説明

アミロイドーシスと関連する疾患のための方法及び組成物

【課題】アミロイド関連疾患の診断及び治療のための方法及び組成物。
【解決手段】エピトープ又は断片に結合する結合領域を含む少なくとも一つのセグメント、及び血液脳関門を横切ることのできる部分、断片又は全タンパク質を含む少なくとも一つのセグメントを含む融合タンパク質をコードする発現ベクターを含む分子構築物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、病気状態の検出、治療又は予防に関係する。特に、本発明は、アミロイドーシス又はアミロイドーシス関連疾患の検出、治療又は予防に関係する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アミロイドーシスは、身体の器官又は組織におけるアミロイド物質の蓄積を特徴とする様々な病気を含む。この蓄積は、生命機能を害しうる。アミロイドーシスと関係する疾患には、アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群、進行性核上麻痺、多発性硬化症、及び成人期発症糖尿病が含まれる。局所性アミロイドーシスは、認識減退(老年期大脳アミロイドーシス;アルツハイマー)、心臓病(老年期心臓アミロイドーシス)、内分泌腫瘍(甲状腺癌)、及び成人期発症糖尿病(数百万人のアメリカ人に見出される病気)と関連している。
【0003】
脳におけるアミロイド沈着に特異的な幾つかの障害は、Aβペプチド(アミロイド−βペプチド)というペプチドの沈着にリンクしている。Aβペプチド沈着と関係する神経病学的疾患には、アルツハイマー、レービー小体痴呆、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(Dutch型)、及びGuamanian-Parkinsonism痴呆が含まれる。Aβペプチドのプラークは又、頭部外傷及び危険な冠状動脈疾患を経験したことのある人にも起きる。
【0004】
認識減退又は痴呆に関係する最も一般的な病気は、アルツハイマー病(AD)である。この病気は、この病気は、ニューロンの喪失、神経原繊維のもつれ、及びAβペプチドの神経炎性プラーク(Aβペプチドよりなる)を特徴とする。脳のアミロイドーシスの性質のために、死亡前のアルツハイマーの診断は困難であり、アルツハイマーの治療法又は他の療法の開発は、分かりにくかった。多くの提案された治療法は、有効な治療に必要な量で血液−脳関門を横切ることができない。
【0005】
現在、脳内のアミロイドプラークは、主として、4kDのタンパク質の39〜43アミノ酸長のAβペプチドからなるものであると考えられている。Aβペプチドは、第21染色体に位置する遺伝子により発現され、ずっと大きい(770残基)細胞タンパク質のアミロイド前駆体タンパク質(APP)の内部からタンパク質分解による開裂により誘導される。切出された後に、Aβペプチドは、アミロイド繊維へと重合し、これらは、更に、凝集してアミロイドプラーク沈着となる。脳内では、これらの繊維及び凝集物は、ニューロンに対して毒性であり、ADと関連する原因症状と関係していると考えられている。
【0006】
患者が死亡する前にADのアミロイド沈着を調べられないことは、ADを研究して、脳におけるアミロイドプラーク形成を予防し又は逆行させることを目的とする有効な治療法を開発する研究者の能力を妨げる。ADのためのCNSニューロンに対するダメージは、臨床的症状が明らかとなる数年前に始まる。脳内のアミロイドーシスの予防は、ADの発生を予防するであろう。成人期発症糖尿病の患者におけるアミリンプラーク形成を予防し又は治療する同様のアプローチも又、有益であろう。
【0007】
他の研究は、常染色体優性での家族性アルツハイマー病(FAD)を引き起こす突然変異のセットを同定した。すべての既知のFAD突然変異は、最も病原性の42アミノ酸を有するAβペプチドの絶対的又は相対的産生を増大させる。これらの突然変異は、APP遺伝子自体の中に生じ(タンパク質分解性開裂が起きるAPP内の標的部位に影響を与える)、又は2つのプレセニリン(直接又は好ましくは間接的にAPPプロセッシングに影響を与えるタンパク質)の遺伝子の1つに生じる。AD切り出しの初期の段階には、このペプチドのアミロイド繊維への重合が続き、これは、更に、凝集して、ADの個人の脳に特徴的な可視的なアミロイドプラーク沈着物となる。これらの繊維(又は、ひょっとすると中間体の原繊維)は、ニューロンに対して毒性であり、神経原繊維のもつれ、シナプスの喪失、及び神経変性へと導き、アルツハイマー患者における認識機能の減退の基礎となっていると考えられている。
【0008】
Aβペプチド(アミロイド−βペプチド)の産生に加えて、他の重要な段階は、ADへと導く病原性経路に含まれる。遺伝学的及び生化学的研究は、共に、「病理学的シャペロン」として機能する補助的タンパク質のセットに鍵となる役割を割り当てる。1つのかかるタンパク質は、アンチ−プロテアーゼ、アンチ−キモトリプシンであり、他は、脂質輸送タンパク質、アポリポタンパク質F(特に、そのE4アレル型)である。これらのタンパク質は、共に、Aβ繊維のコアを有するアルツハイマープラークの形成及び成熟を促進する。特に、これらの病理学的シャペロンは、イン・ビトロで、Aβの神経毒性アミロイド繊維への重合を加速することを示すことができ、トランスジェニックマウスを用いた実験は、イン・ビボでのアミロイド形成の促進におけるそれらの役割を支持している。両タンパク質は、アミロイド沈着物の副次的成分であり、明らかに、Aβペプチドの初期の拡散性沈着に応答して生じる炎症反応の部分として産生されるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
必要とされるものは、アミロイド関連疾患の診断及び治療のための方法及び組成物である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明は、アミロイドーシスと関連する病気状態の診断、予防及び治療のための組成物及び方法に向けられている。本発明により、アミロイド沈着特に神経変性疾患と関係するアミロイド沈着の検出及び治療に有効な組成物及び方法が提供される。好適な面において、アミロイド沈着は、アミロイドペプチドエピトープに結合する抗体又は抗体断片を含むセグメント及び血液−脳関門を横切ることのできるセグメント(例えば、少なくとも1つのトランスフェリン部分)よりなる融合タンパク質を含む組成物により検出されて治療される。好ましくは、この融合タンパク質の組成物は、アミロイドのプラーク又はもつれを溶かす性質を有し、血液−脳関門を横切ることができる。
【0011】
特に、本発明は、β−アミロイドの沈着を検出して治療することのできる融合タンパク質の構築及び利用を提供する。好適な融合タンパク質は、抗−β−アミロイドモノクローナル抗体結合領域及び少なくとも一つのトランスフェリン部分よりなる。本発明は、核酸ベクターなどの分子構築物、かかるベクターにより発現されたタンパク質及びかかるベクターによりトランスフォームされてかかるベクターによりコードされたタンパク質を発現する細胞を含む。
【0012】
本発明は又、アミロイドタンパク質、ペプチド又は断片に対する免疫応答を誘出して、アミロイド沈着を予防し、停止させ又は妨げるワクチンを含む方法及び組成物をも包含する。このワクチンは、抗原、アミロイドペプチド断片又はエピトープ(好ましくは、リポソーム二分子層にて与えられる)よりなる。本発明の一具体例において、抗原は、改変アミロイドペプチド(好ましくは、パルミトイル化β−アミロイド1-16ペプチド)よりなり、投与方法は、リポソーム二分子層にて行なう。
【0013】
この発明は又、アミロイドタンパク質又はアミロイドプラークの蓄積又は分子組織化と関連する病気状態の症状を防止し又は緩和する方法及び組成物をも提供し、該方法は、医薬的に有効な量の誘導体化アミロイドペプチド又はペプチド断片の患者への投与を含んでいる。
【0014】
本発明は、アミロイドタンパク質の異常な蓄積若しくは分子組織化、集合、小繊維、繊維、もつれ又はプラーク沈着に関係する病気状態の少なくとも1つの症状を防止し、停止させ又は邪魔するのに有効な量の製薬組成物を含む。本発明は、アミロイドプラークを溶解させる能力を有する抗アミロイドモノクローナル抗体の産生を刺激する抗原を含む。本発明は又、アミロイドーシスと関係する病気状態を治療する方法をも提供し、該方法は、医薬的に有効な量のワクチンを患者に投与することを含む。
【0015】
本発明は又、本発明のワクチン組成物のエピトープに対して高められた抗血清を含む組成物の製造方法をも包含する。これらの抗血清組成物は、エピトープ及び抗原(例えば、β−アミロイド)を含むアミロイド凝集物を溶解させることができる。これらの抗血清組成物は、アミロイドタンパク質の蓄積又はアミロイド集合物、小繊維、繊維、もつれ若しくはプラーク沈着の形成の治療又は防止に有効であり、それ故、アミロイドーシスと関係する病気状態の治療又は予防に有効である。
【0016】
この発明は、更に、アミロイドタンパク質又はアミロイドプラークの蓄積又は分子組織化と関係する病気状態の症状を防止し又は緩和させる方法及び組成物を包含し、該方法は、医薬的に有効な量の抗血清を患者に投与することを含む。
【0017】
本発明は、アルツハイマー病、レービー小体痴呆、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(Dutch型)、及びGuam Parkinson痴呆症候群又は他の病気(アミロイドタンパク質の異常な蓄積若しくは分子組織化、集合、小繊維、繊維、もつれ又はプラーク沈着に関係するもの)を含むアミロイド関連疾患、好ましくはβ−アミロイド関連疾患の治療に特に有用である。
【0018】
また、本発明は一側面において以下のように特定される。
(1) エピトープ又は断片に結合する結合領域を含む少なくとも一つのセグメント、及び血液脳関門を横切ることのできる部分、断片又は全タンパク質を含む少なくとも一つのセグメントを含む融合タンパク質をコードする発現ベクターを含む分子構築物。
(2) 血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントがトランスフェリンである、前記(1)に記載の組成物。
(3) 結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが、抗体又は抗体断片である、前記(1)に記載の組成物。
(4) 結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが抗体又は抗体断片であり且つ血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントがトランスフェリンである、前記(1)に記載の組成物。
(5) エピトープ又は断片に結合する結合領域を含む少なくとも一つのセグメント、及び血液脳関門を横切ることのできる部分、断片又は全タンパク質を含む少なくとも一つの瀬部面とを含む融合タンパク質を含む組成物。
(6) 血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントが、トランスフェリンである、前記(5)に記載の組成物。
(7) 結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが、抗体又は抗体断片である、前記(5)に記載の組成物。
(8) 結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが抗体又は抗体断片であり且つ血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントがトランスフェリンである、前記(5)に記載の組成物。
(9) 融合タンパク質が、ヒト又は動物におけるアミロイド沈着を変えることのできる、前記(5)に記載の組成物。
(10) リポソーム二分子層に係留された少なくとも一つの改変ペプチド、断片又はタンパク質を含む組成物。
(11) 少なくとも一つの改変ペプチド、断片又はタンパク質が、アミロイドペプチド、断片又はタンパク質である、前記(10)に記載の組成物。
(12) リポソーム二分子層が、リポソームである、前記(10)に記載の組成物。
(13) 医薬的に有効な量の前記(5)に記載の組成物を投与することを含むアミロイド関連疾患の治療方法。
(14) アミロイド関連疾患が、アルツハイマー病、2型糖尿病、アミロイドA(反応性)、二次的アミロイドーシス、家族性地中海熱、蕁麻疹及び難聴を伴う家族性アミロイド腎障害(マックル‐ウェルズ症候群)、アミロイドラムダL鎖又はアミロイドカッパL鎖(特発性、ミエローマ又はマクログロブリン血症関連)Aβ2M(慢性的血液透析)、ATTR(家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本、スウェーデン)、家族性アミロイド心筋症(デンマーク)、孤立性心臓アミロイド、(全身性老年性アミロイドーシス)、AIAPP又はアミリン膵島細胞腫、心房性ナトリウム利尿因子(孤立性心房性アミロイド)、プロカルシトニン(甲状腺髄質癌)、ゲルソリン(家族性アミロイドーシス(フィンランド))、シスタチンC(アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(アイスランド))、Aアポ−A−I(家族性アミロイド多発性神経障害−アイオワ)、Aアポ−A−II(マウスにおける加速された老化)、フィブリノーゲン結合アミロイド;及びAsor又はPr P−27(震顫病、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルツマン・シュトラウスラー・シャインカー症候群、ウシ海綿状脳炎)及び、アポリポタンパク質E4対立遺伝子についてホモ接合の個人を含む、前記(12)に記載の方法。
(15) 医薬的に有効な量の前記(10)に記載の組成物を投与することを含む、アミロイド関連疾患の治療方法。
(16) 少なくとも一つの改変ペプチド、断片又はタンパク質が、パルミトイル化β−アミロイド1-16ペプチドである、前記(14)に記載の方法。
(17) 少なくとも一つの改変ペプチド、断片又はタンパク質を、リポソーム二分子層にて投与する、前記(15)に記載の方法。
(18) アミロイド関連疾患が、アルツハイマー病、2型糖尿病、アミロイドA(反応性)、二次的アミロイドーシス、家族性地中海熱、蕁麻疹及び難聴を伴う家族性アミロイド腎障害(マックル‐ウェルズ症候群)、アミロイドラムダL鎖又はアミロイドカッパL鎖(特発性、ミエローマ又はマクログロブリン血症関連)Aβ2M(慢性的血液透析)、ATTR(家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本、スウェーデン)、家族性アミロイド心筋症(デンマーク)、孤立性心臓アミロイド、(全身性老年性アミロイドーシス)、AIAPP又はアミリン膵島細胞腫、心房性ナトリウム利尿因子(孤立性心房性アミロイド)、プロカルシトニン(甲状腺髄質癌)、ゲルソリン(家族性アミロイドーシス(フィンランド))、シスタチンC(アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(アイスランド))、Aアポ−A−I(家族性アミロイド多発性神経障害−アイオワ)、Aアポ−A−II(マウスにおける加速された老化)、フィブリノーゲン結合アミロイド;及びAsor又はPr P−27(震顫病、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルツマン・シュトラウスラー・シャインカー症候群、ウシ海綿状脳炎)及び、アポリポタンパク質E4対立遺伝子についてホモ接合の個人を含む、前記(14)に記載の方法。
【0019】
本発明のこの及び他の目的、特徴及び利点は、下記の開示した具体例の詳細な説明及び添付の請求の範囲を観れば明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、配列部位を有する6C6のVl鎖の配列である。
【図2a】図2aは、ベクターpET24d+のマップである。
【図2b】図2bは、ベクターpET24d+の線状化マップである。
【図3】図3は、ベクターpET36のマップである。
【図4a】図4aは、VL断片を含むpBlueBacHIS2Bベクターのマップを示している。
【図4b】図4bは、VL-トランスフェリン断片を含むpBlueBacHIS2Bベクターのマップを示している。
【図5】図5は、Aβ1−16ペプチドの両端に結合したパルミトイル化リジンによりリポソーム二分子層に係留されたβ−アミロイド1−16(Aβ1-16)ペプチドである。
【図6a】図6a 実施例2及び3に記載の直接的パルミトイル化を利用するジパルミトイルリジンの合成経路。
【図6b】図6b 実施例2及び3に記載の活性化エステルを利用するジパルミトイルリジンの合成経路。
【図6c】図6c 実施例3に記載のC末端の固相合成経路。
【図7】図7は、N−ヒドロキシスクシンイミドのパルミトイルエステルのFAB−質量分析スペクトルである。623Da(MH+)の予想されたピークが見られ且つ活性化エステルのピーク(354Da)は存在しない。
【図8】図8は、N−ヒドロキシスクシンイミドのパルミトイルエステルの1H NMRスペクトルである。予想されたシグナルが見られる。
【図9】図9は、β−アミロイド繊維の、6C6=mABによる解離及びパルミトイル化Aβ(1−16)で免疫化したマウス由来の血清による解離(リポソームにて再構成)を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
本発明は、アミロイド沈着と関連する病気の診断、治療及び予防のための組成物及び方法に向けられている。本発明の好適な組成物には、血液−脳関門を横切ることができるアミロイド沈着物に影響を与えることのできる融合タンパク質を含む組成物及びアミロイド沈着物のエピトープに対する免疫応答を高めるのに効果的な組成物が含まれる。本発明の好適な方法は、アミロイド沈着と関連する病気の診断、治療及び予防のための組成物の利用及び改変アミロイドペプチド及びアミロイド遺伝子の分子構築物の製造のための及び利用を含む。
【0022】
アミロイド沈着と関連する病気の一例は、アルツハイマー病(AD)である。定義により、ADは、通常、検屍解剖での脳組織の検査により診断される。現在、推奨されているAD診断のための「最少顕微鏡的基準」は、脳内の神経炎プラークの数に基づいている。これらの神経炎プラークのアミロイドコアは、β−アミロイドタンパク質よりなり、ここでは、アミロイド−βペプチドとも呼ぶ(主として、β−ひだ付きシート構造において配置される)。脳のアミロイドプラークは、脳切片のチオフラビンS又はコンゴレッドでの染色により示される。コンゴレッド染色したアミロイドは、二色性の外観を特徴とし、黄−緑色の偏光色を示す。二色性結合は、アミロイドタンパク質のβ−ひだ付きシート構造の結果である。
【0023】
アルツハイマー病を死亡前に診断すること、治療剤を開発すること又はADを治療することは、非常に困難である。アポリポタンパク質Eの遺伝子型のスクリーニングが、ADの診断の補助として示唆されてきた。しかしながら、困難は、アポリポタンパク質E対立遺伝子は疾病マーカーではなく単にADの危険因子に過ぎないので、この技術と共に生じる。それは、多くのAD患者に存在せず、多くの痴呆でない老齢者に存在する。AD患者における神経化学的マーカーの存在を検出するため及び脳脊髄液中のAD関連アミロイドタンパク質を検出するためのイムノアッセイ法が開発されてきた。ADを診断するためのこれらの方法は、すべての患者において、特にこの病気の初期段階にADを検出することは証明されていない。それらは又、比較的侵襲的であり、脊髄穿刺を必要とする。最近、AD脳の切片における、拡散性の、密な及び神経炎型のプラークを標識するために放射性標識したAβペプチドが利用されてきた。しかしながら、これらのペプチドは、通常、イメージングに必要な量で血液−脳関門を横切ることはない。
【0024】
コンゴレッドは、非脳実質組織で、アミロイドーシスの診断にイン・ビボで利用することができる。しかし、コンゴレッドは、おそらく、注射した投与量のヨウ素化コンゴレッドの非常に少量(約0.03%)しか脳実質に入れないので、脳内のβ−アミロイド沈着物のイン・ビボ診断に適当ではない。コンゴレッドに関係する放射性ヨウ素化したビスジアゾベンジジン化合物(ベンゾオレンジR及びダイレクトブルー4など)が、イン・ビトロ及びイン・ビボで、患者の臓器内のアミロイド沈着物の存在及び位置を検出するのに有用であると報告されている。しかしながら、コンゴレッドと同様に、これらのすべての化合物は、強酸性のスルホン酸基を含んでおり、これは、これらの化合物が脳内へ入ることを厳しく制限している。
【0025】
アミロイドプラークのイメージングのためのプローブとしてのモノクローナル抗体を開発する試みも又、なされてきた。例えば、β−アミロイドのN末端領域(1−28)に対して高められた抗体は、イン・ビトロで形成されたβ−アミロイド集合物に結合し、小繊維の解離及びβ−アミロイドの溶解度の部分的回復へと導く。可溶性β−アミロイド(1−28)に対して高められたモノクローナル抗体の幾つかは、イン・ビトロでのβ−アミロイドペプチドの小繊維凝集を阻害することも見出されている。しかしながら、これらの試みの成功は、血液−脳関門を横切る大きい分子を得ることの困難さのために限られたものであった。本発明までは、アミロイド関連疾患の診断、治療及び予防は、殆ど成功しなかった。
【0026】
本発明は、異常なアミロイド沈着(例えば、アミロイドプラーク)の形成により媒介される病気及び過程を診断して治療するための方法を含む。この発明の一つの面は、アミロイドプラークを検出して好ましくは溶解させるのに十分な量で融合タンパク質を含む組成物の投与方法を包含する。他の面は、組成物を含むワクチン又は抗血清組成物の製造方法及び利用方法を含む。本発明は、アルツハイマー病などの神経変性疾患の検出及び治療に有用である。それは又、レービー小体痴呆、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(Dutch型)及びグアム・パーキンソン痴呆症候群並びに他のアミロイド関連疾患におけるアミロイドプラークの検出及び治療にも有用である。
【0027】
この発明の一つの面は、1)エピトープ又は断片(好ましくは、β−アミロイド内に位置するエピトープ)及び2)部分、断片又は全タンパク質(トランスフェリンの少なくとも1つの部分など、血液−脳関門を横切ることができるもの)を含む少なくとも1つのセグメントに結合する結合領域の少なくとも1つのセグメントよりなる融合タンパク質の構築及び投与を包含する。結合領域を含むセグメントは、アミロイド会合部分に付着し、結合し又は会合することのできる任意の結合パートナーであってよい。例えば、抗体の可変領域(軽鎖及び重鎖の両方を含む)は、アミロイドタンパク質上で見出されるエピトープに結合することのできる結合領域でありうる。この発明の特定の面において、6C6抗β−アミロイドmAbの軽鎖の可変領域を配列決定して、ヒトトランスフェリンと共にクローン化し、融合タンパク質VL−トランスフェリン及びVL−(トランスフェリン)2を発現する分子構築物を生成した。これらの融合タンパク質は、β−アミロイドの繊維及びもつれを可溶化する抗体6C6の特性を保持した。これらのトランスフェリン部分の付加は、融合タンパク質が血液−脳関門を横切ることを可能にする。
【0028】
本発明は又、これらの融合タンパク質をコードする遺伝子、これらの遺伝子を含む発現ベクター、これらの発現ベクターによりトランスフォームされた微生物及び細胞並びにこれらの遺伝子、タンパク質、発現ベクター及びトランスフォームされた細胞及び微生物の製造方法をも包含する。
【0029】
本発明は、更に、アミロイドーシスと関連する病気又は過程予防し又は治療するための他の方法及び組成物を包含する。この発明の更なる面は、ワクチンを含む組成物の、アミロイドエピトープ(例えば、特に、プラーク、もつれ又は他の沈着において見出されるタンパク質又はペプチド)に対する免疫応答を誘出するのに十分な投薬量での投与を含む。それは又、アミロイドエピトープ又は免疫原性領域に対して高められた抗血清を、アミロイドーシスと戦うのに十分な投薬量で含む組成物の投与をも包含する。この発明は、アミロイド沈着と関連する神経変性疾患(アミロイド関連疾患とも呼ばれる)例えばアルツハイマー病及び他の局所的アミロイドーシスと関連する病気例えば成人期発症糖尿病を診断し、予防し、治療するために特に有用である。
【0030】
本発明は又、哺乳動物におけるアルツハイマー型アミロイドーシスの生成を阻害する方法であって、免疫応答を誘出することのできる改変アミロイドペプチドの医薬的に有効な量を投与することを含み、この免疫応答がアミロイド沈着を防止し、邪魔し、又はその量を減少させる、当該方法にも向けられている。誘導体化アミロイドペプチド(ここに記載したものなど)の投与に続くアミロイドーシスに関連する症状の緩和は、アミロイド凝集物の蓄積又は形成が有意に変化し、減速し又は防止される適当な免疫応答の刺激から生じる。
【0031】
アミロイド関連疾患には、2型糖尿病、アミロイドA(反応性)、二次的アミロイドーシス、家族性地中海熱、蕁麻疹及び難聴を伴う家族性アミロイド腎障害(マックル‐ウェルズ症候群)、アミロイドラムダL鎖又はアミロイドカッパL鎖(特発性、ミエローマ又はマクログロブリン血症関連)Aβ2M(慢性的血液透析)、ATTR(家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本、スウェーデン)、家族性アミロイド心筋症(デンマーク)、孤立性心臓アミロイド、(全身性老年性アミロイドーシス)、AIAPP又はアミリン膵島細胞腫、心房性ナトリウム利尿因子(孤立性心房性アミロイド)、プロカルシトニン(甲状腺髄質癌)、ゲルソリン(家族性アミロイドーシス(フィンランド))、シスタチンC(アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(アイスランド))、Aアポ−A−I(家族性アミロイド多発性神経障害−アイオワ)、Aアポ−A−II(マウスにおける加速された老化)、フィブリノーゲン結合アミロイド;及びAsor又はPr P−27(震顫病、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルツマン・シュトラウスラー・シャインカー症候群、ウシ海綿状脳炎)(又は、アポリポタンパク質E4対立遺伝子についてホモ接合の個人の場合)が含まれるが、これらに限られない。
【0032】
融合タンパク質
本発明の一つの面は、方法及び分子構築物を含む組成物及びその結果生成する発現されたタンパク質又はかかる構築物によりトランスフォームされた細胞を含む。分子構築物を含む組成物又はかかる分子構築物の発現は、アミロイド(ペプチド、タンパク質、もつれ又はプラークなど)の一部分に結合する少なくとも一つのセグメント;及び血液−脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントを有する融合タンパク質を含む本発明の融合タンパク質の組成物を生じる。特に、アミロイドに結合するセグメントが、アミロイド(好ましくは、アミロイドペプチド又はタンパク質)のエピトープに結合する抗体又は抗体断片の結合領域であることは、好ましいことである。一層詳細には、融合タンパク質のエピトープへの結合が、アミロイド沈着物の溶解を引き起こし、アミロイドの沈着を防止し又はアミロイド沈着物の存在を検出することは、好ましいことである。
【0033】
遺伝子又は他の核酸セグメント(例えば、コード領域)の、発現ベクターへの組込みは、当業者に公知の方法を利用して達成することができる。この関係において、参考文献としては、Maniatis等(Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory, 1982)及びSambrook等(Molecular Cloning-A Laboratory Manual, 第二版、Cold Spring Harbor Laboratory, 1989)のテキストを参考にすることができる(これら両者の内容を参考として本明細書中に援用する)。
【0034】
この発明による融合タンパク質の分子構築物の発現方法も又、当業者に公知であり、前記のテキスト中に詳細に記載されている。これらの方法は、一般に、下記のステップを含む:
a)適当な宿主生物の、遺伝子又はコード領域が発現制御配列に機能的に結合された発現ベクターによるトランスフォーメーション;
b)この宿主生物の適当な生育条件下での培養:
c)所望の融合タンパク質の、この宿主生物からの抽出及び単離。宿主生物には、グラム陰性細菌及びグラム陽性細菌(例えば、大腸菌及びB.ズブチリス)、酵母、昆虫細胞、ヒト及び他の哺乳動物細胞が含まれるが、これらに限られない。
【0035】
