説明

PC部材の接合構造、PC部材の接合方法、床構造、フルPC床板

【課題】コンクリートの打設箇所が床面上に表出することなくフルPC床板を接合する構造を提供する。
【解決手段】一方のフルPC床板10は、接合端面より突出する接合鉄筋13を備え、他方のフルPC床板20は、コンクリートに埋設された接合鉄筋23と、接合鉄筋23に接続され、鉄筋挿入孔が接合端面に開口する機械式継手22とを備え、フルPC床板10、20の接合構造は、一方のフルPC床板10の接合鉄筋13が、他方のフルPC床板20の機械式継手22の鉄筋挿入孔に挿入されるように一対のフルPC床板10、20を設置し、機械式継手22内にグラウト材が充填されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルPC床板同士又はフルPC床板とPC梁部材の接合構造及び接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、施工期間を短縮するため、予め工場等で形成したフルPC床板同士を接合することにより床面を構築することが行われている。このようなフルPC床板同士の接合部には、隣接するフルPC床板同士の間で応力伝達が確実に行われるようにしなければならない。そこで、例えば、特許文献1には、フルPC床板間で確実に応力伝達が行われるように、隣接するフルPC床板の端部が載せられる鉄骨梁の上面にスタッドを設けるとともに、両フルPC床板の接合側の端面よりU字型に湾曲させた鉄筋を突出させておき、鉄筋の湾曲部が鉄骨梁に設けられたスタッドに嵌装されるようにフルPC床板を設置し、隣接するフルPC床板の間にコンクリートを打設することによりフルPC床板同士を接合する方法が記載されている。
【特許文献1】特開平9―158377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、フルPC床板を接合するためにコンクリートを打設する箇所が表出しているため、打設したコンクリートが硬化するまでは、床面上を作業資材等の置き場として用いることができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、コンクリートの打設箇所が床面上に表出することなくフルPC床板を接合する構造及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、一方のフルPC部材は、接合端面より突出する接合鉄筋を備え、他方のフルPC部材は、コンクリートに埋設された接合鉄筋と、前記接合鉄筋に接続され、鉄筋挿入孔が接合端面に開口する継手とを備え、前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記継手に前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が定着されてなることを特徴とする。
【0006】
また、本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、一方のフルPC部材は、接合端面より突出する接合鉄筋を備え、他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された孔と、前記孔の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、一方のフルPC部材は、接合端面より突出する接合鉄筋を備え、他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された孔と、前記孔の近傍に埋設された接合鉄筋と、を備え、前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とする。
【0008】
本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、前記一対のフルPC部材は夫々接合端面に鉄筋挿入孔が接合端面に開口する継手と、一部は端部が接合端面より突出し、残りは端部前記継手に接続された接合鉄筋と、を備え、一方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、他方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるとともに、前記他方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、前記一方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記継手に前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が定着されてなることを特徴とする。
【0009】
本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、前記一対のフルPC部材は夫々接合端面に開口するように形成された孔と、一部は端部が接合端面より突出し、残りは端部が前記孔の内部に露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、一方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の前記孔内に露出する接合鉄筋と部分的に重なるとともに、前記他方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、前記一方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記一方のフルPC部材の前記孔内に露出する接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とする。
【0010】
本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、前記一対のフルPC部材は夫々接合端面に開口するように形成された孔と、一部は端部が接合端面より突出し、残りは端部が前記孔の近傍に埋設された接合鉄筋と、を備え、一方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の前記孔の近傍に端部が埋設された接合鉄筋と部分的に重なるとともに、前記他方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、前記一方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記一方のフルPC部材の前記孔の近傍に端部が埋設された接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とする。
【0011】
本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、一方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の前記接合鉄筋が互いに近傍に位置するように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内に充填材を充填してなることを特徴とする。
【0012】
本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、一方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部内に鉄筋挿入孔が開口するように設けられた継手と、前記継手に端部が接続された接合鉄筋と、を備え、前記一方のフルPC部材の接合鉄筋が前記他方のフルPC部材の前記機械式継手の鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内と、前記継手内とに充填材を充填してなることを特徴とする。
