説明

靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための方法及び装置

【解決手段】本発明は、靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための方法及び装置に関する。本方法は、製品(101) の製造を軸方向両端部の内の一方で終了することにある。そのため、製品(101) は編機(100) から拾われ、編機(100) に対して横方向に間隔を置いて設けられた縫製又はルーピングステーション(102) に配置された処理装置(60)に移される。拾いは、編機(100) の針(123) から処理装置(60)のスパイク(62)へと最終編成列のループを個別に移すことにより行なわれる。処理装置(60)は、2つの半環状要素(63a,63b) から構成された環状体を有しており、2つの半環状要素の内の一方が、直径軸(64)を中心として他方に対して反転可能である。次に、製品(101) は反転し、2つの半環状要素(63a,63b) の内の一方が、一方の半環状要素のスパイク(62)が別の半環状要素のスパイク(62)に面して並ぶように他方の半環状要素に対して反転する。一方の半環状要素のスパイク(62)に配置された編成ループは、別の半環状要素の各スパイクが編成ループ対を支持するように別の半環状要素のスパイク(62)に移される。次に、編成ループ対を縫製又はルーピングして結合し、処理装置と係合された製品の軸方向端部を閉じる。その後、製品(101) は処理装置(60)から解放されて外される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに、筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、例えば靴下類のような筒状ニット製品は、一般的に円形靴下編機によって製造されて、筒状ニット製品の軸方向端部が両方共開口した状態で円形靴下編機から外される。
【0003】
靴下類の製品の場合、製品を製造した編機から製品を外した後、つま先を閉じる必要があり、ミシン又はルーピング機によって行われる。
【0004】
このような動作は追加の編機の使用及び労力を必要とし、これは靴下類の製造コスト全体に著しい悪影響を及ぼすので、様々な技術が、靴下類の製品のつま先の自動的な閉じ、更に一般的には、靴下類等のための円形編機で製造された筒状ニット製品の軸方向端部の自動的な閉じを行うべく提案されている。
【0005】
今まで提案されてきた複数の技術は、2つの主なカテゴリーに分類され得る。第1のカテゴリーは、製品を製造する編機で製造の始め又は終わりに直接行われる閉じに基づいた技術を含んでいる。第2のカテゴリーは、製品を製造する編機から間隔を置いて特別に設けられた縫製又はルーピングステーションでの閉じに基づいた技術を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0942086号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
第1のカテゴリーは、閉じの動作に一定の時間が必要であり、その時間に編機が新たな製品を製造することができないので、編機の生産性が著しく制限されるという欠点を有する。
【0008】
例えば欧州特許出願公開第0942086号明細書に開示されている技術が属する第2のカテゴリーは、この問題を少なくとも部分的に回避することができる。この理由は、編機の潜在的な生産性が、製品を製造した編機から製品を外すために必要な時間に関してのみ不利であり、前記時間の後、先の製品が縫製又はルーピングされている間に、編機が新たな製品の生産を開始することが可能であるからである。
【0009】
しかしながら、編機からルーピングステーションへ製品を移すための動作は、非常に精密な動作を確実に行う必要がある複雑な装置の使用を必要とすることが多い。
【0010】
これらの装置を使用する際、製品を製造した編機の針から製品を拾う動作は、製品の移送時間全体に著しく悪影響を及ぼし、必要な精密さを必ずしも確保することができるとは限らないので、特に重要であると述べられている。
【0011】
本発明の目的は、編機の生産性に不利ではなく、高精度及び高信頼性を確保して、靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための方法及び装置を考案することにより、上記に述べた問題を解決することである。
【0012】
この意図の範囲内で、本発明は、編機が新たな筒状製品を製造するために必要な時間より短い時間で、又は長くても等しい時間で縫製又はルーピングを行うことにより、筒状製品の軸方向端部を閉じることが可能な装置及び方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、広範囲の靴下類等のための円形編機に取り付けられ得る装置を提供することを別の目的とする。
【0014】
本発明は、構造的に簡素であり、占有面積が低減されており、競争力のある価格で製造し得る装置を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この意図、並びにこれらの目的及び以下に明らかとなるその他の目的は、靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための方法であり、最終編成列の編成ループを形成した編機の複数の針のヘッドに前記編成ループを保持することにより、製品の編成が開始された軸方向端部の反対側の軸方向端部で最終編成列の形成まで製品を製造する初期工程を備えた前記方法において、
− 前記ヘッドの反対側でラッチの近くに設けられた各針の軸の領域に支持されたピックアップ部材により編成ループを個別に拾うための工程と、
− 形成された最終編成列の各編成ループを前記ピックアップ部材により保持して、製品を製造した編機から製品を外すための工程と、
− 縫製又はルーピングステーションで前記製品を位置決めするための工程と、
− 前記ピックアップ部材から、2つの半環状要素から構成されており、直径軸を中心として一方の半環状要素を他方の半環状要素に対して反転し得る環状の処理装置のスパイクへと編成ループを個別に移動させるための工程と、
− 前記処理装置によって保持された製品を反転させるための工程と、
− 前記直径軸を中心とした略180 度の円弧を通って前記処理装置の前記2つの半環状要素の内の1つを別の半環状要素に対して反転させることにより、前記最終編成列の半分の編成ループを前記最終編成列の別の半分の対応する編成ループに前記処理装置の同一のスパイクで夫々重ねるための工程と、
− 相互に重ねられた編成ループ対を縫製するか又はルーピングするための工程と、
− 前記処理装置から製品を外すための工程と
を更に備えていることを特徴とする方法により達成される。
【0016】
本発明に係る方法を行なうために、靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための装置であり、
− 前記編機の針と係合可能であり、前記針に保持された編成ループを個別に拾うべく適合されたピックアップ部材を支持する環状体を備えたピックアップ装置であり、前記環状体が前記編機のニードルシリンダの周りで同軸にある状態に前記ピックアップ装置が配置されるピックアップ位置から、前記環状体が前記編機に対して横方向に間隔を置いて設けられた縫製又はルーピングステーションにある状態に前記ピックアップ装置が配置されるリリース位置まで命令で移動可能な前記ピックアップ装置と、
− 前記縫製又はルーピングステーションに配置されて、2つの半環状要素から構成された環状体を備えた処理装置であり、前記半環状要素は、前記処理装置の環状体の軸と一致する軸を有する円柱面に沿って軸方向に設けられたスパイクを有しており、前記2つの半環状要素の内の一方の半環状要素は、対向して配置されて、スパイクを他方の半環状要素のスパイクと個別に並べて、前記処理装置の環状体の一方の半環状要素のスパイクから他方の半環状要素のスパイクへと編成ループを移動させるために、直径軸を中心として他方の半環状要素に対して反転可能である前記処理装置と、
− 前記縫製又はルーピングステーションに配置されて、保持された筒状製品を該製品の軸方向端部の内の一方で前記処理装置のスパイクによって反転させるために作動され得る筒状製品のための反転器と、
− 前記縫製又はルーピングステーションに配置されて、前記処理装置の環状体の前記半環状要素の同一のスパイクによって運ばれる編成ループ対を結合することにより前記製品の軸方向端部を閉じるために、前記処理装置の環状体の半環状要素のスパイクと相互に作用する縫製又はルーピング部材を備えた縫製又はルーピングヘッドと
を備えた前記装置において、
前記ピックアップ部材は、前記ピックアップ装置の環状体の軸に対して径方向に移動可能であり、
前記ピックアップ部材は夫々、前記ピックアップ装置が前記ピックアップ位置にあるとき、前記編機の針の軸の領域と係合可能であり、
前記針の軸の前記領域は、ヘッドの反対側でラッチの近くに設けられており、
前記ピックアップ部材は夫々、前記ピックアップ装置が前記リリース位置にあるとき、前記処理装置のスパイクと係合可能であることを特徴とする装置を使用することが好ましい。
【0017】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面に非限定例として例証された本発明に係る方法及び該方法を行うための装置の好ましい、しかし限定するものではない実施形態の説明によって更に明瞭となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】筒状ニット製品を製造した円形編機から筒状ニット製品を拾い外すための工程を示しており、ピックアップ装置及び円形編機が軸方向断面で部分的にのみ示されている概略図である。
【図2】筒状ニット製品を製造した円形編機から筒状ニット製品を拾い外すための工程を示しており、ピックアップ装置及び円形編機が軸方向断面で部分的にのみ示されている概略図である。
【図3】筒状ニット製品を製造した円形編機から筒状ニット製品を拾い外すための工程を示しており、ピックアップ装置及び円形編機が軸方向断面で部分的にのみ示されている概略図である。
【図4】筒状ニット製品を製造した円形編機から筒状ニット製品を拾い外すための工程を示しており、ピックアップ装置及び円形編機が軸方向断面で部分的にのみ示されている概略図である。
【図5】筒状ニット製品を製造した円形編機から筒状ニット製品を拾い外すための工程を示しており、ピックアップ装置及び円形編機が軸方向断面で部分的にのみ示されている概略図である。
【図6】軸方向断面で示されている処理装置及び反転器が配置されている縫製又はルーピングステーションで筒状ニット製品を位置決めするための工程を示す概略図である。
【図6a】図6を詳細に示す拡大図である。
