APD測定装置
【課題】全測定結果データをグラフ表示画面上に表示させる。
【解決手段】APD測定装置は、レベル検出部200、APD部300、記憶部400、表示部600、操作部700、表示制御部500を備える。表示制御部500は、記憶部400に所定タイミングでアクセスして得られた最新の記憶部400の記憶内容に基づいて、周波数、振幅、振幅確率及び時間のうち、2つ又は3つを次元とする座標に残りの1つをパラメータとするグラフを表示部600に表示させる。その際、測定チャネル又は測定時間の全てのAPD測定結果は、予め設定された測定チャネル数又は測定時間ごとのAPD測定結果の平均処理又は間引き処理により表示部600の表示ポイント数に制限されたグラフとして表示部600に表示される。
【解決手段】APD測定装置は、レベル検出部200、APD部300、記憶部400、表示部600、操作部700、表示制御部500を備える。表示制御部500は、記憶部400に所定タイミングでアクセスして得られた最新の記憶部400の記憶内容に基づいて、周波数、振幅、振幅確率及び時間のうち、2つ又は3つを次元とする座標に残りの1つをパラメータとするグラフを表示部600に表示させる。その際、測定チャネル又は測定時間の全てのAPD測定結果は、予め設定された測定チャネル数又は測定時間ごとのAPD測定結果の平均処理又は間引き処理により表示部600の表示ポイント数に制限されたグラフとして表示部600に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号の周波数成分を分析し、各周波数成分の大きさが所定時間中に所定の閾値を超える確率(振幅確率分布、或いは、単に時間率と言われる。以下「APD」と言う。)を測定するAPD測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
APD測定技術は従来からあり、例えば、APDを高い振幅分解能と時間分解能で測定する特許文献1の技術があり、それをスペクトラムアナライザ等へ適用し、種々の表示を試みた例として特許文献2の技術がある。
【0003】
一方、最近、通信方式により、所定複数周波数成分のAPDを並列に同時に測定する必要性が要求されている。例えば、非特許文献1に記載のように、地上デジタル放送の規格は電波産業会(ARIB)によってARIB標準規格として、OFDM方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex Operation Mode)による変調方式が定められている。そして、このOFDM方式では、伝送データを所定の帯域に数千本の低速データに分けて、デジタル変調を行う。例えば、その所定の帯域が約5.6MHzであり、伝送データを約1kHzの搬送波(キャリア)単位で分けて、計5、600本に分けてデジタル変調している。
【0004】
したがって、OFDM方式におけるAPD測定は、信号成分を約1kHz毎に周波数分析して、各周波数成分のAPDを並列に測定することが望まれる。また、特許文献1,2に記載のAPDで並列に測定可能である。
【0005】
APDの表示については、特許文献2では確率分布を確率の範囲毎に帯表示させることにより、分布を視認しやすいように識別して表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3156152号公報
【特許文献2】特許第3374154号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】東芝レビューVOL.58 No.12(2003年)、p.2〜6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したOFDM方式のような稠密な周波数帯にわたる膨大なチャネル数を有する通信環境下の測定においては、多数の通信チャネル内の振幅変化を時々刻々同時に測定し、広いレベル範囲で現象をつぶさに把握する多チャネル同時APD測定が有効な手段である。
【0009】
この多チャネル同時APD測定では、測定信号の統計的傾向を有効的に分析するために、同時測定している測定チャネル(測定周波数成分)のAPD測定結果をできるだけ多く同時表示させること、そして測定時間全体についてのAPD時間変動も表示できることが望ましい。
【0010】
多チャネル同時APD測定結果は、測定対象となる信号の周波数/発生時間/振幅レベル/APDの4つの属性を組み合わせた複数種類のグラフ表示によって、測定信号の各属性間の因果関係を容易に分析することができる。
【0011】
しかしながら、測定チャネルや測定時間が増加するに従い、測定結果をグラフ表示する画面(グラフ表示エリア)上の表示ポイント数(表示画素数)の制約により、全測定結果データを表示させることが困難になってくるという問題が生じる。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、全測定結果データをグラフ表示画面上に表示させることができるAPD測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたAPD測定装置は、被測定信号の周波数成分を分析する周波数分析部100と、分析された各周波数成分の振幅をそれぞれ検出するレベル検出部200と、検出された各周波数成分の振幅について単位時間当たりの振幅確率を時間経過毎に求めるAPD部300と、該APD部が出力する各周波数成分の振幅の振幅確率を時間経過に対応して記憶する記憶部400と、表示部600と、操作部700と、前記記憶部に所定タイミングでアクセスして得られた最新の前記記憶部の記憶内容に基づいて、前記周波数、前記振幅、前記振幅確率及び前記時間のうち、2つ又は3つを次元とする座標に残りの1つをパラメータとするグラフを前記表示部に表示させる表示制御部500とを備えたAPD測定装置であって、
前記表示制御部は、測定チャネル又は測定時間の全てのAPD測定結果を、予め設定された測定チャネル数又は測定時間ごとのAPD測定結果の平均処理又は間引き処理により前記表示部の表示ポイント数に制限したグラフとして前記表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を平均処理したAPD平均値を各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数の測定チャネル毎又は測定時間毎のAPD測定結果を各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電力平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電圧平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク対平均電力比が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0022】
請求項10に記載されたAPD測定装置は、請求項1〜9の何れかに記載されたAPD測定装置において、
前記表示部600に表示されているグラフ上の2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値として指定する指定マーカを表示させる指定マーカ生成部520を備え、
前記表示制御部500は、前記指定マーカ生成部にて表示される前記指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を前記表示部に数値表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、全測定結果データの中から、注目したい条件項目(例えば、平均値、任意のAPD値、ピークレベル値など)を用いて、全測定結果データをグラフ表示画面上の表示ポイント数に制限して表示させることができる。
【0024】
また、取得した全測定結果データは、記憶部に保持されているので、グラフ表示上では制限して表示しているが、指定マーカ生成部にて表示される指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を表示部に数値表示するので、指定マーカが指示する箇所の全てのAPD測定結果は目視で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るAPD測定装置の実施形態の機能構成を示す図である。
【図2】本実施形態における表示するグラフの態様及びその切り替え態様を説明するための図である。
【図3】時間が特定値に固定で、周波数を横軸とし振幅確率(APD)を縦軸とする座標上に振幅(レベル)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図4】時間が特定値に固定で、周波数を横軸としレベルを縦軸とする座標上に振幅確率(APD)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図5】振幅(レベル)範囲が特定値に固定で、周波数を横軸とし時間を縦軸とする座標上に振幅確率(APD)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図6】振幅確率(APD)範囲が特定値に固定で、周波数を横軸とし時間を縦軸とする座標上に振幅(レベル)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図7】周波数毎(周波数がパラメータ)にレベル範囲が特定値に固定で、時間を横軸とし振幅確率(APD)を縦軸とする座標のグラフの表示例を示す図である。
【図8】周波数毎(周波数がパラメータ)に振幅確率(APD)範囲が特定値に固定で、時間を横軸とし振幅(レベル)を縦軸とする座標のグラフの表示例を示す図である。
【図9】振幅(レベル)を横軸としAPDを縦軸とする座標上に周波数をパラメータとするレイリー尺のグラフの表示例を示す図である。
【図10】振幅(レベル)を横軸としAPDを縦軸とする座標上に周波数をパラメータとする対数尺のグラフの表示例を示す図である。
【図11】振幅(レベル)範囲を特定値に固定し、周波数を横軸とし振幅確率(APD)を縦軸とし時間を奥行き方向の軸とする3次元座標上に周波数をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図12】振幅(レベル)範囲を特定値に固定し、周波数を横軸とし振幅(レベル)を縦軸とし時間を奥行き方向の軸とする3次元座標上に周波数をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図13】ピークマーカを説明するための図である。
【図14】フルスパン、及び、ゾーンマーカと拡大/縮小を説明するための図である。
【図15】Nmeas>Ndispの場合の平均処理方法の表示例を示す図である。
【図16】Nmeas≦Ndispの場合の平均処理方法の表示例を示す図である。
【図17】間引き処理方法の表示例を示す図である。
【図18】間引き処理方法の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
図1に基づいて、動作順に構成・動作を説明する。
図1において、周波数分析部100は、測定しようとする所望の周波数帯(広帯域)の入力信号を選択し、さらに狭い所望の周波数帯域(狭帯域)に分けて選択するものであって、帯域選択手段110、A/D変換手段120、及び周波数選択手段130で構成される。帯域選択手段110としては、例えば、高周波の通信周波数帯域におけるノイズを測定しようとするなら、いわば特許文献2に示されるようなヘテロダイン方式を採用することができる。つまり、入力信号(ノイズ)を局部発振器でミキシングして低周波数の信号に変換して、ここで所望の周波数帯域(δF)のバンドパスフィルタを用いて必要な周波数帯の周波数成分に制限する。なお、測定対象の信号の周波数帯域が低く、A/D変換手段120が直接に利用できる周波数帯であれば、帯域選択手段110は必ずしも必要ではない。
【0028】
A/D変換手段120は、帯域選択手段110で帯域制限された低周波数の周波数成分(信号)を受け、クロック発生器(不図示)からの周期のクロックで振幅(レベル)幅ΔLの細かさ(この細かさに応じた閾値がある。)で標本化(サンプリング)し、デジタルデータに変換する。後に求められる振幅確率(APD)は、この標本化時のレベル幅ΔLの細かさ毎に求められる。
【0029】
周波数選択手段130は、δFの周波数帯域に亘る低周波信号を受けて、さらにn個(以下、n(数値)チャネル、或いはn(数値)CHということがある。)のバンドパスフィルタ群により更に細かい周波数帯域(δF/n)に切り分ける。例えば、通信回線のチャネルが1kHz毎であれば中心周波数が1kHzづつズレ、かつ周波数帯域がほぼ1kHzのバンドパスフィルタをBPF1〜BPFnのn個を備える。周波数選択手段130は、例えば、フィルタバンクとして、CPUによりソフト的にFFT処理して行える。
【0030】
レベル検出部200は、周波数選択手段130のバンドパスフィルタのそれぞれの出力に対応した振幅、つまり各チャネルの振幅を検出する検波器DET1〜DETnを有し、それぞれチャネルの周波数成分(バンドパスフィルタの中心周波数に該当)の振幅(レベル)を検出する。
【0031】
APD部300は、検波器DET1〜DETnに対応して振幅確率を測定するAPD検出器であるAPD1〜APDn、クロック発生部310、及び範囲分類手段320を備える。APD1〜APDnのそれぞれの構成、動作は、同じであって、検波器DET1〜DETnの出力をLOG変換器で対数変換して振幅の単位を「dB」変換して振幅確率を測定している。振幅確率を測定するAPD検出器であるAPDとしては、ここでは、従来のAPDを採用できる。例えば、特許文献2に記載のAPD、或いは、特願2006−253889号公報に記載のAPDが使用できる。
【0032】
APD1〜APDnは、振幅確率(分布)を測定する。振幅確率は、同じ大きさの入力信号が所定の時間範囲(期間:Δt)内に受ける回数(発生する回数)を表す。入力信号の大きさを区別する細かさは、この例では、A/D変換手段120の細かさΔLと同じである。確率を測定する時間範囲Δtは、クロック発生部310からのコントロールに従う。クロック発生部310は、パルス発生器とタイマーを用いて、例えば時間範囲Δtとして、1sec間隔、10秒間隔、或いは1分間隔(いずれも、これらの時間周期のパルスでも良い。)、等のタイミング信号を発生してAPD1〜APDnに対し、それらの時間範囲内で受ける入力信号の大きさの頻度を測定させることにより、振幅確率を測定させる。操作部700からの指示で制御部800を通してタイマーのカウント時間を変更して時間範囲Δtを変更できる構成にしても良い。
【0033】
範囲分類手段320は、APD1〜APDnがそれぞれ演算して求めた振幅確率の値に応じて、ある範囲に分類する。これは、例えば、1%の分解能で調査しても良いが、その調査目的に応じた分解能で、調査に適切な範囲に分類するために設けた機能である。この実施形態では、操作部700からの指示で振幅確率が0から1%、1%から10%、10%から50%、50%から100%の4段階に分類している。分類の仕方としては、例えば、APD1〜APDnが求めた振幅確率の値と、分類した範囲に相当する複数の閾値とを比較して、比較結果が属する範囲の確率分類識別札を付す。操作部700からの指示で制御部800を通して所望の閾値に変更することにより、分類範囲を変更できる構成にしても良い。なお、APD1〜APDnからは、速ければ、時間範囲Δt毎に、更新された振幅確率値が集計されて出力される。また、範囲分類手段320は、レベル検出部200で検出した各振幅を例えばレベル測定範囲の全範囲が0dBmからー100dBmであれば、20dB間隔に分類して、振幅確率と同様に、振幅分類札を付しておく。
【0034】
