説明

アナログ電子時計

【課題】製品ごとに無駄なく最適な運針を行わせることが可能なアナログ電子時計を提供する。
【解決手段】指針と、駆動パルスに基づく指針の駆動手段と、駆動パルスのパルス幅を制御する駆動制御手段と、パルス幅の設定可能範囲と駆動手段の動作特性の変化に係る物理量との対応関係を示す初期テーブルを記憶する第1記憶手段と、物理量の計測手段と、計測された物理量とその状態での駆動手段の動特性とに基づき初期テーブルの補正データを作成する補正手段と、作成された補正データを記憶する第2記憶手段とを備え、駆動制御手段は、計測された物理量に対応する補正データが第2記憶手段に記憶されている場合には、補正データからパルス幅の設定可能範囲を取得し、第2記憶手段に記憶されていない場合には、初期テーブルからパルス幅の設定可能範囲を取得し、各々設定可能範囲内の駆動パルスを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駆動パルスを用いて指針を動作させるアナログ電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指針を回転動作させて時刻などの情報を表示するアナログ電子時計では、ステッピングモータに駆動パルスを入力して回転動作させ、このステッピングモータの回転動作を輪列機構を介して指針に伝えることで駆動している。この指針の駆動に用いられるステッピングモータは、様々な外部条件によりトルクが変化するので、ステッピングモータを確実に動作させるには、外部条件に合わせて適宜駆動パルス幅を調整する必要がある。
【0003】
ステッピングモータの動作に影響する外部条件としては、主に温度及び供給される電源電圧がある。以前より、ステッピングモータにより駆動される様々な装置において、温度変化に応じてステッピングモータを動作させるための駆動パルス幅を変化させる技術(例えば、特許文献1、特許文献2)や、電源電圧の変化に応じてステッピングモータを動作させるための駆動パルス幅を変化させる技術(例えば、特許文献3、特許文献4)が用いられている。
【0004】
アナログ電子時計では、温度や電源電圧に対応して駆動パルス幅の範囲を設定するテーブルを備え、計測された温度及び電源電圧の値に基づいてテーブルを参照しながら駆動パルスの幅を適宜切り替えて運針動作を行っている。そして、当該駆動パルスによって正常に運針が行われなかったことを検知した場合には、即座に、テーブル内で設定された駆動パルス幅の範囲内における他の駆動パルスに切り替えて再度駆動パルスを出力して運針を行わせることで、指針位置のずれを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−38196号公報
【特許文献2】特開2010−43949号公報
【特許文献3】特開2005−117854号公報
【特許文献4】特許第3407887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同一機種のアナログ電子時計であっても、ステッピングモータの特性は、製品ごとに異なる。また、製品の使用環境、例えば、当該アナログ電子時計周囲の電化製品から発生する磁場の影響などによっても運針に最適な駆動パルス幅が変化する。そこで、従来、温度や供給電圧に対応する駆動パルス幅を示すテーブルにおける駆動パルス幅の設定範囲は、様々な影響を考慮して広く設けられている。このような場合に、正常に運針が行われないケースが多発すると、繰り返して駆動パルスを出力することにより電力を余計に消費することになるという課題がある。
【0007】
この発明の目的は、製品ごとに無駄なく最適な運針を行わせることが可能なアナログ電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、
回動可能に設けられた指針と、
入力された駆動パルスに基づいて動作することで前記指針を駆動する駆動手段と、
前記駆動パルスのパルス幅を制御する駆動制御手段と、
前記パルス幅の設定可能範囲と前記駆動手段の動作特性の変化に係る物理量との対応関係を示す初期テーブルを記憶する第1記憶手段と、
前記物理量を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された前記物理量と、当該物理量が計測された状態における前記駆動手段の動作特性とに基づいて、所定のタイミングで前記初期テーブルの補正データを作成する補正手段と、
前記補正手段により作成された前記補正データを記憶する第2記憶手段と
を備え、
前記駆動制御手段は、前記計測手段により計測された前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されている場合には、当該補正データから前記パルス幅の設定可能範囲を取得して、前記駆動手段に当該パルス幅の設定可能範囲内の前記駆動パルスを出力し、前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されていない場合には、前記初期テーブルから前記パルス幅の設定可能範囲を取得して、前記駆動手段に当該パルス幅の設定可能範囲内の前記駆動パルスを出力する
