説明

ごみ容器の蓋およびごみ容器

【課題】本発明は、簡単にごみを捨てることができ、捨てたごみを簡単に回収することができる使い勝手の良好なごみ容器の蓋およびごみ容器を提供することを課題とする。
【解決手段】枠状の蓋基部8と、該蓋基部8に跳ね上げ可能に枢着されている上蓋部9とからなり、該上蓋部9の上面にはゴミ投入口13が設けられているごみ容器1の蓋4を提供する。また、ごみ容器本体3に、上記のごみ容器1の蓋4を取り付けたごみ容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみ容器の蓋および該蓋を取り付けたごみ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ごみはリサイクルを考慮して分別収集されており、特に施設や店舗、事業所などでは、ごみの種類に応じた専用のごみ容器が使用されている。そして、従来、ごみ容器の蓋としては、ごみの種類に応じた形状の投入口を有するものが提供されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】実開平6−83608号公報(第5−10頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の構成では、ごみ容器の蓋が一体であるため、小さいごみは蓋の投入口からごみを捨てることができるものの、大きいごみの場合には、蓋をごみ容器から取り外してごみを捨てなければならず、ごみを捨てる作業が面倒であるという問題があった。
また、ごみを回収する場合、捨てられたごみの量が多いときには、ごみ容器から蓋を取り外してごみ袋ごと回収作業を行うのが通常であるが、捨てられたごみの量が少ないときには、ごみ袋の中のごみだけを回収する。このように、ごみだけの回収を行う場合にも、ごみ容器から蓋を取り外す必要があり、ごみを回収する作業が面倒であるという問題があった。
更に、部屋や廊下の隅角部などの壁の近くにごみ容器を置いた場合、ごみ容器から蓋を取り外すときには、蓋が壁に干渉するためごみ容器を壁から離す必要があるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、枠状の蓋基部8と、該蓋基部8に跳ね上げ可能に枢着されている上蓋部9とからなり、該上蓋部9の上面にはゴミ投入口13が設けられているごみ容器1の蓋4を提供するものである。
該上蓋部9を奥側に跳ね上げたときに、該上蓋部9の上面レベルXが該蓋基部8の奥側の外周縁レベルYよりも手前側に位置することが望ましい。
また、該蓋基部8の上蓋部9を枢着した部分は手前側に傾斜されていることが望ましい。
更に、該上蓋部9のゴミ投入口13の裏側には遮板14が開閉可能に取り付けられていることが望ましい。
更に本発明では、ごみ容器本体3に、上記のごみ容器1の蓋4を取り付けたごみ容器1が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明のごみ容器1の蓋4およびごみ容器1では、ごみ投入口13が設けられた上蓋部9が蓋基部8に跳ね上げ可能に枢着されているため、小さいごみは上蓋部9のごみ投入口13から捨てることができ、かつ、大きいごみは上蓋部9を跳ね上げて蓋基部8の開口部7から捨てることができる。したがって、大きいごみの場合であっても、ごみ容器本体3から蓋4を取り外す手間がなく簡単にごみを捨てることができる。
また、ごみを回収する場合に、捨てられたごみの量が少ないときであっても、ごみ容器本体3から蓋4を取り外すことなく、上蓋部9を跳ね上げて蓋基部8の開口部7から簡単にごみを回収することができる。
更に、該蓋基部8の上蓋部9を枢着した部分が手前側に傾斜されており、該上蓋部9を奥側に跳ね上げたときに、該上蓋部9の上面レベルXが該蓋基部8の奥側の外周縁レベルYよりも手前側に位置していれば、部屋や廊下の隅角部などの壁の近くにごみ容器1を置いた場合であっても、上蓋部9を跳ね上げたときに該上蓋部9が壁に干渉することがなく、ごみ容器1を壁から離す必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施例1〜実施例3により詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
本発明を図1〜図4に示す一実施例によって説明する。
図1および図2に示すように、本実施例のごみ容器1は、上部に開口部2を有する合成樹脂製のごみ容器本体3と、該ごみ容器本体3の上側に取り付けられる合成樹脂製の蓋4とからなる。
