説明

面状照明装置

【課題】薄型の構成を維持し、かつ、無効発光領域がなく、全面を均一に照射することができ、さらに、複数接続することにより、輝度ムラのない大型の照明装置を実現することのできる面状照明装置を提供する。
【解決手段】線状光源12から射出された光を拡散して光射出面から射出する導光板22と、導光板22の光射出面22aから射出した照明光を拡散させる拡散板24と、線状光源12からの光を反射する光反射面を有する反射部材28とを有する面状照明装置10において、端部にそれぞれ2箇所以上の屈曲部を持つ線状光源12の電極部を反射部材28の光反射面の裏面側に配置することにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から射出された光を拡散して光射出面から照明光を射出する導光板を有し、屋内外を照明する面状照明装置、もしくは液晶表示パネルや広告パネルや広告塔や看板などのバックライトとして用いられる面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置には、液晶パネル(LCD)の裏面側から光を照射し、液晶パネルを照明する面状照明装置(バックライトユニット)が用いられている。また、広告パネル広告塔の看板などにも同様の面状照明装置が用いられている。
【0003】
このような面状照明装置の一例としては、特許文献1に、導光板の周縁部に沿って形成された収納部内に管状光源を配置して、管状光源からの光源光を、光入射面から導光板の面方向へ導入する面光源装置が開示されている。このような面光源装置によれば、装置の有効発光領域を広げることができる。
【0004】
また、面状照明装置の他の一例としては、特許文献2に、冷陰極管の端部を90度曲げることにより、冷陰極管をその延在方向に並べて連結した際の、電極部における輝度ムラを押さえることのできるバックライト装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−294024号公報
【特許文献2】特開平11−53921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されている面光源装置においては、面光源装置の周縁部にフレームが備わっているため、導光板周縁部のフレームに覆われた部分は有効発光領域とはならず、有効発光領域が十分に広いとはいえない。また、管状光源の両端の端子部分は無光領域となってしまう。端子部分を有効表示領域の外に出すように光源の長さを調節する方法も考えられるが、その場合は、端子を収納するためのフレームの幅が大きくなるため、やはり有効発光領域が十分に広いとはいえない。
さらに、特許文献2に開示のバックライト装置では、冷陰極管の屈折部分を収納するスペースが必要となる。このスペースを確保するためには、装置の厚みを増加させるか、もしくはフレームの幅を広くする方法がとられているが、どちらの方法においても、十分な有効発光領域を有する薄型のバックライト装置を実現することはできない。
【0007】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、薄型の構成を維持しつつ、十分な有効発光領域を確保することのできる面状照明装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、面状照明装置を複数接続して、より大面積の発光領域を有する面状照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の面状照明装置は、両端に電極部を有する線状光源と、前記線状光源から射出された光を拡散して光射出面から射出する導光板と、前記導光板の前記光射出面から射出した照明光を拡散させる拡散板と、前記線状光源からの光を反射する光反射面を有する反射部材とを有し、前記線状光源は端部にそれぞれ少なくとも1箇所以上の屈曲部を持ち、前記線状光源の電極部は前記反射部材の光反射面の裏面側に配置されるものである。
また、両端に電極部を有する線状光源と、前記線状光源から射出された光を拡散して光射出面から射出する導光板と、前記導光板の前記光射出面から射出した照明光を拡散させる拡散板と、前記線状光源からの光を反射する光反射面を有する反射部材とを有し、前記線状光源は端部にそれぞれ少なくとも1箇所以上の屈曲部を持ち、前記線状光源の電極部が前記反射部材の光反射面の裏面側に配置されている面状照明ユニットを複数有し、前記面状照明ユニットは、前記線状光源の延在方向に複数接続され、隣接する側面同士を連結されるものである。
ここで、前記線状光源の屈曲部の形状としては、2箇所の直角な屈曲部、1箇所の直角以上の屈曲部、1箇所の円弧からなる屈曲部等、種々の形状が用い得る。
【0009】
