説明

頭部洗浄方法

【課題】頭髪および頭皮をエコロジカルに洗浄することができる頭部洗浄方法を提供する。
【解決手段】供給された頭髪洗浄剤で頭皮とともに洗浄作業された頭髪に所定量の水分を供給する。所定量の水分が供給された頭髪から発泡した頭髪洗浄剤の少なくとも一部を排除する。頭髪洗浄剤が排除された頭部に流水を継続的に供給する。継続的に流水が供給される頭部の頭皮を擦過するとともに頭髪を動かして頭髪洗浄剤を濯ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも頭部の頭髪および頭皮を洗浄する頭部洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、美しい髪やスタイルを保つためのベースとなる洗髪方法がインターネットのホームページ等で提案されているが、頭髪および頭皮を、エコロジカルに洗浄することができる洗髪方法に関するものはない。
【0003】
一方、理髪店などの専業店舗や家庭では、頭部を洗浄することは手作業で実行されている。従来、エコロジカルに洗浄しようとした場合、洗髪料を少なめにしたり、すすぐ時間を短くしたりという考え方があったが、何れの場合も、十分に汚れを落とせない、洗髪料が十分すすぎきれないといった問題があった。また、頭部の洗浄を自動的に実行する装置の提案がある。例えば、シンク内壁に被洗髪者の頭髪が付いてしまうことを防止し、且つ洗髪時に被洗髪者の頭髪が絡むことを防ぐことができる自動洗髪機の提案がある。
【0004】
その技術では、洗髪時に被洗髪者の頭髪をまとめる弧状又はリング状の頭髪受けを設けることにより、シンク内壁に被洗髪者の頭髪が付いてしまうことを防止し、且つ洗髪時に被洗髪者の頭髪が絡むことを防ぐ(特許文献1)。
【0005】
また、簡単な構造で頭髪が洗面ボールの底部に垂れるのを防止し、長い頭髪の人でも快適な洗髪を可能にする提案もある。その技術では、排水管に接続された洗髪ボールと、洗髪用の洗浄水を噴出させる吐水具とを有し、洗髪ボール内に通水性の髪受け用具を備える。これにより、洗髪時の頭髪が髪受け用具に受け止められるため、頭髪が洗髪ボールの底面まで垂れることがない(特許文献2)。
【0006】
さらに、頭部を洗浄する装置として実用化されているものもある(非特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−37529号公報
【特許文献2】特開平05−207910号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】"アクアバイブロ803"、タカラベルモント社、[2010年02月10日検索]インターネット<URL:http://www.tb-net.jp/products/shampoo/aqua_901/index.html>
【非特許文献2】"アクアバイブロ803"、タカラベルモント社、[2010年02月10日検索]インターネット<URL:http://www.tb-net.jp/products/shampoo/aqua_803n/index.html> なお、上述の「アクアバイブロ」および「タカラベルモント」は登録商標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上述した特許文献や非特許文献の頭部洗浄装置では、例えば、シャンプーなどの頭髪洗浄剤を噴射して頭髪および頭皮を洗浄作業したあと、発泡して頭髪に付着している頭髪洗浄剤を、やはり強力に噴射する温水の流水で洗い流している。このため、多量の水と電力が必要であり、エコロジカルに洗浄するのは困難であった。
【0010】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、特別な装置や器具等を用いず、自宅等でも簡単に頭髪および頭皮をエコロジカルに洗浄することができる頭部洗浄方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の頭部洗浄方法は、供給された頭髪洗浄剤で頭皮とともに洗浄作業された頭髪に所定量の水分を供給し、所定量の水分が供給された頭髪から発泡した頭髪洗浄剤の少なくとも一部を排除し、頭髪から頭髪洗浄剤が排除された頭部に流水を継続的に供給し、継続的に流水が供給される頭部の頭皮を擦過するとともに頭髪を動かして頭髪洗浄剤を濯ぐ。
