説明

高圧多チャンバの中で反復によって高い圧力を生成する別法

【課題】圧力が、要素モータポンプを反復することによって得られ、反復によって任意所望の圧力を得ることができる高圧・多チャンバを提供する。
【解決手段】幾つかの水準を含み、水準の間に「モータポンプ」が配置される。各チャンバには、その内部分の中に、「モータポンプ」またはポンピングシステムを有する別のチャンバが内部分に向かって配置されており、第3のチャンバそして次のチャンバと、そのポンピングシステムを有するチャンバが内部分に向かって配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い圧力を得ることを目的とする多チャンバに関し、該発明は幾つかの水準を含み、該水準の間に「モータポンプ」が配置される。各チャンバには、その内部分の中に、「モータポンプ」またはポンピングシステムを有する別のチャンバが内部分に向かって配置されており、第3のチャンバそして次のチャンバと、そのポンピングシステムを有するチャンバが内部分に向かって配置される。
【背景技術】
【0002】
幾つかの既に知られた発明は、圧力を生成する基本として、断面または面積を低減し、こうして得られる小さい容積(それはより高い圧力が企図される場合にはより小さくなる)によって増大される力を利用する。
【0003】
高い圧力を得る装置の幾つかの種類が存在する。Weissberger&Rossiter編の「Techniques of Chemistry」によれば、高い圧力を得るための4つの基本的な装置、すなわち、ピストン/シリンダ組立体、ブリッジマンアンビル、ベルト装置、多アンビル装置が存在するが、他の知られた装置は、該4つの随意選択の1つが変更されたものとして考えられるべきである。この文書は、高い圧力を得るために、2ピストンシステムまたは5段階のピストン/シリンダ装置を含む液圧プレス機にも言及するが、後者の5段階ピストン/シリンダ装置は、最も高い圧力断面における測定を実施するために幾つかの問題を含む。これらの装置は、必要な圧力を得るために固体または固体/流体組合せを使用したことも示唆されている。これらのすべての場合に、該組立体を駆動して所期の高い圧力を得るために、外力が印加される。
【0004】
既に知られた特許、例えば、ダイヤモンドアンビル・セルに基づくものは、高い圧力を生成する原理を利用するが、該原理は、ダイヤモンドアンビルを基本とし、該アンビルの端部を介して、一般に流体を使った高い圧力がより大きな断面に印加され、該圧力はダイヤモンド形状、すなわち、アンビルまたは円錐体形状のために集中され、そのアンビルは、同様の形状を有するが逆形に配置された別のダイヤモンドを押し付ける。試料(それは液体または固体の形態であり得る)が横方向へ流れるのを回避するために、その試料は小孔を有する板を担持し、該板は当該ダイヤモンドの間に装着される。幾つかの場合に、ダイヤモンドまたはジルコニウムが使用されるが、その理由は、それらが、最も高い圧力に掛けられ得る高硬度の材料に対応し、この場合には該特性が望ましいからである。
【0005】
同じ原理を利用する別の実施形態が、6個のダイヤモンド間における工程を実施することから成り、それはより大きな容積を圧縮する利点を有する。
この方法は、超伝導体および半導体研究におけるばかりでなく、異なる材料の幾つかの構造の極圧状態にも実験的に使用される。この方法はさらに、地核の中で様々な物質が含まれる圧力状態の模擬実験に、またはダイヤモンド粉末の生産などに使用される。
【0006】
焼結部品を製造する技術にも言及され得る。該部品を製造するための材料は、破砕されて別個の混合組成物を有し、次いで、それは鋳型として使用される幾つかの要素の中に配置され、これらの要素は部品全体が鋳型の中に収まると加圧される。該技術は、臨界圧力制限のために有孔で脆弱な鋼部品となる欠点を有する。それは、比較的に高い引張り力を蒙らない部品を製造するための重合体材料に使用される。
【0007】
「ダイヤモンドアンビル」よりも古い機構が存在するが、該機構は、立方ミリメートル単位で測定される高い圧力を生成するために、ダイヤモンドを使用しないで、高圧プレス機を形成する大型液圧シリンダを使用する。
【0008】