【0013】
本発明のフルPC部材の接合構造は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、前記一対のフルPC部材は夫々接合鉄筋を備え、前記一対のフルPC部材を、これらの接合端面が対向するように略水平方向に移動させて建て込み、前記一対のフルPC部材の接合鉄筋を継手してなることを特徴とする。
【0014】
上記のフルPC部材の接合構造において、前記一対のフルPC部の接合端面には互いに対応する凹凸が形成されていてもよい。また、前記一対のフルPC部材はフルPC床板であってもよく、フルPC梁部材及びフルPC床板であってもよい。
【0015】
また、前記一方のフルPC部材は貫通孔を備えたフルPC梁部材であり、前記他方のフルPC部材はフルPC床板であり、前記一方のフルPC部材の接合鉄筋は、前記貫通孔に挿入された鉄筋であり、前記充填材を前記貫通孔内にも充填して構成されてもよい。
【0016】
また、本発明のフルPC部材の接合方法は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材を接合する方法であって、一方のフルPC部材に、接合端面より突出するように接合鉄筋を設けておき、他方のフルPC部材に、接合鉄筋を設けるとともに、鉄筋挿入孔が接合端面に開口するように継手を前記接合鉄筋に接続しておき、前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記継手に前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が定着することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のフルPC部材の接合方法は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合する方法であって、一方のフルPC部材に、接合端面より突出するように接合鉄筋を設けておき、他方のフルPC部材に、接合端面に開口するように孔を形成するとともに、前記孔の内部に端部近傍が露出するように接合鉄筋を埋設しておき、 前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填することを特徴とする。
【0018】
また、本発明のフルPC部材の接合方法は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、一方のフルPC部材に、接合端面より突出するように接合鉄筋を設けておき、他方のフルPC部材に、接合端面に開口するように孔を形成するとともに、前記孔の近傍に位置するように接合鉄筋を埋設しておき、前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填することを特徴とする。
【0019】
また、本発明のフルPC部材の接合方法は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、一方のフルPC部材に、接合端面に開口するように切り欠き部を形成するとともに、前記切か欠き部の内部に端部近傍が露出するように接合鉄筋を埋設しておき、他方のフルPC部材に、接合端面に開口するように切り欠き部を形成するとともに、前記切か欠き部の内部に端部近傍が露出するように接合鉄筋を埋設しておき、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の前記接合鉄筋が互いに近傍に位置するように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内に充填材を充填することを特徴とする。
【0020】
また、本発明のフルPC部材の接合方法は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、一方のフルPC部材に、接合端面に開口するように切り欠き部を形成し、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように接合鉄筋を設け、 他方のフルPC部材に、接合鉄筋を埋設し、接合端面に開口するように切り欠き部を形成し、前記接合鉄筋に接続するとともに前記切り欠き部内に鉄筋挿入孔が開口するように継手を設け、前記一方のフルPC部材の接合鉄筋が前記他方のフルPC部材の前記機械式継手の鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内と、前記継手内とに充填材を充填することを特徴とする。
【0021】
また、本発明のフルPC部材の接合方法は、少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、前記一対のフルPC部材に夫々、接合鉄筋を設けておき、前記一対のフルPC部材を、これらの接合端面が対向するように略水平方向に移動させて建て込み、前記一対のフルPC部材の接合鉄筋を継手することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の床構造は、上記の接合構造によりフルPC床板が接合されてなることを特徴とする。
また、本発明のPC床板は、接合端面より突出する接合鉄筋を備えたフルPC梁部材又はフルPC床板に接合されるフルPC床板であって、接合端面の前記接合鉄筋に対応する位置に孔又は機械式継手の鉄筋挿入孔が開口することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、一方のフルPC床板の接合端面に開口する孔に、他方のフルPC床板の接合端面より突出する接合鉄筋を挿入した状態で、孔内にグラウトを充填することによりフルPC床板を接合することができるため、コンクリートやグラウトの充填箇所が表面に露出することがないため、フルPC床板を建て込んですぐに、フルPC床板上を資材置き場として利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明のPC部材の接合構造の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1(A)は、本実施形態の接合構造を用いて構築した床面1を示す平面図であり、(B)は(A)におけるI部の拡大図である。本実施形態では、図1に示すような鉄筋コンクリート造のラーメン架構2内に床面1を構築する場合を例として説明する。床面1は、平面視長方形状の一対のフルPC床板10、20を小口方向に接続してなり、周囲の大梁6及び小梁5に接続されて支持されている。大梁6はフルPC部材を用いて構築され、また、小梁5はハーフPC部材を用いて構築されている。本実施形態では、一対のフルPC床板10、20は接合構造30及び大梁6とフルPC床板10との接合構造40に本発明が適用されている。
【0025】
図2及び図3は、床面1の構築に用いられるフルPC床板10、20を示す図であり、図2は、大梁6に接合される側(すなわち、図1における左側)のフルPC床板10を示し、図3は、小梁5に接合される側(すなわち、図1における右側)のフルPC床板20を示す。各図において、(A)は水平断面図、(B)は小口方向の鉛直断面図、(C)は長手方向の鉛直断面図である。
図2及び図3に示すように、フルPC床板10、20は、コンクリート本体11、21と、コンクリート本体11、21の上下面の近傍に縦横に延びるように埋設された上端スラブ筋110、111、210,211及び下端スラブ筋120、121、220、221と、コンクリート本体11、21の厚さ中央付近に床板の幅方向(図における左右方向)に延びるように埋設された接合鉄筋13、23と、接合鉄筋13、23の端部に接続された機械式継手12、22とを備える。
