説明

非熱プラズマで患者の身体部分を治療するための装置

【課題】手をインビボで滅菌するのに好適な装置を提供する。
【解決手段】本発明は、非熱プラズマで患者の身体部分を治療するための装置1、特に人の手を滅菌するための装置1に関するものである。この装置1は、治療中に身体部分を一時的に受け入れるための筐体2であって、内部で身体部分にプラズマを印加するための筐体2と、この筐体2内に配置された入口側開口部3であって、内部に身体部分を挿入して筐体2内に入れるための入口側開口部3とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非熱プラズマで患者の身体部分を治療するための装置、特に人の手を滅菌するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
創傷治療のために、特に創傷をインビボで滅菌、汚染除去、又は消毒するために非熱プラズマを利用することは、例えば国際公開WO2007/031250号(特許文献1)、欧州特許出願番号第EP1925190号明細書(特許文献2)、及び国際出願番号第PCT/EP2008/003568号(特許文献3)において開示されている。しかしながら、これら既知のプラズマ装置は、人の手をインビボで滅菌するという程度に限定された範囲内のみに適するものである。国際公開WO02/099836号(特許文献4)は、物品を滅菌及び消毒するために毛細状放電プラズマシャワーを利用した装置及び方法を開示している。ただ、この装置は、特にシャワーが引き起こす乱流により、手をインビボで滅菌するという程度に限定された用途に適するものである。また、この器具の滅菌及び消毒能力は、夥しい量の反応ガスが雰囲気内に注入されることに起因する限度があり、このことは健康障害に繋がりかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2007/031250号
【特許文献2】欧州特許出願番号第EP1925190号明細書
【特許文献3】国際出願番号第PCT/EP2008/003568号
【特許文献4】国際公開WO02/099836号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の主な目的は、人の手をインビボで滅菌するのに好適な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0005】
このような目的は、独立請求項に記載された新規な装置によって達成される。
【0006】
本発明に係る装置は、治療中に滅菌対象の身体部分を一時的に挿入して、内部でこの身体部分に非熱プラズマを印加するための筐体を備えている。したがって、本発明に係る装置は、治療対象(例えば手)がプラズマアプリケータの外部に位置しており、非熱プラズマが治療対象の表面全体に印加されるよう、プラズマアプリケータを治療対象の表面に沿って移動させる必要がある従来型の装置とは自ずと異なる。換言すれば、従来型の装置においては非熱プラズマが治療対象に印加されるのに対して、本発明では治療対象(例えば人の手)が非熱プラズマ内に挿入されて、治療対象が非熱プラズマによって完全に包囲されるように構成している。
【0007】
本発明に係る装置の筐体は入口側開口部を設けており、この入口側開口部から身体の一部(例えば人の手)を筐体内に挿入し、この筐体内においてプラズマ治療が行われる。
【0008】
本発明に係る装置は、人の手をインビボで滅菌するのに特に適している。ただ、本発明に係る装置は、患者における他の身体部分、例えば足や、手を含めた前腕、好ましくは人の肘も含めた前腕をプラズマ治療するのにも利用できる。さらにまた、処置する対象は、外科用器具、インプラント、例えば心臓用ペースメーカー、ステント、人工関節、又はその他滅菌すべき器具のような、非生物的な部材であってもよい。
【0009】
また本発明に係る装置は、筐体内で非熱プラズマを生成するため、統合されたプラズマ生成器も備えることが好ましい。このためプラズマ生成器は装置の一体的な部品とすることが好ましい。
【0010】
あるいは、装置がプラズマを筐体内に注入するための入口を設けるのみであり、ホースを介して装置の入口に接続可能な分離型のプラズマ生成器を用いて筐体の外側でプラズマが生成されるように構成することもできる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、プラズマ生成器は少なくとも2つの電極と、これらの電極間に配置されるバリアとを備えている。誘電体バリア放電(dielectric barrier discharge:DBD)によって電極間でプラズマを生成することができ、DBD自体は当業界にて既知である。よって電極間のバリアは、電気的絶縁性及び/又は誘電性を有する材料、特にポリテトラフルオロエチレンで構成するのが好ましい。
【0012】
また電極は、バリアの両側に接着することができる。
【0013】
これら少なくとも2つの電極は、複数の態様で設けることができる。例えば、電極の少なくとも一を単一のワイヤとして設けてもよい。好ましくは、電極の少なくとも一が螺旋状、巻線状、平坦状、冷却コイル様、又は蛇行状に設けられる。
【0014】
電極の少なくとも一は、電極上に分散配置された複数の孔を設けることができる。これにより、電極におけるこれらの孔内でプラズマを生成できる。
【0015】
好ましくは、第一電極及び第二電極のうち少なくとも一はワイヤメッシュを備えている。上述した複数の孔は、ワイヤメッシュにおける個々のメッシュ間に配置できる。換言すれば、ワイヤメッシュにおける各メッシュが上記の各孔を形成している。このような配列による利点の一は、配列が拡張可能であり、適応自在であり、任意の形態及び形状に適合できるので、例えば創傷被覆材としての新たな用途が実現可能となることが挙げられる。さらに、このような電極列は製造が容易であり、費用対効果が非常に高い。プラズマ医療用に提唱されている従来の誘電体バリア装置と異なり、人の皮膚に電流を通すようなことはしない。さらにまた、二重メッシュのシステムではガス透過性を持たせることができるので、ガスの流れが横方向に電極列に浸透でき、これにより空気清浄、滅菌、及び汚染(排出)制御に有用である。
【0016】
また、上述した二重メッシュの電極システムのいくつかを数センチメートルの距離に離間させて配置することも可能であり、このような二重メッシュのシステムは相互に平行に配列することが好ましい。
【0017】
他の実施形態によれば、第一電極及び第二電極のうち少なくとも一は、上述した複数の孔が配置された有孔プレートを備えることができる。例えば、このプレートは銅又はアルミニウムで作製でき、プレートの孔はプレートを打ち抜き加工で形成される。また電極列の両電極は、誘電体バリアによって分離された有孔プレートで構成することも可能である。
【0018】
さらに他の実施形態によれば、第一及び第二電極のうち少なくとも一は、導電性材料で作製された平行なワイヤ又はストライプで構成できる。
【0019】
なお、上述した諸実施形態において、複数の孔は電極面に均等に分布していることが好ましく、これによりプラズマ生成の密度も電極面に均等に分布される。
【0020】
一実施形態によれば、第一電極は導電性材料で作製されたプレートを備えており、このプレートは塊状であって、いかなる孔も備えていないことが好ましい。誘電体バリアは実質的に層状でありプレート表面に形成される。例えば、誘電体バリアの厚さは0.5〜1mmの範囲とできる。この実施形態において、第二電極は上述のワイヤメッシュを備えているか、又は導電性材料で作製された有孔プレートを備えている。塊状のプレートとして形成された第一電極は、10〜20kVの電圧と10〜30mAの通常電流で励起されることが好ましく、他方、ワイヤメッシュとして形成された第二電極は電気的に接地されることが好ましい。
【0021】
他の実施形態によれば、第一電極及び第二電極のいずれもワイヤメッシュを備えており、他方、誘電体バリアは、第一電極及び第二電極のうち少なくとも一におけるワイヤを包囲し、電気絶縁性及び誘電性を有する材料で作製されたクラッド材を備えることもできる。これにより第一電極が第二電極から電気的に絶縁される。換言すれば、ワイヤメッシュにおける個々のワイヤに関して電気絶縁性及び誘電性を有するクラッド材は誘電体バリアを形成している。第一電極及び第二電極は、好ましくは接着ボンドで相互に付着されており、これにより第一及び第二電極のワイヤメッシュは相互に物理的に接触できる。
【0022】
本実施形態の一変形例において、第一電極及び第二電極のいずれも、ワイヤメッシュの個々のワイヤを包囲し誘電体バリアを形成するクラッド材を備えている。
【0023】
本実施形態の他の変形例において、第一及び第二電極のうち一方のみが、ワイヤメッシュにおける個々のワイヤを包囲し誘電体バリアを形成するクラッド材を備えている。換言すれば、第一及び第二電極のうち一方のみがクラッド材によって電気的に絶縁されており、第一及び第二電極のうち他方はクラッド材によって絶縁されていない。
【0024】
なお、本発明は2つの電極のみを備える実施形態に限定するものではない。例えば、第三電極と他の誘電体バリアを設けることも可能であり、この場合は中央電極の両側に2つの誘電体バリア放電列があり、これによりサンドイッチ様の配列が形成される。
【0025】
電極は相互に接着されることが好ましいことは前述した通りである。また誘電体バリアを、第一及び第二電極のうち少なくとも一に接着させることも可能である。
【0026】
好ましくは、電極列は実質的に二次元状で平坦な変形可能とする。これにより電極列全体の形状を治療対象の身体部分の輪郭に適応させることができる。
【0027】
他の実施形態によれば、電極列はさらに、電極列を被覆するカバーを備えることもできる。このカバーは、プラズマの反応種の局所強度を増大させて、滅菌に要する時間を減少させるのに利用できる。またこのカバーを利用して、使用されなかった反応種を濾過排出することもできる。さらに、このカバーを利用すればプラズマをより良好に制御することもできる。さらにまた、このカバーを利用すれば電極列を減圧下で作動させることもできる。
【0028】
誘電体バリアは電気絶縁性と誘電性を有する材料で構成され得る。高機能を望む場合は、誘電体バリアをセラミックスで構成することが好ましい。あるいは、電極列が低機能であっても十分な場合には、誘電体バリアをポリテトラフルオロエチレンで作製することもできる。また誘電体バリアをポリエチレンテレフタレート(PET)、可撓性又は剛性のガラスセラミックス、ガラス、マイラー(Mylar:登録商標)、キャスティングセラミック、又は酸化物で作製することもできる。ただ、好ましくは誘電材料の融点をプラス100℃超としておく。
【0029】
なお、本発明は電極列を単一の部材に限定するものではない。寧ろ本発明は、非熱プラズマを生成するために前述の新規電極列を備えたプラズマ治療用の完全な装置を包含するものである。
【0030】
さらにまた、一又は複数の電極は高圧電源に接続されていることが好ましい。この高圧電源は装置と分離して配置することができる。
【0031】
