説明

NOR型フラッシュメモリのIDEインタフェース変換装置

【課題】パーソナルコンピュータシステムの持つIDEインタフェースにNOR型フラッシュメモリを接続させるための変換装置を提供する。
【解決手段】本発明は、コントロール装置と、信号変換用装置と、NOR型フラッシュメモリの構成により、IDEインターフェース対応して変換することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムにおけるNOR型フラッシュメモリのデータのIDEインタフェース変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータとハードディスクを接続するインターフェースの規格としてIDE(Integrated Drive Electronics)があり、アメリカ規格協会(ANSI)によって「ATA」規格として標準化されている。これはBIOS(Basic Input/Output System)によって直接制御することが可能であり、IDEは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM等のデバイス機器との接続ができることになっている。一方、フラッシュメモリにはNAND型とNOR型があることも知られている。
【0003】
また、データを大量に記憶可能なハードディスク装置、CD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体には、文字、画像、音声等のデータが格納されるが、それら記憶媒体に格納されたデータは、読み取り専用装置ROM(リード・オンリー・メモリ)に格納されたデータである場合は、データの改変・改造のおそれがないこと、特に、ハードディスク及びフラッシュメモリは、データの書き換え・改変・改造が容易にできる特性があることも知られている。一方、書込み改変が可能な記憶媒体に書込み・改変を防止するものとして、上記のようにフラッシュメモリの場合は、NAND型とNOR型があることも知られている。そして、NAND型フラッシュメモリはアクセス速度が遅いことと、データの書込み改変を実行するという特性があることが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−5723公報
【特許文献2】特開2002−366429公報
【特許文献3】特開平11−272566公報
【従来の技術の説明】
【0005】
[特許文献1]
特許文献1の発明には、半導体記憶装置およびそれを用いたメモリシステムに関し、特に、外部制御信号および外部アドレス信号に応答してデータの読出/書込を行なう半導体記憶装置およびそれを用いたメモリシステムについて記載されている。
[特許文献2]
特許文献2の発明には、メモリモジュールにおける読み出し時間について、広義のNAND型フラッシュメモリと、NOR型フラッシュメモリ、さらには、それらの差異が記載され、SDRAMインターフェースよるメモリモジュールの動作・読取が記載されている。
[特許文献3]
特許文献3の発明には、NOR型フラッシュメモリを用いた記憶装置におけるデータ化けの有無を検出・判定し、元データの復元について記載されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パーソナルコンピュータシステムの持つIDEインタフェースにNOR型フラッシュメモリを接続しようと考えた場合、双方の互換性が無いため、そのままでは接続が不可能であるという問題があった。
【0007】
また、書き換え・改変・改造が可能な記憶媒体に書き換え・改変・改造禁止のデータを格納することは、それらの装置のアクセス速度が速く、記憶容量が大きいなど特徴があることから、それらの記憶媒体の利用の需要が少なくない反面、書き換え・改変・改造を絶対禁止するという条件を満たすことはできない問題があった。
【0008】
さらに、従来NAND型フラッシュメモリに関してはIDEインタフェースに変換を行い接続することを目的とした制御装置が存在したが、NAND型フラッシュメモリではその特性上単体でチェックサム(すべてのデータを足し合わせて下位数bitの和を検証することにより、データの整合性を確認する機能)を実施することが困難であった。NOR型フラッシュメモリではその特性上チェックサムを行うことが可能であった。
【0009】
そこで、本発明は、論理回路の基本的な論理演算で、すべての入力が「偽」又は「0」の場合だけ出力が「真」又は「1」となり、それ以外の場合は出力が「偽」又は「0」となるような演算処理を実行する「NOR」に着目し、また、NOR型フラッシュメモリはその特性上チェックサムを行うことが可能であることに着目し、さらに、NOR型フラッシュROMのインタフェースをIDEのインタフェースに変換させることにより、世間に広く普及している標準型パーソナルコンピュータシステムの持っているIDEインタフェースに接続することを可能にし、上記課題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の信号線を介して種々のプログラム実行コマンドを受発信しデータを処理制御するともに、少なくともデータ処理機能、データ記憶機能、データ表示制御機能を有するコントロール装置と、前記第1の信号線を介して前記コントロール装置が発信する信号を変換する信号変換装置と、前記コントロール装置が発信し、前記信号変換装置により変換したコマンドを含む信号を第2の信号線を介して送受信するNOR型フラッシュメモリとを備えるNOR型フラッシュメモリのIDEインタフェース変換装置であることを特徴とする。また、前記NOR型フラッシュメモリのデータは、前記コントロール装置が発信したコマンドに対応するデータを前記信号変換装置を介して前記コントロール装置におけるデータとして読み取られることを特徴とする。そして、コントロール装置は、汎用のパーソナルコンピュータ専用オペレーティングシステムを内蔵するコントロール装置とし、信号変換装置は専用集積回路(ASIC)であることを特徴とするとともに、ASICにおける信号の受発信変換は、IDE−ATAインターフェース対応して変換することを特徴とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るコントロール装置IDEインタフェース変換装置、及びNOR型フラッシュメモリ、のブロック概略図である。1は、コントロール装置、2はASIC、3はNOR型フラッシュメモリであり、4と5は信号線である。本発明に係るNOR型フラッシュメモリ制御装置の構成は、大別して、コントロール装置と、ASICとNOR型フラッシュメモリとからなる。それらは、それぞれ信号線で接続されデータの読取り、実行命令そしてデータの送信が実行される。