さらに、本発明の面状照明装置は、前記導光板の前記光射出面側に配置された光透過率調整手段を有し、前記光透過率調整手段は、前記導光板の前記線状光源の屈曲部近傍部分における光の透過率が他の部分における光の透過率よりも低いことを特徴とする。前記光透過率調整手段は、前記導光板の前記光射出面に配置するシート状のものであるか、あるいは、前記導光板の前記光射出面に直接形成されているものであることが好ましい。
【0010】
また、本発明の面状照明装置においては、前記導光板は、矩形状の個別光射出面と、前記個別光射出面の反対側の面に前記線状光源を収納する1つ以上の平行溝とを備え、前記平行溝の延在方向に垂直な面において前記平行溝から離れるにしたがって前記個別光射出面に垂直な方向の厚みが薄くなる単位構造を、前記平行溝の延在方向に垂直な方向に1つ以上有し、前記線状光源から入射した光を拡散して前記光射出面から射出することが好ましい。
【0011】
さらに、前記線状光源の電極部は、前記導光板ユニットの前記傾斜背面と、隣接する導光板ユニットの前記傾斜背面とで形成される凹部に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明によれば、導光板の凹凸面により形成される間隙を利用することにより、薄型の構成を維持し、かつ、無効発光領域がなく、全面を均一に照射することのできる面状照明装置の実現が可能となる。さらに、この面状照明装置を複数連結することにより、輝度ムラのない大型の照明装置とすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の面状照明装置について説明する。
なお、以下の説明では、最初に本実施形態に係る面状照明装置の最小単位に相当する構成(面状照明装置ユニット)について説明し、その後に、この面状照明装置ユニットを組み合わせる構成について説明する。
図1は、本発明の面状照明装置の一実施形態を示し、光射出面側から見た外観を示す概略斜視図である。図2(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ図1に示す面状照明装置の正面図、底面図、側面図および背面図である。図3は、図1に示す面状照明装置の一実施形態の分解斜視図である。なお、これらの図も含め、以下の図においては、理解を容易にするため、面状照明装置の各部材の厚みの方向に拡大して示されている。
図1および図2(a)〜(d)に示すように、面状照明装置10は、複数の線状光源12を含み、矩形状の光射出面14aから均一な光を射出する照明装置本体14(面状照明ユニット)と、内部に照明装置本体14を収納し、光射出面14aの側(表面側)に矩形状の開口部16aが形成された筐体16と、筐体16の、光射出面14aと逆側(裏面側)に取り付けられ、複数の線状光源12をそれぞれ点灯するのに用いられる複数のインバータユニット18を収納するインバータ収納部20と、インバータ収納部20に収納される複数のインバータユニット18に接続され、それぞれ複数の線状光源12を点灯するための電源42(図9参照)とを有する。
【0014】
ここで、照明装置本体14は、矩形状の光射出面14aから均一な光を射出するためのものであって、図3、図4(a)および図5に示すように、両端に端子12aと、各2箇所の屈曲部12bおよび12cとを有する複数の線状光源12と、光射出面14aの側に矩形状の光射出面22aが形成され、その裏側に複数の線状光源12をそれぞれ収納する複数の平行溝22bが形成され、隣接する平行溝22bの間に光射出面22a側からその裏側に向かう厚みが薄い薄肉部22c(線状光源12の端部を収納する間隙48)が形成される導光板22と、導光板22の裏面22dに沿って配置される反射部材28と、反射部材28の下方に位置して、導光板22、線状光源12、および反射部材28を保持するベース30と、導光板22の上方に位置して、導光板22、線状光源12、反射部材28、およびベース30を覆う拡散板24とを備える。
ベース30の下方には、駆動装置40が、線状光源12と接続された状態で設置されており、さらに、駆動装置40に接続された状態で電源42が設置されている。
なお、照明装置本体14は、この他にも導光板22の光射出面22aから射出された均一な照明光をより均一にするための図示しない光学部材ユニットなどを備えていてもよい。
【0015】
線状光源12は、導光板22の複数の平行溝22b内に配置されている。なお、線状光源12は、シリコンリング26を装着した状態で配置されることにより、導光板22および反射部材28との間に適当な距離を保っている。
さらに線状光源12の両端の端子12a(電極部)は、駆動装置40から延設されるワイヤ34の先端部に接続されたキャップ36と接続されている。キャップ36は、その内部に導体を有しているため、キャップ36と端子12aとを半田付け、圧着等の公知の方法を用いて接続することにより、各端子12aはそれぞれ駆動装置40(インバータユニット18)と電気的に接続される。
【0016】