【0026】
各フルPC床板10、20において、機械式継手12、22は、接合端面に鉄筋挿入孔が開口するようにコンクリート本体11、21に埋設されている。機械式継手12、22のグラウト注入孔(不図示)にはホース(不図示)が接続され、このホースは各フルPC床板10、20の上面まで到達している。
【0027】
機械式継手12,22の接合端面に開口する側と逆側の端部には、接合鉄筋13、23が接続されている。また、各フルPC床板10、20の長手方向に延びるように埋設された上端スラブ筋111、211は、コンクリート本体11、21の端面より両端部が突出している。
【0028】
大梁6に接合される側のフルPC床板10の接合鉄筋13は、機械式継手12が埋設された側と逆側の接合端面から先端が突出するように設けられている。また、小梁5に接合される側のフルPC床板20の、上端スラブ筋211はフルPC床板20の小梁3,4と接合される側の接合端面より突出している。
【0029】
以下、床面2を構築し、大梁2及び小梁3、4、5に接続する流れを詳細に説明する。図4〜図10は、床面2を構築する流れを示す図である。なお、図4、図6、図8及び図9は、図1におけるII−II´断面図であり、図5、図7、図10は、図1におけるIII−III´断面図である。
図4及び図5は、フルPC床板10、20を建て込む前の状態を示す図である。図4に示すように、床面2を形成するにあたり、大梁6に当たる位置にはフルPC梁部材310が、小梁5にあたる位置にはハーフPC梁部材320が建て込まれている。フルPC梁部材310を構成するコンクリート312は、フルPC床板10の接合される部分に切欠部313が形成されており、この切欠部313から突出するように接合鉄筋311が埋設されている。ハーフPC梁部材320は、スラブ下面高さまでコンクリート322が構築されており、上面よりスターラップ321の上部が突出している。
【0030】
また、図5に示すように、小梁3、4にあたる位置には、ハーフPC梁部材330、340が建て込まれている。ハーフPC梁部材330、340は、スラブ下面高さまでコンクリート332、342が構築されており、上面よりスターラップ331、341の上部が突出している。
【0031】
図6に示すように、まず、揚重機(不図示)を用いて、大梁6に接続されるフルPC床板10を機械式継手12がフルPC梁部材310の接合鉄筋311と略同じ高さになるとともに、フルPC梁部材310の長手方向両端がハーフPC梁部材330、340の上方に位置するように揚重し、フルPC床板10を水平移動させる。これにより、フルPC梁部材310の接合鉄筋311が機械式継手12内に挿入されるようにフルPC梁部材310を建て込む。そして、フルPC梁部材310の切欠部313にフルPC床板10の接合端部近傍の下面を載せるとともに、反対側の端部を下方から仮設の支持材5により支持する。また、図7に示すように、フルPC梁部材310の長手方向の両端近傍を、ハーフPC梁部材330、340に載せる。これにより、フルPC床板10は、周囲をフルPC梁部材310、仮設の支持材5及びハーフPC梁部材330、340により支持されることとなる。
【0032】
次に、図8に示すように、揚重機により、フルPC床板20を、既に建て込まれたフルPC床板10の接合鉄筋13と機械式継手22が略同軸上に並ぶように揚重し、フルPC床板20を水平移動させることにより、図11に拡大して示すように、接合鉄筋13が機械式継手22内に挿入されるようにフルPC床板20を建て込む。そして、フルPC床板20のハーフPC梁部材320側の端部をハーフPC梁部材320に載せるとともに、フルPC床板10と接合される側の端部を下方より支持部材5により支持する。また、フルPC床板20の長手方向の両端近傍を、ハーフPC梁部材330、340に載せる。なお、フルPC床板20を建て込む場合に、ハーフPC梁部材320の一部に干渉してしまうような場合には、フルPC床板20を傾けて斜め上方より建て込めばよい。
【0033】
次に、図9に示すように、フルPC床板10、20の機械式継手12,22内及び部材間の隙間にグラウト15、25を注入する。また、フルPC床板10、20同士の目地やフルPC床板10とフルPC梁部材310との間の目地の処理を行う。なお、目地処理の方法としては、目地にコンクリート、グラウト、又はエポキシなどの充填材を充填してもよいし、目地にゴムなどの弾性体を介装させてもよい。注入したグラウト15、25が硬化することにより、フルPC床板10、20に埋設された接合鉄筋13、23同士が継手され、また、フルPC梁部材310の接合鉄筋311とフルPC床板10の接合鉄筋13とが継手される。また、ハーフPC梁部材320の上部にコンクリート323を打設する。
【0034】
また、これと同時に、フルPC床板10、20を小梁2、3と接合する。図10に示すように、フルPC床板10、20の長手方向端部おける小梁2、3との接合については、従来と同様の方法により行う。すなわち、フルPC床板10、20の端面より突出する上端スラブ筋111、211が埋設されるように、ハーフPC梁部材340の上部にコンクリート341を打設する。このコンクリート341が硬化することにより、小梁3、4が構築されるとともに、これら小梁3,4とフルPC床板10、20とが接合される。
以上の工程により、大梁6及び小梁3、4、5が構築されるとともに、この大梁6及び小梁3、4、5にフルPC床板10、20が接続され、かつ、フルPC床板10,20同士も接続されて床面1が構築される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、フルPC床板10とフルPC床板20の間及びフルPC床板10とフルPC梁部材310との間を、機械式継手内12、22にグラウト15、25を注入することのみにより接合することができるため、床面1上にコンクリートの打設箇所が表出しせず、フルPC床板1を建て込んですぐに、床面上に資材等を置くことができる。
また、グラウト15、25を充填する箇所が機械式継手12、22内だけであるので、施工の際に必要となるグラウトの量も少なくすむ。
【0036】
なお、本実施形態では、フルPC梁部材310とフルPC床板10との接合部において、PC梁部材310の表面より突出するように接合鉄筋311を設けておくとともに、フルPC床板10の接合面に鉄筋挿入口が開口するように機械式継手12を設ける構成としたが、これに限らず、フルPC梁部材310の表面に鉄筋挿入口が開口するように機械式継手12を設けるとともに、フルPC床板10の接合側端面より突出するように接合鉄筋を埋設する構成としてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、フルPC床板20に埋設した機械式継手22を接合端面と面一になるように埋設する構成としたが、これに限らず、機械式継手22の鉄筋挿入孔側の端面がフルPC床板20内に位置する構成としてもよいし、接合端面より突出するように埋設する構成としてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、フルPC床板10、20の接合部において、フルPC床板10、20の接合端面が平らである構成について説明したが、これに限らず、図12(A)に示すように、フルPC床板10の接合側端面に凸部10Aを形成しておくとともに、フルPC床板20の接合端面に凹部10Aに凸部20Aを形成しておき、接合鉄筋13を機械式継手22により継手するとともに、これら凹部20Aと凸部10Aを嵌合させる構成とすることもできる。なお、上記の接合構造130では、フルPC床板10に凸部10Aを、フルPC床板20に凹部20Aを設けているが、フルPC床板10に凹部を、フルPC床板20に凸部を設ける構成としてもよい。このような接合構造130によれば、フルPC床板10、20を構成するコンクリート本体11、21の間でせん断力の伝達が行われることとなり、接合部における構造耐力を向上することができる。また、これと同様に、フルPC梁部材とフルPC床板とを接合する場合にも、夫々に凹部及び凸部を設けておき、接合鉄筋を継手するとともに、これらを嵌合させることも可能である。