【図7】ピックアップ装置のピックアップ部材から処理装置のスパイクへと編成ループを個別に移動させるための工程を示しており、処理装置及び反転器を軸方向断面に示して、図6に示されている要素を詳細に示す拡大略図である。
【図7a】図7を詳細に示す拡大図である。
【図8】ピックアップ装置のピックアップ部材から処理装置のスパイクへと編成ループを個別に移動させるための工程を示しており、処理装置及び反転器を軸方向断面に示して、図6に示されている要素を詳細に示す拡大略図である。
【図8a】図8を詳細に示す拡大図である。
【図9】図6と同様の図であり、処理装置によって保持された製品を反転するための工程を示す断面略図である。
【図10】図6と同様の図であり、処理装置によって保持された製品を反転するための工程を示す断面略図である。
【図11】図6と同様の図であり、処理装置によって保持された製品を反転するための工程を示す断面略図である。
【図12】図6と同様の図であり、処理装置の環状体を構成する2つの半環状要素の内の一方の半環状要素を他方の半環状要素に対して略180 度の円弧を通って裏返すことにより、製品の最終編成列の半分の編成ループを最終編成列の別の半分の対応する編成ループに処理装置の同一のスパイクで夫々重ねるための工程と、相互に重ねられた編成ループ対を縫製するか又はルーピングするための工程とを示す断面略図である。
【図12a】図12を詳細に示す拡大図である。
【図13】単純化及び更なる明瞭化のために複数の要素を省略して、図12a を線XIII−XIIIを通る面に沿って示す断面略図である。
【図14】図12a と同様の図であり、製品を処理装置から外すための工程を示す断面図である。
【図15】単純化及び更なる明瞭化のために複数の要素を省略して、図14を線XV−XVを通る面に沿って示す断面略図である。
【図16】図6と同様の図であり、装置から離れる方向に製品を移動させるための工程を示す断面略図である。
【図17】図6と同様の図であり、図6に示された状態への装置の戻りを示す断面略図である。
【図18】本発明に係る装置を示す平面略図である。
【図19】ピックアップ装置が靴下類等のための編機の上方に上昇された位置で、図18を線XIX −XIX を通る面に沿って示す断面略図である。
【図19a】ピックアップ装置に関連して図19を詳細に示す拡大図である。
【図20】図19に示された位置のピックアップ装置を示す平面略図である。
【図20a】図20を詳細に示す拡大図である。
【図21】ピックアップ装置が靴下類等のための編機上に下降した状態を図19a と同様に詳細に示す図である。
【図22】図21に示された位置のピックアップ装置を示す平面略図である。
【図22a】図22を詳細に示す拡大図である。
【図23】針の軸に支えられたピックアップ部材を示す拡大側面図である。
【図24】針からピックアップ部材へと編成ループが移動する間、針の軸に係合されたピックアップ部材を示す拡大側面図である。
【図25】横断面で示された針の軸と係合されたピックアップ部材を示す平面図である。
【図26】反転器の下部分を、軸が垂直である状態で示す軸方向断面略図である。
【図27】靴下類等のための編機に向かって傾けられた反転器の下部分を示す軸方向断面略図である。
【図28】反転器の上部分を示す軸方向断面略図である。
【図29】図28を線XXIX−XXIXに沿って示す拡大断面図である。
【図30】図29を線XXX −XXX を通る面に沿って示す断面図である。
【図31】図6の断面に対して直角である垂直面に沿って処理装置を示す軸方向断面図である。
【図32】単純化及び更なる明瞭化のために複数の要素を省略して、処理装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照すると、靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための、参照番号1 によって通常示されている装置は、実質上、製品101 を製造するために使用される編機100 から編機100 に対して横方向に間隔を置いて配置された縫製又はルーピングステーション102 まで移動可能なピックアップ装置10と、処理装置60と、反転装置又は反転器130 と、縫製又はルーピングステーション102 に配置された縫製又はルーピングヘッド170 とを備えている。
【0020】
参照番号100 によって通常示されており、製品101 を製造するために使用される靴下類等のための円形編機は、シングルシリンダ円形編機によって構成されることが好ましく、シングルシリンダ円形編機は、それ自体公知の方法でニードルシリンダ121 を有しており、ニードルシリンダ121 の軸121aが垂直に設けられている。複数の軸スロット122 がニードルシリンダ121 の側面に形成されており、各軸スロット122 は、編地を形成すべく対応する軸スロット122 に沿って往復移動で作動され得る針123 を収容する。
【0021】
ニードルシリンダ121 内に、ニードルシリンダ121 と同軸である吸込管124 がそれ自体公知の方法で設けられている。この吸込管124 は、上端部が開口したゴブレットの形状を有しており、ニードルシリンダ121 の上端部から吸込管124 の拡張部分の一部が突出し得るように、ニードルシリンダ121 に対して軸121aに沿って移動可能である。
【0022】
針123 は、例えば単純化のために図示されておらずニードルシリンダ121 の周りに配置されたカムによりそれ自体公知の方法で作動される。前記カムに対するニードルシリンダ121 の自軸121aを中心とした回転により、カムは、ニードルシリンダ121 の側面から径方向に突出する針123 のヒール123aと係合可能である。編機100 は、実質上公知であるタイプの編機であり、単純化のために更に説明されていない。
【0023】
図18乃至22に通常示されているピックアップ装置10は環状体11を含んでおり、環状体11は、自軸11a が垂直であるように配置されて、アーム12の端部に固定されている。アーム12は、水平に配置されて、反対側の端部によって垂直軸13a を有するスリーブ13に接続されている。スリーブ13は、中空軸14の周りに同軸に嵌合されて、自軸13a を中心として回転可能に中空軸14にジョイント接続されている。中空軸14は、中空軸14がスリーブの軸13a を中心として回転可能であるように支持構造15によって支持されており、支持構造15は、編機100 の支持構造によって適切に構成され得るか、又は、編機100 の支持構造と任意に関連付けられ得る独立した支持構造によって構成され得る。
【0024】
歯車16が、中空軸14に固定されており、はすば歯車18に同軸にジョイント接続された歯車17と噛合する。はすば歯車18はウォームギヤ19に連結されており、ウォームギヤ19は、支持構造15に支持された電動機20の出力軸に固定されている。
【0025】
実質上電動機20の作動により、アーム12は、アーム12のための垂直作動軸を構成する軸13a を中心として支持構造15に対して回転する。それにより、以下に更に明らかになるように、環状体11が編機100 のニードルシリンダ121 と同軸である状態でピックアップ装置10が配置されるピックアップ位置から、環状体11が縫製又はルーピングステーション102 にある状態でピックアップ装置10が配置されるリリース位置まで、又はその逆方向も同様にピックアップ装置10が移動される。
【0026】
アーム12の回転は、上記に述べられたピックアップ位置とリリース位置との間にあるスタンバイ位置又は中間位置で停止され得ることが好ましい。
【0027】
電動機20の作動によりピックアップ装置10に想定され得る3箇所の位置は、歯車17及びはすば歯車18を支持するブロックに設けられた基準点を検出する3つのセンサ21,22,23によって制御される。
【0028】
スリーブ13は、該スリーブ13に接続されたアーム12と共に、中空軸14に対して軸13a に沿って命令で移動可能である。更に具体的には、スリーブ13は、垂直軸を有する雌ねじ24と接続されており、ねじ軸25が、雌ねじ24と係合して、電動機27の出力軸と継手26によって接続されており、電動機27は、中空軸14に固定されたブロックにより支持されている。
【0029】
このようにして、電動機27の作動により、軸13a を中心としたアーム12の任意の角度位置でアーム12が上昇又は下降する。
【0030】
ピックアップ装置10の環状体11は複数のラジアルスロット28を有しており、各ラジアルスロット28内に、ピックアップ部材29が摺動可能に収容されている。
【0031】
各ピックアップ部材29は、図23乃至25に特に示されているように、環状体11の軸11a に対して径方向である面に配置された薄板体を有する。軸11a に向いた各ピックアップ部材29の端部29a が座部30を有しており、座部30は、軸11a に向いた方向及び該軸11a と平行な方向の両方で、つまり上下に開口している。この座部30は、ピックアップ装置10がピックアップ位置にあるとき、ピックアップ部材29が面する針123 の軸123bと係合され得る。
【0032】
更に具体的には、ピックアップ装置10の環状体11は、編機100 の針123 の数と一致する数のピックアップ部材29を運び、前記ピックアップ部材29は、ニードルシリンダ121 の軸121aを中心とした角度間隔に相当して編機100 の針123 間に存在するように、環状体11の軸11a を中心とした角度間隔を置いて設けられている。更に環状体11は、垂直軸を有するセンタリングピン31を周囲領域に支えており、該センタリングピン31は、電動機27によって作動され得るアーム12の下降によって、単純化のために図示されておらずニードルシリンダ121 の横方向に編機100 の支持構造内に設けられた対応するセンタリング座部に挿入され得る。センタリングピン31と対応するセンタリング座部との係合により、編機100 のニードルシリンダ121 に対して環状体11及びピックアップ部材29の正確な位置決めが確保される。現在の靴下類等のための円形編機に通常適切に設けられている制御部材が、編機の支持構造に対するニードルシリンダ121 の自軸121aを中心とした正確な角度位置の決定を可能にし、従って、必要なとき対応するピックアップ部材29の座部30と径方向に並んだ編機の各針123 の位置決定を可能にする。
【0033】
センタリングピン31は、アーム12を上昇させることにより対応するセンタリング座部から外されることが可能であり、軸13a を中心としたアーム12の回転を可能にする。
【0034】
各ピックアップ部材29は、その側部の内の一方で対応するラジアルスロット28の底面に支えられて、ラジアルスロット28から軸11a に向かって座部30が画定されたその端部29a で突出する。尚、例示された実施形態のように、座部30は相互に対向する2枚の壁により横方向に画定され得るが、1枚の壁によって一側にのみ画定されてよい。
【0035】