本発明に用いられる線状光源12は、面状に照明するために用いられる、線状、すなわち細径の棒状の冷陰極管(CCFL:図9参照)であり、前述のように、その一方の先端には、端子12aを有し、さらに端子12aから線状光源12の中心部に向かう位置に、90度に曲がる2箇所の屈曲部12bおよび12cを有する。また、他方の先端にも同様に、端子12a’、屈曲部12b’および12c’を有する。
線状光源12の屈曲部12cと屈曲部12c’との間からは、均一な輝度の光が射出される。つまり、輝度が安定せず、均一な光を射出することができない線状光源12の端部は、端子12aと屈曲部12c、および端子12a’と屈曲部12c’との間にあり、線状光源12の屈曲部12cと屈曲部12c’との間からは、均一な光が射出される。
また、ここでは、線状光源12として冷陰極管を用いたが、本発明はこれに限定されず、線状光源12としては、棒状光源(線状光源)であれば、どのようなものでもよく、冷陰極管(CCFL)の他、例えば、通常の蛍光管(熱陰極管;HCFL)、外部電極管(EEFL)等の光源を用いることができる。
【0017】
なお、線状光源12の詳細な配置(図3、図5、図6(a)および(b)参照)、複数の線状光源12の点灯および消灯を行うインバータユニット18、ならびに電源42(図9参照)については、後に詳述する。
【0018】
導光板22は、図4(a)に示すように、複数の単位導光板23から構成される。
単位導光板23は、透明樹脂により形成され、図4(b)に示すように、矩形状の個別光射出面23aと、その一辺に平行な厚肉部23bと、この厚肉部23bの両側に一辺に平行に形成される薄肉端部23cと、厚肉部23bから一辺に直交する方向に両側の薄肉端部23cに向かって肉厚が薄くなり、導光板22の裏面22dを構成し、曲面状の傾斜面23dを形成する傾斜背面部23eと、厚肉部23bに一辺に平行に形成される、線状光源12を収納するための平行溝22bとを有する。すなわち、単位導光板23は、1つの平行溝22bを備え、この平行溝22bに平行な方向には、導光板22の光射出面14aと同じ長さの個別光射出面23aを持つものである。
単位導光板23および導光板22の構造や材質については、本出願人の出願に係る特開2005−234397号公報の段落[0036]〜[0039]に開示されているものを適用することができる。
【0019】
なお、平行溝22bは、図示例の如く3角形状でも良いが、このほか、交差する2つの双曲線形状、U字状、放物線状などの輝度均一化効果のある形状であればどのようなものでも良く、本出願人の出願に係る特開2005−234397号公報の段落[0040]〜[0058]に開示されているものを適用することができる。
また、傾斜面23dは、図示例の如く、曲面から形成されていてもよく、また、個別光射出面23aに対する傾斜角度が一定の平面であっても良いし、傾斜角度が徐々に変化する複数の平面から構成されていても良いが、これらの曲面や平面は平行溝22bには平行である必要がある。
なお、平行溝22bおよび傾斜面23dの、平行溝22bと直交する断面のプロファイルは、特に制限的ではないが、個別光射出面23aから射出される照明光の輝度の均一性が高く、また、輝度の低下が少なければ、特に制限的ではないが、本出願人の出願に係る特願2004−325251号に開示されているものを適用することができる。
【0020】
単位導光板23は、平行溝22bに収納された線状光源12から射出された照明光を入射させ、厚肉部23bから薄肉端部23cに向かって個別光射出面23aに平行な方向に傾斜背面部23e内を伝播させた照明光、および裏面を構成する傾斜面23dに向かい、傾斜面23dおよびこれに沿って配置される反射部材28で反射された照明光を個別光射出面23aから均一な照明光として射出させる。
こうして、複数の単位導光板23が連結された導光板22の光射出面22aから均一な照明光が射出される。
導光板22は、図4(a)に示すように、平行溝22bと直交する方向に隣接する単位導光板23同士が各薄肉端部23cで連結された構造を有し、薄肉端部23cの連結部分が導光板22の薄肉部22cを形成する。この場合には、複数の単位導光板23の光射出面23aは、面一に連結され、導光板22では、均一な平面の光射出面22aが形成されることはいうまでもない。
また、導光板22は、図3に示すように、光射出面22aの、線状光源12の軸方向に直交する方向の両端の辺から、光射出面22aと90度の角度をなす、端面22eおよび22e’を形成している。つまり、導光板22の、線状光源12の軸方向に垂直な方向の断面は、コの字型となっている。
さらに、導光板22の傾斜面23dにおいて、線状光源12の屈曲部12cから12b、および12c’から12b’の部分に対向する部分(反射部材28の凹部28cに対向する部分)には、図4(b)に示すような、線状光源12を通すための、逃げ部23fが設けられている。
【0021】
