説明

面に対して物品を吊り下げるための吊り具

【課題】面に対して物品を吊り下げる機能的形態から、基部の周辺部に巻き付く収納形態へ折り畳むことができる複数のリンクを具える、可搬形吊り具を提供する
【解決手段】周辺部(26)を有し、面と接触するように構成された基部(20)と、第1のリンク(34)および最後のリンク(46)を含む、互いに連結された複数のリンクと、第1のリンクを基部と連結する連結部材(40)とを備え、連結部材は、その中心軸方向に、基部内に引っ込んだ位置と、基部の外周から引き出された位置との間で選択的に移動可能に設けられ、連結部材は、中心軸の周りに回動して、複数のリンクを、収納形態と機能的形態との間で移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルなどの面から、ハンドバッグなどの物品を吊り下げるための吊り具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、ハンドバッグを吊り下げるための様々な形式の吊り具を教示している。例えば、Czarny、米国D229,870は、テーブルの下に女性のハンドバッグを吊り下げるための可搬形吊り具を教示している。吊り具は、平面の下側面を有する基部と、基部の側部から延在し、ハンドバッグを吊り下げるためのフック部材へ下に延在する固定吊り具部材とを具える。
【0003】
可搬形吊り具の代替的な実施例が、Schwartz、米国D429,899及びStewart、米国D384,505に教示されている。これらの参照文献は、フックが基部に対して回転可能であるように、基部に回転可能に取り付けられた固定のフック型の部材を具える平坦な基部を具えるハンドバッグホルダを教示している。フックは基部に対して回転可能であるが、フック自体は固定されており、折り畳むことはできない。
【0004】
Creed、米国5,094,417は、第1のフック部材に固定して取り付ける基部と、第1の部材に回転可能に取り付けられた第2のフック部材とを具えるハンドバッグに適応可能な支持具を教示している。上述の参照文献は、本書に全体を参照によって組み込む。
【0005】
従来技術は、基部及び固定フック、又は限定的な回転及び折り畳み性能を有するフックを具える様々な形式の可搬形吊り具を教示している。しかしながら、従来技術は、ハンドバッグを吊すように構成された機能的なフック形状から、複数のリンクが基部の周辺部に巻き付く収納形状へ折り畳み可能な複数のリンクを具える可搬形吊り具を教示していない。本発明は、これらの必要性を満足し、さらに、以下の概要に記述されるような関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、従来技術によって教示されていない利点を有する可搬形吊り具を提供することである。
【0007】
別の目的は、機能的なフック形状から基部の周辺部に巻き付く収納形状へ折り畳むことができる複数のリンクを具える可搬形吊り具を提供することである。
【0008】
別の目的は、ハンドバッグアクセサリとしてハンドバッグに吊り具を収容するように、環状構成に折り畳み可能であり、基部に取り外し可能に取り付けられる複数のリンクを具える可搬形吊り具を提供することである。
【0009】
さらなる目的は、環状構成において複数のリンクを係止する磁気係止部材を具える可搬形吊り具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、テーブルからハンドバッグを吊り下げるための可搬形吊り具を提供する。可搬形吊り具は、ほぼ平坦な下面及び周辺部を具える基部を具える。下面は、テーブルの上に乗って摩擦接触するように構成されている。複数のリンクは、第1のリンク及び最後のリンクを有する鎖を形成するように連続しており、互いに回転可能に連結されている。連結具は、第1のリンクが基部に対して第1の位置と第2の位置の間で回転可能であるように、基部と複数のリンクの第1のリンクを回転可能に連結する。複数のリンクは、旋回軸ピンが第1の位置にあって、複数のリンクが基部の周辺部にほぼ隣接して位置する収納構成と、基部がテーブル上に位置するときハンドバッグがフックにつり下がるように、連結具が第2の位置にあって、複数のリンクがフックを形成する機能的構成との間で回転するように構成されている。