例示された実施形態では、各ピックアップ部材29の端部29a は、上向きに開口したフックのような形状を有しており、座部30はフックの後部に形成されている。
【0036】
各ピックアップ部材29の端部29a の反対側にある端部29b は、軸11a と平行に延びるヒールのような形状を有しており、軸11a に向いた肩部32を形成するように環状体11の対応するラジアルスロット28から上向きに突出する。弾性手段が、軸11a から離れる方向を向いたこのヒールの側面に対して作用し、ピックアップ部材29を軸11a に向かって押圧する。前記弾性手段は環状のコイルばね33によって構成されており、コイルばね33の軸は軸11a と一致しており、コイルばね33はピックアップ部材29の周りに配置されている。
【0037】
ラジアル押出器34が、環状体11に配置されており、コイルばね33の作用とは対照的に、ピックアップ部材29を軸11a から離れる方向に摺動するように命令により肩部32に作用する。
【0038】
更に具体的には、環状体11は、軸11a に同心的に配置された固定環状板35によって上方領域で閉じられている。環状体11内には、5つのラジアル押出器34が配置されて、環状扇形のような形状を有しており、ピックアップ部材29の肩部32に面する。これらラジアル押出器34は夫々、相互に間隔を置いて軸11a と平行に配置された2本のピン36に固定されている。これらのピン36は、固定環状板35に形成された第1のスロット37に摺動して交差する。同一のラジアル押出器34のピンが係合する第1のスロット37の対は、互いに平行であり、対応するラジアル押出器34を軸11a に向かう方向及び軸11a から離れる方向に移動させるように配置されている。可動板38が、固定環状板35の上方に配置されており、同様に環状であり、軸11a と同心的に配置されて、可動板38が環状体11によって同一の軸11a を中心として回転可能であるように支持されている。この可動板38は第2のスロット39によって横切られており、第2のスロット39はピン36毎に設けられており、ピン36によって夫々摺動して交差される。第2のスロット39は第1のスロット37に対して傾けられており、このため、環状体11及び固定環状板35に対する軸11a を中心とした可動板38の回転が、軸11a に向かう方向又は軸11a から離れる方向へのラジアル押出器34の移動を引き起こす。
【0039】
可動板38は、複動流体作動シリンダ40のピストンの軸に接続されており、複動流体作動シリンダ40は、アーム12に取り付けられており、可動板38を環状体11に対して軸11a を中心として回転させるべく作動され得る。
【0040】
実際には、複動流体作動シリンダ40の作動により、可動板38が環状体11に対して軸11a を中心として一方向に回転されて、コイルばね33の作用とは対照的に、特に図20,20aに示されているように、ラジアル押出器34を、従ってピックアップ部材29を軸11a から離れる方向に離隔させる。又は複動流体作動シリンダ40の作動により、可動板38が環状体11に対して軸11a を中心として反対方向に回転されて、ラジアル押出器34を軸11a に接近させて、特に図22,22aに示されているように、コイルばね33の作用によりピックアップ部材29を前記軸11a に向けて移動させる。ピックアップ部材29の軸11a に向かうストロークは、肩部32の反対側に設けられた肩部41によって構成されたピックアップ部材29のストロークを画定する手段によって画定されており、肩部41は、環状体11内に形成されているか、又はラジアル押出器34自体により形成されている。
【0041】
尚、各ピックアップ部材29は、コイルばね33の作用により対応する針123 の軸123bと係合する。このため、対応する針123 の実際の径方向位置までの軸11a に向けた方向への各ピックアップ部材29のストロークがある種適合される。実際には、ピックアップ部材29の特定の作動により、針123 の不正確な径方向の位置決めが回避され得るので、各ピックアップ部材29の対応する針123 との係合がそれほど重大ではなくなり、いかなる場合でも各ピックアップ部材29の対応する針123 との正確な係合が確保される。また、ピックアップ部材29の特定の作動により、ピックアップ装置10の軸方向の占有面積が全体として十分抑制され得ることに加えて、更に、同数の針を有するが、該針は直径が僅かに異なる円柱面に応じて配置されている編機と同一のピックアップ装置10が使用され得る。
【0042】
ピックアップ装置10は押え器42を更に含んでおり、押え器42は、複数の歯が押え器42の垂直な軸42a の周りに配置されている櫛状の周縁外形を有する円形状である。
【0043】
押え器42は、対応するアーム43の端部に接続されており、アーム43は、例示された実施形態ではアーム12の上方に配置されている。アーム43は、対応するスリーブ44に反対側の端部で接続されており、スリーブ44は、スリーブ13に形成された円柱状座部45内で軸13a を中心とした回転と前記軸13a に沿った摺動とを可能にするように、スリーブ13と同軸に連結されている。
【0044】
アーム43は、円柱46の上端部に支えられており、円柱46は、垂直軸を有して、軸13a の周りに配置されており、スリーブ13の対応する座部47内で軸方向に摺動可能であるように収容されている。アーム43は、軸受48により円柱46上に支えられており、軸受48の軸は、アーム12に対するアーム43の軸13a を中心とした回転中、円柱46上でのアーム43の摺動を低減するように軸13a と一致している。
【0045】
円柱46は、円柱46と対応する座部47との間に介在されたばね49によって、アーム43に向かって、従って例示された実施形態では上向きに押圧される。
【0046】
スリーブ13は流体作動シリンダ50を支持しており、流体作動シリンダ50は、垂直軸を有して、ピストンの軸をスリーブ44に支えられている。実際には、流体作動シリンダ50は、軸13a を中心とした回転、及び前記軸13a に沿った並進移動のためにスリーブ13に接続されており、ばね49の作用とは対照的に、スリーブ44の例示された実施形態では下向きの並進移動、従ってアーム43のアーム12に対する軸13a に沿った並進移動をもたらすために作動され得る。
【0047】
アーム43は、アーム12の方を向いた側にピン51を備えており、ピン51は、垂直軸を有しており、アーム12に対するアーム43の軸13a に沿った並進移動によって、垂直軸を有してアーム12に形成された座部52に挿入され得るか又は前記座部52から引き出され得る。
【0048】
ピン51と座部52との係合により、押え器42の環状体11に対する同軸配置が確保されて、同時に、軸13a を中心として回転可能にアーム12及びアーム43が、従って押え器42と環状体11とが互いに接続される。
【0049】
座部52の入口が、アーム43を向いたアーム12の面に形成されたスロット53の底部であり閉じた端部に形成されている。このスロット53は、軸13a を中心とした円形状の扇形のような形状を有しており、座部52によって占められた端部の反対側にある端部で開口している。アーム43のアーム12の上方での離隔が最大である状態では、ピン51の下端部は、例えば図19及び19a に示されているように、座部52から外れているがスロット53と係合可能であるようなレベルにある。このようにして、アーム43のアーム12の上方での離隔が最大である状態では、以下で更に明らかになるように、ピン51がスロット53の開口端部から突出するので、アーム12は、支持構造15に対して軸13a を中心として回転可能であり、アーム43から一方向に外れる一方、反対方向の回転では、ピン51がスロット53の同一の開口端部に入り該開口端部と係合するので、アーム12はアーム43と係合する。
【0050】
特に、押え器42が環状体11と同軸である位置にあるとき、押え器42は、流体作動シリンダ50の作動により、例えば図19及び19a に示されているように、押え器42が環状体11から上向きに間隔を置いて配置されている上昇位置から、例えば図3乃至5に示されているように、押え器42がピックアップ部材29間に周縁外形状の歯で入り込む下降位置まで移動可能である。
【0051】
支持台54が、軸13a を中心としたアーム43の回転中にアーム43がたどる経路に沿って配置されており、上昇位置であり、編機100 と縫製又はルーピングステーション102 との間のアーム12の略中間位置に相当する位置でアーム43の回転を停止して、アーム43が縫製又はルーピングステーション102 でアーム12に追随するのを防止する。逆に、アーム12が縫製又はルーピングステーション102から編機100まで軸13a を中心として回転し、アーム43が既に置き去りにされている中間位置に達するとき、ピン51はスロット53に入り、ピン51の端部で、つまり、ピン51が座部52と同軸であるとき、ピン51によりアーム43が編機100 に向かう回転に伴われる。
【0052】
処理装置60は、縫製又はルーピングステーション102 に配置されて、環状体61を備えている。該環状体61は、環状体61の軸すなわち主軸61a が垂直であるように配置されている。環状体61は下面に複数のスパイク62を備えており、スパイク62は、軸61a と一致する軸を有する仮想円柱面に沿って配置されており、前記軸61a と平行に延びている。スパイク62は、軸61a を中心として均一に相互に角度間隔を置いて設けられており、該角度間隔は、ピックアップ装置10のピックアップ部材29間の間隔に相当する。実際には、各ピックアップ部材29は処理装置60のスパイク62と組み合わされており、ピックアップ装置10が縫製又はルーピングステーション102 に配置されているとき、ピックアップ部材29がスパイク62の環の周りに配置されて、各ピックアップ部材29がスパイク62と径方向に並んでいる状態でピックアップ装置10の環状体11は処理装置60の環状体61と同軸である位置に設けられている。
【0053】
軸11a を向いて編機100 の針と係合され得る各ピックアップ部材29の端部に設けられた座部30は、環状体11の軸方向の移動とスパイク62に対するピックアップ部材29の径方向の移動とにより同様にスパイク62に係合され得る。
【0054】
環状体61は、直径軸64を中心として相互に回転される2つの半環状要素63a,63b から構成されている。半環状要素63b によって構成されている2つの半環状要素の一方は、半環状要素63b の各スパイク62が半環状要素63a の対応するスパイク62に面するように、直径軸64を中心として他方の半環状要素63a に対して命令で反転され得る。好ましくは、2つの半環状要素63a,63b が共面位置にあるとき、スパイク62の先端は下方に向いており、半環状要素63b は、半環状要素63a に下方領域で面するように直径軸64を中心として反転され得る。
【0055】