本発明に係る装置の筐体は箱形であることが好ましく、筐体内には治療領域の上下に前記2つのサンドイッチ様DBD配列が存在する。あるいは、これらのDBD配列は筐体の両側に装着することもでき、一方のDBD配列を筐体の左側に装着し、他方のDBD配列を筐体の右側に装着してもよい。
【0032】
さらに、上記のサンドイッチ様DBD配列は外側の電気絶縁体を備えていることが好ましい。この電気絶縁体は、プラズマ生成器の外側電極を電気的に絶縁する。
【0033】
さらにまた、サンドイッチ様DBD配列における外側の電気絶縁体と筐体との間には間隙を設け、この間隙により、ガス流が間隙を通ることが可能になるよう構成することが好ましい。これは、DBD配列において生成されたプラズマが筐体の中央部にある治療領域に到達する必要があり、そのためには筐体内にガスの流れが必要となるため、好適である。筐体内のガスの流れは、ガス容積内の異なる温度に起因する自然対流によって生成できる。ただ、装置の筐体内におけるガス循環を、少なくとも部分的にポンプで発生させることも可能である。このポンプは装置とは別個に配置することが好ましい。
【0034】
さらに好ましくは、装置は廃ガス用フィルタを備えている。この廃ガス用フィルタは、筐体内から廃ガスを濾過排出するように配置され構成される。例えば、筐体内から廃ガス用フィルタへ廃ガスを案内する(引き込む/押し込む)ために通風装置又は他の好適な手段を設けてもよい。
【0035】
なお、プラズマ生成器を筐体内に配置して、筐体内でプラズマが生成されることが好ましい。したがって本発明に係る装置は、治療領域とプラズマ生成領域とが互いに離れている従来型の治療概念とは自ずと異なるものである。本発明では、治療領域及びプラズマ生成領域は少なくとも部分的に重複するか、又は一致するようにしている。
【0036】
プラズマ生成器が一般的に紫外(UV)線を生成することは当業界において周知のことである。用途によっては、このような紫外線がプラズマ治療における治癒効果をもたらすこともある。しかしながら、他の用途ではUV線は望ましいものではない。したがって、本発明に係る装置は、筐体内でプラズマ生成器と治療領域との間に放射線遮蔽材を備えていることが好ましく、これにより治療される身体部分をプラズマ生成器が生成するUV線から遮蔽できる。
【0037】
ただ、上記放射線遮蔽材は、プラズマが放射線遮蔽材を通過して流れ、治療対象の身体部分に到達できるよう、ガス透過性であることが好ましい。このことは、プラズマ治療には非熱プラズマと治療対象の身体部分との間の物理的接触が必要とされため、重要である。
【0038】
好ましい実施形態によれば、放射線遮蔽材は、放射線遮蔽材の両側間で相互の可視性はないものの、放射線遮蔽材における両側間のガスの流れは実質的に細くはならないような態様で曲面又は角度をなすことが好ましく、UVブロック性を有する離間した複数の遮蔽要素を備えることができる。
【0039】
この遮蔽要素は、隣接した少なくとも2つの層に配置されたラメラであることが好ましく、隣接した層におけるこれらのラメラは対向姿勢で角度をなしている。
【0040】
付言すると、放射線遮蔽材及び/又は遮蔽要素(例えばラメラ)は、導電性材料で構成され、又は塗布されており、遮蔽要素の表面で電荷が増大しないことが好ましい。さらに付言すると、放射線遮蔽材の導電性材料は金属、特に銅又は錫であることが好ましい。放射線遮蔽材及び/又は遮蔽要素は電気的に接地されることが好ましい。
【0041】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記のDBD配列における電極、バリア、及び外側絶縁体は平坦状又は層状であることが好ましい。さらに、電極はワイヤメッシュを備えることもできる。
【0042】
また装置は、一方の治療領域と他方のプラズマ生成器との間に配置されたスペーサを備えることが好ましい。これにより、治療中にプラズマ生成器と身体部分との間の物理的接触を防ぐことができる。このスペーサは実質的に平坦であってワイヤメッシュを備えるか、又はそのいずれかであることが好ましい。好ましい実施形態によれば、スペーサは治療対象を筐体内で支持するような形態として配置される。
【0043】
さらに付言すると、新規の装置の筐体は、好ましくは電気的に接地されている導電性材料で構成された外壁を備えていることが好ましい。
【0044】
筐体の寸法は、患者が手を滅菌するために入口側開口部に手を差し込んで筐体内に挿入できるよう、人の手の大きさに対応して設計されることが好ましい。したがって筐体の入口側開口部は、高さが2cm〜20cmの範囲で、幅が5cm〜30cmの範囲とすることが好ましい。筐体の入口側開口部は、幅10cmと高さ4cmとすることが一層好ましい。
【0045】
さらに筐体は、手全体を筐体内で滅菌できるよう、人の手を筐体内に差し込むのに十分な大きさであることが好ましい。したがって筐体は、好ましくは5cm〜30cm範囲の内長、さらに好ましい値としては約11〜12cmの内長とする。さらにまた筐体は、好ましくは4cm〜20cm範囲の内高、より好ましい値として約7cmの内高とする。
【0046】
他の好ましい実施形態によれば、患者が自分の手を含めた前腕、好ましくは自分の肘も含めた前腕を滅菌するために、自分の手を含めた前腕、さらに好ましくは自分の肘も含めた前腕を、入口側開口部から差し込んで筐体内に挿入できるよう、筐体の寸法は、手を含めた前腕さらに好ましくは人の肘も含めた前腕の大きさに適応することが好ましい。
【0047】
また、手を含めた前腕、さらに好ましくは肘も含めた前腕を筐体内で滅菌できるよう、筐体は、手を含めた前腕、さらに好ましくは人の肘も含めた前腕を筐体内に挿入するのに十分な大きさとすることが好ましい。
【0048】