記憶部400は、APD1〜APDnから出力される振幅値とその振幅確率値とを時間経過ともに全測定チャネル(測定周波数)数分だけ測定結果データ(APD測定結果)として記憶する。時間経過は、少なくとも、振幅確率を測定するときの時間範囲Δt毎に記憶する。さらに、記憶部400は、範囲分類手段320が分類したときの確率分類識別札を該当する振幅確率値に対応して、振幅分類札を該当する振幅値に対応して、かつ測定した周波数に対応して記憶する。また、振幅値、振幅確率値を取得した時効情報もクロック発生部310から受けて記憶する。なお、上記の範囲分類手段320は、記憶部400の入力側(APD部300側)には無く、出力側(表示制御部500側)に在って、記憶されている振幅確率値又は振幅値が出力されるときに、その振幅確率値又は振幅値がどの分類に属するか判定し、その判定された各分類識別札を添付して出力する構成にしても良い。記憶部400は、表示制御部500からアクセスされて最新の記憶内容を読み出し可能にされている。
【0035】
表示制御部500は表示を実行する手段であって、大きく分けて、次の(I)〜(IV)の要素を備える。つまり、(I)記憶部400からの振幅確率値、振幅値、周波数及び時刻情報を所定タイミングで受けて、操作部700で選択された表示モードにより表示部600の表示ポイント数(表示画素数)に制限するようにデータ処理(後述する平均処理又は間引き処理)を行い、表示部600に表示させるためのグラフを生成するグラフ生成部510、フルスパン制御部512、を備える。(II)表示されているグラフ上にマーカを設定するための手段である、指定マーカ生成部520、ピークサーチ部及びピークマーカ生成部550,ゾーンマーカ生成部560及び拡大/縮小制御部511、及び数値制御部513を備える。(III)操作部700からの指示に基づいて、指示に沿った所望のグラフ等を表示部600に表示するための手段としての画面制御部530を備える。並びに(IV)上記、各表示を行うための共通の座標情報記憶部580及び表示フォーマット記憶部590を備える。表示制御部500は、上記(I)〜(IV)の各機能を表すプログラムと記憶手段とプログラムを実行させて各機能を実現させるCPUで構成される。なお、座標情報記憶部580が記憶している座標情報は、表示されるグラフ、目盛り、各表示欄等の表示画面の位置を特定するのに必要な情報であり、表示フォーマット記憶部590が記憶しているフォーマットは、表示されるグラフ、マーカ、目盛り、各表示欄等のレイアウト及び図形であり、表示制御部500の各要部が、表示させようとしたときに、表示する位置を特定し、特定した位置に該当するフォーマットで表示するために用いられる。以下の、各要素での説明では、この座標やフォーマットについての説明は省略する。
【0036】
グラフ生成部510は、記憶部400に所定タイミングで、例えば、上記した時間範囲Δtの間隔でアクセスして得られた最新の前記記憶内容に基づいて、記憶されている周波数、振幅、振幅確率及び時間のうち、少なくともいずれか2つを次元とする座標に他の1つをパラメータとする第1のグラフを表示部600に表示させる。そして、操作者が注視するデータとして、その表示されているグラフ上の2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値として指定マーカで指定されているとき、操作部700からの切り替え指示を受けて、指定マーカで指定された2つの次元又はパラメータをその特定値に固定したときの、指示を受けた新たな組合せの次元及びパラメータについてのグラフに切り替えて生成する。
【0037】
グラフ生成部510は、2次元のグラフを生成する場合は、周波数、振幅、振幅確率及び時間の各次元のうち、後記する指定マーカ又はピークマーカで、或いはデフォルトとして、指定(或いは特定)された何れかの次元における特定値を固定値とし、記憶部400からその特定値が関与する残りの次元のデータを読み出す。そして、その残りの次元のうちの2つの次元のデータを操作部700から要求されている所望のグラフの横軸(以下、「X軸」と言う。)と縦軸(以下、「Y軸」と言う。)として割りあて、残りの1つの次元のデータをパラメータとしたグラフを生成して表示部600に表示させ、さらに、上記所定タイミングで都度、更新して表示させる処理を行う。3次元のグラフを生成する場合は、特定値が指定された次元以外の残りの次元を3次元として割り当てて生成する。また、グラフ生成部510は、上述した2次元又は3次元のグラフを表示部600に表示するに際して、操作部700により表示モードが選択されると、表示部600の表示ポイント数に合せたデータ処理(平均処理、間引き処理)を行い、表示部600に表示させるためのグラフを生成している。なお、表示モード及びデータ処理については追って詳述する。
【0038】
次の(a)〜(e)においてグラフ生成部510が生成する具体的なグラフ例を説明し、(f)(g)においてグラフの切り替えを説明する。なお、周波数、振幅、振幅確率及び時間の各次元についての処理は、各グラフのいずれも上記した2次元又は3次元のグラフ生成と共通して同じであり、グラフ毎のその説明は割愛する。
【0039】
図2は、表示用のグラフを複数のグループに分け、各グラフ間の切り替えを示す。グラフのグループとしては、図2のようにスペクトラム表示用のグラフ、スペクトログラム表示用のグラフ、チャート表示用のグラフ、函数尺表示用のグラフ、3D表示用のグラフに分かれる。
なお、以下の説明に出てくる各数値は説明上の一例である。
(a)スペクトラム表示のグラフ
このグループのグラフは、周波数に対する振幅又は振幅確率の変化を観察するのに適しており、次の(a−1)APDスペクトラムと(a−2)レベルスペクトラムがある。
(a−1)APDスペクトラム:時間(t)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅確率(APD)とし、振幅範囲(Lv:レベル)をパラメータとするグラフ(表示例は、図3を参照)。図3は、測定時間が79secで観察したときの(固定にしたときの)データであり、そのときのパラメータである振幅範囲の値をー20dBm≦振幅(レベル)、―40dBm≦振幅<―20dBm、―60dBm≦振幅<―40dBm、―80dBm≦振幅<―60dBm、で色分けして表示している。マーカ(MKR)はマルチマーカとして5つ(図3の「▲」印)を入れてあり、いずれも指定マーカ生成部520で生成して表示している。図3では、そのマルチマーカ(MKR)の内の一つ、つまりMKR5が現時点で操作部700から操作されたばかりのマーカである、アクティブマーカMKR5として表示され、その周波数がグラフの左側の直ぐ下に表示されている。各マーカにおける振幅(レベル)、振幅確率(APD)は、下段の表に示している。指定マーカはY軸の10%<APD≦50%の範囲に設定されている。
(a−2)レベルスペクトラム:時間(t)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅(Lv)とし、振幅確率範囲(APD)をパラメータとするグラフ(表示例は、図4を参照)。図4は、図3と同様に測定時間が79secで観察したときのデータであり、そのときのパラメータである振幅確率の値を50%<APD、10%<APD≦50%、1%<APD≦10%、0%<APD≦1%、で色分けして表示している。指定マーカはY軸の―60dBm≦振幅<―40dBmの範囲に設定されている。
【0040】
(b)スペクトログラム表示のグラフ
このグループのグラフは、周波数と時間に対する振幅又は振幅確率の変化を観察するのに適しており、次の(a−1)APDスペクトログラムと(a−2)レベルスペクトログラムがある。
(b−1)APDスペクトログラム:振幅(Lv;レベル)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を時間とし、振幅確率範囲をパラメータとするグラフ(表示例は、図5を参照)。図5は、振幅範囲を―60dBm≦振幅<―40dBmの範囲で観察したときの(固定したときの)データであり、そのときのパラメータである振幅確率の値を50%<APD、10%<APD≦50%、1%<APD≦10%、0%<APD≦1%、で色分けして表示している。そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
(b−2)レベルスペクトログラム:振幅確率範囲(APD)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅(Lv;レベル)とし、振幅範囲をパラメータとするグラフ(表示例は、図6を参照)。図6は、振幅確率範囲を10%<APD≦50%で観察したときの(固定したときの)データであり、そのときのパラメータである振幅範囲の値をー20dBm≦振幅(レベル)、―40dBm≦振幅<―20dBm、―60dBm≦振幅<―40dBm、―80dBm≦振幅<―60dBm、で色分けして表示している。そして、この場合も、指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
【0041】
(c)チャート表示のグラフ
このグループのグラフは、周波数毎に、振幅又は振幅確率の時間経過を観察するのに適しており、次の(c−1)APDチャート及び(c−2)レベルチャートがある。
(c−1)APDチャート:振幅範囲(Lv;レベル)を特定値に固定にし、周波数(f)毎(つまり、周波数がパラメータ)にX軸を時間(t)、Y軸を振幅確率(APD)とするグラフ(表示例は、図7を参照)。図7は、振幅範囲の値を―20dBm≦振幅(レベル)、ー40dBm≦振幅<−20dBm、ー60dBm≦振幅<−40dBm、ー80dBm≦振幅<―60dBmで色分けして表示している。そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
(c−2)レベルチャート:振幅確率範囲(APD)を特定値に固定にし、周波数(f)毎(つまり、周波数がパラメータ)にX軸を時間(t)、Y軸を振幅(Lv)とするグラフ(表示例は、図8を参照)。図8は、振幅確率範囲の値を50%<APD、10%<APD≦50%、1%<APD≦10%、0%<APD≦1%で色分けして表示している。そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
【0042】
(d)函数尺グラフ
このグラフは、振幅と確率が直接にどのような関係にあるかを観察するのに適している。一般には、リニアな座標、或いは一方が対数尺で表示することが多いが、雑音の振幅確率を測定するときは、雑音の発生現象に着目した見方として、レイリー関数尺で表したグラフがある。測定する信号が雑音であるとすると、レイリー分布、正規分布、指数分布、χ2分布等の函数尺があると便利である。函数尺については、本出願人に係る技術であって特許第3374154号公報に記載された技術がある。
【0043】
ここでは、対数尺とレイリー函数尺を準備しているとして説明する。つまり、時間を特定値に固定にし、X軸を振幅(Lv)、Y軸を振幅確率(APD)とし、周波数(f)をパラメータとするグラフであって、少なくとも一方を対数函数とするグラフ、少なくとも一方をレイリー函数とするグラフを生成する(表示例は、図9のレイリー尺グラフ、図10の対数尺グラフを参照)。図9は、時間t=79secで、横軸をレイリー尺の振幅確率とし、縦軸をdBのリニアで振幅を表した例で、指定マーカが振幅確率―60dBm≦振幅<―40dBmの範囲内の位置にある。図10は、時間t=79secで、横軸をdB(対数)のリニアで振幅とし、縦軸を対数尺で振幅確率を表した例で、指定マーカが振幅確率10%<APD≦50%の範囲内の位置にある。
【0044】
(e)3Dグラフ
このグループのグラフは、できるだけ多次元で全体の傾向を観察するのに適しており、次の(e−1)3D−APD及び(e−2)3D―振幅がある。
(e−1)3D−APDグラフ:振幅範囲(Lv;レベル)を特定値に固定にし、3軸のうち、X軸を時間(t)、Y軸を周波数、奥行き方向の軸(以下、「Z軸」と言う。)を振幅確率(APD)とするグラフ(表示例は、図11を参照)。図11は、振幅範囲を―60dBm≦振幅<―40dBmで観察したときの(固定したときの)データであり、そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
(e−2)3D−レベルグラフ:振幅確率範囲(APD)を特定値に固定にし、3軸のうち、X軸を時間(t)、Y軸を周波数(f)、Z軸を振幅(Lv;レベル)とするグラフ(表示例は、図12を参照)。図12は、振幅確率範囲を10%<APD≦50%で観察したときの(固定したときの)データであり、そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
【0045】
上記(a)〜(b)を纏めると次のことが言える。つまり、グラフ生成部510は、先のグラフとして表示部600に前記周波数、前記振幅、前記振幅確率及び前記時間のうち、少なくともいずれか2つを次元とする座標に他の1つをパラメータとするグラフ(第1のグラフ)を表示させているとき、指定マーカ生成部520で、その第1のグラフ上の前記2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値としているときに、操作部700からの指定マーカで指定された前記2つの次元又はパラメータの特定値に固定したときの、新たな組合せの次元及びパラメータについての第2のグラフを生成して表示させる。その時の切り替え先の第2のグラフとしては、周波数、振幅、振幅確率及び時間のうち、特定値を指定された次元又はパラメータとなる1つを除く、3つのうちいずれか2つを次元とする座標上に残りの1つをパラメータとする新たなグラフを生成することになる。
【0046】
(f)グループ間のグラフの切り替え
図2は、グラフ間での切り替えを示す図である。切り替えにあたっては、切り替え元のグラフ上で所望の切り替え先のグラフの特定値を指定マーカで指定し、該当するグラフを指示することにより切り替えられる。
【0047】
つまり、表示部600に表示されるグラフの切り替えは、画面制御部530が操作部700からのグラフ要求指示にしたがって、グラフ生成部510に指示して切り替えさせる。そのとき、画面制御部530は、表示部600に表示されているグラフ上で、指定マーカにより2つの次元又はパラメータにおける特定値(或いは特定の範囲)を特定値として指定されている状態で、操作部700からの切り替え指示を受けたとき、その特定値を指定された2つの次元又はパラメータを特定値に固定したときの、新たな所望の組合せの次元及びパラメータについてのグラフをグラフ生成部510に生成させる。例を、次に説明する。なお、表示したい所望のグラフは、操作部700で、上記(a)から(e)までのグラフ名を選択指示することによって行われる。以下図2及び図3から図12を元に個別の切り替えについて説明する。
【0048】
(f−1)スペクトログラム表示からスペクトラム表示への切り替え
先に図5(又は図6)のグラフが表示されていて指定マーカが時間軸の時間t=79secを特定値と指定して図3(又は図4)に切り替えられたとき、グラフ生成部510は、上記(a)に記載のように、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅確率(又は振幅)とし、時間t=79secを固定し、この時間t=79secにおける振幅及び振幅範囲(又は振幅確率及び振幅確率範囲)を記憶部400から読み出して、読み出した振幅及び振幅範囲(又は振幅確率及び振幅確率範囲)をパラメータとするグラフを生成する。
【0049】
(f−2)スペクトラム表示からスペクトログラム表示への切り替え
先に図3(又は図4)のグラフが表示されていて指定マーカが振幅確率範囲10%<APD≦50%(又は振幅範囲―60dBm≦振幅<―40dBm)を指定しているときに、図5(又は図6)に切り替えられたとき、グラフ生成部510は、上記(a)に記載のように、X軸を周波数(f)、Y軸を時間とし、振幅確率範囲10%<APD≦50%における振幅範囲(又は振幅―60dBm≦振幅<―40dBmにおける振幅確率範囲)を記憶部400から読み出して、読み出した振幅範囲(又は振幅確率範囲)をパラメータとするグラフを生成する。このとき、図5(図6)には、図3(又は図4)における特定値t=79secに該当する位置に、指定マーカが付されている。
【0050】
(f−3)チャート表示とスペクトラム表示間の切り替え
例えば、図7(又は図8)のグラフから特定値t=79secを指定して図3(又は図4)のグラフへ切り替え可能であり、逆に図3(又は図4)のグラフで特定値として、周波数を指定して、図7(又は図8)へのグラフ切り替え可能である。
【0051】
(f−4)チャート表示とスペクトログラム表示間の切り替え
同様に、例えば、図5(又は図6)のグラフと図7(又は図8)のグラフの間の切り替えは、特定値を例えば、振幅確率範囲10%<APD≦50%における振幅範囲(又は振幅―60dBm≦振幅<―40dBmにおける振幅確率範囲)のまま同じにしておいて、互いのグラフの2次元とパラメータを変えることで、切り替え可能である。
【0052】
(f−5)函数尺表示とスペクトラム表示間の切り替え
例えば、図9のグラフと図3(又は図4)のグラフとの切り替えは、特定値を例えば、時間t=79secのまま同じにしておいて、互いのグラフの2次元とパラメータを変えることで、切り替えることで可能である。
【0053】
(f−6)函数尺表示とスペクトログラム表示又はチャート表示間の切り替え
図9のグラフで特定値を、例えば、振幅確率範囲10%<APD≦50%における振幅範囲(又は―60dBm≦振幅<―40dBmにおける振幅確率範囲)を指定して、図5(図6)又は図7(図8)のグラフへ切り替える。逆に、図5(図6)又は図7(図8)のグラフで特定値として時間t=79secを設定して、図9のグラフへ切り替え可能である。
【0054】
(f−7)3Dグラフ(図11、図12)と他のグラフとの間の切り替え
図11,図12は、指定マーカによる特定値がZ軸(奥行き方向)の時間t=79secであり、この状態から図3(図4)への切り替え可能である。指定マーカでX軸=周波数又はY軸=振幅確率(振幅)の特定値を指定して、図5〜図10への切り替えが可能である。これらの逆の切り替えも可能である。
【0055】
上記のようなグラフの切り替えによって、操作者は、各注視点を中心に展開したグラフを観察できる。注視点を変更して、同様の観察ができる。
【0056】
(g)グループ内のグラフの切り替え
図2のスペクトラム表示グループ内のグラフ(図3と図4)、スペクトログラム表示グループ内のグラフ(図5と図6)における同じグループ内の切り替えは、画面制御部530が操作部700からの指示で、パラメータを振幅範囲又は振幅確率範囲の何れかに切り替えることで達成できる。チャート表示グループ内のグラフ(図7と図8)、3D表示グループ内のグラフ(図11と図12)における同じグループ内の切り替えは、Y軸を振幅又は振幅確率の何れかに切り替えることで達成できる。函数尺表示グループ内のグラフの切り替えは、函数尺の種類を切り替えることで達成できる。
【0057】
指定マーカ生成部520は、上記したように表示されているグラフ上に、操作部700からの指示で各グラフの座標を構成する各次元を指定することができる(例えば、図5を参照)。そして、その特定値は、次の切り替え先のグラフで固定値に固定され、その固定値を中心に展開したグラフを得ることができる。
【0058】
指定マーカ生成部520は、また、操作部700からの指示で各グラフの座標を構成する各次元の指定ばかりでなく、パラメータ(或いはそのスケール)を指定することもできる。そして、その特定値は、次の切り替え先のグラフ固定値に固定され、その固定値を中心に展開したグラフを得ることができる。例えば、図5におけるパラメータのスケールである、「振幅確率範囲の識別表示」箇所にサブマーカ(指定マーカの一種類として)を置くことで指定し、このサブマーカで指定された振幅確率範囲を特定値として、次のグラフを展開することもできる。図5では、サブマーカをパラメータのスケールのところに設定したが、グラフ中(座標内)のパラメータを直接指す位置に設定しても良い。
【0059】
指定マーカ生成部520は、指定マーカの他に、単一のマーカ(MKR)又は複数のマルチマーカ(MKR)を生成して、表示させることができる。図5では、5つのマーカをX軸(周波数軸)に設定された例である。図5の場合、数値制御部513は、そのマルチマーカ点における、かつ特定値t=79secにおける、周波数、振幅(レベル)及び振幅確率(APD)を記憶部400から読み出して、図5の下段に表示させる。つまり、単一又はマルチマーカは、そのマーカ点におけるデータを数値で読み取るためのものであると同時に、グラフ表示されている値以外のデータの値も読み取り、表示することができる。単一マーカの例を図9に示す。
【0060】
ピークサーチ部540は、所定のグラフを表示しているときに、画面制御部530を介して操作部700からピークをサーチする範囲の指定を受けてその範囲におけるピーク位置を求める。そして、ピークマーカ生成部550は、その表示されているグラフ上に、ピーク位置を示すマーカを生成して、表示部600に表示させる。例えば、図13に示すような、レベルチャート(振幅がY軸、時間が横軸)のグラフ上で、10%<APD≦50%の範囲におけるピークマーカの表示要求があったとき、ピークサーチ部540は、記憶部400にアクセスして10%<APD≦50%の範囲で各周波数における振幅(レベル)がピークとなるX軸、Y軸の位置をサーチするとともに、同時にそのピーク位置における振幅及び振幅確率を読みとる。そして、ピークマーカ生成部550は、ピーク位置にピーク位置を示すマーカを生成して表示させ、かつ数値制御部513がピーク位置における振幅及び振幅確率を表示させる(図13の白抜き表示を参照)。
なお、ピークマーカはパラメータの最大値を示すので、そのピークマーカで指定されたパラメータの特定値を特定するものとして、前記指定マーカの代わりにピークマーカで特定された値を特定値に用いて、上記(f)のようにグラフを切り替えることも可能である。
【0061】
フルスパン制御部512は、例えば、図14(a)に示すレベルチャートのグラフが右端をカンレト時間位置(現在時間位置)として5分前からの振幅変化を表示しているとき、操作者が、測定開始からのレベル変化を観測したい旨の要求としたとき、その要求を、画面制御部530を介して受けたフルスパン制御部512が、グラフ生成部510に対して、測定開始時刻(0時刻)から現在時刻まで(フルスパン;Full Span)のレベル変化を示すレベルチャートを、例えば図14(b)に示すグラフを生成させて、それ表示部600に表示させる。フルスパン制御については、レベルチャートのグラフで説明したが、上記、他のグラフであっても実行できる。
【0062】
ゾーンマーカ生成部560は、表示されているグラフ上であって、操作部700から指示される位置及び幅に、ゾーンを示すマーカを生成して表示させる。図14(b)のゾーンマーカを参照。そのゾーンがグラフに表示されているとき、操作部700から拡大指示を、画面制御部530を介して受けた拡大/縮小制御部511は、そのグラフの指定された範囲を拡大(画像を拡大)したグラフをグラフ生成部510に生成させ、表示部600に拡大表示させる。図14(c)を参照。図14(c)を表示しているときに、次に縮小指示を受けた拡大/縮小制御部511は、そのグラフの指定された範囲を縮小(画像を縮小)したグラフをグラフ生成部510に生成させ、図14(b)のように表示部600に拡大表示させる。ゾーンマーカ、及び拡大/縮小の制御については、レベルチャートのグラフで説明したが、上記、他の種類のグラフであっても実行できる。
【0063】
画面制御部530は、各部を説明しているときに既に説明したように、操作部700からの指示を受け、表示制御部500内の各部を制御する。
【0064】
上記の表示制御部500は、上記説明した機能・動作を記載したプログラムと、それを実行するCPUで構成される。なお、図1の表示制御部500を構成する各要部の組合せは、必ずしも図1の通りである必要はなく、上記した機能・動作を実行するうえで、或いはそれを設計するうえで、より合理的に組み替え変更されるものである。上記した機能・動作を実行する構成である限り、本発明の範疇である。
【0065】
そして、本例のAPD測定装置では、図2に示すスペクトラム表示、スペクトログラム表示、チャート表示、函数尺表示、3D表示のいずれを選択して表示を行う際に、表示部600の表示画面上に表示されるソフトキー(操作部700)の押下によって一つの表示モードが選択されると、全測定チャネルの測定結果データを表示ポイント数(表示画素数)に制限してグラフ表示画面上に割り当てたグラフを生成して表示させる機能を有する。以下、(1)〜(8)に示す各表示モード毎の処理内容について説明する。
【0066】
(1)帯域平均表示モード
操作部700の操作により「帯域平均表示モード」が表示モードとして選択されると、全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定値を平均処理し、この平均処理によって得られるAPD平均値を表示部600の各表示ポイント上に割り当てたグラフを生成する。
【0067】
なお、表示ポイントCHdisp[k]における各閾値レベルL[i]のAPD平均値APDk [i]は下記式(1)によって算出される。
【0068】
【数1】
【0069】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表1に示すように、4チャネル(D=4)分のデータを平均処理し、表示部600の表示1ポイント分のAPD平均値を算出する。なお、下記表1は、測定チャネルCHdisp[1]〜CHdisp[4]の平均処理結果を示している。
【0070】
【表1】
【0071】
次に、上述した平均処理によって得られるグラフを表示部600に表示する際の表示処理手法について、具体例を示して説明する。
【0072】
上述したように、操作部700の操作により「帯域平均表示モード」が表示モードとして選択され、操作部700により設定された平均測定チャネル数D分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定値を平均処理し、この平均処理によって得られるAPD平均値を表示部600の各表示ポイント上に割り当てたグラフを生成して表示する。すなわち、表示ポイントndisp=D×(Ndisp/Nmeas)を使って、1データ(Dチャネル分のAPD平均値)を表示部600に表示する。そして、この「帯域平均表示モード」では、以下に説明するように、NmeasとNdispとの関係に応じて処理内容が異なる。
【0073】
Nmeas>Ndispの場合
図15はAPDスペクトラム表示(横軸:周波数、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]=CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、平均測定チャネル数:D=4(D≧Nmeas>Ndisp)を条件とした場合の表示処理例を示している。この場合、表示部600の表示ポイント:1ポイント上に、1データ(4ch分の平均値)を表示する。図15の例では、表示部600の表示ポイントCHdisp[1]上に、測定チャネルCHmeas[1]〜CHmeas[4]の4ch分の平均値の1データを表示する。同様に、表示部600の表示ポイントCHdisp[2]上に、次の測定チャネルCHmeas[5]〜CHmeas[8]の4ch分の平均値の1データを表示する。
【0074】
Nmeas≦Ndispの場合
図16はAPDスペクトラム表示(横軸:周波数、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、全測定チャネル数:Nmeas=256、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[256]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]=CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、平均測定チャネル数:D=4を条件とした場合の表示処理例を示している。この場合、表示部600の表示ポイント:16ポイント上に、1データ(4ch分の平均値)を表示する。図15の例では、表示部600の表示ポイントCHdisp[1]〜CHdisp[16]上に、測定チャネルCHmeas[1]〜CHmeas[4]の4ch分の平均値の1データを表示する。同様に、表示部600の表示ポイントCHdisp[17]〜CHdisp[32]上に、次の測定チャネルCHmeas[5]〜CHmeas[8]の4ch分の平均値の1データを表示する。
【0075】
なお、図15および図16の例では、パラメータであるAPDの範囲を、0<APD≦1%、1%<APD≦10%、10%<APD≦50%、50%<APDとしている。
【0076】
また、上述した説明では、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数が整数になる、又は表示ポイント数を全測定チャネル数で割った数が整数になることを条件としているが、この条件を満たさずに余りが生じた場合は、その余りの数が無くなるようにAPD測定結果を平均処理し、全測定チャネル数のAPD測定結果を表示ポイント数に合せてAPD測定結果をグラフ上に表示する。
【0077】
さらに、周波数軸方向にAPD測定結果を平均処理して、各表示ポイント上のAPDデータを算出してグラフ上に表示する例について説明したが、時間軸方向にAPD測定結果を平均処理して、各表示ポイント上にAPDデータを算出してグラフ上に表示することもできる。
【0078】
(2)固定ポント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndispごとの測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。すなわち、固定ポイントD間隔の測定チャネルの測定結果CHmeas[n]を表示部600の各表示ポイントCHdisp[k]に表示する。CHdisp[k]=CHmeas[(k−1)D+1]
【0079】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表2に示すように、4チャネル(D=4)ごとのデータを、表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0080】
【表2】
【0081】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdispごとの測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。すなわち、各測定チャネルにおける固定ポイントD間隔の測定時間の測定結果APD_Tmeas[t]を表示部600の各表示ポイントAPD_Tdisp[k]に表示する。APD_Tdisp[k]=APD_Tmeas[(k−1)D+1]
【0082】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表3に示すように、測定時間4秒(D=4)ごとのデータを、表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0083】
【表3】
【0084】
(3)指定APD値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0085】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、指定APD値:APD>0.01が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表4に示すように、4チャネル(D=4)の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0086】
【表4】
【0087】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0088】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、指定APD値:APD>0.01が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表5に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0089】
【表5】
【0090】
(4)指令レベル値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0091】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、指定閾値レベル:ー40dBmが操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表6に示すように、4チャネル(D=4)の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0092】
【表6】
【0093】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0094】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、指定閾値レベル:ー40dBmが操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表7に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0095】
【表7】
【0096】
(5)ピーク値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0097】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表8に示すように、4チャネル(D=4)の中から、ピーク値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0098】
【表8】
【0099】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0100】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表9に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、ピーク値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0101】
【表9】
【0102】
(6)瞬時電力平均値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電力平均値が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
なお、各測定チャネルの瞬時電力平均値は、閾値レベルxi [mW]と、各閾値レベル(レベル数X)のAPD値APD(xi )から下記式(2)により算出する。
【0103】
【数2】
【0104】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表10に示すように、4チャネル(D=4)の中から、瞬時電力平均値が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0105】
【表10】
【0106】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電力平均値が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0107】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表11に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、瞬時電圧平均値が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0108】
【表11】
【0109】
(7)瞬時電圧平均値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電圧平均値が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
なお、各測定チャネルの瞬時電圧平均値は、閾値レベルxi [μV]と、各閾値レベル(レベル数X)のAPD値APD(xi )から下記式(3)により算出する。
【0110】
【数3】
【0111】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表12に示すように、4チャネル(D=4)の中から、瞬時電圧平均値が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0112】
【表12】
【0113】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電圧平均値が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0114】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表13に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、瞬時電圧平均値が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0115】
【表13】
【0116】
(8)ピーク対平均電力比(PAPR)ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出したピーク対平均電力比(PAPR)が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
なお、各測定チャネルのピーク対平均電力比(PAPR)は、PAPR[dB]=ピーク電力[dBm]ー瞬時電力平均値[dBm]により算出する。
【0117】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表14に示すように、4チャネル(D=4)の中から、ピーク対平均電力比(PAPR)が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0118】
【表14】
【0119】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出したピーク対平均電力比(PAPR)が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0120】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表15に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、ピーク対平均電力比(PAPR)が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0121】
【表15】
【0122】
ここで、上述した(2)〜(8)のいずれかの表示モードが選択されたときの間引き処理方法について、具体例を示して更に詳細に説明する。
【0123】
操作部700の操作により(2)〜(8)のいずれかの表示モードが選択されると、操作部700で設定された間引き数D分のAPD測定結果の中から、選択された表示モードに従って選択されたAPD測定結果を、表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0124】
具体的に、図17はAPDスペクトラム表示(横軸:周波数、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、表示モード:指定APD値ポイント選択表示モード、全測定チャネル数:Nmeas=256、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]=CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、間引き数:D=4、指定APD値:APD>1%を条件とした場合の表示例を示している。この場合、4チャネル(D=4)の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。図17の例では、4つのチャネルCHmeas[1]〜CHmeas[4]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データCHmeas[3]が表示ポイントCHdisp[1]に表示される。同様に、次の4つのチャネルCHmeas[5]〜CHmeas[8]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データCHmeas[6]が表示ポイントCHdisp[2]に表示される。
【0125】
また、図18はAPDチャート表示(横軸:時間、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、表示モード:指定APD値ポイント選択表示モード、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]=APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、間引き数:D=4、指定APD値:APD>1%を条件とした場合の表示例を示している。この場合、測定時間4秒(D=4)の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。図18の例では、測定時間4秒(D=4)分のデータAPD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データAPD_Tmeas[3]が表示ポイントAPD_Tdisp[1]に表示される。同様に、次の測定時間4秒(D=4)分のデータAPD_Tmeas[5]〜APD_Tmeas[8]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データAPD_Tmeas[6]が表示ポイントAPD_Tdisp[2]に表示される。
【0126】
このように、本例のAPD測定装置によれば、上述したAPD測定結果の画面表示処理機能により、全測定結果データの中から、注目したい条件項目(例えば平均値、任意のAPD値、ピークレベル値など)を用いて、全測定結果データをグラフ表示画面上の表示ポイント数に制限して表示させることができる。
【0127】
また、取得した全測定結果データは、記憶部400に保持されているので、グラフ表示上では制限して表示しているが、指定マーカ生成部520にて表示される指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を表示部600に数値表示するので、指定マーカが指示する箇所の全てのAPD測定結果は目視で確認することができる。
【符号の説明】
【0128】
100 周波数分析部
110 帯域選択手段
120 A/D変換手段
130 周波数選択手段
200 レベル検出部
300 APD部
310 クロック発生部
320 範囲分類手段
400 記憶部
500 表示制御部
510 グラフ生成部
511 拡大/縮小制御部
512 フルスパン制御部
513 数値制御部
520 指定マーカ生成部
530 画面制御部
540 ピークサーチ部
550 ピークマーカ生成部
560 ゾーンマーカ生成部
580 座標情報記憶部
590 表示フォーマット記憶部
600 表示部
700 操作部
800 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号の周波数成分を分析し、各周波数成分の大きさが所定時間中に所定の閾値を超える確率(振幅確率分布、或いは、単に時間率と言われる。以下「APD」と言う。)を測定するAPD測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
APD測定技術は従来からあり、例えば、APDを高い振幅分解能と時間分解能で測定する特許文献1の技術があり、それをスペクトラムアナライザ等へ適用し、種々の表示を試みた例として特許文献2の技術がある。
【0003】
一方、最近、通信方式により、所定複数周波数成分のAPDを並列に同時に測定する必要性が要求されている。例えば、非特許文献1に記載のように、地上デジタル放送の規格は電波産業会(ARIB)によってARIB標準規格として、OFDM方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex Operation Mode)による変調方式が定められている。そして、このOFDM方式では、伝送データを所定の帯域に数千本の低速データに分けて、デジタル変調を行う。例えば、その所定の帯域が約5.6MHzであり、伝送データを約1kHzの搬送波(キャリア)単位で分けて、計5、600本に分けてデジタル変調している。
【0004】
したがって、OFDM方式におけるAPD測定は、信号成分を約1kHz毎に周波数分析して、各周波数成分のAPDを並列に測定することが望まれる。また、特許文献1,2に記載のAPDで並列に測定可能である。
【0005】
APDの表示については、特許文献2では確率分布を確率の範囲毎に帯表示させることにより、分布を視認しやすいように識別して表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3156152号公報
【特許文献2】特許第3374154号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】東芝レビューVOL.58 No.12(2003年)、p.2〜6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したOFDM方式のような稠密な周波数帯にわたる膨大なチャネル数を有する通信環境下の測定においては、多数の通信チャネル内の振幅変化を時々刻々同時に測定し、広いレベル範囲で現象をつぶさに把握する多チャネル同時APD測定が有効な手段である。
【0009】
この多チャネル同時APD測定では、測定信号の統計的傾向を有効的に分析するために、同時測定している測定チャネル(測定周波数成分)のAPD測定結果をできるだけ多く同時表示させること、そして測定時間全体についてのAPD時間変動も表示できることが望ましい。
【0010】
多チャネル同時APD測定結果は、測定対象となる信号の周波数/発生時間/振幅レベル/APDの4つの属性を組み合わせた複数種類のグラフ表示によって、測定信号の各属性間の因果関係を容易に分析することができる。
【0011】
しかしながら、測定チャネルや測定時間が増加するに従い、測定結果をグラフ表示する画面(グラフ表示エリア)上の表示ポイント数(表示画素数)の制約により、全測定結果データを表示させることが困難になってくるという問題が生じる。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、全測定結果データをグラフ表示画面上に表示させることができるAPD測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたAPD測定装置は、被測定信号の周波数成分を分析する周波数分析部100と、分析された各周波数成分の振幅をそれぞれ検出するレベル検出部200と、検出された各周波数成分の振幅について単位時間当たりの振幅確率を時間経過毎に求めるAPD部300と、該APD部が出力する各周波数成分の振幅の振幅確率を時間経過に対応して記憶する記憶部400と、表示部600と、操作部700と、前記記憶部に所定タイミングでアクセスして得られた最新の前記記憶部の記憶内容に基づいて、前記周波数、前記振幅、前記振幅確率及び前記時間のうち、2つ又は3つを次元とする座標に残りの1つをパラメータとするグラフを前記表示部に表示させる表示制御部500とを備えたAPD測定装置であって、
前記表示制御部は、測定チャネル又は測定時間の全てのAPD測定結果を、予め設定された測定チャネル数又は測定時間ごとのAPD測定結果の平均処理又は間引き処理により前記表示部の表示ポイント数に制限したグラフとして前記表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を平均処理したAPD平均値を各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数の測定チャネル毎又は測定時間毎のAPD測定結果を各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電力平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電圧平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載されたAPD測定装置は、請求項1に記載されたAPD測定装置において、
前記表示制御部500は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク対平均電力比が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部600に表示することを特徴とする。
【0022】
請求項10に記載されたAPD測定装置は、請求項1〜9の何れかに記載されたAPD測定装置において、
前記表示部600に表示されているグラフ上の2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値として指定する指定マーカを表示させる指定マーカ生成部520を備え、
前記表示制御部500は、前記指定マーカ生成部にて表示される前記指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を前記表示部に数値表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、全測定結果データの中から、注目したい条件項目(例えば、平均値、任意のAPD値、ピークレベル値など)を用いて、全測定結果データをグラフ表示画面上の表示ポイント数に制限して表示させることができる。
【0024】
また、取得した全測定結果データは、記憶部に保持されているので、グラフ表示上では制限して表示しているが、指定マーカ生成部にて表示される指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を表示部に数値表示するので、指定マーカが指示する箇所の全てのAPD測定結果は目視で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るAPD測定装置の実施形態の機能構成を示す図である。
【図2】本実施形態における表示するグラフの態様及びその切り替え態様を説明するための図である。
【図3】時間が特定値に固定で、周波数を横軸とし振幅確率(APD)を縦軸とする座標上に振幅(レベル)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図4】時間が特定値に固定で、周波数を横軸としレベルを縦軸とする座標上に振幅確率(APD)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図5】振幅(レベル)範囲が特定値に固定で、周波数を横軸とし時間を縦軸とする座標上に振幅確率(APD)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図6】振幅確率(APD)範囲が特定値に固定で、周波数を横軸とし時間を縦軸とする座標上に振幅(レベル)範囲をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図7】周波数毎(周波数がパラメータ)にレベル範囲が特定値に固定で、時間を横軸とし振幅確率(APD)を縦軸とする座標のグラフの表示例を示す図である。
【図8】周波数毎(周波数がパラメータ)に振幅確率(APD)範囲が特定値に固定で、時間を横軸とし振幅(レベル)を縦軸とする座標のグラフの表示例を示す図である。
【図9】振幅(レベル)を横軸としAPDを縦軸とする座標上に周波数をパラメータとするレイリー尺のグラフの表示例を示す図である。
【図10】振幅(レベル)を横軸としAPDを縦軸とする座標上に周波数をパラメータとする対数尺のグラフの表示例を示す図である。
【図11】振幅(レベル)範囲を特定値に固定し、周波数を横軸とし振幅確率(APD)を縦軸とし時間を奥行き方向の軸とする3次元座標上に周波数をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図12】振幅(レベル)範囲を特定値に固定し、周波数を横軸とし振幅(レベル)を縦軸とし時間を奥行き方向の軸とする3次元座標上に周波数をパラメータとするグラフの表示例を示す図である。
【図13】ピークマーカを説明するための図である。
【図14】フルスパン、及び、ゾーンマーカと拡大/縮小を説明するための図である。
【図15】Nmeas>Ndispの場合の平均処理方法の表示例を示す図である。
【図16】Nmeas≦Ndispの場合の平均処理方法の表示例を示す図である。
【図17】間引き処理方法の表示例を示す図である。
【図18】間引き処理方法の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
図1に基づいて、動作順に構成・動作を説明する。
図1において、周波数分析部100は、測定しようとする所望の周波数帯(広帯域)の入力信号を選択し、さらに狭い所望の周波数帯域(狭帯域)に分けて選択するものであって、帯域選択手段110、A/D変換手段120、及び周波数選択手段130で構成される。帯域選択手段110としては、例えば、高周波の通信周波数帯域におけるノイズを測定しようとするなら、いわば特許文献2に示されるようなヘテロダイン方式を採用することができる。つまり、入力信号(ノイズ)を局部発振器でミキシングして低周波数の信号に変換して、ここで所望の周波数帯域(δF)のバンドパスフィルタを用いて必要な周波数帯の周波数成分に制限する。なお、測定対象の信号の周波数帯域が低く、A/D変換手段120が直接に利用できる周波数帯であれば、帯域選択手段110は必ずしも必要ではない。
【0028】
A/D変換手段120は、帯域選択手段110で帯域制限された低周波数の周波数成分(信号)を受け、クロック発生器(不図示)からの周期のクロックで振幅(レベル)幅ΔLの細かさ(この細かさに応じた閾値がある。)で標本化(サンプリング)し、デジタルデータに変換する。後に求められる振幅確率(APD)は、この標本化時のレベル幅ΔLの細かさ毎に求められる。
【0029】
周波数選択手段130は、δFの周波数帯域に亘る低周波信号を受けて、さらにn個(以下、n(数値)チャネル、或いはn(数値)CHということがある。)のバンドパスフィルタ群により更に細かい周波数帯域(δF/n)に切り分ける。例えば、通信回線のチャネルが1kHz毎であれば中心周波数が1kHzづつズレ、かつ周波数帯域がほぼ1kHzのバンドパスフィルタをBPF1〜BPFnのn個を備える。周波数選択手段130は、例えば、フィルタバンクとして、CPUによりソフト的にFFT処理して行える。
【0030】
レベル検出部200は、周波数選択手段130のバンドパスフィルタのそれぞれの出力に対応した振幅、つまり各チャネルの振幅を検出する検波器DET1〜DETnを有し、それぞれチャネルの周波数成分(バンドパスフィルタの中心周波数に該当)の振幅(レベル)を検出する。
【0031】
APD部300は、検波器DET1〜DETnに対応して振幅確率を測定するAPD検出器であるAPD1〜APDn、クロック発生部310、及び範囲分類手段320を備える。APD1〜APDnのそれぞれの構成、動作は、同じであって、検波器DET1〜DETnの出力をLOG変換器で対数変換して振幅の単位を「dB」変換して振幅確率を測定している。振幅確率を測定するAPD検出器であるAPDとしては、ここでは、従来のAPDを採用できる。例えば、特許文献2に記載のAPD、或いは、特願2006−253889号公報に記載のAPDが使用できる。
【0032】
APD1〜APDnは、振幅確率(分布)を測定する。振幅確率は、同じ大きさの入力信号が所定の時間範囲(期間:Δt)内に受ける回数(発生する回数)を表す。入力信号の大きさを区別する細かさは、この例では、A/D変換手段120の細かさΔLと同じである。確率を測定する時間範囲Δtは、クロック発生部310からのコントロールに従う。クロック発生部310は、パルス発生器とタイマーを用いて、例えば時間範囲Δtとして、1sec間隔、10秒間隔、或いは1分間隔(いずれも、これらの時間周期のパルスでも良い。)、等のタイミング信号を発生してAPD1〜APDnに対し、それらの時間範囲内で受ける入力信号の大きさの頻度を測定させることにより、振幅確率を測定させる。操作部700からの指示で制御部800を通してタイマーのカウント時間を変更して時間範囲Δtを変更できる構成にしても良い。
【0033】
範囲分類手段320は、APD1〜APDnがそれぞれ演算して求めた振幅確率の値に応じて、ある範囲に分類する。これは、例えば、1%の分解能で調査しても良いが、その調査目的に応じた分解能で、調査に適切な範囲に分類するために設けた機能である。この実施形態では、操作部700からの指示で振幅確率が0から1%、1%から10%、10%から50%、50%から100%の4段階に分類している。分類の仕方としては、例えば、APD1〜APDnが求めた振幅確率の値と、分類した範囲に相当する複数の閾値とを比較して、比較結果が属する範囲の確率分類識別札を付す。操作部700からの指示で制御部800を通して所望の閾値に変更することにより、分類範囲を変更できる構成にしても良い。なお、APD1〜APDnからは、速ければ、時間範囲Δt毎に、更新された振幅確率値が集計されて出力される。また、範囲分類手段320は、レベル検出部200で検出した各振幅を例えばレベル測定範囲の全範囲が0dBmからー100dBmであれば、20dB間隔に分類して、振幅確率と同様に、振幅分類札を付しておく。
【0034】
記憶部400は、APD1〜APDnから出力される振幅値とその振幅確率値とを時間経過ともに全測定チャネル(測定周波数)数分だけ測定結果データ(APD測定結果)として記憶する。時間経過は、少なくとも、振幅確率を測定するときの時間範囲Δt毎に記憶する。さらに、記憶部400は、範囲分類手段320が分類したときの確率分類識別札を該当する振幅確率値に対応して、振幅分類札を該当する振幅値に対応して、かつ測定した周波数に対応して記憶する。また、振幅値、振幅確率値を取得した時効情報もクロック発生部310から受けて記憶する。なお、上記の範囲分類手段320は、記憶部400の入力側(APD部300側)には無く、出力側(表示制御部500側)に在って、記憶されている振幅確率値又は振幅値が出力されるときに、その振幅確率値又は振幅値がどの分類に属するか判定し、その判定された各分類識別札を添付して出力する構成にしても良い。記憶部400は、表示制御部500からアクセスされて最新の記憶内容を読み出し可能にされている。
【0035】
表示制御部500は表示を実行する手段であって、大きく分けて、次の(I)〜(IV)の要素を備える。つまり、(I)記憶部400からの振幅確率値、振幅値、周波数及び時刻情報を所定タイミングで受けて、操作部700で選択された表示モードにより表示部600の表示ポイント数(表示画素数)に制限するようにデータ処理(後述する平均処理又は間引き処理)を行い、表示部600に表示させるためのグラフを生成するグラフ生成部510、フルスパン制御部512、を備える。(II)表示されているグラフ上にマーカを設定するための手段である、指定マーカ生成部520、ピークサーチ部及びピークマーカ生成部550,ゾーンマーカ生成部560及び拡大/縮小制御部511、及び数値制御部513を備える。(III)操作部700からの指示に基づいて、指示に沿った所望のグラフ等を表示部600に表示するための手段としての画面制御部530を備える。並びに(IV)上記、各表示を行うための共通の座標情報記憶部580及び表示フォーマット記憶部590を備える。表示制御部500は、上記(I)〜(IV)の各機能を表すプログラムと記憶手段とプログラムを実行させて各機能を実現させるCPUで構成される。なお、座標情報記憶部580が記憶している座標情報は、表示されるグラフ、目盛り、各表示欄等の表示画面の位置を特定するのに必要な情報であり、表示フォーマット記憶部590が記憶しているフォーマットは、表示されるグラフ、マーカ、目盛り、各表示欄等のレイアウト及び図形であり、表示制御部500の各要部が、表示させようとしたときに、表示する位置を特定し、特定した位置に該当するフォーマットで表示するために用いられる。以下の、各要素での説明では、この座標やフォーマットについての説明は省略する。
【0036】
グラフ生成部510は、記憶部400に所定タイミングで、例えば、上記した時間範囲Δtの間隔でアクセスして得られた最新の前記記憶内容に基づいて、記憶されている周波数、振幅、振幅確率及び時間のうち、少なくともいずれか2つを次元とする座標に他の1つをパラメータとする第1のグラフを表示部600に表示させる。そして、操作者が注視するデータとして、その表示されているグラフ上の2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値として指定マーカで指定されているとき、操作部700からの切り替え指示を受けて、指定マーカで指定された2つの次元又はパラメータをその特定値に固定したときの、指示を受けた新たな組合せの次元及びパラメータについてのグラフに切り替えて生成する。
【0037】
グラフ生成部510は、2次元のグラフを生成する場合は、周波数、振幅、振幅確率及び時間の各次元のうち、後記する指定マーカ又はピークマーカで、或いはデフォルトとして、指定(或いは特定)された何れかの次元における特定値を固定値とし、記憶部400からその特定値が関与する残りの次元のデータを読み出す。そして、その残りの次元のうちの2つの次元のデータを操作部700から要求されている所望のグラフの横軸(以下、「X軸」と言う。)と縦軸(以下、「Y軸」と言う。)として割りあて、残りの1つの次元のデータをパラメータとしたグラフを生成して表示部600に表示させ、さらに、上記所定タイミングで都度、更新して表示させる処理を行う。3次元のグラフを生成する場合は、特定値が指定された次元以外の残りの次元を3次元として割り当てて生成する。また、グラフ生成部510は、上述した2次元又は3次元のグラフを表示部600に表示するに際して、操作部700により表示モードが選択されると、表示部600の表示ポイント数に合せたデータ処理(平均処理、間引き処理)を行い、表示部600に表示させるためのグラフを生成している。なお、表示モード及びデータ処理については追って詳述する。
【0038】
次の(a)〜(e)においてグラフ生成部510が生成する具体的なグラフ例を説明し、(f)(g)においてグラフの切り替えを説明する。なお、周波数、振幅、振幅確率及び時間の各次元についての処理は、各グラフのいずれも上記した2次元又は3次元のグラフ生成と共通して同じであり、グラフ毎のその説明は割愛する。
【0039】
図2は、表示用のグラフを複数のグループに分け、各グラフ間の切り替えを示す。グラフのグループとしては、図2のようにスペクトラム表示用のグラフ、スペクトログラム表示用のグラフ、チャート表示用のグラフ、函数尺表示用のグラフ、3D表示用のグラフに分かれる。
なお、以下の説明に出てくる各数値は説明上の一例である。
(a)スペクトラム表示のグラフ
このグループのグラフは、周波数に対する振幅又は振幅確率の変化を観察するのに適しており、次の(a−1)APDスペクトラムと(a−2)レベルスペクトラムがある。
(a−1)APDスペクトラム:時間(t)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅確率(APD)とし、振幅範囲(Lv:レベル)をパラメータとするグラフ(表示例は、図3を参照)。図3は、測定時間が79secで観察したときの(固定にしたときの)データであり、そのときのパラメータである振幅範囲の値をー20dBm≦振幅(レベル)、―40dBm≦振幅<―20dBm、―60dBm≦振幅<―40dBm、―80dBm≦振幅<―60dBm、で色分けして表示している。マーカ(MKR)はマルチマーカとして5つ(図3の「▲」印)を入れてあり、いずれも指定マーカ生成部520で生成して表示している。図3では、そのマルチマーカ(MKR)の内の一つ、つまりMKR5が現時点で操作部700から操作されたばかりのマーカである、アクティブマーカMKR5として表示され、その周波数がグラフの左側の直ぐ下に表示されている。各マーカにおける振幅(レベル)、振幅確率(APD)は、下段の表に示している。指定マーカはY軸の10%<APD≦50%の範囲に設定されている。
(a−2)レベルスペクトラム:時間(t)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅(Lv)とし、振幅確率範囲(APD)をパラメータとするグラフ(表示例は、図4を参照)。図4は、図3と同様に測定時間が79secで観察したときのデータであり、そのときのパラメータである振幅確率の値を50%<APD、10%<APD≦50%、1%<APD≦10%、0%<APD≦1%、で色分けして表示している。指定マーカはY軸の―60dBm≦振幅<―40dBmの範囲に設定されている。
【0040】
(b)スペクトログラム表示のグラフ
このグループのグラフは、周波数と時間に対する振幅又は振幅確率の変化を観察するのに適しており、次の(a−1)APDスペクトログラムと(a−2)レベルスペクトログラムがある。
(b−1)APDスペクトログラム:振幅(Lv;レベル)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を時間とし、振幅確率範囲をパラメータとするグラフ(表示例は、図5を参照)。図5は、振幅範囲を―60dBm≦振幅<―40dBmの範囲で観察したときの(固定したときの)データであり、そのときのパラメータである振幅確率の値を50%<APD、10%<APD≦50%、1%<APD≦10%、0%<APD≦1%、で色分けして表示している。そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
(b−2)レベルスペクトログラム:振幅確率範囲(APD)を特定値に固定にし、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅(Lv;レベル)とし、振幅範囲をパラメータとするグラフ(表示例は、図6を参照)。図6は、振幅確率範囲を10%<APD≦50%で観察したときの(固定したときの)データであり、そのときのパラメータである振幅範囲の値をー20dBm≦振幅(レベル)、―40dBm≦振幅<―20dBm、―60dBm≦振幅<―40dBm、―80dBm≦振幅<―60dBm、で色分けして表示している。そして、この場合も、指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
【0041】
(c)チャート表示のグラフ
このグループのグラフは、周波数毎に、振幅又は振幅確率の時間経過を観察するのに適しており、次の(c−1)APDチャート及び(c−2)レベルチャートがある。
(c−1)APDチャート:振幅範囲(Lv;レベル)を特定値に固定にし、周波数(f)毎(つまり、周波数がパラメータ)にX軸を時間(t)、Y軸を振幅確率(APD)とするグラフ(表示例は、図7を参照)。図7は、振幅範囲の値を―20dBm≦振幅(レベル)、ー40dBm≦振幅<−20dBm、ー60dBm≦振幅<−40dBm、ー80dBm≦振幅<―60dBmで色分けして表示している。そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
(c−2)レベルチャート:振幅確率範囲(APD)を特定値に固定にし、周波数(f)毎(つまり、周波数がパラメータ)にX軸を時間(t)、Y軸を振幅(Lv)とするグラフ(表示例は、図8を参照)。図8は、振幅確率範囲の値を50%<APD、10%<APD≦50%、1%<APD≦10%、0%<APD≦1%で色分けして表示している。そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
【0042】
(d)函数尺グラフ
このグラフは、振幅と確率が直接にどのような関係にあるかを観察するのに適している。一般には、リニアな座標、或いは一方が対数尺で表示することが多いが、雑音の振幅確率を測定するときは、雑音の発生現象に着目した見方として、レイリー関数尺で表したグラフがある。測定する信号が雑音であるとすると、レイリー分布、正規分布、指数分布、χ2分布等の函数尺があると便利である。函数尺については、本出願人に係る技術であって特許第3374154号公報に記載された技術がある。
【0043】
ここでは、対数尺とレイリー函数尺を準備しているとして説明する。つまり、時間を特定値に固定にし、X軸を振幅(Lv)、Y軸を振幅確率(APD)とし、周波数(f)をパラメータとするグラフであって、少なくとも一方を対数函数とするグラフ、少なくとも一方をレイリー函数とするグラフを生成する(表示例は、図9のレイリー尺グラフ、図10の対数尺グラフを参照)。図9は、時間t=79secで、横軸をレイリー尺の振幅確率とし、縦軸をdBのリニアで振幅を表した例で、指定マーカが振幅確率―60dBm≦振幅<―40dBmの範囲内の位置にある。図10は、時間t=79secで、横軸をdB(対数)のリニアで振幅とし、縦軸を対数尺で振幅確率を表した例で、指定マーカが振幅確率10%<APD≦50%の範囲内の位置にある。
【0044】
(e)3Dグラフ
このグループのグラフは、できるだけ多次元で全体の傾向を観察するのに適しており、次の(e−1)3D−APD及び(e−2)3D―振幅がある。
(e−1)3D−APDグラフ:振幅範囲(Lv;レベル)を特定値に固定にし、3軸のうち、X軸を時間(t)、Y軸を周波数、奥行き方向の軸(以下、「Z軸」と言う。)を振幅確率(APD)とするグラフ(表示例は、図11を参照)。図11は、振幅範囲を―60dBm≦振幅<―40dBmで観察したときの(固定したときの)データであり、そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
(e−2)3D−レベルグラフ:振幅確率範囲(APD)を特定値に固定にし、3軸のうち、X軸を時間(t)、Y軸を周波数(f)、Z軸を振幅(Lv;レベル)とするグラフ(表示例は、図12を参照)。図12は、振幅確率範囲を10%<APD≦50%で観察したときの(固定したときの)データであり、そして指定マーカが縦軸の時間t=79secに設定されている。
【0045】
上記(a)〜(b)を纏めると次のことが言える。つまり、グラフ生成部510は、先のグラフとして表示部600に前記周波数、前記振幅、前記振幅確率及び前記時間のうち、少なくともいずれか2つを次元とする座標に他の1つをパラメータとするグラフ(第1のグラフ)を表示させているとき、指定マーカ生成部520で、その第1のグラフ上の前記2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値としているときに、操作部700からの指定マーカで指定された前記2つの次元又はパラメータの特定値に固定したときの、新たな組合せの次元及びパラメータについての第2のグラフを生成して表示させる。その時の切り替え先の第2のグラフとしては、周波数、振幅、振幅確率及び時間のうち、特定値を指定された次元又はパラメータとなる1つを除く、3つのうちいずれか2つを次元とする座標上に残りの1つをパラメータとする新たなグラフを生成することになる。
【0046】
(f)グループ間のグラフの切り替え
図2は、グラフ間での切り替えを示す図である。切り替えにあたっては、切り替え元のグラフ上で所望の切り替え先のグラフの特定値を指定マーカで指定し、該当するグラフを指示することにより切り替えられる。
【0047】
つまり、表示部600に表示されるグラフの切り替えは、画面制御部530が操作部700からのグラフ要求指示にしたがって、グラフ生成部510に指示して切り替えさせる。そのとき、画面制御部530は、表示部600に表示されているグラフ上で、指定マーカにより2つの次元又はパラメータにおける特定値(或いは特定の範囲)を特定値として指定されている状態で、操作部700からの切り替え指示を受けたとき、その特定値を指定された2つの次元又はパラメータを特定値に固定したときの、新たな所望の組合せの次元及びパラメータについてのグラフをグラフ生成部510に生成させる。例を、次に説明する。なお、表示したい所望のグラフは、操作部700で、上記(a)から(e)までのグラフ名を選択指示することによって行われる。以下図2及び図3から図12を元に個別の切り替えについて説明する。
【0048】
(f−1)スペクトログラム表示からスペクトラム表示への切り替え
先に図5(又は図6)のグラフが表示されていて指定マーカが時間軸の時間t=79secを特定値と指定して図3(又は図4)に切り替えられたとき、グラフ生成部510は、上記(a)に記載のように、X軸を周波数(f)、Y軸を振幅確率(又は振幅)とし、時間t=79secを固定し、この時間t=79secにおける振幅及び振幅範囲(又は振幅確率及び振幅確率範囲)を記憶部400から読み出して、読み出した振幅及び振幅範囲(又は振幅確率及び振幅確率範囲)をパラメータとするグラフを生成する。
【0049】
(f−2)スペクトラム表示からスペクトログラム表示への切り替え
先に図3(又は図4)のグラフが表示されていて指定マーカが振幅確率範囲10%<APD≦50%(又は振幅範囲―60dBm≦振幅<―40dBm)を指定しているときに、図5(又は図6)に切り替えられたとき、グラフ生成部510は、上記(a)に記載のように、X軸を周波数(f)、Y軸を時間とし、振幅確率範囲10%<APD≦50%における振幅範囲(又は振幅―60dBm≦振幅<―40dBmにおける振幅確率範囲)を記憶部400から読み出して、読み出した振幅範囲(又は振幅確率範囲)をパラメータとするグラフを生成する。このとき、図5(図6)には、図3(又は図4)における特定値t=79secに該当する位置に、指定マーカが付されている。
【0050】
(f−3)チャート表示とスペクトラム表示間の切り替え
例えば、図7(又は図8)のグラフから特定値t=79secを指定して図3(又は図4)のグラフへ切り替え可能であり、逆に図3(又は図4)のグラフで特定値として、周波数を指定して、図7(又は図8)へのグラフ切り替え可能である。
【0051】
(f−4)チャート表示とスペクトログラム表示間の切り替え
同様に、例えば、図5(又は図6)のグラフと図7(又は図8)のグラフの間の切り替えは、特定値を例えば、振幅確率範囲10%<APD≦50%における振幅範囲(又は振幅―60dBm≦振幅<―40dBmにおける振幅確率範囲)のまま同じにしておいて、互いのグラフの2次元とパラメータを変えることで、切り替え可能である。
【0052】
(f−5)函数尺表示とスペクトラム表示間の切り替え
例えば、図9のグラフと図3(又は図4)のグラフとの切り替えは、特定値を例えば、時間t=79secのまま同じにしておいて、互いのグラフの2次元とパラメータを変えることで、切り替えることで可能である。
【0053】
(f−6)函数尺表示とスペクトログラム表示又はチャート表示間の切り替え
図9のグラフで特定値を、例えば、振幅確率範囲10%<APD≦50%における振幅範囲(又は―60dBm≦振幅<―40dBmにおける振幅確率範囲)を指定して、図5(図6)又は図7(図8)のグラフへ切り替える。逆に、図5(図6)又は図7(図8)のグラフで特定値として時間t=79secを設定して、図9のグラフへ切り替え可能である。
【0054】
(f−7)3Dグラフ(図11、図12)と他のグラフとの間の切り替え
図11,図12は、指定マーカによる特定値がZ軸(奥行き方向)の時間t=79secであり、この状態から図3(図4)への切り替え可能である。指定マーカでX軸=周波数又はY軸=振幅確率(振幅)の特定値を指定して、図5〜図10への切り替えが可能である。これらの逆の切り替えも可能である。
【0055】
上記のようなグラフの切り替えによって、操作者は、各注視点を中心に展開したグラフを観察できる。注視点を変更して、同様の観察ができる。
【0056】
(g)グループ内のグラフの切り替え
図2のスペクトラム表示グループ内のグラフ(図3と図4)、スペクトログラム表示グループ内のグラフ(図5と図6)における同じグループ内の切り替えは、画面制御部530が操作部700からの指示で、パラメータを振幅範囲又は振幅確率範囲の何れかに切り替えることで達成できる。チャート表示グループ内のグラフ(図7と図8)、3D表示グループ内のグラフ(図11と図12)における同じグループ内の切り替えは、Y軸を振幅又は振幅確率の何れかに切り替えることで達成できる。函数尺表示グループ内のグラフの切り替えは、函数尺の種類を切り替えることで達成できる。
【0057】
指定マーカ生成部520は、上記したように表示されているグラフ上に、操作部700からの指示で各グラフの座標を構成する各次元を指定することができる(例えば、図5を参照)。そして、その特定値は、次の切り替え先のグラフで固定値に固定され、その固定値を中心に展開したグラフを得ることができる。
【0058】
指定マーカ生成部520は、また、操作部700からの指示で各グラフの座標を構成する各次元の指定ばかりでなく、パラメータ(或いはそのスケール)を指定することもできる。そして、その特定値は、次の切り替え先のグラフ固定値に固定され、その固定値を中心に展開したグラフを得ることができる。例えば、図5におけるパラメータのスケールである、「振幅確率範囲の識別表示」箇所にサブマーカ(指定マーカの一種類として)を置くことで指定し、このサブマーカで指定された振幅確率範囲を特定値として、次のグラフを展開することもできる。図5では、サブマーカをパラメータのスケールのところに設定したが、グラフ中(座標内)のパラメータを直接指す位置に設定しても良い。
【0059】
指定マーカ生成部520は、指定マーカの他に、単一のマーカ(MKR)又は複数のマルチマーカ(MKR)を生成して、表示させることができる。図5では、5つのマーカをX軸(周波数軸)に設定された例である。図5の場合、数値制御部513は、そのマルチマーカ点における、かつ特定値t=79secにおける、周波数、振幅(レベル)及び振幅確率(APD)を記憶部400から読み出して、図5の下段に表示させる。つまり、単一又はマルチマーカは、そのマーカ点におけるデータを数値で読み取るためのものであると同時に、グラフ表示されている値以外のデータの値も読み取り、表示することができる。単一マーカの例を図9に示す。
【0060】
ピークサーチ部540は、所定のグラフを表示しているときに、画面制御部530を介して操作部700からピークをサーチする範囲の指定を受けてその範囲におけるピーク位置を求める。そして、ピークマーカ生成部550は、その表示されているグラフ上に、ピーク位置を示すマーカを生成して、表示部600に表示させる。例えば、図13に示すような、レベルチャート(振幅がY軸、時間が横軸)のグラフ上で、10%<APD≦50%の範囲におけるピークマーカの表示要求があったとき、ピークサーチ部540は、記憶部400にアクセスして10%<APD≦50%の範囲で各周波数における振幅(レベル)がピークとなるX軸、Y軸の位置をサーチするとともに、同時にそのピーク位置における振幅及び振幅確率を読みとる。そして、ピークマーカ生成部550は、ピーク位置にピーク位置を示すマーカを生成して表示させ、かつ数値制御部513がピーク位置における振幅及び振幅確率を表示させる(図13の白抜き表示を参照)。
なお、ピークマーカはパラメータの最大値を示すので、そのピークマーカで指定されたパラメータの特定値を特定するものとして、前記指定マーカの代わりにピークマーカで特定された値を特定値に用いて、上記(f)のようにグラフを切り替えることも可能である。
【0061】
フルスパン制御部512は、例えば、図14(a)に示すレベルチャートのグラフが右端をカンレト時間位置(現在時間位置)として5分前からの振幅変化を表示しているとき、操作者が、測定開始からのレベル変化を観測したい旨の要求としたとき、その要求を、画面制御部530を介して受けたフルスパン制御部512が、グラフ生成部510に対して、測定開始時刻(0時刻)から現在時刻まで(フルスパン;Full Span)のレベル変化を示すレベルチャートを、例えば図14(b)に示すグラフを生成させて、それ表示部600に表示させる。フルスパン制御については、レベルチャートのグラフで説明したが、上記、他のグラフであっても実行できる。
【0062】
ゾーンマーカ生成部560は、表示されているグラフ上であって、操作部700から指示される位置及び幅に、ゾーンを示すマーカを生成して表示させる。図14(b)のゾーンマーカを参照。そのゾーンがグラフに表示されているとき、操作部700から拡大指示を、画面制御部530を介して受けた拡大/縮小制御部511は、そのグラフの指定された範囲を拡大(画像を拡大)したグラフをグラフ生成部510に生成させ、表示部600に拡大表示させる。図14(c)を参照。図14(c)を表示しているときに、次に縮小指示を受けた拡大/縮小制御部511は、そのグラフの指定された範囲を縮小(画像を縮小)したグラフをグラフ生成部510に生成させ、図14(b)のように表示部600に拡大表示させる。ゾーンマーカ、及び拡大/縮小の制御については、レベルチャートのグラフで説明したが、上記、他の種類のグラフであっても実行できる。
【0063】
画面制御部530は、各部を説明しているときに既に説明したように、操作部700からの指示を受け、表示制御部500内の各部を制御する。
【0064】
上記の表示制御部500は、上記説明した機能・動作を記載したプログラムと、それを実行するCPUで構成される。なお、図1の表示制御部500を構成する各要部の組合せは、必ずしも図1の通りである必要はなく、上記した機能・動作を実行するうえで、或いはそれを設計するうえで、より合理的に組み替え変更されるものである。上記した機能・動作を実行する構成である限り、本発明の範疇である。
【0065】
そして、本例のAPD測定装置では、図2に示すスペクトラム表示、スペクトログラム表示、チャート表示、函数尺表示、3D表示のいずれを選択して表示を行う際に、表示部600の表示画面上に表示されるソフトキー(操作部700)の押下によって一つの表示モードが選択されると、全測定チャネルの測定結果データを表示ポイント数(表示画素数)に制限してグラフ表示画面上に割り当てたグラフを生成して表示させる機能を有する。以下、(1)〜(8)に示す各表示モード毎の処理内容について説明する。
【0066】
(1)帯域平均表示モード
操作部700の操作により「帯域平均表示モード」が表示モードとして選択されると、全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定値を平均処理し、この平均処理によって得られるAPD平均値を表示部600の各表示ポイント上に割り当てたグラフを生成する。
【0067】
なお、表示ポイントCHdisp[k]における各閾値レベルL[i]のAPD平均値APDk [i]は下記式(1)によって算出される。
【0068】
【数1】
【0069】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表1に示すように、4チャネル(D=4)分のデータを平均処理し、表示部600の表示1ポイント分のAPD平均値を算出する。なお、下記表1は、測定チャネルCHdisp[1]〜CHdisp[4]の平均処理結果を示している。
【0070】
【表1】
【0071】
次に、上述した平均処理によって得られるグラフを表示部600に表示する際の表示処理手法について、具体例を示して説明する。
【0072】
上述したように、操作部700の操作により「帯域平均表示モード」が表示モードとして選択され、操作部700により設定された平均測定チャネル数D分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定値を平均処理し、この平均処理によって得られるAPD平均値を表示部600の各表示ポイント上に割り当てたグラフを生成して表示する。すなわち、表示ポイントndisp=D×(Ndisp/Nmeas)を使って、1データ(Dチャネル分のAPD平均値)を表示部600に表示する。そして、この「帯域平均表示モード」では、以下に説明するように、NmeasとNdispとの関係に応じて処理内容が異なる。
【0073】
Nmeas>Ndispの場合
図15はAPDスペクトラム表示(横軸:周波数、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]=CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、平均測定チャネル数:D=4(D≧Nmeas>Ndisp)を条件とした場合の表示処理例を示している。この場合、表示部600の表示ポイント:1ポイント上に、1データ(4ch分の平均値)を表示する。図15の例では、表示部600の表示ポイントCHdisp[1]上に、測定チャネルCHmeas[1]〜CHmeas[4]の4ch分の平均値の1データを表示する。同様に、表示部600の表示ポイントCHdisp[2]上に、次の測定チャネルCHmeas[5]〜CHmeas[8]の4ch分の平均値の1データを表示する。
【0074】
Nmeas≦Ndispの場合
図16はAPDスペクトラム表示(横軸:周波数、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、全測定チャネル数:Nmeas=256、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[256]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]=CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、平均測定チャネル数:D=4を条件とした場合の表示処理例を示している。この場合、表示部600の表示ポイント:16ポイント上に、1データ(4ch分の平均値)を表示する。図15の例では、表示部600の表示ポイントCHdisp[1]〜CHdisp[16]上に、測定チャネルCHmeas[1]〜CHmeas[4]の4ch分の平均値の1データを表示する。同様に、表示部600の表示ポイントCHdisp[17]〜CHdisp[32]上に、次の測定チャネルCHmeas[5]〜CHmeas[8]の4ch分の平均値の1データを表示する。
【0075】
なお、図15および図16の例では、パラメータであるAPDの範囲を、0<APD≦1%、1%<APD≦10%、10%<APD≦50%、50%<APDとしている。
【0076】
また、上述した説明では、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数が整数になる、又は表示ポイント数を全測定チャネル数で割った数が整数になることを条件としているが、この条件を満たさずに余りが生じた場合は、その余りの数が無くなるようにAPD測定結果を平均処理し、全測定チャネル数のAPD測定結果を表示ポイント数に合せてAPD測定結果をグラフ上に表示する。
【0077】
さらに、周波数軸方向にAPD測定結果を平均処理して、各表示ポイント上のAPDデータを算出してグラフ上に表示する例について説明したが、時間軸方向にAPD測定結果を平均処理して、各表示ポイント上にAPDデータを算出してグラフ上に表示することもできる。
【0078】
(2)固定ポント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndispごとの測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。すなわち、固定ポイントD間隔の測定チャネルの測定結果CHmeas[n]を表示部600の各表示ポイントCHdisp[k]に表示する。CHdisp[k]=CHmeas[(k−1)D+1]
【0079】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表2に示すように、4チャネル(D=4)ごとのデータを、表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0080】
【表2】
【0081】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdispごとの測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。すなわち、各測定チャネルにおける固定ポイントD間隔の測定時間の測定結果APD_Tmeas[t]を表示部600の各表示ポイントAPD_Tdisp[k]に表示する。APD_Tdisp[k]=APD_Tmeas[(k−1)D+1]
【0082】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表3に示すように、測定時間4秒(D=4)ごとのデータを、表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0083】
【表3】
【0084】
(3)指定APD値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0085】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、指定APD値:APD>0.01が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表4に示すように、4チャネル(D=4)の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0086】
【表4】
【0087】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0088】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、指定APD値:APD>0.01が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表5に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0089】
【表5】
【0090】
(4)指令レベル値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0091】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、指定閾値レベル:ー40dBmが操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表6に示すように、4チャネル(D=4)の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0092】
【表6】
【0093】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0094】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、指定閾値レベル:ー40dBmが操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表7に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0095】
【表7】
【0096】
(5)ピーク値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0097】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表8に示すように、4チャネル(D=4)の中から、ピーク値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0098】
【表8】
【0099】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0100】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表9に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、ピーク値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0101】
【表9】
【0102】
(6)瞬時電力平均値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電力平均値が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
なお、各測定チャネルの瞬時電力平均値は、閾値レベルxi [mW]と、各閾値レベル(レベル数X)のAPD値APD(xi )から下記式(2)により算出する。
【0103】
【数2】
【0104】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表10に示すように、4チャネル(D=4)の中から、瞬時電力平均値が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0105】
【表10】
【0106】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電力平均値が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0107】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表11に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、瞬時電圧平均値が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0108】
【表11】
【0109】
(7)瞬時電圧平均値ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電圧平均値が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
なお、各測定チャネルの瞬時電圧平均値は、閾値レベルxi [μV]と、各閾値レベル(レベル数X)のAPD値APD(xi )から下記式(3)により算出する。
【0110】
【数3】
【0111】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表12に示すように、4チャネル(D=4)の中から、瞬時電圧平均値が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0112】
【表12】
【0113】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出した瞬時電圧平均値が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0114】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4、閾値レベル数:X=1024が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表13に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、瞬時電圧平均値が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0115】
【表13】
【0116】
(8)ピーク対平均電力比(PAPR)ポイント選択表示モード
(周波数軸データ)
全測定チャネル(測定周波数)数Nmeasを表示ポイント(周波数軸)数Ndispで割った数D=Nmeas/Ndisp分の測定チャネル(測定周波数)のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出したピーク対平均電力比(PAPR)が「最大」又は「最小」となる測定チャネルのAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
なお、各測定チャネルのピーク対平均電力比(PAPR)は、PAPR[dB]=ピーク電力[dBm]ー瞬時電力平均値[dBm]により算出する。
【0117】
そして、例えば、全測定チャネル数:Nmeas=4096、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]:CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表14に示すように、4チャネル(D=4)の中から、ピーク対平均電力比(PAPR)が最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0118】
【表14】
【0119】
(時間軸データ)
各測定チャネル(測定周波数)において、全測定時間Tmeasを表示ポイント(時間軸)数Tdispで割った数D=Tmeas/Tdisp分の測定時間のAPD測定結果の中から、APD測定値から算出したピーク対平均電力比(PAPR)が「最大」又は「最小」となる測定時間のAPD測定結果を選択し、この選択したAPD測定結果を表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0120】
そして、例えば、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas[t]:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]:APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、D=4が操作部700の操作により予め入力されている場合には、下記表15に示すように、測定時間4秒(D=4)分のデータの中から、ピーク対平均電力比(PAPR)が最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0121】
【表15】
【0122】
ここで、上述した(2)〜(8)のいずれかの表示モードが選択されたときの間引き処理方法について、具体例を示して更に詳細に説明する。
【0123】
操作部700の操作により(2)〜(8)のいずれかの表示モードが選択されると、操作部700で設定された間引き数D分のAPD測定結果の中から、選択された表示モードに従って選択されたAPD測定結果を、表示部600の各表示ポイント上に表示する。
【0124】
具体的に、図17はAPDスペクトラム表示(横軸:周波数、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、表示モード:指定APD値ポイント選択表示モード、全測定チャネル数:Nmeas=256、測定チャネルCHmeas[n]:CHmeas[1]〜CHmeas[4096]、表示ポイント数:Ndisp=1024、表示ポイントCHdisp[k]=CHdisp[1]〜CHdisp[1024]、間引き数:D=4、指定APD値:APD>1%を条件とした場合の表示例を示している。この場合、4チャネル(D=4)の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。図17の例では、4つのチャネルCHmeas[1]〜CHmeas[4]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データCHmeas[3]が表示ポイントCHdisp[1]に表示される。同様に、次の4つのチャネルCHmeas[5]〜CHmeas[8]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定チャネルのAPD測定データCHmeas[6]が表示ポイントCHdisp[2]に表示される。
【0125】
また、図18はAPDチャート表示(横軸:時間、縦軸:レベル、パラメータ:APD)として、表示モード:指定APD値ポイント選択表示モード、各測定チャネルにおける全測定時間(測定周期:1秒):Tmeas=4096、各測定時間(測定周期:1秒)における測定結果APD_Tmeas:APD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4096]、表示ポイント数:Tdisp=1024、表示ポイントAPD_Tdisp[k]=APD_Tdisp[1]〜APD_Tdisp[1024]、間引き数:D=4、指定APD値:APD>1%を条件とした場合の表示例を示している。この場合、測定時間4秒(D=4)の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データを選択し、この選択したAPD測定データを表示部600の各表示ポイント上に表示する。図18の例では、測定時間4秒(D=4)分のデータAPD_Tmeas[1]〜APD_Tmeas[4]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データAPD_Tmeas[3]が表示ポイントAPD_Tdisp[1]に表示される。同様に、次の測定時間4秒(D=4)分のデータAPD_Tmeas[5]〜APD_Tmeas[8]の中から、指定APD値:APD>1%となる閾値レベルが最大となる測定時間のAPD測定データAPD_Tmeas[6]が表示ポイントAPD_Tdisp[2]に表示される。
【0126】
このように、本例のAPD測定装置によれば、上述したAPD測定結果の画面表示処理機能により、全測定結果データの中から、注目したい条件項目(例えば平均値、任意のAPD値、ピークレベル値など)を用いて、全測定結果データをグラフ表示画面上の表示ポイント数に制限して表示させることができる。
【0127】
また、取得した全測定結果データは、記憶部400に保持されているので、グラフ表示上では制限して表示しているが、指定マーカ生成部520にて表示される指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を表示部600に数値表示するので、指定マーカが指示する箇所の全てのAPD測定結果は目視で確認することができる。
【符号の説明】
【0128】
100 周波数分析部
110 帯域選択手段
120 A/D変換手段
130 周波数選択手段
200 レベル検出部
300 APD部
310 クロック発生部
320 範囲分類手段
400 記憶部
500 表示制御部
510 グラフ生成部
511 拡大/縮小制御部
512 フルスパン制御部
513 数値制御部
520 指定マーカ生成部
530 画面制御部
540 ピークサーチ部
550 ピークマーカ生成部
560 ゾーンマーカ生成部
580 座標情報記憶部
590 表示フォーマット記憶部
600 表示部
700 操作部
800 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定信号の周波数成分を分析する周波数分析部(100)と、分析された各周波数成分の振幅をそれぞれ検出するレベル検出部(200)と、検出された各周波数成分の振幅について単位時間当たりの振幅確率を時間経過毎に求めるAPD部(300)と、該APD部が出力する各周波数成分の振幅の振幅確率を時間経過に対応して記憶する記憶部(400)と、表示部(600)と、操作部(700)と、前記記憶部に所定タイミングでアクセスして得られた最新の前記記憶部の記憶内容に基づいて、前記周波数、前記振幅、前記振幅確率及び前記時間のうち、2つ又は3つを次元とする座標に残りの1つをパラメータとするグラフを前記表示部に表示させる表示制御部(500)とを備えたAPD測定装置であって、
前記表示制御部は、測定チャネル又は測定時間の全てのAPD測定結果を、予め設定された測定チャネル数又は測定時間ごとのAPD測定結果の平均処理又は間引き処理により前記表示部の表示ポイント数に制限したグラフとして前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項2】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を平均処理したAPD平均値を各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項3】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数の測定チャネル毎又は測定時間毎のAPD測定結果を各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項4】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項5】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項6】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項7】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電力平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項8】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電圧平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項9】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク対平均電力比が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項10】
前記表示部(600)に表示されているグラフ上の2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値として指定する指定マーカを表示させる指定マーカ生成部(520)を備え、
前記表示制御部(500)は、前記指定マーカ生成部にて表示される前記指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を前記表示部に数値表示することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のAPD測定装置。
【請求項1】
被測定信号の周波数成分を分析する周波数分析部(100)と、分析された各周波数成分の振幅をそれぞれ検出するレベル検出部(200)と、検出された各周波数成分の振幅について単位時間当たりの振幅確率を時間経過毎に求めるAPD部(300)と、該APD部が出力する各周波数成分の振幅の振幅確率を時間経過に対応して記憶する記憶部(400)と、表示部(600)と、操作部(700)と、前記記憶部に所定タイミングでアクセスして得られた最新の前記記憶部の記憶内容に基づいて、前記周波数、前記振幅、前記振幅確率及び前記時間のうち、2つ又は3つを次元とする座標に残りの1つをパラメータとするグラフを前記表示部に表示させる表示制御部(500)とを備えたAPD測定装置であって、
前記表示制御部は、測定チャネル又は測定時間の全てのAPD測定結果を、予め設定された測定チャネル数又は測定時間ごとのAPD測定結果の平均処理又は間引き処理により前記表示部の表示ポイント数に制限したグラフとして前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項2】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を平均処理したAPD平均値を各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項3】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数の測定チャネル毎又は測定時間毎のAPD測定結果を各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項4】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定したAPD値となる閾値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項5】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、指定した閾値レベルにおけるAPD値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項6】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク値レベルが最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項7】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電力平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項8】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、瞬時電圧平均値が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項9】
前記表示制御部(500)は、全測定チャネル数を表示ポイント数で割った数分の測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果の中から、ピーク対平均電力比が最大又は最小となる測定チャネル又は測定時間のAPD測定結果を選択して各表示ポイントに割り当てて前記表示部(600)に表示することを特徴とする請求項1記載のAPD測定装置。
【請求項10】
前記表示部(600)に表示されているグラフ上の2つの次元又はパラメータにおける特定の値又は特定の範囲のいずれかを特定値として指定する指定マーカを表示させる指定マーカ生成部(520)を備え、
前記表示制御部(500)は、前記指定マーカ生成部にて表示される前記指定マーカが指示する箇所のAPD測定結果を前記表示部に数値表示することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のAPD測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図18】
【公開番号】特開2011−237340(P2011−237340A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110376(P2010−110376)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、電波資源拡大のための委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、電波資源拡大のための委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
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