F方向)の上流側に配されて流れる空気の中に含まれる微粒子に電荷を与える荷電部Aと、荷電部Aの送風方向下流側に配されて荷電部Aにて電荷を与えられた微粒子を静電気力により捕集する集塵部Bとを備えるものであり、荷電部Aは、送風方向と直交する平面内に間隔をおいて配された複数の放電線1と、放電線1より所定間隔離れて配置された対向電極2とを備えている。また、集塵部Bは、交互に配列された高圧電極4と低圧電極3とを備えている。
【0036】
荷電部Aの対向電極2と集塵部Bの低圧電極3は、アースブロック30の一方の面と他方の面に一体に形成されており、アースブロック30は、アイオナイザフレーム10の周壁の装着口62に装着されたアース接点部材60を介してアースに接続される。また、荷電部Aの放電線1は、給電バー50を介して高圧電源に接続される。また、集塵部Bの高圧電極4はホットブロック40に形成されており、ホットブロック40に装着されたコレクタ給電部材70を介して高圧電源に接続される。なお、給電バー50は金属などの導電性材料によって形成されている。
【0037】
図3〜図14に示すように、アイオナイザフレーム10は、送風用の矩形の開口部10Aを有する矩形枠状の枠体で、周壁は、互いに対向する対向部位としての第1辺11および第2辺12と、それらと直交する関係にある互いに対向する第3辺13および第4辺14の4つの辺を持っている。
【0038】
放電線1は、アイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に架け渡されることにより、アイオナイザフレーム10の奥行方向(送風方向F)の一端開口面(上流側の端部開口面)内に配設されている。そして、放電線1の端部が、コイル状のスプリング18を介してアイオナイザフレーム10に係止されることにより、張力を付与された状態でアイオナイザフレーム10の一端開口面内に張設されている。
【0039】
この場合、アイオナイザフレーム10の周壁の対向部位の一方としての第1辺11上に放電線1の給電端の固定部110が配設され、周壁の対向部位の他方としての第2辺12上に折り返し端の固定部120が配置されている。アイオナイザフレーム10の周壁の第2辺12上には、凸状の折返部122が樹脂製のアイオナイザフレーム10と一体に設けられており、その折返部122に放電線1の中間部を係合させて、放電線1を二つ折りに折り返すことにより、1本の連続した放電線1により、都合2本の放電線が、開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に互いに平行に架け渡されている。
【0040】
折返部122で二つ折りに折り返した放電線1の両端部は、共に、第1辺11上に樹脂製のアイオナイザフレーム10と一体に設けられた曲げ案内部111でアイオナイザフレーム10の一端開口面と垂直な方向(奥行方向または送風方向)に曲げられて、アイオナイザフレーム10の奥行方向(送風方向F)に延在する周壁上に配したスプリング18を介して、それぞれアイオナイザフレーム10に係止され、それにより、放電線1の端部に対して、スプリング18により一端開口面と垂直な方向の引張力が付与されている。そして、その引張力によって、アイオナイザフレーム10の一端開口面内に張設された放電線1に張力が付与されている。
【0041】
放電線1の端部は、コイル状のスプリング18の一端18aに絡げることにより連結され、スプリング18の他端が、アイオナイザフレーム10に装着された給電バー50の係止孔51に係止されることで、放電線1の端部が、スプリング18を介してアイオナイザフレーム10に固定されている。そして、各放電線1には、給電バー50およびスプリング18を介して高電圧が印加されるようになっている。
【0042】
また、アイオナイザフレーム10の周壁の第1辺11の送風方向上流側の端面には、該第1辺11の端面に沿って複数の凸部112,113を隣接配置することによって、隣接する凸部112,113間に放電線1を通す位置決め溝118が形成されている。なお、曲げ案内部111は、この位置決め溝118の溝内底面として構成されている。凸部112,113は、断面略楔形状に形成され、且つ断面略楔形状の先細側と幅広側とが交互に隣接するよう凸部112,113を交互に配列することにより、凸部112,113の配列の外側(開口部10Aと反対側)と内側(開口部10A側)の位置決め溝118の両開口の位置が、凸部112,113の配列方向にずれている。
【0043】
また、図10に示すように、1本の放電線1の両端部が両側を通過する、凸部112,113の配列の外側に位置する凸部112の外側面には、曲げ案内部111から送風方向Fに沿って突出する遮蔽壁114が一体に形成されている。これらの凸部112,113や遮蔽壁114の存在により、放電線1のコロナ放電に寄与しない端部領域を、できるだけ低電位部位(対向電極2や低圧電極3)に対して絶縁遮蔽するようになっている。
【0044】
また、アイオナイザフレーム10の周壁の第1辺11の外面には、外側(開口部10Aから離れる方向)に出っ張らないようにスプリング18を収容する凹所115と、給電バー50を装着するための凹部116が設けられている。
【0045】
