説明

N’−シアノ−N−ハロゲン化アルキルイミドアミド誘導体

本発明は、新規置換されたN’−シアノ−Nハロゲン化アルキルイミドアミド誘導体、その製造方法及び有害動物、特に節足動物、特に昆虫を駆除するためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、新規置換されたN’−シアノ−N−ハロゲンアルキルイミドアミド誘導体、それらの調製方法及び有害動物、特に節足動物、特に昆虫を駆除するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のN’−シアノ−N−アルキルイミドアミド誘導体は、殺虫剤として既に公知である(WO03/095418A1参照)。さらに、ある種のN’−シアノ−N−モノハロメチルイミドアミド誘導体が殺虫剤として記載されている(WO91/04965A1,T.Yamada, H.Takahashi, R.Hatano, In:Yamamoto I., Casida J.E.(Eds.), Neonicotinoid Insecticides and Nicotinic Acetylcholine Receptor, New York, pp.149−175;P.Jeschke ChemBioChem 5, 570−589, 2004参照)。
【0003】
現代の作物保護剤は、例えば、効力、持続性及びそれらの作用のスペクトル及び想定される使用に関して多くの要求を満たさなければならない。毒性の問題、他の活性化合物又は製剤補助物質との結合可能性及び活性化合物の合成が必要とする費用の問題が役割を果たしている。さらに、耐性が生じ得る。これら全ての理由のために、新規作物保護剤の探索が完結したと考えることはできず、公知の化合物と比べて、それぞれの態様に関して少なくとも改善されている特性を有する新規化合物に対する要望が絶えず存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO03/095418A1
【特許文献2】WO91/04965A1
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Casida J.E.(Eds.):T.Yamada, H.Takahashi, R.Hatano, In:Yamamoto I
【非特許文献2】Neonicotinoid Insecticides and Nicotinic Acetylcholine Receptor, New York, pp.149−175
【非特許文献3】P.Jeschke ChemBioChem 5, 570−589, 2004
【0006】
本発明は、式(I)の新規化合物をここに提供する。
【0007】
【化1】

(式中、
Aは、各事例において、場合によって置換された、アリール、ヘテロシクリル又はヘタリール(これらは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アルキル(フッ素及び/又は塩素により場合によって置換されている。)、アルキルチオ(フッ素及び/又は塩素により場合によって置換されている。)又はアルキルスルホニル(フッ素及び/又は塩素により場合によって置換されている。)により場合によって置換されている。)を表し、
は、各事例において、ハロゲン置換された、C−C−アルキル、C−C−アルケニル又はC−C−シクロアルキルを表し、
は、各事例において、場合によってハロゲン置換された、アルキル又はシクロアルキルを表し、
Bは、場合によって置換されたメチレン、又は各事例において、2個から6個の炭素原子を有する、各事例において、場合によって置換された、アルキレン若しくはアルキリデンを表し、又はAとNRの間の結合を示す。)
さらに、本発明の式(I)の化合物は、
(a)調製方法1に従い、式(II)
【0008】
【化2】

(Rは、上に定義されているとおりであり、及びLGは、適切な脱離基、例えばC−C−アルコキシを表す。)
の化合物を、第一の反応工程において、式(III)
−NH(III)
(Rは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させて、式(IV)
【0009】
【化3】

(R及びRは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を得、次いで、これらを、第二の反応工程において、式(V)
A−B−E(V)
(A及びBは、上に定義されているとおりであり、
Eは、例えば、ハロゲン(特に、臭素、塩素、ヨウ素)、O−スルホニルアルキル又はo−スルホニルアリール(特に、O−メシル、O−トシル)などの適切な脱離基LGを表す。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させたとき、又は
b)調製方法2に従い、式(II)
【0010】
【化4】

(R及びLGは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を、式(VI)
A−B−N(R)H(VI)
(A、B及びRは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させたとき、又は
c)調製方法3に従い、式(VII)
【0011】
【化5】

(Rは、上に定義されているとおりであり、及び
R’は、メチル又はエチルを表す。)
のオルトエステルを、第一の反応工程において、適宜希釈剤の存在下で、シアナミドと原位置で反応させて、式(II)
【0012】
【化6】

(R及びLGは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を得、次いで、これらを、第二の反応工程において、式(VIII)
A−B−NH(VIII)
(A及びBは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させて、式(IX)
【0013】
【化7】

(A、B、Rは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を得、次いで、これらを、第三の反応工程において、式(X)
−E(X)
(R及びEは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させたときに得られることが見出された。
【0014】
ついに、式(I)の新規化合物は、顕著な生物学的特性を有していること、並びに農業において、森林において、保存された製品の保護において、及び材料の保護において、及び衛生分野において遭遇する有害動物、特に、昆虫、クモ形類動物及び線虫を駆除するのに適していることが見出された。
【0015】
適宜、置換基の性質に応じて、式(I)の化合物は、幾何異性体として、及び/又は光学的に活性な異性体として、又は異なる組成の対応する異性体混合物として存在し得る。本発明は、純粋な異性体及び異性体混合物に関する。
【0016】
適宜、式(I)の化合物は、様々な多形形態で存在し、又は異なる多形形態の混合物として存在し得る。本発明は、純粋な多形体及び多形体混合物の両方を提供し、何れも、本発明に従って使用することが可能である。
【0017】
一般式において、アルキルは、好ましくは1から6個、特に1から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルを表す。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,4−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル及び1−エチルブチルを挙げることができる。
【0018】
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルを好ましいものとして挙げることができる。
【0019】
ハロアルキルそのもの又は一般式中の基の成分としてのハロアルキルは、好ましくは1から9個、特に1から5個の同一又は別異のハロゲン原子、好ましくは、フッ素、塩素又は臭素、特に、フッ素又は塩素を有する1から4個、特に1から3個の炭素原子を含む。トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロジフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル及びペンタフルオロ−tert−ブチルを例として、及び好ましいものとして挙げることができる。
【0020】
2,2,2−トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−フルオロエチル及び3−フルオロプロピルを好ましいものとして挙げることができる。
【0021】
がハロアルケニルを表す場合、Rは、好ましくは1から4個、特に1から3個の同一又は別異のハロゲン原子、好ましくは、フッ素、塩素又は臭素、特に、フッ素又は塩素を有する2から5個、特に2から4個の炭素原子を含む。2,2−ジフルオロエテニル、3,3,−ジフルオロプロプ−2−エニル、3,3−ジクロロプロプ−2−エニル、4,4−ジフルオロブト−3−エニル及び3,4,4−トリフルオロブト−3−エニルを例として、及び好ましいものとして挙げることができる。
【0022】
4,4−ジフルオロブト−3−エニル及び3,4,4−トリフルオロブト−3−エニルを好ましいものとして挙げることができる。
【0023】
がハロシクロアルキルを表す場合、Rは、好ましくは1から4個、特に1から3個の同一又は別異のハロゲン原子、好ましくは、フッ素、塩素又は臭素、特に、フッ素又は塩素を有する3から5個、特に3から4個の炭素原子を含む。2−フルオロシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2−クロロシクロプロピル及び2,2,−ジクロロシクロプロピルを例として挙げることができる。
【0024】
2−フルオロシクロプロピルを好ましいものとして挙げることができる。
【0025】
一般式中の基の成分としてのアルキルチオは、好ましくは1から6個、特に1から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルチオを表す。メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ及びtert−ブチルチオを例として挙げることができる。
【0026】
一般式中の基の成分としてのハロアルキルチオは、好ましくは1から6個、特に1から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐ハロアルキルチオを表す。ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、1−フルオロエチルチオ、2−フルオロエチルチオ、2,2−ジフルオロエチルチオ、1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ及び2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチルチオを例として挙げることができる。
【0027】
アリールは、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フルオロエニルなど、好ましくはフェニル又はナフチル、特にフェニルなどの単環式、二環式又は多環式芳香族基である。
【0028】
ヘテロアリールは、例えば、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピラゾリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、フラニル、チアゾリル又はトリアゾリルを表す。
【0029】
ヘテロシクリルは、例えば、テトラヒドロフリルを表す。
【0030】
2つの同一又は別異の置換基が同一の原子に存在することが可能である。
【0031】
式(I)は、本発明の化合物の一般的定義を与える。
【0032】
上記及び下記式中に列記されている好ましい置換基及び基の範囲が、以下に例示されている。
【0033】
好ましくは、Aは、テトラヒドロフリルを表し、又はハロゲン、C−C−アルキル若しくはC−C−ハロゲンアルキルにより、6位において、場合によって置換されたピリド−3−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、2位において、場合によって置換されたピリミジン−5−イルを表し、又は、1位において、C−C−アルキルにより、及び3位において、ハロゲンにより、場合によって置換された1H−ピラゾール−4−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、3位において、場合によって置換された1H−ピラゾール−5−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、3位において、場合によって置換されたイソオキサゾール−5−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、3位において、場合によって置換された1,2,4−オキサジアゾール−5−イルを表し、又は1−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、2位において、場合によって置換された1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0034】
好ましくは、Aは、基
【0035】
【化8】

(Xは、ハロゲン、C−C−アルキル又はC−C−ハロゲンアルキルを表し、及び
Yは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロゲンアルキル、C−C−ハロゲンアルコキシ、アジド又はシアノを表す。)
も表す。
【0036】
好ましくは、Aは、5,6−ジフルオロピリド−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−ヨード−6−ブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリド−3−イル、5,6−ジヨードピリド−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリド−3−イル及び5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリド−3−イルから成る群から得られる基も表す。
【0037】
さらに好ましくは、Aは、基
【0038】
【化9】

(nは、2、3又は4を表し、及び
Zは、フッ素、塩素又は臭素を表す。)
を表す。
【0039】
好ましくは、Rは、2,2,2−トリフルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0040】
好ましくは、Rは、各事例において、場合によって、フッ素、塩素又は臭素置換された、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル又はシクロブチルを表す。
【0041】
好ましくは、Bは、−CR−又は−HC−CR
(R及びRは、互いに独立に、水素を表し、各事例において、場合によってハロゲン(特にフッ素)置換された、メチル、エチル若しくはC−C−シクロアルキル(特にシクロプロピル)を表し、又はハロゲン、特にフッ素を表し、又はC−C−アルコキシ−C−C−アルキル、特にメトキシメチルを表し、
又は、
及びRは、これらが結合される炭素原子とともに、3員から6員の炭素環を形成する。)
を表す。
【0042】
nが2を表す場合には、第一の置換基Zは、好ましくはフェニル環上のオルト位(2)に存在し、及び第二の置換基Zは好ましくはパラ位(4)に存在し、又は第一の置換基Zは好ましくはメタ位(3)に存在し、及び第二の置換基Zは好ましくはパラ位(4)に存在する。
【0043】
nが3を表す場合には、第一の置換基Zは、好ましくはフェニル環上のオルト位(2)に存在し、及び第二の置換基Zは好ましくはパラ位(4)に存在し、及び第三の置換基Zは好ましくはメタ位(3)に存在する。
【0044】
置換基Zは、同一又は別異であり得る。
【0045】
Aは、特に好ましくは、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−メチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメチルピリド−3−イル、2−メチル−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−ピリミド−5−イルを表し、1位においてメチル又はエチルによって場合によって置換され、及び3位において塩素によって場合によって置換された1H−ピラゾール−4−イルを表し、1H−ピラゾール−5−イル、3−メチルピラゾール−5−イル、2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルを表し、3位において、メチル、エチル、塩素又は臭素によって場合によって置換されたイソオキサゾール−5−イル、3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル又は1,2,5−チアジアゾール−3−イルを表す。
【0046】
Aは、特に好ましくは、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル又は5−メチル−6−ブロモピリド−3−イルも表す。
【0047】
Aは、特に好ましくは、基
【0048】
【化10】

(nは、2又は3を表し、及び
Zは、フッ素又は塩素を表す。)
を表す。
【0049】
2,4−ジハロフェニル、特に2,4−ジクロロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル;3,4−ジハロフェニル、特に3−フルオロ−4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル;3,4,6−トリハロフェニル、特に4−クロロ−3,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロ−6−フルオロフェニル、3,6−ジクロロ−4−フルオロフェニル、3−クロロ−4,6−ジフルオロフェニル、4,6−ジクロロ−3−フルオロフェニル、3,4,6−トリクロロフェニル、3,4,6−トリフルオロフェニル、6−クロロ−3,4−ジフルオロフェニル;3,4,5−トリハロフェニル、特に3,4,5−トリクロロフェニル、3,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル、4−クロロ−3,5−ジフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3−クロロ−4,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリハロフェニル、特に2,3,4−トリクロロフェニル、2−クロロ−3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロ−3−フルオロフェニル、2,3−ジクロロ−4−フルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、3,4−ジクロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−2,3−ジフルオロフェニルを、Aに対する特に好ましい基として挙げることができる。
【0050】
は、特に好ましくは、2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0051】
は、特に好ましくは、メチル又はエチルを表す。
【0052】
Bは、特に好ましくは、(B−1)から(B−9)からなる群から得られる基を表す。
【0053】
【化11】

【0054】
nが2を表す場合には、第一の置換基Zは、フェニル環上のオルト位(2)に存在することが特に好ましく、及び第二の置換基Zはパラ位(4)に存在することが特に好ましい。。
【0055】
Aは、極めて特に好ましくは、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、2−メチルピリミジン−5−イル、2−クロロピリミド−5−イル、3−メチルイソオキサゾール−5−イル、3−ブロモイソオキサゾール−5−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、2−クロロ−1,3,−チアゾール−5−イルからなる群から得られる基を表す。
【0056】
は、極めて特に好ましくは、2,2−ジフルオロエチルを表す。
【0057】
は、極めて特に好ましくは、メチルを表す。
【0058】
Bは、極めて特に好ましくは、メチレン(−CH−)を表す。
【0059】
式(I)の化合物の特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは2−クロロピリミジン−5−イルを表す。
【0060】
【化12】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0061】
【化13】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表す。
【0062】
【化14】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0063】
【化15】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−メチル−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0064】
【化16】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0065】
【化17】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0066】
【化18】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルを表す。
【0067】
【化19】

式(I)の化合物の特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはエチレンを表し、及びAは2−クロロピリミジン−5−イルを表す。
【0068】
【化20】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはエチレンを表し、及びAは5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0069】
【化21】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表す。
【0070】
【化22】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0071】
【化23】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−メチル−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0072】
【化24】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0073】
【化25】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0074】
【化26】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルを表す。
【0075】
【化27】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは2−クロロピリミジン−5−イルを表す。
【0076】
【化28】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0077】
【化29】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5,6−ジクロロピリド−3−イルを表す。
【0078】
【化30】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0079】
【化31】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−メチル−6−クロロピリド−3−イルを表す。
【0080】
【化32】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0081】
【化33】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イルを表す。
【0082】
【化34】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rはメチルを表し、Bはメチレンを表し、及びAは5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イルを表す。
【0083】
【化35】

式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは2,2−ジフルオロエチルを表し、Rはメチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0084】
式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは2,2,2−トリフルオロエチルを表し、Rはメチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0085】
式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは2−フルオロエチルを表し、Rはメチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0086】
式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは3−フルオロプロピルを表し、Rはメチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0087】
式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは2,2−ジフルオロエチルを表し、Rはエチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0088】
式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは2,2,2−トリフルオロエチルを表し、Rはエチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0089】
式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは2−フルオロエチルを表し、Rはエチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0090】
式(I)の化合物のさらなる特殊な群において、Rは3−フルオロプロピルを表し、Rはエチルを表し、及びBはメチレンを表す。
【0091】
上記の一般的な又は好ましい基の定義又は例示は、最終産物並びに対応する出発材料及び中間体の両方に適用される。これらの基の定義は、所望に応じて、互いに組み合わせることもできる。すなわち、各好ましい範囲の間での組み合わせを含む。
【0092】
本発明において好ましいのは、好ましいとして上記されている意味の組み合わせを含有する式(I)の化合物である。
【0093】
本発明において特に好ましいのは、特に好ましいとして上記されている意味の組み合わせを含有する式(I)の化合物である。
【0094】
本発明において極めて特に好ましいのは、極めて特に好ましいとして上記されている意味の組み合わせを含有する式(I)の化合物である。
【0095】
一般式(I)の新規化合物を調製するための本発明に係るプロセスI中、第一の反応工程において、使用される式(II)の化合物が、例えば、メチルN−シアノエタンイミドであり、及び使用される式(III)の化合物が、例えば、2,2−ジフルオロエタンアミン、であり、及びこのようにして形成される一般式(IV)の化合物、例えば、N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミドは、一般式(V)の化合物、例えば、6−クロロ−3−クロロメチルピリジン(CCMP)と反応されれば、調製プロセス1は、以下の反応スキームIによって表すことができる。
【0096】
【化36】

【0097】
式(II)は、本発明のプロセス1の第一の反応工程のための出発材料として必要とされる化合物の一般的な定義を与える。
【0098】
この式(II)において、Rは、好ましくは、好ましい置換基として、本発明の一般式(I)の化合物の記述に関連して、既に挙げられた基を表す。
【0099】
式(II)の化合物は、公知であり(例えば、R=Me及びEt、LG=OMe:B.Arnold, M.Regitz Tetrahedron Lett.(1980), 21, 909−912;A.A.Perez et al.Synthesis (1983), 5, 402−404;R=Me, LG=OEt:W.Lwowski, Synthesis 1971, 5, 263, DE 3411 203 C1 (1985);R=Et,LG=OEt:US4734413 A (1988);R=n−Pr, LG=OMe:WO93/00341 A1(1993);R=イソ−Pr,LG=OMe:WO19990617(1999);R=シクロ−Pr,LG=OMe:US4670559 (1988)参照)、又は公知のプロセスによって調製することができる。
【0100】
式(VII)のオルトエステル(H.Schafer, K.Gewald, J.Prakt.Chem.1976, 318.347−349参照)は、例えば、以下の調製プロセス3に記載されているように、文献公知の方法に従って、シアナミドと反応させて、式(II)の化合物を与えることができる(LG=OR’;反応スキームII、以下でさらに挙げられている調製プロセス3も参照されたい。)。
【0101】
【化37】

【0102】
式(III)は、本発明のプロセス1の第一の反応工程を実施するための出発材料としてさらに使用されるべき化合物の一般的な定義をさらに与える。
【0103】
式(III)において、Rは、本発明の式(I)の化合物の記述に関連して、既に挙げられたように定義されている。
【0104】
式(III)のアミノ化合物は市販されており、又はそれ自体公知の様式で、例えば「Leuckart−Wallach反応」に従って、得ることができる(例えば、Rがアルキルを表す一般式(III)の化合物、第一級アミン:例えば、Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry], Vol.XI/1,4ed.1957, G.Thieme Verlag Stuttgart, p.648;M.L.Moore in “The Leuckart Reaction“ in:Organic Reactions, Vol.5, 2.Ed..1952, New York, John Wiley & Sons, Inc.London参照)。第一の反応工程において使用される2,2,−ジフルオロエチルアミン(US4030994(1977)参照)及び対応する塩酸塩(A.Donetti et al., J.Med.Chem.1989, 32, 957−961)は公知である。
【0105】
式(V)は、本発明のプロセス1の第二の反応工程における出発材料として必要とされる化合物の一般的な定義を与える。
【0106】
この式(V)において、A及びBは、好ましくは、好ましい置換基として、本発明の式(I)の化合物の記述に関して、既に挙げられた基を表す。
【0107】
Eは、さらに上に記載されているように、適切な脱離基を表す。
【0108】
Bが基−C(R)−を表し、Eが適切な脱離基LGを表す出発材料(A−1)を調製するための一般的な方法が、反応スキームIIIに示されている。
【0109】
【化38】

【0110】
化合物の幾つか(A−1、R、R=水素)は公知であり、又はそれらは公知の方法によって取得することができる(例えば、2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール:DE3631538(1988)、EP 446 913 (1991)、EP 780 384 (1997)、EP 775 700 (1997)、EP 794 180 (1997)、WO 9 710 226 (1997);6−クロロ−クロロメチルピリジン:DE 3 630 046A1(1988)、EP 373 464 A2 (1990)、EP 373 464 A2(1900)、EP 393 453 A2 (1990)、EP 569 947 A1(1993);6−クロロ−3−ブロモメチルピリジン:I.Cabanal−Duvillard et al., Heterocycl.Commun.5, 257−262 (1999);6−ブロモ−3−クロロメチルピリジン、6−ブロモ−3−ヒドロキシメチルピリジン:US−Pat.5,420,270A(1995);6−フルオロ−3−クロロメチルピリジン:J.A.Pesti et al., J.Org.Chem.65,7718−7722 (2000);2−メチル−3−クロロメチルピリジン:EP302389A2(1989);2−トリフルオロメチル−3−クロロメチルピリジン:WO2004/082616 A2(2004);3−クロロ−6−クロロメチルピリダジン:EP284174A1(1988);2−クロロ−5−ピラジニルメチルクロリド:J.Heterocycl.Chem.23,149−151(1986);2−クロロ−5−ピラジニルメチルブロミド:JP05239034A2(1993))。
【0111】
式A−CHのメチル置換された芳香族又は複素環は、例えば、酸化によって、対応する芳香族又は複素環式カルボン酸(A−COOH、例えば、5−フルオロ−6−ブロモニコチン酸:F.L.Setliff, G.O.Rankin, J.Chem.Eng.Data(1972), 17, 515−516;5−クロロ−6−ブロモニコチン酸及び5,6−ジブロモニコチン酸:F.L.Setliff et al.,J.Chem.Eng.Data(1981),26,332−333;5−ヨード−6ブロモニコチン酸:F.L.Setliff et al.,J.Chem.Eng.Data(1978),23,96−97,5−フルオロ−6−ヨードニコチン酸及び5−ブロモ−6−ヨードニコチン酸:F.L.Setliff et al., J.Chem.Eng.Data(1973), 18, 449−450;5−クロロ−6−ヨードニコチン酸:F.L.Setliff, J.E.Lane J.Chem.Eng.Data(1976),21,246−247)又はカルボン酸エステル(例えば、メチル5−メチル−6−フルオロニコチナート:WO9833772A1,1998;メチル5−メチル−6−ブロモニコチナート:WO9730032A1,1997)へ転化され得る。非環式出発材料からのホルミル置換された芳香族又は複素環(A−CHO、例えば、6−クロロ−3−ホルミル−5−メチルピリジン:DE4429465A1,1996)の合成も、従来技術に記載されている。これは、例えば、1,3−双極性環化付加によって実施することができる(例えば、5−クロロメチル−3−ブロモイソオキサゾール:P.Pevarell,M.Varasi Synth.Commun.(1992), 22, 1939−1948)。
【0112】
芳香族又は複素環式カルボン酸(A−COOH)又はアルキル炭素化合物(A−CO−R;R=アルキル)は、次いで、文献公知の方法によって、対応する芳香族又は複素環式ヒドロキシアルキル化合物(A−C(R)−OH;R=H、アルキル;R=H)へ転化させることができ、次いで、これは、文献公知の方法によって、活性化された芳香族若しくは複素環式ヒドロキシメチル化合物(A−C(R)−LG、LG=O−トシル、O−メシル)又は芳香族若しくは複素環式ハロメチル化合物(A−C(R)−LG、LG=Hal)へ転化される。後者は、文献公知の適切なハロゲン化剤を用いて、式A−CHの対応するメチル置換された芳香族又は複素環から取得することも可能である。ハロメチル置換された複素環:5−クロロメチル−2−メチルピリミジン(U.Eiermann et al., Chem.Ber.(1990), 123, 1885−9);3−クロロメチル−5−ブロモ−6−クロロピリジン、3−ブロモ−5−ヨード−6−クロロピリジン(S.Kagabu et al., J.Pestic.Sei.(2005), 30, 409−413)の合成を、この操作に対する例として挙げ得る。
【0113】
Aが5,6−二置換されたピリド−3−イル基を表す出発材料(A−7)は、同様に、文献公知の方法によって取得することができる。文献公知の適切な出発材料は、例えば、6−ハロ置換された5−ニトロ−β−ピコリン(A−2)であり、これは、反応スキームIVに示されているように、公知の文献操作に従って修飾することが可能である。
【0114】
【化39】

【0115】
6−ハロ置換された5−ニトロ−β−ピコリン(A−2)中のニトロ基の還元は、例えば、6−ハロ置換された5−アミノ−β−ピコリン(A−3、例えば、5−アミノ−6−クロロ−β−ピコリン及び5−アミノ−6−ブロモ−β−ピコリン:Setliff, F.L.Org.Preparations and Preparations Int.(1971), 3, 217−222;Kagabu, S.et al.J.Pestic.Sci.(2005), 30, 409−413)。その後のジアゾ化及びSandmeyer反応(C.F.H.Allen, J.R.Thirtle, Org.Synth.,Coli.Vol.III, 1955, S.136)は、5位へのハロゲン置換の導入を可能とする(A−4、例えば、5−フルオロ−6−クロロ−β−ピコリン及び5−フルオロ−6−ブロモ−β−ピコリン:Setliff, F.L.Org.Preparations and Preparations Int.(1971), 3, 217−222;5−ヨード−6−クロロ−β−ピコリン:Kagabu, S.et al.J.Pestic.Sci.(2005), 30, 409−413;5,6−ジクロロピコリン:Setliff, F.L.;Lane, J.E.J.Chem.Engineering Data (1976), 21, 246−247)。次いで、5,6−二置換されたβ−ピコリン(A−4)中のメチル基の酸化は、対応する5,6−二置換されたニコチン酸を与え(A−5、例えば、5−フルオロ−6−クロロニコチン酸及び5−フルオロ−6−ブロモニコチン酸:Setliff F.L., Rankin G.O.J.Chem.Engineering Data (1972), 17, 515−516;5−ブロモ−6−フルオロニコチン酸、5−ブロモ−6−クロロニコチン酸及び5−ブロモ−6−ブロモニコチン酸:F.L.Setliff J.Chem.Engineering Data(1970), 15, 590−591;5−クロロ−6−ブロモニコチン酸及び5−ヨード−6−ブロモニコチン酸:Setliff, F.L., Greene, J.S.J.Chem.Engineering Data (1978), 23, 96−97;5−クロロ−6−トリフルオロメチルニコチン酸も公知である。F.Cottet et al., Synthesis (2004), 10, 1619−1624)、これは、還元剤の存在下で、対応するヒドロキシメチル化されたピリジン(A−6)へ転化することができる(例えば、5−ブロモ−6−クロロ−3−ヒドロキシメチルピリジン:Kagabu, S.et al., J.Pestic.Sei.(2005), 30, 409−13)。
【0116】
6−クロロ−5−ニトロニコチン酸(A−5、X=Cl、Y=NO;Boyer,J.H.;Schoen,W.,J.Am.Chem.Soc.(1956),78,423−425)を用いて、還元により、6−クロロ−3−ヒドロキシメチル−5−ニトロピリジン(A−6、X=Cl、Y=NO;Kagabu,S.et al.,J.Med.Chem.(2000),43,5003−5009)を形成することが可能であり、次いで、これは、6−クロロ−3−ヒドロキシメチル−5−アミノピリジン(A−6、X=Cl、Y=NH;Kagabu,S.et al.,J.Med.Chem.(2000),43,5003−5009)へ還元され、ジアゾ化及びヒドロキシルアミンとの反応を介して、6−クロロ−3−ヒドロキシメチル−5−アジドピリジンへ転化される(A−6、X=Cl、Y=N;Kagabu,S.et al.,J.Med.Chem.(2000),43,5003−5009)。塩化チオニルを用いたその後のハロゲン化は、6−クロロ−3−クロロメチル−5−アジドピリジンを与える(A−7、X=Cl、Y=N、LG=Cl;Kagabu,S.et al.,J.Med.Chem.(2000),43,5003−5009)。
【0117】
あるいは、(A−4)の3位のメチル基のハロゲン化は、LGがハロゲンを表す化合物(A−7)を与える(例えば、3−ブロモメチル−6−クロロ−5−フルオロピリジン、3−ブロモメチル−6−クロロ−5−ヨードピリジン:Kagabu, S.et al.J.Pestic.Sci.(2005), 30, 409−413)。6−ハロ−置換された5−ニトロ−β−ピコリン(A−4;Y=NO)を使用する場合には、3位のメチル基が最初にハロゲン化され得る(例えば、3−ブロモメチル−6−クロロ−5−ニトロピリジン:Kagabu, S.et al.J.Pestic.Sci.(2005), 30, 409−413)。適宜、ニトロ基は、反応系列中のより後の段階においても還元され得る。
【0118】
同様に、LGがN−モルホリノを表す化合物(A−7)の5位(例えば、Y=N)への置換基の導入も、文献公知である。この基は、その後、ハロゲンによって極めて容易に置換することができる(LG=Hal)(S.Kagabu et al., J.Med.Chem.2000, 43, 5003−5009参照;反応条件:クロロギ酸エチル、テトラヒドロフラン、60℃)。
【0119】
一般に、他のハロゲン原子、又は、ハロゲン化された基、例えば、トリフルオロメチルによって、ピリジン窒素の近くのハロゲン原子を置換することができる(ハロゲン転移、例えば:塩素を臭素又はヨウ素に;臭素をヨウ素又はフッ素に;ヨウ素をフッ素又はトリフルオロメチルに)。従って、さらなる別の合成経路は、ピリド−5−イル基の6位中のハロゲン原子(例えば、X=Cl)(例えば、A−5において、X、Y=Cl;5,6−ジクロロニコチン酸:Setliff, F.L.;Lane, J.E.J.Chem.Engineering Data (1976), 21, 246−247)を別のハロゲン原子、例えばヨウ素又はフッ素(例えば、X=IであるA−5;5−ブロモ−6−ヨードニコチン酸及びX=FであるA−5;5−ブロモ−6−フルオロニコチン酸:Setliff, F.L.;Price, D.W.J.Chem.Engineering Data (1973), 18, 449−450)を交換することを含む。しかしながら、このハロゲン転移は、適宜、式(I)の適切な化合物を用いて、後に実施することができる。
【0120】
一般に、適宜希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性反応補助剤の存在下で本発明の調製プロセス1を実施することが有利である。
【0121】
希釈剤は、反応混合物がプロセス全体を通じて容易に撹拌可能な状態を保つ量で有利に使用される。本発明のプロセス1を実施するための適切な希釈剤は、全ての不活性な有機溶媒である。
【0122】
例としては、以下のもの、ハロゲン化された炭化水素、特に、テトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン、塩化メチレン、ジクロロブタン、クロロフォルム、四塩化炭素、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ペンタクロロエタン、ジフルオロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、トリクロロベンゼンなどの塩素化された炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール;エチルプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、フェネトール、シクロヘキシルメチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロジエチルエーテル並びにエチレオキシド及び/又はプロピレンオキシドのポリエーテルなどのエーテル;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン及びテトラメチレンジアミンなどのアミン;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、クロロニトロベンゼン、o−ニトロトルエンなどのニトロ化された炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、m−クロロベンゾニトリルなどのニトリル、並びにトラヒドロチオフェンジオキシド及びジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ベンジルメチルスルホキシド、ジイソブチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジイソアミルスルホキシドなどの化合物;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジヘキシルスルホン、メチルエチルスルホン、エチルプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン及びペンタメチレンスルホンなどのスルホン;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンなどの脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、並びに、産業用炭化水素、例えば、40℃から250℃の範囲の沸点を有する成分を含む白色アルコール、シモール(cymol)、70℃から190℃の沸点範囲を有するベンゼン留分、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、オクタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロベンゼン、キシレン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル及び炭酸ジメチル、炭酸ジブチル、炭酸エチレンなどのエステル;ヘキサメチレンリン酸トリアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N−メチルピロリジン、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジン、オクチルピロリドン、オクチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリンジオン、N−ホルミルピペリジン、N,N’−1,4−ジホルミルピペラジンなどのアミド;アセトン、アセトフェノン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどのケトンを挙げることができる。
【0123】
もちろん、本発明の方法に対して挙げられた溶媒及び希釈剤の混合物を使用することも可能である。
【0124】
しかしながら、本発明の調製プロセス1の第一の反応工程を実施するための好ましい希釈剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノールなどのアルコールである。
【0125】
本発明の調製プロセスIの第二の反応工程を実施するための好ましい希釈剤は、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル又はm−クロロベンゾニトリルなどのニトリル、特にアセトニトリルである。
【0126】
本発明のプロセス1の第二の反応工程を実施するための塩基性反応補助剤として使用するのに適しているのは、アミン、特に三級アミンなどの全ての適切な酸結合剤であり、また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属化合物である。
【0127】
これらの例として挙げられるのは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム及びバリウムの水酸化物、水素化物、酸化物、炭酸水素塩及び炭酸塩であり、さらに、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(MTBD);ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン(DBU)、シクロヘキシルテトラブチルグアニジン(CyTBG)、シクロヘキシルテトラメチルグアニジン(CyTMG)、N,N,N,N−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、ペンタメチルピペリジンなどのアミジン塩基又はグアニジン塩基、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリベンジルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジメチル−p−アミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルイミダゾール、N−メチルピラゾール、N−メチルモルホリン、N−メチルヘキサメチレンジアミン、ピリジン,4−ピロリジノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、キノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、イソキノリン、ピリミジン、アクリジン、N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン、N,N’,N’−テトラエチレンジアミン、キノキサリン、N−プロピルジイソプロピルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、N,N’−ジメチル−シクロヘキシルアミン、2,6−ルチジン,2,4−ルチジン又はトリエチルジアミンなどの三級アミンなどの他の塩基性化合物である。
【0128】
セシウムの塩、例えば、炭酸セシウム又はヨウ化セシウムを使用することが好ましい。
【0129】
調製プロセス1の第一の反応工程に従う式(II)の化合物の反応は、式(III)の化合物及び上記希釈剤の1つの存在下で、式(II)の化合物を反応させることによって実施される。
【0130】
反応時間は、5分から48時間までである。反応は、−100℃と+200℃の間、好ましくは−50℃と150℃の間の温度、特に好ましくは室温で実施される。
【0131】
原則的には、反応は、大気圧下で実施することが可能である。好ましくは、反応は、大気圧下又は最大15バールの圧力下、及び適宜、保護気体(窒素、ヘリウム又はアルゴン)の雰囲気下で行われる。
【0132】
本発明の調製プロセス1の第一の反応工程を実施するために、一般に、一般式(II)の化合物の1モル当り、一般式(III)の化合物の0.5から4.0mol、好ましくは0.7から3.0mol、特に好ましくは1.0から2.0molが使用される。
【0133】
反応が終了した後、全ての反応混合物を濃縮する。作業後に得られた産物は、再結晶、減圧下での蒸留又はカラムクロマトグラフィーによる慣用の様式で精製することが可能である(調製例も参照)。
【0134】
調製プロセス1の第二の反応工程に従う式(IV)の化合物の反応は、上記希釈剤の1つの中の一般式(V)の化合物の存在下及び塩基性反応補助剤の存在下で、一般式(IV)の化合物を反応させることによって実施される。
【0135】
反応時間は、5分から48時間までである。反応は、−100℃と+200℃の間、好ましくは−50℃と150℃の間の温度、特に好ましくは、上でさらに示されている溶媒の還流温度で実施される。
【0136】
原則的には、反応は、大気圧下で実施することが可能である。好ましくは、反応は、大気圧下又は最大15バールの圧力下、及び適宜、保護気体(窒素、ヘリウム又はアルゴン)の雰囲気下で行われる。
【0137】
本発明の調製プロセス1の第二の反応工程を実施するために、一般に、一般式(IV)の化合物の1モル当り、式(V)の化合物の0.5から4.0mol、好ましくは0.7から3.0mol、特に好ましくは1.0から2.0molが使用される。
【0138】
反応が終了した後、全ての反応混合物を濃縮する。作業後に得られた産物は、再結晶、減圧下での蒸留又はカラムクロマトグラフィーによる慣用の様式で精製することが可能である(調製例も参照)。
【0139】
式(I)の新規化合物を調製するための本発明の調製プロセス2において、式(II)の化合物として、例えば、メチルN−シアノエタンイミドを式(VI)の化合物、例えば、N−[(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエチルアミンと反応させる場合、調製プロセス2は、反応スキームVによって表すことができる。
【0140】
【化40】

