説明

食器洗い乾燥機及びこれを組込んだ流し台

【課題】加熱ヒータの取付と断熱性能を向上させることにより、落下した食器類が溶融や発火を生じたり、使用者が火傷を負ったりすることがなく、その上洗浄槽の底部に汚れが付着することのない食器洗い乾燥機及びこれを組込んだ流し台を提供する。
【解決手段】洗浄槽2、洗浄水ポンプ25,回転ノズル26、洗浄水を加熱する加熱ヒータ10、乾燥ヒータを有する温風発生部35及び残菜フィルタ9を備え、洗浄槽2の底部5に残菜フィルタ9を経て吸水配管により洗浄水ポンプ25に連結される凹状の洗浄水加熱流路7を設けてこの洗浄水加熱流路7内に加熱ヒータ10を配設し、洗浄水加熱流路7の上面開口部を断熱カバー15で閉塞した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄槽内に収納した食器類を洗浄し、乾燥する食器洗い乾燥機及びこれを組込んだ流し台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食器洗い乾燥機に、開閉可能に密閉する蓋体を有するケーシングの内部に、食器類を収容する洗浄槽と、この洗浄槽に洗浄水及びすすぎ水を噴射するノズルと、ノズルに洗浄水及びすすぎ水を循環供給するポンプと、水を加熱する加熱ヒータとを備え、食器類を洗浄、すすぎ、乾燥させる食器洗い乾燥機において、加熱ヒータとは別に、洗浄槽の外部に専用の乾燥ヒータ及び送風ファンを設け、送風ファンを乾燥ヒータより先に動作させ、乾燥ヒータを送風ファンより先に停止させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、本体の外部と洗浄槽内とを連通するダクトを設け、このダクトにファン装置と乾燥用ヒータとを設け、乾燥行程の実行時にはファン装置と乾燥用ヒータとを作動させて温風を洗浄槽内に供給し、洗浄、すすぎ行程の実行時にもファン装置を作動させることにより、ダクト内に洗浄槽内に向かう空気流を生成させて、同行程の実行時において水蒸気がダクト内に侵入するのを防止するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−178778号公報(第3−4頁、図1−2)
【特許文献2】特開平5−9456号公報(第6−9頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2の食器洗い乾燥機においては、加熱ヒータには、洗浄あるいはすすぎ行程中において水を加熱する間は通電されているため、加熱ヒータの表面は少なくとも水温以上の高温になっており、このため、洗浄中や乾燥中に合成樹脂製の食器類や箸などが落下すると、変形や溶融が生じ、最悪の場合は発火事故が発生するおそれがある。また、使用者が洗浄槽の底部に落ちた箸など、特に金属製のスプーンやフォークなどを拾うために手に取った際に、これらが加熱ヒータに接触して直接加熱されているため火傷を負ったり、あるいは加熱ヒータに触れて火傷を負うおそれがある。
【0006】
また、加熱ヒータの上部にメッシュ状や多数の細孔を有する金属製のカバーを取付けて、食器類の変形や火災の発生、及び使用者の火傷の発生を低減するような対策がなされたものもあるが、金属製のカバーと加熱ヒータとの距離を大きく離す必要があるため、装置が大きくなって実用的でないという問題がある。このため、金属製のカバーと加熱ヒータとの距離を食器類の発火を防ぐことのできる限界の範囲で配置しているが、金属製のカバー自体が加熱されて高温になるため、金属製のカバーによって使用者が火傷を負うおそれがあり、火傷の程度は軽減されるにしても、この問題は完全に解決されていないのが実情である。
【0007】