他の好ましい実施形態によれば、筐体の寸法は人の足の大きさに適応させることができる。
【0049】
付言すると、本発明に係る非熱プラズマは、治療される表面で測定した場合、プラス40℃未満のガス温度(すなわち原子及び分子の温度)であることが好ましい。
【0050】
また装置は、一体化されたプラズマ生成器をONとOFFに切り替えるためのON/OFFスイッチを備えることもできる。
【0051】
さらにまた、治療対象(例えば手)が入口側開口部に差し込まれて筐体内に挿入されているかどうかを検出する光バリアを設けてもよい。この光バリアは、対象物が入口側開口部に差し込まれていない場合にはプラズマ生成器のスイッチがOFFになり、治療対象が筐体内に位置されている場合にはプラズマ生成器のスイッチがONになるよう、プラズマ生成器に接続することができる。
【0052】
好ましい実施形態によれば、装置は、対象を非熱プラズマで治療するため、特に手、又は手を含めた前腕、好ましくは人の肘を含めた前腕をインビボで滅菌するために、筐体内でアフターグロウが可能となるように構成できる。アフターグロウの相にあるとき、プラズマ生成器はプラズマを生成することはない。それでも、筐体内のプラズマは対象の治療、特にインビボでの滅菌に有効である。一方では、アフターグロウを利用すれば、装置におけるエネルギー消費を低減させることができる。他方、アフターグロウを利用すれば、プラズマが生成されていない(電源がONになっていない)ときに、対象、特に人の一部又は他に知覚できる対象物/器具が筐体内に挿入されていないので、装置における使用上の安全性を向上できる。
【0053】
例えば、プラズマ生成器のスイッチをONにして、2秒後にOFFにすることができる。2秒内で生成されたプラズマは、スイッチをOFFにした後、ある時間長において、対象の治療のため、特にインビボでの滅菌のために筐体内で有効であり続ける。
【0054】
好ましくは、装置はアフターグロウの開始及び終了を示すための表示手段を備えている。
【0055】
好ましくは、装置は、プラズマ生成中に入口側開口部を閉塞し、またプラズマ生成後に入口側開口部を開放するための開閉手段を備えることができる。一実施形態によれば、この開閉手段はプラズマ生成中に閉塞されてロックされ、プラズマ生成器がプラズマを生成していないときにのみ開放される。
【0056】
さらに、筐体内におけるプラズマの電離度を検出するためのプラズマ電離度センサを備えることもできる。
【0057】
好ましくは、プラズマ生成器、表示手段、及び/又は開閉手段は、一又は複数の所定時間長に基づいて制御される。
【0058】
ただ、プラズマ電離度センサで検出された筐体内におけるプラズマの電離度に基づいて、プラズマ生成器、表示手段、及び/又は開閉手段を制御することも可能である。
【0059】
本発明とその具体的な特長及び利点は、以下の添付図面を参照しながら説明する詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る装置を示す斜視図である。
【図2】図1の装置を示す他の斜視図である。
【図3】図1及び図2の装置を示す断面図である。
【図4】誘電体バリア放電を用いたプラズマ生成器を示す概略図である。
【図5】図4の放射線遮蔽材を示す断面図である。
【図6】図3に類似した断面図で、放射線遮蔽材の模様も示した断面図である。
【図7A】装置の筐体における側板を示す斜視図である。
【図7B】DBD配列のアイソレータを示す斜視図である。
【図7C】入口側開口部を設けた装置の前板を示す斜視図である。
【図7D】装置の中間板を示す斜視図である。
【図7E】ケーブル用開口部を備えた装置の背板を示す斜視図である。
【図7F】筐体の上板及び底板を示す斜視図である。
【図7G】前記DBD配列における電極を例示する一実施形態を示す図である。
【図8】DBD配列に代えて、プラズマ生成用として使用可能な電極列に関する他の実施形態を示す図である。
【図9A】第一電極としてのプレートと第二電極としてのワイヤメッシュとを備えたDBD配列に関する好ましい実施形態を示す斜視図である。
【図9B】図9Aの電極列を示す断面図である。
【図10】2つのワイヤメッシュを備えた電極列を示す斜視図である。
【図11】複数のワイヤメッシュにおけるワイヤの接合部分を示す斜視図である。
【図12】絶縁された2つのワイヤの接合部分を示す斜視図である。
【図13】図10に記載の電極列にカバーも付加的した変形例を示す図である。
【図14】3つの電極を備えているサンドイッチ様DBD電極列を示す断面図である。
【図15】図9A及び図9Bの実施形態の変形例であって、ワイヤメッシュが誘電体バリア内に埋め込まれている状態を示す断面図である。
【図16A】アフターグロウの利用状態を例示する概略図である。
【図16B】アフターグロウの他の利用状態を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
上記の図面は、非熱プラズマを用いて手、又は手を含む前腕、好ましくは人の肘を含む前腕をインビボで滅菌するための装置1に関する好ましい実施形態を示している。
【0062】
この装置1は、箱形筐体2の前側に入口側開口部3を設けた筐体2を備える。この入口側開口部3の寸法は、患者が自分の手を入口側開口部3に差し込んで装置1の筐体2内に挿入できるよう、人の手の大きさに応じて設計されている。また、筐体2の全体寸法は、プラズマ治療のために筐体2内に手全体を配置できるように人の手の寸法に適応されている。この実施形態において、筐体2は長さ11.5cm、幅11.4cm、及び高さ7cmである。また入口側開口部3は幅10cm、高さ4cmである。
【0063】
