高い慣性モーメントを有するフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ
本明細書に記載されるフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、（a）少なくとも300ccの体積を有するクラブヘッドと、（b）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、クラブヘッドに取り付けられたシャフト部材と、（c）シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材とを含んでもよい。クラブヘッドは、（1）12〜32°のロフト角を有する打球フェースと、（2）打球フェースと係合したまたは一体に形成されたクラブヘッドボディをさらに含んでもよく、地面係合面を含むソール部分を伴う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
発明の分野
本発明は、概して、ゴルフクラブ、特にフェアウェイ「ウッドタイプ」ゴルフクラブに関する。本発明のさらなる局面は、そのようなゴルフクラブ、特に、高い慣性モーメントを含む、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造する方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
背景
ゴルフは、多種多様なプレーヤ、すなわち異なる性別ならびに年齢および／または技術レベルが大きく異なるプレーヤによって楽しまれている。ゴルフは、そのような多様なプレーヤが集まりゴルフイベントで互いに直接競いながら一緒にプレーし（例えば、ハンデ付きのスコア、異なるティーボックスの使用、チームフォーマットで、など）、なおもゴルフのラウンドまたは競技を楽しむことができるという点で、スポーツの世界ではいくぶんユニークである。これらの要因が、テレビのゴルフ番組（例えばゴルフトーナメント、ゴルフニュース、ゴルフの歴史および／または他のゴルフ番組）の増加および著名なゴルフスーパースターの出現と相まって、少なくとも部分的に、近年、米国および世界中でのゴルフ人気を高めた。
【０００３】
すべての技術レベルにおいてゴルファーは、パフォーマンスを改善し、ゴルフスコアを下げ、その次のパフォーマンス「レベル」に到達しようとする。あらゆるタイプのゴルフ用具の製造者がこれらの要求に応え、近年、業界は、ゴルフ用具における劇的な変化および改良を目の当たりにしてきた。例えば、今や、広い範囲の異なるゴルフボールモデルが利用可能であり、ボールは、特定のスイング速度および／または他のプレーヤ特性もしくは好みを補うように設計されている。例えば、一部のボールは、より遠くおよび／またはよりまっすぐに飛ぶように設計されており、一部のボールは、より高いまたはよりフラットな弾道を提供するように設計されており、一部のボールは、より多くのスピン、コントロールおよび／または感触（特にグリーン周りで）を提供するように設計されており、一部のボールは、より速いまたはより遅いスイング速度のために設計されている、などである。また、ゴルフのスコアを減らすのに役立つことを約束する数多くのスイング補助具および／または補助教具が市販されている。
【０００４】
プレー中にゴルフボールを動かす唯一の道具であることから、ゴルフクラブもまた、近年、多大な技術的研究および進歩の対象であった。例えば、市場は、近年、パター設計、ゴルフクラブヘッド設計、シャフトおよびグリップにおける劇的な変化および改良を見てきた。さらには、ゴルフクラブの様々な要素および／または特性ならびにゴルフボールの特性を特定のユーザのスイング特徴または特性により良く適合させようとして、他の技術的進歩が達成されてきた（例えば、クラブフィッティング技術、ボール打ち出し角計測技術、ボールスピン速度など）。
【０００５】
近年の技術的進歩にもかかわらず、フェアウェイ「ウッドタイプ」ゴルフクラブは、一部のプレーヤにとって、一貫してうまく打つことが非常に困難であることもある。したがって、ゴルフボールを飛ばすプレーヤの能力を改善する、ボールの飛距離、方向および／またはコントロールを増す、および／またはフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの競技性を他のやり方で改善するさらなる技術的進歩がゴルフの世界で歓迎されるであろう。
【発明の概要】
【０００６】
概要
以下、本発明およびその様々な特徴の基本的理解を提供するために、本発明の局面の概要を提示する。この概要は、本発明の範囲をいかなるふうにも限定することを意図したものではなく、単に、以下に続くより詳細な説明のための概観および状況を提供するものである。
【０００７】
一般に、本発明の局面はフェアウェイウッドタイプゴルフクラブに関する。本発明の少なくともいくつかの例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、以下のうち一つまたは複数を含んでもよい、：クラブヘッド、クラブヘッドの少なくとも一部分と係合したまたは一体に形成されたホーゼル部材、およびホーゼル部材と係合したシャフト部材。クラブヘッドは、ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を有するクラブヘッドボディ、ならびにクラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された、トウ部分からヒール部分まで延びる打球フェースを含んでもよい。ゴルフクラブは37〜43インチの長さを有してもよい（本出願を通して記載されるゴルフクラブ長は、ゴルフ規則の付属規則IIにおいて計測されるクラブ全長をいう）。打球フェースは12〜32°のロフト角（シャフト部材に対する打球フェースの角度と定義される）を含んでもよい。さらに、ロフト角は15〜20°であってよい。クラブヘッドは少なくとも300cc（いくつかの例においては、300〜400ccの範囲内）の体積を有してもよい。さらに、クラブヘッドは少なくとも400ccまたは460ccの体積を有してもよい。ソール部分は地面係合面を含んでもよい。地面係合面は、ソール部分の中心に沿って配置され、打球フェースの下縁から打球フェースとは反対側のクラブヘッドの後部分に向かって後方に延びるキールを含んでもよい。キールは実質的に滑らかな曲線面を有してもよい。または、キールは、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された複数の実質的に滑らかで実質的に平坦な面を有してもよい。第二の態様において、地面係合面は、打球フェースに隣接する前面、中央面およびクラブヘッドの後部分に隣接する後面を含んでもよい。前面は、打球フェースに向かう方向において上に傾斜していてもよい。中央面は一般に水平かつ地面に対して平行であってよい。後面は、クラブヘッドボディの最後方の点または縁に向かう方向において上に傾斜していてもよい。さらに、地面係合面は中央面の近くに最下点を含む場合があり、地面係合面はその最下点からヒール部分方向およびトウ部分方向の両方において上に傾斜している。
【０００８】
本発明のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（a）ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を含むクラブヘッドボディであって、後部分が少なくとも一つの重量増大ゾーンを含み、ソール部分が地面係合面を含む、クラブヘッドボディ、（b）クラブヘッドボディと係合するかまたはその一部として一体に形成された、12〜32°のロフト角を含む、可変性の厚さの打球フェース（打球フェースは、一つの重量増大ゾーンから離れて位置し、クラブヘッドのトウ部分からヒール部分まで延びている）、（c）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、クラブヘッドと係合したシャフト部材。本発明の少なくともいくつかの実例としての構造におけるクラブヘッドボディパーツおよび重量増大ゾーンは、クラブヘッドが、クラブヘッドがボールアドレス位置にあるとき、クラブヘッドの重心を通過する垂直軸を中心として少なくとも5000g-cm2の慣性モーメント（本明細書においては「Izz」とも呼ぶ）を有するように配設される。クラブヘッドボディは少なくとも300ccの体積を有してもよい。
【０００９】
本発明のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（a）12〜23°のロフト角を含む打球フェース部分（任意でフェース厚が変化する）と、返し部分とを含むカップフェース部材、（b）返し部分と係合した第一のボディ部材（例えば、地面係合面を含むソール部分）、（c）返し部分と係合した第二のボディ部材（例えばクラウン部分）、（d）第一のボディ部材と第二のボディ部材の少なくとも一つと係合した第三のボディ部材（例えば後部分）であって、第二のボディ部材が間に位置することで、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分が返し部分から切り離される、第三のボディ部材、（e）第一のボディ部材と第三のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成された、一つまたは複数のウェイト部材（例えば、クラブヘッド構造の後区域に位置する）、（f）カップフェース部材と第二のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成された、ホーゼル部材、ならびに（g）ゴルフクラブが43インチ未満の長さを有する、ホーゼル部材と係合したシャフト部材。クラブヘッドボディは少なくとも300ccの体積を有してもよい。本発明のいくつかのクラブヘッド構造において、クラブヘッドは本質的に上記で特定されたパーツからなる。
【００１０】
本発明の少なくともいくつかの例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造する方法は、例えば以下を含んでもよい、（a）可変性の打球フェース厚を有する打球フェース部材を提供する工程、（b）一般に上述したタイプの一つであり得るクラブヘッドボディを打球フェース部材と係合させる工程、（c）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、および／または（d）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。本発明の少なくともいくつかの例にしたがってゴルフクラブを製造するさらなる方法は、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（a）打球フェース部分と、打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材を形成する工程、（b）ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材を返し部分と係合させる工程、（c）ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材を返し部分と係合させる工程、（d）第三のボディ部材を第一のボディ部材と第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程であって、第三のボディ部材が、ゴルフクラブヘッドの後区域の一部分を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側に向かって延びるように係合し、かつ第二のボディ部材が、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分と返し部分との間に位置するようにクラブヘッド構造に含まれる、工程、（e）ウェイト部材を第一のボディ部材と第三のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程であって、ウェイト部材がゴルフクラブヘッドの後部分の近くで係合する、工程、（f）第一のボディ部材を第二のボディ部材と係合させる工程、（g）ホーゼル部材を、カップフェース部材、第一のボディ部材および／または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程、（h）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、ならびに／あるいは（i）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
添付図面を考慮しながら以下の詳細な説明を参照することにより、本発明およびその特定の利点のより完全な理解が得られる場合がある。
【００１２】
【図１】本発明の実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの正面図を示す。
【図２】図1の実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの正面斜視図を示す。
【図３Ａ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの別の例示的態様の下面斜視図を示す。
【図３Ｂ】図3Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの下面図を示す。
【図３Ｃ】図3Bの3C−3C線から見た図3Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの断面図を示す。
【図４Ａ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの別の例示的態様の下面斜視図を示す。
【図４Ｂ】図4Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの下面図を示す。
【図４Ｃ】図4Bの4C−4C線から見た図4Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの断面図を示す。
【図５】図5Aは、本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの例示的態様の下面図を示す。図5Bは、図5Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの側面図を示す。
【図６】図6Aは、図5Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの正面図を示す。図6Bは、図5Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの背面図を示す。
【図７Ａ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【図７Ｂ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【図７Ｃ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【図７Ｄ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【００１３】
読者は、添付図面が必ずしも原寸に比例する尺度で描かれてはいないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
詳細な説明
本発明の様々な例示的構造に関する以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明の様々な例示的ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造が実例として示されている添付図面を参照する。さらには、発明の範囲を逸脱することなく、パーツおよび構造の他の具体的配設を使用することができ、構造的および機能的変更を加えることができることが理解されよう。また、本明細書において、本発明の様々な例示的特徴および要素を説明するために「上」、「下」、「正面」、「背面」、「後」、「側方」、「下面」、「頭上」などの語が使用されることがあるが、これらの語は、本明細書中、例えば図に示す例示的向きおよび／または一般的な使用における向きに基づいて便宜上使用される。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の範囲に入るために構造の特定の三次元または空間的向きを要するものと解釈されるべきではない。
【００１５】
A. 本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの概説
概して、上記のように、本発明の局面は、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ（例えばフェアウェイウッド）およびそのようなクラブを製造および使用する方法に関する。本発明の少なくともいくつかの実例としての局面のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、（a）少なくとも300ccの体積を有するクラブヘッド、（b）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、（任意で、別個のホーゼル部材またはクラブヘッドおよび／もしくはシャフトの一つもしくは複数の一部として提供されたホーゼル部材を介して）クラブヘッドに取り付けられたシャフト部材、および（c）シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材を含んでもよい。クラブヘッドはさらに、（1）12〜32°のロフト角を有する打球フェースと、（2）地面係合面を含むソール部分を有する、打球フェースと係合したまたは一体に形成されたクラブヘッドボディとを含んでもよい。
【００１６】
本発明を逸脱することなく、ウッドタイプゴルフクラブヘッドボディは多様な形態をとることができる。例えば、本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディは、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のパーツ、従来の構成および／または従来の材料を含む、任意の所望の数の様々なパーツから、任意の所望の構成で、任意の所望の材料からなどで作られてもよい。いくつかの実例としての構造において、クラブヘッドボディは、以下のパーツの一つまたは複数を含む：クラウン部分、地面係合面を有するソール部分、フェース部材（任意で、その中に一体に形成されたまたはそれに取り付けられた打球フェースを含む）、一つまたは複数のボディリボン（例えば、クラウン部分とソール部分との間でクラブヘッドの周辺を形成または画定する）、ソールプレート、フレーム部材（任意で、例えばチタン合金などの金属製であり、例えばクラウン部分とソール部分との間でクラブヘッドの周辺を形成または画定する、ならびに／またはクラウン部分および／もしくはソール部分（存在するならば）の一つまたは複数がそこに係合しているなどである）、アフトボディなど。クラブヘッドボディは、一つまたは複数の金属合金パーツ（例えば、任意で打球フェース、フェース部材などを含むかまたはそれらと係合したフレーム）、例えばステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金など、ポリマー材料（例えば、クラウン部分またはソール部分のため、クラウン部分とソール部分との間のクラブヘッドボディ部分のため、フェース部材のため、など）、繊維または粒子強化複合材料を含む複合材料、例えば炭素繊維複合材料、玄武岩繊維複合材料、ガラス繊維材料など（例えば、クラウン部分またはソール部分のため、クラウン部分とソール部分との間のクラブヘッドボディ部分のため、フェース部材のため、など）を含んでもよい。さらに別の例として、必要に応じて、クラブヘッドボディは、任意でその中に一体に形成されたフレーム部材を有し、さらに、それと係合した別個の取り外し可能なウェイト部分（および、必要に応じて、任意で別個のウェイトインサート）を有する一体型のワンピース構成を有してもよい。本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディ構造および／またはその様々なパーツの任意の所望の構造および／または配設を使用してもよい。
【００１７】
本発明の少なくともいくつかの例のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、（a）少なくとも300ccの体積を有するクラブヘッド、（b）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、（任意で、別個のホーゼル部材またはクラブヘッドおよび／もしくはシャフトの一つもしくは複数の一部として提供されたホーゼル部材を介して）クラブヘッドに取り付けられたシャフト部材、ならびに（c）シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材を含む。クラブヘッドは、（1）ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、地面係合面を有するソール部分、および第一の重量増大ゾーンを含む後部分を有する、クラブヘッドボディ、ならびに（2）12〜32°のロフト角を有する可変性の厚さの打球フェースであって、クラブヘッドボディと係合するかまたはその一部として一体に形成され、かつ第一の重量増大ゾーンから離れたクラブヘッドボディの部分に位置しかつトウ部分からヒール部分まで延びる、可変性の厚さの打球フェースを含んでもよい。クラブヘッドは、クラブヘッドがボールアドレス向きにある状態でクラブヘッド重心を通過する垂直軸を中心として少なくとも5000g-cm2の慣性モーメント（本明細書においては「Izz」とも呼ぶ）を有してもよい。さらには、クラブヘッドは、少なくとも400ccの体積、少なくとも4.5インチのクラブヘッド長さ寸法（ヒール−トウ方向）および少なくとも0.92の、全幅寸法（前後）に対するクラブヘッド長さ寸法の比を有してもよい。
【００１８】