ことを特徴とするアナログ電子時計である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うと、アナログ電子時計において製品ごとに無駄なく最適な運針を行わせることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態のアナログ電子時計の構成を示すブロック図である。
【図2】初期トリミングテーブルの例を示す図である。
【図3】初期トリミングテーブルを生成する初期トリミング処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】補正トリミングテーブルの例を示す図である。
【図5】補正トリミングテーブルを生成する補正トリミング処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のアナログ電子時計の構成を示すブロック図である。
【0012】
このアナログ電子時計1は、腕時計、懐中時計、置時計、或いは、掛け時計など、時計の使用形態を問わない。アナログ電子時計1は、時針2と、分針3と、秒針4(まとめて指針2〜4とも記す)と、時針2及び分針3を輪列機構30を介して駆動する時分針駆動部40と、秒針4を輪列機構31を介して駆動する秒針駆動部41と、CPU(Central Processing Unit)45(駆動制御手段、補正手段、補正制御手段、運針エラー検出手段、エラー計数手段)と、ROM(Read Only Memory)46と、RAM(Random Access Memory)47と、発振回路48と、分周回路49と、計時回路50と、電源部51と、電圧検出器53と、温度センサ54と、操作部52などを備えている。
時分針駆動部40及び秒針駆動部41は、駆動手段を構成する。
【0013】
時針2及び分針3は、時分針駆動部40により連動して駆動される。時分針駆動部40及び秒針駆動部41は、それぞれ、CPU45から入力する駆動パルスに基づいて所定角度回転するステッピングモータを備える。これらの時分針駆動部40及び秒針駆動部41において、ステッピングモータが正常に所定角度回転したか否かを検出可能に構成されている。時分針駆動部40及び秒針駆動部41からは、ステッピングモータの回転動作の有無を示す信号が出力されてCPU45に送られ、CPU45がステッピングモータの回転動作の有無を判別する。なお、指針には、日車などの回転可能に構成されたディスク状のものも含むことが出来る。
【0014】
CPU45は、種々の演算処理を行うと共に、アナログ電子時計1の統括制御を行う。また、CPU45は、通常の時刻表示状態においては、計時回路50から入力する1秒信号に同期して時分針駆動部40及び秒針駆動部41へ駆動パルスを出力する。CPU45は、一方で、必要に応じて時針2、分針3、及び、秒針4を早送りさせるための駆動パルスを分周回路49からのパルス信号に従って出力する。また、CPU45は、後述するように、駆動パルスのパルス幅を可変に設定して出力する。本実施形態のアナログ電子時計1では、10種類のパルス幅を切り替えて時分針駆動部40及び秒針駆動部41に駆動パルスを出力することが可能となっている。
【0015】
また、CPU45は、時分針駆動部40及び秒針駆動部41からそれぞれ正常な動作が行われたかを示す信号を取得し、例えば、時刻表示動作の際に正常な動作が行われなかった場合には、即座に他のパルス幅に設定しなおして、次の動作に係る処理が始まる前に時分針駆動部40又は秒針駆動部41に補正駆動パルスを出力する構成になっている。
【0016】
ROM46は、CPU45が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。このROM46に格納されたデータには、初期トリミングテーブル46a(初期テーブル、第1記憶手段)が含まれる。この初期トリミングテーブル46aを参照することで、温度と電圧とに基づいて駆動パルスのパルス幅の使用可能範囲を設定するためのデータが取得される。
【0017】
RAM47は、CPU45に作業用のメモリ空間を提供し、実行するプログラムを展開したり、一時データを記憶させたりする。また、RAM47には、補正トリミングテーブル47a(補正データ、第2記憶手段)が設けられており、後述する補正トリミング処理が行われるごとに得られた結果が追加記載、又は、上書き更新される。
【0018】
電源部51は、CPU45に電力を供給する。電源部51は、特には限られないが、例えば、太陽電池と二次電池とを組み合わせたものである。電源部51からCPU45に供給される電圧は、例えば、2.5Vに設定されているが、二次電池への蓄電量が低下した場合などには、この供給電圧が低下する。
【0019】
電圧検出器53は、電源部51からCPU45に供給される電力の電圧値を計測し、計測結果をデジタル値に変換して所定のサンプリング周期でCPU45に送信する。
温度センサ54は、温度を計測してその測定値をデジタル出力する温度センサICであり、所定のサンプリング周期でCPU45に測定値を出力する。
これら、電圧検出手段としての電圧検出器53及び温度検出手段としての温度センサ54は、物理量を計測する計測手段を構成し、CPU45、ROM46、及び、RAM47と共に一枚のチップ上に配置することが可能である。
【0020】
発振回路48は、例えば、水晶発振回路であり、所定の周波数信号を発振して分周回路49に出力する。分周回路49は、発振回路48から入力した所定の周波数信号を分周して、計時回路50に一秒信号を出力すると共に、CPU45に利用される種々の周波数信号をCPU45に出力する。計時回路50は、分周回路49から入力される1秒信号を計数することで現在時刻データを保持する。この現在時刻データは、CPU45からの指令により修正することが可能に構成されている。
【0021】
次に、本実施形態における駆動パルスのパルス幅の設定について説明する。
【0022】
図2は、初期トリミングテーブル46aの例を示す図である。
【0023】
本実施形態のアナログ電子時計1では、初期トリミングテーブル46aとして、例えば、所定の電源電圧に対し、−10℃〜60℃の範囲において5℃間隔で10種類の各パルス幅の駆動パルス(パルスレベル)の使用可否に係るデータが格納されている。各駆動パルスの使用の可否は、ここでは、「0」と「1」の二値データによって表されている。使用不可のパルス幅の駆動パルス(×)には、設定値「0」が格納され、使用可能なパルス幅の駆動パルス(○)には、設定値「1」が格納される。
【0024】
アナログ電子時計1のCPU45は、指針を動作させる際に、毎回、又は、所定の時間間隔で電圧検出器53から電源電圧の値を取得し、また、温度センサ54から温度のデータを取得する。そして、毎回、又は、電源電圧や温度に変化のあったタイミングでトリミングテーブルにアクセスし、使用可能なパルスレベルを取得、設定する。CPU45は、設定されたパルスレベルの中からこれまでの運用実績などに基づいて一のパルスレベルを選択し、時分針駆動部40及び秒針駆動部41に当該パルスレベルの駆動パルスを出力する。
【0025】
図2に示されるように、ステッピングモータは、20℃〜30℃といった室温レベルでは広いパルスレベルで正常に動作可能に設定されている、即ち、パルス幅の設定可能範囲が広いのに対し、高温環境又は低温環境では、限られた範囲のパルスレベル、特に、長いパルス幅の駆動パルスでしか正常な動作が行われなくなる。
【0026】
図3は、この初期トリミング値の設定を行う初期トリミング処理のCPU45による制御手順を示すフローチャートである。なお、下記では、秒針駆動部41に対する初期トリミング処理について説明するが、時分針駆動部40の初期トリミング処理も同様に行われる。また、下記では、温度変化とパルスレベルとの関係についてのみ記載しているが、電源電圧変化も含めた三次元配列を用いて同様に初期トリミング処理を行うことができる。
【0027】
この初期トリミング処理は、アナログ電子時計の各機種について一度実行されて初期トリミングテーブル46aが作成される。そして、アナログ電子時計の製造工程において、各製品の出荷前にこの作成された初期トリミングテーブル46aがROM46に格納されて組み込まれる。
また、この初期トリミング処理は、設定温度ごとに当該処理の実施場所の温度を別途制御しながら行われる。
【0028】
初期トリミング処理が開始されると、CPU45は、先ず、設定温度を示す変数Aを−10に設定する(ステップS10)。また、CPU45は、パルスレベルを示す変数Bを1に設定する(ステップS11)。続いて、CPU45は、運針回数を示す変数iを初期値0に設定し、また、運針エラー回数を示す変数xを0に設定する(ステップS12)。
【0029】
CPU45は、変数iが60以上であるか否かを判別する(ステップS13)。運針回数を示す変数iが60以上であると判別された場合には、CPU45は、変数Aと変数Bとにより示される設定温度とパルスレベルとの組み合わせを動作可能として採用し、テーブルに記録する(ステップS19)。それから、CPU45の処理は、ステップS20に移行する。
【0030】
運針回数を示す変数iが60未満であると判別された場合には、CPU45は、秒針駆動部41に駆動信号を送って設定されたパルスレベルの駆動パルスで秒針駆動部41のステップモータを動作させると共に、変数iに1を加算する(ステップS14)。CPU45は、秒針駆動部41からステッピングモータが正常に動作して所定の角度回転したことを示す信号を受け取り、ステッピングモータが正常に回転したか否かを判別する(ステップS15)。秒針駆動部41から受け取った信号に基づき、ステッピングモータが正常に回転したと判別された場合には、CPU45の処理は、ステップS13に戻る。
【0031】
