説明

AV機器光空間接続記憶装置及び方法

【課題】デジタルデータ光信号を用いて各種AV機器やAV機器以外の装置との信号の送受信を可能とするAV機器光空間接続記憶装置及び方法を提供する。
【解決手段】AV機器1〜4と光伝送によって接続されるAV機器光空間接続記憶装置5は、各AV機器とデジタルデータ光信号を送受信する光送受信装置6と、各AV機器から受信した音声または映像データと各AV機器に送信する音声または映像データとを記録する大容量記憶装置7とを有する。光送受信装置6は、データ信号に各AV機器を識別する符号を付加して、時分割多元接続または符号分割多元接続で送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のAV機器と光伝送によって接続されるAV機器光空間接続記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各AV機器の入出力信号を送信および受信する光送受信器と、これらの光信号を中継する制御卓とにより構成し、機器間のビデオ信号および音声信号を光空間伝送するAV機器光空間接続記憶装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平04−345220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のAV機器光空間接続記憶装置では、各AV機器との光信号送受信は、アナログ信号による周波数多重方式であり、送受信できるAV機器の種類や扱う音声信号および映像信号に制限があり、多種・多様なAV機器やAV機器以外の装置との信号の送受信が困難であった。
【0004】
一方、近年、AV機器のデジタル化が進展し、パソコン等の情報処理装置との連携使用が普及してきている。
【0005】
そこで本発明は、デジタルデータ光信号を用いて各種AV機器やAV機器以外の装置との信号の送受信を可能とするAV機器光空間接続記憶装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明は、複数のAV機器と光伝送によって接続されるAV機器光空間接続記憶装置であって、前記AV機器光空間接続記憶装置は、各AV機器とデジタルデータ光信号を送受信する光送受信装置と、各AV機器から受信した音声または映像データと各AV機器に送信する音声または映像データとを記録する大容量記憶装置とを有することを特徴とする。
【0007】
また、AV機器光空間接続記憶装置の光送受信装置は、データ信号に各AV機器を識別する符号を付加して、時分割多元接続または符号分割多元接続で送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による第1の効果は、各AV機器とAV機器光空間接続記憶装置に内蔵された光送受信装置とは、デジタルデータ光信号によって光伝送されるため、各種AV機器を混在してデータ送受信が可能となり、さらにパソコン等の情報処理装置との連携使用が可能となることである。またデジタル信号による時分割多元接続または符号分割多元接続とすることにより、複数のAV機器と並行してデータの送受信を行うことができる。
【0009】
第2の効果は、内蔵した大容量記憶装置を使用して、各音声・映像機器により異なった記録媒体で記録・再生していた音声・映像データを共有の記録媒体に記録して再生が可能となることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
本発明のAV機器光空間接続記憶装置は、AV制御信号を光空間伝送するとともに、AV入出力信号のうち音声信号および映像信号を中継し、各音声・映像機器間を接続することにより、機器間の配線をなくして信号の送受を行い、機器の配置、増設を容易にすることができる。
【0012】
さらに大容量の記憶装置(例えばハードディスクやDVD、MOなど)を内蔵しており、容易に大容量の記憶(録音、録画)操作が可能となる。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明のシステム構成図である。AV機器光空間接続記憶装置5に内蔵された光送受信装置6は、赤外線等による光伝送によって各AV機器1〜4と接続されており、各AV機器との間で音声及び映像データのデジタル光信号による送受信を行う。
【0014】
また、AV機器光空間接続記憶装置5内では、光送受信装置6と大容量記憶装置7が接続されており、大容量記憶装置7は各AV機器1〜4から受信した音声または映像データと各AV機器に送信する音声または映像データとを記録・再生する。
【0015】
AV機器光空間接続記憶装置5の光送受信装置6は、データ信号に各AV機器1〜4を識別する符号を付加して、時分割多元接続(TDMA: Time Division Multiple Access)または符号分割多元接続(CDMA: Code Division Multiple Access)で送信する。デジタル信号による時分割多元接続または符号分割多元接続とすることにより、複数のAV機器と並行してデータの送受信を行うことができる。
【0016】
これを受信した各AV機器1〜4は、受信した信号のヘッダー部分に自己を識別する符号が付与されていた場合、信号受信完了後にアクノリッジを送信すると共に受信信号を記録する。このアクノリッジを受けて、AV機器光空間接続記憶装置5は、送信した信号が送信先として指定されたAV機器に受信されたことを確認できる。
【0017】
また、受信した信号のヘッダー部分に自己を識別する符号が付与されていないAV機器は、自己に対する信号送信ではないとして、受信した信号を記録せずに、また信号待ちの状態に移行する。
【0018】
AV機器光空間接続記憶装置5の大容量記憶装置7は、各AV機器1〜4から受信した音声または映像データにそのAV機器の識別符号を付加して記録する。これにより、受信した音声または映像データを容易に記憶(録音、録画)可能となり、その音声または映像データがどのAV機器から受信したデータか後で識別することができる。
【0019】
以上の構成により、例えばAV機器1(DVD装置)で再生された音声及び映像を、AV機器4(TV)で鑑賞したり、AV機器3(VTR)で録画することを並行して自由な組み合わせでおこなうことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、家庭で一般的なAV機器について記述しているが、専門的な装置間の接続(例えば携帯などの交換機システムにおけるバックアップファイルや課金データなどを記憶する装置間の接続)の分野などについても、利用・応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0022】
1〜4 AV機器
5 AV機器光空間接続記憶装置
6 光送受信装置
7 大容量記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のAV機器と光伝送によって接続されるAV機器光空間接続記憶装置であって、
前記AV機器光空間接続記憶装置は、
各AV機器とデジタルデータ光信号を送受信する光送受信装置と、
各AV機器から受信した音声または映像データと各AV機器に送信する音声または映像データとを記録する大容量記憶装置とを有することを特徴とするAV機器光空間接続記憶装置。
【請求項2】
前記AV機器光空間接続記憶装置の光送受信装置は、データ信号に各AV機器を識別する符号を付加して、時分割多元接続または符号分割多元接続で送信することを特徴とする請求項1に記載のAV機器光空間接続記憶装置。
【請求項3】
前記大容量記憶装置は、各AV機器から受信した音声または映像データに前記識別符号を付加して記録することを特徴とする請求項2に記載のAV機器光空間接続記憶装置。
【請求項4】
AV機器光空間接続記憶装置と複数のAV機器との接続を光伝送によって行うAV機器光空間接続記憶方法であって、
AV機器光空間接続記憶装置と各AV機器とがデジタルデータ光信号を送受信し、
各AV機器から受信した音声または映像データと各AV機器に送信する音声または映像データとを大容量記憶装置に記録することを特徴とするAV機器光空間接続記憶方法。
【請求項5】
前記AV機器光空間接続記憶装置は、データ信号に各AV機器を識別する符号を付加して、時分割多元接続または符号分割多元接続で送信することを特徴とする請求項4に記載のAV機器光空間接続記憶方法。
【請求項6】
前記大容量記憶装置は、各AV機器から受信した音声または映像データに前記識別符号を付加して記録することを特徴とする請求項5に記載のAV機器光空間接続記憶方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−287456(P2006−287456A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102800(P2005−102800)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】