【0141】
式(II)は、本発明のプロセス2のための出発材料として必要とされる化合物の一般的な定義を与える。
【0142】
この式(II)において、Rは、好ましくは、好ましい置換基として、本発明の一般式(I)の化合物の記述に関連して、既に挙げられた基を表す。
【0143】
式(II)の化合物は、上にさらに記載されている調製プロセス1によって、オルトエステル及びシアナミドから取得することができる(スキームII参照)。
【0144】
式(VI)は、本発明のプロセス2を実施するための出発材料としてさらに使用されるべき化合物の一般的な定義を与える。
【0145】
式(VI)において、A、B及びRは、本発明の一般式(I)の化合物の記述に関連して、置換基に対して既に挙げられた意味を有する。
【0146】
BがC(R)を表す出発材料(A−8)を調製するために、Aが上にさらに挙げられている意味を有し、及びLGが適切な脱離基(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、o−トシル又はo−メシル)を表す式(A−1)の化合物を、R’がハロゲン含有アルキルを表す一般式(A−9)の化合物と、適宜希釈剤の存在下で、及び適宜、調製プロセス1で挙げられた塩基性反応補助剤の存在下で反応させることが有利である(反応スキームVI参照)。
【0147】
【化41】

【0148】
しかしながら、これに代えて、ある種の事例では、還元的アミノ化(Houben−Weyl,Methodend der Organischen Chemie, Vol.XI/1, page602,G.Thieme Verlag Stuttgart,Germany)によって、対応するアルデヒド(A−CHO)及び化合物(A−9)から、R及びRが水素を表す出発材料(A−8)を調製することも可能である。
【0149】
一般に、適宜、上にさらに挙げられている希釈剤の1つの存在下で、本発明の調製プロセス2を実施することが有利である。
【0150】
調製プロセス2に従う式(II)の化合物の反応は、これらの化合物を式(VI)の化合物と反応させることによって実施される。
【0151】
反応時間は、5分から48時間までである。反応は、−100℃と+200℃の間、好ましくは−50℃と150℃の間の温度で実施される。
【0152】
原則的には、反応は、大気圧下で実施することが可能である。好ましくは、反応は、大気圧下又は最大15バールの圧力下、及び適宜、保護気体(窒素、ヘリウム又はアルゴン)の雰囲気下で行われる。
【0153】
本発明の調製プロセス2を実施するために、一般に、一般式(II)の化合物の1モル当り、式(VII)の化合物の0.5から4.0mol、好ましくは0.7から3.0mol、特に好ましくは1.0から2.0molが使用される。
【0154】
反応が終了した後、全ての反応混合物を濃縮する。作業後に得られた産物は、再結晶、減圧下での蒸留又はカラムクロマトグラフィーによる慣用の様式で精製することが可能である(調製例も参照)。
【0155】
式(I)の新規化合物を調製するための本発明の調製プロセス3中、第一の反応工程において、使用される式(VII)の化合物が、例えば、シアナミドの存在下のオルト酢酸メチルであり、及び、第二の工程において、原位置で形成される式(II)の化合物、例えばメチルN−シアノエタンイミダートを式(VIII)の化合物、例えば、3−アミノメチル−6−クロロピリジンと反応させて式(IX)の化合物、例えば、N’−シアノ−N−[6−クロロピリド−3−イルメチル]エタンイミドアミドの化合物を与え、これを、第三の反応工程において、式(X)、例えば、2,2−ジフルオロエチルブロミドの存在下でN−アルキル化する場合には、調製プロセス(3)は、反応スキームVIIによって表され得る。
【0156】
【化42】

【0157】
式(VII)は、本発明のプロセス3のための出発材料として必要とされる化合物の一般的な定義を与える。
【0158】
この式(VII)において、好ましくは、Rは、好ましい置換基として、本発明の一般式(I)の化合物の記述に関連して既に挙げられた基を表す。この式(VII)において、R’は、好ましくは、C−C−アルキル、特に、メチル又はエチルを表す。
【0159】
式(VII)の化合物及びシアナミドは公知の化合物である(H Schafer, K Gewald, J.Prakt.Chem.1976, 318, 347−349も参照)。
【0160】
式(VIII)は、本発明のプロセス3の第一の反応工程を実施するための出発材料としてさらに使用されるべき化合物の一般的な定義をさらに与える。
【0161】
式(VIII)において、A及びBは、本発明の一般式(I)の化合物の記述に関連して、置換基に対して既に挙げられた意味を有する。
【0162】
本発明の調製プロセス3の最初の2つの反応工程は、H Schafer, K Gewald, J.Prakt.Chem.1976, 318, 347−349(アリールアミノエチレンシアナミドの合成)及びWO03/095418A1中の実施例1(N’−シアノ−N−アリールエチル)プロパンイミドアミド)と同様に実施することが可能である。好ましいのは、(問題となるオルトエステルに応じて)希釈剤の不存在下で適宜実施することができるワンポットプロセスである。
【0163】
調製プロセス3の最初の2つの反応工程に従う式(II)の化合物の反応は、シアナミド及び式(VIII)の化合物の存在下で式(VI)の化合物を反応させることによって実施される。
【0164】
反応時間は、5分から48時間までである。反応は、−100℃と+200℃の間、好ましくは−50℃と150℃の間の温度、特に好ましくは、問題のオルトエステルの沸点で実施される。
【0165】
原則として、反応は、大気圧下で実施することが可能である。好ましくは、反応は、大気圧下又は最大15バールの圧力下、及び適宜、保護気体(窒素、ヘリウム又はアルゴン)の雰囲気下で行われる。
【0166】
本発明の調製プロセス3を実施するために、一般に、一般式(II)の化合物の1モル当り、シアナミドの及び式(VIII)の化合物の0.5から4.0mol、好ましくは0.7から3.0mol、特に好ましくは1.0から2.0molが使用される。
【0167】
反応が終了した後、全ての反応混合物を濃縮する。作業後に得られた式(IX)の化合物は、再結晶、減圧下での蒸留又はカラムクロマトグラフィーによる慣用の様式で精製することが可能である(調製例も参照)。
【0168】
式(X)は、本発明のプロセス3の第三の反応工程を実施するための出発材料としてさらに使用されるべき化合物の一般的な定義をさらに与える。
【0169】
式(X)において、Rは、本発明の一般式(I)の化合物の記述に関連して、既に挙げられた意味を有する。
【0170】
Eは、さらに上に記載されているように、適切な脱離基を表す。
【0171】
式(X)の化合物の幾つかは商業的に入手することができ、又は、文献公知の方法によって取得することができる(Eが、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲンを表す式(X)の化合物:Houben−Weyl, Methoden der Organischen Chemie, VolumeV/3p.503及びVolumeV/4 p.13, 517,G.Thieme Verlag, Stuttgart, German;Eがメシラートを表す式(X)の化合物:Crossland, R.K., Servis, K.L.J.Org.Chem.(1970), 35, 3195;Eがトシラートを表す式(X)の化合物:Roos, A.T.et al., Org.Synth., Coli.Vol.I, (1941), 145;Marvel, C.S., Sekera, V.C.Org.Synth., Coll.Vol.III, (1955), 366参照)。使用されるハロゲン化されたアルカンは、例えば、文献から公知である(R=CHCHF、E=Br、2,2−ジフルオロエチルブロミド:EP420815;R=CHCHF、E=I、2,2−ジフルオロエチルイオダイド:A.Kamal et al., Tetrahedron Lett.(2002),43,7353−7355)、R=CHCHF、E=OSOMe、2,2−ジフルオロエチルメタンスルホナート:DE4315371,WO2002044145)。
【0172】
一般に、希釈剤の存在下で、及び塩基性反応補助剤の存在下で本発明の調製プロセス3の第三の反応工程を実施することが有利である。
【0173】
本発明の調製プロセス3の第三の反応工程を実施するための好ましい希釈剤は、ヘキサメチレンリン酸トリアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N−メチルピロリジン、N−メチルカプロラクタム、特に、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミドである。
【0174】
本発明の調製プロセス3の第三の反応工程を実施するための塩基性反応補助剤として使用するのに好ましいのは、アルカリ金属、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム又はセシウムの水素化物又は炭酸塩である。
【0175】
本発明の調製プロセス3の第三の反応工程を実施するために、一般に、式(IX)の化合物の1モル当り、一般式(X)の化合物の0.5から4.0mol、好ましくは0.7から3.0mol、特に好ましくは1.0から2.0molが使用される。
【0176】
第三の反応工程に対する反応時間は、5分から48時間までである。反応は、−10℃と+200℃の間、好ましくは+10℃と180℃の間、特に好ましくは20℃と140℃の間の温度で実施される。原則的には、反応は、大気圧下で実施することが可能である。好ましくは、反応は、大気圧下又は最大15バールの圧力下、及び適宜、保護気体の雰囲気下で行われる。
【0177】
本発明の調製プロセス3の第一の反応工程を実施するために、一般に、式(II)の化合物の1モル当り、式(VIII)の化合物の0.5から4.0mol、好ましくは0.7から3.0mol、特に好ましくは1.0から2.0molが使用される。
【0178】
反応が終了した後、全ての反応混合物を濃縮する。作業後に得られた産物は、再結晶、減圧下での蒸留又はカラムクロマトグラフィーによる慣用の様式で精製することが可能である(調製例も参照)。
【0179】
調製プロセスに関して上述されているものに加えて、調製例が参照される。
【0180】
優れた植物耐容性及び温血動物に対する良好な毒性を併有し、並びに環境によって良好に耐容される、本発明の活性化合物は、植物及び植物器官を保護するため、収穫量を増加するため、収穫された材料の品質を向上するため、保存された製品の保護及び資材の保護において、並びに衛生分野において、農業、園芸、畜産、森林、庭及び娯楽施設で遭遇する、有害動物、特に昆虫、クモ形動物、蠕虫、線虫及び軟体動物を駆除するために適している。本発明の活性化合物は、好ましくは、植物保護剤として使用され得る。本発明の活性化合物は、正常に感受性の種及び耐性種に対して、並びに発育の全て又は幾つかの段階に対して活性を有する。上記有害生物には、以下ものが含まれる。
【0181】
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)からは、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ヘマトピナス属種(Haematopinus)、リノグナサス属種(Linognathus spp.)、ペディキュラス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
【0182】
クモ綱(Arachnida)からは、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)。アキュロプス属種(Aculops spp.),アカルス属種(Aculus spp.)、アムブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボーフィラス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルパス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・パラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニッサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニカス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、ユーテトラニカス属種(Eutetranyctus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクタス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニカス属種(Metatetranychus)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニカス属種(Panonyshus spp.)、フィロコプトルタ・オレイヴォラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・レイタス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリファス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio Maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニカス属種(Tetranychus spp.)、ヴァサテス・リコペルシキ(Vasates lycopersici)。
【0183】
ニマイガイ綱(Bivalva)からは、例えばドレイセナ属種(Dreissena spp.)。
【0184】
ムカデ目(Chilopoda)からは、例えばゲオフィラス属種(Geophilus spp.)、スクティゲラ属種(Scutigera spp.)。
【0185】
鞘翅目(Coleoptera)からは、例えば、アカントセリデス・オブテクタス(Acanthoscelides obtectus)、アドレタス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスティティアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アンスレナス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルチディウス・オブテクタス(Bruchidius obtectus)、ブルチャス属種(Bruchus spp.)、ケウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンディクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ジーランディカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンカス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロティカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスティヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ギビウム・シロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラター(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュラス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスティカ(Hypera postica)、ハイポセネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサンギニア(Lachnosterna consanguinea)、レプティノタルサ・デケムリネアータ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトラス・オリゾフィラス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクサス属種(Lixus spp.)、リクタス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンサ・メロロンサ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノチャムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプトゥス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィラス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オティオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクェリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシィリオデス・クリソケファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ヴェントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルサ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィラス属種(Sitophilus spp.)、スフェノフォラス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)。シンフィレテス種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チチウス属種(Tychius spp.)、キシロトレカス属種(Xylotrechus spp.)、ザブラス属種(Zabrus spp.)。
【0186】
トビムシ目(Collembola)からは、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
【0187】
ハサミムシ目(Dermaptera)からは、例えば、フォルフィキュラ・オーリキュラリア(Forficula auricularia)。
【0188】
ヤスデ目(Diplopoda)からは、例えば、ブラニルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)。
【0189】
ハエ目(Diptera)からは、例えば、イーデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリフォラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラティティス・キャピタータ(Ceratitis capitata)、クリソミア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミア属種(Cochliomyia spp.)、コルディロビア・アンスロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、キュレックス属種(Culex spp.)、キュテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィラス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミア属種(Hylemyia spp.)、ヒッポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルチリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストラス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオスキアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タニア属種(Tannia spp.)、ティプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)。
【0190】
腹足網(Gastropoda)からは、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)。
【0191】
蠕虫綱(helminths)、例えば、アンキロストマ・ドゥオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンキロストマ・セイラニカム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンキロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マレイ(Brugia malayi)、ブルギア・ティモリ(Brugia timori)、ブノストマム属種(Bunostomum spp.)、カベルティア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp.)、ジクチオルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボスリウム・レイタム(Diphyllobothrium latum)、ドラカンキュラス・メデイネンシス(Dracunculus medeinensis)、エチノコッカス・グラニュロサス(Echinococcus granulosis)、エチノコッカス・マルチオキュラリス(Echinococcus multiocularis)、エンテロビウス・ヴェルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファキオラ属種(Faciola spp.)、ヘモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレプシス・ナナ(Hymenolepsis nana)、ヒョストロングス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa loa),ネマトディルス属種(Nematodirus spp.)、エソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピスソルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボブバルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagi spp.)、パラゴニウムス属種(Paragonimus spp.)、スキスオソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナータ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium),トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナティバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトーヴィ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソーニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・シュードプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリキュリス・トリキュリア(Trichuris trichuria)、バンクロフト糸条虫(Wuchereria bancrofti)。
【0192】
さらに、アイメリア(Eimeria)などの原虫を駆除することが可能である。
【0193】
カメムシ目(Heteroptera)からは、例えば、アナサ・トリスティス(Anasa tristis)、アンテスティオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリッサス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、キャンピロンマ・リビダ(Campylomma livida )、キャベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメックス属種(Cimex spp.)、クレオンティアデス・ディルタス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ディケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ディコノコリス・ヘウエッティ(Diconocoris hewetti)、ディスデルカス属種(Dysdercus,spp.)、ユースキスツス属種(Euschistus spp.)、ユーリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルティス属種(Heliopeltis spp.)、ホルキアス・ノビレルス(Horchias nobiellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロサス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、ライガス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスキャバタス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエズマ・クアドラータ(Piesma quadrata)、ピエゾドラス属種(Piezodorus spp.)、サルス・セリアツス(Psallus seriatus)、シューダシスタ・ぺルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodonius spp.)、サールベルゲラ・シンギュラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノフォラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニティス・ナシ(Stephanitis nashi)、ティブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
【0194】
同翅目(Homoptera)からは、例えば、アキルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノスケナ属種(Agonoscena spp.)、アレウローデス属種(Aleurodes spp.)、アウレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロスリンクス属種(Aleurothrixus spp.)アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルドゥイ(Anuraphis cardui)、アオニディエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスティグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリディア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピディエラ属種(Aspidiella spp.)アスピディオトゥス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルサム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウデゥス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリギポナ・マルギナータ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギーダ(Carneocephala fulgida)、ケラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、ケルコピダエ(Cercopidae)、ケロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラガエフォリ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピシス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランディコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカルデュリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、ココミティルス・ハリ(Coccomytilus halli)、コクス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Chryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ディアロイローデス属種(Dialeurodes spp.)、ディアフォリーナ属種(Diaphorina spp.)ディアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ディサフィス属種(Dysaphis spp.)、ディスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリスロニューラ属種(Erythroneura spp.)、ユーセリス・ビロバタス(Euscelis bilobatus)、ゲオコッカス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロディスカ・コアグラータ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンディニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イディオケルス属種(Idiocerus spp.)、イディオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルヴァ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ディロヅム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテティクス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバータ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオーザ属種(Paratorioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp),ペンフィガス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)、フェナコッカス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロクセラ属種(Phylloxera spp.)、ピナスピス・アスピディストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコッカス属種(Planococcus spp.)、プロトパルビナリア・ピリフォルミス(Protopulvinaria pyriformis)、シュードオーラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、シュードコッカス属種(Pseudococcus spp)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピディオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、ケサーダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコッカス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシファム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセティア属種(Saissetia spp.)、スカホイデス・ティタヌス(Scaphoides titanus)、スキザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)、セレナスピヅス・アルティキュラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガータ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フリシフェラ(Sogatella furcifera)、スガトーデス属種(Sogatodes spp.)、スティクトセファラ・フェスティナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マレイエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアロイロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオーザ属種(Trioza spp)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ユナプシス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビティフォリ(Viteus vitifolii)。
【0195】
ハチ目(Hymenoptera)からは、例えば、ディプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロキャンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニイス(Monomorium pharaonis)及びベスパ属種(Vespa spp.)。
【0196】
等脚目(Isopoda)からは、例えば、アルマジリジウム・バルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスカス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0197】
シロアリ目(Isoptera)からは、例えば、レティキュリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)。
【0198】
チョウ目(Lepidoptera)からは、例えば、アクロニクタ・メジャー(Acronicta major)、アエディア・リューコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンティカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラスラ・ブラッシカエ(Barathra brassicae)、ブキュラトリクス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レティクラーナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマータ(Cheimatobia brumata)、チロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロケルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インシュラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエフニエラ(Ephestia kuehniella)、ユープロクティス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、ユークソア属種(Euxoa spp.)、フェルティア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオシス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・シュードスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ、(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リソコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファン・アンテナータ(Lithophane antennata)、ロクサグロティス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ニューストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、モキス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラータ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリゼア(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスティス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、シュードアレティア属種(Pseudaletia spp.)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、ティネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、ティネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダーナ(Tortix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
【0199】
バッタ目(Orthoptera)からは、例えば、アケタ・ドメスティカス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロカスタ属種(Locusta spp.)、メラノプラス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、スキストケルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
【0200】
ノミ目(Siphonaptera)からは、例えば、セラトフィラス属種(Ceratophyllus spp.)、ゼノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0201】
コムカデ目(Symphyla)からは、例えば、スクティゲレラ・イマキュラータ(Scutigerella immaculata)。
【0202】
アザミウマ目(Thynsanoptera)からは、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエッラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオスリップス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノスリップス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコスリップス属種(Kakothrips spp.)、リピフォロスリップス・クルエンタッツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、スキルトスリップス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオスリップス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、スリップス属種(Thrips spp.)、
シミ目(Thysanura)からは、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0203】
植物寄生性線虫には、例えば、アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンカス属種(Bursaphelenchus spp.)、ディチレンカス・ディプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンカス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドラス属種(Longidorus spp.)、メロイドジン属種(Meloidogyne spp.)、プラティレンカス属種(Pratylenchus spp.)、ラドフォラス属種(Radopholus similis)、ロチレンカス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドラス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンカス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンキュラス属種(Tylenchulus spp.)、チレンキュラス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、キフィネマ属種(Xiphinerma spp.)が含まれる。
【0204】
本発明の式(I)の化合物は、・・・に対して特に優れた活性を有する。
【0205】
適宜、本発明の化合物は、ある種の濃度又は付与速度で、除草剤、安全化剤、成長制御剤若しくは植物特性を改善するための薬剤、又は、殺微生物剤として、例えば、殺真菌剤、抗真菌剤、殺菌剤、殺ウイルス剤(ウイロイドに対する薬剤を含む。)、又はMLO(マイコプラズマ様生物)及びRLO(リケッチア様生物)に対する薬剤として使用することも可能である。適切であれば、それらは、他の活性化合物を合成するための中間体又は前駆体としても使用することが可能である。
【0206】
活性化合物は、溶液、エマルジョン、水和剤、水及び油をベースとした懸濁液、粉末、粉塵、ペースト、可溶性粉末、可溶性顆粒、散布用顆粒、懸濁液−エマルジョン濃縮物、活性化合物が含浸された天然物質、活性化合物が含浸された合成物質、肥料並びにポリマー物質中のマイクロカプセル封入などの慣用の製剤へ転化することができる。
【0207】
これらの製剤は、公知の様式、例えば、活性化合物を増量剤、すなわち液体溶媒及び/又は固体担体と混合し、場合によって、界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤及び/又は発泡剤を使用することによって製造される。製剤は、適切な植物中で、あるいは、付与前又は付与中に調製される。
【0208】
補助剤としての使用に適しているのは、組成物そのものに、及び/又は活性化合物組成物から得られた調製物(例えば、噴霧液、種子粉衣)に、ある種の技術的特性及び/又は特定の生物学的特性などの特定の特性を付与するのに適した物質である。典型的な適切な補助剤は、増量剤、溶媒及び担体である。
【0209】
適切な増量剤は、例えば、水、例えば、芳香族及び非芳香族炭化水素(パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、クロロベンゼンなど)、アルコール及びポリオール(適宜、置換され、エーテル化され、及び/又はエステル化され得る。)、ケトン(アセトン、シクロヘキサノンなど)、エステル(脂肪及び油を含む。)及び(ポリ)エーテル、置換されていない及び置換されたアミン、アミド、ラクタム(N−アルキルピロリドンなど)及びラクトン、スルホン及びスルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)のクラスから得られる極性及び非極性有機化学液である。
【0210】
使用される増量剤が水の場合には、補助溶媒として、例えば有機溶媒を使用することも可能である。適切な液体溶媒は、本質的に、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレンなどの芳香族、クロロベンゼン、クロロエチレン又は塩化メチレンなどの塩素化された芳香族又は塩素化された脂肪族炭化水素、シクロヘキサン又はパラフィンなどの脂肪族炭化水素、例えば、石油留分、鉱物油及び植物油、ブタノール又はグリコールなどのアルコール及びそれらのエーテル及びエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルスルホキシドなどの強い極性溶媒並びに水である。
【0211】
適切な固体担体は、以下のとおりである。
【0212】
例えば、アンモニウム塩、並びにカオリン、クレイ、タルク、胡粉、石英、アタパルガイト、モントモリロナイト又は珪藻土などの土壌の天然ミネラル、並びに細かく砕かれたシリカ、アルミナ及びケイ酸塩などの土壌の合成ミネラルであり;顆粒用の適切な固体担体は、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び白雲石などの砕かれ、分画された天然の岩のほか、無機及び有機粉末の合成顆粒、並びに紙、おがくず、椰子の実、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎などの有機素材の顆粒であり;適切な乳化剤及び/又は発泡剤は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホナート、アルキルサルファート、アリールスルホナート及びタンパク質の加水分解物などの、非イオン性及び陰イオン性乳化剤であり;適切な分散剤は、アルコール−POE及び/又はPOP−エーテル、酸及び/又はPOP−POEエステル、アルキルアリール及び/又はPOP−POEエーテル、脂肪−及び/又はPOP−POE付加物、POE−及び/又はPOP−ポリオール誘導体、POE−及び/又はPOP−ソルビタン−又は糖付加物、アルキル又はアリールサルファート、アルキル又はアリールスルホナート及びアルキル又はアリールホスファート又は対応するPO−エーテル付加物のクラスから得られる非イオン性及び/又はイオン性物質である。さらに、適切なオリゴマー又はポリマー、例えば、ビニルモノマー、アクリル酸、EO及び/又はPO単独で、又は例えば(ポリ)アルコール若しくは(ポリ)アミンとの組み合わせから得られるオリゴマー又はポリマー。リグニン及びそのスルホン酸誘導体、修飾されていない及び修飾されたセルロース、芳香族及び/又は脂肪族スルホン酸並びにホルムアルデヒドとのそれらの付加物を使用することも可能である。
【0213】
カルボキシメチルセルロース並びにアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルなどの粉末、顆粒又はラテックスの形態の天然及び合成ポリマーなどの結合剤の他に、セファリン及びレシチンなどの天然リン脂質及び合成リン脂質のような結合剤を、前記製剤中で使用することもできる。
【0214】
無機染料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアン・ブルーなど、並びに有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料など、並びに、微量栄養素、例えば、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩などのような着色剤を使用することが可能である。
【0215】
他の可能な添加物は、香料、場合によって修飾された鉱物油又は植物油、蝋並びに、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩などの栄養素(微量栄養素を含む。)である。
【0216】
低温安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、光安定化剤又は化学的及び/又は物理的安定性を改善する他の薬剤などの安定化剤も存在し得る。
【0217】
前記製剤は、一般に、活性化合物の0.01と98重量%の間、好ましくは0.5と90重量%の間を含む。
【0218】
本発明の活性化合物は、市販の製剤中に、及びこれらの製剤から調製された使用形態で、殺虫剤、誘引剤、滅菌剤(sterilant)、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺真菌剤、増殖制御物質、除草剤、安全化剤(safener)、肥料又は情報物質などの他の活性化合物との混合物として存在することが可能である。
【0219】
特に好ましい混合成分は、例えば、以下のものである。
【0220】
殺真菌剤:
核酸合成の阻害剤
ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート(bupirimate)、キララキシル(chiralaxyl)、クロジラコン(clozylacon)、ジメトリモール(dimethirimol)、エトリモール(ethirimol)、フララキシル(furalaxyl)、ヒメキサゾール(hymexazol)、メフェノキサン(mefenoxam)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル−M、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキソリン酸(oxolinic acid)
有糸分裂及び細胞分裂の阻害剤
ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、エタボキサム(ethaboxam)、フベリダゾール(fuberidazol)、ペンシクロン(pencycuron)、チアベンダゾール(thiabendazol)、チオファナート−メチル(thiophanat−methyl)、ゾキサミド(zoxamid)
呼吸鎖複合体Iの阻害剤
ジフルメトリム(diflumetorim)
呼吸鎖複合体IIの阻害剤
ボスカリド(Boscalid)、カルボキシン(Carboxin)、フェンフラム(Fenfuram)、フルトラニル(Flutolanil)、フラメトピル(Furametpyr)、フルメシクロクス(furmecyclox)、メプロニル(Mepronil)、オキシカルボキシン(Oxycarboxi)、ペンチオピラド(Pentbiopyrad)、チフルザミド(Thifluzamid)
呼吸鎖複合体IIIの阻害剤
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、シアゾファミド(cyazofamid)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロビン(enestrobin)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシム−メチル(kresoxim−methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)
脱共役剤
ジノキャプ(dinocap)、フルアジナム(fluazinam)
ATP産生の阻害剤
酢酸フェンチン、塩化フェンチン、水酸化フェンチン、シルチオファム(silthiofam)
アミノ酸生合成及びタンパク質生合成の阻害剤
アンドプリム(andoprim)、ブラスチシジン−S(blasticidin−S)、シプロジニル(cyprodinil)、カスガマイシン(kasugamycin)、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil)
シグナル伝達の阻害剤
フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil)、キノキシフェン(quinoxyfen)
脂質及び膜合成の阻害剤
クロゾリナート(chlozolinate)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)
アムプロピルフォス(ampropylfos)、カリウム−アムプロピルフォス、エジフェンホス(edifenphos)、エトリジアゾール(etridiazole)、イプロベンホス(iprobenfos(IBP))、イソプロチオラン(isoprothiolan)、ピラザホス(pyrazophos)
トルクロホス−メチル(tolclofos−methyl)、ビフェニル
ヨードカルブ(iodocarb)、プロパモカルブ(propamocarb)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride) 、プロパモカルブ−フォセチラート(propamocarb−fosetylate)
エルゴステロール生合成の阻害剤
フェンヘキサミド、
アザコナゾール(azaconazol)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジクロブトラゾール(diclobutrazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール−M(diniconazole−M)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、フェナリモール(fenarimol)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルルプリミドール(flurprimidole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアフォール(flutriafol)、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール−シス(furconazole−cis)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イマザリル(imazalil)、イマザリル硫酸、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ヌアリモール(nuarimol)、オクスポコナゾール(oxpoconazole)、パクロブトラゾール(paclobutrazole)、ペンコナゾール(penconazole)、ペフラゾアート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ピリフェノックス(pyrifenox)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメフォン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリフォリン(toriforine)、トリチコナゾール(triticonazole)、ユニコナゾール(uniconazole)、ボリコナゾール(voriconazole)、ビニコナゾール(viniconazole)、
アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、ドデモルフ酢酸塩(dodemorph acetate)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、スピロキサミン(spiroxamine)、トリデモルフ(tridemorph)、
ナフチフィン(naftifine)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、テルビナフィン(terbinafine)
細胞壁合成の阻害剤
ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、ビアラホス(bialaphos)、ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、マンジプロパミド(mandipropamid)、ポリオキシン(polyoxin)、ポリオキソリム(polyoxorim)、バリダマイシンA(validamycin A)
メラニン生合成の阻害剤
カプロパミド(capropamid)、ジクロシメト(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)、フタリド(phtalide)、ピロキロン(pyroquilon)、トリシクラゾール(tricyclazole)
耐性誘導剤
アシベンゾラール−S−メチル(acibenzolar−S−methyl)、プロベナゾール(probenazol)、チアジニル(tiadinil)
複数部位
カプタフォール(captafol)、カプタン(captan)、クロロサロニル(chlorothalonil)、水酸化銅;ナフテン酸銅;オキシ塩化銅;硫酸銅;酸化銅;オキシン−銅及びボルドー混合物(Bordeaux mixture)などの銅塩、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジチアノン(dithianon)、ドジン(dodine)、ドジン遊離塩基(dodine free base)、フェルバム(ferbam)、フォルペット(folpet)、フルオロフォルペット(fluorofolpet)、グアザチン(guazatine)、グアザチン酢酸塩(guazatin acetate)、イミノクタジン(iminoctadin)、イミノクタジン・アルベシラート(iminoctadine albesilate)、イミノクタジン・トリアセタート(iminoctadine triacetate)、マンコッパー(mancopper)、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)、メチラム(metiram)、メチラム亜鉛(metiram zinc)、プロピネブ(propineb)、硫黄及びカルシウム多硫化物を含む硫黄調製物)、チラム(thiram)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)
さらなる殺真菌剤