さらに、洗浄槽内の底部に加熱ヒータを露出して設置する場合において、洗浄槽内の底部には、加熱ヒータ以外にも、加熱ヒータの取付部材、上述のメッシュ状等の金属カバーなどが露出して設置されており、そのため、洗浄槽内の底部に設置したこれらの部材の凹凸面に食器類の洗浄後の汚れが付着するため、使用者に不快感を与えるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、加熱ヒータの取付けと断熱性能を向上させることにより、落下した食器類が溶融や発火を生じたり、使用者が火傷を負ったりすることがなく、その上洗浄槽の底部に汚れが付着することのない食器洗い乾燥機及びこれを組込んだ流し台を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る食器洗い乾燥機は、洗浄槽、洗浄ポンプ、回転ノズル、洗浄水を加熱する加熱ヒータ、乾燥ヒータを有する温風発生部及び残菜フィルタを備え、前記洗浄槽の底部に前記残菜フィルタを経て給水配管により前記洗浄水ポンプに連結される凹状の洗浄水加熱流路を設けて該洗浄水加熱流路内に前記加熱ヒータを配設し、前記洗浄水加熱流路の上面開口部を断熱カバーにより閉塞したものである。
【0010】
また、本発明に係る流し台は、上記の食器洗い乾燥機を組込んだものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加熱ヒータが配設された凹状の洗浄水加熱流路の上面開口部を断熱カバーで閉塞するようにしたので、落下した食器類の溶融や発火が生じたり、使用者が加熱された食器類や加熱ヒータに触れて火傷を負ったりするのを防止することができ、また加熱ヒータなどに汚れが付着して不快感を与えることのない食器洗い乾燥機を得ることができる。
また、上記の食器洗い乾燥機を組込むことにより、使い勝手のよい流し台を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の一部を断面で示した斜視図、図2は図1の縦断面部、図3は一部を省略した図2の平面図、図4は図3の洗浄槽部分のA−A断面図である。なお、本実施の形態は流し台等に組込まれる食器洗い乾燥機を示しており、以下の説明では、図1〜図3の左側を前面側、右側を後面側という。
【0013】
図において、1は食器洗い乾燥機の外郭を構成する前面が開口された箱状の筐体で、本実施の形態においては、後述の流し台等に設けた食器洗い乾燥機の収容部に設置されており、筐体1内には、上面が開口された食器洗い乾燥機本体を構成する箱状の洗浄槽2が、筐体1の前面開口部から引き出し自在に収容される。3は洗浄槽2の前面側に取付けられた前面パネルである。
【0014】
洗浄槽2の底部5の前面側の隅部には、洗浄水が流入する流入凹部6が設けられており、また、この流入凹部6と並んで流入凹部6と連通し、洗浄水を加熱する凹状の洗浄水加熱流路7が設けられている。8は洗浄水加熱流路7を流れる洗浄水の流れ方向と平行に設けた整流用突起部である。そして、流入凹部6には残菜フィルタ9が着脱自在に装置されており、洗浄水加熱流路7の整流用突起部8の外周には、底部と一定の距離を隔てて支持固定部材11に支持された洗浄水を加熱する加熱ヒータ10が配設されている。
【0015】
15は熱伝達係数の低い例えば合成樹脂材料からなり、加熱ヒータ10が配設された洗浄水加熱流路7の上面開口部を閉塞する断熱カバーで、図5(a)に示すように、外周縁より内側の下面に、洗浄水加熱流路7に嵌合しかつ位置決めされるリブ16が設けられてる。17は熱伝達係数の低い例えばステンレスなどの金属板からなる遮熱板である。
【0016】
この断熱カバー15は、リブ16の外周縁を洗浄水加熱流路7の外周に設けた段部5a上に遮断板17を挟んで載置し、皿穴18から挿通したねじ23を段部5aに螺入して固定される。このとき、断熱カバー15の上面は、洗浄槽2の底部5の上面とほぼ同一平面上に位置する。なお、着脱を容易にするため、図5(b)に示すように、断熱カバー15の前面側縁部に取っ手19を設けてもよい。
【0017】
図6,図7は断熱カバー15の他の例を示す説明図である。図6は断熱カバー15と底部5の段部5aとの間に遮熱板17を挟むと共に、さらに遮断板17と断熱カバー15との間に、例えば0リングの如きシール材20を介装し、ねじ23で固定したものである。これにより、洗浄水加熱流路7をより確実に密封することができる。
