顔面装着型画像視認装置
【課題】装着時の突出が小さく、装置のサイズを小さくすることで装着性を向上させ、しかも軽量化を図ることが可能な光学系を有する顔面装着型画像視認装置の提供。
【解決手段】画像を表示する画像表示素子と、画像表示素子の画像を装着者に導く凹面鏡である接眼光学系と、装着者の眼球前方に接眼光学系を固定可能なフレームと、を具備する顔面装着型画像視認装置であって、左側に配された画像表示素子が右側の接眼光学系に射出されるように設けられ、および/または、右側に配された画像表示素子が左側の接眼光学系に射出されるように設けられた画像視認装置。
【解決手段】画像を表示する画像表示素子と、画像表示素子の画像を装着者に導く凹面鏡である接眼光学系と、装着者の眼球前方に接眼光学系を固定可能なフレームと、を具備する顔面装着型画像視認装置であって、左側に配された画像表示素子が右側の接眼光学系に射出されるように設けられ、および/または、右側に配された画像表示素子が左側の接眼光学系に射出されるように設けられた画像視認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量、コンパクトで装着性のよい顔面装着型画像視認装置に関し、より具体的には、映像、読書等を楽しむためのアミューズメント用途に限られず、視力が弱った人(ロービジョン)用の支援機器として、或いは火災時の救助活動や漏電箇所の検知並びに医療現場等の作業用途においても活用できる、新たな構造の光学系を有する顔面装着型画像視認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顔面装着型画像視認装置としては、ゴーグル型、眼鏡型等の装置を頭部に装着し、ケーブルを介して送られてくる映像、音響を視聴するHMD(Head Mounted Display)が広く知られている。
近年、HMDタイプの装置の利用分野は拡大しており、外科手術等の医療現場で、医師が患者の手術、治療部位に関する映像情報を見ることによって、肉眼観察できない情報を得ながら、装置の切り換え操作によって肉眼観察いわゆるシースルー観察を行うことも行われている。
【0003】
また、災害時の救助活動等においても赤外線像と可視光線像を表示可能な装置が利用されており、例えば、赤外線カメラで撮像した映像を再生するディスプレイをヘルメットに設け、ヘルメットが装着された際の正面視の輪郭内に、赤外線カメラおよびディスプレイが配置されることを特徴とする異常探査支援装置(特許文献1,2)、赤外線を受光するためのセンサーと、可視光線像を撮像するビデオカメラと、それらを表示するディスプレーとを具備した頭部装着ディスプレイ装置が提言されている(特許文献3)。
また、発明者等が提言した視認装置としては、ハーフミラーが形成された自由曲面プリズムを用いて、赤外と可視映像の同時視認が可能な顔面装着型の装置がある(特許文献4)。
【0004】
しかしながら、これらの装置は大型で装着性に劣るため、改良が望まれており、例えば、装着時の突出をできるだけ小さくするために、使用者の顔の両側部に一対の二次元表示素子を設け、それをリレー光学系で実像を空中に投影し、その実像を接眼光学系拡大投影すると共に光軸を屈曲させる接眼光学系から構成される装置が提言されている(特許文献5,6)。
【0005】
【特許文献1】実開平05−075892号公報
【特許文献2】特開2004−244745号公報
【特許文献3】特開平8−54282号公報
【特許文献4】特開2002−23098号公報
【特許文献5】特開平5−134208号公報
【特許文献6】特許第3155335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
屋外での使用を前提とした場合、画像視認装置のサイズが小さく、装着時の突出ができるだけ小さい形状であることが望ましい。また、装置サイズや形状の改善は、装着性の向上にも寄与する。装置サイズを小さくするためには、観察者の眼球前部に配置して像を空中に投影する働きと画像表示素子からくる光軸を屈曲(角度偏向)させる働きとを持つ接眼光学系、すなわち、眼の前部に配置する凹面鏡をコンパクトに収納する必要がある。
【0007】
一方、大きな画角を確保することは、画像観察時の臨場感や作業性を上げるために必要条件である。しかし、大きな画角を確保するためには、接眼光学系を大きくする必要があるが、既存の構成で接眼光学系を大きくすると、装置全体が大きなものとなってしまうという問題があり、画像表示器を大きくしても同様の問題が生じる。
【0008】
また、画像表示器からの画像を複数回反射する構成においては、画像の光量が減少し、暗くなるという問題がある。加えて、光学部品が少なくとも2点必要なことから、通常の眼鏡として使用できる程度に軽量化することは難しかった。
【0009】
また、複数回反射させるために反射経路に外光が入ればそれが迷光となり本来の画像が見えにくくなるために、一般に筐体の中に光学系を収納する必要がある。接眼光学系を半透過鏡(ハーフミラー)とし、外界を見る場合においては、筐体により視野が狭くなるという問題も生じる。屋外での作業用途で用いるためには、広い視野を確保できることが望ましい。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、装着時の突出が小さく、装置のサイズを小さくすることで装着性を向上させ、しかも軽量化を図ることが可能な光学系を有する顔面装着型画像視認装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者は、接眼光学系を顔面のカーブに沿った角度(ハの字)に配置し、接眼光学系の外側(耳側)の端部と顔面との間隔を小さくすることで、装着時の突出を小さくすることができると考え、これを実現するための光学系を鋭意研究して本発明に至った。
また、画像表示器の画像を目に映し出すための光学部品を最小とすべく、反射の回数を最小限とする構成とすることで、軽量化が可能な構造を有した光学系をそなえる画像視認装置を発明した。
【0012】
すなわち、第1の発明は、画像を表示する画像表示素子と、画像表示素子の画像を装着者に導く凹面鏡である接眼光学系と、装着者の眼球前方に接眼光学系を固定可能なフレームと、を具備する顔面装着型画像視認装置であって、左側に配された画像表示素子が右側の接眼光学系に射出されるように設けられ、および/または、右側に配された画像表示素子が左側の接眼光学系に射出されるように設けられた画像視認装置である。
第2の発明は、第1の発明において、前記接眼光学系は、曲率中心が装着者の顔面の中心部となるようハの字に配されることを特徴とする。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記画像表示素子は、装着者の眼球の側方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする。
第4の発明は、第1または2の発明において、前記画像表示素子は、装着者の眼球の上方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする。
第5の発明は、第3または4の発明において、前記画像表示素子の近傍にレンズ手段を有し、該レンズ手段が画像表示素子から射出された像を拡大した実像を接眼光学系の手前に投影することを特徴とする。
このように、第5の発明は、凸レンズ等で構成されたレンズ手段を備え、レンズ手段にレンズパワーを持たせることにより、接眼光学系にのみレンズパワーを持たせた際に生じる歪み等の問題を解消することを可能としている。
