説明

骨材の表乾処理装置

【課題】骨材を容易且つ確実に表乾状態にできる。
【解決手段】底板の上面及び下面の間を貫通する複数の第1排水孔を有し、骨材が山積するように収容され、前記複数の第1排水孔が閉じた状態において前記骨材に吸水させるための水が貯留される容器と、前記骨材に吸水させるとき、前記複数の第1排水孔を閉じ、前記骨材を前記容器に残留させて表乾状態とするとき、前記複数の第1排水孔を開く止水部材と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨材の表乾処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、骨材を表乾状態にするための装置として、乾燥用シート(特許文献1参照)が知られている。この乾燥用シートでは、透水層に、吸水した骨材を載置して骨材の表面を乾燥させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−74653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の乾燥用シートでは、例えば骨材の表面の水滴を排水できずに、骨材を表乾状態にできない虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、底板の上面及び下面の間を貫通する複数の第1排水孔を有し、骨材が山積するように収容され、前記複数の第1排水孔が閉じた状態において前記骨材に吸水させるための水が貯留される容器と、前記骨材に吸水させるとき、前記複数の第1排水孔を閉じ、前記骨材を前記容器に残留させて表乾状態とするとき、前記複数の第1排水孔を開く止水部材と、を備えたことを特徴とする骨材の表乾処理装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、骨材を容易且つ確実に表乾状態にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態における表乾処理装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1及び第2実施形態における蓋が取り付けられた状態の表乾処理装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における表乾処理装置を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における表乾処理装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態における止水部材が引き抜かれた状態の表乾処理装置を示す平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態における止水部材が引き抜かれた状態の表乾処理装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態における骨材に吸水させる際の表乾処理装置を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態における骨材を表乾状態にする際の表乾処理装置を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態における止水部材を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態における底板の排水孔と止水部材の排水孔とが相互に対向した状態の表乾処理装置を示す平面図である。
【図11】本発明の第2実施形態における底板の排水孔と止水部材の排水孔とが相互に対向した状態の表乾処理装置を示す断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態における底板の排水孔と止水部材の排水孔とが相互に対向しない状態の表乾処理装置を示す平面図である。
【図13】本発明の第2実施形態における底板の排水孔と止水部材の排水孔とが相互に対向しない状態の表乾処理装置を示す断面図である。
【図14】本発明のその他の実施形態用いられる制御装置の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
[第1実施形態]
===表乾処理装置===
図1は、本実施形態における表乾処理装置を示す斜視図である。図2は、本実施形態における蓋が取り付けられた状態の表乾処理装置を示す斜視図である。
【0011】
表乾処理装置(骨材の表乾処理装置)100は、骨材5に吸水させたり、表乾状態にしたりする装置である。尚、骨材5、骨材5の吸水、表乾状態の詳細については後述する。
【0012】
表乾処理装置100は、容器1、止水部材2を含んで構成される。尚、本実施形態において、X軸は、止水部材2を溝11に対して抜き差しする方向(左右方向)に沿う軸であり、止水部材2が溝11から引き抜かれる方向(一方側)を+X方向とし、止水部材2が溝11に対して挿入される方向(他方側)を−X方向とする。Y軸は、表乾処理装置100に対して垂直方向に沿う軸であり、上に向かう方向を+Y方向とし、下に向かう方向を−Y方向とする。Z軸は、容器1の両側面に対して直行する方向(奥行き方向)に沿う軸であり、手前側の側面に向かう方向を+Z方向とし、奥側の側面に向かう方向を−Z方向とする。
【0013】
容器1は、骨材5と水6とが入れられる容器である。尚、容器1の詳細は後述する。止水部材2は、容器1の排水孔13を閉じたり、開いたりするための部材である。尚、止水部材2、排水孔13の詳細は後述する。
【0014】
===容器===
以下、図1乃至図6を参照して、本実施形態における容器について説明する。図3は、図1を下方向へ向かって見た、表乾処理装置を示す図である。尚、プレート21の他方側は容器1と重なって見えない状態となっているが、点線で示されている。図4は、図3のD1−D2の断面から奥側へ向かって見た、表乾処理装置を示す断面図である。図5は、図1を下方向へ向かって見た、止水部材が引き抜かれた状態の表乾処理装置を示す図である。図6は、図5のD3−D4の断面から奥側へ向かって見た、表乾処理装置を示す断面図である。
【0015】
容器1は、例えば4個の横板14乃至17、底板18を有する。
【0016】
底板18は、例えば略矩形形状を呈する防水性の板部材である。底板18は、底板18の例えば長辺が左右方向に沿い、底板18の短辺が奥行き方向に沿うように、配置される。底板18の下面の例えば四隅には、容器1を支持するための脚4が設けられる。底板18は、底板18の一方側の縁に開口し、止水部材2を底板18の上面と下面との間に挿入するための溝11が設けられる。尚、溝11の詳細については後述する。底板18には、底板18の上面と下面との間を貫通する排水孔(第1排水孔)13が設けられる。排水孔13は、容器1に貯留された水を排水するための孔である。尚、排水孔13の径は、骨材5の粒径よりも例えば短いものとする。ここで、骨材5は、例えばコンクリートを作る際にセメント、水と共に配合される、例えば粒径が5、7、10ミリメートルの粗骨材である。排水孔13の径は、骨材5の粒径のうち最小の粒径である例えば5ミリメートルよりも短い4ミリメートルとする。尚、骨材5の詳細については後述する
横板14乃至17は、容器1に凹部12が形成されるように、底板18の上面における縁に設けられる、例えば略矩形形状を呈する防水性の板部材である。横板14は、横板14の下側の縁が例えば底板18の上面における一方側の縁に例えば接着される。尚、横板14の奥行き方向の長さは、底板18の奥行き方向の長さと例えば同様な長さである。横板15は、横板15の下側の縁が例えば底板18の上面における手前側の縁に例えば接着され、且つ横板15の一方側の縁が例えば横板14の手前側の縁に例えば接着される。尚、横板15の左右方向の長さは、底板18の左右方向の長さと例えば同様な長さである。横板15の垂直方向の長さは、横板14の垂直方向の長さと例えば同様な長さである。横板16は、例えば横板14と同様な形状を呈する。横板16は、横板16の下側の縁が例えば底板18の上面における他方側の縁に例えば接着され、且つ横板16の手前側の縁が横板15の他方側の縁に例えば接着される。横板17は、例えば横板15と同様な形状を呈する。横板17は、横板17の下側の縁が例えば底板18の上面における奥側の縁に例えば接着され、且つ横板17の一方側の縁、他方側の縁は夫々、横板14の奥側の縁、横板16の奥側の縁に夫々例えば接着される。
【0017】
容器1の上側には、蓋3が取り付けられる。蓋3は、凹部12の開口を覆う例えば防水性の部材である。蓋3は、着脱自在に容器1の上部に取り付けられる。
【0018】
===止水部材===
以下、図1乃至図6を参照して、本実施形態における止水部材について説明する。
【0019】
止水部材2は、容器1の排水孔13を閉じたり、開いたりするための部材である。止水部材2は、プレート21、把手22を有する。
【0020】