該ごみ容器本体3の上縁部外周にはリブ5が周設されており、該ごみ容器本体3の前面および後面の上部には係止片6が差し出されて設けられている。
【0009】
図2および図3に示すように、ごみ容器1の蓋4は、傾斜開口部7を有する枠状の蓋基部8と、該蓋基部8の傾斜開口部7に跳ね上げ可能に枢着されている上蓋部9とからなる。
該蓋基部8は側面視で略三角形状とされており、該蓋基部8の上蓋部9を枢着した部分である傾斜開口部7は手前側に傾斜されている。また、該蓋基部8の前側および後側の下部には、ごみ容器本体3の係止片6が係合する係止部10が設けられている。更に、該蓋基部8の傾斜開口部7の後側(奥側)の一辺の中央部には、上蓋部9を枢着するためのヒンジブラケット11が凹設されている。
該上蓋部9の後側(奥側)の一辺の中央下部には、該蓋基部8のヒンジブラケット11に枢着されるヒンジ部12が垂設されており、また、該上蓋部9の上面中央部には略四角形状のごみ投入口13が設けられている。
【0010】
そして本実施例では、図4に示すように、該上蓋部9を奥側に跳ね上げたときに、該上蓋部9の上面レベルXが該蓋基部8の奥側の外周縁レベルYよりも手前側に位置するように構成されている。
【0011】
上記のごみ容器1を組み立てる場合には、ごみ容器本体3の内部にごみ袋(図示せず)を装着した後、ごみ容器1の蓋4を該ごみ容器本体3の上に載置して、該蓋4の蓋基部8の外周部下縁を該ごみ容器本体3のリブ5に当接させ、該ごみ容器本体3の係止片6を該蓋基部8の係止部10に係合させる。
【0012】
そして、上記のごみ容器1に小さいごみを捨てる場合には、上蓋部9のごみ投入口13からごみを捨てる。一方、上蓋部9のごみ投入口13を通り抜けることができないような大きいごみを捨てる場合には、上蓋部9を跳ね上げて、蓋基部8の傾斜開口部7からごみを捨てる。
【0013】
また、上記のごみ容器1に捨てられたごみを回収する場合、捨てられたごみの量が多いときには、ごみ容器本体3の係止片6と蓋基部8の係止部10との係合を解除し、ごみ容器1の蓋4をごみ容器本体3から取り外して、該ごみ容器本体3の内部に装着されているごみ袋を取り出す。一方、捨てられたごみの量が少ない場合には、上蓋部9を跳ね上げて蓋基部8の傾斜開口部7からごみ袋の中のごみを回収する。
【0014】
上記のように、本実施例のごみ容器1の蓋4およびごみ容器1では、ごみ投入口13が設けられた上蓋部9が蓋基部8に跳ね上げ可能に枢着されているため、小さいごみは上蓋部9のごみ投入口13から捨てることができ、かつ、大きいごみは上蓋部9を跳ね上げて蓋基部8の傾斜開口部7から捨てることができる。
したがって、上蓋部9のごみ投入口13を通り抜けることができないような大きいごみの場合であっても、ごみ容器本体3から蓋4を取り外す手間がなく簡単にごみを捨てることができる。
【0015】
また、ごみを回収する場合に、捨てられたごみの量が少ないときであっても、ごみ容器本体3から蓋4を取り外すことなく、上蓋部9を跳ね上げて蓋基部8の傾斜開口部7から簡単にごみを回収することができる。
【0016】
更に、該蓋基部8の上蓋部9を枢着した部分である傾斜開口部7が手前側に傾斜されており、該上蓋部9を奥側に跳ね上げたときに、該上蓋部9の上面レベルXが該蓋基部8の奥側の外周縁レベルYよりも手前側に位置しているので(図4参照)、部屋や廊下の隅角部などの壁の近くにごみ容器1を置いた場合であっても、上蓋部9を跳ね上げたときに該上蓋部9が壁に干渉することがなく、ごみ容器1を壁から離す必要がない。
【実施例2】
【0017】
図5〜図7には他の実施例が示される。
図1〜図4に示した実施例1において、ごみ容器1の蓋4の上蓋部9の上面中央部に略四角形状のごみ投入口13が設けられていたのに対して、図5〜図7に示す本実施例では、ごみ容器1の蓋4の上蓋部9の上面中央部に略四角形状のごみ投入口13が設けられており、該ごみ投入口13の裏側には遮板14が開閉可能に取り付けられている。
【0018】
図6および図7に示すように、ごみ容器1の蓋4の上蓋部9の裏側において、ごみ投入口13の後側(奥側)の一辺の左右両側部には、遮板14を枢着するためのヒンジブラケット15が設けられており、一方、遮板14の後側(奥側)の一辺の左右両側部には、該上蓋部9のヒンジブラケット15にそれぞれ枢着されるヒンジ部16が設けられている。
本実施例では、該遮板14のヒンジ部16と該上蓋部9のヒンジブラケット15とは、ねじりコイルばね17を介して枢着されており、該ねじりコイルばね17によって該遮板14は閉じる向きにばね付勢されている。
【0019】
そして、本実施例のごみ容器1の蓋4およびごみ容器1でも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
その上、本実施例のごみ容器1の蓋4およびごみ容器1では、該ごみ投入口13の裏側には遮板14が開閉可能に取り付けられており、該遮板14が閉じる向きに付勢されているので、ごみを捨てる場合には、該遮板14を該ねじりコイルばね17のばね付勢力に抗して押し開いてごみを捨てることができ、ごみを捨てた後は、該遮板14は該ねじりコイルばね17のばね付勢力によって元に戻り、ごみ投入口13は閉じた状態となる。
したがって、ごみを捨てるとき以外は、ごみ投入口13が該遮板14によって常に閉じた状態とされているので、ごみ容器1の内部が外部から見えることがなく、ごみが捨てられた状態であってもごみ容器1の外観が非常に良好である。
【実施例3】
【0020】
図8〜図10には更に他の実施例が示される。
図5〜図7に示した実施例2において、ごみ容器1の蓋4の上蓋部9のごみ投入口13の裏側には遮板14が開閉可能に取り付けられていたのに対して、図8〜図10に示す本実施例では、ごみ容器1の蓋4の上蓋部9のごみ投入口13の裏側には遮板14が開閉可能に取り付けられており、該遮板14の中央部には、ごみの種類に応じた形状(本実施例では、びんやかんに応じた円形状)のごみ投入口18が設けられている。
【0021】
本実施例のごみ容器1の蓋4およびごみ容器1でも、実施例2と同様の作用効果を奏することができる。
その上、本実施例のごみ容器1の蓋4およびごみ容器1では、ごみ容器1の蓋4の上蓋部9の遮板14の中央部には、びんやかんに応じた円形状のごみ投入口18が設けられているので、ごみ容器1にびんやかんを捨てる場合には、上蓋部9の遮板14を押し開くことなく、該遮板14のごみ投入口18からごみ(びんやかん)を捨てることができる。
【0022】
以上、本発明の実施の形態を実施例により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、簡単にごみを捨てることができ、捨てたごみを簡単に回収することができる使い勝手の良好なごみ容器の蓋およびごみ容器として、産業上利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1のごみ容器の斜視図である。
【図2】実施例1のごみ容器の分解斜視図である。
【図3】実施例1のごみ容器の説明斜視図である。
【図4】実施例1のごみ容器の説明側面図である。
【図5】実施例2のごみ容器の斜視図である。
【図6】実施例2のごみ容器の説明斜視図である。
【図7】実施例2のごみ容器の蓋の説明斜視図である。
【図8】実施例3のごみ容器の斜視図である。
【図9】実施例3のごみ容器の説明斜視図である。
【図10】実施例3のごみ容器の蓋の説明斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 ごみ容器
3 ごみ容器本体
4 蓋
8 蓋基部
9 上蓋部
13 ごみ投入口
14 遮板
X 上面レベル
Y 外周縁レベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠状の蓋基部と、該蓋基部に跳ね上げ可能に枢着されている上蓋部とからなり、該上蓋部の上面にはゴミ投入口が設けられていることを特徴とするごみ容器の蓋。
【請求項2】
該上蓋部を奥側に跳ね上げたときに、該上蓋部の上面レベルが該蓋基部の奥側の外周縁レベルよりも手前側に位置する請求項1に記載のごみ容器の蓋。
【請求項3】
該蓋基部の上蓋部を枢着した部分は手前側に傾斜されている請求項1または請求項2に記載のごみ容器の蓋。
【請求項4】
該上蓋部のゴミ投入口の裏側には遮板が開閉可能に取り付けられている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のごみ容器の蓋。
【請求項5】
ごみ容器本体に、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のごみ容器の蓋を取り付けたことを特徴とするごみ容器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−143416(P2006−143416A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337140(P2004−337140)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】