米国特許第2544414号は、試料を高い温度に加熱する装置を含む高圧装置に関するものである。それは、大質量の鋼基部と蓋部との間で試料を圧縮するプレス機に言及するが、この蓋部は、該基部に被さってナットに掛かる直接的な力によって加圧されるが、これらのナットは、それが回転すると4本の軸を介して移動し、よって蓋部を基部に近づける。この蓋部は、生成された圧力を、プレス金型を形成する中心空洞部を包囲および強化する複数の円形鋼板に伝達する。この場合に、このような結果は、軸要素に対して外力を生成することによって得られる。
【0009】
米国特許第3379043号は、多段階装置の使用によって高い圧力を得るシステムを説明するが、そこではシリンダが第1の被加圧チャンバによって包囲され、このチャンバも第2の被加圧チャンバによって包囲され、そして次々にチャンバがチャンバによって包囲される。この場合に、この発明物は、内圧生成力を打ち消すために外圧を印加するという原理を利用する。複数のシリンダが設けられるが、それらは流体を内部シリンダから外部シリンダに伝導し、よって加圧された流体をシリンダのそれぞれの中に閉じ込めるが、該圧力は、これらの連続する外部シリンダのそれぞれの中の逓減する圧力と比較されることになる。この場合に、1個のピストンのみが、異なるシリンダまたは被加圧チャンバを加圧するために外力を加える。
【非特許文献1】WeissbergerおよびRossiter編「Techniques of Chemistry」
【特許文献1】米国特許第2544414号
【特許文献2】米国特許第3379043号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明では、圧力が、要素モータポンプを反復することによって得られ、該反復によって任意所望の圧力を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ポンプによって圧力P1がチャンバまたは容器1の中に得られれば、本システムは、圧力P1下の環境において、「モータ」または推進部分、および「ポンピング」要素から成る組立体を使用することによって、P1よりも高い圧力P2が得られ、被加圧流体は、容器1の内側に配置された新たな容器またはチャンバ2の中に収容される。容器2が圧力2の下にあるとき、この作業は、容器3の充填を目的とする第2の「モータポンプ」を使用することによって反復され、この作業は必要な回数だけ反復される。次々に別の容器の内側に入る容器は、その材料の耐圧性によって制約されることなく、高い圧力に耐え得ることに留意されたい。
【0012】
高い圧力にある容積は、超高圧焼結材料部品の製造、人造ダイヤモンドのような新たな材料からの部品の製造、医薬品用の材料製造、この新規の技術を使用して圧力を増大させる水力洗浄機等に利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
保護されることを目的とする本発明の説明を容易にするために、下に一部の概念が説明される。
1.超高圧に耐える同軸チャンバ
2.要素モータポンプの反復によって高圧を生成する方法
3.反復によって高圧を生成する別法
4.二重同軸チャンバ
【0014】
1.超高圧に耐える同軸チャンバ
最初に、鋼チャンバが鋼の引張り力よりも高い圧力に耐え得ることを証明するために直感的な実施例が示される。次々に別の風船の中に入る風船の反応は直感的に観察することができる。風船が設けられ、それが、推定約0.14kg/cm(2.0 lb/pulg)の圧力下で3リットルに達するまで膨らまされる。この風船がさらに膨らまされると、その耐圧性が約0.175kg/cm(2.5 lb/pulg)であれば、それは破裂し得る。既存の環境の中で、その圧力が約0.14kg/cm(2.0 lb/pulg)だけ増やされると、この風船はより小さくなる。
【0015】
したがって、風船が最初の3リットルを回復するように、もっと多くの空気がこの風船の中へ充填され得る。再度、既存の環境の中で、その圧力が約0.14kg/cm(2.0 lb/pulg)だけ増やされると、この風船は再びより小さくなる。次いで、風船が最初の3リットルを回復するように、もっと多くの空気がこの風船の中へ充填され得る。この作業は、約3.5kg/cm(50.0 lb/pulg)に耐える風船に到達するまで、すなわち、3リットルの容積が維持される一方で、既存の環境が約3.36kg/cm(48.0 lb/pulg)下になるまで反復され得る。
【0016】