【0018】
また、図7は遮熱板17をほぼコ字状に形成して断熱カバー15のリブ16の外周に結合すると共に、遮熱板17の外周に、断面ほぼト字状で下部外周に係止突部22を有するエンドレス状の弾性材からなるパッキン21を装着したもので、洗浄水加熱流路7に断熱カバー15を挿入して圧下すると、係止突部22が段部5a,5bの下部に係止し、パッキン21の締り場嵌めにより、断熱カバー15をワンタッチで洗浄水加熱流路7に装着するようにしたものである。なお、16aは遮熱板17が水圧により上方に変形するのを防止するためのリブである。
本例によれば、断熱カバー15のねじ止めを行う必要がないので着脱がきわめて容易である。なお、本例においても取っ手19を設けてもよい。
【0019】
再び図1〜図4において、24は流水凹部6の対角線上に設けられ、洗浄槽2内に洗浄水を給水する給水口である。
25は洗浄槽2の底部5の下面に取付けられた洗浄ポンプ、26は複数の噴射口27,27aを有し、洗浄槽2の底部5のほぼ中央部に設けた支持軸28に回転自在に支持された回転ノズルで、送水配管29により洗浄ポンプ25の吐出口に連結されている。なお、洗浄水加熱流路7は、吸込配管30により洗浄ポンプ25の吸込口に連結されている。31は一端が洗浄ポンプ25の送水配管29に接続された排水配管で、他端は筐体1外に導かれて開口する。なお、送水配管29と排水配管31は、切換弁(図示せず)によって切換えられる。
【0020】
35は洗浄槽2の後壁に設置された温風送風部で、モータ37に駆動される送風ファン36、送風ファン36の下流側に配設された乾燥ヒータ38からなり、これによって生成された温風は、洗浄槽2の後壁に設けた温風送風口39から洗浄槽2内に吹込まれる。
40は洗浄槽2の前壁に設けられて、食器洗い乾燥機の運転を制御する制御部、41は洗浄槽2の前面パネル3に設けた操作部、42は同じく排気口である。
45は洗浄槽2の上面開口部を開閉する内蓋で、筐体1の側壁に設けた支持部材46に支持されており、筐体1と支持部材46との間に介装されたばね47により洗浄槽2から離間する方向に付勢されている。
【0021】
図8は上記の食器洗い乾燥機を流し台に組込んだ状態を示す説明図、図9は洗浄槽を流し台から引出した状態を示す説明図である。
流し台60には、食器洗い乾燥機の収容部61が設けられており、この収容部61内には内蓋45を有する筐体1が設けられており、洗浄槽2が収容部61の前面開口部から筐体1内に収容される。そして、洗浄槽2を収容部61に収容したときは、その上面開口部が内蓋45によって閉塞され、前面パネル3は、図8に示すように、流し台60の前面扉62と同一平面上に位置する。また、洗浄槽2を引出したときは内蓋45が洗浄槽2から離脱し、その上面開口部が流し台60の天板63と干渉しないようになっている。なお、図示していないが、洗浄槽2を引出したときは、所定の位置で停止するようにストッパが設けられている。4は洗浄槽2の前面パネルに設けた手掛けである。
【0022】
次に、上記のように構成した本実施の形態に係る食器洗い乾燥機の動作について説明する。
先ず、図9に示すように、手掛け4を持って洗浄槽2を流し台60の収容部61から引出す。このとき、ばね47に付勢されている内蓋45は洗浄槽2から離脱して残置され、洗浄槽2のみが引出される。そして、食器類51を収納した食器かご50を、上面開口部から洗浄槽2内にセットする。なお、食器かご50を洗浄槽2内にセットしておき、これに上部開口部から食器類51を入れて食器かご50に収納してもよい。ついで、一定量の洗剤を洗浄槽2内に投入し、洗浄槽2を流し台60の収容部61内に押し込んで収容する。このとき、洗浄槽2の上面開口部は、内蓋45により閉塞される。これにより、洗浄前の準備が完了する。
【0023】
次に、食器類の洗浄、すすぎ及び乾燥の概要について説明する。
