説明

LED照明灯具

【課題】光電界分布を切り替えることができるLED照明灯具を提供する。
【解決手段】LED照明灯具は、支持具と、前記支持具に設置された複数のLEDと、前記LEDをカバーする照明器具と、を備え、前記複数のLEDの光線は、前記照明器具によって出射され、前記照明器具と前記支持具は、着脱可能に連接され、前記照明器具には、前記LEDと対応する光学部が設けられ、前記光学部は、前記複数のLEDとそれぞれ対応する複数のレンズを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED光源は、点状光源であるため、照明器具を製造する際、第一光学設計によって光源を分散させる。LEDの配光曲線は、一般的に、ランバート分布を呈し、半値全幅は±60°〜120°の範囲内である。LED器具を製造する際、照明器具の配光曲線を変化させるために、第二光学(例えば、別のレンズなど光学部材)設計を介して、ランバート反射を行う。つまり、異なる配光曲線を産出させるには、異なる光学レンズを設計しなければならない。従って、生産コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、光電界分布を切り替えることができるLED照明灯具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、本発明に係るLED照明灯具は、支持具と、前記支持具に設置された複数のLEDと、前記LEDをカバーする照明器具と、を備え、前記複数のLEDの光線は、前記照明器具によって出射され、前記照明器具と前記支持具は、着脱可能に連接され、前記照明器具には、前記LEDと対応する光学部が設けられ、前記光学部は、前記複数のLEDとそれぞれ対応する複数のレンズを備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るLED照明灯具は、前記照明器具と、前記支持具が着脱可能に接続され、また、前記照明器具には、異なる前記光学部がそれぞれ設けられている。従って、異なる環境条件においても、前記照明器具を利用すれば、一つの前記照明器具から異なる光電界分布を獲得することができるので、特別に、異なる光場の照明器具を設計する必要がなく、前記照明器具だけを切り替えれば良いので、異なる環境に適用し、且つ照明装置の生産コストを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係る第一実施形態のLED照明灯具の分解図である。
【図2】図1に示した第一実施形態のLED照明灯具の組立図である。
【図3】図2に示した第一実施形態の照明器具の平面図である。
【図4】図3に示した第一実施形態の照明器具のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図3に示した第一実施形態の照明器具のV−V線に沿った断面図である。
【図6】図3に示した第一実施形態の照明器具の底面図である。
【図7】本発明に係る第二実施形態の照明器具の平面図である。
【図8】図7に示した第二実施形態の照明器具のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】図7に示した本発明に係る第二実施形態の照明器具のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】図7に示した本発明に係る第二実施形態の照明器具の底面図である。
【図11】本発明に係る第三実施形態の照明器具の平面図である。
【図12】図11に示した本発明に係る第三実施形態の照明器具のXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】図11に示した本発明に係る第三実施形態の照明器具のXIII−XIII線に沿った断面図である。
【図14】図11に示した本発明に係る第三実施形態の照明器具の底面図である。
【図15】本発明に係る第四実施形態の照明器具の平面図である。
【図16】図15示した第四実施形態の照明器具のXVI−XVI線に沿った断面図である。
【図17】図15に示した第四実施形態の照明器具のXVII−XVII線に沿った断面図である。
【図18】図16に示した第四実施形態の照明器具の底面図である。
【図19】本発明に係る第五実施例の照明器具の平面図である。
【図20】図19に示した第五実施形態の照明器具のXX−XX線に沿った断面図である。
【図21】図19に示した第五実施形態の照明器具のXXI−XXI線に沿った断面図である。
