説明

LED照明装置

【課題】
放熱特性に優れ、高輝度で高耐久性のLED照明装置を提供する。
【解決手段】
厚み方向よりも面内方向で熱伝導率が大きな、熱伝導異方性を有するグラファイト製シートを使用して、高輝度LEDランプにおける、回路基板上のLED素子から発熱された熱を、LED素子発光面側から、LEDが配置された回路基板の裏面側に高効率で伝熱するように接合し、前記高輝度LEDランプ筐体内部に配設された空冷ファン8によって放熱することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に複数のLED素子を配置したLED照明装置における、LED素子が発生する熱の放熱手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりから、省電力化に優れたLEDを光源に使用したLED照明装置が盛んに用いられるようになってきた。特に最近は、高輝度を有する照明装置である水銀灯やハロゲンランプからの置き換えで、高輝度タイプのLEDを多数個、密に並べた高輝度LED照明装置が出現してきた。LED照明装置はスイッチを入れてからの点灯速度が速く、また寿命も長く交換頻度も少ないので、高天井に設置される従来の水銀灯などの高輝度ランプから高輝度LEDランプへの置き換えが加速していくものと思われる。
【0003】
ところが、高輝度を得るために、LEDを多数個、密接して並べると、LED素子から発せられる熱による温度上昇が大きくなり、所定の輝度が得られなくなるだけでなく、使用可能時間も短くなってしまう。またLED素子においては、発光させる電流値を大きくして輝度を上げると、温度上昇が大きくなる。
そのため、高輝度LED照明装置においては、いかにしてLED素子から発生した熱を放熱させ、LED素子の保障温度範囲に収めるかということが重要な課題となっており、放熱部材の材質や構造、更には冷却ファンを用いたLED照明装置が提案されている。(特許文献1)
一方、回路基板上の電子部品において、面内方向でアルミや銅などの金属よりも熱伝導率の大きなグラファイトシートを使用し、電子部品と筐体や放熱部材を熱的に接続して、効率的に放熱を行う方法が発明されている。(特許文献2、特許文献3)
またグラファイト製シートを組み入れた回路基板や、LED素子の放熱を行うためのLED用基板の発明もなされている。(特許文献4、特許文献5)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−40221
【特許文献2】特許第3680362
【特許文献3】特許第4075481
【特許文献4】特許第4365061
【特許文献5】特開2007−123348
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、放熱特性に優れ、高輝度で高耐久性のLED照明装置の提供を目的としている。
特許文献1ではLED実装基板の裏面に放熱体、フィンが接合され、ファンによって空冷しているが、更にLED素子の実装密度及びLEDの発光電流も大きくして、水銀灯代替の高輝度LED照明を実現しようとすると、発熱量が増大し、空冷ファンを用いても、放熱は十分でなくなる。
特許文献2、特許文献3では回路基板上のパワートランジスタとヒートシンクをグラファイト製シートで面同士を接合した発明で、グラファイト製シートの面内での高熱伝導性を有効に利用したものであるが、LED素子においては発光面があるため、素子自体にグラファイトシートは貼ることは困難である。
特許文献4、特許文献5では電子素子を実装する回路基板や、LED実装用の回路基板にグラファイト製シートを組み込み、グラファイト製シートの両面を、電気絶縁性あるいは電気導電性であり等方性の熱伝導シートで挟み、回路基板内での熱拡散を高めようとした発明であるが、グラファイト製シートの面内方向の高熱伝導性を減じており、その特性を有効に利用した発明とはなっていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、前記課題を解決するため鋭意検討した結果なされたもので、面内に500から1500W/mK、厚み方向に5から10W/mK程度の大きな異方性の熱伝導率を有するグラファイト製シートを利用して、LED素子で生じた熱を高速で、LED発光面の裏側に伝熱させ、空冷ファンなどを利用して放熱させることによって、高輝度なLED照明装置を提供する。
【0007】
請求項1に記載の発明にあたっては、LED素子が配置された回路基板において、LED素子の発光面を覆わず、かつLED素子の電極、回路基板上の電極にも接触しないように貫通孔が設けられ、厚み方向よりも面内方向に大きな熱伝導率を有するグラファイト製シートによって、LED素子が配置された面側が覆われ、かつその側面側、その裏面側が、前記LED素子の配置面側のグラファイト製シートと面内方向で熱伝導するように一体化されたグラファイト製シートで覆われていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明にあたっては、LED素子が配置された回路基板は円板形状で、前記回路基板の側面を覆うグラファイト製シートは略長方形であり、対向する二つの長辺の縁を全長に渡り複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、前記回路基板の側面に帯状に巻きつけた後に、LEDが配置された側の面を覆った円形のグラファイト製シートと前記回路基板の裏面を覆った、円形のグラファイト製シートの表面あるいは裏面に、前記凸面を折り重ねて接合することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明にあたっては、LED素子が配置された回路基板は円板形状で、上面と下面を覆うグラファイト製シートが円形で全周の縁を複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、前記回路基板の上面と下面に接合した後に、前記回路基板の側面を覆うグラファイト製シートの表面あるいは裏面に、前記凸面を折り重ねて接合されることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明にあたっては、グラファイト製シートを底面のある円筒形状に成形し、あるいは高分子シートを底面のある円筒形状に成形してから焼成しグラファイト化した二つの円筒形状のグラファイト製シートをLED実装基板の上面、下面に被せ、円筒の側壁で面同士を重ね、接合したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明にあたっては、グラファイト製シートで覆われた回路基板のLED素子が配置された面の裏面側、あるいは前記回路基板の側面側に放熱部材が接合されたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明にあたっては、LED素子が配置された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、LED素子の発光面を覆わず、かつLED素子の電極、回路基板上の電極にも接触しないように貫通孔が設けられ、厚み方向よりも面内方向に大きな熱伝導率を有するグラファイト製シートによって、LED素子が配置された面側が覆われ、かつ放熱部材を含めた前記基板の側面側が、前記LED素子の配置面側のグラファイト製シートと面内方向で熱伝導するように一体化されたグラファイト製シートで覆われていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載の発明にあたっては、LED素子が配置された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、前記基板と放熱部材の側面を覆うグラファイト製シートは略長方形であり、一つの長辺を全長に渡り複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、凸面がある長辺側をLED配置面側に位置するように、前記基板の側面と前記放熱部材の側面に帯状に巻きつけた後に、前記基板のLEDが配置された面側を覆ったグラファイト製シートの表面あるいは裏面に、前記凸面を折り重ねて接合することを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載の発明にあたっては、LED素子が配置された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、LEDが配置された基板を覆うグラファイト製シートが円形で、全周の縁を複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、前記基板の上面に接合した後に、前記基板の側面と放熱部材の側面を覆うグラファイト製シートの表面あるいは裏面に前記凸面を折り重ねて接合されることを特徴とするものである。
【0015】
請求項9に記載の発明にあたっては、LED素子が実装された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、グラファイト製シートを底面のある円筒形状に成形し、あるいは高分子シートを底面のある円筒形状に成形してから焼成しグラファイト化した円筒形状のグラファイト製シートをLED実装基板に被せ、前記基板のLEDが配置された面と、前記基板の側面と放熱部材の側面を覆ったことを特徴とするものである。
【0016】
請求項10に記載の発明にあたっては、厚み方向よりも面内方向に大きな熱伝導率を有するグラファイト製シートの片面側の表面に、耐熱性が250℃以上のフィルムを積層し、前記フィルムの表面に回路パターンを形成し、回路パターンのLED素子のカソード電極、アノード電極と接続される箇所以外にソルダーレジストにより絶縁層を形成し、前記回路の電極上にLED素子を実装する工程で作成することを特徴とするものである。
【0017】
請求項11に記載の発明にあたっては、前記LED実装基板の重心から端部までの最大距離をLmm、グラファイト製シートの厚みをtmmとしたとき、以下の関係式を満たすことを特徴とするものである。
t ≦ (グラファイト製シート厚み方向熱伝導率/グラファイト製シート面内方向熱伝導率) x L
【0018】
請求項12に記載の発明にあたっては、前記LED実装基板においてLED素子が実装された面の裏面側、あるいは側面側に接合した放熱部材が配置されたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項13に記載の発明にあたっては、LEDが配置された面の裏面側から回路基板の途中まで、あるいは前記LEDが配置された面側に接合されたグラファイト製シートと回路基板との界面まで彫られた穴があることを特徴とするものである。
【0020】