第6の発明は、第1ないし5のいずれかの発明において、前記接眼光学系が、半透過鏡であることを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明において、前記接眼光学系は、外界光を遮断する液晶シャッターを備えることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、前記接眼光学系は、画像表示素子から投影される光軸の内側の曲率半径と比べ外側の曲率半径が大きく構成されることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし8のいずれかの発明において、前記接眼光学系が楕円ミラーにより構成されることを特徴とする。
第10の発明は、第1ないし9のいずれかの発明において、前記画像表示素子の視野が、装着者の視野と重なるよう構成されることを特徴とする。
第11の発明は、第1ないし10のいずれかの発明において、前記レンズ手段が画像表示素子の表示中心を射出する光線を屈曲させるリレー光学系により構成されることを特徴とする。
第12の発明は、第1ないし11のいずれかの発明において、フレームに電源と受信機が内蔵され、ケーブルフリーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、顔面のカーブに沿って接眼光学系を配置する構造を有するため、これにより顔面装着時に突出が少ないコンパクトな画像視認装置を提供することが可能となる。
また、接眼光学系や画像表示素子をコンパクトにできる光学特性を有するため、画像視認装置の軽量化を図ることが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を図面に沿って説明する。
本発明の画像視認装置は、動画像や赤外画像等が表示される画像表示素子3は、照明手段1により裏側から照射されて二次元画像等を形成する。図1に示すようにレンズ手段5を設けた構成においては、二次元画像等をレンズ手段5が凹面鏡である接眼光学系7の手前に空中像として投影し、この実像を更に接眼光学系7で眼球の前方の空中に虚像として拡大投影する(図2参照)。この虚像の投影位置を眼球の視度に合わせて調整することで画像表示素子3に表示された二次元画像等の拡大像(虚像11)を観察することができる。
また、図4に示すようにレンズ手段5を設けない構成においては、画像表示素子3に表示された二次元画像等が、直接接眼光学系7に反射され、拡大された虚像11を形成する。この場合には、画像表示素子3の画像が接眼光学系7で直接反射されることになるので、投影される像の向きは図1とは逆になる。
【0015】
レンズ手段5による空中像の投影は、例えば、図3に示す光路図で行われる。すなわち、レンズ手段5の焦点距離fからf/4遠い場所に画像yを置くと、レンズ手段5を挟んだ焦点距離fから4f遠い場所に4倍に拡大した実像が投影される。
このように、画像表示素子3と接眼光学系7の間隔が大きいため、接眼光学系7の曲率を緩やかに(焦点距離を長く)構成することができるため、外界像のひずみを小さくすることができる。
【0016】
また、図5に示すように、画像表示素子3を、装着者の眼球の上方部に配する構成としてもよい。この構成に、レンズ手段5を介在させてもよい。図4の構成と比べると、装着者の側方部の突出は少なくなるが、画像表示素子3と接眼光学系7の間隔を取るために前方部への突出が若干大きくなる場合がある。図4の構成とするか図5の構成とするかは設計事項であり、採用する接眼光学系7の焦点距離やレンズ手段5と組み合わせの有無も併せて考慮する必要がある。
【0017】
このように、本発明においては、接眼光学系を一対の凹面鏡で構成し、その凹面鏡を顔面のカーブに沿った角度(ハの字)に配置すること、すなわち曲率中心が装着者の顔面の中心部となるように配置することで、装着時の突出を小さくすることを可能としている。従来型の装置においても一対を用いた構成はあったが、逆ハの字に配置する必要があったため、装着時の突出を小さくするにも限界があった。
また、ハの字に配置することにより、曲率を緩く構成することが可能となり、収差を小さくすることができる。
【0018】
凹面鏡である接眼光学系7R、7Lは、拡大像(虚像)を形成する作用と、光軸を屈曲させる作用とを1つの反射面で行うことができる。ここで、反射鏡を非球面とすることで画角の大きい大画面の像の収差を補正するのが好ましい。接眼光学系7の焦点距離は300mm以下であることが好ましく、200mm以下であることがより好ましく、15〜100mmの範囲が好適である。画像表示素子3と接眼光学系7との距離が大きくなり、また接眼光学系7と眼球との距離が開きすぎ、光学系そのものが大きくなってしまうからであり、逆に10mm以下になると収差が大きくなるからである。
接眼光学系7から眼までの距離(アイポイント)は60mm以下であることが好ましい。眼鏡をかけた人でも60mm程度あれば十分対応可能である。
【0019】
レンズ手段5R、5Lは、少なくとも一枚の凸レンズから構成されるが、リレー光学系やズームレンズ系を用いて構成してもよい。
レンズ手段5にズームレンズ系を使用する場合は、焦点距離を短くすると広角的な像が得られるようになる。すなわち、手動つまみやモータ等により、レンズ手段5を光軸方向に移動することにより、画像視認装置の拡大率を調整することができる。ここで、記憶部に最適拡大率の情報を記録しておき、所定のモードに応じて自動的に最適拡大率に変更するよう構成してもよい。
また、画像視認装置の顔面からの突出を減らすためには、光軸を顔面に沿って屈曲させるようリレー光学系を構成するのがよい。ここで言う光軸とは、観察者眼球の虹彩中心または眼球回旋中心を通過する光線で、画像表示素子3の表示中心を射出する、いわゆる軸上光線を言う。顔面は緩い凸面とみなすことができるので、光軸を顔面に沿って屈曲させる働きを持たせることで、画像視認装置の突出を少なくすることが可能となる。屈曲作用を持たせる手段としては、例えば楔型プリズムを用いて光軸を屈曲させること、レンズ作用のあるリレー光学系を光軸に対し偏心させることが知られている(特許文献5参照)。
【0020】
本発明の画像視認装置では、画像表示素子3からほぼ垂直に出る光束が観察者眼球位置8に入射して観察されるようにするため、接眼光学系7の光軸が屈曲する面内において、画像表示素子3から見て光軸を屈曲させる位置aより顔面中心部から外側の曲率半径をより大きくし、位置aより顔面中心部側の曲率半径をより小さくしている。この結果、位置aより内側(鼻側)の領域の焦点距離は短くなり、逆に、位置aより外側(耳側)の領域の焦点距離は長くなり、接眼光学系7の前側焦点面と焦点面を射出する光束の角度をほぼ垂直としている。
このように、画像表示素子3または画像表示素子3の投影像を直接接眼光学系7の前側焦点面に配置することが可能になり、明るい像が得られることになる。
【0021】
また、接眼光学系7を、特許文献4に開示される公知の自由曲面プリズムとその透過光のパワーおよび光軸を補正するプリズムとで構成してもよいし、公知の楕円ミラーにより構成してもよい。
楕円ミラーは、2つの焦点のいずれかに光源をおけば他の焦点に集光する性質を有する。
図6および7は、接眼光学系7に楕円ミラーを用いた構成例である。A(1)およびA(2)は接眼光学系7Rを構成する楕円の焦点であり、B(1)およびB(2)は接眼光学系7Lを構成する楕円の焦点である。接眼光学系7Rの一方の焦点A(1)にレンズ手段5Lの前側焦点を配置し、接眼光学系7Lの一方の焦点B(2)にレンズ手段5Rの前側焦点を配置することで、装着者の瞳近傍の焦点A(2)および焦点B(1)に画像表示素子3L、3Rの画像が導かれる。
画像表示素子3およびレンズ手段5の配置箇所は設計事項であり、図8のように接眼光学系7より水平位置が高い箇所に設けることにより、接眼光学系7の配置を調整することも可能である。なお、凸レンズの第1の焦点位置に上記要領でリレーレンズを設け、レンズ手段5をリレー光学系により構成してもよい。
【0022】