アミブロムドール(amibromdol)、ベンチアゾール(benthiazole)、ベトキサジン(bethoxazin)、キャプシマイシン(capsimycin)、カルボン(carvon)、チノメチオナート(chinomethionat)、クロロピクリン(chloropicrin)、キュフラネブ(cufraneb)、シフルフェナミド(cyflufenamide)、シモキサニル(cymoxanil)、ダゾメット(dazomet)、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン(diclomezin)、ジクロロフェン(dichlorophen)、ジクロラン(dicloran)、ジフェンゾクアート(difenzoquat)、ジフェンゾクアート・メチルサルファート(difenzoquat methyl sulphate)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、フェリムゾン(ferimzone)、フルメトバール(flumetover)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオロイミド(fluoroimide)、フォセチル−アルミニウム(fosetyl−aluminium)、フォセチル−カルシウム、フォセチル−ナトリウム、ヘキサクロロベンゼン(hexachlorobenzene)、8−ヒドロキシキノリンサルファート(8−hydroxychinolinsulfate)、イルママイシン(irumamycin)、メタサルフォカルブ(methasulphocarb)、メトラフェノン(metrafenone)、メチルイソチオシアナート(methyl isothiocyanate)、ミルジオマイシン(mildiomycin)、ナタマイシン(natamycin)、ニッケルジメチルジチオカルバマート(nickel dimethyldithiocarbamate)、ニトロサール−イソプロピル(nitrothal−isopropyl)、オクチリノン(octhilinone)、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノール(pentachlorophenol)及び塩、2−フェニルフェノール(2−phenylphenol)及び塩、ピペラリン(piperalin)、プロパノシン−ナトリウム(propanosin−sodium)、プロキナジド(proquinazid)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、ピロルニトリン(pyrrolnitrin)、キントゼン(quintozen)、テクロフタラム(tecloftalam)、テクナゼン(tecnazen)、トリアゾキシド(triazoxid)、トリクラミド(trichlamid)、バリフェナル(valiphenal)、ザリラミド(zarilamid)
2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセトアミド、
2−[[[[l−[3(1−フルオロ−2−フェニルエチル)オキシ]フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−α−ベンゾアセトアミド、
シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、
1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボン酸、
2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、
2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルベンゾピラノン−4−オン、
2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、
3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル、
3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)イソチアゾール−5−カルボキサミド(イソチアニル)
3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、
5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−N−[(1R)−1,2,2−トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、
5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
5−クロロ−N−[(1R)−1,2−ジメチルプロピル]−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、
メチル2−[[[シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)−ベンゾアセタート、
メチル1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシベンゾアミド、
N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
N−(4−クロロベンジル)−3−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、
N−[(4−クロロフェニル)(シアノ)メチル]−3−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、
N−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル−2,4−ジクロロニコチンアミド、
N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、
(2S)−N−[2−[4−[[3−{4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−ブタンアミド、
N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−ベンゾアセトアミド、
N−{2−[1,1’−ビ(シクロプロピル)−2−イル]フェニル}−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンゾアミド、
N−エチル−N−メチル−N’−{2−メチル−5−(トリフルオロメチル)−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、
O−[1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル]−1H−イミダゾール−1−カルボチオ酸、
2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド、
2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[[[[1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(CAS番号185336−79−2)、
(N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)シクロプロパンカルボキサミド、
殺菌剤:
ブロノポール(bronopol)、ジクロロフェン(dichlorophen)、ニトラピリン(nitrapyrin)、ニッケル−ジメチルジチオカルバマート(nickel−dimethyldithiocarbamate)、カスガマイシン(kasugamycin)、オクチリノン(octhilinon)、フランカルボン酸(furancarboxylic acid)、オキシテトラサイクリン(oxytetracyclin)、プロベナゾール(probenazol)、ストレプトマイシン(streptomycin)、テクロフタラム(tecloftalam)、硫酸銅及びその他の銅調製物。
【0221】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤
カルバマート、
例えば、アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、アルドキシカルブ(aldoxycarb)、アリキシカルブ(allyxycarb)、アミノカルブ(aminocarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブタカルブ(butacarb)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボサルファン(carbosulphan)、クロエトカルブ(chloethocarb)、ジメチラン(dimetilan)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フォルメタナート(formetanate)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isocarb)、メタム−ナトリウム(metam−sodium)、メチオカルブ(methiocarb)、メトミル(methomyl)、メトルカルブ(metolcarb)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロメカルブ(promecarb)、プロポクスール(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオファノックス(thiofanox)、トリメタカルブ(trimethacarb)、XMC、キシリルカルブ(xylylcarb)、トリアザマート
有機リン酸塩、
例えば、アセファート(acephate)、アザメチフォス(azamethiphos)、アジンフォス(azinphos)(−メチル、−エチル)、ブロモフォス−エチル(bromophos−ethyl)、ブロムフェンビンフォス(bromfenvinfos)(−メチル)、ブタチオフォス(butathiofos)、カヅサフォス(cadusafos)、カルボフェノチオン(carbophenothion)、クロレトキシフォス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンフォス(chlorfenvinphos)、クロルメフォス(chlormephos)、クロルピリフォス(chlorpyrifos)(−メチル/−エチル)、クマフォス(coumaphos)、シアノフェンフォス(cyanofenphos)、シアノフォス(cyanophos)、クロロフェンビンフォス(chlorofenvinphos)、デメトン(demeton)−S−メチル、デメトン(demeton)−S−メチルスルフォン、ダイアライフォス(dialifos)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion)、ジクロルボス(dichlorvos)/DDVP、ジクロトフォス(dicrotophos)、ジメトアート(dimethoate)、ジメチルビンフォス(dimethylvinphos)、ジオキサベンゾフォス(dioxabenzofos)、ジスルフォトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロフォス(ethoprophos)、エトリンフォス(etrimfos)、ファムフール(famphur)、フェナミフォス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンスルフォチオン(fensulfothion)、フェンチオン(fenthion)、フルピラゾフォス(flupyrazofos)、フォノフォス(fonofos)、フォルモチオン(formothion)、フォスメチラン(fosmethilan)、フォスチアザート(fosthiazate)、ヘプテノフォス(heptenophos)、ヨードフェンフォス(iodofenphos)、イプロベンフォス(iprobenfos)、イサゾフォス(isazofos)、イソフェンフォス(isofenphos)、o−サリチル酸イソプロピル(isopropyl o−salicylate)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メカルバム(mecarbam)、メタクリフォス(methacrifos)、メタミドフォス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メビンフォス(mevinphos)、モノクロトフォス(monocrotophos)、ネイルド(naled)、オメトエート(omethoate)、オキシデメトン(oxydemeton)−メチル、パラチオン(parathion)(−メチル/−エチル)、フェントエート(phenthoate)、フォラート(phorate)、フォサロン(phosalone)、フォスメト(phosmet)、フォスファミドン(phosphamidon)、フォスフォカルブ(phosphocarb)、フォキシム(phoxim)、ピリミフォス(pirimiphos)(−メチル/−エチル)、プロフェノフォス(profenofos)、プロパフォス(propaphos)、プロペタンフォス(propetamphos)、プロチオフォス(prothiofos)、プロトエート(prothoate)、ピラクロフォス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリダチオン(pyridathion)、キナルフォス(quinalphos)、セブフォス(sebufos)、スルフォテプ(sulfotep)、スルプロフォス(sulprofos)、テブピリンフォス(tebupirimfos)、テメフォス(temephos)、テルブフォス(terbufos)、テトラクロロビンフォス(tetrachlorovinphos)、チオメトン(thiometon)、トリアゾフォス(triazophos)、トリクロルフォン(triclorfon)、バミドチオン(vamidothion)
ナトリウムチャンネル調節物質/電圧依存性ナトリウムチャンネル遮断剤
ピレトロイド(pyrethroid)
例えば、アクリナトリン(acrinathrin)、アレトリン(allethrin)(d−シス−トランス、d−トランス)、β−サイフルトリン(cyfluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、ビオアレトリン(bioallethrin)、ビオアレトリン(bioallethrin)−S−シクロペンチル(cyclopentyl)異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、ビオレスメトリン(bioresmethrin)、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−サイペルメトリン(cys−cypermethrin)、シス−レスメトリン(cis−resmethrin)、シス−ペルメトリン(cis−permethrin)、クロサイトリン(clocythrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、サイフルトリン(cyfluthrin)、サイハロトリン(cyhalothrin)、サイペルメトリン(cypermethrin)(α−、β−、θ−、ζ−)、サイフェノトリン(cyphenothrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エムペントリン(empenthrin)(1R−異性体)、エスフェンバレラート(esfenvalerate)、エトフェンプロクス(etofenprox)、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンピリトリン(fenpyrithrin)、フェンバレラート(fenvalerate)、フルブロサイトリナート(flubrocythrinate)、フルサイトリナート(flucythrinate)、フルフェンプロクス(flufenprox)、フルメトリン(flumethrin)、フルバリナート(fluvalinate)、フブフェンプロクス(fubfenprox)、γ−サイハロトリン(gamma−cyhalothrin)、イミプロトリン(imiprothrin)、カデトリン(kadethrin)、λ−サイハロトリン(lambda−cyhalothrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、ペルメトリン(permethrin)(シス−、トランス−)、フェノトリン(phenothrin)(1R−トランス異性体)、プラレトリン(prallethrin)、プロフルトリン(profluthrin)、プロトリフェンビュート(protrifenbute)、ピレスメトリン(pyresmethrin)、レスメトリン(resmethrin)、RU15525、シラフルオフェン(silafluofen)、τ−フルバリナート(tau−fluvalinate)、テフルトリン(tefluthrin)、テラレトリン(terallethrin)、テトラメトリン(tetramethrin)(1R−異性体)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、ZXI8901、ピレトリン(pyrethrin)(ピレトラム(pyrethrum)
DDT
オキサジアジン
例えば、インドキサカルブ(indoxacarb)
セミカルバゾン、
例えば、メタフルミゾン(BAS3201)
アセチルコリン受容体アゴニスト/アンタゴニスト
クロロニコチニル、
例えば、アセトアミプリド(acetamiprid)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、ニチアジン(nithiazine)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、AKD−1022、イミダクロチズ(imidaclothiz)
ニコチン、ベンサルタップ(bensultap)、カルタップ(cartap)
アセチルコリン受容体調節物質
スピノシン、
例えば、スピノサド(spinosad)及びスピネトラム(XDE−175;WO9700265A1)
GABA調節型塩化物チャンネルアンタゴニスト
有機塩素、
例えば、カムフェクロール(camphechlor)、クロロダン(chlorodane)、エンドスルファン(endosulfan)、γ−HCH、HCH、ヘプタクロル(heptachlor)、リンデイン(lindane)、メトキシクロル(methoxychlor)
フィプロール(fiprol)、
例えば、アセトプロール(acetoprole)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、バニリプロール(vaniliprole)
塩化物チャンネル活性化因子
メクチン(mectin)、
例えば、アバルメクチン(abarmectin)、エマメクチン(emamectin)、エマメクチン−ベンゾアート(emamectin−benzoate)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)、ミルベマイシン(milbemycin)
幼若ホルモン類似体、
例えば、ジオフェノラン(diofenolan)、エポフェノナン(epofenonane)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ハイドロプレン(hydroprene)、キノプレン(kinoprene)、メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxifen)、トリプレン(triprene)
エクジソンアゴニスト/撹乱物質
ジアシルヒドラジン(diacylhydrazine)、
例えば、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)
キチン生合成阻害剤
ベンゾイル尿素(benzoilurea)、
例えば、ビストリフルロン(bistrifluron)、クロフルアズロン(chlofluazuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルアズロン(fluazuron)、フルサイクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron))
ブプロフェジン(buprofezin)
シロマジン(cyromazine)
酸化的リン酸化の阻害剤、ATP撹乱剤
ジアフェンチウロン(diafenthiuron)
有機スズ(organotin)化合物
例えば、アゾサイクロチン(azocyclotin)、サイヘキサチン(cyhexatin)、酸化フェンブタチン(fenbutatin−oxide)
Hプロトン勾配を崩壊させることによって作用する酸化的リン酸化の脱共役剤
ピロール、
例えばクロルフェナピル(chlorfenapyr)
ジニトロフェノール(dinitrophenol)、
例えば、ビナパクリル(binapacryl)、ジノブトン(dinobuton)、ジノキャプ(dinocap)、DNOC、メプチルジノカプ(meptyldinocap)
部位I電子輸送阻害剤
METI、
例えば、フェナザキン(fenazaquin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)
ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、
ジコフォール(dicofol)
部位II電子輸送阻害剤
ロテノン
部位III電子輸送阻害剤
アセキノシル(acequinocyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)
昆虫の腸膜の微生物撹乱物質;
バチルス・チューリンゲンシス(bacillus thuringiensis)株
脂質合成阻害剤
テトロン酸、
例えば、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)
テトラミン酸、
例えば、スピロテトラマート(Spirotetramat)、シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−8−メトキシ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
カルボキサミド、
例えば、フロニカミド(flonicamid)
オクトパミン作動性アゴニスト
例えば、アミトラズ(amitraz)
マグネシウムによって刺激されるATPアーゼの阻害剤;
プロパルギット
ネライストキシン(nereistoxin)類縁体、
例えば、チオシクラム水素オキシラート(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオサルタップナトリウム(thiosultap−sodium))
リアノジン受容体のアゴニスト、
ベンゾジカルボキサミド、
例えば、フルベンジアミド(flubendiamid)
アンスロニラミド(anthronilamide)
例えば、リナキシピル(rynaxypyr)(3−ブロモ−N−{4−クロロ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)
生物製剤、ホルモン及びフェロモン
アザジラクチン(azadirachtin)、バチルス種、ビューベリア(Beauveria)種、コドルモン(codlemone)、メタリジウム(Metarrhizium)種、ペシロマイセス(Paecilomyces)種、チューリンゲンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム(Verticillium)種)
不明な作用機序又は特定されない作用機序を有する活性化合物
燻蒸剤、
例えば、リン化アルミニウム(aluminum phosphide)、臭化メチル、フッ化スルフリル
摂食阻害剤、
例えば、氷晶石(cryolite)、フロニカミド(flonicamid)、ピメトロジン(pymetrozine)
ダニ増殖阻害剤、
例えば、クロフェンテジン(clofentezine)、エトキサゾール(etoxazole)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)
アミドフルメト(amidoflumet)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾキシマート(benzoximate)、ビフェナザート(bifenazate)、ブロモプロピラート(bromopropylate)、ブプロフェジン(buprofezin)、キノメチオナート(chinomethionat)、クロルジメフォルム(chlordimeform)、クロロベンジラート(chlorobenzilate)、クロロピクリン(chloropicrin)、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、サイフルメトフェン(cyflumetofen)、ジシクラニル(dicyclanil)、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン(flubenzimine)、フルフェネリム(flufenerim)、フルテンジン(flutenzin)、ワタキバガ幼虫分泌性性誘引物質(gossyplure)、ヒドラメチルノン(hydramethylnone)、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、石油、ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)、オレイン酸カリウム、ピリダリル(pyridalyl)、スルフルラミド(sulfluramid)、テトラジフォン(tetradifon)、テトラサル(tetrasul)、トリアラテン(triarathene)、ベルブチン(verbutin)。
【0222】
除草剤、肥料、成長調節物質、安全化剤、情報化学物質等の他の公知の活性化合物との、あるいは、植物特性を改善するための薬剤との混合物も可能である。
【0223】
それらの市販の製剤及びこれらの製剤から調製される使用形態中で殺虫剤として使用される場合には、本発明の活性化合物は、相乗効果剤との混合物として、さらに存在することができる。相乗効果剤とは、添加される相乗効果剤自体は活性を有する必要なしに、活性化合物の作用を増加させる化合物である。
【0224】
それらの市販の製剤及びこれらの製剤から調製される使用形態中で殺虫剤として使用するときには、本発明の活性化合物は、植物の環境、植物部分の表面上又は植物組織中で使用した後に前記活性化合物の分解を低下させる阻害剤との混合物としてさらに存在することが可能である。
【0225】
市販の製剤から調製された使用形態の活性化合物含量は、広い範囲限界内を変動することが可能である。使用形態の活性化合物濃度は、活性化合物の重量に対して0.00000001%から95%まで、好ましくは0.00001重量%と1重量%の間とすることが可能である。
【0226】
化合物は、使用形態に適した慣用の様式で使用される。
【0227】
本発明に従って、あらゆる植物及び植物の部分を処理することができる。本発明において、植物とは、望ましい及び望ましくない野生の植物又は穀物植物(自然に発生する穀物植物を含む。)などの全ての植物及び植物集団を意味するものとして理解しなければならない。穀物植物は、慣用的な植物品種改良と最適化法によって又はバイオテクノロジー及び遺伝子工学法によって又はこれらの方法の組み合わせによって取得できる植物であり得、トランスジェニック植物が含まれ、植物育種家の権利によって保護され得る又は保護され得ない植物品種が包含される。植物の部分とは、芽、葉、花及び根など、地上及び地下にある植物のあらゆる部分及び器官を意味するものとして理解しなければならず、例としては、葉、針状葉(needle)、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎及び地下茎を挙げることもできる。植物の部分には、採取された物質、並びに栄養繁殖及び生殖により増殖する物質、例えば、苗木、塊茎、地下茎、側枝及び種子も含まれる。
【0228】
本発明による、活性化合物の組み合わせでの植物及び植物の部分の処理は、直接実施されるか、又は、慣用的な処理法、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、煙霧、散乱、塗布、注入によって、増殖物質の場合、特に種子の場合には、1つ又はそれ以上のコーティングを与えることによって、それらの周囲、生息環境又は保存場所に化合物を作用させることにより実施される。
【0229】
既に上記されているように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することが可能である。好ましい実施形態では、野生植物種及び植物変種、又は異種交配若しくはプロトプラスト融合など、伝統的な生物育種方法によって得られたもの並びにそれらの部分が処理される。さらに好ましい実施形態では、遺伝子工学法を、適宜慣用法と組み合わせることによって得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝的改変生物)並びにそれらの部分が処理される。「部分」、「植物の部分」及び「植物部分」という用語は、上で説明したとおりである。
【0230】
特に好ましくは、各事例において、市販されているか、又は使用されている植物品種の植物が、本発明に従って処理される。植物品種とは、従来的な品種改良、突然変異導入又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものとして理解される。これらは、植物品種、生物型又は遺伝子型であり得る。
【0231】
植物種又は植物品種、それらの場所及び増殖条件(土壌、天候、生育期間、栄養)に応じて、本発明による処理は、超加算的(「相乗」)効果をもたらすこともあり得る。従って、例えば、実際に予想された効果を超えて、付与速度の低下及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用可能な物質及び組成物の活性の増加、植物の成長の改善、高温又は低温に対する耐容性の増加、旱魃又は水分若しくは土壌に含まれる塩に対する耐容性の増加、開花能の向上、採取の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、採取された産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、採取された産物の保存安定性及び/又は加工性の向上が生じる可能性がある。
【0232】
本発明に従って好ましく処理されるトランスジェニック植物又は植物品種(遺伝子工学によって得られる。)には、遺伝的修飾を用いて、これらの植物に極めて有利で有用な形質を付与する遺伝物質が与えられた全ての植物が含まれる。このような特性の例は、植物の成長の改善、高温又は低温に対する耐容性の増加、旱魃又は水分若しくは土壌に含まれる塩に対する耐性の増加、開花能の向上、採取の簡易化、成熟の加速、収穫高の増大、採取された産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、採取された産物の保存安定性及び/又は加工性の向上である。このような形質の特に強調されるさらなる例は、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌及び/又はウイルスなどの有害動物及び有害微生物に対する植物の防御力の向上、並びにある種の除草活性を有する化合物に対する植物の耐容性の増加である。トランスジェニック植物の例としては、穀物(麦、米)、トウモロコシ、大豆、芋、サトウダイコン、トマト、豆及び他の植物変種、綿、タバコ、菜種などの重要な穀物植物及び果物植物(リンゴ、ナシ、かんきつ類の果物及びブドウなどの果物がなるもの)を挙げることができるが、特に、トウモロコシ、大豆、芋、綿、タバコ及び菜種が重要である。重視される形質は、特に、植物中で形成される毒素、特に、バチルス・チューリンゲンシス由来の遺伝物質によって(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組み合わせによって)植物中で形成される毒素による、昆虫、クモ形類動物、線虫、ナメクジおよびカタツムリに対する植物の防御力の増大である(以下、「Bt植物」と称する。)。同じく特に重視される形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン、エリシター及び耐性遺伝子並びに発現された対応するタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の防御力の増大である。さらに特に重視される形質は、除草活性を有するある種の活性化合物、例えば、イミダゾリノン、スルホニル尿素、グリホサート又はホスフィノトリシンに対する植物の耐容性の増大である(例えば、「PAT」遺伝子)。問題となっている、所望の対象形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物中で相互に組み合わせて存在させることも可能である。「Bt植物」の例としては、YIELD GARD(R)(例えばトウモロコシ、綿、大豆)、KnockOut(R)(例えばトウモロコシ)、StarLink(R)(例えばトウモロコシ)、Bollgard(R)(綿)、Nucotn(R)(綿)及びNewLeaf(R)(芋)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、綿の変種、大豆の変種及び芋の変種を挙げることができる。除草剤耐性のある植物の例としては、Roundup Ready(R)(グリホサートに対する耐性、例えばトウモロコシ、綿、大豆)、Liberty Link(R)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば菜種)、IMI(R)(イミダゾリノン類に対する耐性)及びSTS(R)(スルホニル尿素に対する耐性、例えばトウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシの変種、綿の変種及び大豆の変種を挙げることができる。除草剤に抵抗性のある植物(除草剤耐性を与えるために従来の方式で品種改良された植物)として挙げられるものには、Clearfield(R)(例えばトウモロコシ)の商品名で販売されている変種が含まれる。もちろん、これらの記述は、これらの遺伝的形質又は将来開発される遺伝的形質を有する植物品種についても当てはまり、このような植物品種が将来開発され及び/又は市場に出回ることになるであろう。
【0233】
列記されている植物は、本発明に従って、一般式Iの化合物及び/又は活性化合物の混合物で、特に有利な方法で処理することが可能である。活性化合物又は混合物に対する上記好ましい範囲は、これらの植物の処理についても当てはまる。本明細書に特に列記されている活性化合物又は混合物による植物の処理は、特に重要である。
【0234】
本発明の活性化合物は、植物、衛生及び貯蔵製品に対する有害生物に対して作用するだけでなく、獣医薬の分野において、マダニ、軟ダニ、疥癬ダニ、ツツガムシ、ハエ(咬みバエ及び舐めバエ)、寄生性のハエの幼虫、シラミ、毛ジラミ、羽ジラミ及びノミなどの動物の寄生生物(外部及び内部寄生虫)に対して作用する。これらの寄生生物には下記のものがある。
【0235】
シラミ目(Anoplurida)からは、例えば、ヘマトピナス属種(Haematopinus spp.)、リノグナサス属種(Linognathus spp.)、ペディキュラス属種(Pediculus spp.)、フィチラス属種(Phtirus spp.)及びソレノポテス属種(Solenopotes spp.)、
ハジラミ(Mallophagida)目並びにマルツノハジラミ(Amblycerina)亜目及びホソツノハジラミ(Ischnocerina)亜目からは、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネッキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコラ属種(Felicola spp.)、
双翅目(Diptera)、及び並びにネマトセリナ亜目(Nematocerina)及びブラキセリナ亜目(Brachycerina)からは、例えば、イーデス属種(Aedes spp.)、アノフレス属種(Anopheles spp.)、キュレックス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ユーシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルツゾミヤ属種(Lutzomyia spp.)、キュリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソップス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロータス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ヘマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ヘマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファニア属種(Fannia spp.)、グロッシナ属種(Glossina spp.)、カリホラ属種(Calliphora spp.)、ルチリア属種(Lucilia spp.)、クリソミア属種(Chrysomyia spp.)、ウォールファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコフォガ属種(Sarcophaga spp.)、エストラス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィラス属種(Gasterophilus spp.)、ヒッポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロファガス属種(Melophagus spp.)、
ノミ目(Siphonapterida)からは、例えば、ピューレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、ゼノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、セラトフィラス属種(Ceratophyllus spp.)、
カメムシ目(Heteropterida)からは、例えば、シメックス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロードニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギラス属種(Panstrongylus spp.)、
ゴキブリ目(Blattarida)からは、例えば、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、スペラ種(Supella spp.)
アカリ亜綱(Acari)(Acarina)並びにメタスチグマタ目(Metastigmata及びメソスチグマタ目(Mesostigmata)からは、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オーニソドラス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イキソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、ブーフィラス属種(Boophilus spp.)、デルマセントール属種(Dermacentor spp.)、ヘモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、リピセファラス属種(Rhipicephalus spp.)、デルマニサス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、ニューモニサス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストーマ属種(Sternostoma spp.)、バロア属種(Varroa spp.)、
ケダニ目(Actinedida)(プロスチグマタ(Prostigmata))及びコナダニ目(Acaridida)(アスチグマタ(Astigmata))からは、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニソケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルゲーツ属種(Psorergates spp.)、デモデックス属種(Demodex spp.)、トロンビキュラ属種(Trombicula spp.)、リストロホラス属種(Listrophorus spp.)、アカラス属種(Acarus spp.)、チロファガス属種(Tyrophagus spp.)、カログリファス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリカス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。
【0236】
本発明の式(I)の活性化合物は、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ及びミツバチ等の農業用家畜、例えば、イヌ、ネコ、愛玩鳥及び観賞魚等のその他ペット、例えば、ハムスター、モルモット、ラット及びマウス等のいわゆる実験動物に外寄生する節足動物の駆除にも適している。これらの節足動物を駆除することによって、死亡例及び生産性の減少(肉、ミルク、羊毛、皮、卵、蜂蜜等)が抑えられるはずであり、このように、本発明の活性化合物を使用することによって、さらに経済的且つ簡易に動物を飼育することが可能となる。
【0237】
例えば、錠剤、カプセル、頓服、水薬、顆粒、ペースト、ボーラス、飼料を介した方法及び坐剤の形で腸内投与により、例えば、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)、経鼻投与によるインプラント等の非経口投与により、例えば、浸漬又は液浸、噴霧、滴下(pouring on)及び点投与(spotting on)、洗浄及び粉末散布の形での皮膚使用によって、また、首輪、耳標、尾標、足輪、端綱、印付け用具等、活性化合物を含有する成形品の補助を得て、本発明の活性化合物は、獣医学部門で、及び畜産で、公知の様式で使用される。
【0238】
ウシ、家禽、ペット等に使用する場合には、式(I)の活性化合物は、活性化合物を1から80重量%の量で含む製剤(例えば、粉末、エマルジョン、流動性製剤)として、直接若しくは100から10,000倍に希釈した後に付与することが可能であり、又はそれらは薬浴として使用できる。
【0239】
さらに、本発明の活性化合物は、産業資材を破壊する昆虫に対して強力な殺虫作用を有することも明らかとなった。
【0240】
次の昆虫を、例として及び好ましいものとして挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0241】
甲虫類、例えば、ヒロツルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロフォラス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、ゼストビウム・ルフォビロサム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネクス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、リクタス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、リクタス・アフリカナス(Lyctus africanus)、リクタス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクタス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクタス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシリン・アエクエール(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボラス種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン種(Tryptodendron spec.)、アパテ・マナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンズ(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン種(Sinoxylon spec.)、ディノデルス・ミヌタス(Dinoderus minutus)、
膜翅類、例えば、シレックス・ジュベンカス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・オウガー(Urocerus augur)、
シロアリ類、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インディコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルチフガス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ズーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)、
シミ類、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0242】
本明細書において産業資材とは、好ましくは、プラスチック、接着剤、糊、紙及びボール紙、皮革、木及び加工された木製品並びにコーティング組成物等の非生物材料を意味するものとして理解される。
【0243】
適切な場合には、即時使用可能な組成物は、さらなる殺虫剤を含み得、適切な場合には1つ又はそれ以上の殺真菌剤を含み得る。
【0244】
可能なさらなる添加物に関しては、上記の殺虫剤及び殺真菌剤を挙げ得る。
【0245】
同様に、本発明の化合物は、船体、スクリーン、ネット、建物、係留及び信号システム等の塩水又は汽水と接触した物体を汚損から保護するために使用することが可能である。
【0246】
さらに、本発明の化合物は、単独で、又は他の活性化合物と組み合わせて、抗汚損剤として使用され得る。
【0247】
住居、衛生及び保存される産物の保護において、前記活性化合物は、例えば、住居、工場の建物、職場、乗り物の部屋などの閉鎖空間で発見される有害動物、特に昆虫、クモ形類動物及びダニの駆除にも適している。活性化合物の組み合わせは、単独で、又はこれらの有害生物を駆除するための家庭用殺虫製品中の他の活性化合物及び補助剤と組み合わせて使用することが可能である。活性化合物の組み合わせは、感受性及び耐性種に対して活性であり、並びに全ての発達段階に対して活性である。これらの有害生物には、以下ものが含まれる。
【0248】
サソリ目(Scorpionidea)からは、例えば、ブサス・オキタヌス(Buthus occitanus)、
ダニ目(Acarina)からは、例えば、アルガス・ペルシカス(Argas persicus)、アルガス・リフレクサス(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia spp.)、デルマニサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファガス・ドメスティカス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドラス・モウバット(Ornithodorus moubat)、ライピセファラス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロンビキュラ・アルフレドヅゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ニュートロンビキュラ・オウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・フォリナエ(Dermatophagoides forinae)、
クモ目(Aranaeae)からは、例えば、アビキュラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae)、
ザトウムシ目(Opiliones)からは、例えば、シュードスコルピオネス・チェリファー(Pseudoscorpiones chelifer)、シュードスコルピオネス・チェイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランジウム(Opiliones phalangium)、
ワラジムシ目(Isopoda)からは、例えば、オニスカス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカバー(Porcellio scaber)、
ヤスデ目(Diplopoda)からは、例えば、ブラニルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムス属種(Polydesmus spp.)、
ムカデ目(Chilopoda)からは、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、
シミ目(Zygentoma)からは、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus)、
ゴキブリ目(Blattaria)からは、例えば、ブラタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、ロイコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラッタ属種(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・オーストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)、
直翅目(Saltatoria)からは、例えば、アキータ・ドメスティカス(Acheta domesticus)、
ハサミムシ目(Dermaptera)からは、フォルフィキュラ・オーリキュラリア(Forficula auricularia)、
シロアリ目(Isoptera)からは、例えば、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)、レチキュリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、
チャタテムシ目(Psocoptera)からは、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.)、
コウチュウ目(Coleoptera)からは、例えば、アンスレヌス属種(Anthrenus spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ラテチカス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、ライゾペルサ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィラス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィラス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィラス・ジーマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)、
ハエ目(Diptera)からは、例えば、イーデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、イーデス・アルビオピクタス(Aedes albopictus)、イーデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、キュレックス・クインクファスシアタス(Culex quinquefasciatus)、キュレックス・ピピエンズ(Culex pipiens)、キュレックス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア・カニキュラリス(Fannia canicularis)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、
チョウ目(Lepidoptera)からは、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロディア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、ティネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、ティネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、ティネオラ・ビッセリエラ(Tineola bisselliella)。
【0249】
ノミ目(Siphonaptera)からは、例えば、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、ピュレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、ゼノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0250】
膜翅目(Hymenoptera)からは、例えば、カンポノツス・ヘルキュレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノサス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニガー(Lasius niger)、ラシウス・ウンブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスピュラ種(Paravespula spp)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum)。
【0251】
シラミ目(Anoplura)からは、例えば、ペディキュラス・フーマナス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ぺディキュラス・フーマナス・コルポリス(Pediculus humanus croporis)、ペムフィガス属種(Pemphigus spp.)、フィロエラ・バスタトリックス(Phylloera vastatrix)、フチルス・ピュービス(Phthirus pubis)。
【0252】
カメムシ目(Heteroptera)からは、例えば、シメックス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメックス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリクサス(Rhodnius prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0253】
家庭用殺虫剤の分野では、活性化合物の組み合わせは、単独で、又はリン酸エステル、カルバマート、ピレスロイド、ネオニコチノイド、成長調節物質若しくは殺虫剤のその他の既知のクラス由来の活性化合物等の他の適切な活性化合物と組み合わせて使用される。
【0254】
それらは、エアロゾル、無圧スプレー製品、例えばポンプ及びアトマイザースプレー、自動噴霧システム、噴霧器、泡、ジェル、セルロース又はポリマー製の蒸発錠剤を用いた蒸発製品、液体蒸発器、ゲル及び膜蒸発器、プロペラ駆動式蒸発装置、無エネルギー又は受動蒸発システム、蛾取り紙、蛾袋及び蛾除けジェル、散布のための餌又はおとり餌の置き場に入れられる粒剤又は粉剤中で使用される。
【0255】
調製例:
方法1
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド
【0256】
【化43】

【0257】
N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド6.5g(44.2mmol)をアセトニトリル250ml中に攪拌し、炭酸セシウム18.7g(57.4mmol)、2−クロロ−5−(クロロメチル)ピリジン8.6g(53.0mmol)及びヨウ化セシウム1.1g(4.4mmol)を連続して添加する。次いで、反応混合物を還流温度で5時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮し、移動相混合物酢酸エチル:シクロヘキサン(3:1)を使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、残存する残留物を精製する。これにより、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド4.7g(理論37%)を得る。
【0258】
H NMR(CDCl):δ[ppm]=2.52+2.53(2s,3H),3.77(m,2H),4.75+4.84(2s,2H),5.97+6.14(2tt,1H),7.35+7.42(2d,1H),7.48+7.68(2dd,1H),8.26+8.30(2d,1H)。
【0259】
13C NMR(CDCl):δ[ppm]=19.3,19.4,49.8,50.6,50.8,51.9,112.5,113.0,115.9,116.2,124.7,125.0,136.7,136.8,137.0,139.0,147.9,149.1,151.6,152.1,173.5,173.7。
【0260】
LC−MS:m/z=273.1(M+H、100%)
HNMR及び13CNMRスペクトルにおけるシグナルの二重化から明らかなように、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミドは、E/Z異性体の混合物として存在する。
【0261】
同様に、下記の表1に列記される式(I)の化合物を調製することができる。
【0262】
【表1】