一方、ステップS15の判別処理で、正常に回転しなかったと判別された場合には、CPU45は、変数xに1を加算して、運針エラーの回数を増加させる(ステップS16)。それから、CPU45は、運針エラーの回数が予め設定された閾値回数X未満であるか否かを判別する(ステップS17)。変数xが閾値回数X未満であると判別された場合には、CPU45の処理は、ステップS13に戻る。変数xが閾値回数X以上であると判別された場合には、CPU45は、変数Aと変数Bとにより示される設定温度とパルスレベルとの組み合わせを動作不可と判断して不採用とし、テーブルに記録する(ステップS18)。それから、CPU45の処理は、ステップS20に移行する。
【0032】
ステップS20の処理に移行すると、CPU45は、変数Bが10以上であるか否かを判別する。パルスレベルを示す変数Bが10未満であると判別された場合には、CPU45は、変数Bに1を加算して他のパルスレベルに設定を変更する(ステップS21)。それから、CPU45の処理は、ステップS12に戻る。
【0033】
変数Bが10以上であると判別された場合には、CPU45は、続いて、変数Aが60以上であるか否かを判別する(ステップS22)。温度を示す変数Aが60未満であると判別された場合には、CPU45は、変数Aに5を加算して温度設定を変更する(ステップS23)。それから、CPU45は、この初期トリミング処理が行われている場所の温度が変更されて安定するまで待機する(ステップS24)。その後、CPU45の処理は、ステップS11に戻る。
なお、この待機処理は、CPU45と温度制御装置との間で信号のやり取りを行わせることとしても良いし、予め各処理に必要な時間と、温度が安定するまでに必要な時間とを取得しておき、温度制御装置が温度を変更する時間間隔と、CPU45が待機する時間とをそれぞれ別個に設定して動作させることとしても良い。
【0034】
ステップS22の処理で変数Aが60以上であると判別された場合には、CPU45は、初期トリミング処理を終了する。
【0035】
このようにして得られた初期トリミングテーブル46aにおいて、使用可能を示す設定値は、各製品のばらつきや経年変化などを考慮して、一部の製品や一部の時期だけでも使用可能となることが見込める範囲について広めに格納されており、個々の製品に対してはステッピングモータにエラー動作が生じやすい場合が混じっている。そこで、本実施形態のアナログ電子時計1では、初期トリミングテーブル46aに加えて補正トリミングテーブル47aを作成してこの補正トリミングテーブル47aを用いて駆動パルスの出力幅を設定する。
【0036】
図4は、補正トリミングテーブル47aの例を示す図である。
【0037】
補正トリミングテーブル47aは、製品の出荷後に個別に設定されたトリミングテーブルであり、このトリミングテーブルの設定時に温度センサ54により計測された温度が該当する温度範囲のデータが更新、又は、追加されて記憶される。
【0038】
この補正トリミングテーブル47aには、初期トリミングテーブル46aにおいて当該温度で動作可能に設定された範囲について、再度行われた検査に基づいて動作可能範囲が限定されたデータが記憶されている。
【0039】
図5は、補正トリミングテーブル47aを取得するための補正トリミング処理のCPU45による制御手順を示すフローチャートである。
この補正トリミング処理では、図3に示した初期トリミング処理における温度設定に係るループ処理、即ち、ステップS22〜S24の処理、及び、ステップS24の処理後ステップS11の処理へ戻るループ処理が省略されている。また、ステップS10の処理における温度範囲を示す変数Aの初期設定処理の代わりにステップS10a、S10bの処理が行われる。また、この補正トリミング処理では、パルスレベルを示す変数Bに対するループ処理の範囲がステップS11a、S20aに示されるように初期トリミング処理よりも限定されている。その他の処理については、初期トリミング処理と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
この補正トリミング処理が開始されると、CPU45は、先ず、温度センサ54から計測された温度を取得し、この計測温度が含まれる温度範囲を表す変数Aを設定する(ステップS10a)。それから、CPU45は、初期トリミングテーブル46aにアクセスして、この変数Aの温度範囲における運針可能なパルスレベルの範囲(Bmin〜Bmax)を取得する(ステップS10b)。
【0041】
CPU45は、パルスレベルを示す変数Bの初期値として、運針可能に設定された範囲における最低値Bminを設定する(ステップS11a)。それから、設定された変数Bについて、ステップS12〜S19の処理を実行した後に、CPU45は、設定されたパルスレベルを示す変数BがBmax以上であるか否かを判別する(ステップS20a)。変数BがBmax未満であると判別された場合には、CPU45は、変数Bに1を加算して(ステップS21)、それから、ステップS12の処理に戻る。変数BがBmax以上であると判別された場合には、CPU45は、補正トリミング処理を終了する。