導光板22の光射出面22a上には、網点パターンを有する網点シート25(光透過率調整手段)が配置されている。網点シート25は、透明フィルムの表面に輝度ムラに応じて配置される多数の網点を備えるものであり、その中心部では一様の網点パターンを有しているが、平行溝22bの延在方向の両端付近(両端部A)においては、他の部分よりも濃度を上げた網点パターンを有している。これにより光射出面22aからの射出光の輝度が適正に調整されている。この点については、後に詳述する。
網点シート25は、色材等により網点パターンを形成したもの等、公知の各種のものを用いればよい。また、本発明においては、網点シート25と同様の効果を実現することができるものであれば、網点シート25に限定されず、例えば、導光板22の表面を、上述の網点濃度に対応させて部分的に粗面化(マット化)するなど、公知の各種の方法を用いてよい。
【0022】
なお、導光板22は、図4(a)に示すように、複数の単位導光板23を連結した状態で一体成形した1枚の導光板連結体であっても良いが、低コスト化や歩留まりの向上や製造の容易性を考慮し、一体成形された複数の単位導光板23の導光板連結体を複数個連結して大面積の光射出面22aを持つ大型の導光板としても良い。この場合には、導光板連結体は、隣接する導光板連結体の単位導光板23の薄肉端部23c同士を連結して、平行溝22bと直交する方向に連結して、大型化し、光射出面22aを大面積化しても良いし、隣接する導光板連結体の薄肉端部23cと直交する端部同士を連結して、平行溝22bの長さ方向に連結して、大型化し、光射出面22aを大面積化しても良いし、これらを同時に行って、平行溝22bと平行な方向および直交する方向に連結して、さらに、大型化し、光射出面22aを大面積化しても良い。なお、このとき、複数の導光板連結体の均一な平面状の光射出面は、面一に連結され、導光板22では、均一な平面の光射出面22aが形成されるのはいうまでもない。この場合には、線状光源12は、導光板連結体を連結した導光板22の平行溝22bの長さを持つ線状光源とするのが好ましい。
なお、本実施例の導光板22は、一例として、5つの単位導光板23を、平行溝22bと直交する方向に連結した形で一体成形したものであり、1つの導光板22に5本の線状光源12が配置されている。図3に示す照明装置本体14では、この連結された導光板22を1枚用いる構成となっている。
【0023】
反射部材28は、線状光源12から射出された照明光の利用効率を向上させるためのものであり、湾曲部28aと平面部28bとを有し、導光板22の平行溝22bが形成される側に配置される。
湾曲部28aは、導光板22の傾斜面23dに沿って配置され、平面部28bは、平行溝22bを塞ぐように線状光源12の背面に配置されている。
つまり、反射部材28は、導光板22の各平行溝22bを塞ぐように配置され、反射部材28と導光板22とで線状光源12を挟みこむ形になっている。また、湾曲部28aと傾斜面23dとは、接している。
さらに、湾曲部28aは、その延在方向の両端部に、凹部28cを有する。
反射部材28は、導光板22の背面から漏洩する光を反射して、再び導光板22に入射させる。また、線状光源12の下面から光を反射して、導光板22の平行溝22bの側壁面から反射光を入射させる。
なお、図示例では、複数の単位導光板23を含む導光板22に対して一枚の反射部材28を設けているが、本発明はこれに限定されず、各単位導光板23毎に別々の反射部材を設けてもよい。
【0024】
ここで、本実施形態の照明装置本体14における各部材の配置について、図5、図6(a)および(b)を基に詳述する。
線状光源12は、反射部材28の表面(湾曲部28aの凸部側、導光板22に対向する面)上に、各平面部28bに沿って1本ずつ配置される。また、両端部の端子12aから屈曲部12bまでの部分は、反射部材28の裏面(湾曲部28aの凹部側、ベース30に対向する面)と、ベース30との間の間隙48内に収納される。
つまり、線状光源12の屈曲部12cから屈曲部12c’までの部分は、導光板22の平行溝22bと反射部材28の平面部28bとの間に収納され、屈曲部12cから屈曲部12bまでの部分は、反射部材28の凹部28cを通り、平行溝22bと反射部材28の裏面側に跨って収納され、屈曲部12bから端子12aまでの部分は、反射部材28の裏面側に収納される。
【0025】
この状態を、反射部材28の裏面側から見ると、図6(a)に示すように、線状光源12の屈曲部12cと屈曲部12bとの間の一部が凹部28cを通り、線状光源12の屈曲部12b近傍より先端の部分(端子12a側の部分)が、反射部材28の裏面に配置された状態となっている。また、反射部材28の表面側から見ると、図6(b)に示すように、線状光源12の中心部から屈曲部12cまでの部分は、反射部材28上に配置され、線状光源12の屈曲部12cと屈曲部12bとの間の一部が凹部28cを通り、端子12aおよび屈曲部12bは、反射部材28の裏面側に配置された状態となっている。