【0039】
また、図12(B)に示すように、フルPC床板10の接合端面の上部に切り欠き部10Bを設けるとともに、また、フルPC床板20接合端面の上側に凸部20Bを設けておき、接合鉄筋13を機械式継手22により継手するとともに、フルPC床板20の凸部20Bを切り欠き部10Bに当接させるように建て込み、フルPC床板10、20を接続する構成とすることもできる。このような接合構造230によっても、フルPC床板10、20を構成するコンクリート本体11、21の間でせん断力の伝達が行われることとなり、接合部における構造耐力を向上することができる。なお、このような接合構造230も、フルPC梁部材とフルPC床板とを接合する場合に適用することができる。
【0040】
また、図12(A)(B)に示す例では、フルPC床板10、20を構成するコンクリート本体11、21に夫々対応する凹凸を設けることとしたが、これに限らず、図12(C)〜(E)に示すように、フルPC床板10、20を構成するコンクリート本体11、21に適宜な凹凸を設けることとしてもよい。かかる構成によっても、フルPC床板10、20の間の目地に充填されたコンクリート等を介して応力の伝達が行われるため、接合部における構造耐力を向上することができる。さらに、図12(F)に示すように、フルPC床板10、20を構成するコンクリート本体11、21の接合端面に平面的にも凹凸を設けることにより、さらに、構造耐力を向上することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態では、フルPC床板10、20の接合部において、PC床板20の接合端面に鉄筋挿入孔が開口するように機械式継手22を埋設しておき、接合鉄筋13、23同士を機械式継手22により継手するものとしたが、これに限らず、重ね継手により継手することも可能である。図13は、重ね継手により接合鉄筋13、23同士を継手する別の実施形態の接合構造330を示す図である。図13に示すように、フルPC床板510は、接合端面より突出するように埋設された接合鉄筋513を備える。また、フルPC床板520は、接合端面に開口する重ね継手を構成するために必要となる重なり長さ以上の奥行きを有する孔522を備えており、また、この孔522の近傍には接合鉄筋が埋設されている。なお、孔522は、例えば、フルPC床板520を製作する際に、シース管を埋設することにより形成することができる。また、孔522の内周面には、グラウトとフルPC床板520を構成するコンクリートとの付着強度を向上させるために適宜凹凸を設けておくとよい。
【0042】
これらのフルPC床板510、520は、フルPC床板510の接合端面より突出した接合鉄筋513が、孔522に挿入され、部分的に接合鉄筋523と重なるようにフルPC床板520を建て込み、孔の内部にグラウト525を充填することにより接合することができる。これにより、これら接合鉄筋513、523に作用した応力は、孔522の内部に充填されたグラウト525及びフルPC床板520を構成するコンクリート521を介して伝達される。すなわち、接合鉄筋513、523が重ね継手により継手されることとなる。このようにして接合構造330が構成され、接合構造330によりフルPC床板510、520を強固に接合することができる。
【0043】
なお、上記実施形態では、各接合鉄筋513に対して夫々孔522を設けるものとしたが、これに限らず、図13(C)に示すように、孔522を複数の接合鉄筋513を内部に挿入することが可能なように形成してもよいし、接合端面の全長に亘って溝状に延びるように形成してもよい。また、このような場合、接合鉄筋513、523は必ずしも、直線状でなくてもよく、先端がU字型やフック型など適宜な形状に加工されたものを用いてもよい。
【0044】
また、上記の実施形態では、フルPC床板520の孔525の近傍に接合鉄筋523を埋設する構成としたが、これに限らず、図14に示すように、接合鉄筋423を孔422の内部に露出するように埋設することとしてもよい。そして、フルPC床板410の接合鉄筋413が孔422挿入され、接合鉄筋423と部分的に重なるようにフルPC床板420を建て込み、孔422の内部にグラウト425を充填し、このグラウト425が硬化することにより接合構造430が構成される。かかる構成の接合構造430によっても、接合鉄筋413、423の間で重ね継手が形成されるため、フルPC床板410、420を接合することができる。なお、上記の説明では、フルPC床板410、420、510、520を接合する場合について説明したが、これに限らず、フルPC床板とフルPC梁部材を接合する場合にも、接合鉄筋を重ね継手により接合することができる。
【0045】
また、上記の各実施形態では、鉄筋コンクリート造の梁部材3、4、5、6で囲まれた部分に床面1を構築する場合について説明したが、これに限らず、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、現場打ちの鉄筋コンクリート造の梁部材に囲まれた部分に床面を構築する際に、フルPC床板を接合する接合構造としても用いることができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、各接合鉄筋413、423に対して夫々孔422を設けるものとしたが、これに限らず、図14(C)に示すように、孔422を複数の接合鉄筋413を内部に挿入することが可能なように形成してもよいし、接合端面の全長に亘って溝状に延びるように形成してもよい。また、このような場合、接合鉄筋413、423は必ずしも、直線状でなくてもよく、先端がU字型やフック型など適宜な形状に加工されたものを用いてもよい。
【0047】
また、図13、14を参照して説明した実施形態では、一方のフルPC床板420、520に孔422、522又は溝を形成することとしたが、これに限らず、両方のフルPC床板に孔又は溝を形成してもよい。
【0048】
図15は、両方のフルPC床板の接合端面に溝を形成した場合の実施形態を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。同図に示すように、各フルPC床板910、920の接合端面には、水平方向に延びるように溝912、922が形成されており、これらの溝912、922内にはU字型に形成された接合鉄筋913、923が露出している。本実施形態の接合構造930は、これらのフルPC床板910、920を接合鉄筋913、923の一部が互いに近傍に位置するように配置し、溝912、922にグラウト925を充填することにより、構築される。かかる構成の接合構造930によっても、フルPC床板910、920が強固に接合されることとなる。なお、接合鉄筋913、932は必ずしもU字型に形成されている必要はなく、図16(A)に示すように、フック型に形成された接合鉄筋933、943や、同図(B)に示すように直線状の接合鉄筋953、963などを用いてもよい。
【0049】