また、アイオナイザフレーム10の周壁の第2辺12の一端開口面側の端面には、折返部122が設けられており、この折返部122は、図13および図14に示すように、折返部122先端には、外側面に沿って送風方向下流側に突設された顎部126と、顎部126と外側面とで形成される係合溝125とが設けられている。この係合溝125の溝底部は、一端開口面より該開口面に垂直な方向の奥側(図14の下側)に位置しており、係合溝125に放電線1を係合させることにより、放電線1を折返している。
【0046】
上述したように、この静電式集塵装置Mでは、放電線1を張設するアイオナイザフレーム10の一端開口面と略同じ平面内にスプリング18を配置するのではなく、スプリング18を、アイオナイザフレーム10の周壁の外周面上に配置しているので、スプリング18の配置スペースを、アイオナイザフレーム10の一端開口面と略同じ平面内に確保する必要がなくなり、アイオナイザフレーム10上の集塵性能に寄与しない無駄スペースを減少させることができる。
【0047】
従って、従来は、スプリングの長さや伸びに対応した無駄スペースがフレームの開口面と略同じ平面内に発生していたが、その無駄スペースを無くせることにより、同一通風面積(開口部10Aの面積)を維持したまま、集塵電極を構成するアイオナイザフレーム10の外形寸法を小さくすることができる。したがって、アイオナイザフレーム10を、その外周が従来アイオナイザフレームと同じ長さとなるように形成した場合、集塵装置の開口率(=通風面積/外形の投影面積)のアップを図ることができ、同一投影面積における性能の向上が図れる。
【0048】
また、スプリング18を、アイオナイザフレーム10に対する放電線1の張設面(一端開口面)と垂直なアイオナイザフレーム10の周壁上に配置しているので、放電線1の端部をスプリング18に対して絡げているカラゲ部(特に図示しないが、図16に示すように構成されている符号301p)を、低電位の対向電極2から空間的に離すことができ、カラゲ部からの異常放電を防止することができる。
【0049】
また、本実施形態では、1本の放電線1を折返部122に係合させて二つ折りに折り返すことにより、2本の放電線を、アイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に互いに平行に架け渡しているので、使用する放電線1の数を少なくすることができ、張設が楽にできる。
【0050】
また、折返部122で二つ折りに折り返した放電線1の両端部を共に、スプリング18を介してそれぞれアイオナイザフレーム10に係止しているので、折返部122での摩擦に関係なく、放電線1の1本1本に均等にスプリング18によって張力をかけることができる。従って、弛みなく放電線1を張設することができ、性能の安定を図ることができる。放電線1を設ける方法はこれに限らず、放電線1の一端を給電バー50の係合孔51に係止し、他端をスプリング18によって張力をかけるようにしても良い。この方法を用いた場合でも、弛みなく放電線1を張設することができ、性能の安定を図ることができる。
【0051】
また、アイオナイザフレーム10の第1辺11の端面に位置決め溝118を形成しているので、その位置決め溝118に放電線1を通すことによって、放電線1を正確に位置決めしながら、アイオナイザフレーム10の周壁の開口部10Aを挟んで対向する第1辺11と第2辺12の間に互いに平行に張設することができる。
【0052】
特に、断面略楔形状の凸部112,113を交互に配列することによって、凸部112,113の配列の外側と内側の位置決め溝118の両開口の位置をずらしているので、凸部112,113の配列による絶縁遮蔽壁の機能を有効に発揮させることができる。
【0053】
また、凸部112の外側面に一体に形成した遮蔽壁114によって放電線1の端部を絶縁遮蔽することができるので、より確実に異常放電を防止することができる。即ち、異常放電は、放電線1の端部のカラゲ部より集塵電極内の電位の低い部分(例えば、荷電部の対向電極2や集塵部の低圧電極3)に対して放電する現象であるが、放電線1の端部が遮蔽壁114によって絶縁遮蔽されているので、カラゲ部からの異常放電をより確実に防止することができる。
【0054】
また、本実施形態では、アイオナイザフレーム10の一端開口面と反対側を向いた係合溝125に放電線1を係合させることにより、放電線1を二つ折りに折り返しているので、放電線1の外れ防止を図ることができる。例えば、メンテナンス時などに放電線1に付着した汚れをブラシ等で掻き落とす際に、従来の構成では放電線1に強い力や振動が加わり放電線1が折返部122から外れるおそれがあるが、係合溝125がアイオナイザフレーム10の一端開口面と反対側を向いているので、放電線1に強い力が加わっても、係合溝125から放電線1が簡単に外れることがない。特に係合溝125の溝底部がアイオナイザフレーム10の一端開口面よりも送風方向下流側(奥側)に位置しているので、放電線1のターン部の外れを確実に防ぐことができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、1本の放電線1を二つ折りに折り返す場合を示したが、開口部10Aを挟んで対向する2つの辺にそれぞれ折返部を設け、それらの折返部に順次放電線を係合させて放電線を2回以上折り返すことにより、1本の放電線を用いて、3本以上の複数本の放電線を、開口部10Aを挟んで対向する辺と辺の間に互いに平行に架け渡すこともできる。そのようにすれば、使用する放電線1の本数を更に少なくすることができる。