組換えDNA技術を利用して融合タンパク質を含む組成物を製造するための本発明の好適な方法は、(1)融合タンパク質の結合領域セグメント例えば抗体の軽鎖の可変領域の配列決定、(2)この可変領域の発現のための合成遺伝子の生成、(3)この合成遺伝子のベクターへの、例えばC末端His6標識したpet24d+又はC末端セルロース結合ドメイン(CBD)を有するpet36b+ベクターへの連結、(4)この構築物の大腸菌における発現、(5)細菌溶解物の分画、(6)Niローデッドカラムを利用する適当な画分の精製、(7)所望のタンパク質バンド示すための精製画分のウエスタンブロットの実施;(8)抗体の可変領域のcDNA及びヒトトランスフェリンのcDNAのPCR技術による増幅の増幅、(9)この可変領域のcDNA及びヒトトランスフェリンのcDNAのバキュロウイルス例えばpBlueBacHIS2 Bへの挿入、(10)VL−トランスフェリン及びVL−(トランスフェリン)2ハイブリッドのクローン化、(11)正しいコード配列の維持の、挿入物の配列決定による確認、(12)昆虫細胞培養物の粗抽出物がVL−トランスフェリンについて陽性であることのSDS−PAGEによる分析、(13)これらの結果を確認するための抗His6を用いるウエスタン分ロットの実施、(14)これらの構築物の精製、(15)これらの構築物の、適当な投薬量での、適当なキャリアーを伴う投与、(16)血液−脳関門を横切ることのできるこれらの構築物を定量し及びアミロイドプラークの存在を測定する脳実質組織及び脈管構造の外部ガンマーカメラ及び放射能計数研究の実施を改善する。
【0036】
ここに記載の融合蛋白質組成物は、治療用途を、特に、アミロイド関連疾患の治療において有する。治療方法は、有効な量の融合タンパク質を含む組成物の投与を包含する。その後、患者を、アミロイドプラークの変化又は症状の停止につきモニターする。これらの投与方法は、一度の投与、順次的投与、又は長期間のボーラス投与若しくは連続的点滴投与を包含する。
【0037】
これらの融合タンパク質の組成物を、好ましくは、キャリアーにて哺乳動物に投与する。適当なキャリアー及びそれらの配合物は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16版、1980, Mack Publishing Co.(Oslo等編)に記載されている。典型的には、適当量の製薬上許容しうる塩を配合物において利用してこの配合物を等張にする。製薬上許容しうるキャリアーの例には、塩溶液、リンゲル溶液及びデキストロース溶液が含まれる。この溶液のpHは、好ましくは、約5〜8であり、一層好ましくは、約7〜7.5である。更なるキャリアーには、持続的放出用調製物例えば融合タンパク質を含む疎水性ポリマーの半透性マトリクスが含まれる(これらのマトリクスは、造形品例えばフィルム、リポソーム又はマイクロカプセルの形態である)。ある種のキャリアーが、例えば投与経路及び投与されるタンパク質の濃度に依って、一層好適でありうるということは、当業者には明らかとなろう。
【0038】
これらの融合タンパク質組成物を、患者(好ましくは、一動物、哺乳動物又はヒト)に、注射(例えば、静脈、腹腔内、皮下、筋肉注射)により、又は他の有効形態での血流への送達を確実にする方法例えば点滴によって投与することができる。これらの組成物は又、腫瘍内、腫瘍周辺、病変部内又は病変部周辺経路により投与して、局所的並びに全身的な治療効果を発揮することもできる。局所又は静脈注射が好ましい。
【0039】
これらの融合タンパク質組成物の有効な投薬量及び投与スケジュールは、経験的に決めることができ、かかる決定を行なうことは、当分野の技能の範囲内にある。当業者は、投与すべきタンパク質の投薬量は、例えば、組成物を受容する患者、投与経路、組成物中の融合タンパク質の特定の形態及び患者に投与される他の薬物に依って変化するということを理解するであろう。本発明のこれらの組成物中のこの融合タンパク質の1日当たりの典型的な投薬量は、上記の因子に依って、毎日、体重1kg当たり約1μgから100mg以上に及ぶ。
【0040】
これらの融合タンパク質組成物は又、有効量の少なくとも一種の他の治療剤と組み合せて患者に投与することもできる。それは、少なくとも一種の他の治療剤と順次的に又は同時に投与することができる。融合タンパク質組成物と治療剤の量は、例えば、如何なる種類の治療剤が用いられるか、治療される病気、及び投与のスケジュール及び経路に依存する。かかる個々の組成物又は組成物の混合物の患者への投与後に、その動物の生理的状態を熟練した従業者に周知の様々な方法でモニターすることができる。
【0041】
融合タンパク質組成物は、更に、特異的抗原を検出するための診断用アッセイにおいて、又は例えば特定の細胞、組織若しくは血清中での存在若しくは発現を検出するための核酸プローブとして、イン・ビトロ又はイン・ビボで利用することができる。当分野で公知の様々なイン・ビトロ診断用アッセイ技術例えば競争結合アッセイ、直接又は間接的サンドイッチアッセイ及び免疫沈降アッセイ(不均質相又は均質相で実施)を利用することができる。Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Technicrues, CRC Press, Inc. (1987) pp.147-158を参照されたい。
【0042】
本発明で用いられる分子構築物又は発現されたタンパク質は、検出可能な部分により標識することができる。この検出可能な部分は、好ましくは、直接又は間接的に、検出可能なシグナルを生成することができる。例えば、この検出可能な部分は、放射性同位元素(例えば、3H、14C、32P、35S又は125I)、蛍光若しくは化学発光化合物(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェラーゼ)、又は酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ又は西洋ワサビペルオキシダーゼ)であってよい。この検出可能部位に抗体を結合させるための当分野で公知の如何なる方法でも用いることができる。
【0043】
この発明の更なる具体例において、例えば、上記の治療方法又は他の応用のために利用することのできる融合タンパク質を含む組成物を含む製品及びキットが提供される。この製品は、標識を有する容器を含む。適当な容器には、例えば、プレート、スライド、瓶、小瓶及び試験管が含まれる。これらの容器は、様々な材料例えばガラス又はプラスチックから形成することができる。この容器は、上記のような治療又は非治療応用に有効な活性剤を含む組成物を保持する。この組成物中の活性剤は、融合タンパク質の分子構築物を含むことができる。この容器上の標識は、この組成物が特定の治療他の応用のために利用されることを示し、又、上記のようなイン・ビボ若しくはイン・ビトロ利用の方向を示すこともできる。
【0044】
この発明のキットは、典型的には、上記の容器及び少なくとも1つの他の容器(緩衝液、希釈剤、フィルター、針、注射器を含む、商業的見地及びユーザーの観点から望ましい物質を含む)を含み、パッケージには、使用説明書を挿入しておく。
【0045】
ワクチン方法及び組成物
本発明の更なる方法及び組成物は、少なくとも一つの改変ペプチド、断片又はタンパク質を含む組成物(好ましくは、リポソームなどの二分子層にて送達される)を含む(免疫応答を誘出する方法において用いられる)。好ましくは、これらの免疫応答は、「自己」タンパク質に対する免疫寛容を克服することができる。アミロイドーシスを治療し又は予防するために、アミロイドペプチドに対するかかる免疫応答を誘出することは、望ましいことである。この免疫応答の産物は、アミロイド沈着物を達成するために利用される(好ましくは、アミロイド凝集物の可溶化において)。この免疫応答(抗体、抗血清、刺激された細胞及び細胞性因子及び改変アミロイド性質、ペプチド、断片又はタンパク質に対するものを含むが、これらに限られない)の産物は、本発明の組成物を構成する。
【0046】
本発明の好適具体例は、改変ペプチド、好ましくはAβ1-16の組成物及び利用方法を含み、免疫応答を誘出する。これらの免疫応答の産物又はイン・ビボの免疫応答は、アミロイド沈着物を溶解させ又は部分的に溶解させるために利用される。β−アミロイド1−16(Aβ1-16)に対する免疫応答を誘出することは、望ましいことである。同じエピトープ、β−アミロイド1−16ペプチドに対して開発されたモノクローナル抗体6C6は、β−アミロイド繊維及びもつれをイン・ビトロで可溶化することができる。この特別の具体例は、特に、アルツハイマー病、及びβ−アミロイド凝集と関係する病気に関係するが、この発明は、誘導体化アミロイドペプチド及び、一般にアミロイドーシスと関係する病気及びアミロイド関連疾患を予防し又は防ぐことのできる免疫応答を誘出するためのそれらの利用を包含する。
【0047】
好適な組成物は、親油性部分などの部分の共有結合により改変されたペプチドを含み、かかる部分は、このペプチドを送達剤の外側に提示する(例えば、リポソームの脂質壁にペプチドを係留する)ことができる。好適な方法は、例えば注射による、患者例えばヒト、哺乳動物又は他の動物への投与を含む。
【0048】
改変ポリペプチドを有するリポソームを含む組成物は、ワクチン接種方法において利用され、ここに記載の抗原に対する免疫応答から生じた抗血清を含む組成物は、アミロイド関連疾患特にADの治療において治療上の効用を有する。これらの組成物は、好ましくは、アミロイド関連疾患を有する患者に投与する。例えば投与されるワクチン又は抗血清組成物の投与経路及び濃度に依って、キャリアーを利用することができるということは、当業者には明らかとなろう。これらのワクチン又は抗血清組成物は、注射(例えば、静脈、腹腔内、皮下、筋肉注射)により、又は他の方法例えば点滴によって患者に投与して、血流への送達が有効な形態であることを確実にすることができる。局所的並びに全身的治療効果を発揮する更なる投与経路が含まれる。
【0049】
これらのワクチン又は抗血清を含む組成物の送達のための有効な投薬量及び投与方法は、経験的に決定することができ、かかる決定は、当業者の技能の範囲内である。当業者は、必要とされる投薬量が、他の考慮すべき事項の内で、このタンパク質を受ける患者、投与経路、用いるペプチド抗原の特定の型、及び他の投与される物質に依存することを理解するであろう。
