説明

飴組成物

【課題】口臭に対するマスキング効果に優れた作用を有する飴組成物を提供する。
【解決手段】ローズオイルを配合してなる飴組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口臭に対するマスキング効果に優れた飴組成物に関する。特に、本発明は、ローズオイルを配合してなる口臭に対するマスキング効果に優れた飴組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に口臭の原因としては、香り成分の強い食品の摂取、口腔内に残った食品の細菌による腐敗臭、虫歯等の疾患、胃腸等の消化器系統の疾患他が考えられる。これらの要因により、口臭がでるとされている。このような口臭を予防、緩和するために葉緑素、グルコン酸、フラボノイド、ポリフェノール、オリゴ糖、カテキン、リゾチーム、キシリトール、プロポリス等が配合された食品が市販されている。しかし、このような成分を配合したガム、カプセル、錠剤、飲料等では口臭に対するマスキング効果を完全に得ることは困難である。
【0003】
ローズウォーターの成分を含むことを特徴とするソフトカプセルの試みが提案されている(特許文献1)。また、ローズウォーターとローズオイルを主成分とするマウススプレー用溶液の提案もみられる(特許文献2)。しかし、いずれもローズオイルが飴組成物への配合成分として利用できるものであるとは記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−162915
【特許文献2】特開2010−254648
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記した口臭に対するマスキング効果に優れた効果を有するとともに、優れたマスキング効果を有する成分を含有する飴組成物を提供することを目的とするものである。
【問題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、口臭に対するマスキング効果を備えている配合成分を含有する飴の開発を続けるなかで、ローズオイルがこれらの効果を有する優れた成分であることを見出し、該成分を配合してなる以下の飴組成物の発明を完成させるに至った。
【0007】
(1)ローズオイルを配合してなる飴組成物。
(2)前記ローズオイルはダマスクローズ(学名ROSA DAMASCENA)オイルを配合してなる(1)項記載の飴組成物。
(3)通常の飴に許容される水、砂糖、水あめ、蜂蜜、バター、練乳、酸味料、乳化剤、油類、植物エキス、色素及び香料等が配合されている(1)項〜(2)項のいずれか1項に記載の飴組成物。
【0008】
本発明の飴組成物は口臭に対するマスキング効果に優れていて、効果も持続し、副作用もなく、清涼感も得ることができるという作用効果を奏するものである。
本発明の飴組成物は、有効成分としてローズオイルを含有し、他の成分として、通常の飴組成物に使用される水、砂糖、水あめ、蜂蜜、バター、練乳、酸味料、乳化剤、油類、植物エキス、色素、香料等より選ばれる成分を配合してなる組成物である。これらの成分以外にも、通常の飴組成物に配合される成分は、特に制限なく本発明の飴組成物においても使用可能である。
【0009】
本発明で使用されるローズオイルはバラの種類は問わず、花弁を水蒸気蒸留して得られるものであり、成分としては主成分としてシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、フェニルエチルアルコール、リナロール等を含み、他の成分としてα−ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン、ローズオキサイド、β−シトラール、α−シトラール、酢酸シトロネリル、酢酸ネリル、α−グアイエン、α−フムレン、ゲルマクレンD,ファルネソール、ペンタデカン、ヘプタデカン、エイコサン等を含有している。
特にダマスクローズ(学名ROSA DAMASCENA)から採取されるオイルは香りが強く持続性があり、本発明の飴組成物には最適である。
【0010】
ローズオイルの飴組成物における配合割合にはローズオイルの効果が発揮される有効量であれば特に制限はない。例えば、0.01質量%〜1.00質量%の範囲を目安として設定される。この場合、0.01質量%未満では、マスキング効果が充分に発揮されない場合があるし、1.00質量%以上では香りが強すぎて不快感を生じ、配合量の増加に見合ったマスキング効果の向上が期待できない場合が多い。
【実施例】
【0011】
以下、実施例に基づいて本発明の飴組成物の具体例を説明するが、本発明は以下の実施例や比較例によってその技術的範囲が限定されるものではない。
【0012】
各実施例及び各比較例の飴組成物についての口臭に対するマスキング効果等の評価は、以下の評価基準にしたがって評価した。
(マスキング効果等の評価)
グループAのパネラー:女性5名及び男性5名は実施例1と比較例1を評価
グループBのパネラー:女性5名及び男性5名は実施例2と比較例2を評価
グループCのパネラー:女性5名及び男性5名は実施例3と比較例3を評価
一日おきに実施例と比較例の飴を交互に口中に投入する。一日の量は1粒(7g)とし、口中に投入する時間帯は特に制限をしない。この方法で2週間、連用継続する。
【0013】
(主観による評価)
マスキング効果、持続性、なめらかさ、味・清涼感を総合的に判断して、下記の評価基準により主観的に5点満点で評価する。
パネラー10名の平均点が4以上を◎
パネラー10名の平均点が3以上4未満を○
パネラー10名の平均点が2以上3未満を△
パネラー10名の平均点が2未満を×
【0014】
(ローズオイルの調整)
ダマスクローズ(学名ROSA DAMASCENA)の花弁25Kgと水35Kgを蒸留機に投入し、通常の方法で水蒸気蒸留をおこない、ローズオイル2gを得た。
【0015】
実施例1及び比較例1
上記方法で得られたローズオイルを使用して、表1に示す実施例1と比較例1の飴を調整し、前記した主観による評価をグループAで行った結果を表2に示す。
【0016】
【表1】

【0017】
【表2】

【0018】
表2の結果が示すように、実施例1の飴組成物は、ローズオイルを配合していない比較例1の飴組成物に比べ、有意にパネラーの口臭が改善されている。このことから、ローズオイルは飴組成物の配合成分として口臭のマスキング効果に優れていることが確認できる。
【0019】
実施例2及び比較例2
飴組成物として、表3に示す組成を有する実施例2と比較例2の飴を調製し、前記した主観による評価をグループBで行った結果を表4に示す。
【0020】
【表3】

【0021】
【表4】

【0022】
表4の結果が示すように、実施例2の飴組成物は、ローズオイルを配合していない比較例2の飴組成物に比べ、有意にパネラーの口臭が改善されている。このことから、ローズオイルは飴組成物の配合成分として口臭のマスキング効果に優れていることが確認できる。
【0023】
実施例3及び比較例3
飴組成物として、表5に示す組成を有する実施例3と比較例3の飴を調製し、前記した主観による評価をグループCで行った結果を表6に示す。
【0024】
【表5】

【0025】
【表6】

【0026】
表6の結果が示すように、実施例3の飴組成物は、ローズオイルを配合していない比較例3の飴組成物に比べ、有意にパネラーの口臭が改善されている。このことから、ローズオイルは飴組成物の配合成分として口臭のマスキング効果に優れていることが確認できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローズオイルを配合してなる飴組成物。
【請求項2】
前記ローズオイルはダマスクローズ(学名ROSA DAMASCENA)オイルを配合してなる、請求項1記載の飴組成物。
【請求項3】
通常の飴に許容される水、砂糖、水あめ、蜂蜜、バター、練乳、酸味料、乳化剤、油類、植物エキス、色素及び香料等が配合されている請求項1〜2のいずれか1項に記載の飴組成物。

【公開番号】特開2013−91634(P2013−91634A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246892(P2011−246892)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(511273540)株式会社ナノミック (1)
【Fターム(参考)】