更に具体的には、環状体61は、中空円筒65の周りに同軸に接続されており、中空円筒65は、垂直軸を有しており、中空円筒65が軸61a と一致する自軸を中心として支持構造66によって回転され得るように支持されており、支持構造66は、支持構造15の一部又は独立した支持構造であり得る。半環状要素63a は中空円筒65の外側側面に固定されている一方、半環状要素63b は、図31に特に示されているように直径軸64の周りに中空円筒65に蝶番で取り付けられている。
【0056】
中空円筒65は、歯車67に同軸に固定されており、歯車67は、電動機69の軸に固定された別の歯車68と噛合し、電動機69は支持構造66に支持されている。電動機69の作動は、中空円筒65の自軸を中心とした回転、従って支持構造66に対する前記軸61a を中心とした環状体61の回転を引き起こす。
【0057】
図31及び32に示されているような直径軸64を中心とした半環状要素63b の反転は、ブロック71に取り付けられた複動油圧作動シリンダ70によって作動されて、ブロック71は支持構造66の一部に支持されている。複動油圧作動シリンダ70は、そのピストンの軸によってラック72に接続されており、ラック72は、軸74に接続された歯状部分73と噛合しており、軸74は、環状体61及び中空円筒65の軸61a に直角な自軸74a を中心としてブロック71に対して回転可能である。軸74はアーム75に固定されており、アーム75は、軸74a に平行であり軸74a に対して間隔を置いて設けられて、半環状要素63b の一部と係合し得る部分を有する。ラック72及び歯状部分73によるいずれかの方向への複動油圧作動シリンダ70の作動により、軸74の一方向又は反対方向への回転、従って、半環状要素63b が半環状要素63a に対して共面である位置から半環状要素63b が半環状要素63a の下方に反転する位置まで、又はその逆方向への半環状要素63b の移動が引き起こされる。
【0058】
好都合なことに、軸74は、流体作動シリンダ76の作動によりブロック71に対して自軸74a に沿って命令で移動可能であり、流体作動シリンダ76は、ブロック71に取り付けられており、半環状要素63b に対してアーム75を係合させるか又は外すように、軸受77を介して自身のピストンで軸74に作用する。
【0059】
尚、半環状要素63a に対して共面位置で半環状要素63b を固定するための手段が設けられている。図示されているように、前記手段はピン90によって構成されることが可能であり、ピン90は、支持構造66により支持されており、半環状要素63b に形成された座部93から外すために、戻しばね92とは対照的に、支持構造66に本体により接続された流体作動シリンダ91により、軸61a から離れる方向に移動可能である。実際には、戻しばね92の作用により、ピン90と座部93との係合、従って、半環状要素63a に対して共面である位置での半環状要素63b の支持が確保される。半環状要素63b を反転させる必要があるとき、ピン90は、流体作動シリンダ91の作動により座部93から予め外されている。
【0060】
好都合なことに、第1のアキシアル押出器80が設けられており、第1のアキシアル押出器80は、前記装置が縫製又はルーピングステーション102 に配置されているときピックアップ装置10のピックアップ部材29と相互に作用し、ピックアップ部材29からスパイク62へと編成ループを個別に移動させるように処理装置60のスパイク62と相互に作用する。
【0061】
更に、第2のアキシアル押出手段81が設けられており、以下に明らかとなるように、半環状要素63b が半環状要素63a の下方に反転するとき半環状要素63a のスパイク62から半環状要素63b のスパイク62へと編成ループを移動させるため、或いは、縫製又はルーピング動作後に半環状要素63b のスパイク62から製品を外すために、第2のアキシアル押出手段81は処理装置60のスパイク62と相互に作用する。
【0062】
反転器130 は、縫製又はルーピングステーション102 に配置されて、下部分131 及び上部分132 から構成されている。下部分131 及び上部分132 は、処理装置60の環状体61の軸61a 又は中空円筒65の軸と一致する垂直主軸に沿って互いに同軸に配置されることが可能であり、処理装置60の環状体61は、反転器130 の下部分131と上部分132 との間に配置されている。
【0063】
反転器130 は管状体137 を含んでおり、管状体137 は、以下に更に明らかになるように、スパイク62から吊るされた製品101 を裏返すために下から処理装置60の環状体61を通って上向きに挿入されて、管状体137 の外側側面へと製品101 を裏返す又は反転させることが可能である。
【0064】
反転器130 の下部分131 は、管状体137 を支持するための下部支持手段と、前記管状体137 を軸61a に沿って作動するための下部作動手段とを備えている。該下部作動手段により、管状体137 は、管状体137 の軸方向上端部が処理装置60の環状体61と下方領域で面する下降位置から、前記軸方向上端部が処理装置60の環状体61の上方にあり、管状体137 の軸方向下端部が処理装置60の環状体61の近くにある状態で管状体137 が配置される上昇位置まで処理装置60の環状体61を通過する。
【0065】
更に詳細には、管状体137 の下部支持手段は、特に図26及び27に示されているように下部支持構造133 を含んでおり、下部支持構造133 は、支持構造15の一部又は独立した支持構造であり得る。下部支持構造133 は、水平軸134aを中心として回転可能であるようにフレーム134 を支持している。脚部135 がフレーム134 に固定されており、中空の下部案内筒136 が前記脚部135 にジョイント接続されている。下部案内筒136 は下端部で脚部135 に固定されており、水平軸134aは、下部案内筒136 の軸方向拡張部分の中間領域に設けられている。
【0066】
フレーム134 は、下部案内筒136 の軸が上端部で編機100 に接近するように垂直線に対して傾いている図27に示された傾斜位置から、下部案内筒136 の軸が軸61a と一致する例えば図26に示された垂直位置まで、又はその逆方向に通過するために命令で回転可能である。
【0067】
下部案内筒136 は、軸方向に摺動可能であるように管状体137 を支持すべく適合されており、管状体137 は、軸方向両端部で開口しており、下部案内筒136 の周りに同軸に嵌合可能である。
【0068】
上記に述べられた下降位置から上昇位置まで管状体137 を移動させるための下部作動手段は下部スリーブ138 を含んでおり、下部スリーブ138 は、下部案内筒136 の周りで軸方向に摺動可能であるように同軸に嵌合されている。座部139 が、下部スリーブ138 の上端部に形成されており、管状体137 の軸方向下端部が接触することにより座部139 に係合され得る。
【0069】
下部スリーブ138 はブロック140 に接続されており、ブロック140 には、ねじ軸141 と係合される雌ねじが設けられており、ねじ軸141 は、自軸を中心としてフレーム134 によって回転可能であるように支持されており、ねじ軸141 の軸が下部案内筒136 の軸と平行であるように設けられている。ねじ軸141 は電動機142 の出力軸に固定されており、電動機142 は前記フレーム134 に嵌合されており、ねじ軸141 を回転すべく、従って、下部案内筒136 に沿って下部スリーブ138 を摺動させるべく作動され得る。
【0070】
下部案内筒136 に沿った下部スリーブ138 の位置が、適切にフレーム134 に配置されたセンサ143,149 によって制御され得る。
【0071】
下部支持構造133 に対する水平軸134aを中心としたフレーム134 の回転が、線形アクチュエータによって得られる。線形アクチュエータは電動機144 によって構成されており、電動機144 は、下部支持構造133 に取り付けられて、出力軸によりねじ軸145 に接続されている。ねじ軸145 は、中空軸147 に形成された雌ねじ146 と係合する。前記中空軸147 はレバー148 に枢支されており、レバー148 は、フレーム134 にジョイント接続されて、水平軸134aを中心として下部支持構造133 に枢支されている。
【0072】
フレーム134 には、下部案内筒136 の上端部の周りに、下部案内筒136 と同軸である環状座部150 が設けられている。第1のアキシアル押出手段80は環状体151 を含んでおり、環状体151 は、前記環状座部150 内に同軸に収容され得る。環状体151 は、流体作動シリンダ152 のピストンの軸に接続されており、流体作動シリンダ152 は、フレーム134 に本体により接続されており、流体作動シリンダ152 の軸が下部案内筒136 の軸と平行であるように設けられている。流体作動シリンダ152 は、下部案内筒136 の軸に沿って環状体151 を一方向又は反対方向に移動させるために作動され得る。
【0073】
環状体151 の上方に向いた面の周縁外形は、前記装置の環状体11が縫製又はルーピングステーション102 に移動されるときピックアップ装置10のピックアップ部材29間に挿入され得る歯を有する櫛形状であることが好ましい。
【0074】
特に図28に示されているように、上部分132 は、管状体137 の軸方向上端部と係合可能な上部支持手段と、電動機142 の作動によって得られる上記の上昇位置から、管状体137 の軸方向下端部が処理装置60の環状体61に対して上方に間隔を置いて設けられる更なる上昇位置まで管状体137 を上昇させるための上部作動手段とを含んでいる。
【0075】
更に詳細には、上部分132 は上部支持構造153 を含んでおり、上部支持構造153 は、下部支持構造133 の一体部分又は独立した支持構造であり得る。上部支持構造153 は、中空円筒65に対して上方且つ同軸に配置された固定上部スリーブ154 を支持している。
【0076】
上部支持手段及び上部作動手段は可動上部スリーブ155 を含んでおり、可動上部スリーブ155 は、固定上部スリーブ154 と内部で同軸に係合し、固定上部スリーブ154 に対して軸方向に移動可能である。
【0077】
可動上部スリーブ155の下端部は、管状体137 の軸方向上端部と係合可能であり、管状体137 の前記軸方向上端部と係合するための固定手段を備えている。
【0078】
更に具体的には、管状体137 の軸方向上端部は、可動上部スリーブ155 の下端部に挿入され得る突出端を有する。可動上部スリーブ155 は、下端部の近くに可動ピン156 を備えており、可動ピン156 は、可動上部スリーブ155 の軸に対して径方向に設けられて、流体作動シリンダ157 のピストンに接続されている。流体作動シリンダ157 は、その本体が可動上部スリーブ155 に接続されており、可動ピン156 を移動させるべく作動され得る。可動ピン156 は、流体作動シリンダ157 の作動により、可動上部スリーブ155 の内表面から径方向に突出することが可能であり、可動上部スリーブ155 に挿入された管状体137 の軸方向上端部の突出端のための下部停止肩部を形成して、前記可動上部スリーブ155 からの管状体137 の抜き出しを抑制し、それによって管状体137 を支持する。
【0079】
可動上部スリーブ155 は、流体作動シリンダ158 のピストンの軸に接続されており、流体作動シリンダ158 は、本体が上部支持構造153 に接続されて、流体作動シリンダ158 の軸が可動上部スリーブ155 の軸と平行であるように設けられている。流体作動シリンダ158 は、固定上部スリーブ154 に対して可動上部スリーブ155 を自軸に沿って移動させるために作動され得る。
【0080】
有利には、反転器130 の上部分132 は補助摺動手段159 を含んでおり、補助摺動手段159 は、管状体137 が中空円筒65から上向きに突出するとき管状体137 の外側側面に面する。このような補助摺動手段159 は、軸61a と平行に管状体137 に対して命令で移動可能であり、管状体137 の軸方向下端部の方向に製品101 を滑動させるように、管状体137 の外側側面へと裏返される製品101 に対して周期的に係合して外すことが可能である。
【0081】
特に図28,29 及び30に示されている補助摺動手段159 はスライダ160 を含んでおり、スライダ160 は、垂直軸を有する円柱161 に摺動可能に連結されており、円柱161 は、上部支持構造153 に固定されている。雌ねじ162 がスライダ160 に形成されており、ねじ軸163 が、雌ねじ162 と係合して、垂直軸を中心として回転可能であるように上部支持構造153 によって支持されている。ねじ軸163 は電動機164 の出力軸に接続されており、電動機164 は上部支持構造153 に取り付けられている。実際には、電動機164 の作動により、円柱161 に沿って、すなわち軸61a と平行にスライダ160 が上向き又は下向きに摺動される。
【0082】
スライダ160 は、軸61a に対して互いに正反対な2つの領域に2つの押え器165 を支持している。2つの押え器165 は対向しており、管状体137 の外側側面又は管状体137 の外側側面へと裏返される製品101 に対して係合するか又は係合を外すように、ばね167 の作用とは対照的にスライダ160 に取り付けられた対応する流体作動シリンダ166 の作用により互いに向かう方向に移動するか、又はばね167 の作用により互いから離れる方向に移動することが可能である。押え器165 の対向面は、管状体137 の外側側面と係合するように円柱面の一部のように形成されている。任意には、押え器165 の対向面は、製品101 への付着力を増大させるためにきざみが付けられ得るか又は鋸歯状に形成され得る。
【0083】
尚、管状体137 を通して下向き又は上向きの吸引力を生成するために、下部案内筒136 の下端部及び固定上部スリーブ154 の両方が、単純化のために示されていない公知のタイプの空気吸込手段に命令で接続され得る。
【0084】
第2のアキシアル押出手段81は、環状作動体82を含んでおり、環状作動体82は、中空円筒65の周りに同軸に嵌合されて、支持構造66に対して軸61a を中心として回転するために中空円筒65にジョイント接続されている。環状作動体82は、図6乃至11及び17に示されている垂直案内棒83により中空円筒65に接続されており、垂直案内棒83の周りには、中空円筒65に対する環状体82の下降を抑制するばね84が設けられている。
【0085】
支持構造66に取り付けられて、その軸が垂直であるように設けられた少なくとも1つの流体作動シリンダ85のピストンが、命令により環状作動体82に作用する。流体作動シリンダ85の作動により、戻しばねとして作用するばね84の作用とは対照的に、中空円筒65に対して環状作動体82が下降する。軸受86が、環状作動体82と流体作動シリンダ85のピストンとの間に介装されており、軸61a と一致する自軸を中心とした中空円筒65の回転中の環状作動体82と流体作動シリンダ85のピストンとの摩擦を防止する。
【0086】
半環状要素63a,63b が共面であるときにスパイク62が配置されている円柱面内には、処理装置60の環状体61に、実際にはスパイク62によって径方向の外側を画定される環状座部87が設けられている。
【0087】
この環状座部87は環状接触体88を収容しており、環状接触体88は、半環状要素63a,63b と同様に半分に分けられ、2つの要素として構成されている。環状接触体88の2つの要素は夫々、環状作動体82の作用によりスパイク62に対して軸61a と平行に移動可能であり、環状作動体82は、流体作動シリンダ85により下向きに押圧されたとき、図12乃至16にのみ示されている棒89によって環状接触体88に作用し、環状接触体88を下降させる。流体作動シリンダ85の作用が停止するとき、環状接触体88の上昇は戻しばねによって達成され得る。尚、中空円筒65に固定された半環状要素63a に配置された環状接触体88の半分に作用する棒89は、環状接触体88の前記半分に固定されることが可能であり、反転され得る半環状要素63b に配置された環状接触体88の他方の半分に作用する棒89は、好都合なことに2つの別個の部分に設けられており、実際には、半環状要素63a に対して直径軸64を中心とした半環状要素63b の反転を可能にする。図12,12a,14,16には、環状作動体82、中空円筒65及び環状接触体88は、第2のアキシアル押出手段81を示すために、図6乃至11及び17に使用された断面とは異なる面に沿った断面で示されている。
【0088】
縫製又はルーピングヘッド170 が縫製又はルーピングステーション102 に配置されており、それ自体公知の方法で縫製要素又は部材を備えている。縫製要素又は部材は、縫製又はルーピングのための環縫い173 を形成すべく、針171 及びかぎ針、針171 及び糸供給スプール、又は図示されているように2本の針171,172 によって構成されている。縫製又はルーピングヘッド170 は更に、縫製要素の近くに軸受174 を備えており、軸受174 は、水平軸を有しており、半環状要素63b が半環状要素63a の下方に反転するとき且つ半環状要素63b が電動機69の作動により中空円筒65と共に軸61a を中心として回転されている間に半環状要素63b を支持すべく設計されている。
【0089】
縫製又はルーピングヘッド170 は縫製要素を作動するために電動機175 を備えており、この電動機175 の作動は、電動機69の作動と同期されており、そのため、どの場合にも、縫製又はルーピングヘッド170 の針171 が製品101 の編成ループ対を運ぶ半環状要素63b のスパイク62と係合して編成ループ対を結合する。
【0090】
縫製又はルーピングヘッド170 は、縫製又はルーピング動作の終わりに縫製又はルーピングのための環縫い173 を切断するために、単純化のために図示されていない公知のタイプのカッタを備えている。
【0091】
好都合なことに、縫製又はルーピングヘッド170 は、案内軸177 にジョイント接続されたスライダ176 に取り付けられており、案内軸177 は、案内軸177 の軸が水平であるように設けられて、案内軸177 が支持構造66によって自軸に沿って摺動可能であるように支持されている。線形アクチュエータが、スライダ176 に作用し、ねじ及びナットの接続によりスライダ176 に接続された例えば流体作動シリンダ又は電動機のような単純化のために図示されていない公知のタイプである。また線形アクチュエータは、半環状要素63b のスパイク62と相互作用すべく適合された位置に縫製又はルーピングヘッド170 を移動させるようにスライダ176 、従って縫製又はルーピングヘッド170 を軸61a に向かう方向に命令で並進移動させるか、又は、縫製又はルーピングステーション102 でのピックアップ装置10の環状体11の位置決め及び半環状要素63a に対する直径軸64を中心とした半環状要素63b の反転を妨げないようにスライダ176 、従って縫製又はルーピングヘッド170 を軸61a から離れる方向に命令で並進移動させる。
【0092】
装置1 は、装置1 を構成する複数の可動要素の移動を制御するための他のセンサであり単純化のために詳細には説明されていない前記他のセンサによって完成する。装置の可動要素を作動させるために必要な複数のアクチュエータと同様に、複数のセンサも、装置の動作を監視する電子タイプのプログラム可能な作動及び制御要素に機能的に接続されている。この作動及び制御要素は、予め設定された動作プログラムの機能として装置1 の動作及び編機100 の動作の両方を監視する単一の作動及び制御要素によって構成され得る。
【0093】
本発明に係る方法を行なう装置は、以下に示す通り動作する。
【0094】
単純化及び更なる明瞭化のために、本方法を、図面に示された場合に相当するシングルシリンダ円形編機での筒状製品101 の製造に関して説明する。
【0095】
製品101 は、靴下類等の円形編機を用いて、製品の製造を軸方向一端部から開始して反対側の軸方向端部で終了することにより製造される。
【0096】
編機100 が製品101 の製造を終了している間、ピックアップ装置10は、ピックアップ部材29が環状体11の軸11a から間隔を置いた位置にある状態で、環状体11が編機100 と縫製又はルーピングステーション102 との間の中間位置にあるように配置されている。押え器42は、環状体11の上方で環状体11と同軸に配置されており、環状体11に対して上昇される。
【0097】
形成された最終編成列の各編成ループは、該編成ループを作成した針123 に保持される。単純化のために示されていないダイヤルが、ニードルシリンダ121 の上方でニードルシリンダ121 と同軸に配置されている。ダイヤルにジョイント接続されたカッタが製品101 を製造すべく使用された糸を切断した後、ダイヤルはニードルシリンダ121 から離れる方向に上向きに移動されて、これにより、ピックアップ装置10の環状体11は、対応する押え器42が環状体11の上方で環状体11と同軸に配置された状態でニードルシリンダ121 の上方で且つニードルシリンダ121 と同軸に位置決めされる。
【0098】
尚、ピックアップ装置10は、環状体11がニードルシリンダ121 の上方にあるように配置されて、次に、センタリングピン31が編機100 の支持構造に適切に設けられた座部に挿入されるように電動機27の作動により軸121aと一致する軸11a に沿って下げられる。
【0099】