別の風船が使用可能であり、それが最初のものより大きければ、後者は前者の中へ挿入可能であり、この「外側の」風船は、それが内側において約3.36kg/cm(48.0 lb/pulg)の圧力に達するように膨らまされる。内部分におけるように外部分の中では共に、元の風船は、挿入された風船が中間部分の風船に対してさらに約0.14kg/cm(2.0 lb/pulg)を加えて膨らまされるので、約3.22kg/cm(46.0 lb/pulg)の圧力下にある。大気圧で、約0.14kg/cm(2.0 lb/pulg)の空気を含む風船および約0.14kg/cm(2.0 lb/pulg)をさらに加えて、すなわち、約0.28kg/cm(4.0 lb/pulg)で膨らまされた挿入された風船に到達するまで、別の風船が設けられた後に、次いで別の風船が設けられる。そしてさらに約0.14kg/cm(2.0 lb/pulg)を含む別の風船が内側に設けられ、そして約3.5kg/cm(50.0 lb/pulg)を含む最後の風船を有するまで別の風船が設けられる。
【0017】
要約すると、風船は、その耐圧性が約0.175kg/cm(2.5 lb/pulg)と定義されているので、大気条件下では約3.5kg/cm(50.0 lb/pulg)に耐えられない。しかし、その風船は、約0.175kg/cm(2.5 lb/pulg)に耐える別の風船を保護として有するときには約3.5kg/cm(50.0 lb/pulg)に耐える。
【0018】
鋼容器またはチャンバが風船の代わりに使用されると、その結果、30,000kg/cm以上の圧力にも耐える20または30個のチャンバを得ることができる。
・複数の円筒チャンバ
下に、圧力増大システムを備えない多チャンバが説明される。それは、単純な多チャンバ、すなわち、次々に別のチャンバの中に入るチャンバに対応する。それには小さい穴または隙間(図示せず)が見られる。
【0019】
半球端を有する円筒容器またはチャンバが、図1aに示されている。チャンバが半球であれば、それはより高い圧力に耐えることが示唆されることになる。チャンバの外径は、その外側に直に配置されたチャンバの内径よりも僅かに小さく、これらのチャンバは、その上に重ねられ得るようになっている。
【0020】
成果を例示する図1aでは、幅または深さが1である。使用材料は鋼であり、その引張り強さSは3,000kg/cmにほぼ等しく、一方でその薄い壁の厚さは円筒直径の1/10以下である。
・チャンバ1
P0:ゼロ外圧
P1:耐圧
D1:外径
S:壁張力
P1×0.8×D1=P0×D1+2×S×0.1×D1;yP0=0
P1=0.25×S
・チャンバ2
チャンバ2(それはチャンバ1の内部に配置される)は、図1bに示され、チャンバ1の内径よりも僅かに小さい外径を有する。計算目的のために、これらのチャンバは同様のサイズを有するものと見なされる。
【0021】
Pi+1.

第2のチャンバ内の圧力は、
P2×0.8×D2=P1×D2+S×0.2×D2
P2=0.25/0.8×S+0.25×S=0.5625×S
圧力P2は、チャンバ1の内部に配置されたピストンおよびラムによって得られた。圧力がチャンバ1からチャンバ2へ増大され得る理由は、これによって証明されないが、それはチャンバ耐圧性の検証が目的だからである。参照としてのみ、チャンバ内部でピストンによって生成され得る最大圧力が0.8×S+チャンバ圧にほぼ等しいことが示唆される。
【0022】
チャンバ2の内径は、チャンバ3の外径よりも僅かに大きい。しかし、計算目的のために、それらは同様のサイズを有するものと見なされる。したがって、
P3×0.8×D3=0.5625×S×D3+S×0.2×D3
P3=0.5625/0.8×S+0.25×S=0.953×S
同様に、
P4=1.44×S;但しD4=0.8**3×D1
P5=2.05×S;D5=0.8**4×D1
P6=2.81×S;D6=0.8**5×D1
上記の方法を用いると:P7=3.77×Sである。
【0023】
直前のチャンバに関する差圧は0.96×Sであり、それは限界値として示唆された0.8×Sよりも大きい。したがって、後続のチャンバは、0.8×Sに等しい既知の差圧を示し、チャンバ壁の厚さが調整されることになる。その厚さは、壁応力がその他の壁応力と同様に、すなわち、Sと同様になるまで漸減される。この規定に従ってかつチャンバ壁の厚さが0.1×Dに等しければ、チャンバ壁はSよりも低い応力を示し、内径は不必要に漸減されない。したがって、
P7=3.61×S
P8=4.41×S;......