請求項14に記載の発明にあたっては、回路基板の一端側の面にLED素子が配置されグローブで覆われ、前記回路基板の他端に、冷却ファンを内蔵した筐体が接続され、前記筐体には複数のフィンが配設され、回路基板に近い側のフィンとフィンの間に外部と連通する開口が設けられ、他端に口金が接続され、口金と冷却ファンの間の筐体側壁に外部と連通する開口が設けられ、ファンの回転で外気が筐体内部に流入され、LEDが配置された面の裏面側に吹き付けられ、前記放熱部材のフィンとフィンの間の開口から排気されるように通風路が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、グラファイト製シートの持つ面内方向の高い伝熱特性を効率的に利用し、水銀灯のような高輝度照明装置の代替を行う長寿命な高輝度LED照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】高輝度LEDランプの上面側斜視図
【図2】高輝度LEDランプの低面側斜視図
【図3】高輝度LEDランプの断面図
【図4】(実施の形態1)の基板の断面図
【図5】(実施の形態1)のグラファイト製シートの平面図
【図6】(実施の形態2)のグラファイト製シートの平面図
【図7】(実施の形態3)のグラファイト製シートの斜視図
【図8】(実施の形態4)の基板の断面図とグラファイト製シートの平面図
【図9】(実施の形態5)の基板の断面図
【図10】(実施の形態6)の基板の断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず本発明で使用される高輝度LEDランプの一例を、図面を用いて説明する。図1、図2は、高輝度LEDランプの斜視図で、図3はX−X断面図である。LED素子が配置された基板1の発光面側にレンズ2と透光性カバー3が設置され、他端側にフィンが配置された放熱部材4が接合され、更に筐体5が設置されている。筐体5にはフィン6が設けられており、フィンとフィンの間には外部と連通する開口が一部設けられた排気口7となっている。筐体5の内部に冷却ファン8が設置され、他端側に口金9が設置されている。冷却ファンと口金の間の筐体5の側壁に、外部と連通する開口が設けられ、吸気口10となっている。
以下にグラファイト製シートを使用した放熱性の改良を説明する。なおグラファイト製シートは不活性ガス中、2000℃以上で焼成し、グラファイト化したもので、面内方向の熱伝導率が500から1500W/mK、厚み方向の熱伝導率が5から10W/mKのものを使用した。
【0024】
(実施の形態1)
図4は、グラファイト製シートで覆われた円板形状の基板1の断面図であり、この基板1は、一方の面にLED素子21が配置され、グラファイト製シート22、23、24で覆われている。図5に前記グラファイト製シートの平面図を示した。22はLEDが配置された面の基板に接合されるグラファイト製シートで、LEDからの照射光を遮らず、なおかつLED素子の電極に接しないように、LEDが配置される位置が切り抜かれ貫通孔25が設けられている。23はLED素子が配置された基板の裏側に接合されるグラファイト製シートである。24は、基板の側面に接合される帯状のグラファイト製シートであり、図5に示したように、二つの長辺の縁を部分的に複数箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面26が形成されている。
最初に基板1にグラファイト製シート22、23を接合し、その後にグラファイト製シート24を帯状に巻きつける、更に凸面26を折り曲げ、前記グラファイト製シート22、23の表面に、面と面が重なるように接合する。このようにして図4に示したグラファイト製シートで覆われたLEDが配置された基板1が形成される。
【0025】
図4の矢印Bは、LED素子21からの伝熱の様子を示したもので、本実施の形態によって、LED素子21で発生した熱は、グラファイト製シートの面内を、途切れることなく連続して通り、裏面に高速で伝わり、冷却ファンで発生した空気流Aによって、効果的に放熱される。
本発明で使用した高輝度LEDランプでは、フィンが設けられた放熱部材が、グラファイト製シートと接合し、更に効率的に冷却される。
なお簡便上、LED素子は1個しか描かれていないが、本来複数個あるものである。
また最初に基板1にグラファイト製シート24を接合し、凸面26を折り曲げてから、グラファイト製シート22、23を、26の表面に重ねて、基板の両側の面に接合しても構わない。
【0026】
(実施の形態2)
図6は、基板を覆うグラファイト製シートの別の形態であり、LED素子が実装された回路基板の上面と下面を覆うグラファイト製シート27と29の全周を複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面28、30を形成したものである。
前記基板の側面を覆う短冊形状のグラファイト製シート31を、前記基板の側面に帯状に巻きつけて接合してから、上面と下面に前記グラファイト製シート27、29を接合し、凸面28、30を折り曲げ、グラファイト製シート31の表面に重ねて接合したものである。実施の形態1と同様に、LED素子で発生した熱は、高速でLED照射面の裏面に伝熱され、効果的に冷却ファンで放熱される。
【0027】
(実施の形態3)
図7は、基板を覆うグラファイト製シートの別の形態であり、高分子シートを真空成形によって、底面のある円筒形状に成形し、それを2500℃で焼成しグラファイト化した円筒形グラファイト製シートを使用したものである。LED素子が配置される位置を切り抜いた円筒形グラファイト製シート32を、LEDを配置した面側から被せ、円筒形グラファイト製シート33を、その裏面側から被せ、側面部分を面同士で接合する。これによって、実施の形態1と同様に、LED素子で発生した熱は、高速でLED照射面の裏面に伝熱され、効果的に冷却ファンで放熱される。
またグラファイト製シートから、真空成形によって、底面のある円筒形状に成形したものを使用しても構わない。
【0028】
(実施の形態4)
図8は、基板1にアルミ製の放熱部材34を接合してから、グラファイト製シートで覆ったものである。
実施の形態1で使用したものと同様なグラファイト製シート22と、LED配置面の裏面方向に位置する辺縁には凸面がない側面を覆うグラファイト製シート35を使用し、基板と放熱部材に接合したものである。なお実施の形態1で使用したグラファイト製シート24を使用し、例えば放熱部材のフィンとフィンとの間の平面部分に凸面26を折り曲げ、重ねて接合しても構わない。
また実施の形態2で使用したグラファイト製シート27、31や、実施の形態3で使用したグラファイト製シート32を使って、基板と放熱部材を接合してもよい。
これによって、放熱部材に伝熱される経路が増え、LEDが配置された裏面から、効果的に放熱される。
【0029】
(実施の形態5)
図9は、半径50mmで厚み0.08mmのグラファイト製シート101の表面に、厚み25μmのポリイミドフィルム102を接合し、前記フィルムの表面に銅で回路パターン103を形成し、回路パターンのLED素子のカソード電極、アノード電極と接続される箇所以外にソルダーレジスト104により絶縁層を形成し、前記回路の電極上にLED素子105を実装する工程で作成した円形の基板1である。
ここで用いたグラファイト製シートの厚みを、(グラファイト製シート厚み方向熱伝導率/グラファイト製シート面内方向熱伝導率) x 半径 以下としたことによって、基板の裏面側に達する単位時間あたりの熱量が、基板の側面端部に達する単位時間あたりの熱量よりも大きくなり、側面側での蓄熱が抑えられ、裏面側で有効に放熱できる。
【0030】
(実施の形態6)
図10は、(実施の形態1)の基板において、LEDが配置された裏面側を複数箇所彫り、孔37を形成し、LED配置側のグラファイト製シートと、空冷ファンからの気流との距離を小さくしたものである。これによって厚み方向での伝熱が進み、側面側端部での蓄熱が抑えられ、裏面側で有効に放熱できる。特にLED素子が配置された真下側を彫るのが有効である。
【符号の説明】
【0031】
1はLEDが配置された基板
2はレンズ
3は透光性カバー
4は放熱部材
5は筐体
6はフィン
7は排気口
8は冷却ファン
9は口金
10は吸気口
21はLED素子
22、23、24は(実施の形態1)で使用されるグラファイト製シート
25は貫通孔
26は24の凸面
27、29、31は(実施の形態2)で使用されるグラファイト製シート
28は27の凸面
30は29の凸面
32、33は(実施の形態3)で使用されるグラファイト製シート
34は放熱部材
35、36は(実施の形態4)で使用されるグラファイト製シート
37は基板1に設けられた孔
101はグラファイト製シート
102は耐熱性フィルム
103は導電性回路パターン
104はソルダーレジスト
105はLED素子
Aは空気の流れ
Bは熱の流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED素子が配置された回路基板において、LED素子の発光面を覆わず、かつLED素子の電極、回路基板上の電極にも接触しないように貫通孔が設けられ、厚み方向よりも面内方向に大きな熱伝導率を有するグラファイトシートによって、LED素子が配置された面側が覆われ、かつその側面側、その裏面側が、前記LED素子の配置面側のグラファイト製シートと面内方向で熱伝導するように一体化されたグラファイト製シートで覆われていることを特徴としたLED実装基板、およびそれを用いたLED照明装置。
【請求項2】
LED素子が配置された回路基板は円板形状で、前記回路基板の側面を覆うグラファイト製シートは略長方形であり、対向する二つの長辺の縁を全長に渡り複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、前記回路基板の側面に帯状に巻きつけた後に、LEDが配置された側の面を覆った円形のグラファイト製シートと前記回路基板の裏面を覆った、円形のグラファイト製シートの表面あるいは裏面に、前記凸面を折り重ねて接合することを特徴とした請求項1に記載のLED実装基板、およびそれを用いたLED照明装置。
【請求項3】
LED素子が配置された回路基板は円板形状で、上面と下面を覆うグラファイト製シートが円形で全周の縁を複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、前記回路基板の上面と下面に接合した後に、前記回路基板の側面を覆うグラファイト製シートの表面あるいは裏面に、前記凸面を折り重ねて接合されることを特徴とした請求項1に記載のLED実装基板、およびそれを用いたLED照明装置。
【請求項4】
グラファイト製シートを底面のある円筒形状に成形し、あるいは高分子シートを底面のある円筒形状に成形してから焼成しグラファイト化した二つの円筒形状のグラファイト製シートをLED実装基板の上面、下面に被せ、円筒の側壁で面同士を重ね、接合したことを特徴とした請求項1に記載のLED実装基板、およびそれを用いたLED照明装置。
【請求項5】
グラファイト製シートで覆われた回路基板のLED素子が配置された面の裏面側、あるいは前記回路基板の側面側に放熱部材が接合されたことを特徴とした請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3あるいは請求項4に記載のLED照明装置。
【請求項6】
LED素子が配置された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、LED素子の発光面を覆わず、かつLED素子の電極、回路基板上の電極にも接触しないように貫通孔が設けられ、厚み方向よりも面内方向に大きな熱伝導率を有するグラファイト製シートによって、LED素子が配置された面側が覆われ、かつ放熱部材を含めた前記基板の側面側が、前記LED素子の配置面側のグラファイト製シートと面内方向で熱伝導するように一体化されたグラファイト製シートで覆われていることを特徴としたLED照明装置。
【請求項7】
LED素子が配置された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、前記基板と放熱部材の側面を覆うグラファイト製シートは略長方形であり、一つの長辺を全長に渡り複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、凸面がある長辺側をLED配置面側に位置するように、前記基板の側面と前記放熱部材の側面に帯状に巻きつけた後に、前記基板のLEDが配置された面側を覆ったグラファイト製シートの表面あるいは裏面に、前記凸面を折り重ねて接合することを特徴とした請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項8】
LED素子が配置された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、LEDが配置された基板を覆うグラファイト製シートが円形で、全周の縁を複数の箇所で切り欠き、切り欠いた部分と切り欠いた部分の間に突起となる凸面を形成し、前記基板の上面に接合した後に、前記基板の側面と放熱部材の側面を覆うグラファイト製シートの表面あるいは裏面に前記凸面を折り重ねて接合されることを特徴とした請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項9】
LED素子が実装された円形回路基板の発光面の裏側に放熱部材が接合され、グラファイト製シートを底面のある円筒形状に成形し、あるいは高分子シートを底面のある円筒形状に成形してから焼成しグラファイト化した円筒形状のグラファイト製シートをLED実装基板に被せ、前記基板のLEDが配置された面と、前記基板の側面と放熱部材の側面を覆ったことを特徴とした請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項10】
厚み方向よりも面内方向に大きな熱伝導率を有するグラファイト製シートの片面側の表面に、耐熱性が250℃以上のフィルムを積層し、前記フィルムの表面に回路パターンを形成し、回路パターンのLED素子のカソード電極、アノード電極と接続される箇所以外にソルダーレジストにより絶縁層を形成し、前記回路の電極上にLED素子を実装する工程で作成することを特徴としたLED実装基板、およびそれを用いたLED照明装置。
【請求項11】
前記LED実装基板の重心から端部までの最大距離をLmm、グラファイト製シートの厚みをtmmとしたとき、以下の関係式を満たすことを特徴とした請求項10に記載のLED実装基板、およびLED照明装置。
t ≦ (グラファイト製シート厚み方向熱伝導率/グラファイト製シート面内方向熱伝導率) x L
【請求項12】
前記LED実装基板においてLED素子が実装された面の裏面側、あるいは側面側に接合した放熱部材が配置されたことを特徴とした請求項10あるいは請求項11に記載のLED照明装置。
【請求項13】
LEDが配置された面の裏面側から回路基板の途中まで、あるいは前記LEDが配置された面側に接合されたグラファイト製シートと回路基板との界面まで彫られた穴があることを特徴とした請求項1から請求項9のいずれか、あるいは請求項12に記載のLED照明装置。
【請求項14】
回路基板の一端側の面にLED素子が配置されグローブで覆われ、前記回路基板の他端に、冷却ファンを内蔵した筐体が接続され、前記筐体には複数のフィンが配設され、回路基板に近い側のフィンとフィンの間に外部と連通する開口が設けられ、他端に口金が接続され、口金と冷却ファンの間の筐体側壁に外部と連通する開口が設けられ、ファンの回転で外気が筐体内部に流入され、LEDが配置された面の裏面側に吹き付けられ、前記放熱部材のフィンとフィンの間の開口から排気されるように通風路が形成されていることを特徴とした筐体からなる請求項1から請求項13までのいずれかに記載のLED照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−243525(P2012−243525A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111737(P2011−111737)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】