プレート21は、例えば略矩形の平板形状を呈する例えば防水性の部材である。プレート21の奥行き方向の長さは、プレート21を溝11に挿入できるように、例えば容器1の一方側の面に設けられた溝11の奥行き方向の長さよりも短いものとする。プレート21の左右方向の長さは、例えば底板18の左右方向の長さよりも長いものする。ここで、溝11の左右方向の深さは、プレート21によって複数の排水孔13を閉じられるように、底板18の一方側の縁から、複数の排水孔13のうち最も他方側に設けられた排水孔13までの距離よりも深いものとする。溝11の上下方向の幅は、溝11に対してプレート21を挿入できるように、プレート21の上下方向の幅よりも長いものとする。
【0021】
把手22は、例えば略矩形柱形状を呈する部材である。把手22は、把手22の長手方向が奥行き方向に沿った状態で、プレート21の上面における一方側の縁に取り付けられる。
【0022】
例えば、プレート21の他方側の縁が溝11の他方側の縁と当接するように、止水部材2を溝11の全体に挿入した場合、複数の排水孔13は閉じた状態になる。一方、例えば、止水部材2が容器1から引き抜かれる方向に移動した場合、複数の排水孔13は開いた状態になる。
【0023】
===骨材===
以下、図1乃至図8を参照して、本実施形態における骨材について説明する。図7は、本実施形態における骨材を吸水させる際の表乾処理装置を示す断面図である。尚、図7は、骨材と水とが入れられた状態の表乾処理装置を図3のD1−D2の断面から奥側へ向かって見た図である。図8は、本実施形態における骨材を表乾状態とする際の表乾処理装置を示す断面図である。尚、図8は、骨材が入れられた状態の表乾処理装置を図5のD3−D4の断面から奥側へ向かって見た図である。
【0024】
骨材5は、前述の通り、例えばコンクリートを作る際にセメント、水と共に配合される例えば粒径が5ミリメートル以上の粗骨材である。
【0025】
例えば、コンクリートの強度は水とセメントとの比率により決まる。よって、所定の強度のコンクリートを作る際、水、セメントと共に配合される骨材5の吸水量を把握して水とセメントとの比率を設定する必要がある。一般に、コンクリートを作る際、例えば骨材5の吸水、骨材5の表面水により水とセメントとの比率の変化を抑えるために、骨材5は、十分に吸水し且つ表面が乾燥した状態(以下、「表乾状態」という)で用いられる。
【0026】
===骨材を表乾状態とする方法===
以下、図1乃至図8を参照して、本実施形態における表乾処理装置を用いて、骨材を表乾状態とする方法の一例について説明する。尚、例えば、表乾処理装置100を用いて骨材5に吸水させる場合、骨材5を表乾状態とする場合に分けて説明する。
【0027】
<骨材5に吸水させる場合>
例えば、プレート21の他方側の縁が溝11の他方側の縁と当接するように、止水部材2が溝11の全体に挿入される。複数の排水孔13は、閉じた状態になる。例えば、骨材5が容器1の凹部12に山積されるように収容される。骨材5に対して吸水させるための水6が容器1の凹部12に貯留される。水6は、水6の水面が山積された骨材5よりも例えば上側になるように、容器1の凹部12に貯留される。尚、この際、複数の排水孔13は、止水部材2によって閉じられているので、水6は、排水孔13から排水されずに容器1の凹部12に貯留されたままの状態となる。骨材5は、前述の通り、例えば粒径が5ミリメート以上の粗骨材であるので、骨材5を容器1に収容した際、骨材5の各粒子間に例えば隙間ができる。その隙間に水6が浸み込んで、骨材5の各粒子は水6を吸水できる状態となる。例えば、骨材5の各粒子が水6を吸水できる状態を一定時間(例えば数日間)継続することによって、骨材5は、十分に吸水し且つ表面が湿った状態(以下、「湿潤状態」という)となる。
【0028】
<骨材5を表乾状態にする場合>
例えば、骨材5に吸水させるための水6が、骨材5を収容した容器1に貯留されてから一定時間(例えば数日間)経過した後、止水部材2を溝11から引き抜かれる方向に移動させる。複数の排水孔13のうち、少なくとも何れかの排水孔13は、開いた状態になる。例えば、容器1の凹部12に貯留された水6は、開いた状態の排水孔13から排水される。尚、前述の通り、排水孔13の径が、骨材5の粒径よりも短いので、骨材5は容器1の凹部12に残留する。その後、骨材5の各粒子の表面水が時間の経過と共に蒸発して、例えば水6を排水してから19時間程度経過した後、骨材5が表乾状態となる。尚、例えば、風雨の影響を避けるために、蓋3を容器1に取り付け状態で、骨材5を表乾状態としてもよい。
【0029】