Pn=(4.41+(n−8)×0.8)×S
n=20であれば、P20=13×S=39,000kg/cmとなり、それは鋼の耐圧性を超える。したがって、「通常」圧力に耐える最終チャンバに到達するまで、次々に関与するチャンバが別のチャンバの中に閉じ込められると、多チャンバまたは鋼チャンバは、鋼自体では耐えられない引張り圧力に容易に耐えることが検証される。
【0024】
2.要素モータポンプの反復によって高い圧力を生成する方法1
下に、次々に圧力に圧力を重ねて圧力を生成する方法が幾つか示される。
図3に、より実物に近い多チャンバが示されており、そこではシリンダが図2の蛇腹に対して平行に相互連結される。
【0025】
要素モータポンプの反復によって圧力を得ることは最新技術に説明されていない原理であり、この原理を通じて、反復によって任意の圧力が得られる。ポンプによって圧力P1が得られれば、本システムは、圧力P1下の環境において、新たな「モータ」すなわち推進部分、および「ポンピング」要素を使用することによって、P1よりも高い圧力P2が得られ、被加圧流体は、容器1の内側に配置された新たな容器2の中に収容される。容器2が圧力2下にあるとき、作業は、容器3の充填を目的とする新たな「モータポンプ」を使用することによって反復され、その作業は必要な回数だけ反復される。次々に別の容器の内側に配置される容器は、その材料の耐圧性によって制約されることなく、任意の圧力に耐え得ることに留意されたい。
【0026】
したがって、ピストンから成るポンプが考えられ、そのポンプは大気圧下の流体を汲み上げ、その流体を密閉容器またはチャンバに汲み出す。該容器またはチャンバは、その内側に、モータポンプシステム、ピストン、弁等を有する他の小チャンバを含む。圧力Pが所定の圧力P1以下であるとき、流体はチャンバ1の内部分のみに流れるが、モータポンプ1のピストンから流出する。しかし、幾つかのポンピング工程の後に、圧力が増大し、その圧力がP1を超えるとき、流体はチャンバ1の中へ進入し、モータポンプ1の推進ピストンの内部分に流れ、差圧センサCDP(A)によって駆動されるモータ入口弁(VIM)と呼ばれる入口弁を通過する。
【0027】
推進ピストンが、チャンバ1から流れてくる流体のために伸張し始めるとき、同時に推進ピストンに連結されているポンプピストンも伸張する。ポンプピストンが伸張するとき、それは保持弁(VR)を介して流体をチャンバ1から汲み上げる。
【0028】
ピストンが充填されるとき、推進ピストンは外部ポンプから、すなわち、直前のチャンバの中に配置されたモータポンプから被加圧流体を汲み上げ、この推進ピストンは、それが配置されているチャンバから流体を汲み上げる。したがって、推進ピストンは排出されることになるが、それはモータ出口弁(VEM)を含み、このピストンが充填されるとき、該弁は開放され、それは流体を低い圧力下で外側に排出する。ピストン間の離隔距離がこのシステムを駆動し、モータ出口弁が最大値に達するときにその弁は開き、最小値に達するときにその弁は閉じる。
【0029】
ポンプピストンは、それが圧力P1を発揮する推進ピストンによって駆動されて動作し、したがって低い圧力で排出するので、P1よりも高い圧力を有する流体を汲み上げることが可能である。チャンバ1の中に別のチャンバ、すなわち、チャンバ2が存在し、それはP1よりも高い圧力を有する流体を受け入れることができる。次いで、ポンプピストンは、保持弁を通過してチャンバ2の中へ排出する。
【0030】
すべてのチャンバと同様に、チャンバ2は、流体が進入するが、それが退出できないように簡潔な保持弁(VRS)を備え、かつそれは、チャンバ内部の圧力が所定の圧力を超えると、それが流体を直前のチャンバの中へ排出するように排出または安全弁(VDS)をさらに備える。
【0031】
これらの弁は、それらが2つのチャンバのみを連結するのでピストンには連結されておらず、ここで内側チャンバは外側チャンバよりも高い圧力を示し得るが、外側チャンバは内側チャンバよりも高い圧力を発揮することはできない。他方の弁は、直前のチャンバに関する差圧が顕著になりすぎると、該弁が開き、多少の流体を排出するように安全弁に対応する。
【0032】