なお、CPU45は、補正トリミング処理を終了する前に、変数Bが最低値Bminより小さい範囲、及び、最高値Bmaxより大きい範囲について、全て運針不可の設定値「0」を登録することとしても良い。或いは、ステップS10aにおいて温度の計測値を取得した段階で、変数Aに対応する運針の可/不可を示す設定値を全て「0」に初期化することとしてもよい。
【0042】
また、ステップS17における閾値回数Xは、初期トリミング処理と補正トリミング処理とで異なる値を設定することが可能である。補正トリミング処理では、この処理を実行するアナログ電子時計1で正常に動作するか否かのみを判断し、且つ、当該アナログ電子時計1で十分な確度で動作することが求められるので、補正トリミング処理における閾値回数Xの値を初期トリミング処理における閾値回数Xの値より小さく設定することが出来る。
【0043】
この補正トリミング処理は、製品の使用開始後に適宜行われる。例えば、一ヶ月に一回所定の日付、所定の時刻に自動的に補正トリミング処理プログラムが呼び出されて実行されることとしてもよい。或いは、RAM47に運針エラーをカウントするエラーカウント部を備え、時分針駆動部40及び秒針駆動部41において各々検出された運針エラーの回数を計数し、当該運針エラーの回数が所定の回数を超えるごとに補正トリミング処理プログラムを呼び出して実行することとしても良い。または、消費電力量を監視し、消費電力量が想定より大きい場合には、補正駆動パルスの出力回数が多いと判断して、補正トリミング処理プログラムを呼び出して実行することも可能である。
また、例えば、強い磁場を発生する電子機器の上や近傍に配置される置時計において、ユーザの実行指令により手動で補正トリミング処理を開始させることも出来る。
【0044】
このとき、運針エラーの回数を単純にカウントするだけではなく、例えば、同時に運針エラーの発生した温度データを取得しておき、パルス幅の設定可能範囲が設定されている温度範囲ごとに運針エラーが所定の閾値回数を超えた場合に当該温度範囲について補正トリミング処理を行うこととしても良い。
【0045】
また、上記補正トリミング処理における運針動作については、例えば、夜間に早送りで60ステップずつ運針させて運針エラーをカウントすることとしても良いし、通常の時刻表示の際の運針エラーをカウントすることとしても良い。また、補正トリミング処理の中途で温度センサ54による計測温度がトリミングデータの取得対象の温度範囲から外れた場合には、処理を一時中断させることとしても良いし、処理をキャンセルして、当該温度範囲に復帰後改めて実行することとしても良い。
【0046】
以上のように、本実施形態のアナログ電子時計1によれば、時針2及び分針3を駆動する時分針駆動部40及び秒針4を駆動する秒針駆動部41が有するステッピングモータへCPU45から供給する駆動パルスのパルス幅を変更可能である。また、アナログ電子時計1は、このパルス幅を決定するための初期トリミングテーブル46a及び補正トリミングテーブル47aを備え、温度センサ54により計測された温度に基づいて補正トリミングテーブル47a又は初期トリミングテーブル46aからパルス幅の設定可能幅が取得され、当該取得された設定可能幅の中でパルス幅が決定されてステッピングモータに供給される。補正トリミングテーブル47aは、温度センサ54により計測された温度を含む温度範囲について、所定の条件で作成され、駆動パルス出力時の計測温度についての補正トリミングテーブル47aがRAM47に記憶されている場合には、この補正トリミングテーブル47aから設定可能幅が取得され、当該補正トリミングテーブル47aがRAM47に記憶されていない場合には、初期トリミングテーブル46aから設定可能幅が取得される。従って、このアナログ電子時計1が利用される条件における時分針駆動部40及び秒針駆動部41の特性を反映したパルス幅の設定可能範囲に基づき、時分針駆動部40及び秒針駆動部41の運針エラーを低減させ、消費電力の無駄な増加を抑えることが出来る。
【0047】
また、特に、時分針駆動部40及び秒針駆動部41が有するステッピングモータについて、上記構成を適用することで、温度変化に影響を受けやすいステッピングモータの動作を安定的に行わせることが出来る。
【0048】
また、実際にアナログ電子時計1がおかれる温度範囲の補正トリミングテーブル47aのみが作成されるので、補正トリミングテーブル47aの作成に特別な環境を必要とせず、且つ、必要な部分の補正トリミングテーブル47aを容易に取得することが出来る。
【0049】
また、補正トリミングテーブル47aが作成されていない温度範囲の環境であっても初期トリミングテーブル46aに記憶されたパルス幅の設定可能範囲で指針を駆動するので、従来のアナログ電子時計と同等のパルス幅の設定効率を維持しながら徐々にこの設定効率を改善していくことが出来る。
【0050】