本発明の少なくともいくつかの例のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、（a）少なくとも300ccの体積を有するクラブヘッド、（b）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、（任意で、別個のホーゼル部材またはクラブヘッドおよび／もしくはシャフトの一つもしくは複数の一部として提供されたホーゼル部材を介して）クラブヘッドに取り付けられたシャフト部材、および（c）シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材を含む。クラブヘッドは、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（1）12〜32°のロフト角を有する打球フェース部分と、打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材、（2）返し部分と係合し、地面係合面を含むゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む、第一のボディ部材、（3）返し部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む、第二のボディ部材、（4）第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一つと係合し、ゴルフクラブヘッドの後部分の少なくとも一部を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側に向かう方向に延びる第三のボディ部材であって、第二のボディ部材が間に位置することで、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分が返し部分から切り離される、第三のボディ部材、（5）第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一つと係合し、ゴルフクラブヘッドの後部分の近くに位置する、ウェイト部材、ならびに／あるいは（6）カップフェース部材、第一のボディ部材、および／または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成された、ホーゼル部材。必要に応じて、第一のボディ部材が第二のボディ部材と係合していてもよい。
【００１９】
本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディは、多種多様な材料およびパーツから、従来の方法を含め、当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料およびパーツから作製されてもよい。いくつかのより具体的な例において、クラブヘッドのパーツは、金属材料（例えばチタン、マグネシウム、アルミニウムなどのような金属）または金属合金、例えばスチールの合金、チタン、マグネシウムまたはアルミニウムを含有する合金など）、複合材料（例えば、クラウン部分、スカート部分、ソール部分、アフトボディ部分、打球フェース部分などのためのカーボンファイバ複合体、玄武岩ファイバ複合体など）、ポリマー材料などの一つまたは複数から作製されてもよい。
【００２０】
必要に応じて、クラブヘッドのクラブヘッドボディおよび／または打球フェースの少なくとも一部または全部がチタン金属および／またはチタン系合金材料で作製されてもよい。いくつかのより具体的な例において、クラブヘッドボディおよび／またはクラブヘッド全体の質量、体積、および／または表面積の少なくとも50％がチタン金属および／またはチタン系合金材料から作製され、いくつかの例示的構造において、これらの量は、少なくとも75％、少なくとも85％、少なくとも90％または少なくとも95％であってもよい。本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッド構造の慣性モーメント（Izz）（当技術分野で一般的なやり方で計測した場合）は非常に高く、例えば少なくとも4000g-cm2、少なくとも4200g-cm2、少なくとも4500g-cm2、少なくとも5000g-cm2、または少なくとも5900g-cm2であり得る。
【００２１】
本発明の例のクラブヘッドの具体的な特徴は、広く異なってもよい。例えば、クラブヘッドは、少なくとも4.75インチ、または少なくとも4.8インチ、4.9インチ、またはそれを超えるクラブヘッド長寸法（ヒールからトウ方向）を有してもよい。クラブヘッドはまた、少なくとも420cc、少なくとも450cc、または460ccまたはそれを超える体積を含め、異なってもよい。クラブヘッドの全幅寸法（フェースから後部方向）に対する全長寸法の比は、少なくとも0.94、少なくとも0.96、少なくとも0.98、またはそれを超えてもよい。
【００２２】
本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブはさらなる特徴を含んでもよい。例えば、本発明の局面において、ソールは、使用時に競技面と対面しかつ係合するように構成される場合がある。競技面上にじかに位置するボールを打つように構成されているクラブ、例えばフェアウェイウッドの場合、使用中、ソールが競技面と接触する場合があり、クラブの特徴は相応に設計される場合がある。ソールは、ソールの中心に沿って配置され、フェースの下縁からフェースとは反対側のヘッドの後部に向かって後方に延びるキールを含む地面係合面を含んでもよい。キールは、使用中にヘッドの最下面になるように構成されてもよく、キールの少なくとも一部分が隣接面に対して盛り上がっていてもよい。さらに、キールは実質的に滑らかな曲線面を有してもよい。別の例において、キールは、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された複数の実質的に滑らかで実質的に平坦な面を有してもよい。
【００２３】
必要に応じて、本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、ゴルフクラブ技術分野で公知であり、使用されている特徴を含む、さらなる特徴を含んでもよい。例えば、クラブヘッドボディの外部から内部まで延びる（例えばウェイトポートを介して）重み付けシステムが、クラブヘッドボディ部材に、例えばクラブヘッドボディの内部または外部に永久的に取り付けられてもよい。なおさらなる例として、必要に応じて、重み付けシステムは、例えば、当技術分野で公知であり、使用されている構造および技術を使用して（例えばスクリュー、セットスクリューまたは他の機械的コネクタアタッチメント、スライド式取り付けなどによって）クラブヘッドボディ部材に対して移動可能および／または脱着可能に取り付けられた一つまたは複数のウェイト部材を含むことができる。有利には、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、重み付けシステムは、クラブヘッドボディ部材の後部またはそれに近接して位置するウェイト部材を含み、任意でウェイト部材は、クラブヘッドのトウ後部部分、ヒール後部部分、および／またはソール後部部分に向けて設けられる。必要に応じて、重み付けシステムの少なくともいくつかの部分は、例えばカスタマイズ、交換、取り替え、および／またはクラブフィッティングを可能にするため（例えば、ドローバイアスのかかったクラブを提供する、フェードバイアスのかかったクラブを提供する、高弾道バイアスクラブを提供する、低弾道バイアスクラブを提供する、望ましくないボールの飛行またはスイングの欠点を補正するのに役立つクラブを提供するため（例えばフック、スライスなどの矯正を支援する、ボールを上げやすくする、ボールが浮き上がるのを防ぐ支援をするなど）など）、選択的に、クラブヘッドボディ部材から移動可能および／または脱着可能である、および／または様々な異なる位置および／または配設で取り付け可能であることもできる。
【００２４】
クラブヘッドボディパーツの様々な特徴により、さらなる重量を減らすまたは「節約」し、クラブヘッド構造中の任意の重量の選択的配置を可能にして、クラブヘッドの慣性モーメントを増すおよび／またはその特性を他のやり方で変化させることができる。例えば、クラブヘッドのクラウン部分および／またはソール部分は中央区域および周辺区域を含んでもよく、中央区域は周辺区域よりも薄く作られている。同様に、打球フェースは、その周囲を薄くすることもできる（それにより、可変性のフェース厚を提供する）。そして、クラウン部分、ソール部分および／または打球フェース部分の厚さが減少する区域によって「節約」された質量をクラブヘッド構造中に「配置し直し」てクラブヘッドの慣性モーメントを増大させることで、ボールの飛行特性に影響を与える（例えば、上述したように特定の所望のタイプのボールの飛行のためにクラブにバイアスをかける）および／またはユーザのスイング欠点を補正することに役立てることができる。
【００２５】
本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、必要に応じて、ゴルフクラブ技術分野において公知であり、かつ使用されている特徴を含むなおさらなる特徴を含んでもよい。例えば、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、クラブヘッドおよびシャフトを容易に交換することができるよう、および／またはクラブヘッドボディ（およびその打球フェース）に対するシャフトの角度および／または位置を容易に変更することができるよう、ゴルフクラブヘッドをシャフトに解放可能なやり方で接続するためのシステムおよび方法を含んでもよい。固定システムを解放し、元々存在するパーツ（例えばシャフト、クラブヘッドなど）を、異なる特性を有する異なるパーツと交換することにより、クラブヘッドおよびシャフトを互いに対して交換してもよい。追加的または代替的に、シャフト係合部材をクラブヘッドボディに対して回転させることによって、クラブヘッドに対する（例えばその打球フェースに対する）シャフトの角度または位置の調節を可能にするために、クラブヘッドホーゼルまたはクラブヘッド係合部材の軸方向に対して、シャフトを斜めにしてもよく、および／または、シャフト係合部材中にシャフトを受けるためのチャンバを斜めにしてもよい。そのような構造においては、クラブヘッドボディ上でシャフトを異なるシャフト（例えば、異なる長さ、異なるフレックス特性、異なる材料、異なる質量などのシャフト）に速やかかつ容易に交換することができる。追加的または代替的に、必要に応じて、そのような構造においては、シャフト上でクラブヘッドを異なるクラブヘッド（例えば、異なるロフト、ライ角、サイズ、ブランドなどのクラブヘッド）に速やかかつ容易に交換することができる。
【００２６】
さらには、本発明を逸脱することなく、解放可能な接続アセンブリが任意の所望のやり方で使用される場合がある。そのような接続アセンブリを有するクラブを、プレー中にゴルファーが使用するために設計してもよい（かつ、任意で、必要に応じて、ゴルファーが、シャフト、ヘッド、および／または互いに対するそれらの配置を自由に変更してもよい）。別の例として、必要に応じて、本発明にしたがって解放可能な接続を含むクラブを、クラブフィッティングツールとして使用してもよく、特定のゴルファーのためのヘッド、シャフト、および配置の所望の組み合わせが決定されたとき、クラブビルダが、その決定された情報を使用して、従来の（かつ永久的な）取り付け技術（例えばセメントまたは接着剤）を使用して最終的な所望のゴルフクラブ製品を製造してもよい。本発明を逸脱することなく、クラブ／シャフト接続アセンブリパーツおよびプロセスにおける他の変更が可能である。
【００２７】
B. 本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造および／または使用する実例としての方法の概説
本発明のさらなる局面は、本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ構造を製造する方法に関する。そのような方法は、例えば、以下の工程の一つまたは複数を含んでもよい：（a）12〜32°のロフト角を有する打球フェースを提供する工程、（b）クラブヘッドボディを打球フェースと係合させる工程であって、クラブヘッドボディが、ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を含み、クラブヘッドが少なくとも300ccの体積を有し、ソール部分が地面係合面を有する、工程、（c）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、ならびに／あるいは（d）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。
【００２８】
本発明のさらなる局面は、本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ構造（例えば、上記様々なタイプのもの）を製造する方法に関する。そのような方法は、例えば、以下の工程の一つまたは複数を含むことができる：（a）可変性の打球フェース厚を有する打球フェース部材を提供する工程であって、打球フェースが12〜32°のロフト角を有する工程、（b）クラブヘッドボディを打球フェースと係合させる工程であって、クラブヘッドボディが、ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、地面係合面を備えるソール部分、および後部部分を含み、後部部分が第一の重量増大ゾーンを含み、打球フェースが、第一の重量増大ゾーンから離れたクラブヘッドボディの部分に位置し、かつトウ部分からヒール部分の方向に少なくとも部分的に延び、クラブヘッドが、少なくとも5000g-cm2の慣性モーメントIzz、少なくとも300ccの体積、少なくとも4.5インチの全長寸法（ヒールからトウ方向）、および少なくとも0.92の、全幅寸法（フェースから後部方向）に対する全長寸法の比を有する、工程、（c）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、および／または（d）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。このようなフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、上記サブセクションで記載した所望の特徴のいずれをも有することもできる。
【００２９】
本発明の少なくともいくつかの例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造するさらなる方法は、以下の工程の一つまたは複数を含むことができる：（a）12〜32°のロフト角を含む打球フェース部分と、打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材を形成する工程、（b）ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材を返し部分と係合させる工程であって、ソール部分が地面係合面を含む、工程、（c）ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材を返し部分と係合させる工程、（d）第三のボディ部材を第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合させる工程であって、第三のボディ部材が、ゴルフクラブヘッドの後部部分の少なくとも一部を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側への方向に延びるように係合し、第二のボディ部材が、第三のボディ部材の少なくとも一部分と返し部分との間に位置するように係合する、工程、（e）ウェイト部材を第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一方と係合させる工程であって、ウェイト部材が、ゴルフクラブヘッドの後部部分に近接して係合する、工程、（f）第一のボディ部材を第二のボディ部材と係合させる工程、（g）ホーゼル部材を、カップフェース部材、第一のボディ部材および／または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程、（h）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有し、かつゴルフクラブヘッドが少なくとも300ccの体積を有する、工程、および／または（i）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。ここでもまた、そのようなゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドは、上記所望の特徴のいずれをも有することができる。
【００３０】
上記のように、クラブヘッドボディおよび／または打球フェースの様々な個々のパーツは、異なる厚さに作ることができる（例えば、打球フェースの場合には中央部分が厚めである、クラウンおよび／またはソール部材の場合には周囲部分が厚めである、など）。本発明を逸脱することなく、厚さの変更は、任意の所望のやり方で達成することができる。いくつかのより具体的な例において、ケミカルミリングプロセスを含むミリングまたは機械加工プロセスによってクラブヘッドボディおよび／または打球フェースの様々な所望の部分を薄くすることができる。
【００３１】
ゴルフクラブおよびクラブヘッドの様々なパーツは、任意の所望のやり方で係合させることができる。いくつかのより具体的な例として、上記様々な「係合」工程は、接着剤またはセメントを使用する接合、溶接、ろう付け、はんだ付けまたは他の融着技術を使用する係合、機械的コネクタ（例えばスクリュー、ボルト、ナットなど）を使用する取り付けなどの一つまたは複数を含むことができる。必要に応じて、本発明のいくつかのより具体的な例示的構造において、クラブヘッド構造の様々なパーツどうしを溶接することもできる。
【００３２】
本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブは、シャフト部材および／またはハンドル部材をクラブヘッドボディ（例えば上記タイプのもの）と係合させることによって製造することができる。これは、当技術分野で周知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方（例えばセメントまたは接着剤、機械的コネクタなどを介する）で達成することができる。さらには、必要に応じて、例えば、当技術分野で周知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方（例えばセメントまたは接着剤、機械的コネクタなどを介する）でグリップ要素をシャフトまたはハンドル部材と係合させてもよい。本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブは、同じく当技術分野で公知であるような従来の方法で使用することができる。
【００３３】
以下、本発明のいくつかの例をより詳細に説明する。読者は、これらの具体例が、本発明の例を示すためだけに記載されるものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではないということを理解すべきである。
【００３４】
C. 本発明の具体例
図1および2は一般に、本発明の少なくともいくつかの例の例示的なフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100を示す。従来どおり、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100は、クラブヘッド102、クラブヘッド102をシャフト106に接続するホーゼル領域104、およびシャフト106と係合したグリップ部材108を含む。クラブヘッド構造102の様々な例示的特徴および局面は、残りの図面を参照して以下さらに詳細に説明する。クラブヘッド102は、当技術分野で公知であり、使用されているやり方を含む任意の所望のやり方で（例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などを介する）、ホーゼル要素104を介してシャフト106と係合させることができる。当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料を含む任意の所望の材料、例えばスチール、グラファイト、ポリマー、複合材料、これらの材料の組み合わせなどを、シャフト部材106に使用することができる。同様に、グリップ部材108もまた、当技術分野で公知であり、使用されているやり方を含む任意の所望のやり方で（例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続などを介する）、シャフト106と係合させることができる。当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料を含む任意の所望の材料、例えばゴム、ポリマー材料、コルク、ゴムまたはコードもしくは他の布要素が中に埋め込まれたポリマー材料、クロスもしくは布、テープなどをグリップ部材108に使用することができる。
【００３５】
図1〜7Dに示すフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100は、以下の詳細な説明において同様の参照番号によって参照される多くの共通の特徴を含む。クラブヘッド102は、ボディ110に接続された打球フェース112を有する。さらに、クラブヘッド102は一般に上部またはクラウン116、下部またはソール118、ホーゼル104に近いヒール120、ホーゼル104から遠いトウ122、前面124、および背面または後部126を有する。
【００３６】
本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100のゴルフクラブ100の長さは、フェアウェイウッドの技術分野において公知であり、かつ使用されているような37インチ〜43インチの範囲であってよい。例えば、標準的な3番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約41〜43インチのクラブ長を有してもよく、一方、標準的な5番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約40〜42インチのクラブ長を有してもよく、標準的な7番ウッドフェアウェイウッドタイプクラブは約38〜41インチのクラブ長を有してもよい。さらに、特定のクラブをゴルファーにカスタムフィットさせるために、クラブ長は、ゴルファーの身長および手首から床までの計測値に基づいて、2〜1/4インチ増やされるかまたは1〜1/2インチ減らされる場合がある。長さまたはクラブ長は、例えば、USGA規則、付属規則II、セクション1.cに定義されているように、当技術分野における従来の長さであると定義され得る。USGA規則は、「クラブの全長は、少なくとも18インチ（0.457m）でなければならず、パターを除き、48インチ（1.219m）を超えてはならない。ウッドおよびアイアンの場合、長さの計測は、図Iに示すように、クラブが水平面上に位置し、ソールが60°平面に対して設置されているときに実施される。長さは、二つの平面の間の交点からグリップの頂部までの距離と定義される」と述べている。
【００３７】