なお、端子12a’から屈曲部12c’までの部分についても、端子12aから屈曲部12cまでの部分と同様の配置となる。
導光板22は、前述のように、反射部材28の凹凸に沿って、反射部材28の表面側から、反射部材28と線状光源12とを覆うような形で配置され、ベース30上に設置される。
なお、線状光源12の屈曲部の形状は、上記実施形態に示した形状に限定されるものではなく、上述の2箇所の直角な屈曲部以外に、1箇所の円弧からなる屈曲部(図8(a)参照)、1箇所の直角以上の屈曲部(図8(b)参照)等、種々の形状を用いることができる。
【0026】
ここで、前述のように反射部材28上に線状光源12を配置し、点灯した場合、図7に示すように、線状光源12の屈曲部12bから屈曲部12cに向けて延在する部分が、わずかに反射部材28の表面上に配置されるため、導光板22側から見た場合の光源の面積が広くなり、屈曲部12b近傍の輝度が、他の部分と比べて高くなる。しかし、網点シート25の両端の斜線部Aで示す部分において、他の部分よりも網点濃度を高くすることにより、屈曲部12b近傍の輝度を他の部分の輝度に合わせて低下させ、輝度ムラを防ぐことができる。
また、斜線部Aにおいては、輝度が一様であれば、網点濃度は一様でなくてもよい。従って、屈曲部12b近傍のみにおいて、網点シート25の網点濃度を他の部分よりも高くする方法がより好ましい。
【0027】
ベース30は、導光板22と同様に、線状光源12の軸方向に直交する方向の両端の辺に、端面30aおよび30a’を形成している。つまり、ベース30の、線状光源12の軸方向に垂直な方向の断面は、コの字型となっている。さらに、ベース30の線状光源の軸方向の両端の辺に沿って、貫通穴32が形成されている。なお、本実施例では、線状光源12を5本有する構成であるため、貫通穴32は、両端に各5箇所設けられている。
ワイヤ(配線)34は、一端が駆動装置40と接続され、貫通穴32を通り、間隙48に達し、他端が有しているキャップ36が、間隙48内で、線状光源12の端子12aと接続される。
さらに、導光板22の光射出面22a側に、導光板22の、光射出面22a、端面22eおよび22e’を覆い、拡散板24が配置される。なお、拡散板24は、導光板22およびベース30と同様に、線状光源12の軸方向に垂直な方向の両端の辺に、端面24aおよび24a’を形成しており、拡散板24の、線状光源12の軸方向に垂直な方向の断面は、コの字型となっている。
【0028】
図5に、照明装置本体14における拡散板24、導光板22、線状光源12、反射部材28、およびベース30の配置を示す。このように配置された各部材は、拡散板24の端面24aおよび24a’、導光板22の端面22eおよび22e’、ならびにベース30の端面30aおよび30a’に貫通穴を設け、ボルト44およびナット46で固定されることにより、互いに接合され、照明装置本体14となる。
各部材の接合方法としては、この他にも、接着剤を用いる方法等種々の公知の方法を用いてもよい。
また、この時、照明装置本体14の下方は間隙となっており、駆動装置40をここに設置することができる。
照明装置本体14は、基本的に、以上のように構成される。
【0029】
次に、照明装置本体14の導光板22の平行溝22bに収納される複数の線状光源12の駆動装置について説明する。
図9(a)および(b)に示す駆動装置40は、複数のCCFLなどの線状光源12を駆動する、すなわち点灯および消灯を行い、面状照明装置10の照明の駆動を行うものであり、複数のCCFLなどの線状光源12にそれぞれ接続される複数のインバータユニット18と、この複数のインバータユニット18が接続される電源42とを備えるものである。なお、図9(b)には、インバータユニット18の詳細な構成を示すために、1本のCCFLなどの線状光源12を点灯するための駆動装置40としてそのブロック図が示されている。
電源42は、直流電圧、例えばDC24Vの直流電圧を出力する直流電源である。この直流電圧は、電源42に接続された複数のインバータユニット18の各々に供給される。
【0030】
インバータユニット18は、電源42から供給された直流電圧から所定電圧(例えば、650Vp−p)の所定周波数の1次側交流信号を生成する駆動回路18aと、線状光源12に接続され、駆動回路18aで生成された1次側交流信号をCCFL等の線状光源12を点灯させるために必要な高電圧の2次側交流信号(例えば、6500Vp−p、1000〜2400Vrms)に昇圧するトランス18bと、CCFL等の線状光源12に接続され、その管電流を検出する管電流検出回路18cと、管電流検出回路18cから出力される管電流がフィードバックされ、駆動回路18aにおいて1次側交流信号を生成するための所定周波数のクロック(基本波)をフィードバックされた管電流に応じて発振する電圧制御発振回路18dとを備える。
【0031】
本発明においては、線状光源12の駆動装置40をこのように構成することにより、効率よく、安定して、しかも安全に複数の線状光源12を同時かつ均一に点灯し、均一な輝度で発光させることができる。
なお、本発明においては、複数の線状光源12を同時に点灯しているが、インバータユニット18によって一部のみを点灯するようにしても良いし、これらを切り換えるようにしても良い。
線状光源の駆動装置および面状照明装置は、基本的に、以上のように構成される。
【0032】
このような照明装置本体14を有する面状照明装置10では、従来のように、線状光源の両端の端子部分における無効発光領域をなくし、光射出面14aの線状光源12の軸線方向の両端部までを有効発光領域とすることができる。また、その際には、線状光源12の屈曲部12bおよび12cを導光板22の間隙48に収納することにより、余分なスペースを必要とすることなく、薄型の構成を維持することができる。
また、網点シート25を設け、この網点シート25の光射出面14aの両端部Aの網点濃度を他の部分よりも高くすることで、光射出面14aの両端部の輝度が他の部分よりも高くなることを防止でき、より均一な光を射出する面状照明装置とすることができる。
【0033】
さらに、従来の装置では、光射出面の端部に生じる無効発光領域を筐体などにより覆い隠すため筐体の幅を大きく取っていたが、本実施形態の面状照明装置10においては、無効発光領域が存在しないため、光射出面14aの周辺を覆う筐体16の幅を、装置としての強度を確保する程度に抑えることができる。
また、上述した、照明装置本体14が筐体16内に設置される面状照明装置10は、照明装置本体14の裏側にインバータ収納部20を設け、複数のインバータユニット18を収納するものであったが、本発明の面状照明装置はこれに限定されず、図10に示す面状照明装置11のように、線状光源12と直交する側の筐体16の開口部16aの周辺部において、下部筐体50と上部筐体52との間に空間を設けてインバータ収納部20とし、複数のインバータユニット18を収納するようにしても良い。こうすることによっても、面状照明装置11の裏面、すなわち、筐体16の裏面を平坦にすることができ、天井や壁面への取り付けを容易にすることができる。
さらに、装置としての強度が十分であれば、照明装置本体14は筐体16を用いない構成であってもよい。その場合は、拡散板24は、照明装置本体14の光射出面14aに垂直な四方を全て覆うように、4つの端面を有する構成とするのが好ましい。
【0034】
以上、本実施形態に係る面状照明装置10の最小単位に相当する構成を説明したが、前述のように、本発明は、この照明装置本体14(面状照明装置ユニット)を複数組み合わせる構成においても極めて有効である。
すなわち、この照明装置本体14を線状光源12の軸線方向に複数連結して大型の面状照明装置とすることもできる。
【0035】
面状照明装置10を大型化する際には、複数の照明装置本体14の側面を互いに連結すればよく、さらに、連結された照明装置本体14を、図1および図2に示すような筐体16内に設置すればよい。
また、連結の際には、照明装置本体14を複数連結してもよいが、拡散板24、網点シート25、およびベース30については、照明装置本体14を連結して大型化した際の装置全体に相当する大きさのものを単数ずつ有する構成としてもよい。
さらに、装置の強度が十分であれば、筐体16を用いない構成としてもよい。
このような構成によれば、本実施形態の照明装置本体14では、線状光源12の軸線方向の両端部までが有効発光領域であるため、各照明装置本体14の連結部においても輝度ムラが生じることがなく、均一な照射が可能な面状照明装置を実現することができる。
【0036】
さらに、本発明の面状照明装置10は、線状光源12の軸線方向の大型化に加えて、図示例の照明装置本体14を軸線方向と直交する方向に接続(以下、並列接続とする)して、大型の面状照明装置とすることもできる。以下、並列接続を行う場合に好適に用い得る構成について説明する。
なお、以下の説明では、説明をわかりやすくするために、面状照明装置10を構成する照明装置本体14の構造を図12に示すような形に模式化する。
すなわち、以下の説明においては、照明装置本体14を、ベース30、反射部材28、電源42から駆動回路18aを介して図示されていないインバータユニットに接続される線状光源12、および導光板23(22)が、下方から順に積層された形態のものとしている。なお、図11、図12および図13においては、拡散板24、導光板22の側面部、およびベース30の側面部の図示は省略している。
【0037】
上述の照明装置本体14をそのままの形で並列に接続した場合(図13(b)参照)には、図13(a)に示すように、照明装置本体14の接続部分において、円Aで示すような輝度の低下が生じてしまう。これは、照明装置本体14の導光板端面(内面)において発生する光の反射が影響するものである。