以下では、本発明の詳細を実施例で説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
本実施例の顔面装着型視認装置は、図9に示すように、外部レンズ21とスイッチボックス23とそれらを接続するケーブル24とから構成される。
外部レンズ21は、装着者の眼球側に一対の接眼光学系7R、7Lを有する両眼光学シースルーであり、可視画像と画像表示素子3による二次元画像を重畳表示することができ、また、画像表示素子3をOFFにした際は、両眼で直接可視像を視認することもできる。
本実施例の光学系は、一回反射により二次元画像を目に導くため、迷光の問題は深刻でなく筐体は不要である。従って、視認部20はゴーグル型に限られず、眼鏡型等であってもよい。
【0024】
接眼光学系7R、7Lはフレーム22に固着され、その側方部にはフレーム22に内蔵された照明手段1、画像表示素子3R、3Lおよびレンズ手段5R、5Lが配設される。
画像表示素子3は、透過型の液晶表示素子により構成され、スイッチボックスから送出される二次元画像が電気的に分割されて表示される。本実施例では、画像表示素子3に液晶表示素子を用いたが、反射型や自家発光型(例えば、微細な発光ダイオードをマトリックス上に配列したもの)の画像表示素子を用いてもよい。
なお、画像表示素子3を左右いずれか1枚とし、二次元画像を片目で確認する構成としてもよい。
【0025】
スイッチボックス23には、HDD等の外部記憶装置が内蔵されており、記憶されたビデオソフト等を再生し、画像表示素子3に表示させることができる。すなわち、電源兼再生ボタンであるスイッチ31を押下すると、スイッチボックスが再生した動画像が画像表示素子3に表示され、その反射光が装着者に導かれることで、装着者はビデオソフト等を視認することができる。本実施例ではスイッチボックス23を専用機で構成しているが、フレーム22に画像処理チップを内蔵させ、ケーブル24の終端部を、コンポジット端子、コンポーネント端子、HDMI端子等の標準的な規格端子を備えることにより、市販のDVD再生機器等と連携することも可能である。
二次元画像は、図10に示すように、別途の画像ウィンドウで表示するのが代表的な表示方法であるが、可視光の視野と重畳表示させてもよい。また、接眼光学系7R、7Lに表示された像を重ね合わせることで画像を立体表示するいわゆる立体テレビを構成することもできる。
【0026】
スイッチボックス23には、画像情報を増幅するとともに画像表示素子3へ増幅された信号を送出する増幅部を設けるのが好ましい。これにより、信号の増幅を行う場合に、顔面に装着される視認部20の重量を軽減することができる。
また、スイッチボックス23に視認部20用の電源を内蔵させることにより、視認部20の重量を軽減させることが好ましい。
また、スイッチボックス23には、二次元画像のコントラストなどの調整回路を内蔵させ、別個にボリューム調整つまみ32を備えている。これにより、装着者は、透過光の強度に応じて、ボリューム調整つまみを操作させることにより二次元画像のコントラストを調整することができ、周囲の光量に応じて二次元画像の入射光と可視光の入射光とのバランスを取ることができる。液晶シャッターを設け、可視光を遮断できる機能を備えるようにしてもよい。
【0027】
本実施例では、スイッチボックス23に図示しないイヤホンないしはヘッドホンのジャックを差し込み音声出力を得ることを前提としているが、音声出力が問題とならない場合には、フレーム22に小型のスピーカーを内蔵させてもよい。
【実施例2】
【0028】
実施例2は、実施例1の画像視認装置をコードレスとしたものである。
図11に示すように、視認部20はフレーム22に受信機25と視認部用電源26を備えている。受信機25と電源26はフレーム22の左右対称位置に一つずつ設けられており、またより重量のある電源26を中央部に配することで、重量バランスよく装着できるよう配慮している。
フレーム22の側部には、視認部20の電源をON/OFFするスイッチ31と二次元画像のコントラストなどの調整つまみ32が設けられている。
スイッチボックス23は、実施例1の構成に加えて無線送信機を内蔵している。スイッチボックス23で再生された二次元画像は、内蔵する無線送信機から視認部20の受信機25へ送信され、画像表示素子3に表示される。
【実施例3】
【0029】
実施例3は、火災時の救助活動や漏電箇所の検知並びにプラント等の保守現場において、夜間や煙などにより視認性が悪い状況下においても、人体を検知しての救助活動等を円滑に行うための赤外画像視認装置である。本実施例の画像視認装置は、赤外線カメラ付きヘルメットと連携して使用されるものである。
【0030】
本実施例の赤外線カメラ付きヘルメットは、ヘルメット41と、ヘルメット41の頂上部に固設された無線アンテナ42と、ヘルメット1に埋設された赤外線カメラ43と、スイッチパネル44を主たる要素とする(図12参照)。
ヘルメット41は、公知の自己消火素材で構成されたヘルメットであり、次に述べる各構成要素を付加した総重量(電源含む)は、1.0kgである。
本実施例では、ヘルメットの頂上部にとさか形状の凸部が形成されており、無線送信機、赤外線カメラ43、電源等の重量のある機器類がヘルメット41の凸部に集約しているため、装着時の安定性に優れている。
【0031】
無線送信機は、市販の機器を用いることができ、例えば、アイデンビデオトロニクス社のTRX24T66miniの場合、外形寸法は26×23×10mmとコンパクトで、重量も8gと軽量であり、これに対応する受信機の外形寸法は、96×60×17mmであり、重量は53g、消費電力0.2A以下である。
無線アンテナ42はヘルメット41の頂部に固設され、約100mの伝送距離がある。作業時に突起物等との衝突を避けるべく、高さ5cm以下としている。
【0032】
赤外線カメラ43は、二次元に配列したボロメ−タ等の熱型赤外線検出素子であり、消費電力の少ないタイプのものを採用するのが好ましい。遠赤外線、中赤外線、近赤外線のいずれを使用するものでもよく、用途に応じて適宜最適なものを選択することができる。赤外線カメラ43は、画角が49゜程度若しくはそれ以上を備えるのがよい。これにより装着者の視野角と同程度若しくはそれ以上の周囲の映像を液晶表示素子3に表示させることができる。
なお、赤外線を可視光に変える赤外線変換装置(イメージコンバータ)または赤外線増強装置(イメージインテンシファイア)をヘルメット41に内蔵させてもよい。
【0033】
スイッチパネル44は赤外線カメラ43による撮像をON/OFF制御するものである。手袋装着時でも容易に操作できるように、押し込み/引き出し構成とすること、或いは、奇数回(偶数回)押すことでONとなり、偶数回(奇数回)押すことでOFFとなるように構成することが好ましい。
なお、ヘルメット41の内側にスピーカーを内蔵させることにより、司令部(消防車や情報センター等)からの指示を受信したり、マイクロフォンを設けることで、司令部と双方向通信を行えるようにしてもよい。
【0034】
本実施例のスイッチボックス23(図示省略)には、無線受信機が内蔵されており、無線送信機から送信された赤外画像等の撮像画像を受信し、視認部20が備える受信機25へ送信する。
視認部20は実施例2と同じ構成である。なお、無線受信機により、司令部からの情報を受信させる構成としてもよく、例えば、救助活動を支援するために、建物の間取り図を無線で受信する機能を付加してもよい。
【0035】
スイッチボックス23には、受光情報を増幅するとともに液晶表示部へ増幅された信号を送出する増幅部を設けてもよい。これにより、信号の増幅を行う場合に、顔面に装着される外部レンズ21の重量を軽減することができる。