さらに装置1は、入口側開口部3に対向した背面に開口部4を備えている。この開口部4はケーブル類を収納するため設けられる。なお、この背面開口部4は、ポリテトラフルオロエチレンで構成する絶縁体5でカバーされている。
【0064】
さらに装置1は、インビボで滅菌するために非熱プラズマを生成する一体化されたプラズマ生成器を備えている。
【0065】
このプラズマ生成器は、実質的に平坦な2つの誘電体バリア放電(DBD)配列6、7を備えている。DBD配列6は、図3に示すように、筐体2内において治療領域の上方に配置されており、他方、DBD配列7は筐体2内において治療領域の下方に配置されている。
【0066】
DBD配列6、7の配置例を図4に概略的に示す。DBD配列6、7のそれぞれは、2つの電極9、10の間に挟まれたバリア8を備えており、これら2つの電極9、10はポリテトラフルオロエチレンで構成されたバリア8の上側及び下側に接着されている。
【0067】
またDBD配列6は外側絶縁体11と、筐体2内における治療領域に面した放射線遮蔽材12とを備えており、この放射線遮蔽材12は筐体2内において患者の手が、DBD配列6、7によって生成される紫外線に影響されることを防止している。
【0068】
図5は、図4のA−A線における放射線遮蔽材12を示す断面図である。この放射線遮蔽材12は、平行な金属製ラメラ15、16からなる隣接した2つの層13、14で構成されている。放射線遮蔽材12の上層13におけるラメラ15は、放射線遮蔽材12の下層14におけるラメラ16に対して対向姿勢で、角度をなして配置される。したがって、放射線遮蔽材12の両側間では相互の可視性はなく、これにより紫外線が放射線遮蔽材12を透過することはない。換言すれば、放射線遮蔽材12はDBD配列6、7によって生成されたいかなる紫外線も遮断するということである。
【0069】
さらに装置1は、DBD配列6、7に対応する2つのスペーサ17、18を備えており、これらのスペーサ17、18は、手とDBD配列6、8との間の物理的接触を回避する。この実施形態において、スペーサ17、18はそれぞれ、ワイヤメッシュで構成されている。
【0070】
図7A〜図7Gは前述の装置における部品を示す各図であり、これらの図は明瞭であることから詳細説明は不要と思われる。
【0071】
図8は、前述のDBD配列6、7の代わりに使用可能な電極列に関する他の実施形態を示している。
【0072】
この電極列は、銅プレート19、テフロン(登録商標)プレート20、及び導電性材料で作製されたワイヤメッシュ21で構成されている。銅プレート19及びワイヤメッシュ21は、テフロン(登録商標)プレート20の両側に接着されている。
【0073】
またワイヤメッシュ21は電気的に接地されており、銅プレートは高電圧U=18kVpp及び周波数f=12.5kHzを発する高圧電源に接続されている。
【0074】
図9A及び図9Bには、非熱プラズマを生成するためのDBD電極列1Aに関する他の好ましい実施形態が示されている。この電極列1Aは、導電性材料、例えば銅又はアルミニウムで作製されたプレート状電極2Aを備えている。このプレート状電極2Aは、0.5〜1mm範囲の厚さを有している。
【0075】
また電極列1Aは、ポリテトラフルオロエチレンで作製された誘電体バリア3Aも備えている。この材質からなる誘電体バリア3Aは、プレート状電極2Aの下面に施されている。
【0076】
さらに電極列1Aは、電極2Aに対向する側で誘電体バリア3Aに接着されているワイヤメッシュで形成された他の電極4Aも備えている。
【0077】
電極4Aは電気的に接地されており、他方の電極2Aは高圧電源5Aに電気的に接続されている。この高圧電源5Aは、周波数f=12.5kHz及びピークtoピーク電圧HV=18kVppで、交流信号を電極2Aに対して印加している。この高圧電源5Aが誘電放電を開始することで、メッシュ状電極4Aのメッシュ内でプラズマが生成される。
【0078】
図10は、図9A及び図9Bに示した電極列1Aに類似した二次元電極列11Aに関する他の実施形態を示している。
【0079】
なお、この電極列11Aは2つのメッシュ状電極12A、13Aを備えており、これらの電極12A、13Aのうち少なくとも一における個々のワイヤは、電気絶縁性と誘電性を有し電極11A、12A間で誘電体バリアを形成する材料で作製されたクラッド材で包囲されている。
【0080】
電極13Aは電気的に接地され、他方の電極12Aは電極列11A内で誘電体バリア放電を開始する高圧電源14Aに接続されており、電極12A、13Aのメッシュ内でプラズマが生成される。
【0081】
なお、電極列11Aは可撓性を有しているので、電極列11Aの形状は所望の形状に任意に対応できる。
【0082】
図11は、隣接するメッシュ状電極における個々のワイヤ15A、16A、17A間の接合部分を示している。この実施形態において、ワイヤ16Aは、電気絶縁性と誘電性を有し誘電体バリアを形成する材料で作製されたクラッド材18Aで包囲されている。他のワイヤ15A、17Aは絶縁されていない。
【0083】
図12は、隣接するメッシュ状電極におけるワイヤ19A、20Aの接合部分に関する他の実施形態を示している。この実施形態において、ワイヤ19A及びワイヤ20Aのいずれも、電気絶縁性と誘電性を有する材料で作製されたクラッド材21A、22Aで包囲されている。
【0084】
また図13は、図10で示した電極列の変形例を示しており、上述した図10に関する説明を参照できる。
【0085】