【0038】
これに対して、図11(b)に示す本発明の一実施形態では、照明装置本体14の導光板23(22)を接続した際における互いに接する部分を、少なくともその一方について所定寸法だけ切り詰めた寸法としたものである。ここで、図11(b)中の寸法aは、照明装置本体14の導光板23(22)の基本構造における線状光源12の配置間隔を示している。他方、同寸法bは、導光板23(22)の端面部分の寸法を切り詰めた後における線状光源12の配置間隔を示しており、寸法bは、寸法aよりも短い。
【0039】
この寸法の切り詰め量は、以下に説明するように、上述の輝度の低下を補うに足りるように行うものである。
すなわち、照明装置本体14の導光板23(22)の接続部分において寸法を切り詰める際には、寸法を切り詰めた上で接続した場合に、接続部分において、前述のような内部での光の反射に基づく輝度の低下が生じても、それを埋め合わせるに十分なだけ輝度が向上するように行う。
【0040】
実際には、図11(b)中に円Bで示すように、接続部分において輝度が他の部分より若干上昇する方向(破線で示されている)になるように寸法を切り詰めた状態とし、この上昇分については、上述の輝度上昇のパターンに対応する拡散度パターンを有する拡散シート54を用いて分散させるようにして、全体として、輝度が均一化されるようにするのがよい。
拡散シート54としては、図3に示す導光板22と同様に、網点シートなど、公知の各種のものが利用可能である。また、導光板22の表面に、網点シートと同様の効果を得られるような加工を施してもよい。
【0041】
図11(b)に示す構成によれば、先行光源12の軸線方向と直交する方向に照明装置本体14を並列した場合にも、光射出面において輝度ムラがない、均一な輝度分布を有する大型の面状照明装置を提供することができる。
またさらに、接続部分における射出光の輝度の均一化については、上述した方法以外にも、前述の照明装置本体14の接続部分付近に別の発光体(線状光源、点光源等)を配置する方法、上記接続部分に近い線状光源のみ輝度を上げておく(光源形状の変更やワット数の上昇等による)方法、上記接続部分に近くの反射部材の反射効率を高めておく方法、さらには、導光板に付加される拡散板の拡散度を上記接続部分付近のみ低下させておく(すなわち、拡散板内の拡散粒子濃度を下げておく)方法等が有効である。
【0042】
よって、本発明の照明装置本体14に、さらに図11(b)に示す構成を加えることにより、線状光源の軸線方向およびこれと直交する方向に照明装置本体14を複数連結して、輝度ムラのない、大型の面状照明装置を提供することができる。
このような本発明によれば、面状照明装置の大型化に際して、面状照明装置の単位構造となる照明ユニットを複数接続して所望のサイズの面状照明装置を提供することにより、複数のサイズの面状照明装置を製造する必要がなく、低コスト化や歩留まりの向上や製造の容易性を図ることもできる。
【0043】
以上、本発明の面状照明装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施態様に限定はされず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【0044】
例えば、本発明に係る導光板を用いる面状照明装置において、導光板の形状は、例示したものに限定されるものではなく、上記線状光源に平行な方向における厚み変化の特性等は、特に限定されるものではない。
【0045】
また、上述の技術は、平面状の面状照明装置に適用が限定されるものではなく、曲面照明装置についても適用可能であることもいうまでもない。例えば、円柱に巻き付けるような照明装置(看板のバックライト等)にも好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の面状照明装置の一実施形態の光射出面側から見た外観を示す概略斜視図である。
【図2】(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ図1に示す面状照明装置の正面図、長手方向の側面図、短手方向の側面図および背面図である。
【図3】図1に示す面状照明装置の一実施形態の分解斜視図である。
【図4】(a)は、図3に示す面状照明装置に用いられる導光板の概略斜視図であり、(b)は、図3に示す面状照明装置本体の1つの単位導光板の断面形状を示す線図である。
【図5】図1に示す照明装置本体の一実施形態における断面を示す部分断面図である。
【図6】(a)は、線状光源および反射板の位置関係を反射板の裏面からみた模式図であり、(b)は、線状光源および反射板の位置関係を反射板の表面からみた模式図である。
【図7】線状光源および網点シートの網点濃度の位置関係を示す模式図である。