また、スイッチボックス23には、赤外線に基づく画像のコントラストなどの調整回路を内蔵させ、別個にボリューム調整つまみなどを備えている。これにより、装着者は、透過光の強度に応じて、ボリューム調整つまみを操作させることにより赤外線に基づく画像を調整することができ、周囲の光量に応じて赤外線に基づく入射光と可視光に基づく入射光とのバランスを取ることができる。
【0036】
赤外画像は、可視光の視野と重畳表示させてもよいし、別途の画像ウィンドウで表示するようにしてもよい。この場合には、画像表示素子3の画像を接眼光学系7で直接反射させるように構成してもよい。
重畳表示させる場合には、予め設定した赤外線カメラ等の撮像手段の測定距離に熱線を発する物または人を置き、フレーム22の掛け具合を調整することで、重畳表示のずれを修正する。
【0037】
赤外画像等と可視像を重畳表示する手法としては、赤外線カメラの画角等を調整することが挙げられる。例えば、赤外線カメラの視野角を画像表示素子3の視野と同じ20°(H)×15°(V)とすることで、赤外画像と可視像を重ね合わせる距離を予め光学系で設定することができる。重ね合わせ距離の設定は用途に応じて調整可能であり、画像表示素子3を進退動させること等で好ましい測定距離に調整できるよう設計している。例えば、火災現場における好ましい測定距離は、経験則上5〜30mであるが、1km程度までの距離内において、用途に応じて所定の測定距離に適した光学系を適宜設計するのが好ましい。
【0038】
また、赤外画像の表示機能をシンプルなものとすることにより、スイッチボックス23を無くすことも可能である。すなわち、増幅部やコントラストの調整はもちろん、着色機能も特定の温度帯のみ着色するように構成することで、スイッチボックス23を無くし、フレーム22に設けられたスイッチ31および調整つまみ32で操作する構成としてもよい。
また、赤外線カメラ43にモノクロカメラを採用し、体温の温度域のみを着色表示する構成とし、画像処理の負荷を下げる構成としてもよい。
【実施例4】
【0039】
実施例4は、資料(例えば、書籍や新聞等)の文面に印字されている小さな文字を読みやすくするための画像視認装置である。図13に示すように、対象となる資料を撮像装置45により撮影し、ズーム倍率を調整して部分拡大した撮影画像を、視認部20の画像表示素子3に表示する拡大読書器としての機能を有する。
撮像装置45はCCDカメラ等の公知の撮像素子により構成される。撮像装置45の先端部に白色LED等の光源を設け、外界の光量が足りない場合にも撮像可能に構成することが好ましい。また、撮像装置45の本体部に拡大・縮小調整ボタンを配し、ズーム倍率を調整できるようにすることが好ましい。
【0040】
撮像装置45はケーブル24によりスイッチボックス23と接続されており、スイッチボックス23は撮像装置45からの電気信号を、内蔵する無線送信機から視認部20の受信機25へ送信する。ここで、スイッチボックス23に撮像装置45からの電気信号を記憶する外部記憶装置を設け、所望する場面を早送り或いは巻き戻して再生できるように構成するのが好ましい。
ユーザーは、視認部20に表示された画像を見ながら資料上で撮像装置45を移動させることにより、文字情報等の拡大表示を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、家庭で映像、読書等を楽しむことができるのみならず、視力が弱った人の拡大読書器としても利用することでき、また屋外等での作業時にも補助映像を大がかりな装置を装着することなく提供することができる。
特に、カメラ付き頭部装着器具と連動することで、消防用活動における人命救助や残火の発見に活用できるのみならず、防災、保守点検(電力、プラント等)、警備(海上保安等)、検疫及び医療等の現場でも活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の画像視認装置の第一の態様における光路を説明する図面である。
【図2】本発明の画像視認装置のレンズ手段および接眼光学系を説明するための側面断面図である。
【図3】本発明の画像視認装置のレンズ手段による画像の投影を説明するための側面断面図である。
【図4】本発明の画像視認装置の第二の態様における光路を説明する図面である。
【図5】本発明の画像視認装置の第三の態様における光路を説明する図面である。
【図6】楕円ミラーを採用した一態様を説明する図面である。
【図7】楕円ミラーを採用した一態様における光路を説明する図面である。
【図8】楕円ミラーを採用した他の態様を説明する図面である。
【図9】実施例1の画像視認装置の斜視図である。
【図10】実施例1の画像視認装置における表示画像のイメージ図である。
【図11】実施例2の画像視認装置の斜視図である。
【図12】実施例3の画像視認装置を装着した際の斜視図である。
【図13】実施例4の画像視認装置の利用イメージを示した図である。
【符号の説明】
【0043】
1 照明手段
3 画像表示素子
5 レンズ手段
7 接眼光学系
8 観察者眼球位置
9 実像
11 虚像
20 視認部
21 外部レンズ
22 フレーム
23 スイッチボックス
24 ケーブル
25 受信機
26 視認部用電源
31 スイッチ
32 調整つまみ
41 ヘルメット
42 無線アンテナ
43 赤外線カメラ
44 スイッチパネル
45 撮像装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量、コンパクトで装着性のよい顔面装着型画像視認装置に関し、より具体的には、映像、読書等を楽しむためのアミューズメント用途に限られず、視力が弱った人(ロービジョン)用の支援機器として、或いは火災時の救助活動や漏電箇所の検知並びに医療現場等の作業用途においても活用できる、新たな構造の光学系を有する顔面装着型画像視認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
顔面装着型画像視認装置としては、ゴーグル型、眼鏡型等の装置を頭部に装着し、ケーブルを介して送られてくる映像、音響を視聴するHMD(Head Mounted Display)が広く知られている。
近年、HMDタイプの装置の利用分野は拡大しており、外科手術等の医療現場で、医師が患者の手術、治療部位に関する映像情報を見ることによって、肉眼観察できない情報を得ながら、装置の切り換え操作によって肉眼観察いわゆるシースルー観察を行うことも行われている。
【0003】
また、災害時の救助活動等においても赤外線像と可視光線像を表示可能な装置が利用されており、例えば、赤外線カメラで撮像した映像を再生するディスプレイをヘルメットに設け、ヘルメットが装着された際の正面視の輪郭内に、赤外線カメラおよびディスプレイが配置されることを特徴とする異常探査支援装置(特許文献1,2)、赤外線を受光するためのセンサーと、可視光線像を撮像するビデオカメラと、それらを表示するディスプレーとを具備した頭部装着ディスプレイ装置が提言されている(特許文献3)。
また、発明者等が提言した視認装置としては、ハーフミラーが形成された自由曲面プリズムを用いて、赤外と可視映像の同時視認が可能な顔面装着型の装置がある(特許文献4)。
【0004】
しかしながら、これらの装置は大型で装着性に劣るため、改良が望まれており、例えば、装着時の突出をできるだけ小さくするために、使用者の顔の両側部に一対の二次元表示素子を設け、それをリレー光学系で実像を空中に投影し、その実像を接眼光学系拡大投影すると共に光軸を屈曲させる接眼光学系から構成される装置が提言されている(特許文献5,6)。
【0005】
【特許文献1】実開平05−075892号公報
【特許文献2】特開2004−244745号公報
【特許文献3】特開平8−54282号公報
【特許文献4】特開2002−23098号公報
【特許文献5】特開平5−134208号公報
【特許文献6】特許第3155335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
屋外での使用を前提とした場合、画像視認装置のサイズが小さく、装着時の突出ができるだけ小さい形状であることが望ましい。また、装置サイズや形状の改善は、装着性の向上にも寄与する。装置サイズを小さくするためには、観察者の眼球前部に配置して像を空中に投影する働きと画像表示素子からくる光軸を屈曲(角度偏向)させる働きとを持つ接眼光学系、すなわち、眼の前部に配置する凹面鏡をコンパクトに収納する必要がある。
【0007】
一方、大きな画角を確保することは、画像観察時の臨場感や作業性を上げるために必要条件である。しかし、大きな画角を確保するためには、接眼光学系を大きくする必要があるが、既存の構成で接眼光学系を大きくすると、装置全体が大きなものとなってしまうという問題があり、画像表示器を大きくしても同様の問題が生じる。
【0008】
また、画像表示器からの画像を複数回反射する構成においては、画像の光量が減少し、暗くなるという問題がある。加えて、光学部品が少なくとも2点必要なことから、通常の眼鏡として使用できる程度に軽量化することは難しかった。
【0009】
また、複数回反射させるために反射経路に外光が入ればそれが迷光となり本来の画像が見えにくくなるために、一般に筐体の中に光学系を収納する必要がある。接眼光学系を半透過鏡(ハーフミラー)とし、外界を見る場合においては、筐体により視野が狭くなるという問題も生じる。屋外での作業用途で用いるためには、広い視野を確保できることが望ましい。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、装着時の突出が小さく、装置のサイズを小さくすることで装着性を向上させ、しかも軽量化を図ることが可能な光学系を有する顔面装着型画像視認装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者は、接眼光学系を顔面のカーブに沿った角度(ハの字)に配置し、接眼光学系の外側(耳側)の端部と顔面との間隔を小さくすることで、装着時の突出を小さくすることができると考え、これを実現するための光学系を鋭意研究して本発明に至った。
また、画像表示器の画像を目に映し出すための光学部品を最小とすべく、反射の回数を最小限とする構成とすることで、軽量化が可能な構造を有した光学系をそなえる画像視認装置を発明した。
【0012】
すなわち、第1の発明は、画像を表示する画像表示素子と、画像表示素子の画像を装着者に導く凹面鏡である接眼光学系と、装着者の眼球前方に接眼光学系を固定可能なフレームと、を具備する顔面装着型画像視認装置であって、左側に配された画像表示素子が右側の接眼光学系に射出されるように設けられ、および/または、右側に配された画像表示素子が左側の接眼光学系に射出されるように設けられた画像視認装置である。
第2の発明は、第1の発明において、前記接眼光学系は、曲率中心が装着者の顔面の中心部となるようハの字に配されることを特徴とする。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記画像表示素子は、装着者の眼球の側方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする。
第4の発明は、第1または2の発明において、前記画像表示素子は、装着者の眼球の上方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする。
第5の発明は、第3または4の発明において、前記画像表示素子の近傍にレンズ手段を有し、該レンズ手段が画像表示素子から射出された像を拡大した実像を接眼光学系の手前に投影することを特徴とする。
このように、第5の発明は、凸レンズ等で構成されたレンズ手段を備え、レンズ手段にレンズパワーを持たせることにより、接眼光学系にのみレンズパワーを持たせた際に生じる歪み等の問題を解消することを可能としている。
第6の発明は、第1ないし5のいずれかの発明において、前記接眼光学系が、半透過鏡であることを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれかの発明において、前記接眼光学系は、外界光を遮断する液晶シャッターを備えることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明において、前記接眼光学系は、画像表示素子から投影される光軸の内側の曲率半径と比べ外側の曲率半径が大きく構成されることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし8のいずれかの発明において、前記接眼光学系が楕円ミラーにより構成されることを特徴とする。
第10の発明は、第1ないし9のいずれかの発明において、前記画像表示素子の視野が、装着者の視野と重なるよう構成されることを特徴とする。
第11の発明は、第1ないし10のいずれかの発明において、前記レンズ手段が画像表示素子の表示中心を射出する光線を屈曲させるリレー光学系により構成されることを特徴とする。
第12の発明は、第1ないし11のいずれかの発明において、フレームに電源と受信機が内蔵され、ケーブルフリーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、顔面のカーブに沿って接眼光学系を配置する構造を有するため、これにより顔面装着時に突出が少ないコンパクトな画像視認装置を提供することが可能となる。
また、接眼光学系や画像表示素子をコンパクトにできる光学特性を有するため、画像視認装置の軽量化を図ることが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を図面に沿って説明する。
本発明の画像視認装置は、動画像や赤外画像等が表示される画像表示素子3は、照明手段1により裏側から照射されて二次元画像等を形成する。図1に示すようにレンズ手段5を設けた構成においては、二次元画像等をレンズ手段5が凹面鏡である接眼光学系7の手前に空中像として投影し、この実像を更に接眼光学系7で眼球の前方の空中に虚像として拡大投影する(図2参照)。この虚像の投影位置を眼球の視度に合わせて調整することで画像表示素子3に表示された二次元画像等の拡大像(虚像11)を観察することができる。
また、図4に示すようにレンズ手段5を設けない構成においては、画像表示素子3に表示された二次元画像等が、直接接眼光学系7に反射され、拡大された虚像11を形成する。この場合には、画像表示素子3の画像が接眼光学系7で直接反射されることになるので、投影される像の向きは図1とは逆になる。
【0015】
レンズ手段5による空中像の投影は、例えば、図3に示す光路図で行われる。すなわち、レンズ手段5の焦点距離fからf/4遠い場所に画像yを置くと、レンズ手段5を挟んだ焦点距離fから4f遠い場所に4倍に拡大した実像が投影される。
このように、画像表示素子3と接眼光学系7の間隔が大きいため、接眼光学系7の曲率を緩やかに(焦点距離を長く)構成することができるため、外界像のひずみを小さくすることができる。
【0016】
また、図5に示すように、画像表示素子3を、装着者の眼球の上方部に配する構成としてもよい。この構成に、レンズ手段5を介在させてもよい。図4の構成と比べると、装着者の側方部の突出は少なくなるが、画像表示素子3と接眼光学系7の間隔を取るために前方部への突出が若干大きくなる場合がある。図4の構成とするか図5の構成とするかは設計事項であり、採用する接眼光学系7の焦点距離やレンズ手段5と組み合わせの有無も併せて考慮する必要がある。
【0017】
このように、本発明においては、接眼光学系を一対の凹面鏡で構成し、その凹面鏡を顔面のカーブに沿った角度(ハの字)に配置すること、すなわち曲率中心が装着者の顔面の中心部となるように配置することで、装着時の突出を小さくすることを可能としている。従来型の装置においても一対を用いた構成はあったが、逆ハの字に配置する必要があったため、装着時の突出を小さくするにも限界があった。