【0012】
従って、本発明の頭部洗浄方法では、供給された頭髪洗浄剤で頭皮とともに洗浄作業された頭髪に所定量の水分を供給する。所定量の水分が供給された頭髪から発泡した頭髪洗浄剤の少なくとも一部を排除する。頭髪から頭髪洗浄剤が排除された頭部に流水を継続的に供給する。継続的に流水が供給される頭部の頭皮を擦過するとともに頭髪を動かして頭髪洗浄剤を濯ぐ。このため、頭髪に所定量の水分を供給し、発泡した頭髪洗浄剤を排除してから、流水を供給して濯ぐ。従って、洗浄作業された頭部で発泡している頭髪洗浄剤を、いきなり流水の供給で濯がないので、濯ぎの効率が向上し流水の容量が大幅に削減される。
【0013】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0014】
また、本発明で云う洗浄作業とは、頭髪洗浄剤を頭皮に供給してから、頭皮を擦過するとともに頭髪を動かして頭髪洗浄剤で洗浄する作業を意味しており、その事前や事後の濯ぎなどは含まれない。
【0015】
さらに、本発明で云う処理作業とは、頭髪に頭髪処理剤を供給してから、供給された頭髪処理剤を頭髪に馴染ませる作業を意味しており、やはり、その事前や事後の濯ぎなどは含まれない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の頭部洗浄方法では、頭髪に所定量の水分を供給し、発泡した頭髪洗浄剤を排除してから、流水を供給して濯ぐ。このため、洗浄作業された頭部で発泡している頭髪洗浄剤を、いきなり流水の供給で濯がないので、濯ぎの効率を向上させて流水の容量を大幅に削減することができる。従って、頭髪および頭皮をエコロジカルに洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態の頭部洗浄方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の一形態を図1を参照して以下に説明する。本実施の形態の頭部洗浄方法では、供給された頭髪洗浄剤で頭皮とともに洗浄作業された頭髪に所定量の水分を供給する。所定量の水分が供給された頭髪から発泡した頭髪洗浄剤の少なくとも一部を排除する。頭髪洗浄剤が排除された頭部に流水を継続的に供給する。継続的に流水が供給される頭部の頭皮を擦過するとともに頭髪を動かして頭髪洗浄剤を濯ぐ。
【0019】
頭髪洗浄剤は、、頭髪の洗浄時に用いられる頭髪化粧料である。具体的には、シャンプーのほか、コンディショニングシャンプー、ヘアローション、リンスインシャンプーを挙げることができる。本実施形態では、頭髪洗浄剤として発泡性のシャンプーを用いた場合を例に説明する。
【0020】
また、本実施の形態の頭部洗浄方法では、濯ぎ準備以前に、頭皮に頭髪洗浄剤を供給し、濯ぎ準備以前に、頭皮を擦過するとともに頭髪を動かすことで頭髪洗浄剤により頭髪および頭皮を洗浄する。
【0021】
また、本実施の形態の頭部洗浄方法では、洗浄剤供給以前に、少なくとも頭髪に流水を継続的に供給し、洗剤供給以前に、継続的に流水が供給される頭髪を頭皮の擦過とともに動かす。
【0022】
また、本実施の形態の頭部洗浄方法では、頭部濯ぎ以後に、頭髪に頭髪処理剤を供給し、供給された頭髪処理剤を頭髪に馴染ませることで処理作業を実行する。
【0023】
ここで、頭髪処理剤は、頭髪洗浄剤(本実施形態の場合、シャンプー)以外の頭髪化粧料である。頭髪処理剤は、頭髪洗浄剤の後に用いられる。本実施形態では、頭髪処理剤としてリンス、トリートメント、コンディショナー、を例示する。
【0024】
また、濯ぎ準備処理では、供給された頭髪処理剤で処理作業が実行された頭髪に所定量の水分を供給する。発泡排除処理では、所定量の水分が供給された頭髪から頭髪処理剤の少なくとも一部を排除する。
【0025】
濯ぎ給水処理では、頭髪処理剤が排除された頭部に流水を継続的に供給する。頭部濯ぎ処理では、継続的に流水が供給される頭部の頭皮を擦過するとともに頭髪を動かして頭髪処理剤を濯ぐ。
【0026】
さらに、本実施の形態の頭部洗浄方法では、頭髪洗浄剤と頭髪処理剤との少なくとも一方が濯がれた頭部からドライタオルで水分を拭き取り、ドライタオルで水分が拭き取られた頭部を送風で乾燥させる。ドライタオルは乾燥したタオルであり、水分の拭き取り前の乾燥度は特に限定されない。