本実施形態に関する特長の一は、電極列11Aが付加的にカバー23Aも備えることができる点が挙げられる。このカバーは多様な目的に対応できる。例えば、反応種の局所的強度を増大させたり、滅菌するための時間を低減させたり、使用されなかった反応種を濾過排出したり、プラズマに対してより良好な制御を行ったり、減圧下で作動させることができる。
【0086】
図14には、非熱プラズマを生成するために好適な電極列28Aに関する他の実施形態が示されている。この電極列28Aは、銅で作製された中実のプレートで形成される中央電極29Aを備えている。
【0087】
また、電極列28Aは平坦な2つの誘電体バリア30A、31Aも備えている。それぞれの誘電体バリア30A、31Aは、ポリテトラフルオロエチレンで作製された平坦なプレートで構成されており、誘電体バリア30A、31Aは中央電極29Aの両側に取り付けられている。
【0088】
さらに電極列28Aは、誘電体バリア30A、31Aの外側に装着された2つのメッシュ状電極32A、33Aも備えている。
【0089】
図15は、図9A及び図9Bに示した電極列の変形例を示しており、上述した図9A及び図9Bに関する説明を参照できる。また、対応する部品及び細部は同一の参照符号で示している。
【0090】
図15に示される電極列1Aに関する特長の一は、電極4Aが誘電体バリア3A内に埋め込まれている点である。電極4Aのワイヤメッシュと電極2Aの下面との間の距離はd1=1mmに設定される。また、電極4Aのワイヤメッシュと誘電体バリア3Aの外面との間の距離はd2=0.1mmに設定される。距離d1を距離d2よりも大きくすることが重要である。ただ、一方側のみの放電を望む場合には、埋め込まれる電極4Aは電極2A、4Aの間の距離d1よりも深く埋め込む必要がある。
【0091】
可撓性を有する電極列1Aを望む場合、電極2A、4Aは共に、可撓性を有するワイヤメッシュ、又は約1cmの距離で離間された平行なワイヤで作製される。誘電体バリア3Aは可撓性のある材料、例えばシリコーンゴムで作製できる。
【0092】
外側電極32A、33Aは電気的に接地されており、中央電極29Aは高圧電源に電気的に接続されている。
【0093】
図16A及び図16Bは、アフターグロウの異なる利用状態を示す概略図である。
【0094】
図16Aにおいて、時間t1においてプラズマ生成器のスイッチがONにされ、所定の時間が経過した時間t2においてスイッチが自動的にOFFされることが好ましい。このようにして、プラズマ生成器は時間t1と時間t2との間においてプラズマを生成する。時間t2(アフターグロウの開始)と時間t3(アフターグロウの終了)との間においてプラズマ生成器のスイッチがOFFになるが、時間t1と時間t2との間に生成され筐体内に存在するプラズマは、対象物を治療するため、特に手及び/又は前腕をインビボで滅菌するのに有効である。したがって、時間t2と時間t3との間における時間長はアフターグロウと称してもよい。
【0095】
時間t3の後、筐体内のプラズマは、もはや対象物の治療に有効なものではなく、特にインビボで滅菌するには有効ではない。
【0096】
装置は、特に時間t1、t2、t3を表示するための表示手段、例えば聴覚手段及び/又は視覚手段、例えば一又は複数のランプを備えてもよい。例えば、対象を筐体内に入れるべきであることや入れてはならないことを示す一のランプを、時間t1と時間t2との間において黄色に点灯させてもよい。また治療/滅菌するために装置が準備できたことを示す他のランプを時間t2と時間t3との間において緑色に点灯させてもよい。さらに筐体内のプラズマが、もはや治療/滅菌するには有効でないことを示す他のランプを赤色に点灯させてもよい。
【0097】
また装置は、プラズマ生成器がプラズマを生成しているとき(例えば時間t1と時間t2との間において)、対象物、例えば手が筐体内に挿入されることを防ぐために入口側開口部3を閉塞し、またプラズマ生成器がプラズマを生成していないとき(例えば時間t2と時間t3との間において)、入口側開口部3を開放するよう配置及び構成された開閉手段を備えることもできる。プラズマが生成されているときでも(接地された電極構成により)、この装置は安全ではあるが、アフターグロウを利用すれば使用上の安全性をさらに高められる。例えば、アフターグロウを利用すれば、特に湿った対象物及び金属製の対象物(例えば指輪、時計、ブレスレット)に関しても便利に利用できる。
【0098】
また、筐体2内におけるプラズマの有効性/電離度を検出するためのプラズマ電離度センサを設けて、このプラズマ電離度センサによって検出された値に応じてプラズマ生成器、開閉手段、及び/又は表示手段を制御することも可能である。ただ、一又は複数の所定時間長によってプラズマ生成器、表示手段、及び/又は開閉手段を制御することも可能である。このような一又は複数の時間長は、装置の製造元によって事前に設定でき、及び/又は、ユーザ(例えば医師又は看護師)によって個別に規定できる。
【0099】
さらにまた、図16Bに概略的に示すように、装置を「スタンバイ・モード」に維持しておくことも可能である。図16Bにおいて、プラズマ生成器は最初、時間tにおいてスイッチがONになっている。プラズマ生成器が時間t″においてスイッチが自動的にOFFになり、時間t′においてスイッチが自動的にONになり、時間t″においてスイッチが自動的にOFFになる、といった具合である。このようにして、装置のスイッチを最初(例えば朝に)ONにした後(夕方にはスイッチをOFFにする)、筐体2内におけるプラズマの有効性/電離度は、治療/滅菌するには十分な(所定の)レベルに維持される。換言すれば、装置はスイッチがONになった後、対象物を治療するため、特にインビボで滅菌するために恒久的に有効である。図16Bに示した実施形態は、図16Aに基づいて、表示手段、開閉手段、及び/又はプラズマ電離度センサに利用できる。