また、初期トリミングテーブル46aで設定されたパルス幅の設定可能範囲内でのみ補正トリミングテーブル47aの作成処理を行うので、パルス幅の設定可能範囲を更に限定するように補正トリミングテーブル47aを作成する。従って、同機種の全製品における様々な利用環境に合わせて幅広く設定されていたパルス幅の設定可能範囲から、当該アナログ電子時計1が利用される環境における特性に基づき、より精度よくパルス幅の設定可能範囲を絞り込むことができるので、運針エラーを低減すると共に、不必要に電力消費の大きいパルス幅の利用も避けることが出来る。また、補正トリミングテーブル47aの作成処理における不要なデータの取得を省略することが出来るので、処理時間を短縮し、また、消費電力を低減することができる。
【0051】
また、運針エラーの回数をカウントして、運針エラーの回数に基づいて補正トリミングテーブル47aの作成を行うので、エラーが発生しない場合には、不要な補正トリミングテーブル47aを作成する手間を省くことが出来る。
【0052】
また、特に、運針エラーの回数が所定の基準値を超えた場合に補正トリミングテーブル47aの作成を行うので、初期トリミングテーブル46aでは運針エラーが発生しやすいような場合にだけ必要に応じて補正トリミングテーブル47aを作成することが出来る。
【0053】
また、一方、所定の時間間隔で定期的に補正トリミングテーブル47aを作成させることで、発生頻度は少ないが運針エラーの出やすい条件などにおいても補正トリミングテーブル47aを作成することが出来る。
【0054】
また、補正トリミングテーブル47aを作成する際には、実際に所定の回数ずつ初期トリミングテーブル46aにおいて設定可能範囲として記憶されている各パルス幅について実際に所定の回数ずつ駆動動作をさせ、運針エラーの回数が所定の閾値未満であれば補正トリミングテーブル47aに設定可能として記憶させ、運針エラーの回数が所定の閾値以上であれば補正トリミングテーブル47aに設定不可として記憶させるので、時刻表示動作中でも表示に支障が出るのを抑えながら用意に補正トリミングテーブル47aを作成することが出来る。
【0055】
また、同じ温度条件で再度補正トリミングテーブル47aが作成された場合には、元の補正トリミングテーブル47aを上書きして用いるので、経年変化といった要素を反映しながら漸近的に精度のよい補正トリミングテーブル47aを取得していくことが出来る。
【0056】
また、新たな温度条件で補正トリミングテーブル47aが作成された場合には、この作成されたデータが元のデータに追加されていくので、アナログ電子時計1が利用される条件における補正トリミングテーブル47aのデータを必要に応じて徐々に拡張していくことが出来る。
【0057】
また、温度センサ54と電源部51の出力電圧を検出する電圧検出器53との両者を用いて条件を設定し、より細かく駆動パルス幅の設定可能範囲を設定することが出来るので、更に外部条件による時針2、分針3、及び、秒針4の運針エラーを低減させることができる。
【0058】
また、時分針駆動部40のステップモータと秒針駆動部41のステップモータとのそれぞれに対して別個に初期トリミングテーブル46aを保持し、また、別個に補正トリミングテーブル47aを作成するので、各ステップモータの動作特性に合わせた駆動パルス幅の設定可能範囲を設定することが出来る。
【0059】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、補正トリミングテーブル47aの記憶手段として揮発性のRAMを用いることとしたが、これに限られない。フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)といった不揮発性メモリであって読み書きが可能な記憶手段を用いることが可能である。
【0060】
また、上記実施の形態では、温度及び電源電圧の値に基づいて駆動パルスのパルス幅を変化させることとしたが、パルス幅を定める外部条件は、これらに限られない。例えば、ステッピングモータの動作は、磁場のノイズにより大きな影響を受けるので、磁場を測定してパルス幅を設定、選択する基準として用いても良い。しかしながら、磁場の測定が困難な場合も多い。そこで、GPS(Global Positioning System)を用いた測位機能を有するアナログ電子時計においては、運針エラーが生じた場所の位置情報を取得しておき、当該位置における駆動パルスのパルス幅の設定データを作成して補正トリミングテーブル47aに加えることとしても良い。
その他、駆動パルスのパルス幅の変更可能ステップ数や設定温度範囲といった具体的な数値や構成などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0062】
[付記]
<請求項1>
回動可能に設けられた指針と、
入力された駆動パルスに基づいて動作することで前記指針を駆動する駆動手段と、
前記駆動パルスのパルス幅を制御する駆動制御手段と、
前記パルス幅の設定可能範囲と前記駆動手段の動作特性の変化に係る物理量との対応関係を示す初期テーブルを記憶する第1記憶手段と、
前記物理量を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された前記物理量と、当該物理量が計測された状態における前記駆動手段の動作特性とに基づいて、所定のタイミングで前記初期テーブルの補正データを作成する補正手段と、