【0027】
上述のような構成において、本実施の形態の頭部洗浄方法を以下に順番に説明する。本実施の形態の頭部洗浄方法では、例えば、被験者の髪型、髪質、頭髪長さ、などに応じて、必要により、目の粗い櫛や手指などで、頭髪を生えている方向に整える(図示せず)。この作業を実行することにより、ステップ1〜3の作業時間を短縮し、使用水量を低減させることができる。
【0028】
そして、このような状態で、頭髪に温水の流水を継続的に供給する(ステップS1〜S3)。例えば、セミロングの頭髪長さ、すなわち毛先が肩にかかり腋の下程度までの長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、髪の量が普通の場合、流水は190ml/秒で20秒程度供給される。
【0029】
また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、流水は180ml/秒で30秒程度供給される。この継続的に流水が供給される頭髪を、手指で頭皮の擦過とともに所定速度で迅速に動かす。
【0030】
つぎに、頭髪ではなく、直接頭皮数箇所に頭髪洗浄剤を供給する。このことにより、頭髪洗浄剤が少ない量でも泡立ちやすく、良好な洗浄結果が得られる。(ステップS4)。
【0031】
このとき、使用される頭髪洗浄剤の量も、例えば、髪型、髪質、頭髪長さ、などに対応して調節されてもよい。例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、髪の量が普通の場合、頭髪洗浄剤は6g程度使用される。また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、頭髪洗浄剤は10g程度使用される。
【0032】
つぎに、手指で頭皮をマッサージするとともに頭髪を動かすことで、頭髪洗浄剤により頭髪および頭皮を洗浄作業する(ステップS5)。この洗浄作業は、耳の後ろから頭頂部、額の生え際から頭頂部、襟足から後頭部、などの順番で実行される。
【0033】
当然ながら、この洗浄作業も、例えば、被験者の髪型、髪質、頭髪長さ、などに対応して所定時間まで実行される。例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、髪の量が普通の場合、190ml/秒で90秒間程度洗浄作業が実行される。また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、190ml/秒で120秒間程度洗浄作業が実行される。
【0034】
供給された頭髪洗浄剤で頭皮とともに洗浄作業された頭髪に所定量の水分を供給する(ステップS6)。この水分は、洗浄された頭髪の全体に供給される程度の必要最小限に制限される。
【0035】
例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、髪の量が普通の場合、水分は700ml程度まで供給される。また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、水分は1000ml程度まで供給される。
【0036】
つぎに、所定量の水分が供給された頭髪から、発泡した頭髪洗浄剤を手指で搾り取ることや拭い取ることなどにより排除する(ステップS7)。
【0037】
この頭髪洗浄剤が排除された頭部に流水を継続的に供給する(ステップS8〜S10)。このとき、継続的に流水が供給される頭部の頭皮を手指で擦過するとともに頭髪を動かして頭髪洗浄剤を濯ぐ(ステップS9)。
【0038】
例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、毛量が普通の場合、流水は190ml/秒で70秒間程度、濯ぎの作業が実行される。また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、100秒間程度濯ぎの作業が実行される。これで頭髪および頭皮の洗浄は完了する(ステップS11−N)。
【0039】
さらにトリートメントやコンディショナーなどの頭髪処理剤で頭髪を処理する場合には(ステップS11−Y)、こんどは頭皮ではなく頭髪数箇所に頭髪処理剤を供給する(ステップS12)。
【0040】
