説明

音響装置

【課題】台所では調理時間を設定し、その設定時間が経過するとブザー等の報知音を発音させる、いわゆるキッチンタイマが知られている。ところが、キッチンテレビを台所に取り付けるとキッチンテレビのスピーカからの音声によって、キッチンタイマの報知音を聞き逃すおそれがある。
【解決手段】キッチンタイマから報知音が出力されるとスピーカ21でテレビ音声と共に報知音を発音させるようにした。さらに報知音が発音されている間はミュート回路によってテレビの音声を自動的に小さくして報知音を聞き逃さないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるキッチンタイマのような減算タイマを内蔵した音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音響装置として、例えば台所に設置して調理中等にテレビ画面を鑑賞できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなキッチンテレビでは、テレビの音声を再生するスピーカが設けられている。
【0003】
一方、台所では調理時間を設定し、その設定時間が経過するとブザー等の報知音を発音させる、いわゆるキッチンタイマが知られている。このキッチンタイマは通常は単体で構成されており、裏面に例えば磁石が取り付けられており、冷蔵庫の扉に吸着させて使用される場合が多い。
【特許文献1】特開2004−241919号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
台所では調理中に比較的音量の高い騒音が出るため、テレビ音声はその騒音に対向するため比較的大きな音量で再生される。このように騒音の他テレビからの音声が大きい状態でキッチンタイマから報知音が発音されても聞き逃すおそれが生じる。
【0005】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、テレビなどの音響装置から音声が再生されていてもキッチンタイマなどのタイマからの報知音を聞き逃すおそれのない音響装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明による音響装置は、継続して音声信号を再生するスピーカ手段を備えた音響装置本体に、減算時間を自由に設定し得る減算タイマ手段を設けると共に、この減算タイマ手段によって減算時間が減算されゼロになった時点で所定の報知音を発音する発音手段と、この発音手段から発音されている間上記スピーカ手段から再生される音声信号を減音または停止させるミュート手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、音響装置内に減算タイマ手段を組み込んだので、音響装置の作動と減算タイマ手段の作動とが連動させやすくなる。そして、減算タイマ手段でカウントダウンされた減算時間がゼロになった時点で報知音を発音するが、その際音響装置側の音量を減音もしくは消音することにより、報知音の聞き逃しを防止することとした。
【0008】
なお、スピーカ手段と発音手段とを別個に設けてもよいが、上記報知音の信号と上記音声信号とを混合するミキサ手段を設け、上記発音手段を上記スピーカ手段と兼用させてもよい。
【0009】
なお、上記音響装置は台所に設置されるキッチンテレビであれば、減算タイマ手段をキッチンタイマとして使用することができ、調理者にとって有用である。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明は、音響装置と減算タイマ手段との連動を計り、減算タイマによる報知音を発音する際に、音響装置側の音量を減音し、もしくは消音するようにしたので、報知音を聞き逃すおそれがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1を参照して、1はキッチンテレビの本体であり、戸棚の底板Bの下面に固定されている。そして、この本体1の下方には画像表示部2が連結されている。
【0012】
図2を参照して、画像表示部2には液晶表示部22の他に1対のスピーカ21が設けられている。本体1から画像表示部2には画像信号と音声信号とが送られてくる。画像信号は液晶表示部22に画像として表示され、音声信号はスピーカ21によって音声として再生される。
【0013】
チャンネルや音量その他の調節は本体1に設けた各種の操作スイッチ11を押操作することによって行う。
【0014】
また、本実施の形態ではタイマ機能を本体1に内蔵させた。このタイマ機能は減算タイマを備えており、操作スイッチ11を押操作することにより減算時間を自由に設定することができる。設定した減算時間は表示部12に表示される。そして、操作スイッチ11のうちのスタートスイッチを押操作すると、減算タイマが減算時間から減算を開始する。
【0015】
この減算によって表示部12の表示されている減算時間がカウントダウンされていく。表示部12に表示される減算時間がゼロになると報知音をスピーカ21から発音させるようにした。なお、この報知音を発音させるブザーやスピーカをスピーカ21とは別個に本体1に設けてもよいが、本実施の形態では上述のようにスピーカ21から発音させるようにした。
【0016】
図3を参照して、本体1に内蔵されたテレビチューナ部31から音声信号が出力されるが、その音声信号は最初にミュート回路32に入力されるようにした。このミュート回路32は本体1内に格納されており、外部からの制御信号が入力されると、入力された音声信号の大きさを小さくして出力する回路である。
【0017】
このミュート回路32から出力された音声信号は次にミキサ33に入力される。このミキサ33には更に減算タイマ34からの報知音用の信号が入力されている。このミキサ33ではミュート回路32から出力されたテレビ音声用の音声信号とタイマ34から出力された報知音用の音声信号とが混合されて上記スピーカ21に出力される。
【0018】
但し、タイマ34からは制御信号が出力されるように構成されており、この制御信号は信号線35を介してミュート回路32に入力されている。タイマ34は上記のように減算時間がカウントダウンされ、ゼロになった際に所定時間報知音用の音声信号をミキサ33に出力するが、この報知音用の音声信号を出力している間、制御信号をミュート回路32に入力するように設定されている。
【0019】
ミュート回路32は上述のように、外部から制御信号が入力されるとテレビチューナ部31から出力される音声信号を小さくしてミキサ33に出力するので、減算時間がゼロになるとテレビの音声が小さくなり、それと同時に報知音がスピーカ21から発音されることになる。
【0020】
減算時間がゼロになってから所定時間経過するか、操作スイッチ11が操作されると、タイマ34から出力されていた音声信号及び制御信号が停止する。そのため、スピーカ21からは元の大きさに戻ったテレビの音声が発音される。
【0021】
なお、上記ミュート回路32は外部からの制御信号が入力されると、ミュート回路32に入力される音声信号の大きさを小さくして出力したが、制御信号が入力されている間はまったく音声信号を出力させないようにしてもよい。また、減算時間のカウントダウンを表示部12に表示させたが、液晶表示部12に表示させてもよく、その際には液晶表示部12を廃止してもよい。
【0022】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】キッチンテレビの正面図
【図3】本体内の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0024】
1 (キッチンテレビの)本体
2 画像表示部
21 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
継続して音声信号を再生するスピーカ手段を備えた音響装置本体に、減算時間を自由に設定し得る減算タイマ手段を設けると共に、この減算タイマ手段によって減算時間が減算されゼロになった時点で所定の報知音を発音する発音手段と、この発音手段から発音されている間上記スピーカ手段から再生される音声信号を減音または停止させるミュート手段を設けたことを特徴とする音響装置。
【請求項2】
上記報知音の信号と上記音声信号とを混合するミキサ手段を設け、上記発音手段を上記スピーカ手段と兼用したことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
【請求項3】
上記音響装置は台所に設置されるキッチンテレビであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−279409(P2006−279409A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94208(P2005−94208)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)
【Fターム(参考)】