【0100】
以上、部品や特長等の具体的な配置例を参照しながら本発明を説明したが、特長に関して他に考え得るあらゆる配置例を排除するものではなく、また実際に、これら以外にも多くの実施例及び変形例は当業者にとって認識できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非熱プラズマで対象物を治療するため、特に人の手をインビボで滅菌するための装置(1)であって、
a)治療中に対象物を一時的に挿入するための筐体(2)であって、内部で対象物にプラズマを印加するための筐体(2)と、
b)該筐体(2)内に配置され、内部に対象物を挿入して筐体内(2)に配置するための入口側開口部(3)と、
を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置(1)であって、さらに、
a)筐体(2)内で非熱プラズマを生成するための一体化されたプラズマ生成器(6,7)、又は
b)筐体(2)外で生成されるプラズマを筐体(2)の中に注入するための入口、
を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置(1)であって、
前記プラズマ生成器(6,7)は少なくとも2つの電極(9,10)とこれらの電極(9,10)間のバリア(8)とを備えており、誘電体バリア放電によって電極(9,10)間にプラズマが生成されてなることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の装置(1)であって、
電極間の前記バリア(8)は、電気的に絶縁性及び/又は誘電性を有する材料、特にポリテトラフルオロエチレンで構成されてなることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一に記載の装置(1)であって、
前記電極(9,10)はバリア(8)に接着されてなることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一に記載の装置(1)であって、
電極(9,10)のうち少なくとも一は高圧電源に接続されてなることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか一に記載の装置(1)であって、さらに、
プラズマ生成器(6,7)の外側電極(9)を電気的に絶縁している外側電気絶縁体(11)を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか一に記載の装置(1)であって、さらに、
前記外側電気絶縁体(11)と筐体(2)との間の間隙であって、ガスの流れが可能になる間隙を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項3〜8のいずれか一に記載の装置(1)であって、
プラズマ生成器(6,7)は筐体(2)内に配置されてなることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項2〜9のいずれか一に記載の装置(1)であって、さらに、
プラズマ生成器(6,7)と筐体(2)内の対象との間に配置され、プラズマ生成器(6,7)により生成される紫外線から対象を遮蔽する放射線遮蔽材(12)を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置(1)であって、
前記放射線遮蔽材(12)は、プラズマが放射線遮蔽材(12)を通過して流れて対象に到達できるよう、ガス透過性としてなることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の装置(1)であって、
a)放射線遮蔽材(12)は、離間した複数の遮蔽要素(15,16)を備えてなり、
b)該遮蔽要素(15,16)は、放射線遮蔽材(12)の両側間で相互の可視性がないよう曲面又は角度をなすことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置(1)であって、
a)遮蔽要素(15,16)はラメラであり、
b)該ラメラ(15,16)は少なくとも2つの隣接する層(13,14)内に配置されており、
c)該隣接する層(13,14)内のラメラ(15,16)は対向姿勢で角度をなすよう配置されてなることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の装置(1)であって、
a)放射線遮蔽材(12)及び/又は遮蔽要素(15,16)は、導電性材料で構成され、又は導電性材料が塗布されており、
b)該導電性材料は金属、特に銅又は錫であり、
c)放射線遮蔽材(12)及び/又は遮蔽要素(15,16)は電気的に接地されてなることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項3〜14のいずれか一に記載の装置(1)であって、
電極(9,10)及び/又はバリア(8)及び/又は外側絶縁材(11)及び/又は放射線遮蔽材(12)は実質的に平坦及び/又は層状にしてなることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項3〜15のいずれか一に記載の装置(1)であって、
電極(9,10)及び/又はバリア(8)及び/又は外側絶縁材(11)はワイヤメッシュを備えてなることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一に記載の装置(1)であって、さらに、
