説明

アスファルト混合物製造装置における火災消火方法及び装置

【課題】 ドライヤや排気煙道内で発生する火災を迅速かつ効率良く消火可能なアスファルト混合物製造装置における火災消火方法及び装置を提供する。
【解決手段】
ドライヤ1にバーナ4からの火炎Fや燃焼ガスに向けて水Wを噴霧する水噴霧ノズル19を配設すると共に、排気煙道8には排ガス温度検出用センサー23を備える。そして、排ガス温度検出用センサー23にて検出した排ガス温度を消火用制御器2に取り込み、その検出値が予め設定した火災発生排ガス温度以上になると、ドライヤ1のバーナ4の燃焼量を低く抑える低燃焼状態に切り替えると共に、水噴霧ノズル19から適宜量の水Wを噴霧し、消火用の水蒸気Sを発生させて消火する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト混合物製造装置の骨材加熱装置であるドライヤや排気煙道などにおいて発生する火災を消火する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、道路工事によって掘り起こされたアスファルト舗装廃材(以下「廃材」という)には多くのアスファルト分が含まれており、この廃材を廃材再生用ドライヤにて加熱再生するとアスファルト分を含む微粒分がドラム内壁に付着堆積したり、また気化したミスト状のアスファルト分や廃材微粒分が下流の排気煙道などに付着し、ドライヤへの廃材供給停止時など排ガスが一時的に高温になるときにはこれらの付着したアスファルト分に引火して火災が発生することがある。また、新規骨材を新材加熱用ドライヤにて加熱乾燥する場合においても、ドライヤのバーナ着火ミスによって燃料未燃分がドラム内に噴霧され、次回バーナ点火時などに引火して火災が発生することがある。
【0003】
このような事態に対し、本出願人は先の特許出願において、廃材再生用ドライヤのドラム内部に水又は消火剤を噴霧する消火用ノズルを配設すると共に、ドライヤの下流側に排ガス温度検出用センサーを備え、該排ガス温度検出用センサーにより検出した排ガス温度が予め設定した火災発生排ガス温度以上になると火災発生と判断し、火災発生の警報に基づいて遠隔から手動又は自動操作により前記消火用ノズルから水又は消火剤を噴霧させて消火を行う廃材再生用ドライヤにおける火災消火方法及び装置を提案している(特許文献1)。
【0004】
上記発明にあっては、廃材再生用ドライヤの運転時にドライヤの下流に配設した排ガス温度センサーが予め設定した火災発生排ガス温度以上の排ガス温度を検出すると、ドライヤ内部で火災が発生したと判断して直ちにバーナの燃焼を停止し、警報を発してオペレータに火災発生を知らせる。そして、オペレータはその警報に基づいて消火制御器を遠隔操作したり、或いは自動的に消火制御器を作動させてドラム内部に臨ませた消火用ノズルより消火剤又は水を噴霧させ、ドラム内部に消火剤や水蒸気を充満させて燃焼用の酸素を追い出して消火を行うようにしている。
【特許文献1】特開平6−316905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、上記発明によれば、ドライヤのドラム内で発生する火災を遠隔より安全に、また迅速かつ容易に消火することができるのであるが、その一方で火災発生時には直ちにバーナの燃焼を停止するようにしているため、消火剤又は水がドラム内を濡らしていまい、その結果、ドライヤ出口に貯蔵ビンを設置している装置の場合には貯蔵ビン内の加熱廃材が濡れてしまって使用することができなくなったり、またドラム内だけに消火剤又は水を噴霧しても火災箇所がドライヤ下流の排気煙道などであれば消火できないという問題が予想される。
【0006】
本発明は上記の点に鑑み、ドライヤや排気煙道内で発生する火災を迅速かつ効率良く消火可能なアスファルト混合物製造装置における火災消火方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のアスファルト混合物製造装置における火災消火方法は、新規骨材やアスファルト舗装廃材を加熱装置であるドライヤに供給し、バーナから送り込む燃焼ガスと接触させて所定温度まで加熱するアスファルト混合物製造装置において、ドライヤまたは排気煙道内における火災発生時に、バーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替え、所定位置に配置した水噴霧ノズルより自動又は手動にて所定量の水を噴霧し、バーナの燃焼ガスによる加熱によって水蒸気を発生させて下流のドライヤまたは排気煙道内へと拡散させ、ドライヤまたは排気煙道内に存在する酸素と置換させて酸素濃度を低下させると共に、発火箇所に水蒸気を接触させて火災を消火するようにしたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載のアスファルト混合物製造装置における火災消火装置は、新規骨材やアスファルト舗装廃材を加熱装置であるドライヤに供給し、バーナから送り込む燃焼ガスと接触させて所定温度まで加熱するアスファルト混合物製造装置において、ドライヤまたは排気煙道内の所定位置に水を噴霧する水噴霧ノズルを配設すると共に、ドライヤ下流の排気煙道には排ガス温度検出用センサーを備え、該排ガス温度検出用センサーにて検出した排ガス温度が予め設定した火災発生排ガス温度以上になると、バーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替え、かつ前記水噴霧ノズルから所定量の水を噴霧させて消火用の水蒸気を発生させるように指令制御する消火用制御器を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る請求項1記載のアスファルト混合物製造装置における火災消火方法によれば、新規骨材やアスファルト舗装廃材を加熱装置であるドライヤに供給し、バーナから送り込む燃焼ガスと接触させて所定温度まで加熱するアスファルト混合物製造装置において、ドライヤまたは排気煙道内における火災発生時に、バーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替え、所定位置に配置した水噴霧ノズルより自動又は手動にて所定量の水を噴霧し、バーナの燃焼ガスによる加熱によって水蒸気を発生させて下流のドライヤまたは排気煙道内へと拡散させ、ドライヤまたは排気煙道内に存在する酸素と置換させて酸素濃度を低下させると共に、発火箇所に水蒸気を接触させて火災を消火するようにしたので、ドライヤや排気煙道内で発生した火災を迅速かつ効率良く消火することができる。
【0010】
また、本発明に係る請求項2記載のアスファルト混合物製造装置における火災消火装置によれば、新規骨材やアスファルト舗装廃材を加熱装置であるドライヤに供給し、バーナから送り込む燃焼ガスと接触させて所定温度まで加熱するアスファルト混合物製造装置において、ドライヤまたは排気煙道内の所定位置に水を噴霧する水噴霧ノズルを配設すると共に、ドライヤ下流の排気煙道には排ガス温度検出用センサーを備え、該排ガス温度検出用センサーにて検出した排ガス温度が予め設定した火災発生排ガス温度以上になると、バーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替え、かつ前記水噴霧ノズルから所定量の水を噴霧させて消火用の水蒸気を発生させるように指令制御する消火用制御器を備えたので、火災発生時には水蒸気がドライヤや排気煙道下流へと拡散していき、ドライヤや排気煙道内での火災を迅速かつ効率良く消火することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のアスファルト混合物製造装置における火災消火方法及び装置にあっては、ドライヤまたは排気煙道内の所定位置に水を噴霧する水噴霧ノズルを配設すると共に、ドライヤ下流の排気煙道には排ガス温度検出用センサーを備える。また、排ガス温度検出用センサーにて検出した排ガス温度が予め設定した火災発生排ガス温度以上になると、バーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替え、かつ前記水噴霧ノズルから所定量の水を噴霧させて消火用の水蒸気を発生させるように指令制御する消火用制御器を備える。
【0012】