食器洗い乾燥機は、一般的に、食器類の汚れを分解して落すための洗剤を入れた洗い工程と、洗剤や汚れを落すためのすすぎ工程と、すすいだ食器類を乾燥する乾燥工程との三工程からなっている。
【0024】
先ず、図示していない給水手段により、給水口24から洗剤が入れられた洗浄槽2内に一定量の水を給水して洗浄水とする。ついで、操作部41の運転スイッチをONし、洗浄ポンプ25を駆動する。
これにより、洗浄槽2内の洗浄水は、残菜フィルタ9から流入凹部6、洗浄水加熱流路7、吸込配管30を経て洗浄ポンプ25に吸込まれ、送水配管29から回転ノズル26に圧送され、噴射口27,27aから噴射される。
【0025】
回転のズル26は噴射口27からの洗浄水の噴射による反力で回転し、食器かご50に収納された食器類51に洗浄水を万遍なく吹き付けて汚れなどを落とす。食器類51などに当たった洗浄水は、洗浄槽2内に落下し、残菜フィルタ9を通って再び循環し、回転ノズル26からの噴射を繰返す。この間、洗浄水は洗浄水加熱水路7内で加熱ヒータ10により一定温度に加熱されて温水となり、また洗浄によって食器類51から分離した残菜は、残菜フィルタ9に捕捉される(洗浄工程)。
【0026】
所定の時間食器類51の洗浄を行うと、送水配管29から排水配管31に切換えて、洗浄槽2内の汚れた洗浄水を排水配管31から外部の下水などに排水する。
ついで、再び給水口24から洗浄槽2内に洗浄水を給水し、洗浄工程と同様の動作により食器類51のすすぎを行う(すすぎ工程)。なお、すすぎ工程においては、洗浄水に洗剤を投入しない。
【0027】
上記のような洗浄工程とすすぎ工程を通常2〜4回行って食器類51を洗浄し、すすぐ。そして、最後に温風送風部35の温風ファン36を駆動して温風送風口39から洗浄槽2内に乾燥ヒータ38で加熱された温風を送り、食器類51の乾燥を行う(乾燥工程)。これら一連の動作は、制御部40によって制御される。
【0028】
次に、本実施の形態に係る食器洗い乾燥機の作用、効果につき、さらに詳細に説明する。
洗浄、すすぎ工程においては、洗浄槽2内の洗浄水は、残菜フィルタ9によりその目の大きさより大きいごみが取除かれたのち、洗浄水加熱流路7に流入し、加熱ヒータ10と接触して加熱されて温水となり、吸込配管30を経て洗浄ポンプ25に吸込まれる。そして、洗浄ポンプ25により加圧されて送水配管29から回転ノズル26に送られ、噴射孔27,27aから噴射される。このとき、回転ノズル26は、洗浄水の噴射の運動変化による反力によって回転し、洗浄水を万偏なく食器類51に吹付ける。
【0029】
この場合、加熱ヒータ10へは、加熱ヒータ10が洗浄水に水没している間だけ通電しており、また加熱ヒータ10の上部には遮熱板17と断熱カバー15が設けられているため、洗浄槽2内に収容されている食器かご50へ直接熱が伝わるのが防止される。このため、例えば食器類51が落下しても、加熱ヒータ10によって加熱されることがなく、洗浄水の水温以上に熱くなることはない。
【0030】
また、断熱カバー15は加熱ヒータ10を覗くための穴などが設けられていないので、使用者が加熱ヒータ10の存在に気付くことがなく、このため、使用者が加熱ヒータ10に触れて火傷を起こすこともない。
さらに、断熱カバー15は、洗浄槽2の底面と滑らかに、かつ連続的に接続されて、同一平面をなすように設置されているので、断熱カバー15によって洗浄水の流れを遮ったり滞留させたりすることがない。
そのため、従来の加熱ヒータの設置部材のように凹凸がないのでこの部分に残菜や食器類51の汚れなどが引掛って付着することがなく、使用者に不快感を与えることがない。
【0031】
一方、洗浄水加熱流路7には整流用突起部8が設けられているので、この整流用突起部8により洗浄水は均一に同一方向を向く流れとなり、流れの滞留を生ずることがない。そのため、加熱ヒータ10に洗浄水が均一に接触して加熱ムラが生ずることがなく、また流れの滞留がないため、加熱ヒータ10に汚れが付着するのを防止することができる。
【0032】
また、断熱カバー15及び遮熱板17は、ねじ22により又は弾性を有するパッキン21によって、洗浄水加熱流路7の上面開口部に容易に着脱することができるので、加熱ヒータ10が故障した場合の交換や掃除が簡単である。また、遮熱板17は洗浄槽5の段部5aと断熱カバー15又は断熱カバー15のリブ16とパッキン21との間に挟まれて、固定されているので、水の流れによって振動することがない。
【0033】
次に、乾燥工程においては、食器類51の洗浄工程、すすぎ工程が終了して洗浄水を排水したのち、温風送風部35のモータ37に通電して、温風ファン36を回転駆動する。温風ファン36の回転により、同時に通電された乾燥ヒータ38に送風されて加熱される。加熱されて温風となった空気は湿度が低下し、吸湿性のよい空気となっている。この空気を温風送風口39から洗浄室2内に送り、食器類51に接触させることにより、食器類51に付着している水分が蒸発し、空気は吸湿する。この吸湿した空気は、排気口42から外部へ排出される。この動作を一定時間行うことにより、洗浄槽2内に収容された食器類51はすべて乾燥される。
【0034】
この乾燥工程中は、乾燥ヒータ38には通電するが、加熱ヒータ10には通電しない。このように乾燥工程中は加熱ヒータ10に通電しないので、加熱ヒータ10の表面に残留している微カスなどによる焦げや臭や煙が発生するのを防止することができる。また、乾燥ヒータ38は洗浄槽2の外に設けられているので、食器類51と接触して直接加熱することにより、溶融や発火などが発生することもしない。
【0035】
[実施の形態2]
図10は本発明の実施の形態2に係る食器洗い乾燥機の要部の分解斜視図、図11はその組立状態を示す断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、洗浄槽2の底部5に設けた洗浄水加熱流路7の後部側を折曲げて回転ノズル26の下まで延設し、ほぼL字状に形成すると共に、断熱カバー15を洗浄槽加熱流路7に対応してほぼL字状に形成したものである。
【0036】
そして、洗浄水加熱流路7の折曲げ部7aの回転ノズル26と対応した位置に、回転ノズル26を支持する支持軸28が嵌合される送水穴29aを設け、また断熱カバー15の折曲げ部15aの送水穴29aと対応した位置に、下部に送水配管29に接続される接続部28aを有する回転ノズル26の支持軸28を、その接続部28aを断熱カバー15の下面に位置させて取付けたものである。なお、30aは洗浄水加熱流路7の側壁に設けられ、吸込配管30が接続される吸込穴である。
【0037】
上記のように構成した本実施の形態に置いては、洗浄水加熱流路7の折曲げ部7aに設けた送水穴29aに、断熱カバー15の折曲げ部15aに設けた接続部28aを嵌入し、実施の形態1で説明したいずれかの手段により、遮熱板17を挟んで断熱カバー15を洗浄水加熱流路7の上面開口部に固定し、閉塞する。そして、洗浄槽2の底部5の下面において、送水穴29aに嵌入した接続部28aに送水配管29を接続し、吸込穴30aに吸込配管30を接続する。また、断熱カバー15に設けた支持軸28に、回転ノズル26をワンタッチで嵌合し、連結する。
【0038】
本実施の形態の作用、効果は実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、洗浄水加熱流路7と断熱カバー15を回転ノズル26の下方まで延設し、断熱カバー15に設けた支持軸28に回転ノズル26をワンタッチで着脱できるようにしたので、回転ノズル26の清掃や交換などがきわめて容易であり、また断熱カバー15を着脱するときは、支持軸28を持って行うことができる。
【0039】
[実施の形態3]