プラズマ生成器(6,7)と筐体(2)内の対象との間の物理的接触を防ぐためのスペーサを備えてなることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置(1)であって、
該スペーサは実質的に平坦状としてなることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の装置(1)であって、
スペーサはワイヤメッシュを備えてなることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項17〜19のいずれか一に記載の装置(1)であって、
スペーサは対象物を筐体内で支持する形態として配置されてなることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一に記載の装置(1)であって、
a)筐体(2)は導電性材料で構成される外壁を備えてなるか、又は
b)筐体(2)の外壁は電気的に接地されてなることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一に記載の装置(1)であって、
a)筐体(2)の入口側開口部(3)は、手、又は手を含む前腕、さらに好ましくは人の肘を含む前腕を通して筐体(2)内に差し込むのに適してなり、及び
b)筐体(2)の入口側開口部(3)の高さは、2cm又は3cm以上、及び30cm、20cm、10cm、7cm又は5cm以下であり、及び
c)筐体(2)の入口側開口部(3)の幅は、5cm、7cm、又は9cm以上、及び65cm、45cm、30cm、20cm、13cm、又は11cm以下であり、及び/又は
d)筐体(2)は、手、又は手を含む前腕、さらに好ましくは人の肘を含む前腕を中に差し込めるように適合させており、及び
e)筐体(2)の内長は、5cm、7cm、又は10cm以上、及び65cm、45cm、30cm、20cm、15cm、13cm、又は12cm以下であり、及び
f)筐体(2)の内幅は、5cm、7cm、又は10cm以上、65cm、45cm、30cm、20cm、15cm、又は12cm以下であり、及び
g)筐体(2)の内高は、4cm、5cm、又は6cm以上、30cm、20cm、15cm、10cm、又は8cm以下であることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一に記載の装置(1)であって、
該装置(1)は筐体(2)内でアフターグロウが可能となるよう構成されてなることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置(1)であって、さらに、
アフターグロウの開始及び終了を表示するための表示手段を備えてなることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一に記載の装置(1)であって、さらに、
プラズマ生成器がプラズマを生成しているときに入口側開口部(3)を閉じ、プラズマ生成器がプラズマを生成していないときに入口側開口部(3)を開くための開閉手段も備えてなることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一に記載の装置(1)であって、さらに、
筐体(2)内におけるプラズマの電離度を検出するためのプラズマ電離度センサを備えてなることを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか一に記載の装置(1)であって、
プラズマ生成器、表示手段、及び開閉手段のうち少なくとも一は、一又は複数の所定時間長及び/又は個別に規定可能な時間長に基づいて制御されてなることを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一に記載の装置(1)であって、
プラズマ生成器、表示手段、及び開閉手段のうち少なくとも一は、好ましくはプラズマ電離度センサによって検出された、筐体2内におけるプラズマの電離度に基づいて制御されてなることを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれか一に記載された装置(1)の使用であって、
a)人の端部、特に手又は足、
b)外科用器具、
c)インプラント、特に心臓用ペースメーカー、ステント、人工関節、
d)その他滅菌すべき器具、
からなるグループから選択された処置対象に対して非熱プラズマを印加するための装置(1)の使用。

【図5】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【図9B】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図9A】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−517867(P2012−517867A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550420(P2011−550420)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007478
【国際公開番号】WO2010/094307
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(501497655)マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー (10)
【Fターム(参考)】