【0050】
これらのワクチン又は抗血清組成物は又、患者動物に、少なくとも一種の他の治療剤と共に投与することもできる。それらは、少なくとも一種の他の治療剤と順次的に又は同時に投与することができる。ワクチン又は抗血清組成物及び治療剤の量は、他の考慮すべき事項の内で、用いる治療剤の種類、治療する病気、並びに投与のスケジュール及び経路に依存する。ワクチン又は抗血清組成物の患者動物への投与後に、その動物の生理的状態を、熟練従業者に周知の方法でモニターする。
【0051】
この発明を、更に、下記の実施例によって説明する(これらは、如何なる場合にも、発明の範囲に対する制限を課すものと解釈すべきではない)。逆に、様々な他の具体例、改変及び同等物(これらは、ここの記載を読んだ後では、それら自身を、本発明の精神及び/又は添付の請求の範囲から離れることなく、当業者に示唆することができる)の頼りとなりうるということが明確に理解されるべきである。
【0052】
実施例
実施例1:6C6抗体軽鎖(VL)のタンパク質配列分析
モノクローナル抗体6C6(Athena Neurosciences, San Francisco, カリフォルニア)は、β−アミロイドの1〜16領域に局在するエピトープを認識して、β−アミロイド繊維及びもつれをイン・ビトロで可溶化することができる。Tamaoka等、1992, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89,1345-9を参照されたい。
【0053】
6C6の軽鎖及び重鎖を、アガロースゲル中で還元条件下で分離した。トリプシンによるゲル内Lys−C−消化を、カッパ軽鎖について、1mg Lys−Cを用いて一晩行なった。画分を、逆相クロマトグラフィー(HP−C90−1−IPLC 1mm×12.5cm、DAD検出器)により分離した。集めた画分の質量を質量分析(MALDI−TOF)により測定した。N末端の配列決定を、PE−バイオシステムシーケンサー(Procise ABI 492, Langen, ドイツ国)を用いて行なった。他の画分を、C末端のGluのエンドプロテアーゼV−9開裂によるゲル内消化物により得た。ペプチドを、N末端から開始して配列決定した。VL鎖の配列を、図1並びにSEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2に与える。
【0054】
実施例2:軽鎖のV領域(VL)の遺伝子合成及びクローニング
断片VLのアミノ酸配列を、ヌクレオチドSEQ ID NO:1に変換して、適当なベクター系に挿入した。VL遺伝子断片を、PCRベースのアプローチを利用して合成した。センス鎖及びアンチセンス鎖の配列を、5’末端のおよそ25ntオリゴヌクレオチド(外側オリゴ)とその後ろの4つの50量体(内部オリゴ)に、ギャップレス様式で分けた。内部オリゴヌクレオチドを混合して、PCRにおけるテンプレートとして利用した(該PCRでは、100倍過剰の2つの外側5’オリゴをプライマーとして使用する)。PCRを、50μlの容積で、1単位のプルーフリーディングポリメラーゼ(Ultma, Perkin-Elmer)及び2mM MgCl2、緩衝剤(製造業者から供給)及び各外側プライマー25pモルを用いて行なった。Sanyoサーモサイクラー中での99℃でのインキュベーションの2分後に、ポリメラーゼの添加により反応を開始して、30サイクル(95℃で2分、66℃で2分及び72℃で1分)を行なった。VL遺伝子配列を、ゲル電気泳動により確認した。
【0055】
PCR生成物を、NeoI及びXhoIにより開裂させた。この挿入物を、アガロースゲル電気泳動により調製して、それぞれ、調製したpET24d+ベクター又はpET36b+ベクター(Novagen)中に連結した。最初に、プラスミドpET24d+を用いて、遺伝子断片(VL)を、後続の実験において断片を検出して精製するためにヘキサヒスチジンタグの次に挿入した。不運にも、抗Hisタグ抗体は、ウエスタンブロット分析において非特異的結合を示す検出手順において十分に作用しなかった。それ故に、原核生物セルラーゼのセルロース結合ドメイン(CBD)及び幾つかの短いペプチドタグを含む第二の発現ベクターpET36b+をタンパク質精製のために利用した。このCBDは、CBDの細菌ペリプラスムへの移動のためのシグナルとして作用するプロペプチドを含んだ。VLを含むプラスミドpET24d+を、pETVL102と命名し;VL挿入物を有するプラスミドpET36b+を、pETVL112と命名した。両ベクターのマップを図2及び3に与える。
【0056】
実施例3:大腸菌における発現
大腸菌B21(DE3)pLysSを、プラスミドpETVL102(pETVL112)及び空のベクターpET24d+(pET36b+)(対照用)でトランスフォームした。一晩培養を用いて、50μg/mlカナマイシン及び30μg/mlクロラムフェニコールを含む50mlのLB培地を接種した。培養物を、37℃で2時間生育させて、200rpmで震盪させた。発現を、IPTGの添加(終濃度0.5mM)によって誘導した。2mlの試料を、2時間後及び4時間後に取って、遠心分離した(5分間、1600×g、4℃)。これらのペレットを1mlのトリスHCl緩衝液(25mlM、pH=7.5)で洗って、200μlの1×SDSゲルローディング緩衝液(RotiLoad 1、Carl Roth)に溶解させた。これらの試料を超音波処理し、加熱(5分間、95℃)して、15%SDS−PAGE上で分析した。
【0057】
続くステップにおいて、VL断片のpETVL112における発現を、2.5Lスケールで反復した。全可溶性細胞画分を、FPLCシステムにおける固定化ニッケル親和性クロマトグラフィー(Ni−1MAC)にかけた。Ni2+イオンを充填したキレーティングセファロースFF(Pharmacia Biotech)のカラムを、緩衝液A(25mM トリスHCl、0.1mM NaCl pH=7.5)で平衡化した。
【0058】
3mlの試料を載せた後に、20mM イミダゾール Helを含む緩衝液Aで洗った。溶出を、500mM イミダゾールHClを含む緩衝液Aを用いて達成し、それらの画分をウエスタンブロットにて分析した。
【0059】
大腸菌pETVL12の可溶性細胞抽出物の残りを上記のように処理し、n°58近辺の画分をプールした。このプールを、セルロースマトリクスを利用する第二のアフィニティークロマトグラフィーにかけた。CBDは、塩の存在下で、セルロースに結合し、純水により又は有機溶媒(例えば、エチレングリコール)により溶出される。このプール(20ml)を、2つのカラム(CBinD 900 カートリッジ、Novagen)を通過させた。次いで、これらのカラムを、10ml 洗浄用緩衝液(20mM トリスHCl、0.8M NaCl、pH=7.5)及びローディング用緩衝液(20mM トリスHCl、pH=7.5)で洗った。各カラムを1mlの100% エチレングリコールで溶出した。流通物(洗浄溶液及び溶出液)をクーマシーブルー染色したSDS−PAGE及びウエスタンブロットにより分析した。
【0060】
超音波処理細胞画分において、可溶性画分のみが、特異的な30kDaのシグナルを示した。VL断片は、たとえ安定な部分に融合させても、非常に不安定でありうるということ、及びそれは、細胞内封入体として沈着しないが、正しくプロセッシングを受けて(プロセッシングを受けてない融合タンパク質は、約34kDaの計算上の質量を有する)、宿主のペリプラスムに移動するということが結論された。これらの結果を確認するために、VLのpETVL112における発現を、一層大きい容積で反復した。これらの結果物を、FPLCシステムにてアフィニティークロマトグラフィーにより集めた。吸収を290nmでモニターした。特異的な溶出ピークが、約120mlの全溶出容積で見られた。
【0061】
溶出画分をウエスタンブロットで分析した。pETVL112株及び対照(偶数番号のレーン)の7.5mlの画分8、画分25、画分33及び画分58を、12% SDS−PAGE上で分離し、ニトロセルロースにトランスファーし、抗CDB抗血清と共にインキュベートして、タンパク質A−ペルオキシダーゼ結合体及び化学発光によりアッセイした。特異的シグナルがレーン7に見られた。他のシグナルは、分子量マーカー(M)の検出に用いた第二の血清のために不明瞭であった。
【0062】
クーマシーブルー染色したSDS−PAGEは、予想された位置にバンドを示さなかった。これは、この第一のクロマトグラフィーステップの後に、全量と比較して非常に少量の融合タンパク質が存在することを示唆している。
【0063】
大腸菌pETVL112の可溶性細胞抽出物の残りを、同様に処理し、画分の集合を、カラムを通過させた。溶出画分を、ウエスタンブロットにより分析した。生成した溶出液は、殆ど、交差反応シグナルを有しなかった。クーマシーブルー染色したゲルにおいては、30kDaで、非常にかすかなシグナルを見ることができた。SEQ ID NO:3及び図2(a)及び(b)を参照されたい。
【0064】
実施例4:VL−ヒトトランスフェリンハイブリッドの構築
様々なVL−トランスフェリンハイブリッドを、昆虫細胞での発現用のバキュロウイルスベクターpBlueBacHIS2 B(4.9kb、Invitrogen)に連結してクローン化した。VL断片(pETVL102)及びヒトトランスフェリンcDNA(pUC18/hTF、pUC18ベクター(2.7kb)中のヒトの完全長トランスフェリン(2.3kb)、R.T.A. MacGillivray of Biochemistry and Molecular Biology(カナダ国、Vancouver在)より入手)をPCRにより増幅した。これらの断片の最後部への停止コドン及び制限部位の導入を、改変プライマーを利用して行なった。
【0065】
LのcDNA又はヒトトランスフェリンのcDNAの何れか、停止コドン及び適当な制限部位を含む下記のセグメントが、上首尾に増幅された:
BamHI−VL−XhoI
XhoIhtf−STOP−SalI
XhoI−hTF−BglII
BglII−hTF−STOP−SalI
増幅されたDNA断片の制限酵素による開裂は、精製VLとトランスフェリン断片との連結を下記の様式で可能にした:
1.BamHI−VL−XhoI×XhoI−hTF−STOP−Sal1
2.BamHI−VL−Xho×XhoI−hTF−BglII×
BglII−hTF−STOP−Sal1
開裂1は、制限部位Xho1により連結されて停止コドンで終端しているVL−TFを含む断片を生成した。
【0066】
開裂2において、VLは、XhoIを超えてトランスフェリンと接続され、その後ろには、第二のトランスフェリンが制限部位BglIIを超えて接続される。この断片は、停止コドンで終端している。
【0067】
1つのトランスフェリン部分を有する軽鎖V領域(VL−TF)並びに2つのトラスPheリン部分を有するV領域(VL−(TF)2)を、バキュロウイルスベクターpBlueBacHIS2の複数クローニング部位に、制限部位BamHI及びSalIを利用してクローン化した。これら2つの選択した組換え体クローンの挿入を、配列分析前に確認した。
【0068】
pETVL102から出発して、VLを、3’−>5’プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼを利用して、PCRにより増幅した。5’側に伸長部分を有するVL特異的なプライマーを利用することにより、制限酵素認識部位(5’末端:BamHI、3’末端:Sal1)及びVL断片の最後のアミノ酸に続く停止コドンをPCR生成物に加えた。
【0069】
精製したVL−PCR生成物及びベクターpBlueBacHIS2 Bを制限酵素BamHI及びSal1で開裂させた。この制限酵素処理したベクターを仔ウシ腸ホスホリパーゼ(CIP)を用いて脱リン酸化した。これらの制限生成物を、アガロースゲル電気泳動により同定してから、VL断片をCIP処理したpBlueBacHIS2 Bベクターに連結した。T4DNA連結及びCIP処理を製造業者(MBI Fermentas)により記載されたようにして行なった。図4(a)及び(b)を参照されたい。
【0070】
実施例5:バキュロウイルスベクタ-pBlueBacHIS2 Bを利用するサブクローン化したVLのトランスフォーメーション、スクリーニング及びDNA配列決定
コンピテントな大腸菌XL−1BlueMRF細胞(Stratagene)を、日常的手順(Sambrook等、1989. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory, New York)を適用することにより、VL断片を含む連結反応生成物pBlueBacHIS2 Bによってトランスフォームした。トランスフォーメーション後に、精製したクローンの6つを、VL挿入物の存在につき試験した。
【0071】
単一コロニーの分析を、VL増幅のために前に用いたVL特異的プライマーを利用するPCRベースの技術によって行なった。構築物の確認を、挿入物の制限開裂及び配列決定により行なった。
【0072】
BamHI/SalI制限酵素処理したVL断片を、BamHI/SalI消化してCIP処理したpBlueBacHIS2 Bベクターと連結した。
【0073】
トランスフォーメーション後に、その結果生じたコロニーの6つを、VL挿入物の存在につき試験した。単一コロニーの分析は、6つのすべてのクローンが、VL挿入物を含んだことを示している。クローン「VL−1」をDNA配列決定による更なる分析のために選択した。
【0074】
正しいコード配列の維持を、挿入物pBlueBacHIS B−VL、pBlueBacHIS B−VL−TF及びpBlueBacHIS B−VL−TF2を配列決定することにより確認した。VL断片及びVL−トランスフェリンを含むpBlueBacHIS2 Bのマップを図4(a)及び(b)に示す。
【0075】
実施例6:組換えバキュロウイルスの生成及びタンパク質VL、VL−TF及びVL−(TF)2の発現
融合タンパク質VL−TF及びVL−(TF)2並びにVLの発現を大腸菌で行なった。これらのタンパク質をクーマシー染色したゲルにおいて分析した。3つの選択したプラスミドpBlueBacHIS2 BVL−2、pBlueBacIIIS2 BVL−Tf−4及びpBlueBacIIIS2 B VLL−TF2−5をDNA配列決定により確認してから、トランスファーベクターとウイルスDNAのイン・ビボ組換えを行なった(Ba N−BlueTM リニアーDNA、Invitrogen)。
【0076】
Sf9細胞を、プラスミドpBlueBacHIS2 BVL−1、pBlueBacIIIS2 BVL−TF−4及びpBlueBacHIS2 B VL−TF2−5並びにア0クセプターDNA(Bac−N−Blue TM−DNA、Invitrogen)によりトランスフェクトした。3日後及び5日後に、これらの上清を集めて、1:10〜1:10000希釈にて、アガロース/X−gal−重層プレート上で試験した。5日間のインキュベーション後に、ウイルスを、8つのプラークから分離した。
【0077】
Sf9細胞に、これらのウイルスを感染させて(プラーク当たり4試料)、4日後に、ウイルスDNAを単離するために上清を集めた(P1溶解物と命名)。このDNAをPCR技術により特性決定した。
【0078】
実施例7:バキュロウイルスベクター系により発現された融合タンパク質の分析
高いウイルス力価を有する溶解物の生成のために、3×107のSf9細胞に約0.1のm.o.i(感染多重度)のVL、VL−TF及びVL−TF2のPI溶解物を感染させた。3日後に、上清を集めて、それらの力価を限界希釈法により測定した。これらのタンパク質を単離して、クーマシー染色した10% PAGEゲルにて特性決定した。
【0079】
Lを伴うPCRは、予想された断片並びにVL−TFをクーマシー染色ゲルにおいて示した。VL−TF2(2つのトランスフェリン部分を有する軽鎖)の増幅生成物は、トランスフェリン残基の一つを失っているようであり(VL−TFの生成物の長さを示している)又は一層長い断片を失っていた。VL−TF2の不安定性の故に、4つの他のクローンのウイルスDNAをPCRにより分析した。不幸にも、正しい長さのVL−TF2は、検出されなかった。
【0080】
L−1(26ml)についての2×108pfu/ml(プラーク形成単位)、VL−TF4(26ml)についての1×108pfu/ml及びVL−TF2(14ml)についての1×108のウイルス力価が、3つの選択したバキュロウイルスクローンVL、VL−TF及びVL−TF2から得られた。VL及びVL−IF感染細胞から、15kD及び80kDの予想される分子量を有するタンパク質を抽出することができた。VL−TF2の抽出は、分子量80kD及び約105kDを有する2つのタンパク質を示し、両方とも、2つのトランスフェリン分子に融合したVLの関連タンパク質ではなかった。VL及びVL−トランスフェリンを含む昆虫細胞培養物の粗抽出物の、抗His6を用いるウエスタンブロット分析は、これらの結果を確認した。
【0081】
実施例8:イン・ビボ投与
これらの構築物の高純度精製(>95%)行なった。十分量のVL及びVLTFが得られ、これらの構築物を111Inで標識する。脳の実質組織の外部γカメラ及び放射能計数研究は、これらの構築物の血液−脳関門を横切る能力の定量を可能にする。
【0082】
実施例9:固相ペプチド合成のためのパルミトイル化リジンの調製
次の方法を利用して、ワクチン組成物を製造した。パルミトイル化リジンを、Aβ1−16ペプチドの両端に追加して、βアミロイド1−16(Aβ1-16)ペプチドを脂質二分子層に係留した。図5を参照されたい。
【0083】
2つのストラテジーを採用して、2つのテトラパルミトイルペプチドを、Applied Biosystems ペプチドシンセサイザーによって合成した:1)N末端が2つのパルミトイル残基を有し(即ち、α,ε−ジパルミトイル化リジン)、C末端では2つの非パルミトイル化リジンを順次的に挿入し;2)4つの非パルミトイル化リジンを2つの各末端に挿入する。このペプチドの自動化固相合成のために、最初のアミノ酸非パルミトイル化リジンをN保護して4−アルコキシベンジルアルコール樹脂上にエステル結合により係留した。フルオレニルメトキシ−カルボニル(Fmoc)基が、リジン及びその誘導体のための非アミン保護基として好適であった。かかるビルディングブロックの作成方法は、公知である。図6a及びbを参照されたい。
【0084】
実施例10:FmocLys(PAL)のアルコキシベンジルアルコール樹脂への係留
FmocLys(Pal)OH(BACHEMより)を、アルコキシベンジルアルコール樹脂(BACHEMより)と、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、Aldrich)及びジメチル−アミノピリジン(DMAP、Aldrich)の存在下で、G. Lu等、J.Org.Chem.,46,3433(1981)により最適化された手順に従って、乾燥した、新たに蒸留した塩化メチレン中で反応させた。室温で3時間攪拌した後に、反応混合物を、濾過して、乾燥塩化メチレンで10回徹底的に洗浄した。完全な反応を確実にするために、得られた樹脂をもう一度FmocLys(Pal)OHの新鮮な部分と、DCC及びDMAPの存在下で、乾燥塩化メチレン中で、室温で、一晩反応させた。翌日、濾過及び塩化メチレンでの洗浄後に、樹脂を真空中で乾燥させた。この生成物のFT−IRスペクトルは、エステル結合について予想されたバンドを1720cm-1に、NH基について予想されたバンドを3327cm-1に及びアミドカルボニル基について予想されたバンドを1626cm-1に示している。これらのすべてのバンドは、出発アルコキシベンジルアルコール樹脂のFT−IRスペクトルにおいては存在しない。最終的な量は、227mg(約0.5mモル/gのローディング)であった。図6(c)参照。
【0085】
実施例11:固相合成
この樹脂に、第二のパルミトイル化リジンを、脱保護(Fmoc基の除去)後にFmocLys(Pal)OHによって追加した。次いで、合成の16サイクルをβ−アミロイドにつき実施した。次いで、試験目的のために、少量のこのペプチドを樹脂から開裂させ、エレクトロスプレー質量分析法(ES−MS)により調べた。この粗混合物は、3つのペプチドの存在を示し、主成分は、896.9、673.0及び538.0Daにピークを有する所望のもの(それぞれ、帯電した分子イオン+3、+4及び+5に対応する)である。この分子イオンは、スペクトル中に存在しないが、このシリーズから2687.86Daにあると推論することができる。他の2つの成分は、1つ又は2つのパルミトイル化リジン(367Da質量差)を有するペプチドに対応する(2321.43及び1953.87Daに推論される分子イオン)。これは、FmocLys(Pal)OHのカップリングが不十分であったことを示している。
【0086】
α,ε−ジパルミトイルリジンを、未開裂樹脂の残りに結合させた。たとえカップリング時間を延長しても(室温で、一晩)、DMF中でのジパルミトイル化リジンの低溶解度のために、未反応物質が残った(ニンヒドリン試験)。この樹脂からの開裂後に、ES−MSは、所望のテトラパルミトイル化ペプチド(M+=3292.43)が約20%しか存在しないを示す。
【0087】
第二の実施において、α,ε−ジパルミトイル化リジンとの停滞したカップリングを回避するために、最初の2つのパルミトイル化リジンにβ−アミロイドを捕らえた16サイクルの完了後に、2つの順次的パルミトイル化リジンを末端に挿入した(カップリングを各2回実施する)。樹脂からの開裂(TFA使用)後のES−MSスペクトルは、テトラパルミトイル化ペプチドの所望のピークをM4+として855.4Daに示し、M5+として05.4に示す(3421.65の分子イオンに対応)。このペプチドは、約35%に達し、又は混合物主成分は、2つのLys(Pal)残基(M+2688.58Da)を有するペプチドである。少量の成分は、余分のリジンを有しない(M+2560.42Da)。
【0088】
この混合物又はペプチドは、所望のテトラパルミトイル化ペプチド及び、パルミトイル残基を欠き、それ故、リポソームへ二重挿入しそうにないペプチドからなっていた。それ故、我々は、これらの混合物をリポソーム調製に利用することを決定した。
【0089】
実施例12:α,ε−ジパルミトイル化リジンの製造
水性水酸化ナトリウムを用いる20gスケールでのショッテン−バウマン反応における塩化パルミトイルによるリジンの直接的パルミトイル化は、かなりのパルミチン酸を含み、所望のa,eジパルミトイル化リジンから分離することのできる物質へと導いた。H.Kiwada等、Chem.Pharm.Bull.,35,2935-39(1987);Y.Lapidat等、9,142-44(1967)の手順に続いては、間接的方法を用いなければならなかった。
【0090】
N−ヒドロキシスクシンイミドのパルミトイル化エステルを、先ず、パルミチン酸(Fluka)、N−ヒドロキシスクシンイミド(Aldrich)から、酢酸エチル中で、DCC(Aldrich)の存在下で、収率77%で合成した。この活性化エステルを、続いて、リジンのナトリウム塩と、水性テトラヒドロフラン中で反応させた。濾過及び水洗後に得られた粗生成物は、プロトンNMR及びFAB(Fast Atom Bombardment)マススペクトルによる証拠に示されるように、未だ、幾らかの未反応エステルを含んだ。クロロホルムからの再結晶は、640mgの純粋な試料を与えた。そのFAB−マススペクトルは、予想されるピークを623Da(MH+)に示し、活性化エステルのピーク(354Da)は存在しない。図7及び8参照。
【0091】
実施例13:パルミトイル化ペプチドのリポソームにおける再構成
リピドAを有するリポソームを、Aβ1−16に対するマウスの免疫寛容を破壊する試みにおいて、アジュバントとして利用した。それらを、ジミリストイル−ホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジル−グリセロール及びコレステロール(Avanti Polar Lipids, 米国、AI, Alabaster在)を、モル比0.9:0.1:0.7で混合することにより調製した。モノホスホリルリピドA、強力な免疫調節剤(IASL Biologicals, 米国、カリフォルニア、Campbell在)を、リン脂質1mモル当たり40mgの濃度で加えた。Tosi等、Biochem.Mophys.Res.Com.,212,494-500(1995)。これらのパルミトイル化ペプチドを、リン脂質に対して、1:100及び1:200のモル比で加えた。溶媒を蒸発させた。その結果生成したフィルムを、無菌のリン酸緩衝塩溶液(PBS、pH7.4)での水和(リン脂質の終濃度4mM)の後に、更に、回転式振盪させた。このリポソーム懸濁液を無菌のAlumと15分間混合してから注射した(9:1 vol:vol、Rehydrogel, HYA,Rebeis Inc, ニュージャージー、Berkley Heights在)。
【0092】
実施例14:マウスの免疫化
8匹のBALB/cマウス(Charles River Laboratories, 米国、マサチューセッツ、Wilmington在)を、200μLのパルミトイル化ペプチド−リポソーム/Alum懸濁液の、2週間間隔での6回のi.p.接種により免疫化した。3匹のマウスの一グループを、同じプロトコールによって、PBS/Alumのみで免疫化した。他のグループの3匹のマウスをこのプロトコールにより、4mM リン脂質(PBS中)及びAlumで、パルミトイル化Aβ1−16を用いずに免疫化した。血液を、注射の4日後に、尾静脈から採取した。この採取した血液(10−30μl)を、直ちに、10μlのPBS及び5μlのヘパリンで希釈した。これらの試料を遠心分離し、血清を取り出して、ELISAアッセイで試験した。
【0093】
種々の齢の19匹のトランスジェニックマウス(NORBA、Hoechst Marion Roussel, ニュージャージー、Bridgewater在)の第二のグループは、それらの膵臓に、構成的にβ−アミロイドプラークを与える。それらを、上記と同じプロトコールを利用して免疫化した。これらの免疫化NORBAマウスに、第5回目の免疫化を施してから、犠牲にした。血液を集めて、抗β−アミロイド抗体につきELISAアッセイにてアッセイした。
【0094】
更に、12匹のB57131/6マウスを、上記のように免疫化した。このグループにおいては、リポソーム及びパルミトイル化β−アミロイド(1−16){ごたまぜのβ−アミロイド(42−1)及びリポソームと混合}を注射に用いた。Alumを前のように加えた。更なる対照用の3匹のマウスをリポソーム及びパルミトイル化β−アミロイド(1−16)で、Alumを用いずに免疫化した。上記のように、血液を集めて試験した。
【0095】
実施例15:ELISA(酵素結合免疫溶媒アッセイ)試験
ミクロ滴定プレートを、50μlのβ−アミロイド1〜28溶液(1mg/ml)で、一晩、40℃で被覆した。200μlのBSA/PBS(0.5% BSA)によるウェルの2時間にわたる37℃でのブロッキングが、200μlのPBS/0.005% ツイーン20での洗浄の前に続いた。
【0096】
血清の種々の希釈物(1:100〜1:100,000)を、2時間、37℃でインキュベートした。次いで、これらのプレートを、200μLのPBS/0.005% ツイーンで2回洗ってから、50μlのヤギ抗マウス抗体(アルカリホスファターゼ結合体化)を、1:30,000希釈で加えた。37℃で2時間後に、これらのウェルを上記のように洗った。その後、100μlの基質(PNPP、パラニトロフェニルホスフェート、5mlの蒸留水中に1錠)を加えて、吸収を30〜60分後に、ELISAリーダーによって、405nmで測定した。
【0097】
第3のリポソーム/パルミトイル化β−アミロイド(1−16)の注射の後に、ELISAアッセイは、ワクチン接種したBalb/cマウスにおいて有意の免疫応答を示した。これらの抗体は、注射した抗原に対して特異的であった。集めた血清の1:5000希釈物のOD405は、未処理マウスの希釈物である対照物より10〜20倍高かった。従って、この免疫化手順は、Aβ1−16に対する免疫応答をマウスにおいて誘出した。対照用免疫化受けたマウスにおいては、免疫応答は検出されなかった。
【0098】
膵臓におけるイン・ビボでのβ−アミロイドプラークへの結合及びその可能な溶解を研究するためにNORBAトランスジェニックマウスの接種のために同じ免疫化手順を利用した。19匹の種々の齢のトランスジェニックマウス(NORBA、Hoechst Marion Roussel, ニュージャージー、Bridgewater在) (β−アミロイドプラークをそれらの膵臓に構成的に与える)を免疫化した。これらの免疫化NORBAマウスに、第7の免疫化を施してから、犠牲にした。血液を集めて、抗β−アミロイド抗体につき、ELISAアッセイにてアッセイした。これらの血清の1:5,000希釈物において、OD405は、対照よりも10倍高かった。Aβ1−16並びにごたまぜにしたAβ42−1及びペプチドを有しないリポソーム(対照)を受けた免疫化C57B1/6マウスの第3のグループは、血清の1:10,000希釈物において対照に対して10倍高い力価に達した。表1及び2を参照されたい。
【0099】
【表1】

OD405希釈:1−* 第二抗体:アルカリホスファターゼ結合体化ヤギ抗マウス抗体。基質(PNPP)−p−ニトロフェニルホスフェート。アッセイを、3.(C57BV6)及び4.(Balb/c)追加抗原注射の後で実施した。各抗原/アジュバントにつき、3匹の動物に注射した。
【0100】
【表2】

*OD405は、対照(リン脂質のみ)の10倍であった
【0101】
実施例16:免疫化C57B1/6マウスの病理学研究
免疫化C57B1/6マウスを、免疫化手順の終了後に病理学検査にかけた。腎臓、肝臓、心臓、骨髄、膵臓、脾臓及び脳の切片を分析した。
【0102】
実施例17:ワクチン接種したNORBAマウスの膵臓の免疫組織化学的研究
種々の齢の23匹のNORBAマウス(β−アミロイド陽性及びβ−アミロイド陰性の動物を含む)を、上記のようにリポソーム中に再構成したパルミトイル化Aβ(1−16)で免疫化し(19匹のマウス)又はリポソームだけで免疫化した(4匹のマウス)。これらの動物は、脳ではなく膵臓にβ−アミロイドプラークを有している。これらのワクチン接種したマウスを7回の注射の後に犠牲にして、それらの膵臓を集めてホルマリン中に保存した。これらの保存した膵臓片を、凍結切片を調製するためにシュークロース溶液中に浸した。得られた薄い切片を、β−アミロイド凝集物染色に特異的な蛍光色素のチオフラビンT(Vassar及びCulling. 1959)により分析して、膵臓表面のβ−アミロイドを検出した。これらの切片を、FITC標識した抗β−アミロイド抗体(Accurate Chemical Co., コネチカット、Westbury)を利用しても分析した。このマウス「自己抗体」のβ−アミロイドプラークへの結合を、ウサギ−抗マウスIgG(FITC標識)を用いてアッセイした。
【0103】
リポソーム中に再構成したパルミトイル化Aβ(1−16)でワクチン接種したNORBAトランスジェニックマウスに由来する膵臓のチオフラビンT染色した切片の組織学的研究を行なった。β−アミロイド陰性の動物の染色した膵臓組織は、脈管を示す幾つかの明るい点を伴う、拡散した、弱い、背景蛍光を示した。これらの腺房細胞は、完全に黒かった。完全に発達したβ−アミロイドプラークを有する18月齢の動物は、腺房細胞領域中に強い蛍光を示した。大きい血管を示唆する非常に明るい蛍光も又、あった。完全に発達したβ−アミロイドプラークを有する18月齢のマウス(最初の接種の4ヶ月後にワクチン接種して試験した)は、腺房細胞間に蛍光のフォーカス(斑点)領域を示したが、多くの腺房細胞の斑点は、主として非蛍光性であった。これらの結果は、ワクチン接種がβ−アミロイドプラークを識別するか又はそれらの沈着を逆転させることを示した。
【0104】
チオフラビンで染色した各切片における平均蛍光強度の、光度分析ソフトウェアを利用する定量的評価は、19月齢のNORBAのワクチン接種された動物に由来する膵臓切片は、ワクチン接種しなかった同じ動物の高い強度の蛍光の25%未満を示した。これらの定量のサンプリングを表3に示す。
【0105】
【表3】

【0106】
各値は、5つの計数の平均である。ワクチン接種は、完全に発達したβ−アミロイドプラークを有するNORBAトランスジェニックマウスのチオフラビン染色した膵臓切片における高い強度の蛍光を劇的に(70%を超えて)減じるようである。中位の及び低い強度の蛍光(これは、陰性対照においても検出されるので非特異的である)は、ワクチン接種しても変化しなかった。陰性対照には、高い蛍光はない。
【0107】
イン・ビトロ実験を行なって、「自己抗体」がプラークを分解する機構を研究した。配列Aβ(1−28)を利用するβ−アミロイド凝集物を、7日間37℃でリン酸緩衝塩溶液(PBS)中でpH=7.1でインキュベートすることにより生成した。これは、マウスの免疫化に用いたシーケンスである。これらの沈着物は、チオフラビンT(「Th T」)を用いる染色により検出可能であった。Th Tは、アミロイド様沈着物を染色して増強された蛍光放出を482nmで示し且つ凝集したβ−シート調製物の懸濁液に加えた場合には新たな励起ピークを450nmで示す(Solomon等、(1997) PNAS 94, 4109-4112)。図7は、6C6mABによる及びリポソーム中に再構成されたパルミトイル化Aβ(1−16)で免疫化したマウスに由来する血清による、βアミロイド繊維の幾分かの分離を示している。
【0108】
両抗体は、可溶化特性を有するが、これらのモノクローナル抗体は、免疫化マウスに由来するポリクローナル抗体を含む血清よりも有意に強力な効力を有しているようである。
【0109】
この明細書中で言及した任意のパターン又は他の刊行物は、この発明が属する分野の当業者のレベルを示している。当業者は、本発明が目的を実施するために及び言及した及び内在する目的及び利点を得るためによく適合されることを容易に認めるであろう。本願の、ここに記載した方法、手順、処理、組成物及び特定の化合物に沿った実施例は、現在の好適な具体例の代表であり、発明の範囲を制限することを意図するものではない。当業者は、上記の実施例に記載したこの発明の特定の具体例に対する多くの同等物を、日常的実験を利用して、知り又は確かめることができよう。その変更及び他の利用は、当業者に生じるであろうが、それらは、請求の範囲に規定したこの発明の精神の中に包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エピトープ又は断片に結合する結合領域を含む少なくとも一つのセグメント、及び血液脳関門を横切ることのできる部分、断片又は全タンパク質を含む少なくとも一つのセグメントを含む融合タンパク質をコードする発現ベクターを含む分子構築物。
【請求項2】
血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントがトランスフェリンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが、抗体又は抗体断片である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが抗体又は抗体断片であり且つ血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントがトランスフェリンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
エピトープ又は断片に結合する結合領域を含む少なくとも一つのセグメント、及び血液脳関門を横切ることのできる部分、断片又は全タンパク質を含む少なくとも一つのセグメントを含む融合タンパク質を含む組成物。
【請求項6】
血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントが、トランスフェリンである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが、抗体又は抗体断片である、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
結合領域を含む少なくとも一つのセグメントが抗体又は抗体断片であり且つ血液脳関門を横切ることのできる少なくとも一つのセグメントがトランスフェリンである、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
融合タンパク質が、ヒト又は動物におけるアミロイド沈着を変えることのできる、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
医薬的に有効な量の請求項5に記載の組成物を投与することを含むアミロイド関連疾患の治療方法。
【請求項11】
アミロイド関連疾患が、アルツハイマー病、2型糖尿病、アミロイドA(反応性)、二次的アミロイドーシス、家族性地中海熱、蕁麻疹及び難聴を伴う家族性アミロイド腎障害(マックル‐ウェルズ症候群)、アミロイドラムダL鎖又はアミロイドカッパL鎖(特発性、ミエローマ又はマクログロブリン血症関連)Aβ2M(慢性的血液透析)、ATTR(家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本、スウェーデン)、家族性アミロイド心筋症(デンマーク)、孤立性心臓アミロイド、(全身性老年性アミロイドーシス)、AIAPP又はアミリン膵島細胞腫、心房性ナトリウム利尿因子(孤立性心房性アミロイド)、プロカルシトニン(甲状腺髄質癌)、ゲルソリン(家族性アミロイドーシス(フィンランド))、シスタチンC(アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(アイスランド))、Aアポ−A−I(家族性アミロイド多発性神経障害−アイオワ)、Aアポ−A−II(マウスにおける加速された老化)、フィブリノーゲン結合アミロイド;及びAsor又はPr P−27(震顫病、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルツマン・シュトラウスラー・シャインカー症候群、ウシ海綿状脳炎)及び、アポリポタンパク質E4対立遺伝子についてホモ接合の個人を含む、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−72182(P2012−72182A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280015(P2011−280015)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2002−524709(P2002−524709)の分割
【原出願日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【出願人】(301014948)アベンティス・ファーマ・ソシエテ・アノニム (14)
【出願人】(503089537)ユニヴェルシテ ルイ パストゥール (2)
【Fターム(参考)】