本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、打球フェース112は一般に、ロフト角αを提供される場合がある。ロフト角αは、シャフト106に対する打球フェース112の角度と定義される。一般に、ロフト角αは、インパクトの瞬間にゴルフボールの初期上向き弾道に影響するといわれている。本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブのロフト角αは、フェアウェイウッドの技術分野において公知でありかつ使用されているような、約12〜32°であってよい。または、ロフト角は、16〜32°、16〜28°、18〜28°および18〜26°であってよい。例えば、本発明の標準的な3番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約12〜17°のロフト角αを有してもよく、本発明の標準的な5番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約20〜23°のロフト角αを有してもよい。他のフェアウェイウッドは、約32°までのロフト角、または必要に応じて、おそらくはより高いロフト角を有してもよい。
【００３８】
本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブのクラブヘッド102の体積は300〜460ccの範囲であってよい。鋼クラブヘッドは、300ccの下限範囲に近い体積を有してもよく、一方、チタンクラブヘッドは、460ccの上限範囲に近い体積を有してもよい。従来のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの場合、クラブヘッド102は150〜200ccの範囲の体積を有してもよい。それに比べて、本発明の場合、クラブヘッド102は、本発明を逸脱することなく、250〜300cc、300〜350cc、350〜400cc、または400〜460ccの範囲の体積を有してもよい。
【００３９】
本発明の局面において、ゴルフクラブヘッド102のソール118は、使用中、競技面と対面または係合するように構成されてもよい。競技面上にじかに位置するボールを打つように構成されているゴルフクラブ、例えばフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの場合、使用中、ソール118が競技面と接触する場合があり、ゴルフクラブの特徴は相応に設計されてもよい。ソール118は、当技術分野において従来から公知でありかつ使用されている、フェアウェイウッドのための地面係合面を含んでもよい。
【００４０】
さらに、図3A〜4Cに示すように、ソール118は、キール162を含む地面係合面を含んでもよい。図3A〜3Cに示す態様において、キール162は、ソール118の下端部を形成し、使用中、競技面と対面し、キール162の少なくとも一部分は、ソール118の隣接部分に対して盛り上がっている。図3A〜3Cに示すように、キール162の少なくとも一部分は肩164によって画定され、この肩が、キール162を、肩164と接しているソール118の他の部分よりも高くする。この態様において、キール162は、ソール118の隣接部分と比較して、ヘッド102の後部126に向かってよりなだらかに傾斜して、肩164を形成している。同じく図3Bに見られるように、キール162の幅は、ヘッド102の後部126に向かうにつれて増大し、キール162は、ヘッド102の後部126に向かってさらに離れる二つの脚部166に分かれる。
【００４１】
さらに、この態様においては、ソール118の少なくとも一部分が実質的に滑らかな面を有する。図3A〜3Cに示すように、キール162は、フェース112の下縁115からヘッド102の後部126に向かって延びる実質的に滑らかな面を形成している。この態様において、キール162は、実質的に滑らかな曲線形状および実質的に滑らかな表面テクスチャを有しており、用語「実質的に滑らかな面」とは、表面の実質的に滑らかな輪郭および表面テクスチャのいずれかまたは両方をいうことができることが理解されよう。また、実質的に滑らかな面が、いくらかの不連続部、例えばロゴまたは他のマーキングを有してもよく、それでもなお、実質的に滑らかであると見なされることが理解されよう。この態様において、表面テクスチャの滑らかさをさらに高めるために、キール162の滑らかな面は研磨されている。
【００４２】
キール162の実質的に滑らかな面の滑らかな輪郭およびテクスチャが、使用中にソール118が競技面と接触する場合、ソール118に対する摩擦および／または他の力を低下させる。したがって、ヘッド102の速度を落とし得る、ヘッド102の向きもしくは位置を変化させ得る、および／または他のやり方でヘッド102のスイング動に影響し得る、ソール118に対する力をかなり減らすことができる。競技面上にじかに位置するボールを打つために使用されて、使用中、ソール118と競技面との間の可能な接触を生じさせ得る本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブに組み込まれた場合、この構成は利点を提供する。
【００４３】
図4A〜4Cに示すフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッド202は、図3A〜3Cに示し、上述したゴルフクラブヘッド102とで共通の多くの特徴を含み、そのような共通の特徴を説明するために共通の参照番号が使用される。ソール118はキール162を有し、この態様において、キール162は、ソール118の下端部を形成し、使用中、競技面と対面し、かつキール162の少なくとも一部分は、ソール118の隣接部分に対して盛り上がっている。図4A〜4Cに示すように、キール162の少なくとも一部分は肩164によって画定され、この肩が、キール162を、肩164と接しているソール118の他の部分よりも高くする。この態様において、キール162は、ソール118の隣接部分と比較して、ヘッド102の後部126に向かってよりなだらかに傾斜して、肩164を形成している。同じく図3Bに見られるように、キール162の幅は、ヘッド102の後部126に向かうにつれて減少する。
【００４４】
さらに、この態様においては、ソール118の少なくとも一部分が実質的に滑らかな面である。図4A〜4Cに示すように、キール162は、互いに対してわずかに傾斜するよう角度をなして配置された四つの実質的に滑らかで実質的に平坦な面178A〜Dで形成されている。二つの前面178A〜Bがフェース112の下縁115から後方に延び、ソール118のほぼ中心線で集合して中央リッジ180を形成している。中央リッジ180は、ゴルフクラブ200が使用されるときヘッド102の最下点を形成するように適合されている。後面178C〜Dは、互いに対してわずかに斜めに向けられ、また、前面178A〜Bに対してもわずかに斜めに向けられている。その結果、後面178C〜Dは前面178A〜Bと集合して、ヘッドのヒール120およびトウ122に向かって延びるリッジ182を形成し、また、互いとも集合して、中央リッジ180と整列した第二の中央リッジ184を形成している。リッジ180、182、184のすべてが、四つの滑らかな平面178A〜Dすべてが集合する集合点186から外方に延びている。したがって、キール162は、フェース112の下縁115からヘッド102の後部126に向かって延びる実質的に滑らかな面を形成している。そのようなものとして、図4A〜4Cにおけるヘッド102のキール162は、上記実質的に滑らかな表面テクスチャおよび実質的に滑らかで平坦な輪郭を有する。同じく上記のように、キール162の実質的に滑らかな面の滑らかな輪郭およびテクスチャは、使用中にソール118が競技面と接触する場合、ソール118に対する摩擦および／または他の力の低下をもたらす。さらに、中央リッジ180は競技面に沿って滑動することができ、平面178A〜Dは、スイング時に異物（例えば草、破片など）を脇に押して、潜在的干渉を減らすことができる。したがって、ヘッド102の速度を落とし得る、ヘッド102の向きもしくは位置を変化させ得る、および／または他のやり方でヘッド102のスイング動に影響し得る、ソール118に対する力をかなり減らすことができる。
【００４５】
図5A〜6Bは、本発明のさらなる実例としての地面係合面を示す。図5Aおよび5Bに示すように、この例において、ソール118は、打球フェースから後方に移動するにつれ、三つの主要面、すなわち前面130、中央面132、および後面134を有する。ソール118の前面130は、打球フェース112の下縁に向かって上に傾斜して、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブが、ボールとの接触ののち大きすぎる力で芝の中に突っ込むことを避けるのに役立ち、ソールと地面との早すぎる接触を防止する。ソール118の中央面132は一般に水平であり、地面に対して平行である。ソール118の後面134は、クラブヘッドボディの後点または縁に向かって上に傾斜しており、これは、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドが、接触の前にボールに接近し接触後に地面から離れる間に、芝との接触を避けるのに役立つ。
【００４６】
ソール118上の三つの主要面130、132、134に加えて、このソール118の第二の特徴はヒールからトウまでの傾斜面である。図6Aおよび6Bに示すように、ソールプレート118は、中央面の近くで最下点140に到達し、この中央の最下点140からヒール120方向144およびトウ122方向142の両方において上に傾斜している。
【００４７】
次に、図7A〜7Dを参照して本発明のさらなる例をさらに詳細に説明する。クラブヘッド構造702およびその部分の一例が図7A〜7Dに示されている。図7Aおよび7Bは概して、この例示的クラブヘッド構造702を、例えばボールアドレスポジションからクラウンを見下ろした場合に見えるような比較的正方形または長方形のフットプリントを有するものとして示す。このクラブヘッド702（および本明細書に記載される他すべての長方形クラブヘッド）の長方形または「正方形」特性は、当技術分野で公知であるような他のほぼ長方形または正方形のゴルフクラブヘッド構造の特性、例えば、参照により本明細書に組み入れられる、2006年6月22日にJohn T. Stitesらの名で出願された米国特許出願第11/425,737号（「Golf Clubs and Golf Club Heads」と題する）および2008年6月16日にJohn T. Stitesらの名で出願された米国特許出願第12/141,580号（「High Moment of Inertia Wood-Type Golf Clubs and Golf Club Heads」と題する）に記載されている特性に一致し得る。
【００４８】
この例示的構造のクラブヘッド702はマルチパーツ構造を有する。具体的には、この例示的クラブヘッド構造702は、打球フェース部分712aと、打球フェース部分712aの周囲から後方に延びる返し部分712bとを有するカップフェース部材712を含む。返し部材712bは、打球フェース部分712aの全周囲から連続して延びるものとして示されているが、不連続的である、段状である、および／または打球フェース部分712aの周囲の様々な区域から異なる距離だけ延びていてもよい。
【００４９】
カップフェース部材712は様々な材料から作製してもよく、この具体的な例示的構造702において、カップフェース部材712は、当技術分野で従来から公知であり使用されているチタン合金から形成され、鍛造法によって1ピースとして製造される。例示的なカップフェース部材構造712のさらなる詳細は以下で提供する。本発明を逸脱することなく、他の構造または製造技術、例えばスタンピング、例えば溶接などによって接合される多数のパーツからフェース部材712を製造する技術が可能である。
【００５０】
クラブヘッド702はさらに、カップフェース部材712の返し部材712bの下部分と係合したソール部材718を含んでもよい。この例示的構造702において、ソール部材718は、クラブヘッド702の下部分の、フェース部材712からクラブヘッド702の最後部までのすべてまたは実質すべてを形成する単一パーツである。しかし、必要に応じて、ソール部材718は、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などによって接合される多数の部片から作製してもよい。この図示される例示的構造702において、ソール部材718は、プレス成形法によって作られた単一チタン合金パーツ（例えば、当技術分野で公知であり使用されている従来の合金）である。ソール部材718は、シーム718aに沿って溶接法によってカップフェース712の返し部分712bと係合する。必要に応じて、ソール部材718はさらに、その剛性を高める、所望の美観または情報を提供するなどのための、リブ部材、曲がりまたは隆起区域（内側にまたは外側に）、テキスト情報などを含むことができる。加えて、またはソール部材718の代わりに、上記で説明されかつ図4A〜6Cに例示される、地面係合面を備えるソールを使用してもよい。
【００５１】
さらに、この例示的クラブヘッド構造702の一部としてクラウン部材716が提供される。クラウン部材716は、カップフェース部材712の返し部材712bの上部分と係合する。この例示的構造702において、クラウン部材716は、フェース部材712からクラブヘッド702の後部近くの位置までクラブヘッドトップの実質部分を形成する。必要に応じて、クラウン部材716は、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などによって接合される多数の部片から作製してもよい。この図示される例示的構造702において、クラウン部材716は、ソール部材718と同じく、プレス成形法によって作られた単一チタン合金パーツであり、それが溶接法によってシーム716aでカップフェース712の返し部分712bと係合している。必要に応じて、クラウン部材716はさらに、その剛性を高める、所望の美観または情報を提供するなどのための、リブ部材、曲がりまたは隆起区域（内側にまたは外側に）、テキスト情報などを含むことができる。
【００５２】
このクラブヘッド構造702のクラウン部材716およびソール部材718はまた、図7Bおよび7Cに示すように、シーム716bに沿って互いに係合することもできる。これは、本発明を逸脱することなく、任意の所望のやり方、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などによって達成することができる。この図示される例示的構造702において、クラウン部材716およびソール部材718は、溶接法によってシーム716bで互いに係合している。
【００５３】
図7Aおよび7Bは、この例示的クラブヘッド構造702の別の部分、すなわちボディ後部部材726を示す。この構造702のボディ後部部材726は、溶接接続によってソール部材718およびクラウン部材716と係合している（それぞれシーム726aおよび726bで）。必要に応じて、本発明を逸脱することなく、他の接続タイプ、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などを使用することもできる。チタン金属またはチタン系合金から作製されてもよいこの構造のボディ後部部材726は、クラブヘッド構造702の後部および／または末端「角」（または他の所望の位置）に重量増大領域を提供するために使用することができる。本発明を逸脱することなく、より高密度または厚い材料をボディ後部部材726の少なくとも一部として使用すること、ウェイト部材をボディ後部部材726と係合させる（例えば永久的または脱着可能に）ことなどを含む、ボディ後部部材726の重量またはそれと係合した重量を増す任意の所望の方法を使用することができる。追加的または代替的に、必要に応じて、重量増大領域をソール部材718の後端部および／または角部分に設けてもよい。
【００５４】
この例示的クラブヘッド構造702の別の個別パーツ、すなわちシャフト部材（図7A〜7Cには示されていないシャフト）を受けるためのホーゼル部材704が図7A〜7Cに示されている。この例示的構造702におけるホーゼル部材704は、カップフェース部材712またはクラウン部材716の一つまたは複数と係合する別個のパーツである。追加的または代替的に、必要に応じて、本発明を逸脱することなく、ホーゼル部材704をソール部材718と係合させることもできる。本発明を逸脱することなく、ホーゼル部材704は、任意の所望の形態または構造を有することができる。例えば、ホーゼル部材704のいくつかまたはすべての部分がクラブヘッド構造702に対して内部に（例えば、部材712、716、718、726によって少なくとも部分的に画定される中空チャンバ内に）位置することもできる。別の代替態様として、例えばクラウン部材716および／またはカップフェース部材712がシャフト部材を固定するための構造を含むならば、ホーゼル部材704を省くこともできる。この図示される例において、ホーゼル部材704は、チタン金属またはチタン合金材料でできており、溶接法によってクラウン部材716およびカップフェース部材712と係合する（必要に応じて、他の接続構造、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などを使用することもできる）。
【００５５】
ウッドタイプゴルフクラブヘッドに所望のユーザ感覚およびスイング特性を提供することにとって、重み付け特性、例えば総重量、慣性モーメントなどが重要になることがある。クラブヘッドパーツの一部または全部をチタン金属および／またはチタン系合金から作製することにより、比較的強く軽量のクラブヘッド構造を提供することができる（本発明を逸脱することなく、他の軽量材料、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ポリマー材料、強化カーボンファイバ材料、強化玄武岩ファイバ材料などを使用することもできる）。軽量材料からクラブヘッドボディパーツを製造することは、クラブ設計者が、過度に重いゴルフクラブ構造を創造することなく、クラブヘッド構造中の所望の場所にさらなる重量を選択的に配置することを可能にし、それが、増大したクラブヘッド慣性モーメント特性、選択的クラブヘッドバイアス特性（クラブヘッドにバイアスをかけて右から左へのボールの飛行、左から右へのボールの飛行、より低い弾道、より高い弾道などを生じさせる）などにつながることができる。そのような特徴はまた、クラブヘッド設計者およびクラブフィッタが、ユーザのスイング欠点を補正するために（例えば、スライスを生じるスイング欠点を補正するためにクラブヘッドに「ドロー」または「フック」バイアスをかける、フックを生じるスイング欠点を補正するためにクラブヘッドに「フェード」または「スライス」バイアスをかけるなど）クラブヘッド中に重量を選択的に配置することを可能にする。
【００５６】
軽量材料の使用に加えて、本発明のゴルフクラブヘッド構造702は、そのパーツ（例えば部材712、716、718）の重量を減らすのに役立つ他の特徴を含むことができる。例えば、図7Bは、薄めの中央部分718cを包囲する厚めの周囲部分718pを含むソール部材718を示す。同様に、図7Aおよび7Bは、薄めの中央部分716cを包囲する厚めの周囲部分716pを含むクラウン部材716を示す。このようにして、ソール部材718およびクラウン部材716の総重量を減らしながらも（パーツ全体をその周囲部分と同じ厚さに作る場合に比べて）、クラブヘッド702の様々なパーツを接続するための比較的厚くて強い区域をこれらのパーツの周囲に提供することができる。そして、上記のように、この「重量節約」をクラブヘッド構造中の他の場所に選択的に「配置し直す」ことができる。図7Aおよび7Bは、クラブヘッドボディパーツ718および716それぞれを、単一の連続した（厚めの）周囲領域によって包囲された単一の薄めの中央領域を有するものとして示すが、本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディパーツの様々な厚い領域および薄い領域の数、相対的サイズ、場所、寸法および他の特徴は異なってもよい。
【００５７】
本発明を逸脱することなく、ソールおよび／またはクラウン部材の中央（または他の部分）の厚さを減らす任意の所望のやり方を使用することができる。例えば、パーツは、このやり方で、例えば鍛造、鋳造または成形法によって直接創造することができる。別の例として、パーツを最初に創造したのち、部材の一部分（例えば中央部分）をその同じ部材の別の部分（例えば周囲部分）よりも薄くするために「機械加工」することもできる。本発明を逸脱することなく、研削、研磨などを含む、様々な部材を「機械加工」する所望のやり方を使用することができる。いくつかのクラブヘッド製造法においては、薄くする所望の場所で酸物質をパーツに選択的に適用して、それにより、そのような場所におけるパーツの金属または合金（または他の）材料の一部分を除去する「ケミカルミリング」法が使用される。このようなケミカルミリング法は様々な産業で従来から公知であり、使用されている。
【００５８】
重量節約はまた、本発明の少なくともいくつかの例示的構造にしたがって、クラブヘッド702の打球フェース712aに可変性のフェース厚を使用することによって実現することができる。この図示される例において、図2Cおよび2Dに示すように、打球フェース712aは、中央区域712c（通常、打球が起こるところの図中の領域「A」）が厚めに作られ、この中央区域712cの周りおよび周囲（区域712p）（図中の領域「C」）が薄めに作られている。クラブヘッドの内部に位置する移行領域（打球フェース表面とは反対側、図中の領域「B」）は、厚めの中央領域712cと薄めの周囲領域712pとの間でフェース厚に徐々に勾配をつけるか、または他のやり方でフェース厚を推移させる。可変性のフェース厚は、一般的な打球の場所では厚くて強い面を提供しながらも比較的薄いおよび／または柔軟な周囲を提供する（クラブヘッドの反撥係数または「COR」を高める）という点で有利であり得る。本発明の例のクラブヘッドは、少なくとも0.75、少なくとも0.8、少なくとも0.81、少なくとも0.82、少なくとも0.83、またはそれよりも高い値を含む任意の所望のCOR値を有し得る。また、図7Cおよび7Dは、打球フェース712a上の一つの厚めの面部分712c（打球フェース712a上で実質的に中央に位置する（一つの連続した薄めの周囲領域によって包囲されている））を示すが、本発明を逸脱することなく、打球フェース712aの様々な厚い領域および薄い領域の数、相対的サイズ、場所、寸法および他の特徴は異なってもよい。
【００５９】
以下の表は、図7A〜7Dを参照して上記した構造702のようなゴルフクラブヘッド構造に含めることができる様々な特性を提供する。
【００６０】
（表１）様々なクラブヘッド特性―大まかな範囲
【００６１】
本発明の例のいくつかのクラブヘッド構造は、以下の表に記載されるような特性を有する。
【００６２】