【0011】
本発明の他の特性及び利点が、本発明の原理を一例として説明している添付する図面と合わせて以下の詳細な記述から明らかにしうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の好適な実施例による可搬形吊り具の斜視図であり、可搬形吊り具は、テーブル上の基部と、ハンドバッグを吊すためにフックを形成する複数のリンクとを具える機能的構成で示されている。
【図2】図2は、ハンドバッグで運ばれる環状構成の可搬形吊り具の斜視図である。
【図3】図3は、収納構成における可搬形吊り具の下面の斜視図である。
【図4】図4は、機能的構成における可搬形吊り具の斜視図である。
【図5】図5は、環状構成における可搬形吊り具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述の図面は、本発明、ハンドバッグ12のような物品をテーブル14から吊すための可搬形吊り具10を示す。もちろん、可搬形吊り具10は、コートや帽子、傘、買い物袋など、他の物品の支持にも好適であり、このような代替物は、主張する発明の範囲内と考慮されるべきである。
【0014】
図1は、本発明の好適な実施例による可搬形吊り具10の斜視図であり、可搬形吊り具10は、テーブル14上の基部20と、ハンドバッグ12を吊すためにフック46を形成する複数のリンク30とを具える機能的構成で示されている。図1に示すように、基部20は、上面22と、上面22の反対側のほぼ平坦な下面24と、上面22と下面24とを連結する周辺部26とを具える。図1に示すように、下面24(図3に最良に示す)は、テーブル14の上に乗って摩擦接触するように構成されている。我々は、テーブル14に可搬形吊り具10を吊すことを論じているが、テーブルという言葉は、本書では、ユーザがハンドバッグ12を吊すことを望みうる様々なほぼ平面を含むように規定される。
【0015】
図1の実施例において、基部20は、一般的にディスク形状であり、上面22は、装飾的な印28を具える。しかしながら、基部20は、任意の機能的な形状で、様々な装飾形状、印、及び特性を具えても良く、すべてのこのような代替的な形状及び構成は、本発明の範囲内であると考慮されるべきである。基部20は、高価ではない実施例のためにプラスチックや、より高価な実施例のために金属、及びより高価な実施例のための潜在的に貴金属を含む任意の好適な材料から作りうる。
【0016】
可搬形吊り具10は、さらに、連続して回転可能に互いに連結して第1のリンク34及び最後のリンク36を有する鎖32を形成している複数のリンク30を具える。第1のリンク34が基部20に対して、図1に示す第1の位置と、図3に示す第2の位置の間で回転可能であるように、旋回軸ピン40などの連結具40が基部20と複数のリンク30の第1のリンク34を回転可能に連結する。複数のリンク30は、旋回軸ピン40が第1の位置にあって、複数のリンク30が基部20の周辺部26にほぼ隣接して位置する図3に示す収納構成と、基部20がテーブル14に位置するとき、ハンドバッグ12がフック46につり下がるように旋回軸ピン40が第2の位置にあって、複数のリンク30がフックのような支持構造46を形成する、図1及び4に示す機能的構成との間で回転するように構成されている。
【0017】
複数のリンク30の最後のリンク36は、ハンドバッグ12と摩擦接触するように機能する凹状の内側面42を具える。好適な実施例において、複数のリンク30のほとんど又は全てが、凹状であるか、フック46を形成するために凹状の内側面44を具える。代替的な実施例において、リンク30は他の形状を有してもよい。
【0018】
図1に図示するように、好適な実施例において、可搬形吊り具10はさらに、複数のリンク30を収納構成で係止するための係止手段を具える。一実施例において、係止手段は、収納構成で複数のリンク30を磁気で係止する第1及び第2の磁石60、62を具える。一実施例において、第1の磁石60は、基部20の周辺部26に取り付けられ、第2の磁石62は、リンク30のうちの一つの凹状の内側面44などの複数のリンク30のうちの1つに取り付けられる。一実施例が図示されているが、他の実施例もまた、本発明の範囲内で考慮されるべきである。例えば、複数の磁石が、様々な機能的な位置で使用可能である。さらに、これまでのところ磁石が好ましいが、他の形式のスナップ、クリップ、摩擦ロック、もしくは他の特性又は係止機構が使用可能であり、このような代替物が係止手段の範囲内で考慮されるべきである。