チャンバ1のポンプピストン、すなわち、モータポンプ1によって実行される第1のポンピングが、チャンバ1に類似するチャンバ2に達する。チャンバ2に達する第1のポンピングはモータ入口弁(VIM)にも達し、圧力がP2よりも低いとき、他の所定の値がモータポンプ2にアクセスするには不十分であり、したがって工程が停止される。
【0033】
チャンバ1に関して、それは両方のピストンを排出するので、すなわち、推進ピストンは低い圧力で外側に排出するのに対して、ポンプピストンはチャンバ2に排出するので、このチャンバ1は圧力をP1よりも僅かに低い値に低減する。したがって、圧力はP1よりも僅かに低いので、他のポンピングは外部ポンプから送られ、今度はそれが推進ポンプから出て行く。追加的なポンピングによって、一旦、P1が回復され、流体はポンプピストン1を変位させるために推進ピストン1の内部分の中へ進入し、よって別のポンピングがチャンバ2に達する。
【0034】
該過程を反復した後に、P1がチャンバ1の中に存在する一方で、P2がチャンバ2に存在する。次いで、追加的なポンピングは、チャンバ2の内部に配置されるチャンバ3の中へ流入することが可能になり、この一連の過程は、チャンバ3の中の圧力3(それは別の所定の値に対応する)に達するまで、チャンバ2および1の中の圧力を回復するために必要な回数だけ反復される。こうして、チャンバnが充填されるまでチャンバ、ピストン、および弁で作業することによって、圧力Pnが得られる。適切な材料から作製されたチャンバ、モータポンプ等によって、十分に高い値に対応する値Pnが達成可能であり、したがって20,000もしくは50,000kg/cm、またはそれ以上に高い圧力さえも実現する。
【0035】
内部被加圧チャンバの中に配置された部品または試料が圧力に掛けられた後で、この圧力は減じられることになる。該チャンバにはその蓋の上に逃がし弁が示されており、その弁が操作されるとき、チャンバの該逃がし弁を開けば蓋には圧力が掛かり得ないようになっており、こうしてチャンバを排出する。このシステムでは、チャンバを排出または解放することによって、そのチャンバの内側に配置されたチャンバの相対的な圧力が増大する傾向にあり、したがってこれらのチャンバが排出し始めるので、外側チャンバが排出され、次いで安全弁を介して内側チャンバが排出し始める。
【0036】
低い圧力における工程用の本発明の実施形態が電気システムの組み込みに対応しており、よってこの工程は外部から実行可能である。
その装置は次の通りである。
【0037】
(1)モータ入口弁(VIM)
この弁は、直前のまたは外側のチャンバのポンプから(そのチャンバが第1の段階にあれば直接外側から)来る流体へのアクセスを与えることによって動作し、該弁は、圧力が所定の値よりも低いときはシリンダから次の内側のチャンバの中へ排出するか、または圧力が所定の値以上であれば、モータシリンダの内部分に向かって排出する。この弁は、内側のチャンバと直前のまたは外側のチャンバとの間の差圧センサ(CDP)によって動作し、それは、所定の値に達すると流体をモータの中へ送るために調整される。
【0038】
(2)差圧センサ(CDP)A
このセンサは、圧力のためにチャンバ壁が変形することによって動作する。圧力が高ければ高いほど、それだけ変形が大きくなる。基本的には、このセンサは、チャンバの内部分に中に配置された大きなロッドから成り、このロッドは、一端がチャンバに固定されるのに対して、他端が自由端に対応する。チャンバと環境との間の差圧のために、チャンバは変形されて自由端に向かって変位し、したがってチャンバ縁部に固定配置される弁VIMを駆動する。
【0039】
(3)モータ出口弁(VEM)
この弁は、流体をモータから排出することができる。ピストンがその最大水準(ストッパ)に達するとき、この弁は駆動され、したがって直前のチャンバに向かって排出させる。ピストンが最小水準(別のストッパ)に達するとき、弁は閉鎖されて新たな充填が行われる。
【0040】
(4)排出または安全弁(VDS)
この弁は、差圧センサが内側のチャンバと直前のチャンバとの間で動作し、該工程がチャンバを変形させるに十分である場合にのみ駆動される。細いロッドがチャンバの内部分の中に収容され、その端部の一方がチャンバに固定されるのに対して、他端が、チャンバの変形が十分に顕著である場合にのみ、チャンバに固定配置されている保持弁を制御する。