（表２）様々なクラブヘッド特性―数値範囲
【００６３】
本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッド構造の特性のより狭い範囲を以下の表に提供する。
【００６４】
（表３）様々なクラブヘッド特性―数値範囲
【００６５】
必要に応じて、本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッドは、米国ゴルフ協会（United States Golf Association）によって定められたゴルフ規則によって現在許可されている最大寸法、最大体積および最大COR特性に近づくことができる。
【００６６】
例えば図7A〜7Dに示し、上記表に記載したタイプの本発明の例の大型ゴルフクラブヘッドは、少なくとも4700g-cm2の慣性モーメント（Izz）特性を有してもよい。特定のクラブヘッド構造は、少なくとも4800g-cm2、少なくとも5000g-cm2、および少なくとも5900g-cm2のIzz値を有してもよい。このようなクラブヘッドは、USGA最大限界に近い全体寸法サイズ（例えば、少なくとも4.5インチの全長および全幅、ならびに少なくとも450ccの全体積、ならびにいくつかの例においては少なくとも4.75インチの長さ寸法および約460ccの体積）を有してもよい。このようなクラブヘッドは、例えば、NIKE, Inc.（Beaverton, Oregon）から市販されているSumo 5900（商標）ゴルフクラブ製品の全体寸法に類似した寸法を有してもよい。
【００６７】
図7C〜7Dに示すように、打球フェース712aは、厚めの中央部分712c（領域「A」）および薄めの周囲部分712p（領域「C」）を含む。本発明を逸脱することなく、これらの厚めの部分および薄めの部分は、多種多様な形状、サイズ、配置（クラブヘッドフェースに対する）、および厚さの差を有してもよい。
【００６８】
上記のように、本発明の例のゴルフクラブヘッド構造の様々なパーツ（例えばフェース、ソール、クラウン、および後部部材）は、様々な方法によって、例えばセメントまたは接着剤、機械的コネクタ、任意で解放可能な機械的接続および／または溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術の使用によって接合することができる。必要に応じて、パーツがともに接合する領域を隠すために仕上げ処理を適用してもよい（例えば、塗装、クロムまたは他の金属めっき、ポリマーコーティングなど）。
【００６９】
例えば具体的に上記したような本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブヘッドは、特に重心を通過する垂直軸を中心に高い慣性モーメント（Izz）を有してもよい。クラブヘッドパーツのいくつかまたはすべてにおける強くて軽量の材料、例えばチタンおよびチタン合金（例えば、カップフェースコンポーネントにおけるVL-Ti、クラウンおよび／もしくはソールコンポーネントにおけるKS120チタン合金、またはゴルフクラブヘッド構造で従来から使用されている他のチタン合金）の使用と、正確に配置された薄肉化区域を製造するための選択的機械加工技術、例えばケミカルエッチングの使用とにより、実質的な重量節約が生じて、クラブヘッド設計者が、クラブヘッド性質および／またはボール飛行特性に影響を与える（例えばクラブにフェードまたはドローバイアスをかけるなどの）ために所望の場所に選択的に重量を配置することが可能となる。ヘッド全体の重量（例えば、金属パーツの場合、少なくとも約190グラムまたは約200グラム）は、高いスイング速度を促進するための比較的重いヘッド重量を提供する。そのうえ、上記した多様な厚さのカップフェースは、打球フェースのより大きな面積にわたって改善されたボール速度を提供する。
【００７０】
本発明を逸脱することなく、クラブヘッド構造全体および／またはゴルフクラブ構造全体に対して多くの変更を加えてもよい。例えば、クラブヘッド構造を構成する１つまたは複数のパーツ、クラブヘッド構造を作製するのに使用される材料、クラブヘッド構造のパーツを接合するやり方などに対して数多くの変更を加えてもよい。また、ゴルフクラブ構造全体を構成する１つまたは複数のパーツの厚さ、重量、形状、サイズ、および／または他の物理的特性などに対しても多くの変更を加えてもよい。パーツを作製するために使用される具体的な方法、パーツを作製するために使用される材料の変更、パーツを作製してクラブヘッドを組み立てる順序に対する変更などを含め、クラブヘッドおよびその関連パーツを作製するやり方にもさらなる変更を加えてもよい。
【００７１】
結論
本発明を実施する好ましい形態を含む具体例に関して本発明を詳細に説明したが、当業者は、上記システムおよび方法の数多くの変形および改変が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明の真意および範囲は、特許請求の範囲に述べられるように広義に解釈されるべきである。
【技術分野】
【０００１】
発明の分野
本発明は、概して、ゴルフクラブ、特にフェアウェイ「ウッドタイプ」ゴルフクラブに関する。本発明のさらなる局面は、そのようなゴルフクラブ、特に、高い慣性モーメントを含む、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造する方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
背景
ゴルフは、多種多様なプレーヤ、すなわち異なる性別ならびに年齢および／または技術レベルが大きく異なるプレーヤによって楽しまれている。ゴルフは、そのような多様なプレーヤが集まりゴルフイベントで互いに直接競いながら一緒にプレーし（例えば、ハンデ付きのスコア、異なるティーボックスの使用、チームフォーマットで、など）、なおもゴルフのラウンドまたは競技を楽しむことができるという点で、スポーツの世界ではいくぶんユニークである。これらの要因が、テレビのゴルフ番組（例えばゴルフトーナメント、ゴルフニュース、ゴルフの歴史および／または他のゴルフ番組）の増加および著名なゴルフスーパースターの出現と相まって、少なくとも部分的に、近年、米国および世界中でのゴルフ人気を高めた。
【０００３】
すべての技術レベルにおいてゴルファーは、パフォーマンスを改善し、ゴルフスコアを下げ、その次のパフォーマンス「レベル」に到達しようとする。あらゆるタイプのゴルフ用具の製造者がこれらの要求に応え、近年、業界は、ゴルフ用具における劇的な変化および改良を目の当たりにしてきた。例えば、今や、広い範囲の異なるゴルフボールモデルが利用可能であり、ボールは、特定のスイング速度および／または他のプレーヤ特性もしくは好みを補うように設計されている。例えば、一部のボールは、より遠くおよび／またはよりまっすぐに飛ぶように設計されており、一部のボールは、より高いまたはよりフラットな弾道を提供するように設計されており、一部のボールは、より多くのスピン、コントロールおよび／または感触（特にグリーン周りで）を提供するように設計されており、一部のボールは、より速いまたはより遅いスイング速度のために設計されている、などである。また、ゴルフのスコアを減らすのに役立つことを約束する数多くのスイング補助具および／または補助教具が市販されている。
【０００４】
プレー中にゴルフボールを動かす唯一の道具であることから、ゴルフクラブもまた、近年、多大な技術的研究および進歩の対象であった。例えば、市場は、近年、パター設計、ゴルフクラブヘッド設計、シャフトおよびグリップにおける劇的な変化および改良を見てきた。さらには、ゴルフクラブの様々な要素および／または特性ならびにゴルフボールの特性を特定のユーザのスイング特徴または特性により良く適合させようとして、他の技術的進歩が達成されてきた（例えば、クラブフィッティング技術、ボール打ち出し角計測技術、ボールスピン速度など）。
【０００５】
近年の技術的進歩にもかかわらず、フェアウェイ「ウッドタイプ」ゴルフクラブは、一部のプレーヤにとって、一貫してうまく打つことが非常に困難であることもある。したがって、ゴルフボールを飛ばすプレーヤの能力を改善する、ボールの飛距離、方向および／またはコントロールを増す、および／またはフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの競技性を他のやり方で改善するさらなる技術的進歩がゴルフの世界で歓迎されるであろう。
【発明の概要】
【０００６】
概要
以下、本発明およびその様々な特徴の基本的理解を提供するために、本発明の局面の概要を提示する。この概要は、本発明の範囲をいかなるふうにも限定することを意図したものではなく、単に、以下に続くより詳細な説明のための概観および状況を提供するものである。
【０００７】
一般に、本発明の局面はフェアウェイウッドタイプゴルフクラブに関する。本発明の少なくともいくつかの例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、以下のうち一つまたは複数を含んでもよい、：クラブヘッド、クラブヘッドの少なくとも一部分と係合したまたは一体に形成されたホーゼル部材、およびホーゼル部材と係合したシャフト部材。クラブヘッドは、ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を有するクラブヘッドボディ、ならびにクラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された、トウ部分からヒール部分まで延びる打球フェースを含んでもよい。ゴルフクラブは37〜43インチの長さを有してもよい（本出願を通して記載されるゴルフクラブ長は、ゴルフ規則の付属規則IIにおいて計測されるクラブ全長をいう）。打球フェースは12〜32°のロフト角（シャフト部材に対する打球フェースの角度と定義される）を含んでもよい。さらに、ロフト角は15〜20°であってよい。クラブヘッドは少なくとも300cc（いくつかの例においては、300〜400ccの範囲内）の体積を有してもよい。さらに、クラブヘッドは少なくとも400ccまたは460ccの体積を有してもよい。ソール部分は地面係合面を含んでもよい。地面係合面は、ソール部分の中心に沿って配置され、打球フェースの下縁から打球フェースとは反対側のクラブヘッドの後部分に向かって後方に延びるキールを含んでもよい。キールは実質的に滑らかな曲線面を有してもよい。または、キールは、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された複数の実質的に滑らかで実質的に平坦な面を有してもよい。第二の態様において、地面係合面は、打球フェースに隣接する前面、中央面およびクラブヘッドの後部分に隣接する後面を含んでもよい。前面は、打球フェースに向かう方向において上に傾斜していてもよい。中央面は一般に水平かつ地面に対して平行であってよい。後面は、クラブヘッドボディの最後方の点または縁に向かう方向において上に傾斜していてもよい。さらに、地面係合面は中央面の近くに最下点を含む場合があり、地面係合面はその最下点からヒール部分方向およびトウ部分方向の両方において上に傾斜している。
【０００８】
本発明のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（a）ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を含むクラブヘッドボディであって、後部分が少なくとも一つの重量増大ゾーンを含み、ソール部分が地面係合面を含む、クラブヘッドボディ、（b）クラブヘッドボディと係合するかまたはその一部として一体に形成された、12〜32°のロフト角を含む、可変性の厚さの打球フェース（打球フェースは、一つの重量増大ゾーンから離れて位置し、クラブヘッドのトウ部分からヒール部分まで延びている）、（c）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、クラブヘッドと係合したシャフト部材。本発明の少なくともいくつかの実例としての構造におけるクラブヘッドボディパーツおよび重量増大ゾーンは、クラブヘッドが、クラブヘッドがボールアドレス位置にあるとき、クラブヘッドの重心を通過する垂直軸を中心として少なくとも5000g-cm2の慣性モーメント（本明細書においては「Izz」とも呼ぶ）を有するように配設される。クラブヘッドボディは少なくとも300ccの体積を有してもよい。
【０００９】
本発明のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（a）12〜23°のロフト角を含む打球フェース部分（任意でフェース厚が変化する）と、返し部分とを含むカップフェース部材、（b）返し部分と係合した第一のボディ部材（例えば、地面係合面を含むソール部分）、（c）返し部分と係合した第二のボディ部材（例えばクラウン部分）、（d）第一のボディ部材と第二のボディ部材の少なくとも一つと係合した第三のボディ部材（例えば後部分）であって、第二のボディ部材が間に位置することで、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分が返し部分から切り離される、第三のボディ部材、（e）第一のボディ部材と第三のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成された、一つまたは複数のウェイト部材（例えば、クラブヘッド構造の後区域に位置する）、（f）カップフェース部材と第二のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成された、ホーゼル部材、ならびに（g）ゴルフクラブが43インチ未満の長さを有する、ホーゼル部材と係合したシャフト部材。クラブヘッドボディは少なくとも300ccの体積を有してもよい。本発明のいくつかのクラブヘッド構造において、クラブヘッドは本質的に上記で特定されたパーツからなる。
【００１０】
本発明の少なくともいくつかの例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造する方法は、例えば以下を含んでもよい、（a）可変性の打球フェース厚を有する打球フェース部材を提供する工程、（b）一般に上述したタイプの一つであり得るクラブヘッドボディを打球フェース部材と係合させる工程、（c）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、および／または（d）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。本発明の少なくともいくつかの例にしたがってゴルフクラブを製造するさらなる方法は、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（a）打球フェース部分と、打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材を形成する工程、（b）ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材を返し部分と係合させる工程、（c）ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材を返し部分と係合させる工程、（d）第三のボディ部材を第一のボディ部材と第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程であって、第三のボディ部材が、ゴルフクラブヘッドの後区域の一部分を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側に向かって延びるように係合し、かつ第二のボディ部材が、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分と返し部分との間に位置するようにクラブヘッド構造に含まれる、工程、（e）ウェイト部材を第一のボディ部材と第三のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程であって、ウェイト部材がゴルフクラブヘッドの後部分の近くで係合する、工程、（f）第一のボディ部材を第二のボディ部材と係合させる工程、（g）ホーゼル部材を、カップフェース部材、第一のボディ部材および／または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程、（h）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、ならびに／あるいは（i）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
添付図面を考慮しながら以下の詳細な説明を参照することにより、本発明およびその特定の利点のより完全な理解が得られる場合がある。
【００１２】
【図１】本発明の実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの正面図を示す。
【図２】図1の実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの正面斜視図を示す。
【図３Ａ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの別の例示的態様の下面斜視図を示す。
【図３Ｂ】図3Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの下面図を示す。
【図３Ｃ】図3Bの3C−3C線から見た図3Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの断面図を示す。
【図４Ａ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの別の例示的態様の下面斜視図を示す。
【図４Ｂ】図4Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの下面図を示す。
【図４Ｃ】図4Bの4C−4C線から見た図4Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの断面図を示す。
【図５】図5Aは、本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの例示的態様の下面図を示す。図5Bは、図5Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの側面図を示す。
【図６】図6Aは、図5Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの正面図を示す。図6Bは、図5Aのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの背面図を示す。
【図７Ａ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【図７Ｂ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【図７Ｃ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【図７Ｄ】本発明の別の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部材の様々な図を示す。
【００１３】
読者は、添付図面が必ずしも原寸に比例する尺度で描かれてはいないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
詳細な説明
本発明の様々な例示的構造に関する以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明の様々な例示的ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造が実例として示されている添付図面を参照する。さらには、発明の範囲を逸脱することなく、パーツおよび構造の他の具体的配設を使用することができ、構造的および機能的変更を加えることができることが理解されよう。また、本明細書において、本発明の様々な例示的特徴および要素を説明するために「上」、「下」、「正面」、「背面」、「後」、「側方」、「下面」、「頭上」などの語が使用されることがあるが、これらの語は、本明細書中、例えば図に示す例示的向きおよび／または一般的な使用における向きに基づいて便宜上使用される。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の範囲に入るために構造の特定の三次元または空間的向きを要するものと解釈されるべきではない。
【００１５】
A. 本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの概説
概して、上記のように、本発明の局面は、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ（例えばフェアウェイウッド）およびそのようなクラブを製造および使用する方法に関する。本発明の少なくともいくつかの実例としての局面のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、（a）少なくとも300ccの体積を有するクラブヘッド、（b）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、（任意で、別個のホーゼル部材またはクラブヘッドおよび／もしくはシャフトの一つもしくは複数の一部として提供されたホーゼル部材を介して）クラブヘッドに取り付けられたシャフト部材、および（c）シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材を含んでもよい。クラブヘッドはさらに、（1）12〜32°のロフト角を有する打球フェースと、（2）地面係合面を含むソール部分を有する、打球フェースと係合したまたは一体に形成されたクラブヘッドボディとを含んでもよい。
【００１６】