そして、上記アスファルト混合物製造装置の運転中に、前記排ガス温度検出用センサーにて検出する排ガス温度が、予め設定した火災発生排ガス温度、例えば約250℃以上になれば、火災が発生したと判断して火災警報を出力するなどと共に、消火用制御器によってドライヤのバーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替えつつ、水噴霧ノズルから水を自動または手動にて噴霧する。噴霧された水は低燃焼状態ながらも燃焼を続けるバーナからの燃焼ガスに晒されて速やかに水蒸気化して下流へと拡散していく。そして、不活性ガスである水蒸気は排ガス温度を低下させると共に、ドライヤ内や排気煙道内の酸素と置換して酸素濃度を低下させ、更に発火箇所に接触して火災を迅速かつ効率良く消火する。
【0013】
このように、アスファルト混合物製造装置の運転中に火災が発生したときに、ドライヤのバーナの燃焼を完全に停止することなく、低燃焼状態に切り替え、その燃焼ガスによって水噴霧ノズルから噴霧する水を水蒸気化させて下流へと拡散させるので、排ガス温度を低下させると共に、その水蒸気及びバーナの燃焼ガスによってドライヤや排気煙道内の酸素濃度を低下させることができ、ドライヤや排気煙道などで発生する火災を迅速かつ効率良く消火することができる。また、噴霧した水を加熱して速やかに水蒸気化させるので、従来のようにドライヤ出口に貯蔵ビンを設けた装置においても貯蔵中の加熱廃材が濡れてしまって使用できなくなるという事態を避けることができる。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の一実施例を図1に基づいて説明する。
【0015】
図中の1はアスファルト混合物製造装置に設置される廃材加熱再生用のドライヤであって、内周壁に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム2を回転自在に傾斜支持し、駆動用モータ(図示せず)により所定の速度で回転駆動させている。そして、ドラム2の一端側にはホットホッパ3を配設しており、該ホットホッパ3側にはバーナ4を備えると共に、バーナ4の前方には火炎Fを形成する燃焼室5を備えている。6は加熱再生処理する廃材をドラム2内に供給する廃材供給シュートである。
【0016】
また、ドラム2の他端側には加熱した廃材を一時的に貯蔵する貯蔵ビン7を配設すると共に、該貯蔵ビン7の上端部にはドラム2内の排ガスを導出させる排気煙道8を連結しており、該排気煙道8の下流にはドラム2より導出する排ガスを吸引排気する排風機9と、排ガス中の飛散粉塵を捕捉するバグフィルタなどの集塵機10とを配設している。また、貯蔵ビン7の上端部には排気煙道8とは別に循環煙道11も連結しており、該循環煙道11の先端部を燃焼室5へ連結し、排風機12により排ガスの一部を燃焼室5へと導き、ドラム2内に導入する燃焼ガスの温度調整を行っている。
【0017】
13は炉本体14に脱臭用バーナ15を備えた脱臭炉であって、該脱臭炉13に排気煙道8を連結して排ガスを導入するようにしており、この導入した排ガスを800℃程度の燃焼ガスで1秒以上加熱し、排ガス中の臭気成分を燃焼させて脱臭処理するようにしている。そして、脱臭炉13の炉本体14には臭気成分を燃焼させた後の排ガスを導出する排ガス導出煙道16を配設しており、該排ガス導出煙道16の先端部には排ガスを大気中に放出する煙突17を配設している。
【0018】
18は脱臭炉13から排出する高温の排ガス熱を有効利用するための熱交換器であって、脱臭炉13から排出する高温排ガスと脱臭炉13に導入する排ガスととの間で熱交換させ、脱臭炉13に導入する排ガスの温度を高めることによって脱臭用バーナ15の燃焼量を極力抑えるように図っている。
【0019】
また、ドライヤ1の燃焼室5のバーナ4近傍には水噴霧ノズル19を配設していると共に、該水噴霧ノズル19は貯水タンク20と給水管21にて連結しており、給水管21の途中に介在させた給水ポンプ22の駆動によって、バーナ4からの火炎Fや燃焼ガスに向けて水Wを噴霧可能としている。また、排気煙道8には煙道内を流れる排ガス温度を逐次検出する排ガス温度検出用センサー23を配設すると共に、該排ガス温度検出用センサー23にて検出される排ガス温度に応じてバーナ4の燃焼量の調節と、前記水噴霧ノズル19の水噴霧量の調節とを指令制御する消火用制御器24を備えている。なお、前記排ガス温度検出用センサー23の取り付け場所は必ずしも図1に示す位置である必要はなく、火災発生を検出するに適した位置であれば良い。