【0041】
(5)簡潔な保持弁(VRS)
これは、流体の流れを一方向のみへ許容する弁である。簡潔な保持弁は、モータポンプの流体入口、流体出口、およびチャンバ入口に配置される。該弁が存在するために、内側チャンバ内の圧力は外側チャンバ内よりも高くならない。
【0042】
(6)モータポンプ
2つのピストンのそれぞれが、シリンダの内部に配置されており、該ピストンは、ピストンがそのシリンダの中で変位するとき、他方のピストンもそのシリンダの中で変位しなければならないように、剛接合されるか、またはピストンが対向するシリンダに連結される。それぞれのチャンバがピストン組立体を備える。
【0043】
(7)外部シリンダロッド
それは、モータポンプのポンプのシリンダに固着されるロッドに対応する。他方のシリンダの中に固定配置されたモータ出口弁(VEM)が駆動または駆動停止される。
【0044】
3.反復によって高い圧力を生成する別法
反復によって圧力を増大させる別の方法が幾つか存在する。下に他の方法が説明される。
【0045】
図4は、図3と類似しているが、シリンダから切り離されているチャンバに至る流体入口を有する異なるシステムを示し、この場合にモータポンプを伸張するためにばねが使用される。
【0046】
外部ポンプが駆動され、よって流体が、P1に達するまでチャンバ1(それは最外側のチャンバ、すなわち、他のすべてのチャンバを含む最大のチャンバである)の中へ進入し、既存の圧力がP1よりも高く、該圧力でチャンバ1の内部にあるモータポンプ1も駆動されるので、この外部ポンプはチャンバ1の中へポンピングし続けるが、圧力は増大しない。モータおよびポンプの両方に、チャンバ1の中に収容された流体が送出され、モータは該流体を直前のチャンバまたは外側に向かって排出するのに対して、ポンプは、最内側のチャンバであるチャンバ2に向かって排出する。モータポンプ1のポンプの入口は、直前のチャンバまたはチャンバの外側に配置されたポンプから来るポンピングに結合されていないことに留意されたい。
【0047】
モータポンプが駆動される。このモータポンプは充填されるが、それは、モータポンプがその自然な位置にあるからであり、それはモータ動作シリンダとポンプ動作シリンダとの間で圧縮されたばねを備えるからである。モータポンプ1は、モータ出口弁(VEM)を開きかつモータ入口弁(VIM)を閉じる差圧センサ(CDP)が駆動されるので駆動される。
【0048】
ポンプおよびモータは空になり始める、すなわち、モータポンプ1は、モータ出口弁(VEM)がほとんど閉ざされるまで排出し始め、その時点で、モータ入口弁(VIMI)が、行程の終点にあるモータ/ポンプストッパセンサ(CTM)によって駆動され、したがってモータおよびポンプは共に、差圧センサ(CDP)が再び駆動されるまで充填を継続する。
【0049】
モータ入口弁(VIMI)はCDPの作用によって閉鎖され、ロッドの作用によって開放される。VEMはCDPによって駆動されて開放され、この棒の作用によって閉鎖される。
【0050】
モータポンプ1が空になるとき、チャンバ2の中の圧力が増大する。数回のポンピング行程の後で、別の所定の値に対応する圧力P2が得られる。最内側のチャンバでは同様に、モータポンプは、直前のチャンバによって所定の差圧に達し、後続のチャンバ内の圧力が増大するとき、この最内側のチャンバの中に収容された流体で充填される。
【0051】
一定の圧力要件が満たされるとき、それぞれのチャンバ内に存在する簡潔な保持弁(VRS)、および排出または安全弁は、これら圧力要件によって駆動される。したがって、圧力が任意のチャンバ内で増大するとき、流体も最内側のチャンバの中へ進入し、最内側のチャンバは低い圧力を示すことは不可能である。
【0052】
ピストンおよびシリンダを製造する際の1つの随意選択肢は、両方のシリンダの間を剛接合したシリンダを製造するか、またはポンプシリンダに剛接合されたモータピストンが製造可能であり、かつモータシリンダがポンプピストンに剛接合される。選択された品目に応じて、ばねは常に圧縮されるか伸張される。
【0053】