また、図15及び図16を参照して説明した実施形態では、重ね継手により接合鉄筋913、923を継手する構成としたが、これに限らず、機械式継手により継手することも可能である。図17は機械式継手により接合鉄筋913、923を継手した場合の接合構造を示す図である。同図に示すように、フルPC床板910、920の接合端面には、切り欠き部912、922が設けられており、これら切り欠き部912、922内に先端が突出するように接合鉄筋913、923が埋設されている。また、フルPC床板920の接合鉄筋923の切り欠き部922内に露出した部分の先端には機械式継手940が接続されている。これらのフルPC床板910、920を接合するには、まず、フルPC床板910の接合鉄筋913の先端がフルPC床板920の機械式継手940の鉄筋挿入孔940内に挿入されるように、これらフルPC床板910,920を建て込む。そして、切り欠き部912、922とともに機械式継手940内にグラウト925を充填する。充填したグラウト925が硬化することにより接合鉄筋913、923が継手され、フルPC床板910、920が接合される。
【0050】
また、図11を参照して説明した接合構造では、一方のフルPC床板10に接合端面より突出するように接合鉄筋13を設け、他方のフルPC床板20に機械式継手22を埋設する構成としたが、これに限らず、図18(A)に示すように、両方のフルPC床板10、20に機械式継手12、22を埋設しておき、一端が機械式継手12と継手されるとともに、他端が機械式継手22に継手されるように、鉄筋53を設けることによりフルPC床板を接合してもよい。
【0051】
また、図13を参照して説明した接合構造では、一方のフルPC床板510に接合端面より突出するように接合鉄筋513を設け、他方のフルPC床板520に接合端面に開口するように孔522を設け、孔522の近傍に接合鉄筋523を埋設する構成としたが、これに限らず、図18(B)に示すように、両方のフルPC床板510、520に接合端面開口するように孔512、522を設け、これらの孔512、522の近傍に接合鉄筋513、523を埋設しておき、これらの孔512、522内に亘って、接合鉄筋513、523と部分的に重なるように鉄筋553を設置し、孔512、522内にグラウト525を充填してもよい。係る構成によっても、鉄筋553と接合鉄筋513、523とが重ね継手により継手されるため応力の伝達が可能となる。
【0052】
また、図14を参照して説明した接合構造では、一方のフルPC床板410に接合端面より突出するように接合鉄筋413を設け、他方のフルPC床板420に接合端面に開口するように孔422を設け、孔422内に露出するように接合鉄筋423を設ける構成としたが、これに限らず、図18(C)に示すように、両方のフルPC床板410、420に接合端面開口するように孔412、422を設け、これらの孔412、422内に露出するように接合鉄筋413、423を設けておき、これらの孔412、422内に亘って、接合鉄筋413、423と部分的に重なるように鉄筋453を設置し、孔412、422内にグラウト425を充填してもよい。係る構成によっても、鉄筋453と接合鉄筋413、423とが重ね継手により継手されるため応力の伝達が可能となる。
【0053】
また、上記の各実施形態では、一方のフルPC床板にスラブ筋とは別に接合端面より突出するように接合鉄筋を埋設する構成としたが、これに限らず、上端又は下端のスラブ筋を突出させておき、このスラブ筋を機械式継手又は重ね継手により、他方のフルPC床板の接合鉄筋と継手する(つまり、スラブ筋を接合鉄筋として用いる)構成としてもよい。また、上記各実施形態では、他方のフルPC床板に接合鉄筋を埋設し、この接合鉄筋に機械式継手を接合端面に鉄筋挿入孔が開口するように接続する構成としたが、これに限らず、スラブ筋に機械式継手を接合端面に鉄筋挿入孔が開口するように接続する構成とし、一方のフルPC床板の接合端面より突出する接合鉄筋又はスラブ筋と継手する構成としてもよい。なお、このように、スラブ筋同士を継手する際には、上端又は下端のスラブ筋のうち引張応力が作用する側のスラブ筋を継手するとよい。
【0054】
また、上記の各実施形態では、フルPC床板の厚さ方向の中央近傍において、接合鉄筋を継手する構成としたが、これに限らず、厚さ方向上面及び下面近傍において、接合鉄筋やスラブ筋を継手する構成としてもよい。図19は、かかる構成の接合構造を説明するための図である。同図(A)に示すように、一方のフルPC床板10のスラブ筋110、120は接合端面より突出するように設けられており、他方のフルPC床板20のスラブ筋210、220にはその鉄筋挿入孔が接合端面に開口するように機械式継手212,222が接続されている。そして、図19(B)に示すように、機械式継手212、222内にスラブ筋110,120が挿入されるようにフルPC床板10を建て込み、機械式継手212、222内にグラウトを充填するとともに目地を処理する。かかる構成によってもフルPC床板10、20同士を強固に接合することができる。さらに、図19(C)に示すように、上端スラブ筋110,210はフルPC床板20に埋設された機械式継手212により、下端スラブ筋120、220はフルPC床板10に埋設された機械式継手122により、継手する構成としてもよい。なお、上記の例では機械式継手212、222によりスラブ筋110、120、210、220を継手する構成としたが、これに限らず、図13〜17を参照して説明した継手方法によりスラブ筋を継手してもよい。
【0055】
また、上記の実施形態では、大梁をフルPC梁部材を用いて構築することとしたが、これに限らず、ハーフPC梁部材を用いて構築してもよく、また、現場において、梁筋の配筋及びコンクリートの打設を行い構築してもよい。図20(A)は、ハーフPC梁部材350を用いて大梁6を構築する場合を説明するための図であり、同図(B)は、現場において、梁筋の配筋及びコンクリートの打設を行って大梁を構築する場合を説明するための図である。図20(A)に示すように、ハーフPC梁部材350を用いて大梁6を構築する場合には、フルPC床板10の上端スラブ筋110を端面より突出させておき、この上端スラブ筋110がハーフPC梁部材350の上方に位置するようにフルPC床板10を建て込み、ハーフPC梁部材350の上部にコンクリート351を打設すればよい。また、図20(B)に示すように、現場において、梁筋の配筋及びコンクリートの打設を行う場合には、フルPC床板10の上端スラブ筋110を端面より突出させておき、この上端スラブ筋110が大梁6の上部にあたる位置にくるように、フルPC床板10を建て込み、梁筋311を配筋する。そして、梁の外周にあたる位置に型枠361を設置し、型枠361内にコンクリート360を打設すればよい。
【0056】
また、図21(A)に示すように、フルPC床板10の端部を、ハーフPC部材と同様に、下部のみコンクリートを構築しておき、ハーフPC梁部材350の上方のコンクリートとともに、この端部の上部のコンクリートを打設することのより、大梁6とフルPC床板10とを接合してもよい。また、同図(B)に示すように、フルPC床板10の端部のコンクリートを構築しておかずに、現場においてハーフPC梁部材350の上方のコンクリートとともに、この部分のコンクリートを打設することのより、大梁6とフルPC床板10とを接合してもよい。
【0057】
また、上記の実施形態では、小梁3、4,5をハーフPC梁部材を用いて構築しているが、これに限らず、フルPC梁部材を用いて構築してもよいし、現場において、梁筋の配筋及びコンクリートの打設を行って構築してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、フルPC梁部材310とフルPC床板10との接合部において、予め、フルPC梁部材310に接合鉄筋313を埋設しておく構成としたが、これに限らず、図22に示すように、予めフルPC梁部材310に接合鉄筋313を埋設せずに、貫通孔を設けておき、貫通孔に接合鉄筋を挿入することも可能である。
【0059】