前記補正手段により作成された前記補正データを記憶する第2記憶手段と
を備え、
前記駆動制御手段は、前記計測手段により計測された前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されている場合には、当該補正データから前記パルス幅の設定可能範囲を取得して、前記駆動手段に当該パルス幅の設定可能範囲内の前記駆動パルスを出力し、前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されていない場合には、前記初期テーブルから前記パルス幅の設定可能範囲を取得して、前記駆動手段に当該パルス幅の設定可能範囲内の前記駆動パルスを出力する
ことを特徴とするアナログ電子時計。
<請求項2>
前記補正手段は、前記初期テーブルに記憶された前記パルス幅の設定可能範囲内における前記補正データを作成することで、前記パルス幅の設定可能範囲を限定する
ことを特徴とする請求項1に記載のアナログ電子時計。
<請求項3>
前記駆動手段の運針エラーを検出する運針エラー検出手段と、
当該運針エラー検出手段により検出された運針エラーの回数を計数するエラー計数手段と、
前記補正手段の動作タイミングを制御する補正制御手段と
を備え、
前記補正制御手段は、前記エラー計数手段により計数された運針エラーの回数に基づいて前記補正手段を動作させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
<請求項4>
前記補正制御手段は、前記エラー計数手段により計数された運針エラーの回数が所定の基準値を超えた場合に、前記補正手段を動作させる
ことを特徴とする請求項3に記載のアナログ電子時計。
<請求項5>
前記補正手段を所定の周期で定期的に動作させる補正制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
<請求項6>
前記駆動手段の運針エラーを検出する運針エラー検出手段と、
当該運針エラー検出手段により検出された運針エラーの回数を計数するエラー計数手段と
を備え、
前記補正手段は、計測された前記物理量に対応して前記第1記憶手段に記憶されている前記パルス幅の設定可能範囲に含まれる各パルス幅の前記駆動パルスについて、前記駆動手段を所定回数ずつ動作させた場合における前記運針エラーの回数を各々計数して所定の閾値回数と比較することで、当該パルス幅の設定可能範囲を補正する前記補正データを作成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
<請求項7>
前記補正手段は、作成された補正データが示す前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に既に記憶されている場合には、前記作成された補正データにより当該既に記憶されている前記補正データを上書き更新し、前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されていない場合には、取得された前記補正データを追加記憶させる
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項8>
前記駆動手段は、前記駆動パルスにより所定の角度回転するステッピングモータを有する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項9>
前記計測手段は、当該アナログ電子時計を動作させる電源部の出力電圧を計測する電圧検出手段と、
温度を測定する温度検出手段と、を有し、
前記物理量は、前記電源部の出力電圧、及び、温度である
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項10>
前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段は、
前記駆動手段が複数個ある場合に、当該駆動手段に対して各々前記初期テーブル及び前記補正データを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
【符号の説明】
【0063】
1 アナログ電子時計
2 時針
3 分針
4 秒針
30、31 輪列機構
40 時分針駆動部
41 秒針駆動部
45 CPU
46 ROM
46a 初期トリミングテーブル
47 RAM
47a 補正トリミングテーブル
48 発振回路
49 分周回路
50 計時回路
51 電源部
52 操作部
53 電圧検出器
54 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能に設けられた指針と、
入力された駆動パルスに基づいて動作することで前記指針を駆動する駆動手段と、
前記駆動パルスのパルス幅を制御する駆動制御手段と、