装置
(1)モータ/ポンプばね
この装置は、先の手順におけるものとほとんど同じであり、唯一の新たな要素はモータポンプ間のばねであるが、このばねはモータポンプ構造に従って様々な様態で配置され得る。このばねは2つのモータ/ポンプシリンダ間に収容され、それは、力が掛かっていなければ、ピストンが完全位置にある状態でモータポンプが開放されねばならないように伸張された様態でまたは圧縮されて配置される。別様であれば、すなわち、モータポンプが空であれば、自然位置(力が掛かっていない位置)が推奨される。
【0054】
(2)モータ入口弁(VIMI)
この弁は、差圧センサ(CDP)がチャンバと直前のチャンバとの間で動作するときに閉じられるために連結される。
【0055】
(3)差圧センサ(CDP)A
このセンサは、受けた圧力の結果であるチャンバ壁の変形のために動作する。圧力が高ければ高いほど、それだけ変形が大きい。基本的には、このセンサはチャンバの内部分の中に配置された大きなロッドから成り、このロッドはチャンバに固定された端部を有する一方で、他端が自由端に対応する。チャンバと環境との間の差圧のために、チャンバは変形されて自由端に向かって変位し、よってチャンバ縁部に固定配置される弁VIMを駆動する。
【0056】
(4)モータポンプ・ストッパセンサ(CTM)B
この場合には、モータポンプ・ストッパセンサ(CTM)Bが設けられ、モータポンプが外部ストッパに達するとき、このセンサは弁を開いたりまたは閉じたりするように駆動される。
【0057】
(5)モータ出口弁(VEM)
この弁はモータを排出することができる。ピストンがその最大水準(ストッパ)に達するとき、弁が駆動され、よって直前のチャンバに向かって排出することができる。ピストンが最小水準(別のストッパ)に達するとき、弁が閉じられて新たな充填が行われる。
【0058】
(6)排出または安全弁(VDS)
この弁は、差圧センサが内側のチャンバと直前のチャンバとの間で動作し、該工程がチャンバを変形するのに十分である場合にのみ駆動される。細いロッドがチャンバの内部分の中に収容され、その端部の一方がチャンバに固定されるのに対して、他端は、チャンバの変形が十分に顕著である場合にのみ、チャンバに固定配置される保持弁を制御するようになっている。
【0059】
(7)簡潔な保持弁(VRS)
これは、流体の流れを一方向のみへ許容する弁である。簡潔(シンプル)な保持弁は、モータポンプの流体入口、流体排出口、およびチャンバ入口に配置される。該弁が存在するために、内側チャンバ内の圧力は外側チャンバ内よりも高くならない。
【0060】
(8)モータポンプ
2つのピストンおよび2つのシリンダであり、その場合に、ピストンがそのシリンダの中で変位するとき、他方のピストンもそのシリンダの中で変位しなければならないように、該2つのピストンは剛接合されているか、またはピストンが対向するシリンダに連結される。それぞれのチャンバがピストン組立体を備える。
【0061】
(9)外部シリンダロッド
それは、モータポンプのポンプのシリンダに固着されるロッドに対応する。他方のシリンダに固定配置されたモータ出口弁(VEM)が駆動または駆動停止される。
【0062】
4.同軸チャンバ(二重以上)
1つの変型であり、それを開放して幾つかの部品を取り付けるために圧力増大システム全体を分解する必要のないものは、二重扉であるが、該扉が二重チャンバを含んでいれば一層適切である。球形多チャンバが考慮されるが、それは圧力増大システムを含まない円筒多チャンバに連結されているので、圧力増大システムの必要がない。したがって、この球形多チャンバは圧縮されるべき部品を収容するためのみに使用される。図5を参照されたい。
【0063】
この球形多チャンバは、円筒多チャンバと同様の直径を有するので、比較的大きな耐圧性を示すか、またはそれは比較的に大きな部品の配置を許容する比較的に大きな内径を設けることを可能とする。
【0064】