前述したように、容器1には、骨材5が山積されるように収容される。容器1には、骨材5を吸水させるための水6が貯留される。容器1の底板18には、底板18の上面及び下面の間を貫通する複数の排水孔13が設けられる。骨材5を吸水させる場合、止水部材2は、排水孔13を閉じる。骨材5を容器1に残留させて表乾状態とするとき、止水部材2は、排水孔13を開く。よって、容器1に骨材5を収容した状態で、排水孔13を閉じたり開いたりすることによって、骨材5に吸水させたり、表乾状態にしたりできる。従って、骨材5を容易且つ確実に表乾状態にする骨材5の表乾処理装置100を提供できる。
【0030】
又、止水部材2は、プレート21を有する。底板18には、底板18の上面及び下面の間に止水部材2を出し入するための溝11が設けられる。例えば、複数の排水孔13を閉じる場合、止水部材2は溝11の全体に挿入される。一方、例えば、複数の排水孔13のうち少なくとも何れかの排水孔13を開く場合、止水部材2を溝11から引き抜かれる方向に移動させる。よって、止水部材2を溝11の全体に挿入したり、止水部材2を溝11から引き抜かれる方向に移動させたりする簡単な作業で、排水孔13を閉じたり、開いたりできるので、骨材5の表乾処理装置100の利用性を向上できる。
【0031】
又、容器1に水6が貯留されてから一定時間(例えば数日間)が経過した後、複数の排水孔13は開かれる。よって、骨材5の各粒子に対して十分に水6を吸水させた後に骨材5の表面を乾燥させることができるので、骨材5を確実に表乾状態にすることができる。
【0032】
[第2実施形態]
===表乾処理装置===
本実施形態における表乾処理装置100bは、第1実施形態における止水部材2を、止水部材2bに変更したものである。尚、止水部材2b以外の構成は、第1実施形態における表乾処理装置100と同様であるので、その説明は省略する。
【0033】
以下、図1、図2、図9乃至図13を参照して、本実施形態における表乾処理装置について説明する。図9は、本実施形態における止水部材を示す斜視図である。図10は、図1を下方向へ向かって見た、底板の排水孔と止水部材の排水孔とが相互に対向した状態の表乾処理装置を示す図である。尚、プレート21bの他方側は容器1と重なって見えない状態となっているが、点線で示される。排水孔23bは、容器1と重なって見えない状態となっている。図11は、図10のD5−D6の断面から奥側へ向かって見た、表乾処理装置を示す断面図である。尚、止水部材2bの断面は、説明の便宜上、黒塗りされている。図12は、図1を下方向へ向かって見た、底板の排水孔と止水部材の排水孔とが相互に対向しない状態の表乾処理装置を示す図である。尚、プレート21bの他方側、排水孔23bは容器1と重なって見えない状態となっているが、点線で示される。図13は、図12のD7−D8の断面から奥側へ向かって見た、表乾処理装置を示す断面図である。尚、止水部材2bの断面は、説明の便宜上、黒塗りされている。
【0034】
表乾処理装置(骨材の表乾処理装置)100bは、止水部材2bを含んで構成される。尚、本実施形態において、X軸は、止水部材2bを溝11に対して抜き差しする方向(左右方向)に沿う軸であり、止水部材2bが溝11から引き抜かれる方向(一方側)を+X方向とし、止水部材2bが溝11に対して挿入される方向(他方側)を−X方向とする。Y軸は、表乾処理装置100bに対して垂直方向に沿う軸であり、上に向かう方向を+Y方向とし、下に向かう方向を−Y方向とする。Z軸は、容器1の両側面に対して直行する方向(奥行き方向)に沿う軸であり、手前側の側面に向かう方向を+Z方向とし、奥側の側面に向かう方向を−Z方向とする。
【0035】
止水部材2bは、容器1の排水孔13を閉じたり、開いたりするための部材である。
【0036】
===止水部材===
以下、図1、図2、図9乃至図13を参照して、本実施形態における止水部材について説明する。
【0037】
止水部材2bは、容器1の排水孔13を閉じたり、開いたりするための部材である。止水部材2bは、プレート21b、把手22bを有する。
【0038】
プレート21bは、例えば略矩形の平板形状を呈する例えば防水性の部材である。プレート21bの奥行き方向の長さは、プレート21bを溝11に挿入できるように、例えば容器1の一方側の面に設けられた溝11の奥行き方向の長さよりも短いものとする。プレート21bの左右方向の長さは、例えば底板18の左右方向の長さよりも長いものする。プレート21bには、底板18に設けられた複数の排水孔13に夫々対応する複数の排水孔23b(第2の排水孔)が設けられる。複数の排水孔23bは夫々、プレート21bにおける、プレート21bの他方側の縁が溝11の他方側の縁と当接するように、止水部材2bを溝11の全体に挿入した際、複数の排水孔13と対向する位置に夫々設けられる。複数の排水孔23bは、プレート21bの上面と下面との間を貫通する孔である。複数の排水孔23bの径は夫々、止水部材2bを溝11の全体に挿入した際に対向する複数の排水孔13夫々の径と例えば同様な長さとする。