【0020】
前記消火用制御器24には、排気煙道8内の排ガス温度検出用センサー23によって排ガス温度が例えば約250℃以上になったことを検出すれば、火災が発生したと判断するように、火災発生排ガス温度を予め設定しており、もし火災が発生したと判断されると、火災警報を出力してオペレータに注意を促す一方、廃材の供給を停止し、ドライヤ1のバーナ4の燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替えると共に、水噴霧ノズル19から水Wを噴霧させてバーナ4からの火炎Fや熱風に晒して消火用の水蒸気Sを発生させるようにしている。
【0021】
しかして、上記のアスファルト混合物製造装置の運転中に、例えば、排気煙道8内のA点で火災が発生し、排ガス温度が上昇して排ガス温度検出用センサー23にて検出される排ガス温度が、予め設定した火災発生排ガス温度である250℃以上になれば、消火用制御器24は火災が発生したと判断して直ちに火災警報を出力してオペレータに注意を促す一方、ドライヤ1のバーナ4の燃焼量を低く抑える低燃焼状態に切り替えると共に、水噴霧ノズル19から適宜量の水Wの噴霧を行うように指令制御する。
【0022】
このとき、水噴霧ノズル19から噴霧された水Wは、低燃焼状態ながらも燃焼を続けるバーナ4からの火炎Fや燃焼ガスに晒されて極めて速やかに水蒸気化すると共に、この水蒸気Sは排ガスの流れに伴ってドラム2内からその下流の排気煙道8にまで速やかに拡散する。そして、このように不活性ガスである水蒸気Sが排気煙道8まで行き渡ると、排気煙道8内の酸素と置換されて酸素濃度を低下させ、排気煙道8内のA点で発生した火災を迅速かつ効率良く消火させる。このとき、消火されたかどうかの判断を排ガス温度検出用センサー23において検出される排ガス温度の降下具合によって判断することもでき、その場合、排ガス温度が十分降下していなければ再度適宜量の水Wを噴霧させて水蒸気Sを発生させる。こうして、排ガス温度の降下が確認されるまで繰り返し水Wの噴霧を行って確実に消火させる。
【0023】
このように、アスファルト混合物製造装置の運転中に火災が発生したとしても、ドライヤ1のバーナ4の燃焼を完全に停止することなく、低燃焼状態に切り替えた上で燃焼を続けるようにしているため、水噴霧ノズル19から噴霧する水Wを極めて速やかに水蒸気化させることができると共に、この水蒸気Sをドラム2内だけでなくその下流の排気煙道8内などへも排ガスの流下に伴わせて極めて速やかに拡散させることができ、火災箇所を選ぶことなく、火災を迅速かつ効率良く消火することができる。また、水蒸気という不活性なガス体による消火であるため、消火完了後のドラム2内や排気煙道8内の水濡れ被害といったものはほとんどなく、再生処理した加熱廃材も支障なく使用でき、ごく短時間で再稼働することが可能となる。
【0024】
なお、本実施例では、火災の発生箇所が排気煙道8内の場合を想定しているが、例えばドラム2内は勿論、循環煙道11内、更には脱臭炉13であったとしても、燃焼炉5内で発生した水蒸気Sは排ガスの流れに伴って装置内の隅々まで速やかに拡散させて消火することができる。また、本実施例では、ドライヤ1として廃材加熱再生用ドライヤを想定しているが、新材骨材の加熱乾燥用ドライヤにも採用することができる。
【0025】
更に、本実施例では、排気煙道8内の排ガス温度が火災発生排ガス温度以上になれば火災が発生したと判断して火災警報を出力すると共に、自動的にバーナ4の燃焼量を絞って低燃焼状態に切り替えつつ、水噴霧ノズル19から水Wを噴霧させて消火用の水蒸気Sを発生させるようにしているが、例えば、排気煙道8内の排ガス温度が火災発生排ガス温度以上になった場合に火災警報の出力だけを行い、オペレータがこの火災警報を受けて、適宜手動操作にてバーナ4の燃焼量を絞って低燃焼状態に切り替えつつ、水噴霧ノズル19から水Wを噴霧させて消火用の水蒸気Sを発生させるようにしてもよい。なお、火災警報の有無に関係なく、例えば煙突17などから黒煙が上るなどしてオペレータが火災が発生したと判断できる場合にも、オペレータは適宜手動操作にて上記消火作業を行うことができるのは勿論である。
【実施例2】
【0026】