また、ハの字に配置することにより、曲率を緩く構成することが可能となり、収差を小さくすることができる。
【0018】
凹面鏡である接眼光学系7R、7Lは、拡大像(虚像)を形成する作用と、光軸を屈曲させる作用とを1つの反射面で行うことができる。ここで、反射鏡を非球面とすることで画角の大きい大画面の像の収差を補正するのが好ましい。接眼光学系7の焦点距離は300mm以下であることが好ましく、200mm以下であることがより好ましく、15〜100mmの範囲が好適である。画像表示素子3と接眼光学系7との距離が大きくなり、また接眼光学系7と眼球との距離が開きすぎ、光学系そのものが大きくなってしまうからであり、逆に10mm以下になると収差が大きくなるからである。
接眼光学系7から眼までの距離(アイポイント)は60mm以下であることが好ましい。眼鏡をかけた人でも60mm程度あれば十分対応可能である。
【0019】
レンズ手段5R、5Lは、少なくとも一枚の凸レンズから構成されるが、リレー光学系やズームレンズ系を用いて構成してもよい。
レンズ手段5にズームレンズ系を使用する場合は、焦点距離を短くすると広角的な像が得られるようになる。すなわち、手動つまみやモータ等により、レンズ手段5を光軸方向に移動することにより、画像視認装置の拡大率を調整することができる。ここで、記憶部に最適拡大率の情報を記録しておき、所定のモードに応じて自動的に最適拡大率に変更するよう構成してもよい。
また、画像視認装置の顔面からの突出を減らすためには、光軸を顔面に沿って屈曲させるようリレー光学系を構成するのがよい。ここで言う光軸とは、観察者眼球の虹彩中心または眼球回旋中心を通過する光線で、画像表示素子3の表示中心を射出する、いわゆる軸上光線を言う。顔面は緩い凸面とみなすことができるので、光軸を顔面に沿って屈曲させる働きを持たせることで、画像視認装置の突出を少なくすることが可能となる。屈曲作用を持たせる手段としては、例えば楔型プリズムを用いて光軸を屈曲させること、レンズ作用のあるリレー光学系を光軸に対し偏心させることが知られている(特許文献5参照)。
【0020】
本発明の画像視認装置では、画像表示素子3からほぼ垂直に出る光束が観察者眼球位置8に入射して観察されるようにするため、接眼光学系7の光軸が屈曲する面内において、画像表示素子3から見て光軸を屈曲させる位置aより顔面中心部から外側の曲率半径をより大きくし、位置aより顔面中心部側の曲率半径をより小さくしている。この結果、位置aより内側(鼻側)の領域の焦点距離は短くなり、逆に、位置aより外側(耳側)の領域の焦点距離は長くなり、接眼光学系7の前側焦点面と焦点面を射出する光束の角度をほぼ垂直としている。
このように、画像表示素子3または画像表示素子3の投影像を直接接眼光学系7の前側焦点面に配置することが可能になり、明るい像が得られることになる。
【0021】
また、接眼光学系7を、特許文献4に開示される公知の自由曲面プリズムとその透過光のパワーおよび光軸を補正するプリズムとで構成してもよいし、公知の楕円ミラーにより構成してもよい。
楕円ミラーは、2つの焦点のいずれかに光源をおけば他の焦点に集光する性質を有する。
図6および7は、接眼光学系7に楕円ミラーを用いた構成例である。A(1)およびA(2)は接眼光学系7Rを構成する楕円の焦点であり、B(1)およびB(2)は接眼光学系7Lを構成する楕円の焦点である。接眼光学系7Rの一方の焦点A(1)にレンズ手段5Lの前側焦点を配置し、接眼光学系7Lの一方の焦点B(2)にレンズ手段5Rの前側焦点を配置することで、装着者の瞳近傍の焦点A(2)および焦点B(1)に画像表示素子3L、3Rの画像が導かれる。
画像表示素子3およびレンズ手段5の配置箇所は設計事項であり、図8のように接眼光学系7より水平位置が高い箇所に設けることにより、接眼光学系7の配置を調整することも可能である。なお、凸レンズの第1の焦点位置に上記要領でリレーレンズを設け、レンズ手段5をリレー光学系により構成してもよい。
【0022】
以下では、本発明の詳細を実施例で説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
本実施例の顔面装着型視認装置は、図9に示すように、外部レンズ21とスイッチボックス23とそれらを接続するケーブル24とから構成される。
外部レンズ21は、装着者の眼球側に一対の接眼光学系7R、7Lを有する両眼光学シースルーであり、可視画像と画像表示素子3による二次元画像を重畳表示することができ、また、画像表示素子3をOFFにした際は、両眼で直接可視像を視認することもできる。
本実施例の光学系は、一回反射により二次元画像を目に導くため、迷光の問題は深刻でなく筐体は不要である。従って、視認部20はゴーグル型に限られず、眼鏡型等であってもよい。
【0024】
接眼光学系7R、7Lはフレーム22に固着され、その側方部にはフレーム22に内蔵された照明手段1、画像表示素子3R、3Lおよびレンズ手段5R、5Lが配設される。
画像表示素子3は、透過型の液晶表示素子により構成され、スイッチボックスから送出される二次元画像が電気的に分割されて表示される。本実施例では、画像表示素子3に液晶表示素子を用いたが、反射型や自家発光型(例えば、微細な発光ダイオードをマトリックス上に配列したもの)の画像表示素子を用いてもよい。
なお、画像表示素子3を左右いずれか1枚とし、二次元画像を片目で確認する構成としてもよい。
【0025】
スイッチボックス23には、HDD等の外部記憶装置が内蔵されており、記憶されたビデオソフト等を再生し、画像表示素子3に表示させることができる。すなわち、電源兼再生ボタンであるスイッチ31を押下すると、スイッチボックスが再生した動画像が画像表示素子3に表示され、その反射光が装着者に導かれることで、装着者はビデオソフト等を視認することができる。本実施例ではスイッチボックス23を専用機で構成しているが、フレーム22に画像処理チップを内蔵させ、ケーブル24の終端部を、コンポジット端子、コンポーネント端子、HDMI端子等の標準的な規格端子を備えることにより、市販のDVD再生機器等と連携することも可能である。
二次元画像は、図10に示すように、別途の画像ウィンドウで表示するのが代表的な表示方法であるが、可視光の視野と重畳表示させてもよい。また、接眼光学系7R、7Lに表示された像を重ね合わせることで画像を立体表示するいわゆる立体テレビを構成することもできる。
【0026】
スイッチボックス23には、画像情報を増幅するとともに画像表示素子3へ増幅された信号を送出する増幅部を設けるのが好ましい。これにより、信号の増幅を行う場合に、顔面に装着される視認部20の重量を軽減することができる。
また、スイッチボックス23に視認部20用の電源を内蔵させることにより、視認部20の重量を軽減させることが好ましい。
また、スイッチボックス23には、二次元画像のコントラストなどの調整回路を内蔵させ、別個にボリューム調整つまみ32を備えている。これにより、装着者は、透過光の強度に応じて、ボリューム調整つまみを操作させることにより二次元画像のコントラストを調整することができ、周囲の光量に応じて二次元画像の入射光と可視光の入射光とのバランスを取ることができる。液晶シャッターを設け、可視光を遮断できる機能を備えるようにしてもよい。
【0027】
本実施例では、スイッチボックス23に図示しないイヤホンないしはヘッドホンのジャックを差し込み音声出力を得ることを前提としているが、音声出力が問題とならない場合には、フレーム22に小型のスピーカーを内蔵させてもよい。
【実施例2】
【0028】
実施例2は、実施例1の画像視認装置をコードレスとしたものである。