【0039】
把手22bは、例えば略矩形柱形状を呈する部材である。把手22bは、把手22bの長手方向が奥行き方向に沿った状態で、プレート21bの上面における一方側の縁に取り付けられる。
【0040】
例えば、止水部材2bを溝11の全体に挿入した場合、プレート21bの複数の排水孔23bが夫々、底板18の複数の排水孔13と夫々対向する。この場合、複数の排水孔13は開いた状態になる。一方、例えば、溝11の全体に挿入した止水部材2bを溝11から引き抜かれる方向に移動させた場合、プレート21bの複数の排水孔23bが夫々、底板18の複数の排水孔13と夫々対向しない状態となる。この場合、複数の排水孔13は閉じた状態になる。
【0041】
前述したように、止水部材2bは、プレート21bを有する。プレート21bには、底板18に設けられた複数の排水孔13に対応する複数の排水孔23bが設けられる。底板18には、底板18の上面及び下面の間に止水部材2bを出し入するための溝11が設けられる。例えば、複数の排水孔13を開く場合、複数の排水孔23bが夫々複数の排水孔13と対向するように止水部材2bが溝11に挿入される。一方、例えば、複数の排水孔13を閉じる場合、複数の排水孔23bが夫々複数の排水孔13と対向しないように止水部材2bが溝11に挿入される。よって、止水部材2bを例えば溝11に挿入した状態で、止水部材2bを左右方向に移動させることによって、複数の排水孔23b夫々と複数の排水孔13夫々とを対向させたり、対向しないようにさせたりすることができる。従って、止水部材2bを例えば溝11に挿入した状態で、止水部材2bを左右方向に僅かに移動させる簡単な作業で、排水孔13を閉じたり、開いたりできるので、骨材5の表乾処理装置100bの利用性を更に向上できる。
【0042】
[その他の実施形態]
===制御装置===
第1及び第2実施形態においては、表乾処理装置100、100bにおいて例えば手動で複数の排水孔13を閉じたり開いたりする構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、所定時刻に排水孔13を自動で開くための制御装置7を設けてもよい。以下、図14を参照して、本実施形態における制御装置について説明する。図14は、本実施形態における制御装置の機能を示すブロック図である。
【0043】
制御装置7は、所定時刻に排水孔13を自動で開くための装置である。制御装置7は、計時部71、温度測定部72、湿度測定部73、入力部74、駆動部75、記憶部76、制御部77、報知部78を有する。
【0044】
計時部71は、現在時刻を計時する例えばタイマである。
温度測定部72は、容器1における凹部12の温度を測定するための例えば温度センサである。
湿度測定部73は、容器1における凹部12の湿度を測定するための例えば湿度センサである。
【0045】
入力部74は、例えば表乾処理装置100、100bに収容する骨材5の粒径を入力するためのキーボードである。
駆動部75は、溝11に挿入された規制部材2、2bを左右方向に移動させるための例えばアームである。駆動部75は、把手22、22bを例えば引き抜かれる方向に移動させたり、挿入される方向に移動させたりする。
【0046】
記憶部76は、第1の領域76a、第2の領域76b、第3の領域76cを有する。第1の領域76aには、制御装置7を制御するためのプログラムが記憶される。第2の領域76bには、骨材5を吸水させる時間を示す吸水テーブルと、骨材5を乾燥させる時間を示す乾燥テーブルとが記憶される。吸水テーブルは、例えば、骨材5を吸水させる際の吸水時間が骨材5の粒径に対応付けられている。乾燥テーブルは、例えば、骨材5を表乾状態とする際の乾燥時間が凹部12の温度、湿度、骨材5の粒径に対応付けられている。第3の領域76cには、入力部74から入力された骨材5の粒径を示す粒径情報、温度測定部72で測定された凹部12の温度を示す温度情報、湿度測定部73で測定された凹部12の湿度を示す湿度情報が記憶される。
【0047】
制御部77は、第1の領域76aに記憶されたプログラムに基づいて制御装置7を制御する。
報知部78は、制御部77の警報命令に応じて警報音を発する例えばスピーカである。
【0048】
===制御装置の動作===
以下、図1、図2、図9乃至図14を参照して、本実施形態に用いられる制御装置の動作について説明する。尚、例えば、表乾処理装置100bを用いて骨材5を表乾状態にとする場合の制御装置7の動作について説明する。排水孔13を閉じた状態で、骨材5を容器1の凹部12に収容し、水6を、水6の水面が骨材5よりも例えば上側になるように、容器1の凹部12に貯留した状態で、第1の領域76aのプログラムの実行が開始されたところから説明する。
【0049】
制御部77は、第3の領域76cに記憶された粒径情報、第2の領域76bに記憶された吸水テーブルに基づいて、骨材5の吸水時間を把握する。第1の領域76aのプログラムが開始されてから骨材5の吸水時間を経過した際、制御部77は、複数の排水孔23bが夫々複数の排水孔13と対向しないように止水部材2bを例えば引き抜かれる方向に移動させるように駆動部75を制御する。その際、排水孔13は開いた状態となり、容器1の凹部12に貯留された水6は排水される。制御部77は、第3の領域76cに記憶された粒径情報、温度情報、湿度情報、第2の領域76bに記憶された乾燥テーブルに基づいて、骨材5の乾燥時間を把握する。容器1の凹部12に貯留した水6が排水されてから、骨材5の乾燥時間を経過した際、制御部77は、骨材5が表乾状態となったことを示す警報音を報知部77から発報させる。
【0050】
前述したように、制御装置7を設けることによって、骨材5を自動的且つ確実に表乾状態にできるので、骨材5の表乾処理装置100、100bの利用性を更に向上できる。
【0051】
尚、第1及び第2実施形態、その他の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0052】
第1実施形態においては、例えば1枚の止水部材2を底板18の溝11に抜き差しする構成について説明したが、これに限定されるもではない。例えば、底板11における奥行き方向の中央に、左右方向に沿った例えば金属製の補強部材を設けて、溝11を補強部材よりも奥側の溝と、手前側の溝の例えば2個の溝に分けて、その2個の溝に対して夫々抜き差しされる例えば2枚の止水部材を設けてもよい。その場合、例えば2枚の止水部材を2個の溝から引き抜いた際、容器1に収容された骨材5の荷重によって底板18が撓んで損傷するのを補強部材によって防止できる。従って、表乾処理装置100の耐久性を向上できる。
【符号の説明】
【0053】
1 容器
2、2b 止水部材
3 蓋
4 脚
5 骨材
7 制御装置
11 溝
12 凹部
13、23b 排水孔
14、15、16、17 横板
18 底板
21、21b プレート
22、22b 把手
71 計時部
72 温度測定部
73 湿度測定部
74 入力部
75 駆動部
76 記憶部
76a 第1の領域
76b 第2の領域
76c 第3の領域
77 制御部
100、100b 表乾処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板の上面及び下面の間を貫通する複数の第1排水孔を有し、骨材が山積するように収容され、前記複数の第1排水孔が閉じた状態において前記骨材に吸水させるための水が貯留される容器と、
前記骨材に吸水させるとき、前記複数の第1排水孔を閉じ、前記骨材を前記容器に残留させて表乾状態とするとき、前記複数の第1排水孔を開く止水部材と、
を備えたことを特徴とする骨材の表乾処理装置。
【請求項2】
前記止水部材は、平板形状を呈するプレートであり、
前記底板は、前記底板の上面及び下面の間の層に前記止水部材が出し入れされる溝を有し、
前記止水部材は、前記複数の第1排水孔を閉じるとき、前記溝全体に挿入され、前記複数の第1排水孔を開くとき、前記溝から引き抜かれる方向に移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の骨材の表乾処理装置。
【請求項3】
前記止水部材は、前記複数の第1排水孔に夫々対応する複数の第2排水孔を有する、平板形状を呈するプレートであり、
前記底板は、前記底板の上面及び下面の間の層に前記止水部材が出し入れされる溝を有し、
前記止水部材は、前記複数の第1排水孔を開くとき、前記複数の第2排水孔が夫々前記複数の第1排水孔と対向するように前記溝に挿入され、前記複数の第1排水孔を閉じるとき、前記複数の第2排水孔が夫々前記複数の第1排水孔と対向しないように前記溝に挿入される
ことを特徴とする請求項1に記載の骨材の表乾処理装置。
【請求項4】
前記止水部材は、前記容器に前記水が貯留されて一定時間が経過した後、前記複数の第1排水孔を開く
ことを特徴とする請求項1に記載の骨材の表乾処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate