説明

アクセサリー、アクセサリー制御方法及びアクセサリー制御プログラム

【課題】カメラの利便性を高める。
【解決手段】カメラ10に対して着脱可能なアクセサリーであって、電荷を蓄積する蓄電部と、カメラ10の電源部500から給電を受けるとともに、給電に基づいて蓄電部に対する充電処理を行う充電部と、電源部500の状態に応じて、充電部432による充電処理を制御するアクセサリー制御部440と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセサリー、アクセサリー制御方法及びアクセサリー制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは、閃光装置等のアクセサリーとともに使用されることがある(例えば、特許文献1参照)。アクセサリーは、カメラのアクセサリーシュー(シュー座、ホットシュー等ともよばれる)に接続されて、使用される。アクセサリーシューは、アクセサリーを制御する制御信号をアクセサリーへ出力する端子を有する。カメラは、アクセサリーシューの端子を介してアクセサリーに制御信号を送信し、アクセサリーを制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0329302号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラ及びアクセサリーを備えるカメラシステムにおいては、良好な使い勝手(利便性の高さ)が期待される。カメラシステムは、例えばユーザー操作に応答しなかったり或いは応答が遅かったりすると、そのシステムの使い勝手が悪くなる。
【0005】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カメラの利便性を高めることを可能とするアクセサリー、アクセサリー制御方法及びアクセサリー制御プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、本発明の一態様は、カメラに対して着脱可能なアクセサリーであって、電荷を蓄積する蓄電部と、前記カメラの電源部から給電を受けるとともに、前記給電に基づいて前記蓄電部に対する充電処理を行う充電部と、前記電源部の状態に応じて、前記充電部による前記充電処理を制御するアクセサリー制御部と、を備えることを特徴とするアクセサリーである。
【0007】
また、本発明の一態様は、電荷を蓄積する蓄電部と、カメラの電源部から給電を受けるとともに、前記給電に基づいて前記蓄電部に対する充電処理を行う充電部と、を備え、前記カメラに対して着脱可能なアクセサリーの動作を制御するアクセサリー制御方法であって、前記電源部の状態に応じて、前記充電部による前記充電処理を制御する手順を有することを特徴とするアクセサリー制御方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、電荷を蓄積する蓄電部と、カメラの電源部から給電を受けるとともに、前記給電に基づいて前記蓄電部に対する充電処理を行う充電部と、を備え、前記カメラに対して着脱可能なアクセサリーの動作を制御するアクセサリー制御プログラムであって、コンピュータに、前記電源部の状態に応じて、前記充電部による前記充電処理を制御するステップを実行させるためのアクセサリー制御プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カメラの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態のカメラシステムの外観を示す図である。
【図2】第1の実施形態のカメラシステムを図1とは反対側から見た図である。
【図3】第1の実施形態のカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態のアクセサリーの構成、及びアクセサリーとカメラとの接続関係を示す図である。
【図5】検出電圧信号、充電要求情報及び充電制御指示情報のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【図6】第1の実施形態のカメラシステムにおける処理の手順を示す図である。
【図7】定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図8】図7から続く処理の手順を示す図である。
【図9】図8のステップS311Aにおける充電要求情報の生成の手順を示す図である。
【図10】閃光発光機能において機能させる閃光発光部に対する充電制御の処理の手順を示す図である。
【図11】初期通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。
【図12】定常通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。
【図13】充電状態について、電圧検出部が検出した電圧及び蓄電部の電圧との関係の一例を示す図である。
【図14】第2の実施形態のアクセサリーの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
図1は、第1の実施形態のカメラシステム1の外観を示す図である。図2は、第1の実施形態のカメラシステム1を図1とは反対側から見た図である。
【0012】
図1及び図2に示すカメラシステム1は、カメラ10(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー400を備える。第1の実施形態のアクセサリー400は、発光機能を有し、被写体を照らすことができる。カメラ10は、アクセサリー400と通信して、アクセサリー400を制御することができる。カメラシステム1は、例えば、アクセサリー400によって被写体を照らしながら、カメラ10によって被写体の像を撮像することができる。
【0013】
図1に示すように、カメラ10は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
【0014】
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ10は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー400を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチである。
【0015】
第1の実施形態において、図1等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。このXYZ直交座標系において、X軸方向及びZ軸方向は、それぞれY軸方向と直交し、かつ互いに直交する方向である。正面12及び背面14は、それぞれ、Y軸方向とほぼ直交している。頂面13は、Z軸方向とほぼ直交している。
【0016】
アクセサリー400は、アクセサリー本体410、コネクター420、及び発光部425を備える。発光部425は、それぞれ光を射出する射出面を備えた閃光発光部430及び照明光発光部435を備える。アクセサリー本体410は、照明光発光部435及び各種電気部品などを収容している。コネクター420は、アクセサリー本体410の下方に設けられている。コネクター420は、カメラボディ100のシュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー400は、コネクター420がシュー座15に装着されることによって、カメラボディ100に装着されてカメラボディ100に対して固定される。閃光発光部430は、アクセサリー本体410に対してコネクター420とは反対側(上方)に設けられている。閃光発光部430は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で且つ閃光発光部430の射出面がカメラボディ100の正面12側(+Y方向側)の方向を向いている場合には、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に閃光照明光(Xe管からの閃光発光)を発することができる。閃光発光部430はその射出面の向き(姿勢)を、アクセサリー本体410に対して変化(姿勢変化)できるように設けられている。例えば、閃光発光部430の射出面を、アクセサリー本体410の上方(+Z側)に向けて閃光照明光を発することもできる。一方、照明光発光部435は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で、カメラボディ100の正面12側(+Y側)に向けて(撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に)連続照明光(例えばLED照明光)を発することができる。
【0017】
図2に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー400の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ10とアクセサリー400の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
【0018】
図2に示すように、アクセサリー400は、第1パイロットランプ455、第2パイロットランプ460、第1操作部424、及び第2操作部471を備える。第1パイロットランプ455は、図1に示した閃光発光部430の動作状態に応じて発光する。第2パイロットランプ460は、図1に示した照明光発光部435の動作状態に応じて発光する。第1操作部424は、アクセサリー400をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば第1操作部424は取外し操作部材である)。第2操作部471は、アクセサリー400の機能全体のオン状態とオフ状態とを切り替えるために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば第2操作部471はON/OFF操作スイッチである)。
【0019】
図3は、第1の実施形態のカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、撮影レンズ200は、光学系210、光学系駆動部220、及び光学系制御部230を含む。被写体から撮影レンズ200へ入射した光は、光学系210を通ってカメラボディ100の撮像素子121の受光面へ入射する。
【0020】
光学系210は、レンズや絞り等の複数の光学部品、及び複数の光学部品を収容するレンズ鏡筒等を備える。光学系210は、カメラボディ100の外部から入射した光を結像させることができる。
【0021】
光学系駆動部220は、光学系210を駆動するアクチュエータ、光学系210における光学部品の位置を検出するエンコーダ、及び手振れ等による光学系210の移動(併進移動と回転移動の少なくとも一方)を検出するセンサーを備える。光学系駆動部220のアクチュエータは、例えば、フォーカシング制御用モータ、パワーズーム制御用モータ、絞り開口制御用モータ、手ブレ補正(Vibration Reduction;VR)制御用モータ、伸筒・縮筒制御用モータを含む。
【0022】
光学系駆動部220は、光学系制御部230からの制御指令に従って光学系駆動部220のアクチュエータを動作させることによって、フォーカシング制御、ズーミング制御、露出制御、VR制御、及び撮影レンズ200の伸縮制御を行うことができる。フォーカシング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをフォーカシング制御用モータによって光軸方向に移動して、光学系210の焦点を調整する制御である。ズーミング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをパワーズーム制御用モータによって光軸方向に移動して、撮像画角を変更する制御である。
【0023】
露出制御は、光学系210を構成する絞りを絞り開口制御用モータにより駆動して、絞りの開口サイズを変化させることによって、光学系210を通って撮像素子121へ入射する光の光量等を調整する制御である。VR制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをVR制御用モータによって光軸と交差する方向に移動して、手ブレによる像揺れを補正する制御である。伸縮制御は、伸筒・縮筒制御用モータを駆動することによって、撮影レンズ200を光軸方向に伸筒又は縮筒させる制御である。
【0024】
光学系駆動部220は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220を構成するアクチュエータ、エンコーダ、及びセンサーは、電池BATから供給される電力によって動作する。
【0025】
光学系制御部230は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、カメラボディ100のカメラ制御部170(後述する)と通信することができる。光学系制御部230は、光学系駆動部220のエンコーダの検出結果を示す情報及びセンサーの検出結果を示す情報を、カメラ制御部170に供給することができる。光学系制御部230からカメラ制御部170に供給される情報は、撮影レンズ200の種類を示すレンズ種類情報、レンズ焦点距離情報、露出制御によって設定された絞り値、フォーカシング制御により設定された被写体焦点距離情報、消費電力情報等を含む。消費電力情報は、駆動状態に消費する消費電力を示し、レンズ種類情報や、駆動されている状態に応じて変化する情報である。
【0026】
アクセサリー400は、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、及び不揮発性メモリー445を含む。照明光発光部435、アクセサリー制御部440、及び不揮発性メモリー445は、例えば、図3及び図4に示したアクセサリー本体410に収容されている。アクセサリー400の詳細については、後述する。
【0027】
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。
【0028】
電池収納部110は、一次電池や二次電池等の電池BATを収納することができる。電池BATは、電池収納部110に収納されることによって、カメラボディ100に搭載される。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム1の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー400等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
【0029】
撮像処理部120は、撮像素子121、撮像素子制御回路122、及び画像回路123を備える。撮像素子121は、二次元的に配列された複数の画素を備える。撮像素子121の各画素は、CCD(Charge Coupled device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の受光素子を備える。撮像素子121の受光素子は、光学系210から各画素へ入射した光の光量に応じた電荷を発生する。撮像素子121は、各画素に入射した光により受光素子に発生した電荷を信号に変換する。撮像素子121は、光学系210を介して撮像素子121の受光面に形成された像(光学像)に応じたアナログの画像信号を生成する。撮像素子121は、撮像素子制御回路122と画像回路123のそれぞれに接続されている。画像回路123は、撮像素子121から出力された画像信号を増幅し、アナログの画像信号をデジタル信号に変換する。撮像素子制御回路122は、撮像素子121を制御して、像に応じた画像信号を生成させることや、生成した画像信号を出力させること等ができる。
【0030】
シャッター駆動部130は、カメラボディ100に収容されているシャッターの開閉を制御する。このシャッターは、光学系210を通って撮像素子121の受光面へ入射してくる光を、シャッターが閉じた状態で遮光する。なお、カメラボディ100に露出制御用のシャッター機構が搭載されていない場合には、このシャッター駆動部130も不要である。
【0031】
表示部制御回路135は、例えば、表示部102の点灯や明るさ調整、消灯等の表示制御や、カメラ制御部170から出力される画像データを表示部102に表示させる処理を行う。
【0032】
メモリー140は、例えば、メモリーカード等のようにカメラボディ100から抜き差し可能な記憶媒体である。メモリー140は、例えば、カメラ制御部170によって生成される画像データ等を記憶する。メモリー制御回路145は、カメラ制御部170とメモリー140との間の情報の入出力を制御する。メモリー制御回路145は、例えば、カメラ制御部170によって生成された画像データ等の情報をメモリー140に記憶させる処理や、メモリー140に記憶されている画像データ等の情報を読み出してカメラ制御部170に出力する処理等を行う。
【0033】
入力部150は、ユーザーが操作することが可能な設定スイッチ104及びレリーズ釦16を備える。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を検出する。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を示す操作情報を生成し、生成した操作情報をカメラ制御部170に出力する。
【0034】
記憶部158は、不揮発性メモリー160及びバッファメモリー165を備える。不揮発性メモリー160は、カメラ制御部170を動作させるプログラムや、撮像により生成された画像データ、装置の状態を示す情報、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報、ユーザーから入力された各種設定や撮像条件等の情報を記憶する。装置の状態を示す情報は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATの電圧情報(電池残量)、撮影レンズ200の各アクチュエータの制御状態を示す情報等を含む。カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報は、シャッター駆動部130で消費される(動作に必要な)電力、撮影レンズ200のアクチュエータで消費される(動作に必要な)電力、アクセサリー400で消費される(動作に必要な)電力等を含む。バッファメモリー165は、カメラ制御部170の制御処理に用いられる一時的な情報の記憶部である。カメラ制御部170は、例えば、撮像素子121から出力される画像信号や、画像信号に応じて生成された画像データ等をバッファメモリー165に一時的に記憶させる。
【0035】
カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されたプログラムに基づいてカメラボディ100の構成要素の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子部品とを備える。カメラ制御部170は、例えば、操作検出回路155がカメラ制御部170に出力した操作情報に応じて、カメラボディ100への電源の投入や、光学系駆動部220を介した光学系210の駆動制御、撮像素子制御回路122を介した撮像素子121の駆動制御、表示部制御回路135を介した表示部102の表示制御、画像回路123に出力された画像信号に対する処理の制御等を行う。
【0036】
カメラ制御部170は、画像処理部171、表示制御部172、撮像制御部173、操作検出処理部174、電力制御部175、及び通信部176を含む。
【0037】
画像処理部171は、画像回路123から出力された画像信号に基づいて、画像データを生成する画像処理を行う。画像処理部171は、画像処理により生成した画像データをバッファメモリー165に記憶させる。
【0038】
表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、読み出した画像データを表示部102に繰り返し表示させる。また、表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、動画形式のデータ(動画データ)としてメモリー140に記録させる。また、表示制御部172は、後述する電力制御部175の判定結果に応じて、電池BATの充電残量を表示部102に表示させる。
【0039】
操作検出処理部174は、操作検出回路155が出力した操作情報に基づいて操作検出回路155が検出したユーザーの操作を判定し、判定した情報をバッファメモリー165に記憶させる。操作検出処理部174は、ユーザーからの操作に応じた各種処理の制御指令を、操作に対応する処理を実行する構成要素(機能部)に出力する。操作検出処理部174は、例えば撮像処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、撮像処理の実行を要求する制御指令を撮像制御部173に出力する。また、操作検出処理部174は、例えばオートフォーカス(AF)処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、AF処理の実行を要求する制御指令を出力する。AF処理において、光学系制御部230は、操作検出処理部174が出力した制御指令に基づいて、光学系210を介して撮像素子121で検出された画像を利用した測距結果を参照しつつ、光学系駆動部220のフォーカシング制御用モータを制御して、例えばユーザーが指定した被写体にピントが合うように、光学系210の焦点を調整する。
【0040】
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム1の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム1の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。また、撮像制御部173は、必要に応じて、アクセサリー400を制御して、撮影タイミングに同期させてアクセサリー400から光を照射させる。
【0041】
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。また、電力制御部175は、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報を収集し、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を監視する。
【0042】
通信部176は、カメラボディ100の内部の各負荷部を制御する負荷制御部と通信可能に接続される。カメラボディ100の内部の負荷部は、例えば表示部102等であり、負荷制御部は、例えば表示部制御回路135等である。また、通信部176は、カメラシステム1のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。第1の実施形態の撮影レンズ200は、外部装置の1つであり、光学系制御部230が通信部176と通信可能に接続される。また、第1の実施形態のアクセサリー400は、外部装置の1つであり、アクセサリー制御部440が通信部176と通信可能に接続される。
【0043】
図4は、第1の実施形態のアクセサリー400の構成、及びアクセサリー400とカメラ10(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)との接続関係を示す図である。
【0044】
まず、カメラ10について説明する。カメラ10は、負荷部30、電源スイッチ31、第3電源調整部(電源調整部3)32、アクセサリー電源制御部33及び切替部34を備える。
【0045】
負荷部30は、既述のシャッター駆動部130や表示部102等のようにカメラボディ100の負荷部と、光学系駆動部220や光学系制御部230等のようにカメラボディ100の外部の負荷部とを含む。負荷部30は、消費電力が大きい重負荷部と、重負荷部よりも相対的に消費電力が小さい軽負荷部とを含む。重負荷部は、例えば光学系駆動部220やカメラボディ100におけるシャッター駆動部130等のように、アクチュエータを有する負荷部を含む。軽負荷部は、光学系制御部230や画像処理部171、各制御回路、表示部等を含む。
【0046】
電源スイッチ31は、電池BATから負荷部30の重負荷部への電力の供給を遮断するスイッチである。
切替部34は、カメラ10の外部にあってカメラ10と接続可能な外部電源510からの電力の供給と、電池BATからの電力の供給とを切り替える。具体的には、切替部34は、外部電源510がカメラに接続されていない場合、電源線40と配線44とを導通状態にさせ、配線45を非導通状態にさせる。これにより、切替部34は、電池BATから供給される電力を電源スイッチ31、第3電源調整部32及びアクセサリー電源制御部33へ供給する。
【0047】
ここで、電源部500は、アクセサリー400に給電する機能を有する部材である。本実施形態では、電源部500は、外部電源510と電池BATとを備える。
また、外部電源510の出力電圧(例えば、9V)は、電池BATの定格電圧(例えば、8V)よりも高い。
【0048】
一方、外部電源510がカメラに接続された場合、切替部34は、電源線40を非導通状態にさせ、配線44と配線45とを導通状態にさせる。これにより、切替部34は、外部電源510から供給される電力を電源スイッチ31、第3電源調整部32及びアクセサリー電源制御部33へ供給する。
【0049】
第3電源調整部32は、電池BATまたは外部電源510から供給される電力に基づいて、電池BATの出力電圧または外部電源510の出力電圧を安定化して負荷部30の軽負荷部及びカメラ制御部170に供給する。第3電源調整部32は、電池BATの出力電圧または外部電源510の出力電圧を検出する電圧検出センサーと、電池BATの出力電圧または外部電源510の出力電圧を安定化する定電圧回路とを備える。
【0050】
アクセサリー電源制御部33は、第1端子、第2端子、及び制御端子を備える。アクセサリー電源制御部33は、制御端子に入力される制御信号に応じて、第1端子と第2端子の間を導通状態にするか否かを切り替えるスイッチである。第1の実施形態の説明において、スイッチが自身の端子間を導通状態にすることを「回路を閉路する」と呼び、スイッチが自身の端子間を非導通状態にすることを「回路を遮断する」と呼ぶ。
【0051】
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー400の端子部423と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む。第1の実施形態の説明において、シュー座15の端子部25の各端子を、端子の並び順を示す番号を付して、区別する場合がある。この番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号である。例えば、端子部25の複数の端子のうち、最も+X側に配置された端子を1番目の端子と呼び、最も−X側に配置された端子を12番目の端子と呼ぶ。
【0052】
図4に示すように、カメラボディ100の端子部25における各端子は、次のように割り付けられる。
【0053】
端子部25において、12番目の端子(以下、電源端子Tp12という)は、それぞれ、カメラボディ100内の電池BATからの電力PWRをアクセサリー400側に供給する端子である。
【0054】
1番目の端子(以下、接地端子Tp1という)と、2番目の端子(以下、接地端子Tp2という)は、それぞれ、電源端子Tp11及び電源端子Tp12に対応する接地端子である。接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、電位が電力PWRの基準電位になる端子である。また接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、電力PWRを利用するカメラボディ100内の回路(負荷部30の重負荷部)用の接地端子である。
【0055】
3番目の端子(以下、基準電位端子Tp3という)と5番目の端子(以下、基準電位端子Tp5という)は、それぞれ、電位が基準電位SGND(シグナルグランド)になる端子である(即ち、信号の授受を行うための基準となる電位となる端子である)。また基準電位端子Tp3及び基準電位端子Tp5は、カメラボディ100内の回路(カメラ制御部170、第3電源調整部32、負荷部30の軽負荷部)用の接地端子である。
【0056】
4番目の端子(以下、同期信号端子Tp4という)は、アクセサリー400側で生成する通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKがアクセサリー400から入力される端子である。
【0057】
6番目の端子(以下、通信信号端子Tp6という)は、カメラ側データ(各種コマンドを含む)を含む通信信号DATAをアクセサリー400側に出力する端子でもあり、且つその逆に、アクセサリー400側の各種情報(アクセサリー400の固有情報や設定情報など)を含む通信信号DATAがアクセサリー400側から入力される端子でもある。
【0058】
7番目の端子(以下、起動状態検出端子Tp7という)は、シュー座15に対してコネクター420が装着された状態であり且つアクセサリー起動状態を示す(換言すれば、アクセサリー400が起動して機能できる起動状態(機能可能状態)を示す)起動検出レベル(電気的なLレベル)DETを、アクセサリー400側が提供しているか否かを検出するための端子である。
【0059】
8番目の端子(以下、発光制御信号端子Tp8という)は、アクセサリー400の閃光発光部430と照明光発光部435の少なくとも一方の発光を制御する発光制御(発光指令)信号Xをアクセサリー400に対して出力する端子である。発光制御(発光指令)信号Xは、ひらたく言えば、閃光発光部430または照明光発光部435に対して発光開始を指示する制御指令である。
【0060】
9番目の端子(以下、通信制御信号端子Tp9という)は、カメラ10からアクセサリー400に対して通信を始める際に通信制御(通信開始)信号Csをカメラ10からアクセサリー400に対して出力する端子である。この通信制御信号Csは、前述の通信信号端子Tp6を介したカメラ10とアクセサリー400との間のDATA通信の通信開始タイミングを定める信号である。
【0061】
10番目の端子(以下、オープン端子Tp10という)は、電力と信号の双方が供給されない端子であり、いわゆるオープン端子である。このオープン端子Tp10は、システムの将来的な機能拡張のために予備的に設けられている端子である。
【0062】
また、上記の端子配列において、電源端子Tp11及び電源端子Tp12は、端子部25の複数の端子の配列方向(X軸方向)において、一方側(−X側)に偏らせて配置されている。換言すると、電源端子Tp11及び電源端子Tp12は、端子部25の12個の端子配列において、一方の端部に寄せて(まとめて)並んで配置されている。接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、端子部25の複数の端子の配列方向(X軸方向)において、他方側(+X側)に偏らせて、配置されている。換言すると、接地端子Tp1及び接地端子Tp2は、端子部25の12個の端子配列において、他方の端部(電源端子Tp11及び電源端子Tp12の配置側とは反対側の端部)に寄せて(まとめて)並んで配置されている。
【0063】
なお、端子部25の各端子に入力される信号、各端子が出力する信号の詳細については、後述する。
【0064】
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部423を介して、アクセサリー400と通信してアクセサリー400を制御するための制御信号を、アクセサリー400に供給する。第1の実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー400に供給する制御信号は、アクセサリー400における発光部425の発光を制御する発光制御信号X、通信信号DATA、及びカメラ10とアクセサリー400との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
【0065】
カメラ制御部170は、図3に示した不揮発性メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶されている情報を読み出して、読み出した情報をアクセサリー制御部440へ送信する。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した情報を不揮発性メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶させる。
【0066】
不揮発性メモリー160に記憶されている情報は、カメラ10の初期状態を示すカメラ初期状態情報、及びカメラ10の設定状態を示すカメラ設定状態情報を含む。カメラ制御部170は、カメラ初期状態情報又はカメラ設定状態情報に含まれる各種の情報のうちの少なくとも1つの情報を、アクセサリー制御部440へ送信することができる。
【0067】
カメラ初期状態情報は、カメラ10の種類を示す情報、カメラ10が有する機能の種類を示す情報、カメラ10が有する各機能の特性を示す情報等を含む。カメラ10が有する機能の種類を示す情報は、例えば、AE(Automatic Exposure;自動露出)制御を行うか否かを示す情報、AWB(Auto White Balance;自動ホワイトバランス)制御を行うか否かを示す情報等である。カメラ設定状態情報は、カメラ10が有する各機能を機能させるか否かを示す設定情報、カメラ10の撮影モードを示す情報等である。撮影モードを示す情報は、例えば、カメラ10が動画として画像を撮像する撮影モードに設定されているか否かを示す情報、カメラ10が静止画として画像を撮像する撮影モードに設定されている否かを示す情報等である。カメラ10が静止画として画像を撮像する撮影モードに設定されていることを示す情報は、例えば、単写と連写のいずれを行うモードに設定されているか否かを示す情報である。単写を行うモードは、例えば、レリーズ釦16が押下されるたびに1枚の画像を撮像する撮影モードである。連写を行うモードは、レリーズ釦16が押下されている間に、複数の画像を撮像する撮影モードである。
【0068】
次に、図4を参照してカメラ10における各構成要素の接続関係について説明する。以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
【0069】
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、第3電源調整部32の入力端子に接続されている。第3電源調整部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、第3電源調整部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
【0070】
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp3は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp3は、基準電位端子Tp5とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、第1の実施形態のカメラ10のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
【0071】
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は第3電源調整部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー400の装着前及びアクセサリー400との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。
【0072】
電源端子Tp12は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
なお、電源部500は、外部電源510または電池BATのいずれか1つだけを備えていてもよい。また、電源部500は、アクセサリー400に電源を供給する部材であるとの観点から、以下の構成であってもよい。電源部500は、外部電源510または電池BATのうち少なくとも一つに加えて、アクセサリー400の電源端子(Ts11またはTs12)と接地端子(Ts1またはTs2)を含んでいてもよい。また、電源部500は、外部電源510または電池BATのうち少なくとも一つに加えて、カメラ10の電源端子(Tp11またはTp12)と接地端子(Tp1またはTp2)を含んでいてもよい。また、カメラボディ100またはカメラ10全体がアクセサリー400に電源を供給しているという観点から、電源部500は、カメラボディ100またはカメラ10全体を含む構成であってもよい。
【0073】
<アクセサリー400の構成>
次に、図4を参照して、アクセサリー400の構成について説明する。第1の実施形態のアクセサリー400は、カメラ10から供給される電力PWRによって動作する。アクセサリー400は、アクセサリー400において消費される電力を供給する電源がアクセサリー400に搭載されていない場合に、カメラ10から供給される電力PWRによってアクセサリー400の各構成要素を機能させることができる。
【0074】
アクセサリー400は、端子部423、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、電圧検出部441、記憶部444、第1電源調整部(電源調整部1)450−1、第2電源調整部(電源調整部2)450−2、第2パイロットランプ(PL1)460、第1パイロットランプ(PL2)455、第1スイッチ部(MSW)465、及び第2スイッチ部(PCSW)470を備える。第1の実施形態のアクセサリー400は、電池を内蔵できないものとする。
【0075】
アクセサリー400の端子部423について説明する。図4に示したように、端子部423は、アクセサリー400がカメラ10に装着されている場合に、カメラ10の端子部25と電気的に接続される。端子部423は、符号Ts1から符号Ts12で示される複数(12個)の端子を含む。ここでは、次に説明する端子の並び順を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号であるものとする。
【0076】
端子部423における各端子の機能は、次のように割り付けられる。ここで、この端子部423の各端子Ts1〜Ts12は、図4にて既述したカメラ10側の端子部25の各端子(Tp1〜Tp12)に対応して設けられているものである。そして端子部423の各端子の機能についても、上述した端子部25の各端子の機能と対応付けられるものである。このため第1の実施形態の説明では、上記にて端子部25に関して既述した説明との重複を避けるため、各端子の端子番号Tp1〜Tp12について、カメラ側の端子部25の各端子と対応する端子の端子番号を同じ番号で記載することで、各端子の機能や配置について重複する内容については、その説明を簡略化または割愛する。
【0077】
端子部423において、電源端子Ts11と電源端子Ts12はそれぞれ、カメラ10から電力PWRが供給される端子である。接地端子Ts1と接地端子Ts2は、電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子であり、電位が電力PWRの基準電位(グランド)になる端子である。
【0078】
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5はそれぞれ、電位が信号の授受を行うための基準電位(シグナルグランド)になる端子である。
【0079】
同期信号端子Ts4は、通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKをカメラ10に対して出力する端子である。
【0080】
通信信号端子Ts6は、既述したようなカメラ側の通信データを含む通信信号DATAがカメラ10側から入力されたり、或いはアクセサリー側の通信信号DATAをカメラ10に対して出力したりする端子である。
【0081】
起動状態提供端子Ts7は、既述の起動検出レベルDET(Lレベル/SGNDによる基準電位)をカメラ10に提供する端子である。
【0082】
発光制御信号端子Ts8は、既述の発光制御信号(発光指令信号)Xがカメラ10から入力される端子である。
【0083】
通信制御信号端子Ts9は、既述の通信制御信号(通信起動信号)Csがカメラ10から入力される端子である。
【0084】
また、電源端子Ts11と通信制御信号端子Ts9との間には、オープン端子Ts10が配置されている。
【0085】
閃光発光部430は、閃光光源431及び充電部432を備える。閃光光源431は、キセノン管など周知の閃光照明光源を備える。
【0086】
充電部432は、カメラボディ100から供給された電圧を昇圧する昇圧回路部(昇圧部とも称す)と、その昇圧回路部で昇圧された電圧に基づいて閃光光源431を発光させるのに必要な電力を蓄積可能な蓄積回路部(蓄積部/コンデンサ/又はキャパシタ)とを備える。充電部432は、蓄積部(蓄積回路部)に蓄積された電力を閃光光源431に供給することによって、閃光光源431を発光させる。
【0087】
充電部432は、アクセサリー制御部440から供給される信号に従って、充電部432の蓄積部への充電を開始又は停止する。充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中に蓄積部の電極間の電圧(充電電圧)を検出することによって、蓄積部が蓄積している充電量(蓄電量、電荷量)を検出することができる。充電部432は、検出した蓄積部の充電量を示す情報をアクセサリー制御部440に供給する。
【0088】
なお、充電部432は、周知の発光制御回路(例えば周知のIGBTのように発光の開始・停止を制御する回路)を備えており、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、閃光光源431を撮影タイミングに同期させて発光させること、及び閃光光源431の発光量を制御することができる。
【0089】
照明光発光部435は、照明光光源駆動部436及び照明光光源437を備える。第1の実施形態の照明光光源437は、連続照明光を発光可能な発光ダイオード(LED)等の固体光源を備える。照明光光源駆動部436は、照明光光源437に電流を供給することによって、照明光光源437を発光させる。もちろん照明光光源437は、照明光光源駆動部436によって間欠的に電流が供給されることにより、連続照明光ばかりでなく照明光を間欠的に発光することも可能である。照明光光源駆動部436は、アクセサリー制御部440の制御により、照明光光源437を撮影タイミングに同期させて発光させる。照明光光源駆動部436は、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、照明光光源437を発光させる時間(点灯時間)を制御する。
【0090】
なお、不図示ではあるが、アクセサリー400は、閃光発光部430の電源線481に対する電気的な導通状態(ON/OFF)を切り替える第1導通スイッチと、照明光発光部435の電源線481に対する電気的な導通状態(ON/OFF)を切り替える第2導通スイッチとを備えている。これら第1、第2導通スイッチは、アクセサリー制御部440によって制御される。よって、カメラシステム1が発光部425を機能させて撮像を行う場合において、アクセサリー400は、アクセサリー制御部440の第1、第2導通スイッチ及び各発光部430、435への制御によって、閃光発光部430又は照明光発光部435から択一的に、あるいは両発光部から光を発することができる。
【0091】
第1の実施形態において、閃光発光部430の最大の発光量は、照明光発光部435の最大の発光量よりも多い。閃光発光部430は、例えば静止画の撮像時に点灯され、照明光発光部435の点灯時よりも被写体を明るく照らすことができる。第1の実施形態において、照明光発光部435の最長の点灯時間(最長点灯時間)は、閃光発光部430の最長の点灯時間よりも長い。照明光発光部435は、例えば動画の撮像時に点灯され、閃光発光部430の点灯時間よりも被写体を長時間にわたって照らすことができる。
【0092】
第1の実施形態において、閃光発光部430が発する光を閃光と称し、閃光発光部430が閃光を発する機能を閃光発光機能と称すことがある。また、照明光発光部435が発する光を照明光と称し、照明光発光部435が照明光を発する機能を照明発光機能と称すことがある。
【0093】
第1の実施形態において、第1パイロットランプ455(PL2)及び第2パイロットランプ460(PL1)は、それぞれ、LED等の固体光源を備える。第1パイロットランプ455は、アクセサリー制御部440の制御によって、閃光発光部430の状態に応じて点灯する。例えば、閃光発光部430を発光可能な状態(電荷蓄積部への充電が完了した状態)にある場合に、アクセサリー制御部440は、第1パイロットランプ455を点灯する。また閃光発光部430を発光できない状態にある場合(電荷蓄積部の充電量が不十分な場合)に、アクセサリー制御部440は、第1パイロットランプ455を消灯する。第2パイロットランプ460は、第1パイロットランプ455と同様に、アクセサリー制御部440によって、照明光発光部435が点灯可能な状態(上述の第2導通スイッチがON状態)にあるか否かに応じて点灯又は消灯する。
【0094】
第1の実施形態において、第1スイッチ部465(MSW)は、既述した係止爪422に機械的に連動している。第1スイッチ部465は、係止爪422が所定の方向(Z軸方向)に移動することによって、回路を閉路又は遮断する。第1スイッチ部465は、係止爪422の先端がコネクター420の底部421から予め設定される所定の距離以上に突出している場合に、回路を閉路する。すなわち、第1スイッチ部465は、アクセサリー400がカメラ10への装着が完了された場合に、回路を閉路する。その一方で第1スイッチ部465は、係止爪422がコネクター420の底部421に向って、予め設定される所定の移動量以上押込まれた場合に、回路を遮断する。
【0095】
第1の実施形態において、第2スイッチ部470(PCSW)は、既述した第2操作部471(図2参照)に機械的に連動している。第2スイッチ部470は、第2操作部471が操作されることによって、回路を閉路又は遮断する。
【0096】
第1電源調整部(電源調整部1)450−1は、カメラ10から供給された電力の電圧を安定化(定電圧制御)する定電圧回路を備える。第1電源調整部450−1は、定電圧回路によって電圧が安定化された電力を、第2電源調整部(電源調整部2)450−2及び照明光発光部435へ供給することができる。第1電源調整部450−1は、基準電位線480(SGND)に接続されている。第2電源調整部450−2は、第1電源調整部450−1から供給された電力から、アクセサリー制御部440用の電力を生成する。第2電源調整部450−2も、基準電位線480(SGND)に接続されている。
【0097】
記憶部444は、不揮発性メモリー445を備える。不揮発性メモリー445は、アクセサリー400に電力が供給されない状態でも情報を保持しておくことができる。不揮発性メモリー445は、記憶しているデータを書き換え可能なメモリーと、記憶しているデータを書き換え不能なメモリー(例えばROM)の少なくとも一方を含む。不揮発性メモリー445は、アクセサリー制御部440を動作させるプログラムや、アクセサリー400の状態(初期状態及び、アクセサリー制御部440内のメモリーに現在設定されている様々なアクセサリーの設定状態)を示す情報、カメラ10から取得したカメラの状態(初期状態及び設定状態)を示す情報等の情報を記憶する。
【0098】
アクセサリー制御部440は、不揮発性メモリー445に記憶されたプログラムに基づいてアクセサリー400の構成要素の動作を制御するCPUと、ASIC等の電子部品とを備える。アクセサリー制御部440は、端子部423及び端子部25を介して、カメラ制御部170と通信する。アクセサリー制御部440は、記憶部444に記憶されているアクセサリー初期状態情報又はアクセサリー設定状態情報に含まれる各種の情報のうちの少なくとも1つの情報を、カメラ制御部170へ送ることができる。また、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信した情報を、記憶部444に記憶させる。
【0099】
アクセサリー初期状態情報は、アクセサリー400の種類を示すアクセサリー種類情報を含む。アクセサリー種類情報は、アクセサリー400に電池が搭載されているか否かを示す電池有無情報、アクセサリー400が有する各機能の種類を示す機能種類情報、及びアクセサリー400が有する各機能の特性を示す特性情報を含む。機能種類情報は、閃光発光機能の有無を示す情報、照明発光機能の有無を示す情報、及び拡張機能の有無を示す情報を含む。拡張機能は、閃光発光機能と照明発光機能のいずれにも該当しない他の機能であり、例えば調光機能、GPS(Global Positioning System)機能、カメラボディ100以外の装置との通信機能等である。閃光発光機能の特性情報は、閃光発光部430の発光特性を示す情報(プロファイル情報)を含む。照明発光機能の特性情報は、照明光発光部435の発光特性を示す情報(照明プロファイル情報)、及び照明光発光部435が連続して発光可能な最長の時間(最長点灯時間)を示す情報を含む。
【0100】
アクセサリー設定状態情報は、閃光発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報、及び照明発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報を含む。
【0101】
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された制御信号に基づいて、アクセサリー400の構成要素を制御する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された発光制御信号Xに従って、閃光発光部430又は照明光発光部435を発光させる発光制御を行う。
閃光発光部430を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、閃光光源431がカメラ側の撮影タイミングと同期して発光するように、充電部432を制御する。照明光発光部435を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、照明光光源437の撮影タイミングと同期して発光するように、照明光光源駆動部436を制御する。
【0102】
電圧検出部441は、接地端子(Ts1またはTs2)と電源端子(Ts11またはTs12)との間の電圧を検出し、検出した電圧を示す検出電圧信号をアクセサリー制御部440へ送信する。ここで、検出電圧信号は、一例として電圧であるとして説明するが、これに限ったものではなく、情報であってもよい。
【0103】
アクセサリー制御部440は、電源部500(例えば、電池BATまたは外部電源510)の状態に応じて、充電部432による充電処理を制御する。より詳細には、アクセサリー制御部440は、電源部500からの給電状態に応じて、充電部432による充電処理を制御する。
【0104】
その一例として、アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧に基づいて、外部電源510からカメラ10に給電されているか、電池BATからカメラ10に給電されているかを判定する。そして、外部電源510がカメラ10と接続されている場合、アクセサリー制御部440は、カメラ10を介して外部電源510から供給される電力による充電部432による充電処理を制御する。
【0105】
具体的には、例えば、アクセサリー制御部440は、検出電圧信号が示す電圧が予め決められた第2の閾値電圧以上の場合、外部電源510からカメラ10へ給電されていると判定する。そして、アクセサリー制御部440は、カメラ10に対して充電要求せずに、充電部432による充電処理を実行させる。ここで、第2の閾値電圧は、電池BATの定格電圧(例えば、8.0V)以上、かつ外部電源510の電圧(例えば、9.0V)以下である。
一方、検出電圧信号が示す電圧が予め決められた第2の閾値電圧未満の場合、アクセサリー制御部440は、電池BATからカメラ10へ給電されていると判定する。
【0106】
このように第2の閾値電圧が設定されることで、アクセサリー制御部440は、検出電圧信号が示す電圧が第2の閾値電圧以上の場合、カメラ10が外部電源510から給電を受けているとみなすことができる。
また、アクセサリー制御部440は、検出電圧信号が示す電圧が第2の閾値電圧未満の場合、カメラ10が電池BATから電圧の供給を受けているとみなすことができる。
【0107】
また、アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧に基づいて、充電部432による充電処理を制御する。
具体的には、例えば、アクセサリー制御部440は、予め決められた時間間隔で、電圧検出部441から出力された検出電圧信号を取得する。そして、アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧が予め決められた第1の閾値電圧以上第2の閾値電圧未満である場合、充電を要求する旨の充電要求情報を生成する。この場合、充電の方法を蓄電部の電圧によって切り替える。詳細は後述する。ここで、第1の閾値電圧は、第2の閾値電圧より低い電圧である。
一方、例えば、アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧が予め決められた第1の閾値電圧未満である場合、給電停止を要求する旨の充電要求情報を生成する。
さらに、アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧が予め決められた第2の閾値電圧以上である場合、つまり外部電源510がカメラ10に接続され外部電源510からカメラ10の各部に電圧が供給されている場合、充電要求情報を生成せずに充電させる。
【0108】
アクセサリー制御部440は、検出電圧信号が示す電圧が第1の閾値電圧以上第2の閾値電圧未満の場合、生成した充電要求情報をアクセサリー400側の通信信号端子Ts6からカメラ10側の通信信号端子Tp6を介して、カメラ制御部170へ送信する。すなわち、アクセサリー制御部440は、電源部500の状態に応じて前記蓄電部への充電を要求する充電要求情報をカメラ10へ送信する。
【0109】
アクセサリー制御部440は、カメラ10のカメラ制御部170へ充電要求情報を送信したことに応じて、充電部432に対する充電制御の指示を示す充電制御指示情報をカメラ10から受信し、受信した充電制御指示情報に基づいて、充電部432による充電処理を制御する。
【0110】
具体的には、アクセサリー制御部440は、カメラ10から受信した充電制御指示情報が充電部432に対する充電開始の指示を示す場合は、充電部432に対し、カメラ10から供給される電力による充電部432の充電を開始させ、充電制御指示情報が充電部432に対する充電停止の指示を示す場合は、充電部432に対し、カメラ10から供給される電力による充電部432の充電を停止させる。
【0111】
続いて、図5を用いて、アクセサリー制御部440の処理について説明する。
図5は、検出電圧信号、充電要求情報及び充電制御指示情報のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。同図において、横軸は時間tである。同図において、検出電圧信号の時系列変化S51と、充電要求情報の時系列変化S52と、充電制御指示情報の時系列変化S53とが示されている。検出電圧信号の時系列変化S51において、縦軸は信号レベルであり、充電要求情報の時系列変化S52と充電制御指示情報の時系列変化S53とにおいて、縦軸はビット値である。
検出電圧信号は、電圧検出部441から出力される信号である。検出電圧信号は、時刻t1から時刻t2までの間で、信号レベルが電圧検出部441により検出された電圧A51である。また、検出電圧信号は、時刻t7から時刻t8までの間で、信号レベルが電圧検出部441により検出された電圧A52である。ここで、検出電圧信号は、電圧検出部441により定常的に検出されている。
【0112】
また、充電要求情報は、アクセサリー制御部440から出力される情報である。同図において、充電要求情報は、時刻t3から時刻t5までの間で、ビット値が1であり、それ以外の時刻でビット値が0であることが示されている。ここで、充電要求情報は、1ビットで表され、充電要求する場合には1であり、充電要求しない場合には0である。
【0113】
また、充電制御指示情報は、カメラ制御部170から出力される情報である。同図において、充電指令情報の最下位ビット値が示されており、その値は、時刻t4から時刻t6までの間で、値が1であり、それ以外の時刻で値が0であることが示されている。ここで、例えば、充電制御指示情報の最下位ビット値が1の場合、充電の開始を示し、値が0の場合、充電の停止を示す。
【0114】
図5の例において、電圧検出部441は、時刻t1から時刻t2までの間と時刻t7から時刻t8までの間で、検出電圧を示す検出電圧信号を生成し、生成した検出電圧信号をアクセサリー制御部440へ送信する。ここで、図5に示された時刻t1から時刻t2までの間の検出電圧信号が示す電圧が、第1の閾値電圧以上で第2の閾値電圧未満であることを前提とする。
その場合、アクセサリー制御部440は、時刻t2から時刻t3までの間で、電圧検出部441から入力された検出電圧信号において、時刻t1から時刻t2までの間の検出電圧信号が示す電圧A51が第1の閾値電圧以上で第2の閾値電圧未満であると判定する。アクセサリー制御部440は、充電要求を示す値が1の充電要求情報を時刻t3よりカメラ制御部170へ送信する。
【0115】
カメラ制御部170は、時刻t3よりアクセサリー制御部440から送信された充電要求を示す値が1の充電要求情報を受信すると、充電開始を指示する最下位ビット値が1の充電制御指示情報を時刻t4よりアクセサリー制御部440へ送信する。
そして、アクセサリー制御部440は、充電制御指示情報に基づいて、時刻t4よりカメラ10から電源端子(Tp11及びTp12)と電源端子(Ts11及びTs12)とを介して供給された電力PWRで、充電部432に蓄電部への充電を開始させる。
【0116】
アクセサリー制御部440は、時刻t5において例えば充電が完了した場合などに、充電要求情報を、充電要求を示す値1から給電停止要求を示す値0に変更し、給電停止要求を示す値が0の充電要求情報をカメラ制御部170へ送信する。なお、アクセサリー制御部440は、検出電圧信号が示す電圧が第1閾値未満となった場合に、充電要求情報を、充電要求を示す値1から給電停止要求を示す値0に変更してもよい。
カメラ制御部は、給電停止を示す値が0の充電要求情報を受信すると、時刻t6において給電停止を指示する最下位ビット値が0の充電制御指示情報をアクセサリー制御部440へ送信する。
【0117】
電圧検出部441は、時刻t7から時刻t8までの間で、検出電圧信号を生成し、生成した検出電圧信号をアクセサリー制御部440へ送信する。ここで、図5に示された時刻t7から時刻t8までの間の検出電圧信号が示す電圧A52が、第1閾値電圧未満であることを前提とする。これは、例えば、アクセサリー制御部440へ供給する電源の供給元が切替部34により電池BATに切り替えられており、カメラ10が重負荷の動作を行っている場合や電池BATの残量がわずかな場合などである。その場合、アクセサリー制御部440は、給電停止要求を示す値が0の充電要求情報をカメラ制御部170へ送信する。または、アクセサリー制御部440は、充電要求を示す値が1の充電要求情報をカメラ制御部170へ送信するものの、充電の速度を落とすことによりカメラ10の負荷を軽減する。
【0118】
次に、カメラシステムにおける処理の手順について、説明する。以下の説明において、同様の処理については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0119】
図6は、カメラシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム1は、アクセサリー400を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。カメラシステム1は、起動シーケンス(ステップS1)において、カメラ10とアクセサリー400との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う(ステップS2)。カメラシステム1は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う(ステップS3)。カメラシステム1は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う(ステップS4)。
【0120】
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う(ステップS5)。カメラシステム1は、割込要求が無いとステップS5で判定した場合(ステップS5;No)に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。カメラシステム1は、割込要求が有るとステップS5で判定した場合(ステップS5;Yes)に、割込処理(ステップS6)を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム1は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
【0121】
次に、定常通信シーケンスについて説明する。カメラシステム1は、定常通信シーケンスにおいて、カメラ10とアクセサリー400との間で撮影に必要とされる情報を相互に送る。定常通信シーケンスは、図6に示したように割込要求が発生していない期間において、例えば周期が200ms程度の周期で繰り返し実行される。カメラ10とアクセサリー400は、繰り返し行われる定常通信シーケンスのそれぞれにおいて、正気通信シーケンスと同様に、複数の情報を予め定められた順に従って送受信する。
【0122】
また、カメラ10とアクセサリー400は、それぞれ、前回の初期通信シーケンス又は前回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報を、必要に応じて、今回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報に更新する。また、カメラシステム1は、初期状態情報を更新する場合に、初期通信シーケンスをやり直すこと、又は更新が必要な項目を指定して初期状態情報を更新することができる。以下、定常通信シーケンスの処理フローの一例を説明する。
【0123】
図7は、定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。図8は、図7から続く処理の手順を示す図である。
【0124】
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスが開始されると、カメラ設定状態情報の送信を通知する送信通知コマンドC10をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS301)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC10を受信して、カメラ設定状態情報を受信する準備をする(ステップS302)。カメラ制御部170は、送信通知コマンドC10で指定した項目の最新のカメラ設定状態情報を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS303)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドC10に指定された項目の最新のカメラ設定状態情報を、受信する(ステップS304)。
【0125】
カメラ制御部170は、初期通信シーケンスのステップS204(図12参照)で取得した機能種類情報に基づいて、アクセサリー400が照明発光機能を有しているか否かを判定する(ステップS305)。カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有しているとステップS305で判定した場合(ステップS305;Yes)に、照明発光機能の設定状態を示す照明設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC11を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS306)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC11を受信(ステップS307)した後に、照明設定状態情報をカメラ制御部170へ送信する(ステップS308)。カメラ制御部170は、照明設定状態情報を受信する(ステップS309)。
【0126】
カメラ制御部170は、アクセサリー400が照明発光機能を有していないとステップS305で判定した場合(ステップS305;No)、又はステップS309の処理の終了後に、アクセサリー設定状態情報の送信を要求する送信要求コマンドC12を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS310)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC12を受信して(ステップS311)、充電要求情報を生成する(ステップS311A)。
次に、アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC12に指定された項目の最新のアクセサリー設定状態情報を、カメラ制御部170へ送信する(ステップS312)。カメラ制御部170は、送信要求コマンドC12によって指定した項目の最新のアクセサリー設定状態情報を、受信する(ステップS313)。
【0127】
カメラ制御部170は、ステップS313で取得したアクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれているか否かを判定する(ステップS314)。初期化要求は、カメラ制御部170が初期通信シーケンス又は定常通信シーケンスで取得したアクセサリー400に関する情報を取得しなおすことを、アクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
【0128】
カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれているとステップS314で判定した場合(ステップS314;Yes)に、初期通信シーケンス又は定常通信シーケンスで取得したアクセサリー400に関する情報を破棄する(ステップS315)。カメラ制御部170は、ステップS315の処理の終了後に、初期通信シーケンスを開始する(ステップS316)。
【0129】
カメラ制御部170は、アクセサリー設定状態情報に初期化要求が含まれていないとステップS314で判定した場合(ステップS314;No)に、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報に、プロファイル更新要求情報が含まれているか否かを判定する(ステップS317)。このプロファイル更新要求情報は、カメラ制御部170が初期通信シーケンスで取得した照明発光機能の特性情報のうちプロファイル情報を更新することをアクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
【0130】
カメラ制御部170は、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報にプロファイル更新要求情報が含まれているとステップS317で判定した場合(ステップS317;Yes)に、プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC13を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS318)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC13を受信して(ステップS319)、プロファイル情報を送信する(ステップS320)。カメラ制御部170は、プロファイル情報を受信して(ステップS321)、ステップS321の処理前に保持していたプロファイル情報を、ステップS321で受信した照明発光機能の特性情報へ更新する。
【0131】
カメラ制御部170は、ステップS321の処理の終了後、又はアクセサリー設定状態情報にプロファイル更新要求情報が含まれていないとステップS317で判定した場合(ステップS317;No)に、ステップS313で受信したアクセサリー設定状態情報に、照明プロファイル更新要求情報が含まれているか否かを判定する(ステップS322)。プロファイル更新要求情報は、カメラ制御部170が初期通信シーケンスで取得した照明プロファイル情報を更新することをアクセサリー制御部440が要求していることを示す情報である。
【0132】
カメラ制御部170は、ステップS313でアクセサリー設定状態情報に照明プロファイル更新要求情報が含まれているとステップS322で判定した場合(ステップS322;Yes)に、照明プロファイル情報の送信を要求する送信要求コマンドC14を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS323)。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドC14を受信して(ステップS324)、照明プロファイル情報を送信する(ステップS325)。カメラ制御部170は、照明プロファイル情報を受信して(ステップS326)、ステップS321の処理前に保持していた照明プロファイル情報を、ステップS321で受信した閃光発光機能の特性情報へ更新する。
【0133】
定常通信シーケンスは、カメラ制御部170が照明プロファイル情報の受信を終了した後、又はカメラ制御部170がアクセサリー設定状態情報に閃光発光機能に関する更新要求情報が含まれていないとステップS322で判定した場合(ステップS322;No)に、終了される。
【0134】
以上のように、記憶部444は、カメラ制御部170からの要求情報に応じて応答する複数の応答情報を予め記憶する。例えば、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から送られて来た要求情報(ステップS311参照)に応じて、記憶部444に記憶された複数の応答情報を予め設定される順にカメラ制御部170に送る(ステップS312)。これにより、カメラシステム1は、例えば要求情報と応答情報が整合しないことによる通信の失敗等の発生が抑制されるので、利便性が高いシステムである。
【0135】
図9は、図7のステップS311Aにおける充電要求情報の生成の手順を示す図である。まず、アクセサリー制御部440は、電源端子(Ts11またはTs12)と設置端子(Ts1またはTs2)間の端子間電圧を電圧検出部441から取得する(ステップS501)。次に、アクセサリー制御部440は、検出した電圧が第2の閾値電圧以上か否か判定する(ステップS502)。検出した電圧が第2の閾値電圧以上の場合(ステップS502;Yes)、アクセサリー制御部440は、外部電源510からカメラ10に給電されていると判定し、充電部432に充電処理を実行させる(ステップS503)。
【0136】
一方、検出した電圧が第2の閾値電圧未満の場合(ステップS502;No)、アクセサリー制御部440は、検出した電圧が第1の閾値電圧以上か否か判定する(ステップS504)。検出した電圧が第1の閾値電圧以上である場合(ステップS504;Yes)、アクセサリー制御部440は、充電を要求する旨の充電要求情報を生成し、図7のステップS312の処理へ進む。この場合、アクセサリー制御部440は、蓄電部の電圧に応じて充電方法を変更する。詳細は後述する。
一方、検出した電圧が第1の閾値電圧未満である場合(ステップS504;No)、アクセサリー制御部440は、給電停止を要求する旨の充電要求情報を生成するか、充電の速度を落として充電を要求する旨の充電要求情報を生成し(ステップS506)、図7のステップS312の処理へ進む。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
【0137】
以上、第1の実施形態のアクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧が、第1の閾値以上で第2の閾値電圧未満の場合、充電を要求する旨の充電要求情報を生成し、生成した充電要求情報をカメラ制御部170へ送信する。
【0138】
より詳細には、アクセサリー制御部440は、電源端子(Ts11またはTs12)と接地端子(Ts1またはTs2)との端子間電圧が第1の閾値電圧以上第2の閾値未満の場合、電池BATの電圧が高くカメラ10が負荷の軽い動作を行っているとみなせるので、カメラ10に対して充電要求をする。これにより、アクセサリー制御部440は、カメラ10が負荷の軽い動作を行っているときに、カメラ10から給電を受けるので、電池BATの電圧降下に起因したカメラ10への影響を低減することができる。その結果、アクセサリー制御部440は、カメラ10の電池BATの電圧降下に起因してカメラ10が異常状態(例えば、カメラ10の電源が落ちた状態)になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
ここで、異常状態とは、カメラ10が正常な処理をできない状態のことであり、例えば、カメラ10の電源が落ちた状態またはカメラ10が異常な動作をすること(例えば、光学系210に含まれるレンズの移動中にレンズの移動が停止すること)である。
【0139】
また、アクセサリー制御部440は、電源端子(Ts11またはTs12)と接地端子(Ts1また2)との端子間電圧が第1の閾値電圧未満の場合、電池BATの電圧が低くカメラ10が負荷の重い動作を行っているとみなせるので、カメラ10に対して充電要求をしない。これにより、アクセサリー制御部440は、カメラ10が負荷の重い動作を行っているときに、カメラ10から給電を受けないようにするので、電池BATの電圧降下が生じない。その結果、アクセサリー制御部440は、カメラ10の電池BATの電圧降下に起因して異常状態になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。ここで、負荷の重い動作とは、たとえばAF(Auto Focus)などである。
【0140】
また、アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧が第2の閾値電圧以上の場合、外部電源510からカメラ10に給電されていると判定する。そして、アクセサリー制御部440は、カメラ10に対して充電要求することなく、充電部432による充電処理を実行させる。
これにより、外部電源510の出力電圧が電池BATよりも高いので、外部電源510からカメラ10に給電されている場合に、外部電源510の電圧降下が生じても、外部電源510は、カメラ10が正常な処理を継続するのに十分な出力電圧を維持することができる。
その結果、アクセサリー制御部440は、カメラ10が異常状態になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0141】
また、アクセサリー制御部440は、カメラ10に対して充電要求しないことで、カメラ10は充電要求に応じた充電制御指示情報を生成する処理をしなくて済むので、カメラ10の処理負荷を軽減することができる。
更に、アクセサリー制御部440は、すぐに充電部432による充電処理を開始させることで、電圧検出部441が検出した電圧の取得から充電開始までにかかる時間を、カメラ10に対して充電要求する場合よりも短縮できる。その結果、アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧の取得から、蓄電部の電圧が発光許可レベルに到達するまでの時間を、カメラ10に対して充電要求する場合よりも短縮することができる。よって、アクセサリー制御部440は、閃光発光部430を発光状態にして、カメラ10が撮影することができるようになるまでの時間を充電要求する場合よりも短縮することができるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0142】
このように、外部電源510からの給電の有無、電池BATの残量、またはカメラ10の負荷の大小という電源部500の状態に応じて、アクセサリー制御部440は、充電部432による充電処理を制御することができる。
【0143】
次に、閃光発光機能において機能させる閃光発光部430に対する充電制御について説明する。
【0144】
図10は、閃光発光機能において機能させる閃光発光部430に対する充電制御の処理の手順を示す図である。カメラシステム1は、充電制御を開始すると、初期通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行し(ステップS7)、次いで定常通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS8)。カメラシステム1は、ステップS8の処理を終了した後に、撮像処理(割込処理)を実行するか否かを判定する(ステップS9)。カメラシステム1は、撮像処理を実行するとステップS9でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS9;Yes)に、撮影シーケンスの各処理を実行する。
【0145】
第1の実施形態において、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮像処理、AF制御、AE制御、AWE制御等を含む撮影処理を行う。また、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮影処理とともに撮影シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS10)。カメラシステム1は、撮影シーケンスにおける撮影処理と充電制御の各処理とが終了した後、又は撮像処理を実行しないとステップS9でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS9;No)に、ステップS8に戻って定常通信シーケンスにおける充電制御を再度行う。
【0146】
上記のように、定常通信シーケンスは、撮像処理を行わない期間において一定の周期(例えば200ms)で繰り返し行われる。また、撮影シーケンスに続く定常通信シーケンスは、撮影シーケンスの直前に行った定常通信シーケンスから、撮影シーケンスの処理を行う期間の長さに応じた時間が経過した後に行われる。すなわち、定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われる。
【0147】
各定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報を含んだ充電状態情報を、カメラ制御部170に送信する。定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われるので、アクセサリー制御部440は、充電状態情報を、一定又は不定の周期で繰り返しカメラ制御部170に送ることになる。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した充電状態情報に基づいて、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる。
【0148】
ところで、撮像シーケンスを開始する場合に定常通信シーケンスが休止されるので、アクセサリー制御部440は、カメラ10が撮影処理を行う状態にある期間において、充電状態情報をカメラ制御部170に送信しないことになる。撮像シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信しなくとも、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる指令を、アクセサリー制御部440に送る。
【0149】
以上のように、カメラシステム1において、閃光発光部430に対する充電制御は、各シーケンスに対応して行われる。以下、閃光発光部430に対する充電制御のうち、各シーケンスにおける処理を、シーケンスごとに説明する。
【0150】
まず、閃光発光部430に対する充電制御のうち、初期通信シーケンスにおける充電制御について説明する。第1の実施形態のアクセサリー400は、アクセサリー400の消費電力を供給する電源(電池)が搭載されていない。また、アクセサリー400の充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中を除くと蓄積部に蓄積されている蓄電量(充電量)を検出することができない。すなわち、第1の実施形態のアクセサリー400は、初期通信シーケンスが開始される時点における充電部432の充電量を示す情報を保持していない。そこで、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスにおいて、設定情報としてアクセサリー400側(充電部432)におけるモニタ充電動作を許可することを示すモニタ充電情報を含んだカメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信し、アクセサリー制御部440にモニタ充電を行わせる。モニタ充電情報は、カメラ制御部170がアクセサリー制御部440に対して、モニタ充電動作を許可するか否かを示す情報である。モニタ充電情報は、モニタ充電の「許可」及び「禁止」を“0(ゼロ)”及び“1”で表すモニタ充電許可フラグデータである。モニタ充電情報は、記憶部158に予め記憶される。以下、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理フローの一例を説明する。
【0151】
図11は、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、ステップS204Aの処理によって送信通知コマンドC20をアクセサリー制御部440に送信した後、記憶部158に記憶されたカメラ初期状態情報を読み出す。このカメラ初期状態情報は、上述したモニタ充電「許可」情報を含む。次に、カメラ制御部170は、ステップS204Aで読み出したカメラ初期状態情報を、ステップS204Cの処理によってアクセサリー制御部440に送信する。
【0152】
アクセサリー制御部440は、ステップS204Dの処理によってカメラ初期状態情報を受信すると、このカメラ初期状態情報を記憶部444に記憶させる。つまり、カメラボディ100から供給されたモニタ充電「許可」情報は、記憶部444に記憶される。アクセサリー制御部440は、モニタ充電「許可」情報に基づいて、充電部432の蓄積部を僅かに充電するモニタ充電処理を充電部432に開始させる(ステップS401)。充電部432は、モニタ充電処理によって充電部432に蓄積された蓄電量(モニタ充電量)を検出し、このモニタ充電量に基づいて現時点での蓄積部の充電電荷量を算出する。アクセサリー制御部440は、充電部432からこの充電電荷量を示す情報を取得する(ステップS402)。アクセサリー制御部440は、ステップS402において取得した蓄積電荷量を示す情報に基づいて、初期通信シーケンスに続く定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を生成し、生成した充電状態情報を記憶部444に記憶させる。初期通信シーケンスにおける充電制御は、アクセサリー制御部440が充電状態情報を記憶部444に記憶させた後に、終了される。
【0153】
以上のように、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170との周期的な通信(定常通信シーケンス)を開始する前に、モニタ充電量を示す情報を取得する。また、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスにおいて、充電要求をカメラ制御部170に送ることなくモニタ充電を充電部432に行わせることができる。これにより、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスに続く初回の定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を、初期通信シーケンスにおいて準備することができる。結果として、カメラ制御部170は、初回の定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信し、受信した充電状態情報に基づいて充電制御を開始することができる。これにより、カメラシステム1は、カメラボディ100にアクセサリー400が装着されてから充電制御が開始されるまでの時間を短縮することができる。結果として、カメラシステム1は、閃光発光機能を機能させる撮影を行うことができるまでの時間を短縮することができ、利便性が高いシステムになる。
【0154】
次に、閃光発光部430に対する充電制御のうち、定常通信シーケンスにおける充電制御について説明する。
【0155】
第1の実施形態のカメラシステム1は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第1の処理として、充電部432の充電状態を示す複数の項目について、撮影処理に対する影響が大きい順に判定する。第1の処理において、カメラ制御部170は、今回の定常通信シーケンスにおいてアクセサリー制御部440から受信したアクセサリー設定状態情報に含まれている充電状態情報に基づいて、充電部432の充電状態を判定する。アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報をカメラ制御部170に送る。なお充電状態情報には、既述したように、充電要求があるか否かを示す充電要求情報、充電部432が充電中であるか否かを示す充電経過情報、充電部432が充電可能であるか否かを示す充電可否情報、及び閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)であるか否かを示す発光可否情報が含まれる。
【0156】
また、第1の実施形態のカメラシステム1は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第2の処理として、閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)になっていない場合に、カメラシステム1において行われる複数の処理のうち充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理を優先させて行う。
【0157】
例えば、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でない場合に、AF制御やパワーズーム制御等のカメラ10側の動作を中断(動作禁止状態に設定)し、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理をAF制御やパワーズーム制御よりも優先させる。カメラ制御部170は、動作禁止状態に設定した場合に、予め設定された第1充電速度で、充電部432に充電(通常充電)を行わせる。また、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態である場合に、第1充電速度よりも遅い第2充電速度で、充電部432に充電(スロー充電)を行わせ、また動作禁止状態を解除する。
【0158】
図12は、定常通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。図20に示す処理のうち、ステップS313の処理は、定常通信シーケンス(図15参照)において説明した処理と同様の処理である。ステップS313において、カメラ制御部170は、充電状態情報を含んだアクセサリー設定状態情報を受信する。カメラ制御部170は、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの既述した充電可否情報に基づいて、充電部432が充電可能であるか否かを判定する(ステップS430)。カメラ制御部170がステップS430において、充電部432が充電不可である、と判定した場合(ステップS430;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は、終了する。
【0159】
カメラ制御部170は、充電部432が充電可能であるとステップS430で判定した場合(ステップS430;Yes)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、モニタ充電要求があるか否かを判定する(ステップS431)。カメラ制御部170は、モニタ充電要求があるとステップS431で判定した場合(ステップS431;Yes)に、アクセサリー制御部440にモニタ充電の開始を要求する指令(モニタ充電指令)をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS432)。この定常通信シーケンスにおける充電制御は、ステップS432の処理が終了した後に終了される。
【0160】
カメラ制御部170は、モニタ充電要求がないとステップS431で判定した場合(ステップS431;No)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、本充電要求があるか否かを判定する(ステップS433)。カメラ制御部170は、本充電要求があるとステップS433で判定した場合(ステップS433;Yes)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS434)。
【0161】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態ではないとステップS434で判定した場合(ステップS434;No)に、負荷部30の一部の動作を制限(禁止)する動作禁止状態に設定する(ステップS435)。第1の実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS435で負荷部30のうち重負荷部の少なくとも一部の動作を制限する。第1の実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS435で光学系駆動部220の動作を制限(禁止)する。
【0162】
カメラ制御部170は、ステップS435の処理の終了後に、通常充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に指令する通常充電指令を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS436)。通常充電指令は、予め設定された第1充電速度の本充電を行うことを要求する指令である。ステップS436の処理が終了した後、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0163】
ところで、充電部432が蓄積部(電荷蓄積部)を充電するのに必要とされる時間は、AF制御を開始してから合焦するまでに要する時間よりも長い。第1の実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光部430が発光不能である(レディ状態に無い)場合に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電の方を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。これにより、カメラ制御部170は、閃光発光を伴う本撮影を行うためにレリーズ釦16が全押し操作されてから、実際に閃光発光を伴う撮影が可能になるまでに要する時間を短縮できる。
【0164】
一例として、閃光発光部430の発光を必要とする撮影状況において、AF制御を完了させて被写体にピントを合わせてから蓄積部の充電を開始すると、充電している間に被写体が動く等してシャッターチャンスを逃してしまう虞がある。第1の実施形態では、このような状況下において、AF制御等のカメラ10側の動作を禁止し、充電部432の蓄積部の充電を優先するので、シャッターチャンスを逃さずに撮影を行うことができる。
【0165】
なお、第1の実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光機能を機能させた撮影処理の直後にもステップS435と同様に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。
【0166】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS434で判定した場合(ステップS434;Yes)に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS437)。カメラ制御部170は、負荷部30の動作禁止状態を解除した後に、スロー充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に対して指令するスロー充電指令を、アクセサリー制御部440に対して送信する(ステップS438)。スロー充電指令は、本充電を第1充電速度よりも遅い第2充電速度で行うことを要求する指令である。第1の実施形態において、第2充電速度は、予め設定された固定値(例えば、第1充電速度のほぼ半分)である。アクセサリー制御部440は、第2充電速度に指定して、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)を充電させる。ステップS438の処理が終了した後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0167】
カメラ制御部170は、本充電要求がないとステップS433で判定した場合(ステップS433;No)に、ステップS313において取得した充電状態情報のうちの充電経過情報に基づいて、充電部432が充電中であるか否かを判定する(ステップS439)。充電部432が充電中でないとカメラ制御部170がステップS439で判定した場合(ステップS439;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0168】
カメラ制御部170は、充電部432が充電中であるとステップS439で判定した場合(ステップS439;Yes)に、S313において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS440)。閃光発光部430がレディ状態ではないとカメラ制御部170がステップS440で判定した場合(ステップS440;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0169】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS440で判定した場合(ステップS440;Yes)に、ステップS437と同様にスロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS441)。カメラ制御部170は、スロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信した後に、ステップS438と同様に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS442)。ステップS442の処理の終了後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0170】
以上のように、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第1の処理として、充電状態情報に基づいて、予め定められた優先度順に従って充電部432の充電状態を判定する。例えば、カメラ制御部170は、充電状態を示す項目のうち、充電部432が充電可能な状態にあるか否かを最初に判定する(ステップS431参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432が充電可能な状態にあるか否かを判定した後に、充電部432に充電させるための充電要求があるか否かを判定する(ステップS431、ステップS433参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432に充電させるための充電要求があるか否かを判定した後に、充電部432が充電中にあるか否かを判定する(ステップS439参照)。また、カメラ制御部170は、充電部432が充電中にあるか否かを判定した後に、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)の充電量予め定められた所定の充電量に達している状態(レディ状態)にあるか否かする(ステップS434参照)。充電状態を示す複数の項目の優先度順は、例えば、カメラ10の撮影処理に対する影響が大きくなる項目であるほど先に判定されるように、設定される。このように、カメラシステム1は、予め定められた優先度順に従ってアクセサリー400の充電状態を判定するので効率よく充電制御を行うことができ、利便性が高いシステムである。
【0171】
また、カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおける充電制御の第2の処理として、充電状態情報に基づいて、制御対象を制御する処理のうちアクセサリー400において行われる充電処理についての優先度を制御する。例えば、カメラ制御部170は、充電部432の充電量が予め定められる閾値未満(発光許可レベル未満)である場合に、光学系210の駆動を制限(ステップS435参照)するように制御する。すなわち、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でない場合に、重負荷部(例えば、光学系駆動部220)が行う処理よりも充電処理が優先して行われるように制御する。第1の実施形態のカメラシステム1は、上述の如く、閃光発光部430の発光を必要とする撮影状況においてもシャッターチャンスを逃さないので、利便性の高いシステムである。
【0172】
続いて、一例として、充電状態について、カメラ10の負荷と閃光発光部430の発光可否との関係を図13を用いて説明する。図13は、充電状態について、電圧検出部441が検出した電圧及び蓄電部の電圧との関係の一例を示す図である。同図において、電圧検出部441が検出した電圧が第1の閾値電圧未満で、かつ充電部432の蓄電部の電圧が発光許可レベル以上の場合、充電状態は通常充電より充電速度が遅いスロー充電または充電停止であることが示されている。
ここで、電圧検出部441が検出した電圧が第1の閾値電圧未満の場合にはカメラ10が負荷の重い動作を行っている場合か電池BATの残量がわずかである場合が推定される。また、蓄電部の電圧が発光許可レベル以上の場合には閃光発光部430が発光可能である。すなわち、上記のいずれの場合においても、かつ閃光発光部430が発光可能であるので、充電部432により充電処理を急ぐ必要がないので、充電状態は第2の充電状態(スロー充電)または充電停止に設定されている。
【0173】
同図において、電圧検出部441が検出した電圧が第1の閾値電圧未満で、かつ充電部432の蓄電部の電圧が発光許可レベル未満の場合、充電状態は通常充電、スロー充電又は充電停止であることが示されている。なお、蓄電部の電圧が発光許可レベル未満の場合には閃光発光部430が発光不可であるので、上記の場合は、カメラ10の負荷が重く、かつ閃光発光部430が発光不可であることを意味する。
ここで、カメラ10の負荷は主に光学系駆動部220における処理であるので、一例として、カメラ10の周囲の照度が低い場合には、光学系210の焦点が合ったとしても閃光発光部430が発光可能でなければカメラ10は撮影を開始することできない。そのため、カメラ10の周囲の照度が低い場合には、カメラ10の光学系駆動部220における処理よりもアクセサリー400内の充電部432への充電を優先するように、一例として充電状態は通常充電に設定されている。
一方、カメラ10の周囲の照度が高く、閃光発光部430の発光が必要ない場合には、充電を優先する必要がないので、電圧検出部441が検出した電圧が第1の閾値電圧未満で、かつ充電部432の蓄電部の電圧が発光許可レベル未満の場合に、一例として充電状態がスロー充電に設定されている。
さらに、電池BATの残量がわずかな場合、充電することで、カメラ10が異常状態となりうる場合は、充電を停止する。
【0174】
上記の設定は、一例であり、撮影モード毎に、上記関係が異なるものであってもよい。また、選択された撮影モードに応じた関係が記憶部444に予め記憶されていてもよい。その場合、アクセサリー制御部440は、記憶部444を参照して、電圧検出部441が検出した電圧及び蓄電部の電圧に対応する充電状態を読み出すことにより、充電状態を決定すればよい。
【0175】
同図において、電圧検出部441が検出した電圧が第1の閾値電圧以上第2の閾値電圧未満で、かつ充電部432の蓄電部の電圧が発光許可レベル以上の場合、充電状態はスロー充電または充電停止であることが示されている。
この場合、カメラ10が負荷の軽い動作を行っている状態、かつ閃光発光部430が発光可能であることを意味する。閃光発光部430が発光可能であり、充電部432により充電処理を急ぐ必要がないので、充電状態はスロー充電または充電停止に設定されている。
【0176】
同図において、電圧検出部441が検出した電圧が第1の閾値電圧以上第2の閾値電圧未満で、かつ充電部432の蓄電部の電圧が発光許可レベル未満の場合、充電状態は通常充電であることが示されている。
この場合、カメラ10が負荷の軽い動作を行っている状態、かつ閃光発光部430が発光不可状態であることを意味する。ここで、閃光発光部430が発光不可状態であることから、充電を急ぐ必要があるが、カメラ10の負荷が軽いので、通常充電をしてもカメラ10の電池BATの電圧降下に起因してカメラ10が異常状態になることがない。よって、充電状態は通常充電に設定されている。
【0177】
アクセサリー制御部440は、電圧検出部441が検出した電圧と、充電部432の蓄電部の電圧とに基づいて、充電部432の充電速度を切り替えてもよい。
具体的には、例えば、アクセサリー制御部440は、図13に示された関係に基づいて、充電部432の充電速度を切り替えてもよい。これにより、アクセサリー制御部440は、カメラ10の電池BATの電圧降下に起因してカメラ10が異常状態(例えば、カメラ10の電源が落ちた状態)になるのを防ぎつつ、なるべく早く蓄電部を充電することができる。
【0178】
以上、第1の実施形態におけるアクセサリー制御部440は、電源部500の状態に応じて、充電部432による充電処理を制御する。具体的には、アクセサリー制御部440は、電源部500の給電状態に応じて、充電部432による充電処理を制御する。
【0179】
例えば、アクセサリー制御部440は、電池BATの出力電圧または出力電流に基づいて、充電部432による充電処理を制御する。電池BATの出力電圧が予め決められた電圧より低い場合には、カメラ10の負荷が高いと推定される。そのため、アクセサリー制御部440は、電池BATの出力電圧が予め決められた第1の閾値電圧より低く、かつ蓄電部の電圧が発光許可レベル以上の場合には、充電部432による充電処理をスロー充電または充電停止にする。
これにより、アクセサリー制御部440は、カメラ10の負荷に応じて、充電部432による充電処理を制御することができ、カメラ10の電池BATの急激な電圧降下の発生を低減することができる。その結果、アクセサリー制御部440は、カメラ10による撮影を継続させることができるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0180】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態におけるカメラシステム1bについて説明する。図14は、第2の実施形態のアクセサリー400bの構成を示す図である。
カメラシステム1bは、第1の実施形態のカメラシステム1に比べて、アクセサリー400がアクセサリー400bに変更されたものになっている。
【0181】
アクセサリー400bは、第1の実施形態のアクセサリー400に比べて、電池保持部442が追加され、アクセサリー制御部440がアクセサリー制御部440bに変更されたものになっている。ここで、電源部500は、外部電源510と電池BATとに加えて、更に電池保持部442と電池443とを備える。すなわち、第2の実施形態のアクセサリー400bは、第1の実施形態のアクセサリー400とは異なり、電池を内蔵できるものとする。
電池保持部442は、電池443(例えば、一次電池またはリチウム電池のような二次電池)が着脱可能となっている。すなわち、電池443は、アクセサリー400と着脱可能になっている。電池保持部442は、電池443が装着されている場合、その電池443の電力を充電部432へ供給する。
なお、電池443は、充電可能な電池(例えば、リチウム電池のような二次電池)であり、アクセサリー400bと着脱可能でなくアクセサリー400bに固定されていてもよい。その場合、電池保持部442は、アクセサリー400b外部の電源から電力の供給を受け、供給された電力でその充電可能な電池443を充電すればよい。
【0182】
アクセサリー制御部440bは、第1の実施形態のアクセサリー制御部440と同様の機能を有するが、以下の機能が追加されたものになっている。
アクセサリー制御部440bは、電池443の残量に応じて、充電部432による充電処理を制御する。具体的には、例えば、アクセサリー制御部440bは、電池443がアクセサリー400bの電池保持部442に装着されている場合、かつ電池443の残量がある場合、電池443の電力によって充電部432による充電処理を制御する。
【0183】
また、アクセサリー制御部440bは、電池443の出力電圧などに基づいて、電池443から供給される電力によって充電部432に充電処理を行わせるか否か判定する。具体的には、例えば、アクセサリー制御部440bは、電池443の出力電圧が予め決められた第3の閾値電圧以上である場合、電池443から供給される電力によって充電部432に充電処理を行わせると判定する。そして、アクセサリー制御部440bは、実際に、電池443から供給される電力によって充電部432に充電処理を行わせる。
【0184】
一方、アクセサリー制御部440bは、電池443の出力電圧が予め決められた第3の閾値電圧未満である場合、電池443から供給される電力によって充電部432に充電処理を行わせないと判定する。その場合、アクセサリー制御部440bは、カメラ10の電源部500から供給されるように、充電要求を示す充電要求情報をカメラ10に送信し、カメラ10から供給された電力によって充電部432に充電処理を行わせる。また、出力電圧が第3の閾値電圧未満であるが、電池443の残量が予め決められた量以上ある場合、電池443とカメラ10からの充電を同時に行うようにしてもよい。これにより、アクセサリー制御部440bは、電池443の残量があるときには電池443から供給される電力で充電部432に充電処理を実行させ、電池443の残量がないときはカメラ10の電源部500から供給される電力で充電部432に充電処理を実行させ、電池443の残量がわずかに残っている場合は電池443とカメラ10の電源部500から供給される電力を併用させて充電部432に充電処理を実行させる。
【0185】
なお、外部電源510がカメラ10に接続されているときには、アクセサリー制御部440bは、外部電源510からの給電に基づいて充電部432による充電処理を行わせてもよい。これにより、外部電源510の出力電圧が電池BATよりも高いので、外部電源510からカメラ10に給電されている場合に、外部電源510の電圧降下が生じても、外部電源は、カメラ10が正常な処理を継続するのに十分な出力電圧を維持することができる。その結果、アクセサリー制御部440bは、カメラ10が異常状態になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0186】
以上、第2の実施形態のアクセサリー制御部440bは、電池443の出力電圧などに基づいて、電池443からの給電に基づく充電部432による充電処理を行わせるか否か判定する。そして、充電部432による充電処理を行わせると判定した場合、アクセサリー制御部440bは、電池443からの給電に基づく充電部432による充電処理を行わせる。充電部432による充電処理を行わせないと判定した場合、アクセサリー制御部440bは、カメラ10の電池BATからの給電に基づく充電部432による充電処理を行わせる。
【0187】
これにより、アクセサリー制御部440bは、電池443の電池残量があるときには、電池443から給電を受けることにより、カメラ10から給電を受けることがなく、カメラ10の電池BATの電圧に影響を与えないので、カメラ10は正常な処理を継続することができる。その結果、カメラ10は正常に撮影することができるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。また、アクセサリー制御部440bは、カメラ10の電池BATの消耗を抑えることができるので、本実施形態のカメラ10の可動時間を、第1の実施形態のカメラシステム1bにおけるカメラ10の可動時間よりも長くすることができるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0188】
また、アクセサリー制御部440bは、電池443の電池残量がないときには、カメラ10もしくは外部電源510から給電を受けることにより、充電部432による充電処理を継続することができる。
これにより、アクセサリー制御部440bは、電池443の電池残量がないときでも、蓄電部の電圧を発光許可レベルにすることができ、蓄電部の電圧が発光許可レベルに到達後には、カメラ10は閃光発光部430を発光させて撮影することができる。よって、アクセサリー制御部440bは、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0189】
なお、各実施形態のアクセサリー制御部(440、440b)は、外部電源から前記カメラに給電されたことに応じて、カメラ10から受信した制御信号に基づいて、カメラ10を介した外部電源510からの給電に基づく充電部432による充電処理を制御してもよい。制御信号は、例えば、完全に充電してもよい旨を示す制御信号である。
これにより、外部電源510の出力電圧が電池BATよりも高いので、外部電源510からカメラ10に給電されている場合に、外部電源510の電圧降下が生じても、外部電源510は、カメラ10が正常な処理を継続するのに十分な出力電圧を維持することができる。
その結果、アクセサリー制御部(440、440b)は、カメラ10が異常状態になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0190】
また、各実施形態のアクセサリー制御部(440、440b)は、電源部500の状態に基づいて、充電部432が実行する充電処理における充電速度を制御してもよい。
具体的には、例えば、アクセサリー制御部(440、440b)は、電源部500の状態に基づいて、充電部432による、第1の充電処理(通常充電)に対応する第1の充電速度と、第1の充電速度よりも遅い充電速度である、第2の充電処理(スロー充電)に対応する第2の充電速度とのうちいずれかを選択してもよい。
【0191】
例えば、アクセサリー制御部(440、440b)は、電池BATの出力電圧が予め決められた第1の閾値電圧より低い場合には、充電部432による、第2の充電処理(スロー充電)に対応する第2の充電速度を選択する、もしくは電池BATからの給電を停止するよう制御する。これにより、アクセサリー制御部(440、440b)は、カメラ10の負荷が重いときに、カメラ10の電池BATからの給電を軽減または停止するので、電池BATの急激な電圧降下の発生を低減することができる。その結果、アクセサリー制御部(440、440b)は、カメラ10の電池BATの急激な電圧降下に起因して異常状態になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0192】
また、各実施形態のアクセサリー制御部(440、440b)は、充電部432の第1の充電処理が完了したことを充電部432から検出した場合、電源部500(例えば、電池BAT)の状態に基づいて、カメラ10から供給される電力による充電部432の第2の充電処理を制御してもよい。
具体的には、例えば、アクセサリー制御部(440、440b)は、充電部432の通常充電処理が完了したことを充電部432から検出した場合、電池BATの出力電圧が予め決められた第1の閾値電圧未満の場合、カメラ10の電池BATからの給電に基づいて充電部432の第2の充電処理(スロー充電)を実行させるようにしてもよい。
【0193】
これにより、アクセサリー制御部(440、440b)は、蓄電部の電圧が発光許可レベル以上の場合、かつカメラ10の負荷が重い場合、カメラ10の電池BATからの給電を軽減するので、電池BATの急激な電圧降下の発生を低減させる。その結果、アクセサリー制御部(440、440b)は、カメラ10の電池BATの急激な電圧降下に起因して異常状態になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0194】
また、各実施形態のアクセサリー制御部(440、440b)は、充電部432による充電が完了したことを充電部432から検出すると、電源部500(例えば、電池BAT)の状態とは無関係に、第2の充電処理を開始させてもよい。
また、各実施形態のアクセサリー制御部(440、440b)は充電部432による充電が完了したことを充電部432から検出すると、電源部500(例えば、電池BAT)の状態とは無関係に充電部432による充電処理を停止させてもよい。
【0195】
これにより、アクセサリー制御部(440、440b)は充電部432の通常充電処理が完了した場合に、電源部500(例えば、電池BAT)の状態とは無関係に通常充電処理からスロー充電処理に切り替えたり、充電処理を停止させたりすることができる。
その結果、閃光発光部430が発光できる充電量を確保しつつ、電源部500(例えば、電池BAT)の急激な電圧降下の発生を低減させることができる。よって、アクセサリー制御部(440、440b)は、電源部500(例えば、電池BAT)の急激な電圧降下に起因してカメラ10またはアクセサリー(400、400b)が異常状態になるのを防ぐことができ、カメラ10による撮影を継続できるので、カメラ10の利便性を向上させることができる。
【0196】
また、各実施形態のカメラ制御部170又はアクセサリー制御部(440、440b)の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、カメラ制御部170又はアクセサリー制御部(440、440b)に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
【0197】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリー、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0198】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリー(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0199】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0200】
BAT・・・電池、10・・・カメラ、25・・・端子部、400・・・アクセサリー、423・・・端子部、432・・充電部、440・・・アクセサリー制御部、441・・・電圧検出部、500・・・電源部、510・・・外部電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラに対して着脱可能なアクセサリーであって、
電荷を蓄積する蓄電部と、
前記カメラの電源部から給電を受けるとともに、前記給電に基づいて前記蓄電部に対する充電処理を行う充電部と、
前記電源部の状態に応じて、前記充電部による前記充電処理を制御するアクセサリー制御部と、
を備えることを特徴とするアクセサリー。
【請求項2】
前記カメラと電気的に接続されるアクセサリー端子部と、
前記アクセサリー端子部の電圧を検出する第1の電圧検出部と、
を更に備え、
前記充電部は、前記電源部からの給電として、前記アクセサリー端子部とを介して、給電を受け、
前記アクセサリー制御部は、前記第1の電圧検出部が検出した電圧に基づいて、前記充電部による前記充電処理を制御することを特徴とする請求項1に記載のアクセサリー。
【請求項3】
前記アクセサリー制御部は、前記第1の電圧検出部が検出した電圧が予め決められた閾値電圧以上である場合、前記充電部に充電させることを特徴とする請求項2に記載のアクセサリー。
【請求項4】
前記充電部は、前記電源部からの給電として、自アクセサリーと着脱可能もしくは充電可能な電池から給電を受け、
前記アクセサリー制御部は、前記電池の状態に応じて、前記充電部による前記充電処理を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアクセサリー。
【請求項5】
前記アクセサリー制御部は、前記電池が自アクセサリーに装着されているか否かに応じて、前記電池からの給電に基づく前記充電部による前記充電処理を制御することを特徴とする請求項4に記載のアクセサリー。
【請求項6】
前記アクセサリー制御部は、前記電池の出力電圧に基づいて、前記電池からの給電を用いて前記充電部に前記充電処理を行わせるか否か判定することを特徴とする請求項4または5に記載のアクセサリー。
【請求項7】
前記充電部は、前記電源部からの給電として、前記カメラを介して、前記カメラに給電可能な外部電源から給電を受け、
前記アクセサリー制御部は、前記外部電源から前記カメラに給電されている場合、前記カメラを介した前記外部電源からの給電に基づいて前記充電部による前記充電処理を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のアクセサリー。
【請求項8】
前記アクセサリー制御部は、前記外部電源から前記カメラに給電されたことに応じて前記カメラから受信した制御信号に基づいて、前記カメラを介した前記外部電源からの給電に基づく前記充電部による前記充電処理を制御することを特徴とする請求項7に記載のアクセサリー。
【請求項9】
前記アクセサリー端子部の電圧を検出する第2の電圧検出部を備え、
前記アクセサリー制御部は、前記第2の電圧検出部が検出した電圧に基づいて、外部電源から前記カメラに給電されているか否かを判定し、前記外部電源から前記カメラに給電されている場合、前記カメラを介した前記外部電源からの給電に基づいて前記充電部による前記充電処理を制御することを特徴とする請求項2または3に記載のアクセサリー。
【請求項10】
前記アクセサリー制御部は、前記電源部の状態に基づいて、前記充電部が実行する充電処理における充電速度を制御することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のアクセサリー。
【請求項11】
前記アクセサリー制御部は、前記電源部の状態に基づいて、前記充電部による、第1の充電処理に対応する第1の充電速度と、前記第1の充電速度よりも遅い充電速度である、第2の充電処理に対応する第2の充電速度とのうちいずれかを選択することを特徴とする請求項10に記載のアクセサリー。
【請求項12】
前記アクセサリー制御部は、前記充電部の前記第1の充電処理が完了したことを前記充電部から検出した場合、前記電源部の状態に基づいて、前記電源部からの給電に基づく前記充電部による前記第2の充電処理を制御することを特徴とする請求項11に記載のアクセサリー。
【請求項13】
前記アクセサリー制御部は、前記充電部による前記充電処理が完了したことを前記充電部から検出すると、前記電源部の状態とは無関係に、前記第2の充電処理を開始させることを特徴とする請求項11または12に記載のアクセサリー。
【請求項14】
前記アクセサリー制御部は、前記充電部による充電が完了したことを前記充電部から検出すると、前記電源部の状態とは無関係に前記充電部による前記充電処理を停止させることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のアクセサリー。
【請求項15】
前記アクセサリー制御部は、前記電源部の状態に応じて前記蓄電部への充電を要求する充電要求情報を前記カメラへ送信し、前記充電要求情報を送信したことに応じて、前記充電部に対する充電制御の指示を示す充電制御指示情報を前記カメラから受信し、前記受信した前記充電制御指示情報に基づいて、前記充電部による前記充電処理を制御することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のアクセサリー。
【請求項16】
前記アクセサリー制御部は、前記充電制御指示情報が前記充電部に対する充電開始の指示を示す場合は、前記充電部に対し、前記電源部からの給電に基づいて前記蓄電部の充電を開始させ、前記充電制御指示情報が前記充電部に対する充電停止の指示を示す場合は、前記充電部に対し、前記電源部からの給電に基づいて前記蓄電部の充電を停止させる、ことを特徴とする請求項15に記載のアクセサリー。
【請求項17】
電荷を蓄積する蓄電部と、カメラの電源部から給電を受けるとともに、前記給電に基づいて前記蓄電部に対する充電処理を行う充電部と、を備え、前記カメラに対して着脱可能なアクセサリーの動作を制御するアクセサリー制御方法であって、
前記電源部の状態に応じて、前記充電部による前記充電処理を制御する手順を有することを特徴とするアクセサリー制御方法。
【請求項18】
電荷を蓄積する蓄電部と、カメラの電源部から給電を受けるとともに、前記給電に基づいて前記蓄電部に対する充電処理を行う充電部と、を備え、前記カメラに対して着脱可能なアクセサリーの動作を制御するアクセサリー制御プログラムであって、コンピュータに、
前記電源部の状態に応じて、前記充電部による前記充電処理を制御するステップを実行させるためのアクセサリー制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−66069(P2013−66069A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203629(P2011−203629)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】