【図22】図19に示した第五実施形態の照明器具の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明に係るLED照明灯具について詳細に説明する。
【0008】
図1及び図2を参照すると、本発明に係るLED照明灯具10は、支持具11と、複数のLED12と、照明器具13と、を備える。支持具11は、矩形状であり、LED12を支持する。支持具11は、支持板111と、支持板111の周縁から垂直に延伸した側板112と、支持板111の周縁に隣接し、且つ該周縁から垂直に延伸した折辺113と、を備える。側板112と折辺113とは、互いに平行であり、且つ間隔を開けて設置され、共にリング状の係止溝114を形成する。支持板111は、互いに相対する第一表面1111と、第二表面1112と、を備え、該第二表面1112には、下方に向かって垂直に延伸した複数の放熱構造115が設けられている。また、第二表面1112の相対する両側には、複数の凹溝(図示せず)が設けられている。
【0009】
複数のLED12は、長方形を形成するように設置され、支持板111の第一表面1111に貼設される。複数のLED12から発生された熱量は、支持板111の第二表面1112に形成された放熱機構115によって放熱される。照明器具13は、支持具11のLED12が設置されている側に設置され、且つその形状は矩形状であり、支持具11の形状と大きさとに対応する。また、図3及び図4を併せて参照すると、照明器具13は、本体131と、本体131の中央部に位置する光学部132と、本体131の周縁から下方に向かって垂直に延伸して形成された折縁133と、を備える。本体131の相対する両側には、支持板111の前記凹溝と対応する凹溝134が設けられている。照明器具13は、LED12をカバーする。この際、照明器具13と支持具11は、複数のロック部材14によって、着脱可能に接続される。また、照明器具13は、LED照明灯具10に埃等が入り込むのを防止する。
【0010】
各々のロック部材14は、接続壁141と、接続壁141の両端に形成された二つの弾性ロック壁142と、を備える。弾性ロック壁142は、V形状である。接続壁141の長さは、支持板111の幅と照明器具13の幅との和と同じである。ロック部材14の一端の弾性ロック壁142と、支持具11の前記凹溝とが対応し、もう一端の弾性ロック壁142と照明器具13の凹溝134とが対応する。
【0011】
図5及び図6を併せて参照すると、光学部132は、複数のレンズ135を備える。複数のレンズ135は、LED照明灯具10のLED12が生成する光線の拡散を制御する。レンズ135は、長方形を形成するように、且つ各々のLED12に対応して設置される。本体131は、換気孔136を備え、該換気孔136は、光学部132の相対する両端に、且つ本体131を貫通して形成されて、排気及び放熱を行う。
【0012】
照明器具13は、一体成型の方法によって形成される。本発明の実施形態において、照明器具13は、プラスチック射出成形法によって一体成型され、超高速で充填した後、シアシニングによって、ゾル粘度を低減させて、ゾルの流動性を増加させ、射出圧力を低減させることによって、薄い成型品(つまり照明器具13)を作る。また、照明器具13は、熱硬化性成形を採用することもできる。この場合、加熱すると同時に、圧力を加えて、レンズ135を作る。
【0013】
各々のレンズ135は、受光面1351と、該受光面1351と相対する出光面1352と、を備える。受光面1351は平面であり、レンズ135は上から見ると、楕円形である。レンズ135は、LED12と対応して設置され、LED12から出射された光線は、受光面1351からレンズ135に入射して、屈折した後、出光面1352を通して、LED照明灯具10から出射されて、必要とされる光場を形成する。レンズ135の出光面1352は、円弧状の凸面であり、前記受光面1351は平面である。受光面1351と、折縁133の底端は、同じ平面上に位置し、出光面1352の高さは、折縁133の頂部より低く、レンズ135の高さは折縁133の高さの半分である。また、レンズ135は、支持板111の長さ方向及び幅方向における側断面で見て、ほぼ半球状である。
【0014】
LED照明灯具10を組み立てる際、先ず、照明器具13を支持具11上に設置して、照明器具13の折縁133が支持具11上の係止溝114に収容されるようにする。次いで、ロック部材14を、支持具11と照明器具13とにおける相対する両側に係止させ、ロック部材14の一端の弾性ロック壁142は、支持具11の前記凹溝に係止させ、もう一端の弾性ロック壁142は、照明器具13の凹溝134に係止させる。これにより、照明器具13と支持具11は、着脱可能に連接される。
【0015】
LED照明灯具10を脱離する際、ロック部材14の両端の弾性ロック壁142を、支持具11の前記凹溝と、照明器具13の凹溝134からそれぞれ取り出すことにより、ロック部材14を取り外すことができ、照明器具13と支持具11とが分離する。
【0016】
図7〜図10を参照すると、本発明の第二実施形態が提供する照明器具23と、第一実施形態の照明器具13と異なる部分は、照明器具23の光学部232である。光学部232は、複数の長方形を形成するように設置された複数のレンズ235を備え、該複数のレンズ235は、受光面2351と、受光面2351と相対する出光面2352と、をそれぞれ備える。受光面2351の中央には、出光面2352に向かって曲面2353が形成されている。また、各々の受光面2351は、曲面2353の周縁に位置するリング状の平面2354を備える。曲面2353は、複数のレンズ235の中央に位置し、且つLED12と対応する。また、複数のレンズ235は、支持板111の長さ方向と幅方向とでそれぞれ側断面で見ると、ほぼアーチ形である。
【0017】
図11〜図14を参照すると、本発明の第三実施形態が提供する照明器具33と、第一実施形態の照明器具13と異なる部分は、照明器具33の光学部332である。光学部332は、複数の長方形を形成するように設置された複数のレンズ335を備える。複数のレンズ335は、受光面3351と、受光面3351と相対する出光面3352と、をそれぞれ備える。受光面3351は、平面3353と、平面3353の一端から出光面3352に向かって延伸した斜面3354と、を備える。出光面3352は、受光面3351の平面3353のもう一端に近い部分から該平面3353に対して垂直に延伸した垂直面3355と、垂直面3355の頂部と斜面3354が接続された一部に設けられた円弧状の凸面3356と、を備える。また、複数のレンズ335は、支持板111の長さ方向及び幅方向においてそれぞれ側断面で見ると、水滴形状である。
【0018】
図15〜図18を参照すると、本発明の第四実施形態が提供する照明器具43と、第一実施形態の照明器具13と異なる部分は、照明器具43の光学部432である。光学部432は、複数の長方形を形成するように設置された複数のレンズ435を備える。複数のレンズ435は、受光面4351と、受光面4351と相対する出光面4352と、を備える。受光面4351は、平面4353と、平面4353の一端から出光面4352に向かって形成された曲面4354と、を備え、平面4353の大部分は、曲面4354の一側に位置する。出光面4352は、受光面4351の平面4353のもう一端に近い部分から、該平面4353に対して垂直に延伸した垂直面4355と、垂直面4355の頂部と曲面4354が接続された一部に設けられた円弧状の凸面4356と、を備える。また、複数のレンズ435は、支持板111の長さ方向及び幅方向においてそれぞれ側断面で見ると、アーチ形である。また、凸面4356の湾曲の程度は、出光面4352の湾曲の程度と同じである。
【0019】
図19〜図22を参照すると、本発明の第五実施形態が提供する照明器具53と、第一実施形態の照明器具13と異なる部分は、照明器具53の光学部532である。光学部532は、複数の第一レンズ535と、該複数の第一レンズ535と間隔を開けて設置された複数の第二レンズ536と、を備える。第一レンズ535の形状は、第二実施形態のレンズ235の形状と同じである。
【0020】
以上、本発明の第一〜第五実施形態における照明器具13、23、33、43、53と、支持具11とは着脱可能に連接される。また、照明器具13、23、33、43、53には、異なる光学部132、232、332、432、532がそれぞれ設けられている。従って、異なる環境条件においても、照明器具13、23、33、43、53を利用すれば、一つの照明器具13、23、33、43、53から異なる光電界分布を獲得することができるので、特別に、異なる光場の照明器具を設計する必要がなく、照明器具13、23、33、43、53だけを切り替えれば良いので、異なる環境に適用し、且つ照明装置の生産コストを減らすことができる。
【0021】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0022】
10 LED照明灯具
11 支持具
111 支持板
1111 第一表面
1112 第二表面
112 側板
113 折辺
114 係止溝
115 放熱機構
12 LED
13、23、33、43、53 照明器具
131 本体
132、232、332、432、532 光学部
133、233、333、433、533 折縁
134 凹溝
135、235、335、435 レンズ
1351、2351、3351、4351 受光面
1352、2352、3352、4352 出光面
136 換気孔
14 ロック部材
141 接続壁
142 弾性ロック壁
2354、3353、4353 平面
2353、3356、4354 曲面
3355、4355 垂直面
3354 斜面
3356、4356 凸面
535 第一レンズ
536 第二レンズ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持具と、前記支持具に設置された複数のLEDと、前記LEDをカバーする照明器具と、を備え、且つ前記複数のLEDの光線が、前記照明器具によって出射されるLED照明灯具において、前記照明器具と前記支持具は、着脱可能に連接され、前記照明器具には、前記LEDと対応する光学部が設けられ、前記光学部は、前記複数のLEDとそれぞれ対応する複数のレンズを備えることを特徴とするLED照明灯具。
【請求項2】
前記LED照明灯具は、複数のロック部材を備え、各々の前記ロック部材は、接続壁と、前記接続壁の両端に形成された二つの弾性ロック壁と、を備え、前記照明器具と前記支持具には、相対する凹溝がそれぞれ設けられ、複数の前記ロック部材の弾性ロック壁は、前記凹溝にそれぞれ係止し、前記照明器具と前記支持具は、着脱可能に連接されることを特徴とする請求項1に記載のLED照明灯具。
【請求項3】
前記照明器具は、本体と、前記本体の周縁から下方に向かって垂直に延伸して形成された折縁と、を備え、前記光学部は、前記本体の中央部に位置し、前記支持具は、前記折縁を収容するための係止溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のLED照明灯具。
【請求項4】
前記レンズは、長方形を形成するように、且つ前記複数のLEDに対応して設置され、前記レンズは、受光面と、前記受光面と相対する出光面と、を備え、前記複数のLEDから出射された光線は、前記受光面から前記レンズに入射して、屈折した後、前記出光面によって、当該LED照明灯具から出射されることを特徴とする請求項1に記載のLED照明灯具。
【請求項5】
前記レンズの前記出光面は円弧状の凸面であり、前記受光面は平面であり、前記レンズは上から見ると、楕円形であり、前記支持板の長さ方向及び幅方向における側断面で見ると、ほぼ半球体であることを特徴とする請求項4に記載のLED照明灯具。
【請求項6】
前記受光面の中央には、前記出光面に向かって凹部が形成され、前記受光面は、前記凹部内に設けられた曲面と、前記曲面の周縁に位置するリング状の平面と、を備え、前記レンズは、前記支持板の長さ方向及び幅方向における側断面で見て、ほぼアーチ形であることを特徴とする請求項4に記載のLED照明灯具。
【請求項7】
前記受光面は、平面と、該平面の一端から前記出光面に向かって延伸した斜面と、を備え、前記出光面は、前記受光面の前記平面のもう一端に近い部分から、該平面に対して垂直に延伸した垂直面と、前記垂直面の頂部と前記斜面が接続された一部に設けられた円弧状の凸面と、を備え、前記レンズは、前記支持板の長さ方向及び幅方向における側断面で見て、ほぼ水滴形状であることを特徴とする請求項4に記載のLED照明灯具。
【請求項8】
前記受光面は、平面と、該平面の一端から前記出光面に向かって形成された曲面と、を備え、前記出光面は、前記受光面の前記平面のもう一端に近い部分から、前記平面に対して垂直に延伸した垂直面と、前記垂直面の頂部と前記曲面が接続された一部に設けられた円弧状の凸面と、を備え、前記凸面の湾曲の程度は、前記出光面の湾曲の程度と同じであることを特徴とする請求項4に記載のLED照明灯具。
【請求項9】
前記光学部は、複数の第一レンズと、前記複数の第一レンズと間隔を開けて設置された複数の第二レンズと、を備えることを特徴とする請求項4に記載のLED照明灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−38078(P2013−38078A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−174533(P2012−174533)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【出願人】(509232049)晶鼎能源科技股▲ふん▼有限公司 (43)
【Fターム(参考)】