【0019】
図2は、ハンドバッグ12で運ばれる環状構成の可搬形吊り具10の斜視図である。図4及び図5に図示されるように、可搬形吊り具10は、最後のリンク36を基部20に連結する手段を具えることが好ましい。連結手段は、最後のリンク36の終端部52から延在するピン50を具えることが好ましい。ピン50は、ボール端部54へ延在することが好ましい。この適用例のために、ピン50及びボール端部54は、本書では、下記のように機能する様々な形状の部材を具えるように規定される。最後のリンク36が基部20に取り外し可能に連結されるように、基部20及び複数のリンク30が互いにループを形成するように、及び可搬形吊り具10が環状構成で維持されるように、基部20、好ましくは基部20の周辺部26のボール受け部56が、ピン50を受けてボール端部54を係止して連結する形状の溝58を具える。
【0020】
図2に図示するように、可搬形吊り具10は、環状構成で装飾アクセサリとしてハンドバッグ12で運ばれる。また、開示した発明から外れることなく他の連結構造を使用することができ、本発明の範囲内で考慮されるべきである。連結手段は、代替的に、例えば、様々な形式のスナップ、係止部材、又は従来技術において既知の他の構造を具えても良い。
【0021】
図3は、収納構成における可搬形吊り具10の下面の斜視図である。基部20の下面24は、テーブル13に摩擦接触するように構成されている。下面24は、下面24とテーブル14の間の摩擦接触を強化するために、ゴムなどの滑り防止コーティング(図示せず)又は表面模様付の面を具えても良い。
【0022】
図4は、機能的構成での可搬形吊り具の斜視図である。図5は、環状構成での可搬形吊り具の斜視図である。
【0023】
上記記述において使用した用語は、上述の言葉、同様又は均等の言葉、及びその派生語を含む。さらに、単語「一の(a)」「一の(an)」「一つの(one)」は、一又はそれ以上の参照した道具を含むように、そうではないことが特に述べられていない限り規定される。言葉「有する」、「含む」、「具える」、及び同様の言葉は、「具える」ことを、そうではないことが特に述べられていない限り規定される。
【0024】
本発明は、少なくとも1の好適な実施例を参照して記述されているが、当業者によって本発明がこれに限定されないことが明瞭に理解されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下のクレームと合わせてのみ解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面に対して物品を吊り下げるための吊り具であって、
周辺部を有し、前記面と接触するように構成された基部と、
第1のリンクおよび最後のリンクを含む、互いに連結された複数のリンクと、
前記第1のリンクを前記基部と連結する連結部材とを備え、
前記連結部材は、その中心軸方向に、前記基部内に引っ込んだ位置と、前記基部の外周から引き出された位置との間で選択的に移動可能に設けられ、前記連結部材は、前記中心軸の周りに回動して、前記複数のリンクを、(i)前記基部への収納形態と、(ii)前記面に対して、前記複数のリンクのうちの少なくとも1つが前記物品を吊り下げる機能的形態との間で移動させる、吊り具。
【請求項2】
前記複数のリンクのうちの少なくとも2つが、互いに異なる長さの弓形を有する、請求項1に記載の吊り具。
【請求項3】
前記基部の周辺部が概ね円形であり、前記収納形態において、前記リンクのうちの1つが少なくとも概ね60度の角度にわたって前記基部の前記周辺部に当接する、請求項1に記載の吊り具。
【請求項4】
前記複数のリンクのうちの1つが、概ね180度未満の角度にわたって前記基部の前記周辺部に当接する、請求項3に記載の吊り具。
【請求項5】
前記基部が概ね平面状の底面を含み、前記中心軸が前記底面に概ね平行である、請求項1に記載の吊り具。
【請求項6】
前記収納形態において、前記リンクのうちの少なくとも1つを前記基部の前記周辺部に固定する固定手段をさらに備える、請求項1に記載の吊り具。
【請求項7】