図22は、フルPC梁部材610の両側にフルPC床板710、720を接続する際に、接合鉄筋614をフルPC梁部材610に設けられた貫通孔611に挿入することにより継手し、フルPC梁部材610とフルPC床板710、720とを接合する方法を示す図である。同図(A)は、フルPC梁部材610にフルPC床板710、720を接合する前の状態を示しており、同図に示すように、フルPC梁部材610を構成するコンクリート612には、幅方向に貫通する貫通孔611が設けられており、また、フルPC床板710、720が接合される部分には切り欠き部613が設けられている。貫通孔611は、例えば、フルPC梁部材610を製作する際にシース管を埋設することにより形成することができる。
【0060】
まず、同図(B)に示すように、一方のフルPC床板710を、その接合端面に開口する機械式継手712とフルPC梁部材610の貫通孔611が直線上に並び、かつ、接合側端部が切り欠き部613に載るように揚重機により水平方向に移動させて建て込む。なお、フルPC床板610のフルPC梁部材610と接合されるのと逆側の端部は仮設の支持部材等により支持すればよい。
【0061】
次に、同図(C)に示すように、接合鉄筋614を、機械式継手712内に到達するまで、貫通孔613に挿入する。この際、接合鉄筋614の機械式継手712に挿入されたのと逆側の端部はフルPC梁部材610の切り欠き部613より突出することとなる。
【0062】
次に、同図(D)に示すように、他方のフルPC床板720を、接合側端部が切り欠き部613に載り、かつ、接合鉄筋614のフルPC梁部材610より突出した部分が機械式継手内722に挿入されるように建て込む。そして、機械式継手712、722内及び貫通孔614内にグラウトを充填する。この充填したグラウトが硬化することにより、フルPC梁部材612とフルPC床板710、720との接合構造530が構成され、接合構造530により、梁部材610とフルPC床板710、720を強固に接合することができる。
【0063】
なお、上記実施形態では、フルPC梁部材610の貫通孔613に接合鉄筋614を挿通させて、接合鉄筋614と、フルPC梁部材610の両側のフルPC床板720の接合鉄筋713、723とを機械式継手712、722により継手する構成としたが、これに限らず、図23に示すように、一方のフルPC床板720の接合鉄筋733として、フルPC床板710、720を建て込んだ際に他方のフルPC床板710の機械式継手712内まで到達する長さを有する鉄筋を用い、他方のフルPC床板710を建て込んだ後、一方のフルPC床板720を、接合鉄筋733がフルPC梁部材610の貫通孔611を貫通し、その先端が機械式継手712に挿入されるように建て込み、機械式継手712内及び貫通孔611内にグラウトを充填することにより接合することも可能である。
【0064】
また、図2から図11を参照して説明したフルPC梁部材の接合構造では、フルPC床板10の接合端面より複数の接合鉄筋110を突出させ、フルPC床板20に埋設された機械式継手22により、接合鉄筋23と継手する構成としたが、これに限らず、例えば、図24に示すように、フルPC床板1010、1020に接合端面に突出する接合鉄筋1013A、1023Bと、接合端面に開口する機械式継手1012、1022とを交互に設けておき、一部の接合鉄筋1013A、1023AはフルPC床板10に埋設された機械式継手1012により、残りの接合鉄筋1013B、1023BはフルPC床板20に埋設された機械式継手により継手する構成とすることも可能である。
【0065】
これと同様に、図13や図14を参照して説明した接合構造においても、必ずしも、一方のフルPC床板の側で接合鉄筋を継手する必要はなく、例えば、一部の接合鉄筋は一方のフルPC床板に設けられた孔内で、残りの接合鉄筋は他方のフルPC床板に設けられた孔内で重ね継手を形成することにより一対のフルPC床板を接合することも可能である。
さらに、図2〜図11を参照して説明した継手方法と、図13を参照して説明した継手方法と、図14を参照して説明した継手方法と併用して一対のフルPC床板を接合することも可能である。
【0066】
なお、図12〜図24を参照して説明した接合構造においても、フルPC床板同士の目地やフルPC床板とフルPC梁部材との目地の処理は、上記実施形態と同様に、目地にコンクリート、グラウト、又はエポキシなどの充填材を充填する方法や、目地にゴムなどの弾性体を介装する方法などを用いればよい。
【0067】
また、上記の各実施形態では、平板状のフルPC床板を接合する場合について説明したが、これに限らず、図25に示すような、リブ810を有するフルPC床板800を接合して床面を構築する場合にも適用することができる。
また、上記の各実施形態では、機械式継手や切り欠き部にグラウトを充填することとしたが、これに限らず、エポキシやコンクリートなどの材料を充填することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】(A)は、本実施形態の接合構造を用いて構築した床面を示す平面図であり、(B)は(A)におけるI部の拡大図である。
【図2】大梁に接合される側のフルPC床板を示す図であり、(A)は水平断面図であり、(B)は小口方向の鉛直断面図、(C)は、長手方向の鉛直断面図である。
【図3】小梁に接合される側のフルPC床板を示す図であり、(A)は水平断面図であり、(B)は小口方向の鉛直断面図、(C)は、長手方向の鉛直断面図である。
【図4】図1のII−II´断面におけるフルPC床板を建て込む前の状態を示す図である。
【図5】図1のIII−III´断面におけるフルPC床板を建て込む前の状態を示す図である。
【図6】図1のII−II´断面における大梁側のフルPC床板を建て込んだ状態を示す図である。
【図7】図1のIII−III´断面における大梁側のフルPC床板を建て込んだ状態を示す図である。
【図8】図1のII−II´断面における小梁側のフルPC床板を建て込んだ状態を示す図である。
【図9】図1のII−II´断面における機械式継手内にグラウトを充填し、ハーフPC梁部材の上部にコンクリートを打設した状態を示す図である。
【図10】図1のIII−III´断面におけるハーフPC梁部材の上部にコンクリートを打設した状態を示す図である。
【図11】フルPC床板同士の接合部の拡大図である。
【図12】(A)はフルPC床板の接合端面に夫々凹部及び凸部を設けた場合の接合構造を示す図であり、(B)一方のフルPC床板の接合端面の上部に凸部を、他方のフルPC床板の接合端面の上部に切り欠き部を設けた場合の接合構造を示す図である。
【図13】重ね継手により接合鉄筋同士を接合する場合の接合構造を示す図(その1)である。
【図14】重ね継手により接合鉄筋同士を接合する場合の接合構造を示す図(その2)である。
【図15】両方のフルPC床板の接合端面に溝を形成した場合の接合構造を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図16】(A)はフック型の接合鉄筋を用いた場合を示す図であり、(B)は直線状の接合鉄筋を用いた場合を示す図である。
【図17】両方のフルPC床板の接合端面に溝を形成し、機械式継手により接合鉄筋を継手した場合の接合構造を示す図である。
【図18】(A)は両方のフルPC床板に機械式継手を設けた場合を示す図であり、(B)は両方のフルPC床板に孔を設け、孔の近傍に接合鉄筋を埋設した場合を示す図であり、(C)は両方のフルPC床板に孔を設け、孔の内部に露出するように接合鉄筋を設けた場合を示す図である。
【図19】上面及び下面近傍において、スラブ筋を継手した場合の接合構造を説明するための図である。
【図20】(A)は、ハーフPC梁部材を用いて大梁を構築する場合を説明するための図であり、(B)は、現場において、梁筋の配筋及びコンクリートの打設を行って大梁を構築する場合を説明するための図である。