ニードルシリンダ121 は、自軸121a を中心とした回転運動で作動され続けて、そのため、針123 が、針作動カムによってまず、保持された編目位置に上昇し、次に針123 のヘッド123cがシンカ125 の下方にある状態で戻されて、その後保持された編目位置に再度上昇し、同時に吸込管124 が上昇する。そのため、形成された製品101 の最終編成列の編成ループが、針123 のラッチ123dが開いた状態で対応する針123 のヘッド123c内に確実に保持される。最後に、針123 は全て、この場合も針作動カムに対するニードルシリンダ121 の回転によって、吸込管124 と共に目落ち位置に上昇する(図1)。この時点で、ニードルシリンダ121 の回転は停止されて、ニードルシリンダ121 は、続く工程の間ニードルシリンダ121 のランダムな回転又は偶発的な回転を排除するように機械的に固定される。ニードルシリンダ121 のこの回転位置では、軸11a を向いた各ピックアップ部材29の端部29a は、対応する針123 の軸123bと径方向に並んでいる。
【0100】
この時点で、流体作動シリンダ40が作動されて、可動板38を回転することによって、ラジアル押出器34を軸11a に向かって移動させて、従って、ばね33によって加えられる押圧力の作用によりピックアップ部材29を軸11a に向かって移動させる。図2に示されているように、更に、ピックアップ部材29と針123 との係合を限定して示す図23及び25に更に詳細に示されているように、軸11a に向いた各ピックアップ部材29の端部は、対応する針123 のラッチ123dの真下の前記針123 の軸123bに座部30を支えられる。
【0101】
ピックアップ部材29が対応する針123 の軸123bと係合した後、環状体11は、電動機27の作動によって僅かに上昇して、そのため、各ピックアップ部材29の端部29a が、座部30により、針123 の開いたラッチ123dの自由端と前記針123 の軸123bとの間で針123 の軸123bと係合する。
【0102】
その後、吸込管124 が下げられて、流体作動シリンダ50の作動により押え器42は下降位置に移される。下降位置では、押え器42は、針123 とピックアップ部材29との間に周縁外形の歯で入り込む。押え器42のこの軸方向の移動により、編成ループは、針123 のラッチ123dの下方でピックアップ部材29のフック状の端部29a 内に押し入れられる(図3、及び更に詳細には図24)。また、ピン51は座部52に係合して、軸13a を中心とした回転中、アーム12及びアーム43をジョイント接続する。
【0103】
その後、ピックアップ装置10の環状体11は、電動機27の作動によりニードルシリンダ121 に対して自軸11a に沿って押え器42と共に上昇する。この上昇により、端部29a が対応する針123 の開いたラッチ123dより下方にある状態で既に配置されているピックアップ部材29が対応する針123 のヘッド123cに向けて摺動されて、針123 のヘッド123cにラッチ123dが閉じられて、編成ループが針123 から外される(図4)。
【0104】
この工程で、吸込管124 は、製品101 の上昇を補助して、続く工程で針123 の周りに配置された編機の部品との接触から製品101 を保護するために再度上昇される。
【0105】
その後、電動機20の作動により、アーム12,43 は、ピックアップ装置10の環状体11及び押え器42を、編機100 から編機100 と縫製又はルーピングステーション102 との間の中間位置まで移すように軸13a を中心として回転する(図5)。この中間位置では、押え器42を運ぶアーム43が座部52からピン51によって外れるように流体作動シリンダ50は非作動状態にされる。更にこの中間位置では、反転器130 の下部分131 は、図27に示され、図6では破線で示されているように、管状体137 の軸方向上端部を下降位置で編機100 に向けて移動させるために、電動機144 の作動により軸61a に対して傾けられることが可能であり、製品101 が編機100 のニードルシリンダ121 から上向きに抜き出されている間、管状体137 内に製品101 を吸込む。
【0106】
次に、管状体137 の軸が軸61a に位置する状態に下部分131 が戻されている間、自軸11a が軸61a に位置する状態に環状体11を移動させるように、電動機20による軸13a を中心としたアーム12の回転は終了する(図6及び6a)。尚、軸13a を中心としたアーム12の回転を終了する際、アーム43の回転が支持台54によって阻止されて、スロット53がピン51に沿って摺動してピン51から外れるので、アーム43はアーム12に追随しない。
【0107】
続いて、下部スリーブ138 に支持された管状体137 の軸方向上端部と共面位置にある2つの半環状要素63a,63b との間にある環状体11は、ピックアップ部材29の各座部30が、スパイク62の下端部からスパイク62に嵌合するように電動機27の作動によって上昇する(図7及び7a)。
【0108】
その後、流体作動シリンダ152 が作動されて、環状体151 が軸61a に沿って上昇する。環状体151 は、ピックアップ部材29間に周縁外形の歯で入り込み、ピックアップ部材29からスパイク62へと編成ループを個別に移動させる。このようにして、各スパイク62は、編機100 の針123 によって形成された最終編成列の編成ループを運ぶ(図8及び8a)。
【0109】
環状体151 が上昇位置で維持されている間、電動機142 の作動により、下部スリーブ138 、従って管状体137 は軸61a に沿って上昇して、前記管状体137 は、軸方向上端部で、環状体11及び処理装置60の環状体61を交差して、中空円筒65内を通過し、前記上昇位置に達する(図9)。管状体137 のこの上向きの並進移動により、スパイク62の上方で前記スパイク62から最後に形成された編成列によって吊るされた製品101 が反転する。管状体137 の軸方向下端部が、未だ共面位置にある2つの半環状要素63a,63b によって構成された環状体61の真上にあるとき、管状体137 の上昇は停止される。製品101 が管状体137 の軸方向の占有面積より短い場合、管状体137 の上向き並進移動だけで、製品101 の反転は十分完了する。
【0110】
一方製品101 が管状体137 の軸方向の占有面積より長い場合、管状体137 の外側側面への製品101 の反転は、補助摺動手段159 によって完了する。
【0111】
特に、管状体137 が上昇位置にある状態では、押え器165 は、流体作動シリンダ166 及び電動機164 の組み合わされた作動により、管状体137 の軸方向上端部から製品101 の抜き出しが完了するまで管状体137 の軸方向下端部に向けて製品101 を押し込むように、周期的に、管状体137 の外側側面へと既に裏返された製品101 の一部と係合すると同時に下げられて、次に、製品101 から外されると同時に上げられる。
【0112】
管状体137 の外側側面への製品101 の裏返しの完了は、例えば光電池168 によって構成された光学検出器によって検出可能であり、光電池168 は、管状体137 の上端に面しており、補助摺動手段159 の介在が必要ではない場合補助摺動手段159 の作動を抑制するか、又は補助摺動手段159 が製品101 の裏返しを完了したとき補助摺動手段159 の作動を停止する(図10)。
【0113】
製品101 の裏返しである反転が完了すると、可動上部スリーブ155 は、可動上部スリーブ155 の下端部が管状体137 の軸方向上端部の突出端の周りに嵌合するまで、流体作動シリンダ158 によって下げられる。続いて、流体作動シリンダ157 が作動されて、可動ピン156 によって管状体137 の軸方向上端部の近くで管状体137 と係合する。その後、流体作動シリンダ152 は環状体151 を環状座部150 に戻すように作動されて、電動機142 は、下部案内筒136 に沿って下部スリーブ138 を完全に下降させるように作動される。この時点で、ピックアップ装置10の環状体11は、電動機27の作動による下降と、電動機20の作動による軸13a を中心とした回転とによって、縫製又はルーピングステーション102 から離れる方向に移されて、縫製又はルーピングステーション102 と編機100 との間の中間位置に戻される(図11)。
【0114】
アーム12は、中間位置に向かって回転することにより、アーム12のスロット53を介してピン51の下端部と係合し、アーム12が中間位置に達するとき、ピン51は、スロット53の閉じた端部で座部52と並ぶ。この理由により、編機100 に向けた軸13a を中心としたアーム12の更なる回転が、アーム43、従って押え器42の同調、すなわち軸13a を中心とした共同回転を引き起こす。
【0115】
その後、半環状要素63b は、図31に示されているように、半環状要素63b のスパイク62が半環状要素63a のスパイク62の下方で夫々並ぶように、複動油圧作動シリンダ70の作動により、半環状要素63a の下方で直径軸64を中心として反転する。半環状要素63b の反転後、縫製又はルーピングヘッド170 は、軸受174 により下方領域で半環状要素63b を支持するように、半環状要素63b に向けて移動される。流体作動シリンダ85の作動により、環状作動体82が下げられ、半環状要素63a に配置された環状接触体88の半分が下降して、半環状要素63a のスパイク62から半環状要素63b のスパイク62へと編成ループを移す。このようにして、半環状要素63b の各スパイク62は、編成ループ対を支持する(図12及び12a )。
【0116】
この時点で縫製又はルーピングヘッド170 の縫製部材を駆動する電動機175 と電動機69とは相互に同期して作動され、半環状要素63b が軸61a を中心として回転して、この回転中、縫製ヘッド170 の針171 がどの場合にも半環状要素63b のスパイク62と相互に作用して、同一のスパイク62に配置された編成ループ対を結合する。このようにして、筒状製品101 の軸方向端部が裏返された状態で閉じられる(図13)。
【0117】
縫製又はルーピングを終了する際、縫製又はルーピングのための環縫い173 が切断されて、縫製又はルーピングヘッド170 は半環状要素63b から離れる方向に移動される。この半環状要素63b は、縫製又はルーピング動作が始まる前に半環状要素63b が占めた軸61a を中心とした回転位置に戻されて、環状接触体88を上昇させた後、複動油圧作動シリンダ70の新たな介在によって、以前の方向に対して反対方向に直径軸64を中心として反転されて、半環状要素63b がピン90によって固定される半環状要素63a に共面である位置に戻される。この時点で、環状接触体88は再度下げられて、半環状要素63b のスパイク62から製品101 が外される(図14及び15)。
【0118】
製品101 は、固定上部スリーブ154 を吸込手段に接続することによって一時的に生成される吸引力により、管状体137 に吸込まれる。
【0119】
製品101 を、閉じられたばかりの端部から管状体137 の軸方向下端部を介して吸込むことにより、製品101 を反転させて表面が外側である状態に戻す。