前記パルス幅の設定可能範囲と前記駆動手段の動作特性の変化に係る物理量との対応関係を示す初期テーブルを記憶する第1記憶手段と、
前記物理量を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された前記物理量と、当該物理量が計測された状態における前記駆動手段の動作特性とに基づいて、所定のタイミングで前記初期テーブルの補正データを作成する補正手段と、
前記補正手段により作成された前記補正データを記憶する第2記憶手段と
を備え、
前記駆動制御手段は、前記計測手段により計測された前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されている場合には、当該補正データから前記パルス幅の設定可能範囲を取得して、前記駆動手段に当該パルス幅の設定可能範囲内の前記駆動パルスを出力し、前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されていない場合には、前記初期テーブルから前記パルス幅の設定可能範囲を取得して、前記駆動手段に当該パルス幅の設定可能範囲内の前記駆動パルスを出力する
ことを特徴とするアナログ電子時計。
【請求項2】
前記補正手段は、前記初期テーブルに記憶された前記パルス幅の設定可能範囲内における前記補正データを作成することで、前記パルス幅の設定可能範囲を限定する
ことを特徴とする請求項1に記載のアナログ電子時計。
【請求項3】
前記駆動手段の運針エラーを検出する運針エラー検出手段と、
当該運針エラー検出手段により検出された運針エラーの回数を計数するエラー計数手段と、
前記補正手段の動作タイミングを制御する補正制御手段と
を備え、
前記補正制御手段は、前記エラー計数手段により計数された運針エラーの回数に基づいて前記補正手段を動作させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
【請求項4】
前記補正制御手段は、前記エラー計数手段により計数された運針エラーの回数が所定の基準値を超えた場合に、前記補正手段を動作させる
ことを特徴とする請求項3に記載のアナログ電子時計。
【請求項5】
前記補正手段を所定の周期で定期的に動作させる補正制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
【請求項6】
前記駆動手段の運針エラーを検出する運針エラー検出手段と、
当該運針エラー検出手段により検出された運針エラーの回数を計数するエラー計数手段と
を備え、
前記補正手段は、計測された前記物理量に対応して前記第1記憶手段に記憶されている前記パルス幅の設定可能範囲に含まれる各パルス幅の前記駆動パルスについて、前記駆動手段を所定回数ずつ動作させた場合における前記運針エラーの回数を各々計数して所定の閾値回数と比較することで、当該パルス幅の設定可能範囲を補正する前記補正データを作成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
【請求項7】
前記補正手段は、作成された補正データが示す前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に既に記憶されている場合には、前記作成された補正データにより当該既に記憶されている前記補正データを上書き更新し、前記物理量に対応する前記パルス幅の設定可能範囲に係る前記補正データが前記第2記憶手段に記憶されていない場合には、取得された前記補正データを追加記憶させる
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
【請求項8】
前記駆動手段は、前記駆動パルスにより所定の角度回転するステッピングモータを有する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
【請求項9】
前記計測手段は、当該アナログ電子時計を動作させる電源部の出力電圧を計測する電圧検出手段と、
温度を測定する温度検出手段と、を有し、
前記物理量は、前記電源部の出力電圧、及び、温度である
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
【請求項10】
前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段は、
前記駆動手段が複数個ある場合に、当該駆動手段に対して各々前記初期テーブル及び前記補正データを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のアナログ電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−61258(P2013−61258A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200143(P2011−200143)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】