このとき、使用される頭髪処理剤の容量も、例えば、髪型、髪質、頭髪長さ、などに対応して調節されてもよい。例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、髪の量が普通の場合、頭髪処理剤は7g程度使用される。また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、頭髪処理剤は9g程度使用される。
【0041】
つぎに、供給された頭髪処理剤を頭髪に手指で馴染ませることで処理作業を実行する(ステップS13)。当然ながら、この処理作業も、例えば、被験者の髪型、髪質、頭髪長さ、などに対応して所定時間まで実行される。例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、髪の量が普通の場合、42秒間程度処理作業が実行される。
【0042】
つぎに、供給された頭髪処理剤で処理作業が実行された頭髪に所定量の水分を供給する(ステップS14)。この水分は、洗浄された頭髪の全体に供給される程度の必要最小限に制限される。
【0043】
例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、髪の量が普通の場合、水分は700ml程度まで供給される。また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、水分は1000ml程度まで供給される。
【0044】
そして、所定量の水分が供給された頭髪から頭髪処理剤を排除する(ステップS15)。頭髪処理剤が排除された頭部に流水を継続的に供給する(ステップS16〜S18)。
【0045】
このとき、継続的に流水が供給される頭部の頭皮を手指で擦過するとともに頭髪を動かして頭髪処理剤を濯ぐ(ステップS17)。この濯ぎ作業は、例えば、被験者の髪型、髪質、頭髪長さ、などに対応して所定時間まで実行される。
【0046】
例えば、一般的なセミロングの頭髪長さ、やや柔らかくて、やや細い髪質、毛量が普通の場合、190ml/秒で40秒間程度洗浄作業が実行される。また、例えば、ロングの頭髪長さ、すなわち毛先が腋の下以下の長さ、やや硬くて、太い髪質、髪の量が多い場合、190ml/秒で52秒間程度洗浄作業が実行される。これで頭髪および頭皮の洗浄とともに(ステップS1〜S10)、頭髪の処理も完了することになる(ステップS11〜S18)。
【0047】
上述のように頭髪処理剤が濯がれた頭部から、ドライタオルで水分を拭き取る。この拭き取りでは、ドライタオルで頭部を覆った状態で、手指でドライタオルの上から頭部をマッサージするようにして頭髪だけでなく頭皮の水分も拭き取るようにする。
【0048】
つぎに、ドライタオルで水分が拭き取られた頭部をドライヤー等を用いて温風の送風で乾燥させる。この送風による頭部の乾燥では、まず、手指により頭髪を動かしながら温風を頭皮に直接に到達させることで、最初に頭皮を乾燥させる。つぎに、やはり手指により頭髪を頭皮から浮かせるようにし、温風を頭髪にあてるようにすることで、頭髪をしっかり乾燥させる。
【0049】
本実施の形態の頭部洗浄方法では、上述のように頭髪および頭皮を頭髪洗浄剤で洗浄するとき、頭髪に所定量の水分を供給し、発泡した頭髪洗浄剤を排除してから、流水を供給して濯ぐ。
【0050】
このため、洗浄作業された頭部で発泡している頭髪洗浄剤を、いきなり流水の供給で濯がないので、濯ぎの効率を向上させて流水の容量を大幅に削減することができる。
【0051】
しかも、頭髪HIを頭髪処理剤TRで処理するときも、頭髪HIに所定量の水分WTを供給し、頭髪処理剤TRを排除してから、流水MWを供給して濯ぐ。このため、処理作業された頭部HEに残留している頭髪処理剤TRを、いきなり流水MWの供給で濯がないので、濯ぎの効率を向上させて流水MWの容量を大幅に削減することができる。
【0052】
さらに、頭皮に頭髪洗浄剤を供給する以前に、少なくとも頭髪に流水を継続的に供給し、継続的に流水が供給される頭髪を頭皮の擦過とともに動かす。このため、頭皮及び頭皮の汚れを予め取り除くことができ、少量の頭髪洗浄剤で頭部の頭髪および頭皮を良好に洗浄することができる。
【0053】