【0120】
製品101 の管状体137 内への管状体137 の軸方向下端部を介した吸込みは、好都合なことに補助摺動手段159 の作動によって補助されることが可能であり、補助摺動手段159 は、管状体137 の軸方向下端部に向けて製品101 を押し込み、管状体137 は、該管状体137 への製品101 のこの吸込みを容易にするために、管状体137 の軸方向下端部が中空円筒65の上方に位置するまで、流体作動シリンダ158 によって作動される可動上部スリーブ155 を上昇させることによって再度更に上昇させることが可能である(図16)。
【0121】
尚、製品101 が、裏返された状態にすべく裏表に反転された後、表面が外側である状態に戻すべく再度反転する必要がない場合、製品101 の吸込みを、製品101 の開口した軸方向端部、すなわち軸方向上端部から管状体137 の軸方向下端部を介して行うことが可能である。これは、吸込手段に管状体137 の内部を接続する前に、管状体137 が、可動上部スリーブ155 の上昇により図16に示されている更なる上昇位置に移動されている間に、補助摺動手段159 によって管状体137 の軸方向下端部の下方に製品101 を押し込むことにより達成され得る。
【0122】
製品101 が装置から離れる方向に移動された後、可動上部スリーブ155は下げられて、下部スリーブ138 は、管状体137 の軸方向下端部が下部スリーブ138 に入るように上昇する(図17)。その後、可動ピン156 は、管状体137 の軸方向上端部の突出端から外れて、管状体137 は、下部スリーブ138 の下降により下部案内筒136 の周りで下降位置に戻される。可動上部スリーブ155 は、新たな製品101 の軸方向両端部の内の一方を閉じるべく新たな製品101 を受け取る準備ができている図6に示された状態に装置を戻すように上昇する。
【0123】
実際には、方法及び該方法を行なうための装置は、前記方法及び装置により、製品を製造すべく使用される編機の生産性を著しく損なうことなく、従って経済的に好都合な方法で、筒状製品、特には靴下類の閉じが自動的に且つ高精度に行われ得るので、意図した目的を完全に達成していることが分かっている。製品を製造する編機から製品を拾う特定の方法は、本発明に係る方法で、特に複雑な要素を必要とすることなくこの動作中に高精度を確保する。
【0124】
本方法及び該方法を行なうための装置はシングルシリンダ円形編機への好ましい適用例に関して説明されているが、前記方法及び装置は、製品の製造の終わりに、下部ニードルシリンダに配置された針から製品を拾うべくダブルシリンダ円形編機にも適合され得る。
【0125】
このように考案された方法及び装置は、その全てが添付した請求項の範囲内にある多くの調整及び変更を加えることができ、また細部の全ては、更に他の技術的に等価な要素に置き換えてもよい。
【0126】
実際には、用いられる材料並びに寸法は、要望及び技術の状態に応じて如何なるものであってもよい。
【0127】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願第MI2008A000397号明細書における開示内容は、参照してここに盛り込まれる。
【0128】
任意の請求項に記載されている技術的特徴の後には参照番号が付いているが、これらの参照番号は、請求項の明瞭性を高めるためだけに含まれているものであり、このような参照番号により一例として識別される各要素の解釈をいかなる形においても限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴下類等のための円形編機で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための方法であり、最終編成列の編成ループを形成した編機の複数の針のヘッドに前記編成ループを保持することにより、製品の編成が開始された軸方向端部の反対側の軸方向端部で最終編成列の形成まで製品を製造する初期工程を備えた前記方法において、
− 前記ヘッドの反対側でラッチの近くに設けられた各針の軸の領域に支持されたピックアップ部材により編成ループを個別に拾うための工程と、
− 形成された最終編成列の各編成ループを前記ピックアップ部材により保持して、製品を製造した編機から製品を外すための工程と、
− 縫製又はルーピングステーションで前記製品を位置決めするための工程と、
− 前記ピックアップ部材から、2つの半環状要素から構成されており、直径軸を中心として一方の半環状要素が他方の半環状要素に対して反転し得る環状の処理装置のスパイクへと編成ループを個別に移動させるための工程と、
− 前記処理装置によって保持された製品を反転させるための工程と、
− 前記直径軸を中心とした略180 度の円弧を通って前記処理装置の前記2つの半環状要素の内の1つを別の半環状要素に対して反転させることにより、前記最終編成列の半分の編成ループを前記最終編成列の別の半分の対応する編成ループに前記処理装置の同一のスパイクで夫々重ねるための工程と、
− 相互に重ねられた編成ループ対を縫製するか又はルーピングするための工程と、
− 前記処理装置から製品を外すための工程と
を更に備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記保持するための工程では、
− 形成された最終編成列の編成ループを作成した針のヘッドに、前記編成ループを維持し、
− 前記針が収容されるニードルシリンダから、前記ヘッドから始まる前記針の部分の内の1つと共に前記針を抜き出し、前記針のヘッドに最終編成列の編成ループを維持して、
− 前記ニードルシリンダから抜き出された前記針の部分によって占められる領域の周りで前記ニードルシリンダと同軸に複数のピックアップ部材を備えたピックアップ装置の環状体を配置して、前記ピックアップ部材は夫々、前記ピックアップ装置の環状体の軸に対して径方向に配置されて、前記ピックアップ装置の軸に向いた端部を有しており、該軸は、前記ヘッドの反対側で前記針のラッチに近い領域で前記針の軸と係合可能であり、
− 前記ピックアップ部材を、対応する針の軸と夫々係合して、
− 対応する針のヘッドに既に保持されている編成ループを、該編成ループが、対応するラッチを越えて対応する針の軸と係合した前記ピックアップ部材と係合するまで、前記針の軸に沿って移動させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保持するための工程の間、各ピックアップ部材は、対応する針の開いたラッチの自由端と前記針の軸との間で対応する針の軸と係合していることを特徴とする請求項1及び2に記載の方法。
【請求項4】
前記外すための工程では、前記ピックアップ部材によって係合された前記最終編成列の編成ループと共に前記針のヘッドを越えて移動させるように、前記ピックアップ装置を前記針に関して前記針のヘッドに向けて軸方向に並進移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記反転させるための工程では、
− 前記処理装置の前記スパイクと係合された前記製品の軸方向端部の反対側にある軸方向端部から、前記製品を管状体内に吸込み、
− 前記処理装置と同軸に前記管状体を配置して、
− 前記管状体を軸方向に並進移動させ、前記最終編成列の編成ループとスパイクによって係合された前記処理装置内を通過させて、前記管状体の外側側面へと前記製品を裏返すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記製品を最終編成列の形成まで製造する前記初期工程は、靴下類等のためのシングルシリンダ円形編機によって行なわれており、
前記保持するための工程では、前記針は、前記編機のシンカの上方で前記ヘッドから始まる前記針の部分の内の1つと共に抜き出されて、前記ピックアップ装置の前記環状体は前記シンカと前記針のヘッドとの間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
靴下類等のための円形編機(100) で製造サイクルの終わりに筒状ニット製品を軸方向両端部の内の一方で閉じるための装置であり、
− 前記編機(100) の針(123) と係合可能であり、前記針(123) に保持された編成ループを個別に拾うべく適合されたピックアップ部材(29)を支持する環状体(11)を備えたピックアップ装置(10)であり、前記環状体(11)が前記編機(100) のニードルシリンダ(121) の周りで同軸にある状態に前記ピックアップ装置が配置されるピックアップ位置から、前記環状体(11)が前記編機(100) に対して横方向に間隔を置いて設けられた縫製又はルーピングステーション(102) にある状態に前記ピックアップ装置が配置されるリリース位置まで命令で移動可能な前記ピックアップ装置(10)と、
− 前記縫製又はルーピングステーション(102) に配置されて、2つの半環状要素(63a,63b) から構成された環状体(61)を備えた処理装置(60)であり、前記半環状要素は、前記処理装置(60)の環状体(61)の軸(61a) と一致する軸を有する円柱面に沿って軸方向に設けられたスパイク(62)を有しており、前記2つの半環状要素の内の一方の半環状要素(63b) は、対向して配置されて、スパイクを他方の半環状要素のスパイク(62)と個別に並べて、前記処理装置(60)の環状体(61)の一方の半環状要素のスパイク(62)から他方の半環状要素のスパイク(62)へと編成ループを移動させるために、直径軸(64)を中心として他方の半環状要素(63a) に対して反転可能である前記処理装置(60)と、
− 前記縫製又はルーピングステーション(102) に配置されて、保持された筒状製品(101) を該製品の軸方向端部の内の一方で前記処理装置(60)のスパイク(62)によって反転させるために作動され得る筒状製品(101) のための反転器(130) と、
− 前記縫製又はルーピングステーション(102) に配置されて、前記処理装置(60)の環状体(61)の前記半環状要素(63a,63b) の同一のスパイク(62)によって運ばれる編成ループ対を結合することにより前記製品(101) の軸方向端部を閉じるために、前記処理装置(60)の環状体(61)の半環状要素(63a,63b) のスパイク(62)と相互に作用する縫製又はルーピング部材(171) を備えた縫製又はルーピングヘッド(170) と
を備えた前記装置において、
前記ピックアップ部材(29)は、前記ピックアップ装置(10)の環状体(11)の軸に対して径方向に移動可能であり、
前記ピックアップ部材(29)は夫々、前記ピックアップ装置(10)が前記ピックアップ位置にあるとき、前記編機(100) の針(123) の軸(123b)の領域と係合可能であり、
前記針(123) の軸(123b)の前記領域は、ヘッド(123c)の反対側でラッチの近くに設けられており、
前記ピックアップ部材(29)は夫々、前記ピックアップ装置(10)が前記リリース位置にあるとき、前記処理装置(60)のスパイク(62)と係合可能であることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)は、自軸(11a) が垂直であるようにアーム(12)に取り付けられており、
前記アーム(12)は、前記ピックアップ装置(10)を前記ピックアップ位置から前記リリース位置まで又はその逆方向に移動させるために、前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)の軸(11a) から間隔を置いて設けられた垂直作動軸(13a) を中心として支持構造(15)に対して命令で回転可能であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記アーム(12)は、命令により前記垂直作動軸(13a) に沿って移動可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)は、複数のラジアルスロット(28)を有しており、
前記ラジアルスロットは夫々、ピックアップ部材(29)を摺動可能に収容しており、
前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)は、弾性手段(33)の作用とは対照的に、前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)の軸(11a) から離れる方向に前記ピックアップ部材を摺動させるために前記ピックアップ部材(29)に命令で作用するラジアル押出器(34)を支持しており、
前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)の軸(11a) に向けた前記ピックアップ部材(29)のストロークを画定するための手段(41)が設けられていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記ピックアップ装置(10)は、櫛状の周縁外形を有する円形状の押え器(42)を備えており、
前記押え器(42)は、前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)と同軸に面するように配置されることが可能であり、前記ピックアップ部材(29)間に周縁外形の歯で入り込むために、前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)に対して軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)の軸(11a) を向いた前記ピックアップ部材(29)の夫々の端部(29a) は座部(30)を有しており、
前記座部(30)は、前記ピックアップ装置(10)が前記ピックアップ位置にある状態で前記編機(100) の対応する針(123) の軸(123b)と係合され得るか、又は、前記ピックアップ装置(10)が前記リリース位置にある状態で前記処理装置(60)の前記スパイク(62)の内の1つと係合され得ることを特徴する請求項7乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記ピックアップ装置(10)の環状体(11)の軸(11a) に向いた前記ピックアップ部材(29)の端部(29b) は、前記座部(30)によって、前記針(123) の開いたラッチの自由端と前記針(123) の軸(123b)との間で前記針(123) の軸(123b)と係合可能であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ピックアップ部材(29)から前記処理装置(60)の前記スパイク(62)へと編成ループを個別に移動させるために、前記縫製又はルーピングステーション(102) で前記ピックアップ装置(10)の前記ピックアップ部材(29)と相互に作用し、前記処理装置(60)の前記スパイク(62)と相互に作用する第1のアキシアル押出手段(80)が更に備えられていることを特徴とする請求項7乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
一方の半環状要素(63a) のスパイク(62)から、該スパイク(62)と面する別の反転された半環状要素(63b) のスパイク(62)へと編成ループを移動させるため、又は前記処理装置(60)のスパイク(62)から編成ループを外すために、前記処理装置(60)のスパイク(62)と相互に作用する第2のアキシアル押出手段(81)が更に備えられていることを特徴とする請求項7乃至14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)の軸(11a) を向いた前記ピックアップ部材(29)の夫々の端部(29a) は、上向きに開いたフック状に形成されており、
前記押え器(42)は、前記ピックアップ装置(10)の前記環状体(11)の上方に配置されていることを特徴とする請求項7乃至15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記反転器(130) は、下部分(131) 及び上部分(132) を含んでおり、
前記下部分(131) 及び上部分(132) は、前記縫製又はルーピングステーション(102) で垂直主軸(61a) に沿って互いに同軸に配置されることが可能であり、
前記処理装置(60)の環状体(61)は、自軸が前記反転器(130) の前記下部分(131) と前記上部分(132) との間で前記垂直主軸(61a) と一致するように配置されていることを特徴とする請求項7乃至16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記反転器(130) の前記下部分(131) は、自軸が前記垂直主軸(61a) に沿って設けられている管状体(137) を支持するための下部支持手段(133) と、前記垂直主軸(61a) に沿って前記管状体(137) を作動するための下部作動手段(138) とを含んでおり、該下部作動手段(138) により、前記管状体(137) の軸方向上端部が前記処理装置(60)の前記環状体(61)と下方領域で面する下降位置から、前記管状体(137) の軸方向下端部が前記処理装置(60)の前記環状体(61)の近くに配置されている上昇位置まで又はその逆方向に、前記管状体(137) は前記処理装置(60)の前記環状体(61)を通過することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記反転器(130) の前記上部分(132) は、前記管状体(137) の軸方向上端部と係合可能な上部支持手段(153,154) と、前記上昇位置から、前記管状体(137) の軸方向下端部が前記処理装置(60)の前記環状体(61)に対して上向きに間隔が置かれている更なる上昇位置まで又はその逆方向に前記主軸(61a) に沿って前記管状体(137) を上昇させるための前記管状体(137) のための上部作動手段(155) とを含んでいることを特徴とする請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記下部支持手段(133) 及び前記上部支持手段(153,154) は、前記管状体(137) の内側を空気吸込手段に接続すべく適合されていることを特徴とする請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
前記反転器(130) の前記上部分(132) は補助摺動手段(159) を含んでおり、
前記補助摺動手段(159) は、前記管状体(137) の外側側面に面しており、前記垂直主軸(61a) と平行に前記管状体(137) に対して命令で移動可能であり、
前記補助摺動手段(159) は、前記管状体(137) の軸方向下端部に向けて製品(101) を摺動させるために、前記管状体(137) の外側側面へと裏返された製品(101) に対して周期的に係合及び係合解除が可能であることを特徴とする請求項17乃至20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記反転器(130) の前記下部分(131) は、製品(101) を製造すべく使用された前記編機(100) に向けて前記下降位置で前記管状体(137) の軸方向上端部を移動させるために、前記垂直主軸(61a) に対して命令で傾けられ得ることを特徴とする請求項17乃至21のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a】
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【図7】
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【図7a】
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【図8】
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【図8a】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12a】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図19a】
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【図20】
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【図20a】
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【図21】
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【図22】
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【図22a】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2011−514940(P2011−514940A)
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550120(P2010−550120)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052039
【国際公開番号】WO2009/112346
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(597009471)
【Fターム(参考)】