説明

ひざ掛け

【課題】 使用時の触感を向上すると共に保温効果が高いひざ掛けを提供する。
【解決手段】 ひざ掛け11は、第1保温層となるポリエチレンテレフタレート(PET)系のフリース層23と、フリース層23の外面側の面に形成された蒸着アルミニウム14と、蒸着アルミニウム14の外面側の全面に塗布された接着剤18を介して接続された、第2保温層となるシール織層30とから構成されている。フリース層23には、遠赤外線を発生する特殊炭素やアルカリカンラン石粉末等が含侵されている。発生した遠赤外線は、内面側に放射されると共に外面側に放射された遠赤外線は蒸着アルミニウム14の面で反射され内面側に向かう。したがって、ひざ掛け11の内面側を使用者側にして使用すると、遠赤外線が集中的に使用者に向かうことになる。これによって、使用者の細胞が刺激されると共に血行促進が図られ、美肌効果や温熱効果が期待できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はひざ掛けに関し、特に冬季や夏季の冷房時等に体を温めるために使用されるひざ掛けに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のひざ掛けは、綿、ポリエステル、アクリル、レーヨン、ウール、シルク等の素材のシートを単体で使用したり、あるいはこれらの混紡材を用いたり、これらを貼り合わせて使用したりするものである。
【0003】
又、特許文献1に示すように、アルミ蒸着フィルムをフリースに貼り合わせた構成のひざ掛け等に用いられる断熱シートが提案されている。これによれば、断熱性能及び触感が向上するとされている。
【0004】
更に、特許文献2に示すように、不織布等の基材に金属や酸化物をドライメッキで密着させたひざ掛けが提案されている。これによれば、蓄熱効果があるため薄手の生地でも十分保温効果を発揮するとされている。
【0005】
更に、特許文献3に示すように、セラミックス粉末を有する層とアルミ箔とを貼り合せた構成の磁石−遠赤外線シートが提案されている。これによれば遠赤外線が発生して保温効果が高まるとされている。
【0006】
更に、特許文献4に示すように、ひざ掛けの脚部を覆う部分に遠赤外線放射体層とアルミシートとを配置した羽毛入りのひざ掛けが提案されている。
【特許文献1】特開2003−165171号公報
【特許文献2】特開2001−317889号公報
【特許文献3】特開平2−77269号公報
【特許文献4】実用新案登録第3059643号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような従来の金属メッキ層等を有するひざ掛けにあっては、使用者の側にフリース層や織物、編物等の基材が接するように使用すれば、外方側にフィルム層や金属メッキ層が露出するため寒冷感のある外観となってしまう。又、フィルム層や金属メッキ層が剥がれる虞もある。一方、使用者の側にフィルム層や金属メッキ層が接するように使用すると、外方側がフリース層や織物、編物等の柔らかな基材となるので温暖感のある外観となるが、使用者にとっては触感が良いとは言えず、金属音が生じる場合には更に不快感を与えてしまう。又、羽毛等が入っているひざ掛けはその分暖かいが、重量的に重くなってしまい使い勝手が良いとは言えない。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、軽量化が図られ、使用時の温暖感を常に確保しつつ触感を向上させると共に保温効果が高いひざ掛けを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ひざ掛けであって、第1保温層と、第1保温層の一方面に形成された蒸着アルミニウムと、蒸着アルミニウムの外方面に形成された第2保温層とを備えたものである。
【0010】
このように構成すると、両面が保温層となると共に、保温層のいずれかで発生した熱が蒸着アルミニウムの面で反射される。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1保温層は、遠赤外線を発生するものである。
【0012】
このように構成すると、発生した遠赤外線は、第1保温層の外面側に放出されると共に第2保温層側に放出された遠赤外線は蒸着アルミニウムの面で反射される。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1保温層はフリース層であり、第2保温層はシール織層であるものである。
【0014】
このように構成すると、両面の保温層の保温効果及び触感が異なるものとなる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、蒸着アルミニウムと第2保温層とは、島状に塗布された接着剤を介して接続されるものである。
【0016】
このように構成すると、蒸着アルミニウムと第2保温層との間に空間が生じる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、平面視において逆等脚台形形状を有するものである。
【0018】
このように構成すると、使用時に足先より腰周りの幅が広くなる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、両面が保温層となると共に、保温層のいずれかで発生した熱が蒸着アルミニウムの面で反射されるので、使用時の触感が向上すると共に使用者が発した熱は使用者側の保温層で保持され、保温効果が向上する。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、発生した遠赤外線は、第1保温層の外面側に放出されると共に第2保温層側に放出された遠赤外線は蒸着アルミニウムの面で反射される。従って、第1保温層を使用者側に使用すると、使用者の血行促進が図られ温熱効果等も発揮される。又、このように使用すると使用者が発した熱の保持が第1保温層側でなされるため、保温効果が更に向上する。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、両面の保温層の保温効果及び触感が異なるものとなるので、フリース層を使用者側に使用すると、保温効果がより高まると共に使用時の触感が向上する。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、蒸着アルミニウムと第2保温層との間に空間が生じるため、保温効果がより向上する。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、使用時に足先より腰周りの幅が広くなるので、足首まですっきりとして覆うことができるため使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1はこの発明の第1の実施の形態によるひざ掛けの外観形状を示した平面図である。
【0025】
図を参照して、ひざ掛け11はシート状に形成され、平面視において逆等脚台形形状を有している。上底の寸法Aは145cm、下底の寸法Bは90cm、高さの寸法Hは90cmであり、その厚さは約5mmに設定されている。尚、逆等脚台形形状のシート形状による特徴については後述する。
【0026】
図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【0027】
図を参照して、ひざ掛け11は、第1保温層となるポリエチレンテレフタレート(PET)系のフリース層23と、フリース層23の外面側の面に形成された蒸着アルミニウム14と、蒸着アルミニウム14の外面側の全面に塗布された接着剤18を介して接続された、第2保温層となる綿素材のシール織層30とから構成されている。尚、フリース層23はPET系であるため、蒸着アルミニウムとの密着性が高くひざ掛け11の水洗いが可能となる。
【0028】
フリース層23は、布地部21と、布地部21の内面側を起毛させたフリース加工部20とから構成されている。一方、シール織層30は、基布部28と、基布部28に織り込まれ、外面側に延びるパイル部27とから構成されている。したがって、蒸着アルミニウム14は、フリース層23の布地部21の外面側の全面に形成されることになる。
【0029】
フリース層23には、遠赤外線を発生する特殊炭素やアルカリカンラン石粉末等が含侵されている。発生した遠赤外線は、内面側に放射されると共に外面側に放射された遠赤外線は蒸着アルミニウム14の面で反射され内面側に向かう。したがって、ひざ掛け11の内面側を使用者側にして使用すると、遠赤外線が集中的に使用者に向かうことになる。これによって、使用者の細胞が刺激されると共に血行促進が図られ、美肌効果や温熱効果が期待できる。
【0030】
又、使用者の体温の内面側からの放出が蒸着アルミニウム14で阻止され、その熱がフリース層23で保持されるためフリース層23の遠赤外線効果と相俟って保温効果がより向上する。更に、ひざ掛け11の両外面はフリース層23及びシール織層30で覆われているため、触感が向上すると共にひざ掛け11全体の保温効果をより高める。
【0031】
尚、フリース層23の厚みは0.5〜10mmが好ましく、3〜7mmがより好ましい。又、シール織層30の厚みは0.5〜10mmが好ましく、3〜7mmがより好ましい。フリース層23とシール織層30とは薄すぎると保温効果が少なくなると共に触感が低下し、厚すぎると重くなり使い勝手が低下する。
【0032】
又、蒸着アルミニウム14の厚みは10〜500nmが好ましく、30〜200nmがより好ましい。蒸着アルミニウムは薄すぎると熱の反射効率が低く、厚すぎるとコスト的に不利となる。
【0033】
次に、この実施の形態によるひざ掛けの使用状態について説明する。
【0034】
図3は図1で示したひざ掛けの使用状態を示した概略斜視図である。
【0035】
図を参照して、使用に際しては、図2に示したようにフリース層23を内面側に配置し、図1に示したひざ掛け11の上部の幅広の部分を腰側に下部の幅狭の部分を足首側にして使用者33の体に巻きつける。そして、必要に応じて上部の一部を折り返す。これによって、従来の矩形シート形状のひざ掛けに比べて使用者33の足首まですっきりとして覆うことができるので、使用勝手が向上すると共に保温効果がより向上する。又、ひざ掛け11の外面は腰部の折り返し部を除いてシール織層30となるので、視覚的に高級感が現れると共に使用時の触感がより向上する。
【0036】
尚、上記の実施の形態では、フリース層はPET系の素材を使用し、シール織層は綿の素材を使用しているが、これらは他の素材であっても保温層として機能するものであれば良い。
【0037】
又、上記の実施の形態では、ひざ掛けの内面側にフリース層、外面側にシール織層を配置しているが、これらは逆であっても良い。あるいは、内面側及び外面側の保温層をフリース層及びシール織層のいずれかのみで構成するようにしても良い。これらの場合、内面側の保温層を遠赤外線を発生するように構成すればより効果的なひざ掛けとなる。
【0038】
更に、上記の実施の形態では、フリース層は遠赤外線を発生するものを使用しているが、遠赤外線を発生しないフリース層を用いても良い。
【0039】
更に、上記の各実施の形態では、シール織層は蒸着アルミニウムの全面に塗布された接着剤を介して接続されているが、接着剤を島状のように部分的に塗布しても良い。このように構成すると、シール織層と蒸着アルミニウムとの間に空間が形成されるため、保温効果がより向上する。又、接着剤に代えて、縫製や熱接着等を用いてこれらを接続しても良い。
【0040】
更に、上記の実施の形態では、ひざ掛けは平面視において逆等脚台形形状を有しているが、単に矩形シート形状を有したものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1はこの発明の第1の実施の形態によるひざ掛けの外観形状を示した平面図である。
【図2】図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【図3】図3は図1で示したひざ掛けの使用状態を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
11…ひざ掛け
14…蒸着アルミニウム
18…接着剤
23…フリース層
30…シール織層
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ひざ掛けであって、
第1保温層と、
前記第1保温層の一方面に形成された蒸着アルミニウムと、
前記蒸着アルミニウムの外方面に形成された第2保温層とを備えた、ひざ掛け。
【請求項2】
前記第1保温層は、遠赤外線を発生する、請求項1記載のひざ掛け。
【請求項3】
前記第1保温層はフリース層であり、前記第2保温層はシール織層である、請求項2記載のひざ掛け。
【請求項4】
前記蒸着アルミニウムと前記第2保温層とは、島状に塗布された接着剤を介して接続される、請求項1から請求項3のいずれかに記載のひざ掛け。
【請求項5】
平面視において逆等脚台形形状を有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載のひざ掛け。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate