説明

2サイクルエンジン

【課題】高い圧力をかけずにシリンダの内部に燃料ガスを直噴でき、且つ、負荷変動によっても均一な混合気を形成できる2サイクルエンジンの提供。
【解決手段】排気ポートと掃気ポートとの間において、排気ポートからシリンダ2の内部の排気ガスの排気が完了する前に、シリンダ2の内部への燃料ガスの噴射を開始する燃料ガス噴射ポート13A〜13Hを有し、複数の燃料ガス噴射ポートのそれぞれに対応して設けられ、該対応する燃料ガス噴射ポートにおいて上記噴射が可能な開放状態あるいは上記噴射が不可な閉塞状態とさせる複数のガス噴射弁14A〜14Hと、シリンダ2の内部に噴射すべき単位時間当たりの燃料ガス噴射量に基づいて、複数のガス噴射弁の駆動をそれぞれ独立して制御する燃料噴射制御装置15と、を有するユニフロー型2サイクルガスエンジンを採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2サイクルエンジンに関し、特にシリンダの内部に燃料を直接噴射(直噴)する2サイクルエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
2サイクルエンジン(2ストロークエンジンとも称される)は、シリンダの内部でピストンが1往復するごとに、吸気、圧縮、燃焼、排気が1サイクルするレシプロエンジンである。一般に、2サイクルエンジンは、シリンダの内部にインジェクタ等の燃料噴射ポートを備え、掃気ポート及び排気ポートが閉塞された状態で、燃焼室内に燃料噴射することで、燃料の吹き抜けを防ぐ構成となっている。
【0003】
この2サイクルエンジンとして、例えば、下記特許文献1に記載の2サイクル改質ガスエンジンが知られている。この2サイクルエンジンは、シリンダの上部に排気ポートを備え、シリンダの下部に掃気ポートを備えるユニフロー型2サイクルエンジンである。この2サイクルエンジンにおいても、排気完了後、ピストンが掃気ポートより上方に位置して燃焼室が閉鎖された圧縮行程中に、改質ガスを燃焼室内に噴射する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−291769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術においては、排気完了後の燃焼室内に排気ガスが殆ど存在しない圧縮行程中に、燃料ガスを燃焼室内へ噴射する構成となっている。しかしながら、圧縮行程中、燃焼室内は高圧になっており、燃料ガスを燃焼室内に噴射するためには、より高い圧力で燃料ガスを噴射するための高出力の昇圧装置が必要となる。
【0006】
また、通常、燃料ガス噴射ポートは、エンジンの最大負荷が確保されるガス量を噴射できるように、その仕様(噴口の大きさ等)が決定されている。しかしながら、負荷変動によってシリンダの内部に噴射すべき単位時間当たりの燃料ガス噴射量が減少すると、燃料ガス噴射ポートから噴射される燃料ガスの勢いが衰え、その噴出長さ(以下、ペネトレーションと称する場合がある)が低下する。
【0007】
ペネトレーションが低下すると、燃料ガスの濃淡分布が大きくなり、安定燃焼に必要な燃料ガスと空気との均一混合気を形成することが困難となる。他方、当該負荷変動後においても圧力等をかけてペネトレーションを維持させると、早期に燃料ガス噴射が終了してしまうこととなり、十分な混合時間が確保できず、同様に、均一な混合気を形成することが困難となる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高い圧力をかけずにシリンダの内部に燃料ガスを直噴でき、且つ、負荷変動によっても均一な混合気を形成できる2サイクルエンジンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、シリンダの長さ方向一端側において開閉する排気ポートと、上記シリンダの長さ方向他端側において開閉する掃気ポートと、上記排気ポートと上記掃気ポートとの間において、上記排気ポートから上記シリンダの内部の排気ガスの排気が完了する前に、上記シリンダの内部への燃料ガスの噴射を開始する燃料ガス噴射ポートと、を有し、上記燃料ガス噴射ポートは、複数設けられており、上記複数の燃料ガス噴射ポートのそれぞれに対応して設けられ、該対応する燃料ガス噴射ポートにおいて上記噴射が可能な開放状態あるいは上記噴射が不可な閉塞状態とさせる複数の開閉部と、上記シリンダの内部に噴射すべき単位時間当たりの燃料ガス噴射量に基づいて、上記複数の開閉部の駆動をそれぞれ独立して制御する開閉部駆動制御装置と、を有する2サイクルエンジンを採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、シリンダの内部における排気ガスの排気が完了する前の低圧状態で、燃料ガスの噴射を開始させる。これにより、従来よりも低圧で、燃料ガスを燃焼室内に噴射することができる。また、本発明は、排気が完了する前、すなわち、空気の流れがある中で燃料ガスの噴射を開始することから、安定燃焼のために、均一な混合気の形成がより重要となる。そこで、本発明では、燃料ガス噴射ポートを複数設け、通常、負荷変動によって燃料ガス噴射ポートの一つ当りの燃料ガス噴射量が減少するところ、開放状態にある燃料ガス噴射ポートの数を減ずる等することにより、燃料ガス噴射ポートの一つ当りの燃料ガス噴射量を増加(確保)させることができる。これにより、低負荷時等、燃料ガス噴射量が少ない場合でも、ペネトレーション長さ及びその長さを維持できる時間を十分に確保することができ、均一な混合気を得ることができる。
【0010】
また、本発明においては、上記開閉部駆動制御装置は、上記燃料ガス噴射量が第1燃料ガス噴射量から該第1燃料ガス噴射量と異なる第2燃料ガス噴射量に変化したときに、その変化の比率に応じた数で上記燃料ガス噴射ポートを上記開放状態とさせるよう上記制御を行うという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、燃料ガス噴射量の変化の比率に応じた数で燃料ガス噴射ポートが開放状態となるため、燃料ガス噴射ポートの一つ当りのペネトレーションが負荷の高低やガス量の大小に左右されずに略同一となり、シリンダの内部に形成される混合気の均一性が確保される。
【0011】
また、本発明においては、上記燃料ガス噴射ポートは、上記シリンダの内周面に沿う周方向に間隔をあけて複数設けられており、上記開閉部駆動制御装置は、上記開放状態となる上記燃料ガス噴射ポートが上記周方向において等間隔の位置関係を有するように上記制御を行うという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、開放状態にある燃料ガス噴射ポートの数を減じた場合であっても、シリンダの内周面から周方向において常に等間隔で燃料ガスが噴射されるため、シリンダの内部に形成される混合気の均一性が確保される。
【発明の効果】
【0012】
したがって、本発明によれば、高い圧力をかけずにシリンダの内部に燃料ガスを直噴でき、且つ、負荷変動によっても均一な混合気を形成できる2サイクルエンジンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態における2サイクルエンジンの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における燃料ガス噴射ポートの配置及び燃料噴射制御装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態におけるガス噴射弁の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における2サイクルエンジンの燃料噴射動作を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態における2サイクルエンジンのクランク角度と各ポートの開放度(リフト量、開口面積等)との対応関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態における2サイクルエンジンにおいて負荷変動が生じた場合の各燃料ガス噴射ポートの状態について説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態における2サイクルエンジンにおいて負荷変動が生じた場合の各ガス噴射弁の弁リフト量と時間との対応関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態における2サイクルエンジンの全体構成を示す図である。
本実施形態の2サイクルエンジンは、例えば船舶等に設けられる大型のユニフロー型2サイクルガスエンジンであり、LNG(液化天然ガス)を燃料とする。同図における符号1は、エンジン本体であり、シリンダ2の内部において、不図示のクランク機構に連結されたピストン3が往復移動する構成となっている。なお、ピストン3としては、ストロークが長いクロスヘッド型ピストンを採用している。
【0015】
シリンダ2の上部(長さ方向一端側)には、パイロット噴射弁5及び排気ポート6が設けられている。排気ポート6は、ピストン3の上死点近傍であって、シリンダヘッド4aの頂部において開口している。排気ポート6は、排気弁7を有する。排気弁7は、排気弁駆動装置8によって所定のタイミングで上下動し、排気ポート6を開閉させる構成となっている。排気ポート6を介して排気された排気ガスは、例えば、不図示の排気主管を通って外部に排気される。
【0016】
シリンダ2の下部(長さ方向他端側)には、掃気ポート9が設けられている。掃気ポート9は、ピストン3の往復移動によって所定のタイミングで開閉する構成となっている。掃気ポート9は、ピストン3の下死点近傍であって、シリンダライナ4bの側部において開口している。掃気ポート9は、筐体10によって形成された空間11に囲まれている。筐体10には、掃気チャンバ12が接続されている。掃気チャンバ12には、例えば、不図示の空気冷却器を通過した空気が圧送されてくる構成となっている。
【0017】
シリンダ2の中腹部(中間部)には、燃料ガス噴射ポート13が設けられている。燃料ガス噴射ポート13は、排気ポート6と掃気ポート9との間においてシリンダ2の内部(燃焼室)に、LNGをガス化した燃料ガスを噴射する構成となっている。燃料ガス噴射ポート13は、シリンダライナ4bの周方向に間隔をあけて複数設けられ、それぞれがガス噴射弁(開閉部)14を有する。ガス噴射弁14は、燃料噴射制御装置(開閉部駆動制御装置)15からの指令を受け、燃料ガス噴射ポート13を開放あるいは閉塞させ、燃料ガスの噴射、噴射停止を行う構成となっている。なお、燃料ガス噴射ポート13は、2サイクルエンジンの最大負荷が確保されるガス量を噴射できるように、その噴口の大きさと数が決定されている。
【0018】
図2は、本発明の実施形態における燃料ガス噴射ポート13の配置及び燃料噴射制御装置15の構成を示す図である。図3は、本発明の実施形態におけるガス噴射弁14の構成を示す図である。
図2に示すように、燃料ガス噴射ポート13は、シリンダ2の内周面に沿う周方向に間隔をあけて複数設けられている。本実施形態では、燃料ガス噴射ポート13が計8つ(燃料ガス噴射ポート13A〜13H)で設けられ、シリンダ2の内周面に沿う周方向において等間隔(45°間隔)で配置されている。ガス噴射弁14は、複数の燃料ガス噴射ポート13A〜13Hのそれぞれに対応して設けられ、本実施形態では計8つ(ガス噴射弁14A〜14H)で設けられている。
【0019】
図3に示すように、本実施形態のガス噴射弁14は、油圧式のポペットバルブ構造を採用している。なお、ガス噴射弁14としては、他の構造、例えばニードルバルブ構造等を採用しても良い。
ガス噴射弁14の開動作は、本体20に形成された作動油圧孔21より油圧を与えて、ピストン22を動かし、コイルバネ23の付勢に抗して弁24を開くことにより行う。弁24が開くと、燃料ガス噴射ポート13が開放され、ガス通路25に圧送されてくる燃料ガスがシリンダ2の内部に噴射される。
【0020】
一方、ガス噴射弁14の閉動作は、作動油圧孔21における作動油圧を取り去り、コイルバネ23の付勢によりピストン22を押し返し、弁24を閉じることより行う。弁24が閉じると、弁座シート部26及び弁フェイス27によって燃料ガスはシールされるため、燃料ガス噴射ポート13が閉塞され、ガス通路25に圧送されてくる燃料ガスがシリンダ2の内部に噴射されなくなる。
なお、符号28は、ピストン22がある程度移動すると開口する作動油戻孔であり、符号29は、コイルバネ23側にリークした作動油を回収するリーク油回収孔である。
【0021】
図2に戻り、燃料噴射制御装置15は、ガス噴射弁14A〜14Hの駆動をそれぞれ独立して制御する構成となっている。本実施形態の燃料噴射制御装置15は、ガス噴射弁14A〜14Hに作動油Xを供給する作動油供給配管系30に設けられた複数の電磁弁31とそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態の電磁弁31は、複数のガス噴射弁14A〜14Hのそれぞれに対応して設けられ、本実施形態では不図示であるが計8つで設けられている。
【0022】
作動油供給配管系30は、油圧ポンプ30aを電動機30bで駆動させることで、作動油Xを圧送する構成となっている。作動油供給配管系30は、ガス噴射弁14A〜14Hに作動油Xを分岐して供給する作動油供給配管33aと、ガス噴射弁14A〜14Hに分岐して供給された作動油Xを合流して回収する作動油回収配管33bとを有する。ガス噴射弁14A〜14Hにはそれぞれ、作動油圧孔21に接続された作動油圧孔接続配管33cと、作動油戻孔28に接続された作動油戻孔接続配管33dとが設けられている。
【0023】
電磁弁31は、作動油供給配管33aを作動油圧孔接続配管33cに接続させると共に作動油回収配管33bを作動油戻孔接続配管33dに接続させる第1モードと、作動油供給配管33aを非接続状態とさせると共に作動油回収配管33bを作動油圧孔接続配管33cと作動油戻孔接続配管33dとに接続させる第2モードと、に切り替え可能に構成されている。
【0024】
したがって、電磁弁31が第1モードのときは、作動油Xが作動油供給配管33aから作動油圧孔接続配管33cに作動油Xが供給され、ガス噴射弁14が開動作を行い、燃料ガス噴射ポート13が開放されて、燃料ガスが噴射する。また、電磁弁31が第2モードのときは、作動油Xが作動油圧孔接続配管33cに供給されず、ガス噴射弁14が閉動作を行い、燃料ガス噴射ポート13が閉塞されて、燃料ガスの噴射が停止する。
【0025】
図1に戻り、燃料噴射制御装置15は、ガバナー(調速機)16から燃料ガス噴射量に関する指令が入力される構成となっている。ガバナー16は、入力されたエンジン出力指令値と、不図示のクランク機構に設けられたロータリエンコーダ17からのエンジン回転数信号とに基づいて、シリンダ2の内部に噴射すべき単位時間当たりの燃料ガス噴射量(エンジンの1サイクル当りの燃料ガス噴射量)を出力する構成となっている。また、ロータリエンコーダ17において検出されたクランク角度信号は、燃料噴射制御装置15及びエンジン制御装置18に入力される。
【0026】
エンジン制御装置18は、クランク角度信号に基づいて、排気弁駆動装置8に排気弁操作信号を出力する構成となっている。また、エンジン制御装置18と燃料噴射制御装置15との相互間においては、排気弁開閉タイミング信号を含む所定の情報のやりとりが行われる。そして、燃料噴射制御装置15は、上記入力に基づき、所定の燃料ガス噴射量を、所定のタイミングで、シリンダ2内に、燃料ガスを噴射させる構成となっている。
【0027】
次に、図4及び図5を参照して、燃料噴射制御装置15の制御の下に行われる燃料噴射動作について説明する。
図4は、本発明の実施形態における2サイクルエンジンの燃料噴射動作を説明するための図である。図5は、本発明の実施形態における2サイクルエンジンのクランク角度と各ポートの開放度(リフト量、開口面積等)との対応関係を示すグラフである。なお、図4中、符号Aは、排気ガス層を示し、符号Bは、吸入新気層を示し、符号Cは、燃料ガスと空気が混合した予混合気層を示す。
【0028】
図4(a)は、燃焼後の膨張行程を示す。この時、排気ポート6及び掃気ポート9は閉塞されており、シリンダ2の内部が排気ガス層Aで満たされている。
図4(a)から、さらにピストン3が下がり、クランク角度が所定角度に達すると、エンジン制御装置18によって排気弁駆動装置8が駆動し、排気弁7が下がり、排気ポート6が開放される(ステップS1:図4(b)及び図5参照)。
【0029】
図4(b)から、またさらにピストン3が下がり、クランク角度が所定角度に達すると、ピストン3により閉塞されていた掃気ポート9が開放される(ステップS2:図4(c)及び図5参照)。そして、ピストン3が下死点に達するときには、完全に掃気ポート9が開放される(図4(d)参照)。
吸気は、排気ポート6及び掃気ポート9が開いたステップS2から開始される。そして、掃気ポート9からシリンダ2の内部に吸入された吸入新気層Bは、排気ガス層Aを押し上げつつ、シリンダ2の内部を下方から上方に向けて満たして行く。
【0030】
吸入新気層Bが、燃料ガス噴射ポート13が設けられた燃料噴射位置に達した後、燃料噴射制御装置15によってガス噴射弁14が駆動し、燃料ガス噴射ポート13からの、燃料ガスの噴射が開始される(図4(e)及び図5参照)。
この時、排気ポート6及び掃気ポート9が開放されて排気中であるため、シリンダ2の内部は、低圧である。したがって、燃料ガス噴射ポート13からは、圧縮中における圧力よりも低圧で、燃料ガスをシリンダ2の内部に噴射することができる。このため、高出力の昇圧装置を設けずとも、燃料ガスを燃焼室内に噴射することが可能となる。
【0031】
本実施形態では、燃料噴射タイミングを、掃気ポート9からシリンダ2の内部に吸入された吸入新気層Bが燃料ガス噴射ポート13の燃料噴射位置に達した後となるように制御している。吸入新気層Bが燃料ガス噴射ポート13の燃料噴射位置に達した後であれば、ユニフロー(単流)であることも相俟って吸入新気層Bが排気ガス層Aを押し出すので、噴射された燃料ガスが、シリンダ2の内部に一部残存している高温の排気ガスに接触してしまうことを回避できる。このため、過早着火を予防し、エンジン駆動の安定化を図ることができる。
【0032】
さらに、本実施形態では、燃料噴射タイミングを、吸入新気層Bが燃料噴射位置に達した後で、且つ、排気ガス層Aと燃料噴射位置との間に吸入新気層Bを形成させるための遅れ時間が経過した後に、設定している。この遅れ時間によって排気ガス層Aと燃料噴射位置との間に形成された吸入新気層Bは、排気ガス層Aと予混合気層Cとの間に介在し、両者の接触を防止する(図4(e)参照)。具体的な作用としては、燃料ガス噴射ポート13から燃料ガスが所定幅で噴射・拡散しても、介在する吸入新気層Bによって、排気ガス層Aとの接触を阻止することができる。さらに、両者間に吸入新気層Bを介在させることによって、排気ガス層Aの界面の揺らぎによる燃料噴射位置への侵入に伴う予期せぬ過早着火を予防することができる。したがって、この遅れ時間によって、排気ガス層Aと予混合気層Cとの間に吸入新気層Bを介在させることによって、より確実に過早着火を予防することができる。
【0033】
なお、シリンダ2の内部において吸入新気層Bが、排気ガス層Aを押し出しつつどの位置まで達したかは、排気ポート6の開放度(リフト量)及び掃気ポート9の開放度(開口面積)の少なくともいずれか一方に基づいて推定できる。本実施形態では、掃気ポート9の開放度は、ピストン3の位置、すなわち、クランク角度により一に定まるので、排気ポート6の開放タイミングに基づいて、燃料噴射タイミングを設定している(図5参照)。排気ポート6の開放タイミングは排気弁駆動装置8により可変であり、エンジンの負荷に応じて、掃気ポート9の開放タイミングと前後する場合がある。この理由からも、本実施形態では、排気ポート6の開放タイミングに基づいて、燃料噴射タイミングを設定している。
【0034】
ピストン3が下死点を過ぎて上昇し始めると、掃気ポート9が閉塞され始める(図4(f)参照)。この時、燃料噴射は、継続されており、排気ガス層Aとの間に吸入新気層Bが介在した状態で、予混合気層Cがシリンダ2の内部を満たして行く。
図4(f)から、さらにピストン3が上がり、クランク角度が所定角度に達すると、開放されていた掃気ポート9がピストン3により閉塞される(ステップS3:図4(g)及び図5参照)。この時、排気ポート6は、未だ閉塞されていないので、低圧での燃料噴射は継続される。
【0035】
図4(g)から、またさらにピストン3が上がり、クランク角度が所定角度に達すると、排気弁7が上がりきり、排気ポート6が閉塞され、排気が完了する(ステップS4:図4(h)及び図5参照)。この時、排気ガス層Aの殆どすべてが排気されることとなるが、本実施形態では、排気ガス層Aと予混合気層Cとの間に吸入新気層Bを介在させているので余裕が生まれ、介在した吸入新気層Bの一部が吹き抜けた状態での排気ポート6の閉塞が可能となる。これにより、排気ガス層Aの殆どすべてを排気しつつ、予混合気層Cの吹き抜けを防ぐことができる。
【0036】
圧縮は、排気ポート6及び掃気ポート9が閉じたステップS4から開始される。燃料噴射は、燃焼室の圧力が高くなる前の圧縮行程前半まで継続する。もっとも、昇圧装置の性能限界の圧力に達する前には、燃料噴射を終了させる。少なくとも、ピストン3が、燃料噴射位置に達する前、すなわち、シリンダ2の中腹部に達する前には、燃料噴射制御装置15によってガス噴射弁14が閉じられて、燃料噴射が終了する(図4(i)参照)。
その後、ピストン3が上死点まで達し、予混合気層Cが圧縮されると、着火が行われ、燃焼により生じた排気ガスが、ピストン3を押し下げて、図4(a)の状態に戻る。
以上により、エンジンの1サイクルにおける燃料噴射動作が終了する。
【0037】
続いて、図6及び図7を参照して、上記2サイクルエンジンにおいて負荷変動が生じた場合に、燃料噴射制御装置15の制御の下に行われるガス噴射弁14A〜14Hの動作について説明する。
図6は、本発明の実施形態における2サイクルエンジンにおいて負荷変動が生じた場合の各燃料ガス噴射ポート13の状態について説明するための図である。図7は、本発明の実施形態における2サイクルエンジンにおいて負荷変動が生じた場合の各ガス噴射弁14の弁リフト量と時間との対応関係を示すグラフである。なお、図6(a)〜(c)と図7(a)〜(c)とはそれぞれ対応しており、図6(a)及び図7(a)は高負荷時を示し、図6(b)及び図7(b)は部分負荷時(中負荷時)を示し、図6(c)及び図7(c)は低負荷時を示す。
【0038】
図6(a)に示す高負荷時(例えば最大負荷の70%〜80%程度の通常運転時の負荷)、燃料噴射制御装置15は、当該高負荷時におけるシリンダ2の内部に噴射すべき単位時間当りの所定の燃料ガス噴射量(第1燃料ガス噴射量)に基づいて、複数のガス噴射弁14の駆動をそれぞれ独立して制御する。本実施形態の燃料噴射制御装置15は、高負荷時、全てのガス噴射弁14A〜14Hを駆動させて、対応する全ての燃料ガス噴射ポート13A〜13Hにおいて上述のタイミングでの燃料噴射動作が可能な開放状態とさせる制御を行う。
【0039】
図7(a)に示すように、負荷に対する燃料ガス噴射量は、通常、1サイクル当りのガス弁噴射時間Tで制御される。ガス弁噴射時間Tには、弁全開時間tと、弁開時間tと、弁閉時間tとが含まれる。すなわち、ガス噴射弁14の開閉動作は、所定の質量を持つ弁24の動きで行われるため、ガス弁噴射時間Tには、ガス流量が不十分で、十分なペネトレーション(燃料ガス噴出長さ)が確保できない弁開時間tと弁閉時間tとが含まれる。したがって、混合気(予混合気層C)の均一性を確保する上では、十分なペネトレーションが確保できる弁全開時間tが長いほど好ましい。
【0040】
図6(b)に示す部分負荷時(ここでは、高負荷時を100%とするとその50%の負荷時を意味する)、燃料噴射制御装置15は、当該部分負荷時における燃料ガス噴射量に基づいて、複数のガス噴射弁14の駆動をそれぞれ独立して制御する。本実施形態の燃料噴射制御装置15は、部分負荷時、ガス噴射弁14A、14C、14E、14Gを駆動させて、対応する燃料ガス噴射ポート13A、13C、13E、13Gにおいて上述のタイミングでの燃料噴射動作が可能な開放状態とさせる制御を行う一方で、ガス噴射弁14B、14D、14F、14Hの駆動を停止させて、対応する燃料ガス噴射ポート13B、13D、13F、13Hにおいて上述のタイミングでの燃料噴射動作が不可な閉塞状態とさせる制御を行う。
【0041】
図7(b)に示すように、負荷変動が生じた場合でも、弁開時間tと弁閉時間tとは、ガス弁噴射時間Tの長さにかかわらず同じである。ここで、高負荷(100%)から部分負荷(50%)にエンジンの負荷が変動すると、それに伴い燃料ガス噴射量も第1燃料ガス噴射量(100%)から第2燃料ガス噴射量(50%)に変化する。このため、高負荷時と同様に、全てのガス噴射弁14A〜14Hを駆動させて、対応する全ての燃料ガス噴射ポート13A〜13Hを開放状態とした場合のガス弁噴射時間T(図7(b)において点線で示す)は、高負荷時と比べて相対的に短くなる。
【0042】
そうすると、部分負荷時では、ガス弁噴射時間Tにおける弁開時間t及び弁閉時間tが占める割合が大きくなり、十分な混合時間(弁全開時間t)が確保できず、均一な混合気を形成することが困難となる。一方で、ガス弁噴射時間Tを確保しようとして、燃料ガス供給圧力を小さくする等して、燃料ガス噴射ポート13の一つ当りの燃料ガス噴射量(ガス流量)を減少させると、燃料ガスの勢いが衰えペネトレーションが短く(例えば半分に)なり、シリンダ2の内周面近傍の燃料ガス濃度が大きく、シリンダ2の中心部の燃料ガス濃度が小さくなる等、燃料ガスの濃淡分布が大きくなって、同様に、均一混合気を形成することが困難となる。また、本実施形態では、図4に示すように排気が完了する前、すなわち、空気の流れがある中で燃料ガスの噴射を開始することから、安定燃焼のためには、均一な混合気の形成がより重要となる。
【0043】
そこで、本実施形態では、燃料噴射制御装置15によって、燃料ガス負荷変動が生じた場合には、その燃料ガス噴射量に基づいて、上述のタイミングでの燃料噴射動作を行う燃料ガス噴射ポート13の数を減ずるように制御することとしている。これにより、燃料ガス噴射ポート13のガス弁噴射時間T´(図7(b)において実線で示す)を出来るだけ長くして、しかも全体としての燃料ガス噴射量を減少させることができる。また、開放状態となる燃料ガス噴射ポート13の数を減ずることにより、燃料ガス噴射ポート13の一つ当りの燃料ガス噴射量を増加(確保)させることができる。したがって、燃料ガス噴射量が少なくなった場合でも、ペネトレーションの長さ及びその長さを維持できる弁全開時間t´を十分に確保することができ、結果、均一な混合気を得ることができる。
【0044】
また、図6(c)に示す低負荷時(ここでは、高負荷時を100%とするとその25%の負荷時を意味する)、燃料噴射制御装置15は、当該低負荷時における燃料ガス噴射量に基づいて、複数のガス噴射弁14の駆動をそれぞれ独立して制御する。本実施形態の燃料噴射制御装置15は、低負荷時、ガス噴射弁14A、14Eを駆動させて、対応する燃料ガス噴射ポート13A、13Eにおいて上述のタイミングでの燃料噴射動作が可能な開放状態とさせる制御を行う一方で、ガス噴射弁14B、14C、14D、14F、14G、14Hの駆動を停止させて、対応する燃料ガス噴射ポート13B、13C、13D、13F、13G、13Hにおいて上述のタイミングでの燃料噴射動作が不可な閉塞状態とさせる制御を行う。
【0045】
高負荷(100%)から低負荷(25%)にエンジンの負荷が変動すると、それに伴い燃料ガス噴射量も第1燃料ガス噴射量(100%)から第2燃料ガス噴射量(25%)に変化する。この低負荷時においても、部分負荷時と同様に、燃料噴射制御装置15によって、その燃料ガス噴射量に基づいて、上述のタイミングでの燃料噴射動作を行う燃料ガス噴射ポート13の数を減ずるように制御することによって、図7(c)に示すように、燃料ガス噴射ポート13のガス弁噴射時間T´´を出来るだけ長くして、しかも全体としての燃料ガス噴射量を減少させることができる。また、ペネトレーションの長さ及びその長さを維持できる弁全開時間t´´を十分に確保することができ、結果、均一な混合気を得ることができる。
【0046】
本実施形態の燃料噴射制御装置15は、図6(b)及び図6(c)に示すように、燃料ガス噴射量が第1燃料ガス噴射量から該第1燃料ガス噴射量と異なる第2燃料ガス噴射量に変化したときに、その変化の比率に応じた数で、燃料ガス噴射ポート13を開放状態とさせるよう制御を行う構成となっている。すなわち、図6(b)に示す部分負荷時には、第1燃料ガス噴射量(100%)から第2燃料ガス噴射量(50%)に変化するが、その変化の比率(2分の1)に応じた数である4つ(8つの2分の1)の燃料ガス噴射ポート13を開放状態とさせるよう制御を行う。また、図6(c)に示す低負荷時には、第1燃料ガス噴射量(100%)から第2燃料ガス噴射量(25%)に変化するが、その変化の比率(4分の1)に応じた数である2つ(8つの4分の1)の燃料ガス噴射ポート13を開放状態とさせるよう制御を行う。
【0047】
この構成によれば、燃料ガス噴射量の変化の比率に応じた数で燃料ガス噴射ポート13が開放状態となるため、燃料ガス噴射ポート13の一つ当りのペネトレーションが負荷の高低やガス量の大小に左右されずに略同一となり、シリンダ2の内部に形成される混合気の均一性が確保される。すなわち、各燃料ガス噴射ポート13が上流側で合流等しており、所定の燃料ガス供給圧力を共通して受けている場合、部分負荷時には燃料ガス噴射量と共に燃料ガス供給圧力も小さく(例えば2分の1に)なるが、その変化の比率に応じて開放状態となる燃料ガス噴射ポート13の数が2分の1になることから、閉塞状態となる燃料ガス噴射ポート13の分の圧力が、開放状態となる燃料ガス噴射ポート13の圧力に加算され、燃料ガス噴射ポート13の一つ当りの圧力が確保されるので、ペネトレーションが負荷の高低やガス量の大小に左右されず略同一に維持されることとなる。
【0048】
また、本実施形態の燃料噴射制御装置15は、図6(b)及び図6(c)に示すように、開放状態となる燃料ガス噴射ポート13の数を減じた場合であっても、当該開放状態となる燃料ガス噴射ポート13がシリンダ2の内周面の周方向において等間隔の位置関係を有するよう制御を行う構成となっている。すなわち、図6(b)に示す部分負荷時には、燃料ガス噴射ポート13を、一つ置きの90°間隔で開放状態とさせるよう制御を行う。また、図6(c)に示す低負荷時には、燃料ガス噴射ポート13を、三つ置きの180°間隔で開放状態とさせるよう制御を行う。
この構成によれば、シリンダ2の内周面から周方向において常に等間隔で燃料ガスが噴射されるため、負荷変動によって開放状態にある燃料ガス噴射ポート13の数を減じた場合であっても、シリンダ2の内部に形成される混合気の均一性を確保することができる。
【0049】
したがって、上述の本実施形態によれば、シリンダ2の上部において開閉する排気ポート6と、シリンダ2の下部において開閉する掃気ポート9と、排気ポート6と掃気ポート9との間において、排気ポート6からシリンダ2の内部の排気ガスの排気が完了する前に、シリンダ2の内部への燃料ガスの噴射を開始する燃料ガス噴射ポート13と、を有し、燃料ガス噴射ポート13は、複数設けられており、複数の燃料ガス噴射ポート13のそれぞれに対応して設けられ、該対応する燃料ガス噴射ポート13において上記噴射が可能な開放状態あるいは上記噴射が不可な閉塞状態とさせる複数のガス噴射弁14と、シリンダ2の内部に噴射すべき単位時間当たりの燃料ガス噴射量に基づいて、複数のガス噴射弁14の駆動をそれぞれ独立して制御する燃料噴射制御装置15と、を有するユニフロー型2サイクルガスエンジンを採用することによって、シリンダ2の内部における排気ガスの排気が完了する前の低圧状態で、燃料ガスの噴射を開始させて、従来よりも低圧で、燃料ガスを燃焼室内に噴射させると共に、部分負荷時や低負荷時等、燃料ガス噴射量が少ない場合でも、ペネトレーション長さ及びその長さを維持できる時間を十分に確保して、均一な混合気を得ることができる。