本発明を逸脱することなく、ウッドタイプゴルフクラブヘッドボディは多様な形態をとることができる。例えば、本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディは、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のパーツ、従来の構成および／または従来の材料を含む、任意の所望の数の様々なパーツから、任意の所望の構成で、任意の所望の材料からなどで作られてもよい。いくつかの実例としての構造において、クラブヘッドボディは、以下のパーツの一つまたは複数を含む：クラウン部分、地面係合面を有するソール部分、フェース部材（任意で、その中に一体に形成されたまたはそれに取り付けられた打球フェースを含む）、一つまたは複数のボディリボン（例えば、クラウン部分とソール部分との間でクラブヘッドの周辺を形成または画定する）、ソールプレート、フレーム部材（任意で、例えばチタン合金などの金属製であり、例えばクラウン部分とソール部分との間でクラブヘッドの周辺を形成または画定する、ならびに／またはクラウン部分および／もしくはソール部分（存在するならば）の一つまたは複数がそこに係合しているなどである）、アフトボディなど。クラブヘッドボディは、一つまたは複数の金属合金パーツ（例えば、任意で打球フェース、フェース部材などを含むかまたはそれらと係合したフレーム）、例えばステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金など、ポリマー材料（例えば、クラウン部分またはソール部分のため、クラウン部分とソール部分との間のクラブヘッドボディ部分のため、フェース部材のため、など）、繊維または粒子強化複合材料を含む複合材料、例えば炭素繊維複合材料、玄武岩繊維複合材料、ガラス繊維材料など（例えば、クラウン部分またはソール部分のため、クラウン部分とソール部分との間のクラブヘッドボディ部分のため、フェース部材のため、など）を含んでもよい。さらに別の例として、必要に応じて、クラブヘッドボディは、任意でその中に一体に形成されたフレーム部材を有し、さらに、それと係合した別個の取り外し可能なウェイト部分（および、必要に応じて、任意で別個のウェイトインサート）を有する一体型のワンピース構成を有してもよい。本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディ構造および／またはその様々なパーツの任意の所望の構造および／または配設を使用してもよい。
【００１７】
本発明の少なくともいくつかの例のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、（a）少なくとも300ccの体積を有するクラブヘッド、（b）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、（任意で、別個のホーゼル部材またはクラブヘッドおよび／もしくはシャフトの一つもしくは複数の一部として提供されたホーゼル部材を介して）クラブヘッドに取り付けられたシャフト部材、ならびに（c）シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材を含む。クラブヘッドは、（1）ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、地面係合面を有するソール部分、および第一の重量増大ゾーンを含む後部分を有する、クラブヘッドボディ、ならびに（2）12〜32°のロフト角を有する可変性の厚さの打球フェースであって、クラブヘッドボディと係合するかまたはその一部として一体に形成され、かつ第一の重量増大ゾーンから離れたクラブヘッドボディの部分に位置しかつトウ部分からヒール部分まで延びる、可変性の厚さの打球フェースを含んでもよい。クラブヘッドは、クラブヘッドがボールアドレス向きにある状態でクラブヘッド重心を通過する垂直軸を中心として少なくとも5000g-cm2の慣性モーメント（本明細書においては「Izz」とも呼ぶ）を有してもよい。さらには、クラブヘッドは、少なくとも400ccの体積、少なくとも4.5インチのクラブヘッド長さ寸法（ヒール−トウ方向）および少なくとも0.92の、全幅寸法（前後）に対するクラブヘッド長さ寸法の比を有してもよい。
【００１８】
本発明の少なくともいくつかの例のさらなる実例としてのフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、（a）少なくとも300ccの体積を有するクラブヘッド、（b）ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、（任意で、別個のホーゼル部材またはクラブヘッドおよび／もしくはシャフトの一つもしくは複数の一部として提供されたホーゼル部材を介して）クラブヘッドに取り付けられたシャフト部材、および（c）シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材を含む。クラブヘッドは、以下の一つまたは複数を含んでもよい：（1）12〜32°のロフト角を有する打球フェース部分と、打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材、（2）返し部分と係合し、地面係合面を含むゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む、第一のボディ部材、（3）返し部分と係合し、ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む、第二のボディ部材、（4）第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一つと係合し、ゴルフクラブヘッドの後部分の少なくとも一部を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側に向かう方向に延びる第三のボディ部材であって、第二のボディ部材が間に位置することで、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分が返し部分から切り離される、第三のボディ部材、（5）第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一つと係合し、ゴルフクラブヘッドの後部分の近くに位置する、ウェイト部材、ならびに／あるいは（6）カップフェース部材、第一のボディ部材、および／または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成された、ホーゼル部材。必要に応じて、第一のボディ部材が第二のボディ部材と係合していてもよい。
【００１９】
本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディは、多種多様な材料およびパーツから、従来の方法を含め、当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料およびパーツから作製されてもよい。いくつかのより具体的な例において、クラブヘッドのパーツは、金属材料（例えばチタン、マグネシウム、アルミニウムなどのような金属）または金属合金、例えばスチールの合金、チタン、マグネシウムまたはアルミニウムを含有する合金など）、複合材料（例えば、クラウン部分、スカート部分、ソール部分、アフトボディ部分、打球フェース部分などのためのカーボンファイバ複合体、玄武岩ファイバ複合体など）、ポリマー材料などの一つまたは複数から作製されてもよい。
【００２０】
必要に応じて、クラブヘッドのクラブヘッドボディおよび／または打球フェースの少なくとも一部または全部がチタン金属および／またはチタン系合金材料で作製されてもよい。いくつかのより具体的な例において、クラブヘッドボディおよび／またはクラブヘッド全体の質量、体積、および／または表面積の少なくとも50％がチタン金属および／またはチタン系合金材料から作製され、いくつかの例示的構造において、これらの量は、少なくとも75％、少なくとも85％、少なくとも90％または少なくとも95％であってもよい。本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッド構造の慣性モーメント（Izz）（当技術分野で一般的なやり方で計測した場合）は非常に高く、例えば少なくとも4000g-cm2、少なくとも4200g-cm2、少なくとも4500g-cm2、少なくとも5000g-cm2、または少なくとも5900g-cm2であり得る。
【００２１】
本発明の例のクラブヘッドの具体的な特徴は、広く異なってもよい。例えば、クラブヘッドは、少なくとも4.75インチ、または少なくとも4.8インチ、4.9インチ、またはそれを超えるクラブヘッド長寸法（ヒールからトウ方向）を有してもよい。クラブヘッドはまた、少なくとも420cc、少なくとも450cc、または460ccまたはそれを超える体積を含め、異なってもよい。クラブヘッドの全幅寸法（フェースから後部方向）に対する全長寸法の比は、少なくとも0.94、少なくとも0.96、少なくとも0.98、またはそれを超えてもよい。
【００２２】
本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブはさらなる特徴を含んでもよい。例えば、本発明の局面において、ソールは、使用時に競技面と対面しかつ係合するように構成される場合がある。競技面上にじかに位置するボールを打つように構成されているクラブ、例えばフェアウェイウッドの場合、使用中、ソールが競技面と接触する場合があり、クラブの特徴は相応に設計される場合がある。ソールは、ソールの中心に沿って配置され、フェースの下縁からフェースとは反対側のヘッドの後部に向かって後方に延びるキールを含む地面係合面を含んでもよい。キールは、使用中にヘッドの最下面になるように構成されてもよく、キールの少なくとも一部分が隣接面に対して盛り上がっていてもよい。さらに、キールは実質的に滑らかな曲線面を有してもよい。別の例において、キールは、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された複数の実質的に滑らかで実質的に平坦な面を有してもよい。
【００２３】
必要に応じて、本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、ゴルフクラブ技術分野で公知であり、使用されている特徴を含む、さらなる特徴を含んでもよい。例えば、クラブヘッドボディの外部から内部まで延びる（例えばウェイトポートを介して）重み付けシステムが、クラブヘッドボディ部材に、例えばクラブヘッドボディの内部または外部に永久的に取り付けられてもよい。なおさらなる例として、必要に応じて、重み付けシステムは、例えば、当技術分野で公知であり、使用されている構造および技術を使用して（例えばスクリュー、セットスクリューまたは他の機械的コネクタアタッチメント、スライド式取り付けなどによって）クラブヘッドボディ部材に対して移動可能および／または脱着可能に取り付けられた一つまたは複数のウェイト部材を含むことができる。有利には、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、重み付けシステムは、クラブヘッドボディ部材の後部またはそれに近接して位置するウェイト部材を含み、任意でウェイト部材は、クラブヘッドのトウ後部部分、ヒール後部部分、および／またはソール後部部分に向けて設けられる。必要に応じて、重み付けシステムの少なくともいくつかの部分は、例えばカスタマイズ、交換、取り替え、および／またはクラブフィッティングを可能にするため（例えば、ドローバイアスのかかったクラブを提供する、フェードバイアスのかかったクラブを提供する、高弾道バイアスクラブを提供する、低弾道バイアスクラブを提供する、望ましくないボールの飛行またはスイングの欠点を補正するのに役立つクラブを提供するため（例えばフック、スライスなどの矯正を支援する、ボールを上げやすくする、ボールが浮き上がるのを防ぐ支援をするなど）など）、選択的に、クラブヘッドボディ部材から移動可能および／または脱着可能である、および／または様々な異なる位置および／または配設で取り付け可能であることもできる。
【００２４】
クラブヘッドボディパーツの様々な特徴により、さらなる重量を減らすまたは「節約」し、クラブヘッド構造中の任意の重量の選択的配置を可能にして、クラブヘッドの慣性モーメントを増すおよび／またはその特性を他のやり方で変化させることができる。例えば、クラブヘッドのクラウン部分および／またはソール部分は中央区域および周辺区域を含んでもよく、中央区域は周辺区域よりも薄く作られている。同様に、打球フェースは、その周囲を薄くすることもできる（それにより、可変性のフェース厚を提供する）。そして、クラウン部分、ソール部分および／または打球フェース部分の厚さが減少する区域によって「節約」された質量をクラブヘッド構造中に「配置し直し」てクラブヘッドの慣性モーメントを増大させることで、ボールの飛行特性に影響を与える（例えば、上述したように特定の所望のタイプのボールの飛行のためにクラブにバイアスをかける）および／またはユーザのスイング欠点を補正することに役立てることができる。
【００２５】
本発明の例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、必要に応じて、ゴルフクラブ技術分野において公知であり、かつ使用されている特徴を含むなおさらなる特徴を含んでもよい。例えば、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、クラブヘッドおよびシャフトを容易に交換することができるよう、および／またはクラブヘッドボディ（およびその打球フェース）に対するシャフトの角度および／または位置を容易に変更することができるよう、ゴルフクラブヘッドをシャフトに解放可能なやり方で接続するためのシステムおよび方法を含んでもよい。固定システムを解放し、元々存在するパーツ（例えばシャフト、クラブヘッドなど）を、異なる特性を有する異なるパーツと交換することにより、クラブヘッドおよびシャフトを互いに対して交換してもよい。追加的または代替的に、シャフト係合部材をクラブヘッドボディに対して回転させることによって、クラブヘッドに対する（例えばその打球フェースに対する）シャフトの角度または位置の調節を可能にするために、クラブヘッドホーゼルまたはクラブヘッド係合部材の軸方向に対して、シャフトを斜めにしてもよく、および／または、シャフト係合部材中にシャフトを受けるためのチャンバを斜めにしてもよい。そのような構造においては、クラブヘッドボディ上でシャフトを異なるシャフト（例えば、異なる長さ、異なるフレックス特性、異なる材料、異なる質量などのシャフト）に速やかかつ容易に交換することができる。追加的または代替的に、必要に応じて、そのような構造においては、シャフト上でクラブヘッドを異なるクラブヘッド（例えば、異なるロフト、ライ角、サイズ、ブランドなどのクラブヘッド）に速やかかつ容易に交換することができる。
【００２６】
さらには、本発明を逸脱することなく、解放可能な接続アセンブリが任意の所望のやり方で使用される場合がある。そのような接続アセンブリを有するクラブを、プレー中にゴルファーが使用するために設計してもよい（かつ、任意で、必要に応じて、ゴルファーが、シャフト、ヘッド、および／または互いに対するそれらの配置を自由に変更してもよい）。別の例として、必要に応じて、本発明にしたがって解放可能な接続を含むクラブを、クラブフィッティングツールとして使用してもよく、特定のゴルファーのためのヘッド、シャフト、および配置の所望の組み合わせが決定されたとき、クラブビルダが、その決定された情報を使用して、従来の（かつ永久的な）取り付け技術（例えばセメントまたは接着剤）を使用して最終的な所望のゴルフクラブ製品を製造してもよい。本発明を逸脱することなく、クラブ／シャフト接続アセンブリパーツおよびプロセスにおける他の変更が可能である。
【００２７】
B. 本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造および／または使用する実例としての方法の概説
本発明のさらなる局面は、本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ構造を製造する方法に関する。そのような方法は、例えば、以下の工程の一つまたは複数を含んでもよい：（a）12〜32°のロフト角を有する打球フェースを提供する工程、（b）クラブヘッドボディを打球フェースと係合させる工程であって、クラブヘッドボディが、ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を含み、クラブヘッドが少なくとも300ccの体積を有し、ソール部分が地面係合面を有する、工程、（c）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、ならびに／あるいは（d）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。
【００２８】
本発明のさらなる局面は、本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ構造（例えば、上記様々なタイプのもの）を製造する方法に関する。そのような方法は、例えば、以下の工程の一つまたは複数を含むことができる：（a）可変性の打球フェース厚を有する打球フェース部材を提供する工程であって、打球フェースが12〜32°のロフト角を有する工程、（b）クラブヘッドボディを打球フェースと係合させる工程であって、クラブヘッドボディが、ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、地面係合面を備えるソール部分、および後部部分を含み、後部部分が第一の重量増大ゾーンを含み、打球フェースが、第一の重量増大ゾーンから離れたクラブヘッドボディの部分に位置し、かつトウ部分からヒール部分の方向に少なくとも部分的に延び、クラブヘッドが、少なくとも5000g-cm2の慣性モーメントIzz、少なくとも300ccの体積、少なくとも4.5インチの全長寸法（ヒールからトウ方向）、および少なくとも0.92の、全幅寸法（フェースから後部方向）に対する全長寸法の比を有する、工程、（c）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有する、工程、および／または（d）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。このようなフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは、上記サブセクションで記載した所望の特徴のいずれをも有することもできる。
【００２９】
本発明の少なくともいくつかの例のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブを製造するさらなる方法は、以下の工程の一つまたは複数を含むことができる：（a）12〜32°のロフト角を含む打球フェース部分と、打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材を形成する工程、（b）ゴルフクラブヘッドのソール部分の少なくとも一部を含む第一のボディ部材を返し部分と係合させる工程であって、ソール部分が地面係合面を含む、工程、（c）ゴルフクラブヘッドのクラウン部分の少なくとも一部を含む第二のボディ部材を返し部分と係合させる工程、（d）第三のボディ部材を第一のボディ部材および第二のボディ部材の少なくとも一方と係合させる工程であって、第三のボディ部材が、ゴルフクラブヘッドの後部部分の少なくとも一部を横切ってクラブヘッドのヒール側からトウ側への方向に延びるように係合し、第二のボディ部材が、第三のボディ部材の少なくとも一部分と返し部分との間に位置するように係合する、工程、（e）ウェイト部材を第一のボディ部材および第三のボディ部材の少なくとも一方と係合させる工程であって、ウェイト部材が、ゴルフクラブヘッドの後部部分に近接して係合する、工程、（f）第一のボディ部材を第二のボディ部材と係合させる工程、（g）ホーゼル部材を、カップフェース部材、第一のボディ部材および／または第二のボディ部材の少なくとも一つと係合させる工程、（h）シャフト部材をゴルフクラブヘッドと係合させる工程であって、ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有し、かつゴルフクラブヘッドが少なくとも300ccの体積を有する、工程、および／または（i）グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程。ここでもまた、そのようなゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドは、上記所望の特徴のいずれをも有することができる。
【００３０】
上記のように、クラブヘッドボディおよび／または打球フェースの様々な個々のパーツは、異なる厚さに作ることができる（例えば、打球フェースの場合には中央部分が厚めである、クラウンおよび／またはソール部材の場合には周囲部分が厚めである、など）。本発明を逸脱することなく、厚さの変更は、任意の所望のやり方で達成することができる。いくつかのより具体的な例において、ケミカルミリングプロセスを含むミリングまたは機械加工プロセスによってクラブヘッドボディおよび／または打球フェースの様々な所望の部分を薄くすることができる。
【００３１】
ゴルフクラブおよびクラブヘッドの様々なパーツは、任意の所望のやり方で係合させることができる。いくつかのより具体的な例として、上記様々な「係合」工程は、接着剤またはセメントを使用する接合、溶接、ろう付け、はんだ付けまたは他の融着技術を使用する係合、機械的コネクタ（例えばスクリュー、ボルト、ナットなど）を使用する取り付けなどの一つまたは複数を含むことができる。必要に応じて、本発明のいくつかのより具体的な例示的構造において、クラブヘッド構造の様々なパーツどうしを溶接することもできる。
【００３２】
本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブは、シャフト部材および／またはハンドル部材をクラブヘッドボディ（例えば上記タイプのもの）と係合させることによって製造することができる。これは、当技術分野で周知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方（例えばセメントまたは接着剤、機械的コネクタなどを介する）で達成することができる。さらには、必要に応じて、例えば、当技術分野で周知であり、使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方（例えばセメントまたは接着剤、機械的コネクタなどを介する）でグリップ要素をシャフトまたはハンドル部材と係合させてもよい。本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブは、同じく当技術分野で公知であるような従来の方法で使用することができる。
【００３３】
以下、本発明のいくつかの例をより詳細に説明する。読者は、これらの具体例が、本発明の例を示すためだけに記載されるものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではないということを理解すべきである。
【００３４】
C. 本発明の具体例