上記の説明では、図示の食器洗い乾燥機を流し台に組込んだ場合を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、いわゆる卓上型の食器洗い乾燥機にも本発明を実施することができる。この場合は、例えば、筐体を前面側が開口した箱状に形成して前面開口部に扉を設け、洗浄槽を筐体内に設置するなど、一部の改造が必要であるが、実施の形態1,2の要部はそのまま実施することができる。さらに、食器洗い乾燥機の構造も前記のものに限定するものではなく、他の構造の食器洗い乾燥機にも本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1に係る食器洗い乾燥機の一部を断面で示した斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】一部を省略した図2の平面図である。
【図4】図3の洗浄槽部分のA−A断面図である。
【図5】図4の断熱カバー及び遮熱板の断面図及び断熱カバーの斜視図である。
【図6】断熱カバー及び遮熱板の他の例の断面図である。
【図7】断熱カバー及び遮熱板の他の例の断面図及び断熱カバーの斜視図である。
【図8】図1の食器洗い乾燥機を流し台に組込んだ状態を示す斜視図である。
【図9】図8の流し台から洗浄槽を引き出した状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る食器洗い乾燥機の要部の分解斜視図である。
【図11】実施の形態2に係る洗浄槽の縦断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 筐体、2 洗浄槽、3 前面パネル、5 底部、7 洗浄水加熱流路、8 整流用突起部、9 残菜フィルタ、10 加熱ヒータ、15 断熱カバー、17 遮熱板、24 給水口、25 洗浄ポンプ、26 回転ノズル、28 支持軸、29 送水配管、30 吸込配管、31 排水配管、35 温風送風部、38 乾燥ヒータ、39 温風送風口、40 制御部、41 操作部、42 排気口、45 内蓋、50 食器かご、51 食器類、60 流し台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄槽、洗浄ポンプ、回転ノズル、洗浄水を加熱する加熱ヒータ、乾燥ヒータを有する温風発生部及び残菜フィルタを備え、
前記洗浄槽の底部に前記残菜フィルタを経て給水配管により前記洗浄ポンプに連結される凹状の洗浄水加熱流路を設けて該洗浄水加熱流路内に前記加熱ヒータを配設し、前記洗浄水加熱流路の上面開口部を断熱カバーにより閉塞したことを特徴とする食器洗い乾燥機。
【請求項2】
前記断熱カバーを、合成樹脂で形成したことを特徴とする請求項1記載の食器洗い乾燥機。
【請求項3】
前記断熱カバーを、ねじにより洗浄槽の底部に固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の食器洗い乾燥機。
【請求項4】
前記断熱カバーを、弾性を有するパッキンを介して洗浄槽の底部に装着したことを特徴とする請求項1又は2記載の食器洗い乾燥機。
【請求項5】
前記洗浄槽の底部と断熱カバーとの間に遮熱板を配設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
【請求項6】
前記断熱カバーの上面を、前記洗浄槽の底部の上面とほぼ同一平面上に位置させたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
【請求項7】
前記洗浄水加熱流路に整流用突起部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
【請求項8】
前記洗浄水加熱流路の前記回転ノズルと対応する位置に送水穴を設けると共に、前記断熱カバーの前記送水穴と対応する位置に前記回転ノズルが装着される支持軸を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の食器洗い乾燥機。
【請求項9】
前記請求項1〜8のいずれかの食器洗い乾燥機を組込んだことを特徴とする流し台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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