したがって、本実施形態によれば、高い圧力をかけずにシリンダ2の内部に燃料ガスを直噴でき、且つ、負荷変動によっても均一な混合気を形成できるユニフロー型2サイクルガスエンジンが得られる。
【0050】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0051】
例えば、上述のタイミングでの燃料噴射動作を実行させる燃料噴射制御系と、上述のタイミングでの燃料噴射動作を可能あるいは不可とさせる開閉部駆動制御系とを別個に分けて設けてもよいが、上記実施形態のように、開閉部をガス噴射弁14とし、開閉部駆動制御装置を燃料噴射制御装置15として、燃料噴射制御系と開閉部駆動制御系とを装置構成として共通化することにより、装置構成の簡略化、部品点数の削減等を図ることができる。
【0052】
また、例えば、上記実施形態では、燃料噴射制御装置15が、排気ポート6の開放度に基づいて、燃料ガス噴射ポート13の開閉制御を行う構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば、燃料噴射制御装置15が、掃気ポート9の開放度に基づいて、燃料ガス噴射ポート13の開閉制御を行う構成であっても良いし、また、排気ポート6及び掃気ポート9の開放度に基づいて、燃料ガス噴射ポート13の開閉制御を行う構成であっても良い。
【0053】
また、吸入新気層Bが、排気ガス層Aを押し出しつつどの位置まで達したかは、開きタイミングの遅い方の開放度に依存する度合いが高いので、燃料噴射制御装置15が、排気ポート6及び掃気ポート9のうち、開きタイミングの遅い方の開放度に基づいて、燃料ガス噴射ポート13の開閉制御を行う構成であっても良い。
また、排気ポート6及び掃気ポート9の開放度は、クランク角度に依存するので、燃料噴射制御装置15が、クランク角度に基づいて燃料ガス噴射ポート13の開閉制御を行う構成であっても良い。
【0054】
また、例えば、上記実施形態では、LNGを用いたガス燃料を噴射する形態について説明したが、本発明は他のガス燃料、例えばLPG(液化石油ガス)等を用いる形態についても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
2…シリンダ、6…排気ポート、9…掃気ポート、13…燃料ガス噴射ポート、14…ガス噴射弁(開閉部)、15…燃料噴射制御装置(開閉部駆動制御装置)、30…作動油供給配管系、31…電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダの長さ方向一端側において開閉する排気ポートと、
前記シリンダの長さ方向他端側において開閉する掃気ポートと、
前記排気ポートと前記掃気ポートとの間において、前記排気ポートから前記シリンダの内部の排気ガスの排気が完了する前に、前記シリンダの内部への燃料ガスの噴射を開始する燃料ガス噴射ポートと、を有し、
前記燃料ガス噴射ポートは、複数設けられており、
前記複数の燃料ガス噴射ポートのそれぞれに対応して設けられ、該対応する燃料ガス噴射ポートにおいて前記噴射が可能な開放状態あるいは前記噴射が不可な閉塞状態とさせる複数の開閉部と、
前記シリンダの内部に噴射すべき単位時間当たりの燃料ガス噴射量に基づいて、前記複数の開閉部の駆動をそれぞれ独立して制御する開閉部駆動制御装置と、
を有することを特徴とする2サイクルエンジン。
【請求項2】
前記開閉部駆動制御装置は、前記燃料ガス噴射量が第1燃料ガス噴射量から該第1燃料ガス噴射量と異なる第2燃料ガス噴射量に変化したときに、その変化の比率に応じた数で前記燃料ガス噴射ポートを前記開放状態とさせるよう前記制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の2サイクルエンジン。
【請求項3】
前記燃料ガス噴射ポートは、前記シリンダの内周面に沿う周方向に間隔をあけて複数設けられており、
前記開閉部駆動制御装置は、前記開放状態となる前記燃料ガス噴射ポートが前記周方向において等間隔の位置関係を有するように前記制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の2サイクルエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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