図1および2は一般に、本発明の少なくともいくつかの例の例示的なフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100を示す。従来どおり、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100は、クラブヘッド102、クラブヘッド102をシャフト106に接続するホーゼル領域104、およびシャフト106と係合したグリップ部材108を含む。クラブヘッド構造102の様々な例示的特徴および局面は、残りの図面を参照して以下さらに詳細に説明する。クラブヘッド102は、当技術分野で公知であり、使用されているやり方を含む任意の所望のやり方で（例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などを介する）、ホーゼル要素104を介してシャフト106と係合させることができる。当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料を含む任意の所望の材料、例えばスチール、グラファイト、ポリマー、複合材料、これらの材料の組み合わせなどを、シャフト部材106に使用することができる。同様に、グリップ部材108もまた、当技術分野で公知であり、使用されているやり方を含む任意の所望のやり方で（例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続などを介する）、シャフト106と係合させることができる。当技術分野で公知であり、使用されている従来の材料を含む任意の所望の材料、例えばゴム、ポリマー材料、コルク、ゴムまたはコードもしくは他の布要素が中に埋め込まれたポリマー材料、クロスもしくは布、テープなどをグリップ部材108に使用することができる。
【００３５】
図1〜7Dに示すフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100は、以下の詳細な説明において同様の参照番号によって参照される多くの共通の特徴を含む。クラブヘッド102は、ボディ110に接続された打球フェース112を有する。さらに、クラブヘッド102は一般に上部またはクラウン116、下部またはソール118、ホーゼル104に近いヒール120、ホーゼル104から遠いトウ122、前面124、および背面または後部126を有する。
【００３６】
本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ100のゴルフクラブ100の長さは、フェアウェイウッドの技術分野において公知であり、かつ使用されているような37インチ〜43インチの範囲であってよい。例えば、標準的な3番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約41〜43インチのクラブ長を有してもよく、一方、標準的な5番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約40〜42インチのクラブ長を有してもよく、標準的な7番ウッドフェアウェイウッドタイプクラブは約38〜41インチのクラブ長を有してもよい。さらに、特定のクラブをゴルファーにカスタムフィットさせるために、クラブ長は、ゴルファーの身長および手首から床までの計測値に基づいて、2〜1/4インチ増やされるかまたは1〜1/2インチ減らされる場合がある。長さまたはクラブ長は、例えば、USGA規則、付属規則II、セクション1.cに定義されているように、当技術分野における従来の長さであると定義され得る。USGA規則は、「クラブの全長は、少なくとも18インチ（0.457m）でなければならず、パターを除き、48インチ（1.219m）を超えてはならない。ウッドおよびアイアンの場合、長さの計測は、図Iに示すように、クラブが水平面上に位置し、ソールが60°平面に対して設置されているときに実施される。長さは、二つの平面の間の交点からグリップの頂部までの距離と定義される」と述べている。
【００３７】
本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、打球フェース112は一般に、ロフト角αを提供される場合がある。ロフト角αは、シャフト106に対する打球フェース112の角度と定義される。一般に、ロフト角αは、インパクトの瞬間にゴルフボールの初期上向き弾道に影響するといわれている。本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブのロフト角αは、フェアウェイウッドの技術分野において公知でありかつ使用されているような、約12〜32°であってよい。または、ロフト角は、16〜32°、16〜28°、18〜28°および18〜26°であってよい。例えば、本発明の標準的な3番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約12〜17°のロフト角αを有してもよく、本発明の標準的な5番ウッドフェアウェイウッドタイプゴルフクラブは約20〜23°のロフト角αを有してもよい。他のフェアウェイウッドは、約32°までのロフト角、または必要に応じて、おそらくはより高いロフト角を有してもよい。
【００３８】
本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブのクラブヘッド102の体積は300〜460ccの範囲であってよい。鋼クラブヘッドは、300ccの下限範囲に近い体積を有してもよく、一方、チタンクラブヘッドは、460ccの上限範囲に近い体積を有してもよい。従来のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの場合、クラブヘッド102は150〜200ccの範囲の体積を有してもよい。それに比べて、本発明の場合、クラブヘッド102は、本発明を逸脱することなく、250〜300cc、300〜350cc、350〜400cc、または400〜460ccの範囲の体積を有してもよい。
【００３９】
本発明の局面において、ゴルフクラブヘッド102のソール118は、使用中、競技面と対面または係合するように構成されてもよい。競技面上にじかに位置するボールを打つように構成されているゴルフクラブ、例えばフェアウェイウッドタイプゴルフクラブの場合、使用中、ソール118が競技面と接触する場合があり、ゴルフクラブの特徴は相応に設計されてもよい。ソール118は、当技術分野において従来から公知でありかつ使用されている、フェアウェイウッドのための地面係合面を含んでもよい。
【００４０】
さらに、図3A〜4Cに示すように、ソール118は、キール162を含む地面係合面を含んでもよい。図3A〜3Cに示す態様において、キール162は、ソール118の下端部を形成し、使用中、競技面と対面し、キール162の少なくとも一部分は、ソール118の隣接部分に対して盛り上がっている。図3A〜3Cに示すように、キール162の少なくとも一部分は肩164によって画定され、この肩が、キール162を、肩164と接しているソール118の他の部分よりも高くする。この態様において、キール162は、ソール118の隣接部分と比較して、ヘッド102の後部126に向かってよりなだらかに傾斜して、肩164を形成している。同じく図3Bに見られるように、キール162の幅は、ヘッド102の後部126に向かうにつれて増大し、キール162は、ヘッド102の後部126に向かってさらに離れる二つの脚部166に分かれる。
【００４１】
さらに、この態様においては、ソール118の少なくとも一部分が実質的に滑らかな面を有する。図3A〜3Cに示すように、キール162は、フェース112の下縁115からヘッド102の後部126に向かって延びる実質的に滑らかな面を形成している。この態様において、キール162は、実質的に滑らかな曲線形状および実質的に滑らかな表面テクスチャを有しており、用語「実質的に滑らかな面」とは、表面の実質的に滑らかな輪郭および表面テクスチャのいずれかまたは両方をいうことができることが理解されよう。また、実質的に滑らかな面が、いくらかの不連続部、例えばロゴまたは他のマーキングを有してもよく、それでもなお、実質的に滑らかであると見なされることが理解されよう。この態様において、表面テクスチャの滑らかさをさらに高めるために、キール162の滑らかな面は研磨されている。
【００４２】
キール162の実質的に滑らかな面の滑らかな輪郭およびテクスチャが、使用中にソール118が競技面と接触する場合、ソール118に対する摩擦および／または他の力を低下させる。したがって、ヘッド102の速度を落とし得る、ヘッド102の向きもしくは位置を変化させ得る、および／または他のやり方でヘッド102のスイング動に影響し得る、ソール118に対する力をかなり減らすことができる。競技面上にじかに位置するボールを打つために使用されて、使用中、ソール118と競技面との間の可能な接触を生じさせ得る本発明のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブに組み込まれた場合、この構成は利点を提供する。
【００４３】
図4A〜4Cに示すフェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッド202は、図3A〜3Cに示し、上述したゴルフクラブヘッド102とで共通の多くの特徴を含み、そのような共通の特徴を説明するために共通の参照番号が使用される。ソール118はキール162を有し、この態様において、キール162は、ソール118の下端部を形成し、使用中、競技面と対面し、かつキール162の少なくとも一部分は、ソール118の隣接部分に対して盛り上がっている。図4A〜4Cに示すように、キール162の少なくとも一部分は肩164によって画定され、この肩が、キール162を、肩164と接しているソール118の他の部分よりも高くする。この態様において、キール162は、ソール118の隣接部分と比較して、ヘッド102の後部126に向かってよりなだらかに傾斜して、肩164を形成している。同じく図3Bに見られるように、キール162の幅は、ヘッド102の後部126に向かうにつれて減少する。
【００４４】
さらに、この態様においては、ソール118の少なくとも一部分が実質的に滑らかな面である。図4A〜4Cに示すように、キール162は、互いに対してわずかに傾斜するよう角度をなして配置された四つの実質的に滑らかで実質的に平坦な面178A〜Dで形成されている。二つの前面178A〜Bがフェース112の下縁115から後方に延び、ソール118のほぼ中心線で集合して中央リッジ180を形成している。中央リッジ180は、ゴルフクラブ200が使用されるときヘッド102の最下点を形成するように適合されている。後面178C〜Dは、互いに対してわずかに斜めに向けられ、また、前面178A〜Bに対してもわずかに斜めに向けられている。その結果、後面178C〜Dは前面178A〜Bと集合して、ヘッドのヒール120およびトウ122に向かって延びるリッジ182を形成し、また、互いとも集合して、中央リッジ180と整列した第二の中央リッジ184を形成している。リッジ180、182、184のすべてが、四つの滑らかな平面178A〜Dすべてが集合する集合点186から外方に延びている。したがって、キール162は、フェース112の下縁115からヘッド102の後部126に向かって延びる実質的に滑らかな面を形成している。そのようなものとして、図4A〜4Cにおけるヘッド102のキール162は、上記実質的に滑らかな表面テクスチャおよび実質的に滑らかで平坦な輪郭を有する。同じく上記のように、キール162の実質的に滑らかな面の滑らかな輪郭およびテクスチャは、使用中にソール118が競技面と接触する場合、ソール118に対する摩擦および／または他の力の低下をもたらす。さらに、中央リッジ180は競技面に沿って滑動することができ、平面178A〜Dは、スイング時に異物（例えば草、破片など）を脇に押して、潜在的干渉を減らすことができる。したがって、ヘッド102の速度を落とし得る、ヘッド102の向きもしくは位置を変化させ得る、および／または他のやり方でヘッド102のスイング動に影響し得る、ソール118に対する力をかなり減らすことができる。
【００４５】
図5A〜6Bは、本発明のさらなる実例としての地面係合面を示す。図5Aおよび5Bに示すように、この例において、ソール118は、打球フェースから後方に移動するにつれ、三つの主要面、すなわち前面130、中央面132、および後面134を有する。ソール118の前面130は、打球フェース112の下縁に向かって上に傾斜して、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブが、ボールとの接触ののち大きすぎる力で芝の中に突っ込むことを避けるのに役立ち、ソールと地面との早すぎる接触を防止する。ソール118の中央面132は一般に水平であり、地面に対して平行である。ソール118の後面134は、クラブヘッドボディの後点または縁に向かって上に傾斜しており、これは、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブヘッドが、接触の前にボールに接近し接触後に地面から離れる間に、芝との接触を避けるのに役立つ。
【００４６】
ソール118上の三つの主要面130、132、134に加えて、このソール118の第二の特徴はヒールからトウまでの傾斜面である。図6Aおよび6Bに示すように、ソールプレート118は、中央面の近くで最下点140に到達し、この中央の最下点140からヒール120方向144およびトウ122方向142の両方において上に傾斜している。
【００４７】
次に、図7A〜7Dを参照して本発明のさらなる例をさらに詳細に説明する。クラブヘッド構造702およびその部分の一例が図7A〜7Dに示されている。図7Aおよび7Bは概して、この例示的クラブヘッド構造702を、例えばボールアドレスポジションからクラウンを見下ろした場合に見えるような比較的正方形または長方形のフットプリントを有するものとして示す。このクラブヘッド702（および本明細書に記載される他すべての長方形クラブヘッド）の長方形または「正方形」特性は、当技術分野で公知であるような他のほぼ長方形または正方形のゴルフクラブヘッド構造の特性、例えば、参照により本明細書に組み入れられる、2006年6月22日にJohn T. Stitesらの名で出願された米国特許出願第11/425,737号（「Golf Clubs and Golf Club Heads」と題する）および2008年6月16日にJohn T. Stitesらの名で出願された米国特許出願第12/141,580号（「High Moment of Inertia Wood-Type Golf Clubs and Golf Club Heads」と題する）に記載されている特性に一致し得る。
【００４８】
この例示的構造のクラブヘッド702はマルチパーツ構造を有する。具体的には、この例示的クラブヘッド構造702は、打球フェース部分712aと、打球フェース部分712aの周囲から後方に延びる返し部分712bとを有するカップフェース部材712を含む。返し部材712bは、打球フェース部分712aの全周囲から連続して延びるものとして示されているが、不連続的である、段状である、および／または打球フェース部分712aの周囲の様々な区域から異なる距離だけ延びていてもよい。
【００４９】
カップフェース部材712は様々な材料から作製してもよく、この具体的な例示的構造702において、カップフェース部材712は、当技術分野で従来から公知であり使用されているチタン合金から形成され、鍛造法によって1ピースとして製造される。例示的なカップフェース部材構造712のさらなる詳細は以下で提供する。本発明を逸脱することなく、他の構造または製造技術、例えばスタンピング、例えば溶接などによって接合される多数のパーツからフェース部材712を製造する技術が可能である。
【００５０】
クラブヘッド702はさらに、カップフェース部材712の返し部材712bの下部分と係合したソール部材718を含んでもよい。この例示的構造702において、ソール部材718は、クラブヘッド702の下部分の、フェース部材712からクラブヘッド702の最後部までのすべてまたは実質すべてを形成する単一パーツである。しかし、必要に応じて、ソール部材718は、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などによって接合される多数の部片から作製してもよい。この図示される例示的構造702において、ソール部材718は、プレス成形法によって作られた単一チタン合金パーツ（例えば、当技術分野で公知であり使用されている従来の合金）である。ソール部材718は、シーム718aに沿って溶接法によってカップフェース712の返し部分712bと係合する。必要に応じて、ソール部材718はさらに、その剛性を高める、所望の美観または情報を提供するなどのための、リブ部材、曲がりまたは隆起区域（内側にまたは外側に）、テキスト情報などを含むことができる。加えて、またはソール部材718の代わりに、上記で説明されかつ図4A〜6Cに例示される、地面係合面を備えるソールを使用してもよい。
【００５１】
さらに、この例示的クラブヘッド構造702の一部としてクラウン部材716が提供される。クラウン部材716は、カップフェース部材712の返し部材712bの上部分と係合する。この例示的構造702において、クラウン部材716は、フェース部材712からクラブヘッド702の後部近くの位置までクラブヘッドトップの実質部分を形成する。必要に応じて、クラウン部材716は、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などによって接合される多数の部片から作製してもよい。この図示される例示的構造702において、クラウン部材716は、ソール部材718と同じく、プレス成形法によって作られた単一チタン合金パーツであり、それが溶接法によってシーム716aでカップフェース712の返し部分712bと係合している。必要に応じて、クラウン部材716はさらに、その剛性を高める、所望の美観または情報を提供するなどのための、リブ部材、曲がりまたは隆起区域（内側にまたは外側に）、テキスト情報などを含むことができる。
【００５２】
このクラブヘッド構造702のクラウン部材716およびソール部材718はまた、図7Bおよび7Cに示すように、シーム716bに沿って互いに係合することもできる。これは、本発明を逸脱することなく、任意の所望のやり方、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などによって達成することができる。この図示される例示的構造702において、クラウン部材716およびソール部材718は、溶接法によってシーム716bで互いに係合している。
【００５３】
図7Aおよび7Bは、この例示的クラブヘッド構造702の別の部分、すなわちボディ後部部材726を示す。この構造702のボディ後部部材726は、溶接接続によってソール部材718およびクラウン部材716と係合している（それぞれシーム726aおよび726bで）。必要に応じて、本発明を逸脱することなく、他の接続タイプ、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などを使用することもできる。チタン金属またはチタン系合金から作製されてもよいこの構造のボディ後部部材726は、クラブヘッド構造702の後部および／または末端「角」（または他の所望の位置）に重量増大領域を提供するために使用することができる。本発明を逸脱することなく、より高密度または厚い材料をボディ後部部材726の少なくとも一部として使用すること、ウェイト部材をボディ後部部材726と係合させる（例えば永久的または脱着可能に）ことなどを含む、ボディ後部部材726の重量またはそれと係合した重量を増す任意の所望の方法を使用することができる。追加的または代替的に、必要に応じて、重量増大領域をソール部材718の後端部および／または角部分に設けてもよい。
【００５４】
この例示的クラブヘッド構造702の別の個別パーツ、すなわちシャフト部材（図7A〜7Cには示されていないシャフト）を受けるためのホーゼル部材704が図7A〜7Cに示されている。この例示的構造702におけるホーゼル部材704は、カップフェース部材712またはクラウン部材716の一つまたは複数と係合する別個のパーツである。追加的または代替的に、必要に応じて、本発明を逸脱することなく、ホーゼル部材704をソール部材718と係合させることもできる。本発明を逸脱することなく、ホーゼル部材704は、任意の所望の形態または構造を有することができる。例えば、ホーゼル部材704のいくつかまたはすべての部分がクラブヘッド構造702に対して内部に（例えば、部材712、716、718、726によって少なくとも部分的に画定される中空チャンバ内に）位置することもできる。別の代替態様として、例えばクラウン部材716および／またはカップフェース部材712がシャフト部材を固定するための構造を含むならば、ホーゼル部材704を省くこともできる。この図示される例において、ホーゼル部材704は、チタン金属またはチタン合金材料でできており、溶接法によってクラウン部材716およびカップフェース部材712と係合する（必要に応じて、他の接続構造、例えばセメントまたは接着剤、機械的接続、解放可能な機械的接続、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術などを使用することもできる）。
【００５５】
ウッドタイプゴルフクラブヘッドに所望のユーザ感覚およびスイング特性を提供することにとって、重み付け特性、例えば総重量、慣性モーメントなどが重要になることがある。クラブヘッドパーツの一部または全部をチタン金属および／またはチタン系合金から作製することにより、比較的強く軽量のクラブヘッド構造を提供することができる（本発明を逸脱することなく、他の軽量材料、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、ポリマー材料、強化カーボンファイバ材料、強化玄武岩ファイバ材料などを使用することもできる）。軽量材料からクラブヘッドボディパーツを製造することは、クラブ設計者が、過度に重いゴルフクラブ構造を創造することなく、クラブヘッド構造中の所望の場所にさらなる重量を選択的に配置することを可能にし、それが、増大したクラブヘッド慣性モーメント特性、選択的クラブヘッドバイアス特性（クラブヘッドにバイアスをかけて右から左へのボールの飛行、左から右へのボールの飛行、より低い弾道、より高い弾道などを生じさせる）などにつながることができる。そのような特徴はまた、クラブヘッド設計者およびクラブフィッタが、ユーザのスイング欠点を補正するために（例えば、スライスを生じるスイング欠点を補正するためにクラブヘッドに「ドロー」または「フック」バイアスをかける、フックを生じるスイング欠点を補正するためにクラブヘッドに「フェード」または「スライス」バイアスをかけるなど）クラブヘッド中に重量を選択的に配置することを可能にする。
【００５６】
軽量材料の使用に加えて、本発明のゴルフクラブヘッド構造702は、そのパーツ（例えば部材712、716、718）の重量を減らすのに役立つ他の特徴を含むことができる。例えば、図7Bは、薄めの中央部分718cを包囲する厚めの周囲部分718pを含むソール部材718を示す。同様に、図7Aおよび7Bは、薄めの中央部分716cを包囲する厚めの周囲部分716pを含むクラウン部材716を示す。このようにして、ソール部材718およびクラウン部材716の総重量を減らしながらも（パーツ全体をその周囲部分と同じ厚さに作る場合に比べて）、クラブヘッド702の様々なパーツを接続するための比較的厚くて強い区域をこれらのパーツの周囲に提供することができる。そして、上記のように、この「重量節約」をクラブヘッド構造中の他の場所に選択的に「配置し直す」ことができる。図7Aおよび7Bは、クラブヘッドボディパーツ718および716それぞれを、単一の連続した（厚めの）周囲領域によって包囲された単一の薄めの中央領域を有するものとして示すが、本発明を逸脱することなく、クラブヘッドボディパーツの様々な厚い領域および薄い領域の数、相対的サイズ、場所、寸法および他の特徴は異なってもよい。
【００５７】
本発明を逸脱することなく、ソールおよび／またはクラウン部材の中央（または他の部分）の厚さを減らす任意の所望のやり方を使用することができる。例えば、パーツは、このやり方で、例えば鍛造、鋳造または成形法によって直接創造することができる。別の例として、パーツを最初に創造したのち、部材の一部分（例えば中央部分）をその同じ部材の別の部分（例えば周囲部分）よりも薄くするために「機械加工」することもできる。本発明を逸脱することなく、研削、研磨などを含む、様々な部材を「機械加工」する所望のやり方を使用することができる。いくつかのクラブヘッド製造法においては、薄くする所望の場所で酸物質をパーツに選択的に適用して、それにより、そのような場所におけるパーツの金属または合金（または他の）材料の一部分を除去する「ケミカルミリング」法が使用される。このようなケミカルミリング法は様々な産業で従来から公知であり、使用されている。
【００５８】
重量節約はまた、本発明の少なくともいくつかの例示的構造にしたがって、クラブヘッド702の打球フェース712aに可変性のフェース厚を使用することによって実現することができる。この図示される例において、図2Cおよび2Dに示すように、打球フェース712aは、中央区域712c（通常、打球が起こるところの図中の領域「A」）が厚めに作られ、この中央区域712cの周りおよび周囲（区域712p）（図中の領域「C」）が薄めに作られている。クラブヘッドの内部に位置する移行領域（打球フェース表面とは反対側、図中の領域「B」）は、厚めの中央領域712cと薄めの周囲領域712pとの間でフェース厚に徐々に勾配をつけるか、または他のやり方でフェース厚を推移させる。可変性のフェース厚は、一般的な打球の場所では厚くて強い面を提供しながらも比較的薄いおよび／または柔軟な周囲を提供する（クラブヘッドの反撥係数または「COR」を高める）という点で有利であり得る。本発明の例のクラブヘッドは、少なくとも0.75、少なくとも0.8、少なくとも0.81、少なくとも0.82、少なくとも0.83、またはそれよりも高い値を含む任意の所望のCOR値を有し得る。また、図7Cおよび7Dは、打球フェース712a上の一つの厚めの面部分712c（打球フェース712a上で実質的に中央に位置する（一つの連続した薄めの周囲領域によって包囲されている））を示すが、本発明を逸脱することなく、打球フェース712aの様々な厚い領域および薄い領域の数、相対的サイズ、場所、寸法および他の特徴は異なってもよい。
【００５９】
以下の表は、図7A〜7Dを参照して上記した構造702のようなゴルフクラブヘッド構造に含めることができる様々な特性を提供する。
【００６０】
（表１）様々なクラブヘッド特性―大まかな範囲
【００６１】
本発明の例のいくつかのクラブヘッド構造は、以下の表に記載されるような特性を有する。
【００６２】
（表２）様々なクラブヘッド特性―数値範囲
【００６３】
本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッド構造の特性のより狭い範囲を以下の表に提供する。
【００６４】
（表３）様々なクラブヘッド特性―数値範囲
【００６５】
必要に応じて、本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッドは、米国ゴルフ協会（United States Golf Association）によって定められたゴルフ規則によって現在許可されている最大寸法、最大体積および最大COR特性に近づくことができる。
【００６６】
例えば図7A〜7Dに示し、上記表に記載したタイプの本発明の例の大型ゴルフクラブヘッドは、少なくとも4700g-cm2の慣性モーメント（Izz）特性を有してもよい。特定のクラブヘッド構造は、少なくとも4800g-cm2、少なくとも5000g-cm2、および少なくとも5900g-cm2のIzz値を有してもよい。このようなクラブヘッドは、USGA最大限界に近い全体寸法サイズ（例えば、少なくとも4.5インチの全長および全幅、ならびに少なくとも450ccの全体積、ならびにいくつかの例においては少なくとも4.75インチの長さ寸法および約460ccの体積）を有してもよい。このようなクラブヘッドは、例えば、NIKE, Inc.（Beaverton, Oregon）から市販されているSumo 5900（商標）ゴルフクラブ製品の全体寸法に類似した寸法を有してもよい。
【００６７】
図7C〜7Dに示すように、打球フェース712aは、厚めの中央部分712c（領域「A」）および薄めの周囲部分712p（領域「C」）を含む。本発明を逸脱することなく、これらの厚めの部分および薄めの部分は、多種多様な形状、サイズ、配置（クラブヘッドフェースに対する）、および厚さの差を有してもよい。
【００６８】
上記のように、本発明の例のゴルフクラブヘッド構造の様々なパーツ（例えばフェース、ソール、クラウン、および後部部材）は、様々な方法によって、例えばセメントまたは接着剤、機械的コネクタ、任意で解放可能な機械的接続および／または溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術の使用によって接合することができる。必要に応じて、パーツがともに接合する領域を隠すために仕上げ処理を適用してもよい（例えば、塗装、クロムまたは他の金属めっき、ポリマーコーティングなど）。
【００６９】
例えば具体的に上記したような本発明の少なくともいくつかの例のゴルフクラブヘッドは、特に重心を通過する垂直軸を中心に高い慣性モーメント（Izz）を有してもよい。クラブヘッドパーツのいくつかまたはすべてにおける強くて軽量の材料、例えばチタンおよびチタン合金（例えば、カップフェースコンポーネントにおけるVL-Ti、クラウンおよび／もしくはソールコンポーネントにおけるKS120チタン合金、またはゴルフクラブヘッド構造で従来から使用されている他のチタン合金）の使用と、正確に配置された薄肉化区域を製造するための選択的機械加工技術、例えばケミカルエッチングの使用とにより、実質的な重量節約が生じて、クラブヘッド設計者が、クラブヘッド性質および／またはボール飛行特性に影響を与える（例えばクラブにフェードまたはドローバイアスをかけるなどの）ために所望の場所に選択的に重量を配置することが可能となる。ヘッド全体の重量（例えば、金属パーツの場合、少なくとも約190グラムまたは約200グラム）は、高いスイング速度を促進するための比較的重いヘッド重量を提供する。そのうえ、上記した多様な厚さのカップフェースは、打球フェースのより大きな面積にわたって改善されたボール速度を提供する。
【００７０】
本発明を逸脱することなく、クラブヘッド構造全体および／またはゴルフクラブ構造全体に対して多くの変更を加えてもよい。例えば、クラブヘッド構造を構成する１つまたは複数のパーツ、クラブヘッド構造を作製するのに使用される材料、クラブヘッド構造のパーツを接合するやり方などに対して数多くの変更を加えてもよい。また、ゴルフクラブ構造全体を構成する１つまたは複数のパーツの厚さ、重量、形状、サイズ、および／または他の物理的特性などに対しても多くの変更を加えてもよい。パーツを作製するために使用される具体的な方法、パーツを作製するために使用される材料の変更、パーツを作製してクラブヘッドを組み立てる順序に対する変更などを含め、クラブヘッドおよびその関連パーツを作製するやり方にもさらなる変更を加えてもよい。
【００７１】
結論
本発明を実施する好ましい形態を含む具体例に関して本発明を詳細に説明したが、当業者は、上記システムおよび方法の数多くの変形および改変が可能であることを理解するであろう。したがって、本発明の真意および範囲は、特許請求の範囲に述べられるように広義に解釈されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、地面係合面を含むソール部分、および後部分を含む、クラブヘッドボディ、および
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された、該トウ部分から該ヒール部分まで延びる、打球フェース
を含む、クラブヘッドと、
該クラブヘッドの少なくとも一部分と係合したホーゼル部材と、
ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有するように該ホーゼル部材と係合したシャフト部材と
を含むフェアウェイウッドタイプゴルフクラブであって、
該打球フェースが、該シャフト部材に対する該打球フェースの角度として定義されるロフト角を含み、かつ該ロフト角が12〜32°であり、
該クラブヘッドが少なくとも300ccの体積を有する、
前記フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２】
クラブヘッドが少なくとも400ccの体積を有する、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３】
クラブヘッドが少なくとも460ccの体積を有する、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４】
ロフト角が15〜28°である、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５】
地面係合面が、ソール部分の中心に沿って配置されかつ打球フェースの下縁からクラブヘッドボディの後部分に向かって後方に延びるキールを含む、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項６】
キールが実質的に滑らかな曲線面を有する、請求項5記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項７】
キールが、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された実質的に滑らかで実質的に平坦な複数の面を有する、請求項5記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項８】
地面係合面が、打球フェースに隣接する前面、中央面、およびクラブヘッドの後部分に隣接する後面を含み、該前面が上方に傾斜し、該中央面が概して水平かつ地面に対して平行であり、かつ該後面が上方に傾斜している、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項９】
地面係合面が中央面の近くに最下点を含み、かつ該地面係合面が、該最下点からヒール部分の方向およびトウ部分の方向の両方において上方に傾斜している、請求項8記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１０】
打球フェース部分と、該打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材と、
該カップフェース部材と係合したゴルフクラブボディであって、
該返し部分と係合し、地面係合面を含むソール部分の少なくとも一部を含む、第一のボディ部材、
該返し部分と係合し、クラウン部分の少なくとも一部を含む、第二のボディ部材、および
該第一のボディ部材および該第二のボディ部材の少なくとも一つと係合し、該ゴルフクラブボディの後部分を横切って該ゴルフクラブボディのヒール側からトウ側まで延びる第三のボディ部材であって、該第二のボディ部材が間に位置することで、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分が該返し部分から切り離される、第三のボディ部材、ならびに
該第一のボディ部材および該第三のボディ部材の少なくとも一つと係合し、該ゴルフクラブボディの該後部分の近くに位置する、ウェイト部材
を含む、前記ゴルフクラブボディと、
ゴルフクラブが43インチ以下の長さを有するように該ゴルフクラブボディおよび該カップフェース部材の少なくとも一つと係合したシャフト部材と
を含むフェアウェイウッドタイプゴルフクラブであって、
該打球フェース部分が、シャフト部材に対する該打球フェース部分の角度として定義されるロフト角を含み、かつ該ロフト角が12〜32°であり、かつ
該ゴルフクラブボディが300ccよりも大きい体積を有する、
前記フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１１】
第一のボディ部材が第二のボディ部材と係合している、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１２】
カップフェース部材および第二のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成されたホーゼル部材
をさらに含む、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１３】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、第三のボディ部材、およびホーゼル部材それぞれが、少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料で作製される、請求項12記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１４】
打球フェース部分が可変性のフェース厚を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１５】
打球フェース部分の中央区域が該打球フェース部分の周囲区域よりも厚い、請求項14記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１６】
打球フェース部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項14記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１７】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材の露出面が、ゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75％を画定する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１８】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材の露出面が、ゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも90％を画定する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１９】
ゴルフクラブボディが少なくとも4200g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２０】
ゴルフクラブボディが少なくとも4800g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２１】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材それぞれが、少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料で作製される、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２２】
第二のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２３】
第一のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２４】
ゴルフクラブボディが少なくとも400ccの体積を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２５】
ゴルフクラブボディが少なくとも460ccの体積を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２６】
ゴルフクラブボディが少なくとも4.5インチの全長寸法を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２７】
ゴルフクラブボディが、少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項26記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２８】
ゴルフクラブボディが少なくとも4.75インチの全長寸法を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２９】
ゴルフクラブボディが、少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３０】
ロフト角が15〜28°である、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３１】
地面係合面が、ソール部分の中心に沿って配置されかつ打球フェース部分の下縁からゴルフクラブボディの後部分に向かって後方に延びるキールを含む、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３２】
キールが実質的に滑らかな曲線面を有する、請求項31記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３３】
キールが、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された実質的に滑らかで実質的に平坦な複数の面を有する、請求項31記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３４】
地面係合面が、打球フェースに隣接する前面、中央面、およびゴルフクラブボディの後部分に隣接する後面を含み、該前面が上方に傾斜し、該中央面が概して水平かつ地面に対して平行であり、かつ該後面が上方に傾斜している、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３５】
地面係合面が中央面に最下点を含み、かつ該地面係合面が、該最下点からヒール側の方向およびトウ側の方向の両方において上方に傾斜している、請求項34記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３６】
打球フェース部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有し、
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材が少なくとも部分的に中空クラブヘッドボディを画定し、
該カップフェース部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材、および該第三のボディ部材の露出面が、ゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75％を画定し、
クラブヘッドが少なくとも4500g-cm2の慣性モーメントIzzを有し、
該カップフェース部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材、および該第三のボディ部材それぞれが、少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料で作製され、
該クラブヘッドが少なくとも450ccの体積を有し、
該クラブヘッドが少なくとも4.5インチの全長寸法を有し、かつ
該クラブヘッドが、少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、
請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３７】
ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を含むクラブヘッドボディであって、該後部分が第一の重量増大ゾーンを含み、かつ該ソール部分が地面係合面を含む、クラブヘッドボディと、
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された打球フェースであって、該第一の重量増大ゾーンから離れた該クラブヘッドボディの部分に位置しかつ該トウ部分から該ヒール部分まで延び、可変厚および12〜32°のロフト角を有する、打球フェースと
を含むクラブヘッドであって、少なくとも4500g-cm2の慣性モーメントIzzを有し、少なくとも400ccの体積を有し、少なくとも4.5インチの全長寸法を有し、かつ少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、前記クラブヘッド、ならびに
該クラブヘッドと係合したシャフト部材であって、ゴルフクラブが37〜43インチのクラブ長を有する、シャフト部材
を含む、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３８】
全長寸法が少なくとも4.75インチである、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３９】
クラウン部分が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４０】
ソール部分が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４１】
打球フェースの中央区域が打球フェースの周囲区域よりも厚い、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４２】
打球フェースが、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４３】
打球フェースが、第一の厚さを有する第一の区域、第二の厚さを有する第二の区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４４】