【図8】(a)および(b)は、線状光源の他の実施形態を示す模式図である。
【図9】(a)は、図2に示す面状照明装置に用いられる線状光源の駆動装置の一実施形態の配線図であり、(b)は、(a)に示す線状光源の駆動装置のブロック図である。
【図10】本発明の面状照明装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る面状照明装置を示すものであり、(a)は輝度分布を示すグラフ、(b)は概略構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る照明装置本体の基本構成を示す模式化された斜視図である。
【図13】図3に示した照明装置本体をそのまま接続した状況を示すものであり、(a)は輝度分布を示すグラフ、(b)は概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
10、11 面状照明装置
12 線状光源
12a 端子
12b、12c 屈曲部
14 照明装置本体
14a 光射出面
16 筐体
16a 開口部
18 インバータユニット
18a 駆動回路
18b トランス
18c 管電流検出回路
18d 電圧制御発振回路
20 インバータ収納部
22 導光板
22a 光射出面
22b 平行溝
22c 最薄部
22d 裏面
22e、24a、30a 端面
23 単位導光板
23a 個別光射出面
23b 厚肉部
23c 薄肉端部
23d 傾斜面
23e 傾斜背面部
23f 逃げ部
24 拡散板
25 網点シート
26 シリコンリング
28 反射部材
30 ベース
32 貫通穴
34 ワイヤ
36 キャップ
40 駆動装置
42 電源
44 ボルト
46 ナット
48 間隙
50 下部筐体
52 上部筐体
54 拡散シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に電極部を有する線状光源と、
前記線状光源から射出された光を拡散して光射出面から射出する導光板と、
前記導光板の前記光射出面から射出した照明光を拡散させる拡散板と、
前記線状光源からの光を反射する光反射面を有する反射部材とを有し、
前記線状光源は端部にそれぞれ少なくとも1箇所以上の屈曲部を持ち、
前記線状光源の電極部は前記反射部材の光反射面の裏面側に配置されていることを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
両端に電極部を有する線状光源と、
前記線状光源から射出された光を拡散して光射出面から射出する導光板と、
前記導光板の前記光射出面から射出した照明光を拡散させる拡散板と、
前記線状光源からの光を反射する光反射面を有する反射部材とを有し、
前記線状光源は端部にそれぞれ少なくとも1箇所以上の屈曲部を持ち、
前記線状光源の電極部が前記反射部材の光反射面の裏面側に配置されている面状照明ユニットを複数有し、
前記面状照明ユニットは、前記線状光源の延在方向に複数接続され、隣接する側面同士を連結されることを特徴とする面状照明装置。
【請求項3】
前記導光板の前記光射出面側に配置された光透過率調整手段を有し、
前記光透過率調整手段は、前記導光板の前記線状光源の屈曲部近傍部分における光の透過率が他の部分における光の透過率よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記光透過率調整手段は、前記導光板の前記光射出面に配置するシート状のものである請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記光透過率調整手段は、前記導光板の前記光射出面に直接形成されている請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記導光板は、
矩形状の個別光射出面と、
前記個別光射出面の反対側の面に前記線状光源を収納する1つ以上の平行溝とを備え、
前記平行溝の延在方向に垂直な面において前記平行溝から離れるにしたがって前記個別光射出面に垂直な方向の厚みが薄くなる単位構造を、前記平行溝の延在方向に垂直な方向に1つ以上有し、
前記線状光源から入射した光を拡散して前記光射出面から射出する請求項1〜5のいずれかに記載の面状照明装置。
【請求項7】
さらに、前記線状光源の電極部は、前記導光板ユニットの前記傾斜背面と、隣接する導光板ユニットの前記傾斜背面とで形成される凹部に配置される請求項6に記載の面状照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−213833(P2007−213833A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29463(P2006−29463)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】