しかも、頭皮数箇所に頭髪洗浄剤を供給し、頭皮を擦過するとともに頭髪を動かすことで頭髪洗浄剤により頭髪および頭皮を洗浄する。このため、頭髪洗浄剤が無駄に頭髪に塗布されることを防止でき、少量の頭髪洗浄剤で頭皮を良好に洗浄することができる。
【0054】
さらに、頭髪洗浄剤を濯いだ以後に、頭髪に頭髪処理剤を供給し、供給された頭髪処理剤を頭髪に馴染ませることで処理作業を実行する。このため、頭髪処理剤が無駄に頭皮に塗布されることを防止でき、頭髪を良好に処理することができる。
【0055】
しかも、頭髪処理剤が濯がれた頭部からドライタオルで指の腹でマッサージするように水分を拭き取ってから、頭部を温風の送風で乾燥させる。このため、温風の送風による乾燥時間を大幅に削減することができる。
【0056】
従って、本実施の形態の頭部洗浄方法では、頭髪および頭皮の洗浄および処理に必要な水量や電力を大幅に削減することができるので、極めてエコロジカルに頭部を洗浄および処理することができる。
【0057】
なお、本発明者が実際に上述のような頭部洗浄方法を実験したところ、温水の使用量を全体で27.2%削減でき、最後の温風による乾燥時間を18.0%削減できることが確認された。
【0058】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では頭皮および頭髪の洗浄後に頭髪の処理も実行することを例示した。しかし、頭皮および頭髪の洗浄のみ実行してもよい。
【0059】
さらに、上記形態では頭髪および頭皮を頭髪洗浄剤で洗浄したり頭髪処理剤で処理したりするとき、頭髪に所定量の水分を供給し、頭髪洗浄剤や頭髪処理剤を手指で排除してから、流水を供給して濯ぐことを例示した。
【0060】
しかし、頭髪および頭皮を頭髪洗浄剤で洗浄したり頭髪処理剤で処理するとき、頭髪に所定量の水分を供給し、頭髪洗浄剤や頭髪処理剤を濡れタオルで拭ったり、泡切り櫛で剥いたりしてから、流水を供給して濯いでもよい(図示せず)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された頭髪洗浄剤で頭皮とともに洗浄作業された頭髪に所定量の水分を供給し、
所定量の前記水分が供給された前記頭髪から発泡した前記頭髪洗浄剤の少なくとも一部を排除し、
前記頭髪から前記頭髪洗浄剤が排除された前記頭部に流水を継続的に供給し、
継続的に前記流水が供給される前記頭部の前記頭皮を擦過するとともに前記頭髪を動かして前記頭髪洗浄剤を濯ぐ、頭部洗浄方法。
【請求項2】
前記頭髪に所定量の前記流水を供給する以前に、
前記頭皮に前記頭髪洗浄剤を供給し、
前記頭皮を擦過するとともに前記頭髪を動かすことで前記頭髪洗浄剤により前記頭髪および前記頭皮を前記洗浄作業する、請求項1に記載の頭部洗浄方法。
【請求項3】
前記頭皮に前記頭髪洗浄剤を供給する以前に、
少なくとも前記頭髪に前記流水を継続的に供給し、
継続的に前記流水が供給される前記頭髪を前記頭皮の擦過とともに動かす、請求項2に記載の頭部洗浄方法。
【請求項4】
前記頭髪洗浄剤を濯いだ以後に、
前記頭髪に頭髪処理剤を供給し、
供給された前記頭髪処理剤を前記頭髪に馴染ませることで処理作業を実行する、請求項1ないし3の何れか一項に記載の頭部洗浄方法。
【請求項5】
供給された前記頭髪処理剤で前記処理作業された前記頭髪に所定量の前記流水を供給し、
所定量の前記水分が供給された前記頭髪から前記頭髪処理剤の少なくとも一部を排除し、
前記頭髪処理剤が排除された前記頭部に流水を継続的に供給し、
継続的に前記流水が供給される前記頭部の前記頭皮を擦過するとともに前記頭髪を動かして前記頭髪処理剤を濯ぐ、請求項4に記載の頭部洗浄方法。
【請求項6】
前記頭髪洗浄剤と前記頭髪処理剤との少なくとも一方が濯がれた前記頭部からドライタオルで水分を拭き取る、請求項1ないし5の何れか一項に記載の頭部洗浄方法。
【請求項7】
前記ドライタオルで水分が拭き取られた前記頭部を送風で乾燥させる、請求項1ないし6の何れか一項に記載の頭部洗浄方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−95692(P2012−95692A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243494(P2010−243494)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)