なお、図1は、対応するチャンバを示す図であり、多チャンバと各チャンバ対の間の圧力増大システムとが設けられている。図2は、モータポンプが相互連結蛇腹である多チャンバを模式的に示す図である。図3は、圧力増大システムを説明する図であり、各チャンバ対の間に圧力増大システムを有する多チャンバが設けられている。図4は、圧力増大システムを説明する図であり、各チャンバ対の間に圧力増大システムを有する多チャンバが設けられているが、各モータポンプがばねを有し、かつモータ充填がチャンバ流体入口に結合されていないことに留意されたい。図5は、二重隔室を有する多チャンバを説明する図であり、これらの一方は圧力増大システムを収容することを目的とし、他方は部品の収容を目的としている。部品を収容する隔室は絶対的な球体であり、チャンバ間に間隙を有していないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1a】半球形の端部を有する円筒容器またはチャンバ1を示す図である。
【図1b】チャンバ1の内部に配置されるチャンバ2を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画定された容積の内部で高い圧力を生成する装置であって、前記装置は、複数の同軸チャンバまたは密閉容器を備え、前記チャンバが流体を直前のチャンバから他の直ぐ外側のチャンバに、またはその逆に液体を送ることができるように、前記チャンバ間が相互連結されている、装置において、
前記チャンバのそれぞれが、液圧モータポンプのシステムを収容しており、当該システムは、2つの蛇腹(210、220)または2つのシリンダ(412、414)及びピストン(411、413)の組立体から構成され、当該組立体は、一方のピストンが一方向へ変位するときに、他方のピストンが駆動されて当該他方のピストンは同じ方向へ変位し、第1のピストンはモータ(413)または推進器として動作し、かつ第2のピストンは前記流体を押しやるポンプ(421)として動作するように結合されており、両方のシリンダは両方の前記シリンダ(410)を収容する前記チャンバと同じ圧力にあり、前記圧力は、前記推進する前記ピストンを駆動しかつ生成されたエネルギーを前記ポンプの前記ピストンに伝達することを可能にし、前記ホンプの前記ピストンは、前記流体を直ぐ内側のチャンバ(420)に向かって押しやるために、前記シリンダの中に含まれる前記流体の前記圧力を増大させることを特徴とする、装置。
【請求項2】
これらのモータポンプシステムは、二重または三重チャンバ(510)の中に装着可能であり、複数のモータポンプがこれらのチャンバの円筒部分(510の左側)の中にのみ収容され、球形を示す他方の部分(510の右側)は、部品または試料の収容のみを目的とすることを特徴とする、請求項1に記載の高い圧力を生成する装置。
【請求項3】
前記装置は、内側の前記圧力が所定圧力Piを超過するまで、前記流体が任意のチャンバに進入するための管を備え、前記圧力は、前記流体が前記推進する前記シリンダ及びピストン(334)に進入することを許容する弁を開き、かつ前記推進する前記組立体の出口弁を閉じる差圧センサによって受け取られ、一旦、前記推進する前記システムに被加圧流体が充填されると、モータポンプ伸張ストッパ指示装置が、前記推進組立体に至る前記入口弁を閉ざし、前記直ぐ外側のチャンバに連結されかつ当該直ぐ外側のチャンバに向かって排出する前記推進組立体の出口弁を開き、他方では、ポンプ(321)として動作する前記シリンダ及びピストンの前記組立体の中の流れが、前記シリンダから前記直ぐ内側のチャンバに向かって排出することを可能にする簡潔な保持弁によって制御されることを特徴とする、請求項1または2に記載の高い圧力を生成する装置。
【請求項4】
前記装置を動作させるために、前記装置は、前記モータポンプの前記2つのシリンダの間に収容されたばねを使用し、当該ばねは、力が掛かっていなければ、前記ピストンが完全位置にある状態で前記モータポンプが開放されねばならないように伸張されるかまたは圧縮されており、若しくは、前記モータポンプが空であれば、力が掛かっていない位置が推奨されることを特徴とする、請求項1、2、または3に記載の高い圧力を生成する装置。

【図1a】
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【図1b】
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