図2は本発明の別の実施例を示すもので、アスファルト混合物製造装置に複数の水噴霧ノズル19を配設した場合を示したものであり、ここでは水噴霧ノズル19をドラム2、貯蔵ビン7の上部付近、排気煙道8、循環煙道11の各所に配設している。そして、上記構成のアスファルト混合物製造装置の運転中に、例えば、排気煙道8内のB点で火災が発生し、排ガス温度が上昇して排ガス温度検出用センサー23にて検出する排ガス温度が予め設定した火災発生排ガス温度以上になれば、前記実施例と同様に、消火用制御器24は火災が発生したと判断して直ちに火災警報を出力してオペレータに注意を促しつつ、ドライヤ1のバーナ4の燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替えると共に、各水噴霧ノズル19から適宜量の水Wを一斉に噴霧させるように制御する。
【0027】
各水噴霧ノズル19から噴霧された水Wは、低燃焼状態ながらも燃焼を続けるバーナ4からの燃焼ガスに晒されて極めて速やかに水蒸気化すると共に、この水蒸気Sはドラム2、排気煙道8、循環煙道11などに速やかに行き渡り、排気煙道8内のB点で発生した火災を迅速に消火させる。なお、脱臭炉13にも水噴霧ノズル19を配設し、脱臭用バーナ15からの燃焼ガスにて前記噴霧ノズル19から噴霧する水を水蒸気化すれば、脱臭炉13や下流の排ガス導出煙道16の火災も効率良く消火できる。
【0028】
なお、排ガス温度検出用センサー23を複数用意して様々な位置に取り付けるようにするなどして火災発生箇所がある程度特定できるのであれば、予め各水噴霧ノズル19から個別に水を噴霧可能としておき、火災発生箇所付近、または火災発生箇所よりも上流側の水噴霧ノズル19からのみ水を噴霧させ、必要最小限の水蒸気を発生させて消火させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るアスファルト混合物製造装置における火災消火方法及び装置の実施例を示す説明図である。
【図2】別の実施例を示す図1に相当する図である。
【符号の説明】
【0030】
1…ドライヤ 2…ドラム
3…ホットホッパ 4…バーナ
5…燃焼室 6…貯蔵ビン
8…排気煙道 11…循環煙道
13…脱臭炉 16…排ガス導出煙道
19…水噴霧ノズル 23…排ガス温度検出用センサー
24…消火用制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規骨材やアスファルト舗装廃材を加熱装置であるドライヤに供給し、バーナから送り込む燃焼ガスと接触させて所定温度まで加熱するアスファルト混合物製造装置において、ドライヤまたは排気煙道内における火災発生時に、バーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替え、所定位置に配置した水噴霧ノズルより自動又は手動にて所定量の水を噴霧し、バーナの燃焼ガスによる加熱によって水蒸気を発生させて下流のドライヤまたは排気煙道内へと拡散させ、ドライヤまたは排気煙道内に存在する酸素と置換させて酸素濃度を低下させると共に、発火箇所に水蒸気を接触させて火災を消火するようにしたことを特徴とするアスファルト混合物製造装置における火災消火方法。
【請求項2】
新規骨材やアスファルト舗装廃材を加熱装置であるドライヤに供給し、バーナから送り込む燃焼ガスと接触させて所定温度まで加熱するアスファルト混合物製造装置において、ドライヤまたは排気煙道内の所定位置に水を噴霧する水噴霧ノズルを配設すると共に、ドライヤ下流の排気煙道には排ガス温度検出用センサーを備え、該排ガス温度検出用センサーにて検出した排ガス温度が予め設定した火災発生排ガス温度以上になると、バーナの燃焼量を低く抑えた低燃焼状態に切り替え、かつ前記水噴霧ノズルから所定量の水を噴霧させて消火用の水蒸気を発生させるように指令制御する消火用制御器を備えたことを特徴とするアスファルト混合物製造装置における火災消火装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−89615(P2007−89615A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278977(P2005−278977)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】