打球フェースが、クラブヘッドボディと係合したカップフェース部材の一部を構成する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４５】
クラブヘッドボディがマルチパーツ構成を構成する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４６】
打球フェースが、マルチパーツクラブヘッドボディ構成の多数のパーツと係合したカップフェース部材の一部を構成する、請求項45記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４７】
クラブヘッドボディの大部分が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つの部材から構成されている、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４８】
打球フェースの大部分が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている、請求項47記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４９】
クラブヘッドボディの90％超が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５０】
打球フェースの90％超が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている、請求項49記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５１】
ロフト角が15〜28°である、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５２】
地面係合面が、ソール部分の中心に沿って配置されかつ打球フェース部分の下縁から該打球フェース部分とは反対側のゴルフクラブボディの後部に向かって後方に延びるキールを含む、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５３】
キールが実質的に滑らかな曲線面を有する、請求項52記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５４】
キールが、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された実質的に滑らかで実質的に平坦な複数の面を有する、請求項52記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５５】
地面係合面が、打球フェースに隣接する前面、中央面、およびクラブヘッドの後部分に隣接する後面を含み、該前面が上方に傾斜し、該中央面が概して水平かつ地面に対して平行であり、かつ該後面が上方に傾斜している、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５６】
地面係合面が中央面の近くに最下点を含み、かつ該地面係合面が、該最下点からヒール側の方向およびトウ側の方向の両方において上方に傾斜している、請求項55記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１】
ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、地面係合面を含むソール部分、および後部分を含む、クラブヘッドボディ、および
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された、該トウ部分から該ヒール部分まで延びる、打球フェース
を含む、クラブヘッドと、
該クラブヘッドの少なくとも一部分と係合したホーゼル部材と、
ゴルフクラブが37〜43インチの長さを有するように該ホーゼル部材と係合したシャフト部材と
を含むフェアウェイウッドタイプゴルフクラブであって、
該打球フェースが、該シャフト部材に対する該打球フェースの角度として定義されるロフト角を含み、かつ該ロフト角が12〜32°であり、
該クラブヘッドが少なくとも300ccの体積を有する、
前記フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２】
クラブヘッドが少なくとも400ccの体積を有する、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３】
クラブヘッドが少なくとも460ccの体積を有する、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４】
ロフト角が15〜28°である、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５】
地面係合面が、ソール部分の中心に沿って配置されかつ打球フェースの下縁からクラブヘッドボディの後部分に向かって後方に延びるキールを含む、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項６】
キールが実質的に滑らかな曲線面を有する、請求項5記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項７】
キールが、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された実質的に滑らかで実質的に平坦な複数の面を有する、請求項5記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項８】
地面係合面が、打球フェースに隣接する前面、中央面、およびクラブヘッドの後部分に隣接する後面を含み、該前面が上方に傾斜し、該中央面が概して水平かつ地面に対して平行であり、かつ該後面が上方に傾斜している、請求項1記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項９】
地面係合面が中央面の近くに最下点を含み、かつ該地面係合面が、該最下点からヒール部分の方向およびトウ部分の方向の両方において上方に傾斜している、請求項8記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１０】
打球フェース部分と、該打球フェース部分の周囲区域から延びる返し部分とを含むカップフェース部材と、
該カップフェース部材と係合したゴルフクラブボディであって、
該返し部分と係合し、地面係合面を含むソール部分の少なくとも一部を含む、第一のボディ部材、
該返し部分と係合し、クラウン部分の少なくとも一部を含む、第二のボディ部材、および
該第一のボディ部材および該第二のボディ部材の少なくとも一つと係合し、該ゴルフクラブボディの後部分を横切って該ゴルフクラブボディのヒール側からトウ側まで延びる第三のボディ部材であって、該第二のボディ部材が間に位置することで、第三のボディ部材の少なくともいくらかの部分が該返し部分から切り離される、第三のボディ部材、ならびに
該第一のボディ部材および該第三のボディ部材の少なくとも一つと係合し、該ゴルフクラブボディの該後部分の近くに位置する、ウェイト部材
を含む、前記ゴルフクラブボディと、
ゴルフクラブが43インチ以下の長さを有するように該ゴルフクラブボディおよび該カップフェース部材の少なくとも一つと係合したシャフト部材と
を含むフェアウェイウッドタイプゴルフクラブであって、
該打球フェース部分が、シャフト部材に対する該打球フェース部分の角度として定義されるロフト角を含み、かつ該ロフト角が12〜32°であり、かつ
該ゴルフクラブボディが300ccよりも大きい体積を有する、
前記フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１１】
第一のボディ部材が第二のボディ部材と係合している、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１２】
カップフェース部材および第二のボディ部材の少なくとも一つと係合したまたは一体に形成されたホーゼル部材
をさらに含む、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１３】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、第三のボディ部材、およびホーゼル部材それぞれが、少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料で作製される、請求項12記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１４】
打球フェース部分が可変性のフェース厚を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１５】
打球フェース部分の中央区域が該打球フェース部分の周囲区域よりも厚い、請求項14記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１６】
打球フェース部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項14記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１７】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材の露出面が、ゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75％を画定する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１８】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材の露出面が、ゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも90％を画定する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項１９】
ゴルフクラブボディが少なくとも4200g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２０】
ゴルフクラブボディが少なくとも4800g-cm2の慣性モーメントIzzを有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２１】
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材それぞれが、少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料で作製される、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２２】
第二のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２３】
第一のボディ部材が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２４】
ゴルフクラブボディが少なくとも400ccの体積を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２５】
ゴルフクラブボディが少なくとも460ccの体積を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２６】
ゴルフクラブボディが少なくとも4.5インチの全長寸法を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２７】
ゴルフクラブボディが、少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項26記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２８】
ゴルフクラブボディが少なくとも4.75インチの全長寸法を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項２９】
ゴルフクラブボディが、少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３０】
ロフト角が15〜28°である、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３１】
地面係合面が、ソール部分の中心に沿って配置されかつ打球フェース部分の下縁からゴルフクラブボディの後部分に向かって後方に延びるキールを含む、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３２】
キールが実質的に滑らかな曲線面を有する、請求項31記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３３】
キールが、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された実質的に滑らかで実質的に平坦な複数の面を有する、請求項31記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３４】
地面係合面が、打球フェースに隣接する前面、中央面、およびゴルフクラブボディの後部分に隣接する後面を含み、該前面が上方に傾斜し、該中央面が概して水平かつ地面に対して平行であり、かつ該後面が上方に傾斜している、請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３５】
地面係合面が中央面に最下点を含み、かつ該地面係合面が、該最下点からヒール側の方向およびトウ側の方向の両方において上方に傾斜している、請求項34記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３６】
打球フェース部分が、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有し、
カップフェース部材、第一のボディ部材、第二のボディ部材、および第三のボディ部材が少なくとも部分的に中空クラブヘッドボディを画定し、
該カップフェース部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材、および該第三のボディ部材の露出面が、ゴルフクラブヘッドの外部表面積の少なくとも75％を画定し、
クラブヘッドが少なくとも4500g-cm2の慣性モーメントIzzを有し、
該カップフェース部材、該第一のボディ部材、該第二のボディ部材、および該第三のボディ部材それぞれが、少なくとも部分的にチタン金属またはチタン含有合金材料で作製され、
該クラブヘッドが少なくとも450ccの体積を有し、
該クラブヘッドが少なくとも4.5インチの全長寸法を有し、かつ
該クラブヘッドが、少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、
請求項10記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３７】
ヒール部分、トウ部分、クラウン部分、ソール部分、および後部分を含むクラブヘッドボディであって、該後部分が第一の重量増大ゾーンを含み、かつ該ソール部分が地面係合面を含む、クラブヘッドボディと、
該クラブヘッドボディと係合したまたはその一部として一体に形成された打球フェースであって、該第一の重量増大ゾーンから離れた該クラブヘッドボディの部分に位置しかつ該トウ部分から該ヒール部分まで延び、可変厚および12〜32°のロフト角を有する、打球フェースと
を含むクラブヘッドであって、少なくとも4500g-cm2の慣性モーメントIzzを有し、少なくとも400ccの体積を有し、少なくとも4.5インチの全長寸法を有し、かつ少なくとも0.94の、全幅寸法に対する全長寸法の比を有する、前記クラブヘッド、ならびに
該クラブヘッドと係合したシャフト部材であって、ゴルフクラブが37〜43インチのクラブ長を有する、シャフト部材
を含む、フェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３８】
全長寸法が少なくとも4.75インチである、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項３９】
クラウン部分が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４０】
ソール部分が中央区域および周囲区域を含み、該中央区域が該周囲区域よりも薄い、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４１】
打球フェースの中央区域が打球フェースの周囲区域よりも厚い、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４２】
打球フェースが、第一の厚さを有する中央区域、第二の厚さを有する周囲区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４３】
打球フェースが、第一の厚さを有する第一の区域、第二の厚さを有する第二の区域、および該第一の厚さから該第二の厚さまで少なくとも部分的に移行する少なくとも一つの移行領域を有する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４４】
打球フェースが、クラブヘッドボディと係合したカップフェース部材の一部を構成する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４５】
クラブヘッドボディがマルチパーツ構成を構成する、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４６】
打球フェースが、マルチパーツクラブヘッドボディ構成の多数のパーツと係合したカップフェース部材の一部を構成する、請求項45記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４７】
クラブヘッドボディの大部分が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つの部材から構成されている、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４８】
打球フェースの大部分が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている、請求項47記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項４９】
クラブヘッドボディの90％超が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５０】
打球フェースの90％超が、チタン金属またはチタン含有合金材料の群から選択される少なくとも一つから構成されている、請求項49記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５１】
ロフト角が15〜28°である、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５２】
地面係合面が、ソール部分の中心に沿って配置されかつ打球フェース部分の下縁から該打球フェース部分とは反対側のゴルフクラブボディの後部に向かって後方に延びるキールを含む、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５３】
キールが実質的に滑らかな曲線面を有する、請求項52記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５４】
キールが、互いに対して傾斜するよう角度をなして配置された実質的に滑らかで実質的に平坦な複数の面を有する、請求項52記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５５】
地面係合面が、打球フェースに隣接する前面、中央面、およびクラブヘッドの後部分に隣接する後面を含み、該前面が上方に傾斜し、該中央面が概して水平かつ地面に対して平行であり、かつ該後面が上方に傾斜している、請求項37記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【請求項５６】
地面係合面が中央面の近くに最下点を含み、かつ該地面係合面が、該最下点からヒール側の方向およびトウ側の方向の両方において上方に傾斜している、請求項55記載のフェアウェイウッドタイプゴルフクラブ。
【図１】
【図２】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図３Ｃ】
【図４Ａ】
【図４Ｂ】
【図４Ｃ】
【図５】
【図６】
【図７Ａ】
【図７Ｂ】
【図７Ｃ】
【図７Ｄ】
【図２】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図３Ｃ】
【図４Ａ】
【図４Ｂ】
【図４Ｃ】
【図５】
【図６】
【図７Ａ】
【図７Ｂ】
【図７Ｃ】
【図７Ｄ】
【公表番号】特表２０１３−５１１３３１（Ｐ２０１３−５１１３３１Ａ）
【公表日】平成２５年４月４日（２０１３．４．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−５３９９１０（Ｐ２０１２−５３９９１０）
【出願日】平成２２年１０月７日（２０１０．１０．７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２０１０／０５１７９７
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０６２６９９
【国際公開日】平成２３年５月２６日（２０１１．５．２６）
【出願人】（５０５４２４８５９）ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２５年４月４日（２０１３．４．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１０月７日（２０１０．１０．７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２０１０／０５１７９７
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０６２６９９
【国際公開日】平成２３年５月２６日（２０１１．５．２６）
【出願人】（５０５４２４８５９）ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Ｆターム（参考）】
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