【0263】
方法2
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(3−フルオロプロピル)エタンイミドアミド
【0264】
【化44】

【0265】
メタノール10ml中において、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−3−フルオロプロパン−1−アミン500mg(2.47mmol)及びメチルN−シアンエタンイミドアセタート242mg(2.47mmol)を室温で4日間攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで酢酸エチル中に採取し、1N塩酸水溶液で二度、1N水酸化ナトリウム水溶液で二度、及び飽和塩化ナトリウム溶液を用いて順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機相の減圧下での濃縮及び移動相混合物酢酸エチル:シクロヘキサン(1:1)を使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる残留物の精製によって、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(3−フルオロプロピル)エタンイミドアミド56mg(理論8%)を得る。
【0266】
HNMR(CDCN):δ[ppm]=2.38+2.43(2s,3H),3.54(m,2H),4.47(dm,2H),4.65+4.70(2s,2H),7.38(m,1H),7.65(m,1H),8.29(m,1H)
LC−MS:m/z=269.1(M+H,100%)
同様に、以下を調製することが可能である。
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド(分析データに関しては、実施例I−1を参照)
【0267】
方法3
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(3,3−ジクロロプロプ−2−エン−1−イル)エタンイミドアミド
【0268】
【化45】

【0269】
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノエタンイミドアミド174mg(0.83mmol)をアセトニトリル5ml中に攪拌し、炭酸セシウム543mg(1.67mmol)、3−ブロモ−1,1−ジクロロプロプ−1−エン166mg(0.88mmol)及びヨウ化セシウム22mg(0.08mmol)を連続して添加する。次いで、反応混合物を室温で1時間攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、その後、酢酸エチル中に採取し、1N塩酸水溶液、1N水酸化ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム溶液で順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。減圧下での有機相の濃縮及び移動相混合物酢酸エチル:シクロヘキサン(2:1)を使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、残留物を精製し、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(3,3−ジクロロプロプ−2−エン−1−イル)エタンイミドアミド215mg(理論77%)を得る。
【0270】
HNMR(CDCN):δ[ppm]=2.43(s,3H),4.15(m,2H),4.65+4.69(2s,2H),6.00(t,1H),7.39(m,1H),7.65(m,1H),8.30(m,1H)。
【0271】
LC−MS:m/z=317.0(M+H,100%)
同様に、以下を調製することが可能である。
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド(分析データに関してはI−1)
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(3,3−ジフルオロプロプ−2−エン−1−イル)エタンイミドアミド
【0272】
【化46】

【0273】
HNMR(CDCN):δ[ppm]=2.40+2.44(2s,3H),4.03(m,2H),4.50(m,1H),4.63+4.68(2s,2H),7.39(m,1H),7.65(m,1H),8.28(m,1H)。
LC−MS:m/z=285.1(M+H,100%)
【0274】
出発物質の調製
式(HN(R)−C(R)=N−CN)(IV)の化合物(IV)
IV−1
N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド
【0275】
【化47】

【0276】
室温にて、2,2−ジフルオロエタンアミン8.3g(101.9mmol)及びメチルN−シアノエタンイミドアセタート10.0g(101.9mmol)をメタノール100ml中で3時間攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド14.7g(理論の98%)を得る。
HNMR(CDCN):δ[ppm]=2.27(s,3H),3.67(m,2H),5.97(tt,1H),7.03(br.s,1H)。
LC−MS:m/z=148.1(M+H,100%)
【0277】
同様に、下記の表2に列記される式(IV)の化合物を調製することができる。
【0278】
【表2】

【0279】
式(A−CH−E)(V,B=CH)の化合物
Va−1
(5,6−ジクロロピリジン−3−イル)メタノール(E=OH、A=5,6−ジクロロピリド−3−イル)(R.Graf et al.J.Prakt.Chem.1932、134 177−87)
【0280】
0℃にて、テトラヒドロフラン250ml中の5,6−ジクロロ−ニコチン酸110g(573mmol)へ、テトラヒドロフラン中のボラン/テトラヒドロフラン錯体の1M溶液859ml(859mmol)を滴下する。混合物を室温に加温し、この温度で3時間攪拌する。0℃に冷却後、飽和炭酸カリウム水溶液を使用して、反応混合物をアルカリ性にし、テトラヒドロフランの大部分を回転式蒸発装置を用いて除去し、残留物を酢酸エチルで繰り返し抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、塩化ナトリウム水溶液中で飽和して、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機相を減圧下で濃縮し、モル相混合物酢酸エチル:シクロヘキサン(1:2)を使用するシリカゲル(シリカゲル60−Merck、粒子径:0.04から0.063mm)上のカラムクロマトグラフィーにより、残留物を精製し、(5,6−ジクロロピリジン−3−イル)メタノール62g(理論61%)を得る。
HNMR(CDCN):δ[ppm]=3.31(t,1H),4.60(d,2H),7.85(s,1H),8.26(s,1H)
【0281】
化合物(Va−1)に対する手順と同様に、表3からの化合物(Va−5)も調製した。
【0282】
Va−2
3−ブロモメチル−5,6−ジクロロピリジン(E=Br,A=5,6−ジクロロピリド−3−イル)(WO2000046196A1を参照)
0℃にて、ジクロロメタン100ml中の(5,6−ジクロロピリジン−3−イル)メタノール(Va−1)10.60g(59.55mmol)の溶液へ、トリフェニルホスフィン16.40g(62.52mmol)及びN−ブロモスクシンイミド11.66g(65.60mmol)を添加する。2時間後、反応混合物を大部分濃縮し、移動相混合物の酢酸エチル:シクロヘキサン(1:5)を使用するシリカゲル(シリカゲル60−Merck、粒子径:0.04から0.063mm)上のカラムクロマトグラフィーにより、残留物を精製する。これにより、3−ブロモメチル−5,6−ジクロロピリジン12.4g(理論の86%)を得る。
HNMR(CDCN):δ[ppm]=4.53(s,2H),7.97(s,1H),8.35(s,1H)
【0283】
化合物(Va−2)に対する手順と同様に、表3からの化合物(Va−6)から(Va−8)を調製した。
【0284】
Va−3
3−ブロモメチル−6−クロロ−5−ヨードピリジン(E=Br,A=6−クロロ−5−ヨードピリド−3−イル)
クロロベンゼン500ml中の6−クロロ−5−ヨード−3−メチルピリジン(Setliff et al.、J.Chem.Engineering Data(1976)、21(2)、246−7)4.60g(18.15mmol)、N−ブロモスクシンイミド3.39g(19.06mmol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)0.30g(1.82mmol)を還流下で約16時間煮沸する。反応混合物を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液及び重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。移動相混合物酢酸エチル:シクロヘキサン(1:10)を使用するシリカゲル(シリカゲル60−Merck、粒子径:0.04から0.063mm)上での残留物のカラムクロマトグラフィーによって、3−ブロモメチル−6−クロロ−5−ヨードピリジン3.86g(理論の38%)を得る。
HNMR(CDCN):δ[ppm]=4.48(s,2H),8.30(s,1H),8.40(s,1H)
【0285】
化合物(Va−3)に対する手順と同様に、表3からの化合物(Va−9)を調製した。
【0286】
Va−4
6−クロロ−3−クロロメチル−5−フルオロピリジン(E=Cl,A=6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)
クロロベンゼン100ml中の6−クロロ−5−フルオロ−3−メチルピリジン1.00g(6.87mmol)(F.L.Setliff、Organic Preparations and Procedures International 1971、3、217−222)、N−クロロスクシンイミド1.01g(7.56mmol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)0.11g(0.69mmol)を還流下で2日間煮沸する。この反応中、約16時間及び32時間後、更にN−クロロスクシンイミド1.01g(7.56mmol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)0.11g(0.69mmol)を各事例において添加する。反応混合物を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液及び重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いで亜硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。移動相混合物酢酸エチル:シクロヘキサン(1:20)を使用するシリカゲル(シリカゲル60−Merck、粒子径:0.04から0.063mm)上での残留物のカラムクロマトグラフィーより、6−クロロ−3−クロロメチル−5−フルオロピリジン0.65g(理論の53%)を得る。
HNMR(CDCN):δ[ppm]=4.68(s,2H),7.69(d,1H),8.27(s,1H)
【0287】
式(Va)の更なる化合物(Va−5)から(Va−10)が下表3に列記されている。
【0288】
【表3】

【0289】
式(A−B−N(R)H)の化合物(VI)
VI−1
N−[(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエチルアミン
【0290】
45℃にて、アセトニトリル50ml中の6−クロロ−3−クロロメチル−5−フルオロピリジン(Va−4)520mg(2.89mmol)、2,2−ジフルオロエチルアミン1.05ml(14.44mmol)及びトリエチルアミン400μl(2.89mmol)を約48時間攪拌する。反応の間、約16時間後及び32時間後に、更に2,2−ジフルオロエチルアミン0.42ml(5.78mmol)を各事例において添加する。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで1N塩酸水溶液中に採取し、酢酸エチルで洗浄する。2.5N水酸化ナトリウム水溶液を使用して、水相をアルカリ性にし、酢酸エチルで繰り返し抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮することによって、N−[(6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエチルアミン370mg(理論の57%)を得る。
HNMR(CDCN):δ[ppm]=2.95(td,2H),3.87(s,2H),5.87(tt,1H),7.62(d,1H),8.17(s,1H)。
【0291】
同様に、次の化合物を調製できる:
VI−2
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミン
HNMR(CDCN,δ,ppm)=2.93(td,2H),3.80(s,2H),5.85(tt,1H),7.33(d,1H),7.71(dd,1H),8.30(d,1H)。
【0292】
VI−3
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−3−フルオロプロパン−1−アミン
LCMS(m/z,%)=203(MH,100)。
【0293】
VI−4
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2−クロロ−2−フルオロエタン−1−アミン
LCMS(m/z,%)=223(MH,100)。
【0294】
式(A−B−NH−C(R)=N−CN)の化合物(IX)
IX−1
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノエタンイミドアミド(WO9104965A1を参照)
【0295】
【化48】

【0296】
室温にて、メタノール10ml中の1−(6−クロロピリジン−3−イル)メタンアミン500mg(3.51mmol)及びメチルN−シアノエタンイミドアセタート378mg(3.86mmol)を3時間攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル/シクロヘキサンからの再結晶化により、残留物を精製し、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノエタンイミドアミド532mg(理論の52%)を得る。
LC−MS:m/z=209.0(M+H,100%)。
【0297】
生物学的実施例
(実施例1)
ミズス(Myzus)試験(噴霧処理)
溶媒:アセトンの78.0重量部
ジメチルホルムアミド1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの0.5重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、乳化剤を含有する水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。ミドリモモアブラムシ(Myzus persicae)の全ての段階に感染させた中国キャベツ(Brassica pekinensis)の管状花に、所望の濃度の活性化合物の調製物を噴霧する。
【0298】
所望の時間後、%で表した活性を測定する。ここで、100%は全てのアブラムシが死滅したことを意味し、0%はアブラムシが全く死滅しなかったことを意味する。本試験において、500g/haの付与割合で、例えば、調製例の以下の化合物が80%以上の活性を示す。
【0299】
実施例番号I−2、I−5、I−6、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−14、I−15、I−16、I−17、I−19、I−18
【0300】
(実施例2)
メロイドジン(Meloidogine)試験(噴霧処理)
溶媒:アセトンの80重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0301】
容器に、砂、活性化合物の溶液、メロイドジン・インコグニタの卵/幼生懸濁液及びレタスの種子を詰める。レタスの種子が発芽し、植物が発育する。根の上に、虫こぶが形成される。所望の時間後、虫こぶの形成によって、%で表した殺線虫活性を測定する。100%は、虫こぶが全く見られなかったことを意味し、0%は、処理された植物上の虫こぶの数が非処理対照の虫こぶの数と一致していることを意味する。
【0302】
本試験において、20ppmの付与割合で、例えば、調製例の以下の化合物が、80%以上の効果を示す。
【0303】
実施例番号I−3
(実施例3)
フェドン(Phaedon)試験(噴霧処理)
溶媒:アセトンの78.0重量部
ジメチルホルムアミドの1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの0.5重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、乳化剤を含有する水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0304】
中国キャベツ(Brassica pekinensis)の管状花に所望の濃度の活性化合物調製物を噴霧し、乾燥後、カラシムシ(Phaedon cochleariae)の幼虫を群がらせる。
【0305】
所望の時間後、%で表した活性を測定する。100%は全ての甲虫の幼虫が死滅したことを意味し、0%は甲虫の幼虫が全く死滅しなかったことを意味する。
【0306】
本試験において、500g/haの付与割合で、例えば、調製例の以下の化合物が80%以上の活性を示す。
【0307】
実施例番号I−2、I−9、I−10、I−19
【0308】
(実施例4)
ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)(噴霧処理)
溶媒:アセトンの78重量部
ジメチルホルムアミドの1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの0.5重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、乳化剤を含有する水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0309】
シロバエ(Bemisia tabaci)の幼生に感染させた綿(Gossypium hirsutum)の葉盤に、所望の濃度の活性化合物の調製物を噴霧する。
【0310】
所望の時間後、%で表した活性を測定する。100%は全てのシロバエが死滅したことを意味し、0%はシロバエが全く死滅しなかったことを意味する。
【0311】
本試験において、500g/haの付与割合で、例えば、調製例の以下の化合物が80%以上の活性を示す。実施例番号I−2
【0312】
(実施例5)
ルチリア・キュプリナ(Lucilia cuprina)試験
溶媒:ジメチルスルホキシド
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物1重量部を、水の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0313】
所望の濃度の活性化合物調製物で処理された馬肉を含有する容器にルチリア・キュプリナ(Lucilia cuprina)の幼虫を群がらせる。所望の時間後、%で表した死滅率を測定する。100%はすべての幼虫が死滅したことを意味し、0%は幼虫が全く死滅しなかったことを意味する。
【0314】
本試験において、100ppmの付与割合で、例えば、調製例の以下の化合物が、80%以上の効果を示す。
【0315】
実施例番号I−2
【0316】
比較例
(実施例1)
フェドン(Phaedon)試験(噴霧処理)
溶媒:アセトンの78.0重量部
ジメチルホルムアミドの1.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの0.5重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、乳化剤を含有する水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。中国キャベツ(Brassica pekinensis)の管状花に所望の濃度の活性化合物調製物を噴霧し、乾燥後、カラシムシ(Phaedon cochleariae)の幼虫に群がらせる。
【0317】
所望の時間後、%で表した活性を測定する。100%は全ての甲虫の幼虫が死滅したことを意味し、0%は甲虫の幼虫が全く死滅しなかったことを意味する。結果は、下表にさらに示されている。
【0318】
(実施例2)
クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis);経口
溶媒:ジメチルスルホキシド
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、水の表記量と混合する。濃縮物の一部を、クエン酸処理されたウシの血液で希釈し、所望の濃度を調製する。
【0319】
上部と底部をガーゼで閉鎖されたチャンバー中に、20匹の絶食した成体ノミ(クテノセファリデス・フェリスを配置する。下部がパラフィルムで閉鎖された金属シリンダーを、チャンバー上に配置する。シリンダーは、パラフィルム膜を通してノミによって摂取され得る血液/活性化合物調製物を含有する。血液は37℃まで加温されるが、ノミチャンバーは室温である。
【0320】
所望の時間後、%で表した死滅率を測定する。100%は全てのノミが死滅したことを意味し、0%はノミが全く死滅しなかったことを意味する。
【0321】
結果は、下表にさらに示されている。
【0322】
(実施例3)
ムスカ・ドメスティカ(Musca domestica)試験
溶媒:ジメチルスルホキシド
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、水の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0323】
所望の濃度の活性化合物の調製物で処理されたスポンジを含有する容器にムスカ・ドメスティカの成体を群がらせる。
【0324】
所望の時間後、%で表した死滅率を測定する。100%は全てのハエが死滅したことを意味し、0%はハエが全く死滅しなかったことを意味する。
【0325】
結果は、下表にさらに示されている(d=日)。
【0326】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化49】

(式中、
Aは、各事例において、場合によって置換された、アリール、ヘテロシクリル又はヘタリール(これらは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、アルキル(フッ素及び/又は塩素により場合によって置換されている。)、アルキルチオ(フッ素及び/又は塩素により場合によって置換されている。)又はアルキルスルホニル(フッ素及び/又は塩素により場合によって置換されている。)により場合によって置換されている。)を表し、
は、各事例において、ハロゲン置換された、C−C−アルキル、C−C−アルケニル又はC−C−シクロアルキルを表し、
は、各事例において、場合によってハロゲン置換された、アルキル又はシクロアルキルを表し、
Bは、場合によって置換されたメチレン、又は各事例において、2個から6個の炭素原子を有する、各事例において、場合によって置換された、アルキレン若しくはアルキリデンを表し、又はAとNRの間の結合を示す。)
【請求項2】
Aが、テトラヒドロフリルを表し、又はハロゲン、C−C−アルキル若しくはC−C−ハロゲンアルキルにより、6位において、場合によって置換されたピリド−3−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、2位において、場合によって置換されたピリミジン−5−イルを表し、又は、1位において、C−C−アルキルにより、及び3位において、ハロゲンにより、場合によって置換された1H−ピラゾール−4−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、3位において、場合によって置換された1H−ピラゾール−5−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、3位において、場合によって置換されたイソオキサゾール−5−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、3位において、場合によって置換された1,2,4−オキサジアゾール−5−イルを表し、又は1−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イルを表し、又はハロゲン若しくはC−C−アルキルにより、2位において、場合によって置換された1,3−チアゾール−5−イルを表し、
又は、
Aが、基
【化50】

(Xは、ハロゲン、C−C−アルキル又はC−C−ハロゲンアルキルを表し、及び
Yは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロゲンアルキル、C−C−ハロゲンアルコキシ、アジド又はシアノを表す。)
を表し、
又は、
Aが、5,6−ジフルオロピリド−3−イル、5−クロロ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−フルオロピリド−3−イル、5−ヨード−6−フルオロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−ヨード−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−ヨード−6−ブロモピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−クロロ−6−ヨードピリド−3−イル、5−ブロモ−6−ヨードピリド−3−イル、5,6−ジヨードピリド−3−イル、5−メチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル、5−メチル−6−ブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−ヨードピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−フルオロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−クロロピリド−3−イル、5−ジフルオロメチル−6−ブロモピリド−3−イル及び5−ジフルオロメチル−6−ヨードピリド−3−イルから成る群から得られる基を表し、
又は、
Aが、基
【化51】

(nは、2、3又は4を表し、及び
Zは、フッ素、塩素又は臭素を表す。)
を表し、
が、2,2,2−トリフルオロエチル又は2,2−ジフルオロエチルを表し、
が、各事例において、場合によって、フッ素、塩素又は臭素置換された、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル又はシクロブチルを表し、
Bが、−CR−又は−HC−CR
(R及びRは、互いに独立に、水素を表し、各事例において、場合によってハロゲン置換された、メチル、エチル若しくはシクロプロピルを表し、又はハロゲンを表し、又はC−C−アルコキシ−C−C−アルキルを表し、
又は、
及びRは、これらが結合される炭素原子とともに、3員から6員の炭素環を形成する。)
を表す、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Aが、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、6−メチルピリド−3−イル、6−トリフルオロメチル−ピリド−3−イル、2−メチルピリミジン−5−イル、2−クロロピリミド−5−イルを表し、1位において、メチル若しくはエチルにより、及び3位において、塩素により、場合によって置換された1H−ピラゾール−4−イルを表し、1H−ピラゾール−5−イル、3−メチルピラゾール−5−イル、2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルを表し、メチル、エチル、塩素若しくは臭素により、3位において、場合によって置換されたイソオキサゾール−5−イル、3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1−メチル−1,2,4−トリアゾール−3−イル又は1,2,5−チアジアゾール−3−イルを表し、
又は、
Aが、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−ブロモ−6−クロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、5−クロロ−6−ブロモピリド−3−イル、5,6−ジブロモピリド−3−イル、5−メチル−6−クロロピリド−3−イル又は5−メチル−6−ブロモピリド−3−イルを表し、
又は、
Aが、基
【化52】

(nは、2又は3を表し、及び
Zは、フッ素又は塩素を表す。)
を表し、
が、2,2−ジフルオロエチルを表し、
が、メチル又はエチルを表し、及び
Bが、(B−1)から(B−9)から成る群
【化53】

から得られる基を表す、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Aが、6−クロロピリド−3−イル、6−ブロモピリド−3−イル、2−メチルピリミジン−5−イル、2−クロロピリミド−5−イル、3−メチルイソオキサゾール−5−イル、3−ブロモイソオキサゾール−5−イル、5−フルオロ−6−クロロピリド−3−イル、5,6−ジクロロピリド−3−イル、5−フルオロ−6−ブロモピリド−3−イル、2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルから成る群から得られる基を表し、
が、2,2−ジフルオロエチルを表し、
が、メチルを表し、及び
Bが、メチレン(−CH−)を表す、
請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
(a)調製方法1に従い、式(II)
【化54】

(Rは、上に定義されているとおりであり、及びLGは、適切な脱離基、例えばC−C−アルコキシを表す。)
の化合物を、第一の反応工程において、式(III)
−NH(III)
(Rは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させて、式(IV)
【化55】

(R及びRは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を得、次いで、これらを、第二の反応工程において、式(V)
A−B−E(V)
(A及びBは、上に定義されているとおりであり、
Eは、適切な脱離基LGを表す。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させること、又は
b)調製方法2に従い、式(II)
【化56】

(R及びLGは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を、式(VI)
A−B−N(R)H(VI)
(A、B及びRは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させること、又は
c)調製方法3に従い、式(VII)
【化57】

(Rは、上に定義されているとおりであり、及び
R’は、メチル又はエチルを表す。)
のオルトエステルを、第一の反応工程において、適宜希釈剤の存在下で、シアナミドと原位置で反応させて、式(II)
【化58】

(R及びLGは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を得、次いで、これらを、第二の反応工程において、式(VIII)
A−B−NH(VIII)
(A及びBは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させて、式(IX)
【化59】

(A、B、Rは、上に定義されているとおりである。)
の化合物を得、次いで、これらを、第三の反応工程において、式(X)
−E(X)
(R及びEは、上に定義されているとおりである。)
の化合物と、適宜適切な希釈剤の存在下で、及び適宜塩基性補助剤の存在下で反応させること、
を特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物を調製する方法。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物並びに慣用の増量剤及び/又は界面活性剤を含むことを特徴とする組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)の化合物又は請求項6に記載の組成物を有害生物及び/又はそれらの生息環境に作用させることを特徴とする、有害生物を駆除するための方法。
【請求項8】
有害生物を駆除するための、請求項1に記載の式(I)の化合物又は請求項6に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2009−543819(P2009−543819A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519822(P2009−519822)
【出願日】平成19年7月7日(2007.7.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006044
【国際公開番号】WO2008/009360
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】