図11に示すように、視認部20はフレーム22に受信機25と視認部用電源26を備えている。受信機25と電源26はフレーム22の左右対称位置に一つずつ設けられており、またより重量のある電源26を中央部に配することで、重量バランスよく装着できるよう配慮している。
フレーム22の側部には、視認部20の電源をON/OFFするスイッチ31と二次元画像のコントラストなどの調整つまみ32が設けられている。
スイッチボックス23は、実施例1の構成に加えて無線送信機を内蔵している。スイッチボックス23で再生された二次元画像は、内蔵する無線送信機から視認部20の受信機25へ送信され、画像表示素子3に表示される。
【実施例3】
【0029】
実施例3は、火災時の救助活動や漏電箇所の検知並びにプラント等の保守現場において、夜間や煙などにより視認性が悪い状況下においても、人体を検知しての救助活動等を円滑に行うための赤外画像視認装置である。本実施例の画像視認装置は、赤外線カメラ付きヘルメットと連携して使用されるものである。
【0030】
本実施例の赤外線カメラ付きヘルメットは、ヘルメット41と、ヘルメット41の頂上部に固設された無線アンテナ42と、ヘルメット1に埋設された赤外線カメラ43と、スイッチパネル44を主たる要素とする(図12参照)。
ヘルメット41は、公知の自己消火素材で構成されたヘルメットであり、次に述べる各構成要素を付加した総重量(電源含む)は、1.0kgである。
本実施例では、ヘルメットの頂上部にとさか形状の凸部が形成されており、無線送信機、赤外線カメラ43、電源等の重量のある機器類がヘルメット41の凸部に集約しているため、装着時の安定性に優れている。
【0031】
無線送信機は、市販の機器を用いることができ、例えば、アイデンビデオトロニクス社のTRX24T66miniの場合、外形寸法は26×23×10mmとコンパクトで、重量も8gと軽量であり、これに対応する受信機の外形寸法は、96×60×17mmであり、重量は53g、消費電力0.2A以下である。
無線アンテナ42はヘルメット41の頂部に固設され、約100mの伝送距離がある。作業時に突起物等との衝突を避けるべく、高さ5cm以下としている。
【0032】
赤外線カメラ43は、二次元に配列したボロメ−タ等の熱型赤外線検出素子であり、消費電力の少ないタイプのものを採用するのが好ましい。遠赤外線、中赤外線、近赤外線のいずれを使用するものでもよく、用途に応じて適宜最適なものを選択することができる。赤外線カメラ43は、画角が49゜程度若しくはそれ以上を備えるのがよい。これにより装着者の視野角と同程度若しくはそれ以上の周囲の映像を液晶表示素子3に表示させることができる。
なお、赤外線を可視光に変える赤外線変換装置(イメージコンバータ)または赤外線増強装置(イメージインテンシファイア)をヘルメット41に内蔵させてもよい。
【0033】
スイッチパネル44は赤外線カメラ43による撮像をON/OFF制御するものである。手袋装着時でも容易に操作できるように、押し込み/引き出し構成とすること、或いは、奇数回(偶数回)押すことでONとなり、偶数回(奇数回)押すことでOFFとなるように構成することが好ましい。
なお、ヘルメット41の内側にスピーカーを内蔵させることにより、司令部(消防車や情報センター等)からの指示を受信したり、マイクロフォンを設けることで、司令部と双方向通信を行えるようにしてもよい。
【0034】
本実施例のスイッチボックス23(図示省略)には、無線受信機が内蔵されており、無線送信機から送信された赤外画像等の撮像画像を受信し、視認部20が備える受信機25へ送信する。
視認部20は実施例2と同じ構成である。なお、無線受信機により、司令部からの情報を受信させる構成としてもよく、例えば、救助活動を支援するために、建物の間取り図を無線で受信する機能を付加してもよい。
【0035】
スイッチボックス23には、受光情報を増幅するとともに液晶表示部へ増幅された信号を送出する増幅部を設けてもよい。これにより、信号の増幅を行う場合に、顔面に装着される外部レンズ21の重量を軽減することができる。
また、スイッチボックス23には、赤外線に基づく画像のコントラストなどの調整回路を内蔵させ、別個にボリューム調整つまみなどを備えている。これにより、装着者は、透過光の強度に応じて、ボリューム調整つまみを操作させることにより赤外線に基づく画像を調整することができ、周囲の光量に応じて赤外線に基づく入射光と可視光に基づく入射光とのバランスを取ることができる。
【0036】
赤外画像は、可視光の視野と重畳表示させてもよいし、別途の画像ウィンドウで表示するようにしてもよい。この場合には、画像表示素子3の画像を接眼光学系7で直接反射させるように構成してもよい。
重畳表示させる場合には、予め設定した赤外線カメラ等の撮像手段の測定距離に熱線を発する物または人を置き、フレーム22の掛け具合を調整することで、重畳表示のずれを修正する。
【0037】
赤外画像等と可視像を重畳表示する手法としては、赤外線カメラの画角等を調整することが挙げられる。例えば、赤外線カメラの視野角を画像表示素子3の視野と同じ20°(H)×15°(V)とすることで、赤外画像と可視像を重ね合わせる距離を予め光学系で設定することができる。重ね合わせ距離の設定は用途に応じて調整可能であり、画像表示素子3を進退動させること等で好ましい測定距離に調整できるよう設計している。例えば、火災現場における好ましい測定距離は、経験則上5〜30mであるが、1km程度までの距離内において、用途に応じて所定の測定距離に適した光学系を適宜設計するのが好ましい。
【0038】
また、赤外画像の表示機能をシンプルなものとすることにより、スイッチボックス23を無くすことも可能である。すなわち、増幅部やコントラストの調整はもちろん、着色機能も特定の温度帯のみ着色するように構成することで、スイッチボックス23を無くし、フレーム22に設けられたスイッチ31および調整つまみ32で操作する構成としてもよい。
また、赤外線カメラ43にモノクロカメラを採用し、体温の温度域のみを着色表示する構成とし、画像処理の負荷を下げる構成としてもよい。
【実施例4】
【0039】
実施例4は、資料(例えば、書籍や新聞等)の文面に印字されている小さな文字を読みやすくするための画像視認装置である。図13に示すように、対象となる資料を撮像装置45により撮影し、ズーム倍率を調整して部分拡大した撮影画像を、視認部20の画像表示素子3に表示する拡大読書器としての機能を有する。
撮像装置45はCCDカメラ等の公知の撮像素子により構成される。撮像装置45の先端部に白色LED等の光源を設け、外界の光量が足りない場合にも撮像可能に構成することが好ましい。また、撮像装置45の本体部に拡大・縮小調整ボタンを配し、ズーム倍率を調整できるようにすることが好ましい。
【0040】
撮像装置45はケーブル24によりスイッチボックス23と接続されており、スイッチボックス23は撮像装置45からの電気信号を、内蔵する無線送信機から視認部20の受信機25へ送信する。ここで、スイッチボックス23に撮像装置45からの電気信号を記憶する外部記憶装置を設け、所望する場面を早送り或いは巻き戻して再生できるように構成するのが好ましい。
ユーザーは、視認部20に表示された画像を見ながら資料上で撮像装置45を移動させることにより、文字情報等の拡大表示を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、家庭で映像、読書等を楽しむことができるのみならず、視力が弱った人の拡大読書器としても利用することでき、また屋外等での作業時にも補助映像を大がかりな装置を装着することなく提供することができる。
特に、カメラ付き頭部装着器具と連動することで、消防用活動における人命救助や残火の発見に活用できるのみならず、防災、保守点検(電力、プラント等)、警備(海上保安等)、検疫及び医療等の現場でも活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の画像視認装置の第一の態様における光路を説明する図面である。