【0056】
また、上記実施形態では、アイオナイザフレーム10の全体を絶縁性樹脂で構成した場合を説明したが、フレームを導電体または半導電体で構成し、放電線1や給電バー50と接触する部分だけを絶縁体で構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態の放電線支持構造を含む静電式集塵装置の分解斜視図である。
【図2】静電式集塵装置の組立状態を示す外観斜視図である。
【図3】静電式集塵装置の荷電部(アイオナイザ)の構成を示す斜視図である。
【図4】荷電部の構成を示す正面図である。
【図5】荷電部のフレーム(アイオナイザフレーム)の構成を示す斜視図である。
【図6】アイオナイザフレームの構成を示す正面図である。
【図7】アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図8】アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を図7と反対側から見て示す斜視図である。
【図9】アイオナイザフレームに放電線を組み付けた状態を示す正面図である。
【図10】図7の給電部側の構成を示す斜視図である。
【図11】図10と同部分の側面図である。
【図12】図11の部分拡大図である。
【図13】図7の折返部側の構成を示す側面図である。
【図14】折返部側の構成を拡大して示す斜視図である。
【図15】従来の静電式集塵装置の荷電部(アイオナイザ)の構成を示す分解正面図である。
【図16】従来の荷電部における放電線の端部とスプリングの連結部の構成を拡大して示す図である。
【図17】従来の荷電部における放電線の折返部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
M 静電式集塵装置
A 荷電部(アイオナイザ)
B 集塵部(コレクタ)
1 放電線
2 対向電極
3 低圧電極
4 高圧電極
10 アイオナイザフレーム
10A 開口部
11 第1辺
12 第2辺
18 スプリング
111 曲げ案内部
112,113 楔形状の凸部
118 位置決め溝
122 折返部
125 係合溝
126 凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠形状を有し、開口する枠内筒状部が送風路に設定されたフレームと、
導電性の材料からなり、該フレームを構成する周壁の対向する部位に開口面に沿って架け渡され、且つ端部がスプリングを介して所定の張力を付与された状態で該フレームに係止された放電線と、
を有する荷電部を備えた静電式集塵装置であって、
前記周壁の外側面に、送風路の送風方向に沿って前記スプリングが配設されたことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項2】
請求項1に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の対向する両対向部位の一方に、前記スプリングが配設され、
当該両対向部位の他方に、折返部を設け、
該折返部に前記放電線を係合させて、該放電線を二つ折りに折り返し、架け渡したことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項3】
請求項2に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の前記対向部位の一方に曲げ案内部を設け、
前記放電線は前記曲げ案内部によって前記周壁の前記外側面の前記送風方向に沿って曲げられ、前記放電線の両端部のうち少なくとも一方は、スプリングを介して前記フレームに係止されていることを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項4】
請求項3に記載の静電式集塵装置において、
前記曲げ案内部が、前記周壁の送風方向上流側の端面に、前記送風方向に沿って突出する複数の凸部を該端面に沿って配列することで形成される位置決め溝を備え、該位置決め溝に前記放電線が配設されることを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項5】
請求項4に記載の静電式集塵装置において、
前記凸部を、断面が略楔形状となるように形成し、且つ該略楔形状の先細側と幅広側とが交互に隣接するよう該凸部を配列し、
該凸部の配列の外側と内側の前記位置決め溝の両開口の位置を、前記凸部の配列方向にずらしたことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項6】
請求項5に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の前記外側面上に、前記曲げ案内部から前記送風方向に沿って突出する遮蔽壁を設けたことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項7】
請求項1に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の対向する両対向部位上に折返部を複数箇所設け、
前記周壁の前記対向部位の一方の該折返し部と、前記周壁の前記対向部位の他方の該折返し部とに交互に前記放電線を係合させて、該放電線を複数回折り返し、架け渡したことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載の静電式集塵装置において、
前記折返部が、前記周壁の対向する前記対向部位の前記外側面上に突設され、
該折返し部先端に該外側面に沿って突設された顎部と、
該顎部と該外側面とで形成される係合溝とを備え、
該係合溝に前記放電線を巻き掛けることで、該放電線を折り返すことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電式集塵装置において、
前記フレームの少なくとも前記放電線と接触する部分が絶縁体で構成されていることを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項1】
枠形状を有し、開口する枠内筒状部が送風路に設定されたフレームと、
導電性の材料からなり、該フレームを構成する周壁の対向する部位に開口面に沿って架け渡され、且つ端部がスプリングを介して所定の張力を付与された状態で該フレームに係止された放電線と、
を有する荷電部を備えた静電式集塵装置であって、
前記周壁の外側面に、送風路の送風方向に沿って前記スプリングが配設されたことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項2】
請求項1に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の対向する両対向部位の一方に、前記スプリングが配設され、
当該両対向部位の他方に、折返部を設け、
該折返部に前記放電線を係合させて、該放電線を二つ折りに折り返し、架け渡したことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項3】
請求項2に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の前記対向部位の一方に曲げ案内部を設け、
前記放電線は前記曲げ案内部によって前記周壁の前記外側面の前記送風方向に沿って曲げられ、前記放電線の両端部のうち少なくとも一方は、スプリングを介して前記フレームに係止されていることを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項4】
請求項3に記載の静電式集塵装置において、
前記曲げ案内部が、前記周壁の送風方向上流側の端面に、前記送風方向に沿って突出する複数の凸部を該端面に沿って配列することで形成される位置決め溝を備え、該位置決め溝に前記放電線が配設されることを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項5】
請求項4に記載の静電式集塵装置において、
前記凸部を、断面が略楔形状となるように形成し、且つ該略楔形状の先細側と幅広側とが交互に隣接するよう該凸部を配列し、
該凸部の配列の外側と内側の前記位置決め溝の両開口の位置を、前記凸部の配列方向にずらしたことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項6】
請求項5に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の前記外側面上に、前記曲げ案内部から前記送風方向に沿って突出する遮蔽壁を設けたことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項7】
請求項1に記載の静電式集塵装置において、
前記周壁の対向する両対向部位上に折返部を複数箇所設け、
前記周壁の前記対向部位の一方の該折返し部と、前記周壁の前記対向部位の他方の該折返し部とに交互に前記放電線を係合させて、該放電線を複数回折り返し、架け渡したことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載の静電式集塵装置において、
前記折返部が、前記周壁の対向する前記対向部位の前記外側面上に突設され、
該折返し部先端に該外側面に沿って突設された顎部と、
該顎部と該外側面とで形成される係合溝とを備え、
該係合溝に前記放電線を巻き掛けることで、該放電線を折り返すことを特徴とする静電式集塵装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電式集塵装置において、
前記フレームの少なくとも前記放電線と接触する部分が絶縁体で構成されていることを特徴とする静電式集塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−125444(P2010−125444A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306253(P2008−306253)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
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