【図21】(A)はフルPC床板の端部をハーフPC構造とした場合の梁との接合方法を説明するための図であり、(B)はフルPC床板の端部のコンクリートを現場打ちとした場合の梁との接合方法を説明するための図である。
【図22】フルPC梁部材の両側にフルPC床板を接続する際に、接合鉄筋をフルPC梁部材に設けられた貫通孔に挿入することにより継手し、フルPC梁部材とフルPC床板とを接合する方法を示す図である。
【図23】一方のフルPC床板を、接合鉄筋がフルPC梁部材の貫通孔を貫通し、機械式継手に挿入されるように建て込み、機械式継手内及び貫通孔内にグラウトを充填することにより接合する方法を示す図である。
【図24】一部の接合鉄筋を一方のフルPC床板の側で残りの接合鉄筋を他方のフルPC床板の側で継手してフルPC床板を接合する場合を示す図である。
【図25】リブを有するフルPC床板を用いて構築した床面を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 床面
2 ラーメン架構
3、4、5 小梁
6 大梁
10、20 フルPC床板
10A 凸部
10B 切り欠き部
11、21 コンクリート本体
12、22 機械式継手
13、23 接合鉄筋
15、25 グラウト
20A 凹部
20B 凸部
30、130、230、330、430、530 接合構造
110、111、210、211 上端スラブ筋
120、121、220、221 下端スラブ筋
310 フルPC梁部材
311、610 接合鉄筋
312、322、612 コンクリート
313、613 切り欠き部
320、330、340 ハーフPC梁部材
321 スターラップ
323,331,341 コンクリート
410、420、510、520、910、920 フルPC床板
413、423、513,523 接合鉄筋
425、525 グラウト
611 貫通孔
710、720 フルPC床板
712、722、940 機械式継手
713、723、733、913、923 接合鉄筋
800 リブ付フルPC床板
810 リブ
912、922 切り欠き部
1010、1020 フルPC床板
1013A,1013B、1023A、1023B 接合鉄筋
1012、1022 機械式継手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
一方のフルPC部材は、接合端面より突出する接合鉄筋を備え、
他方のフルPC部材は、コンクリートに埋設された接合鉄筋と、前記接合鉄筋に接続され、鉄筋挿入孔が接合端面に開口する継手とを備え、
前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記継手に前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が定着されてなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項2】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
一方のフルPC部材は、接合端面より突出する接合鉄筋を備え、
他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された孔と、前記孔の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、
前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項3】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
一方のフルPC部材は、接合端面より突出する接合鉄筋を備え、
他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された孔と、前記孔の近傍に埋設された接合鉄筋と、を備え、
前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項4】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
前記一対のフルPC部材は夫々接合端面に鉄筋挿入孔が接合端面に開口する継手と、一部は端部が接合端面より突出し、残りは端部前記継手に接続された接合鉄筋と、を備え、
一方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、他方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるとともに、前記他方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、前記一方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記継手に前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が定着されてなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項5】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
前記一対のフルPC部材は夫々接合端面に開口するように形成された孔と、一部は端部が接合端面より突出し、残りは端部が前記孔の内部に露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、
一方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の前記孔内に露出する接合鉄筋と部分的に重なるとともに、前記他方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、前記一方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記一方のフルPC部材の前記孔内に露出する接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項6】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
前記一対のフルPC部材は夫々接合端面に開口するように形成された孔と、一部は端部が接合端面より突出し、残りは端部が前記孔の近傍に埋設された接合鉄筋と、を備え、
一方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の前記孔の近傍に端部が埋設された接合鉄筋と部分的に重なるとともに、前記他方のフルPC部材の前記接合端面より突出する接合鉄筋が、前記一方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記一方のフルPC部材の前記孔の近傍に端部が埋設された接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記孔内に充填材を充填してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項7】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
一方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、
他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、
前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の前記接合鉄筋が互いに近傍に位置するように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内に充填材を充填してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項8】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
一方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように設けられた接合鉄筋と、を備え、
他方のフルPC部材は、接合端面に開口するように形成された切り欠き部と、前記切り欠き部内に鉄筋挿入孔が開口するように設けられた継手と、前記継手に端部が接続された接合鉄筋と、を備え、
前記一方のフルPC部材の接合鉄筋が前記他方のフルPC部材の前記機械式継手の鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内と、前記継手内とに充填材を充填してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項9】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合構造であって、
前記一対のフルPC部材は夫々接合鉄筋を備え、
前記一対のフルPC部材を、これらの接合端面が対向するように略水平方向に移動させて建て込み、
前記一対のフルPC部材の接合鉄筋を継手してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項10】
前記一対のフルPC部の接合端面には互いに対応する凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1から9のうち何れかに記載のフルPC部材の接合構造。
【請求項11】
前記一対のフルPC部材はフルPC床板であることを特徴とする請求項1から10のうち何れかに記載のフルPC部材の接合構造。
【請求項12】
前記一対のフルPC部材は、フルPC梁部材及びフルPC床板であることを特徴とする請求項1から10のうち何れかに記載のフルPC部材の接合構造。
【請求項13】
請求項1から3のうち何れかに記載のフルPC部材の接合構造であって、
前記一方のフルPC部材は貫通孔を備えたフルPC梁部材であり、
前記他方のフルPC部材はフルPC床板であり、
前記一方のフルPC部材の接合鉄筋は、前記貫通孔に挿入された鉄筋であり、
充填材を前記貫通孔内に充填してなることを特徴とするフルPC部材の接合構造。
【請求項14】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材を接合する方法であって、
一方のフルPC部材に、接合端面より突出するように接合鉄筋を設けておき、
他方のフルPC部材に、接合鉄筋を設けるとともに、鉄筋挿入孔が接合端面に開口するように継手を前記接合鉄筋に接続しておき、
前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記継手の前記鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記継手に前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が定着することを特徴とするフルPC部材の接合方法。
【請求項15】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合する方法であって、
一方のフルPC部材に、接合端面より突出するように接合鉄筋を設けておき、
他方のフルPC部材に、接合端面に開口するように孔を形成するとともに、前記孔の内部に端部近傍が露出するように接合鉄筋を埋設しておき、
前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填することを特徴とするフルPC部材の接合方法。
【請求項16】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、
一方のフルPC部材に、接合端面より突出するように接合鉄筋を設けておき、
他方のフルPC部材に、接合端面に開口するように孔を形成するとともに、前記孔の近傍に位置するように接合鉄筋を埋設しておき、
前記一方のフルPC部材の前記接合鉄筋が、前記他方のフルPC部材の前記孔に挿入され、前記他方のフルPC部材の接合鉄筋と部分的に重なるように前記一対のフルPC部材を設置し、前記孔内に充填材を充填することを特徴とするフルPC部材の接合方法。
【請求項17】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、
一方のフルPC部材に、接合端面に開口するように切り欠き部を形成するとともに、前記切か欠き部の内部に端部近傍が露出するように接合鉄筋を埋設しておき、
他方のフルPC部材に、接合端面に開口するように切り欠き部を形成するとともに、前記切か欠き部の内部に端部近傍が露出するように接合鉄筋を埋設しておき、
前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の前記接合鉄筋が互いに近傍に位置するように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内に充填材を充填することを特徴とするフルPC部材の接合方法。
【請求項18】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、
一方のフルPC部材に、接合端面に開口するように切り欠き部を形成し、前記切り欠き部の内部に端部が露出するように接合鉄筋を設け、
他方のフルPC部材に、接合鉄筋を埋設し、接合端面に開口するように切り欠き部を形成し、前記接合鉄筋に接続するとともに前記切り欠き部内に鉄筋挿入孔が開口するように継手を設け、
前記一方のフルPC部材の接合鉄筋が前記他方のフルPC部材の前記機械式継手の鉄筋挿入孔に挿入されるように前記一対のフルPC部材を配置し、前記一方のフルPC部材及び他方のフルPC部材の切り欠き部内と、前記継手内とに充填材を充填することを特徴とするフルPC部材の接合方法。
【請求項19】
少なくとも一方はフルPC床板である一対のフルPC部材の接合方法であって、
前記一対のフルPC部材に夫々、接合鉄筋を設けておき、
前記一対のフルPC部材を、これらの接合端面が対向するように略水平方向に移動させて建て込み、
前記一対のフルPC部材の接合鉄筋を継手することを特徴とするフルPC部材の接合方法。
【請求項20】
請求項1から12のうち何れかに記載の接合構造によりフルPC床板が接合されてなる床構造。
【請求項21】
接合端面より突出する接合鉄筋を備えたフルPC梁部材又はフルPC床板に接合されるフルPC床板であって、
接合端面の前記接合鉄筋に対応する位置に孔又は機械式継手の鉄筋挿入孔が開口することを特徴とするフルPC床板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図9】
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【図10】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−68236(P2009−68236A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236992(P2007−236992)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)