【0012】
本発明に係るNOR型フラッシュメモリには、音声、文字、画像など多種多様なデータが格納することができるようになっている。また、NOR型フラッシュメモリに格納されたデータは、信号線で接続された命令信号により、指定されたデータが読み取られる。
【0013】
本発明に係るNOR型フラッシュメモリの容量は、512メガバイト又は1ギガバイトであるが、これらの容量に限定されるものではなく、それぞれ用途に応じて大容量にすることも可能である。
【0014】
本発明に係るNOR型フラッシュメモリアドレスと論理アドレスは、LBA方式及びCHS方式により対応している。また、フラッシュメモリワードアドレス、論理セクタアドレス、論理LBAアドレス、及び論理CHSアドレスとのビット対応は、図示しないが一義的に対応するようにしている。
【0015】
本発明に係るコントロール装置に内蔵するオペレーディング(OS)は、米国マイクロソフト(登録商標)社製のOSを内蔵ものとしているが、それに限定するものではなく、パーソナルコンピュータ用のOSであるUNIX(登録商標)又はLINUX(登録商標)であってもよい。
【0016】
また、コントロール装置1は、一般にパーソナルコンピュータの基本的な構成とされている入力装置、出力装置、処理装置、及び記憶装置の全てを備えるものであってもよく、処理装置、記憶装置及び表示装置のみを備えるいずれの構成であってもよい。
【0017】
次に、本発明に係るNOR型フラッシュメモリのデータ読み込み動作例を説明する。まず、コントロール装置1から、信号線4(請求項記載の第1の信号に対応)を介してアドレス信号及びIDEリードコマンドをASIC2に送信する。
【0018】
ASIC2は、コントロール装置1から送信されたIDEリードコマンドをNOR型フラッシュメモリ3のリードコマンドに変換し、信号線5(請求項記載の第2の信号に対応)を介してNOR型フラッシュメモリ3にコントロール装置1からのアドレス信号及びメモリリードコマンドを送信し、NOR型フラッシュメモリ3より、アドレス信号及びコマンドに対応したデータをASIC2に送信する。
【0019】
次に、ASIC2は、信号線5を介してNOR型フラッシュメモリ3から読み込んだデータをIDEデータに変換して、NOR型フラッシュメモリ3から読み込みデータを信号線4を介してコントロール装置1へ送信する。
【0020】
そして、コントロール装置1は、NOR型フラッシュメモリ3から読み込んだデータをコントロール装置1自身によって処理実行される。
【0021】
本発明に係るNOR型フラッシュメモリのIDEインタフェース変換装置は、データの読み出しは、Ultra DMA/33に対応したデータの読み出しも可能である。そして、IDEのデバイス専用とし、他のデバイスには接続できないように設定することも可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上の構成であることから、本発明は、データアクセス速度が速く、しかも格納したデータの書き換え・改変・改造を禁止しデータの転送を確実に処理できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明に係るコントロール装置、IDEインタフェース変換装置、及びNOR型フラッシュメモリのブロック概略図である。
【符号の説明】
1…コントロール装置
2…ASIC
3…NOR型フラッシュメモリ
4…信号線
5…信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の信号線を介して種々のプログラム実行コマンドを受発信しデータを処理制御するともに、少なくともデータ処理機能、データ記憶機能、データ表示制御機能を有するコントロール装置と、
前記第1の信号線を介して前記コントロール装置が発信する信号を変換する信号変換装置と、
前記コントロール装置が発信し、前記信号変換装置により変換したコマンドを含む信号を第2の信号線を介して送受信するNOR型フラッシュメモリと、
を備えるNOR型フラッシュメモリのIDEインタフェース変換装置。
【請求項2】
請求項1において、コントロール装置は、汎用のパーソナルコンピュータ専用オペレーティングシステムを内蔵するコントロール装置としたことを特徴とするIDEインタフェース変換装置。
【請求項3】
請求項1おいて、信号変換装置は専用集積回路(ASIC)であることを特徴とするNOR型フラッシュメモリのIDEインタフェース変換装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3において、ASICにおける信号の受発信変換は、IDE−ATAインターフェース対応して変換することを特徴とするNOR型フラッシュメモリのIDEインタフェース変換装置。

【図1】
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【公開番号】特開2008−299824(P2008−299824A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168156(P2007−168156)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000108362)東芝パソコンシステム株式会社 (9)