【図2】本発明の画像視認装置のレンズ手段および接眼光学系を説明するための側面断面図である。
【図3】本発明の画像視認装置のレンズ手段による画像の投影を説明するための側面断面図である。
【図4】本発明の画像視認装置の第二の態様における光路を説明する図面である。
【図5】本発明の画像視認装置の第三の態様における光路を説明する図面である。
【図6】楕円ミラーを採用した一態様を説明する図面である。
【図7】楕円ミラーを採用した一態様における光路を説明する図面である。
【図8】楕円ミラーを採用した他の態様を説明する図面である。
【図9】実施例1の画像視認装置の斜視図である。
【図10】実施例1の画像視認装置における表示画像のイメージ図である。
【図11】実施例2の画像視認装置の斜視図である。
【図12】実施例3の画像視認装置を装着した際の斜視図である。
【図13】実施例4の画像視認装置の利用イメージを示した図である。
【符号の説明】
【0043】
1 照明手段
3 画像表示素子
5 レンズ手段
7 接眼光学系
8 観察者眼球位置
9 実像
11 虚像
20 視認部
21 外部レンズ
22 フレーム
23 スイッチボックス
24 ケーブル
25 受信機
26 視認部用電源
31 スイッチ
32 調整つまみ
41 ヘルメット
42 無線アンテナ
43 赤外線カメラ
44 スイッチパネル
45 撮像装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画像表示素子と、画像表示素子の画像を装着者に導く凹面鏡である接眼光学系と、装着者の眼球前方に接眼光学系を固定可能なフレームと、を具備する顔面装着型画像視認装置であって、
左側に配された画像表示素子が右側の接眼光学系に射出されるように設けられ、および/または、
右側に配された画像表示素子が左側の接眼光学系に射出されるように設けられた画像視認装置。
【請求項2】
前記接眼光学系は、曲率中心が装着者の顔面の中心部となるよう装着者の顔面に対しハの字に配されることを特徴とする請求項1の顔面装着型画像視認装置。
【請求項3】
前記画像表示素子は、装着者の眼球の側方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする請求項1または2の画像視認装置。
【請求項4】
前記画像表示素子は、装着者の眼球の上方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする請求項1または2の画像視認装置。
【請求項5】
前記画像表示素子の近傍にレンズ手段を有し、該レンズ手段が画像表示素子から射出された像を拡大した実像を接眼光学系の手前に投影することを特徴とする請求項3または4の画像視認装置。
【請求項6】
前記接眼光学系が、半透過鏡であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項7】
前記接眼光学系は、外界光を遮断する液晶シャッターを備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項8】
前記接眼光学系は、画像表示素子から投影される光軸の内側の曲率半径と比べ外側の曲率半径が大きく構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項9】
前記接眼光学系が楕円ミラーにより構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項10】
前記画像表示素子の視野が、装着者の視野と重なるよう構成されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項11】
前記レンズ手段が画像表示素子の表示中心を射出する光線を屈曲させるリレー光学系により構成されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項12】
フレームに電源と受信機が内蔵され、ケーブルフリーであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項1】
画像を表示する画像表示素子と、画像表示素子の画像を装着者に導く凹面鏡である接眼光学系と、装着者の眼球前方に接眼光学系を固定可能なフレームと、を具備する顔面装着型画像視認装置であって、
左側に配された画像表示素子が右側の接眼光学系に射出されるように設けられ、および/または、
右側に配された画像表示素子が左側の接眼光学系に射出されるように設けられた画像視認装置。
【請求項2】
前記接眼光学系は、曲率中心が装着者の顔面の中心部となるよう装着者の顔面に対しハの字に配されることを特徴とする請求項1の顔面装着型画像視認装置。
【請求項3】
前記画像表示素子は、装着者の眼球の側方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする請求項1または2の画像視認装置。
【請求項4】
前記画像表示素子は、装着者の眼球の上方部に配され、前記接眼光学系が画像表示素子から射出された像を拡大した虚像を空中に投影することを特徴とする請求項1または2の画像視認装置。
【請求項5】
前記画像表示素子の近傍にレンズ手段を有し、該レンズ手段が画像表示素子から射出された像を拡大した実像を接眼光学系の手前に投影することを特徴とする請求項3または4の画像視認装置。
【請求項6】
前記接眼光学系が、半透過鏡であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項7】
前記接眼光学系は、外界光を遮断する液晶シャッターを備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項8】
前記接眼光学系は、画像表示素子から投影される光軸の内側の曲率半径と比べ外側の曲率半径が大きく構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項9】
前記接眼光学系が楕円ミラーにより構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項10】
前記画像表示素子の視野が、装着者の視野と重なるよう構成されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項11】
前記レンズ手段が画像表示素子の表示中心を射出する光線を屈曲させるリレー光学系により構成されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【請求項12】
フレームに電源と受信機が内蔵され、ケーブルフリーであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかの顔面装着型画像視認装置。
【図3】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【公開番号】特開2008−9007(P2008−9007A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177512(P2006−177512)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000144991)株式会社四国総合研究所 (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000144991)株式会社四国総合研究所 (116)
【Fターム(参考)】
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