環状形態を形成するために、前記基部の前記周辺部を通って少なくとも一部が基部内に延在する、連結のための手段をさらに備える、請求項1に記載の吊り具。
【請求項8】
前記複数のリンクが、前記収納形態において、前記基部の前記周辺部の少なくとも概ね50%に当接する、請求項1に記載の吊り具。
【請求項9】
前記複数のリンクが、前記収納形態において、前記基部の前記周辺部の概ね100%に当接する、請求項1に記載の吊り具。
【請求項10】
前記複数のリンクが互いに旋回可能に構成されている、請求項1に記載の吊り具。
【請求項11】
面に対して物品を吊り下げるための吊り具であって、
周辺部を有し、前記面と接触するように構成された基部と、
少なくとも鎖の一部を形成するように連続して互いに連結された3つのリンクと、
中心軸の周りに回転する連結部材とを備え、
前記連結部材は、前記中心軸の周りの回転により、(i)前記リンクのうちの少なくとも2つが、それぞれ前記基部の周辺部に概ね180度未満の角度にわたって当接する収納形態と、(ii)前記リンクのうちの少なくとも1つが前記物品を吊り下げる機能的形態との間で、前記リンクのうちの少なくとも1つを移動させ、前記連結部材は、前記中心軸の方向に、前記基部内に引っ込んだ位置と、前記基部の外周から引き出された位置との間で選択的に移動する、吊り具。
【請求項12】
前記リンクのうちの少なくとも2つが、互いに異なる長さの弓形を有する、請求項11に記載の吊り具。
【請求項13】
前記基部の前記周辺部が概ね円形であり、前記収納形態において、前記リンクのうちの1つが、概ね60度の角度にわたって前記基部の前記周辺部に当接する、請求項11に記載の吊り具。
【請求項14】
前記複数のリンクのそれぞれが、互いに概ね同じ曲率半径を有する、請求項11に記載の吊り具。
【請求項15】
前記基部が概ね平面状の底部表面を有し、前記中心軸が前記底部表面に概ね平行である、請求項11に記載の吊り具。
【請求項16】
前記収納形態において、前記基部の前記周辺部に前記リンクのうちの少なくとも1つを固定する固定手段をさらに備える、請求項11に記載の吊り具。
【請求項17】
環状形態を形成するために、前記基部の前記周辺部を通って少なくとも一部が基部内に延在する、連結のための手段をさらに備える、請求項11に記載の吊り具。
【請求項18】
前記リンクが、収納形態において前記基部の前記周辺部の概ね100%に当接する、請求項11に記載の吊り具。
【請求項19】
前記3つのリンクが互いに旋回可能に構成されている、請求項11に記載の吊り具。
【請求項20】
面に対して物品を吊り下げるための吊り具であって、
周辺部を有し、前記面と接触するように構成されるとともに、その周辺部が概ね円形であり、概ね平面の底面を含む基部と、
少なくとも鎖の一部を形成するように連続して互いに連結された3つのリンクと、
前記リンクのうちの一つを前記基部に連結する連結部材とを備え、
前記3つのリンクは、互いに旋回可能に構成され、前記リンクのうちの少なくとも2つが、互いに異なる長さの弓形を有し、
前記連結部材は、前記底面に概ね平行な中心軸の方向に、前記基部内に引っ込んだ位置と、前記基部の外周から引き出された位置との間で選択的に移動し、前記連結部材は、前記中心軸の周りの回転により、(i)前記リンクのうちの少なくとも1つが、前記基部の周辺部に、少なくとも概ね60度の角度にわたって当接する収納形態と、(ii)前記リンクのうちの少なくとも1つが前記物品を吊り下げる機能的形態との間で、前記リンクのうちの少なくとも1つを移動させる、吊り具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−31065(P2011−31065A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250996(P2010−250996)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【分割の表示】特願2009−524646(P2009−524646)の分割
【原出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【出願人】(509038865)リュクス リンク,エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】