説明

インクジェットプリンタ

【課題】 プリンタ本体を大型化させないで、被印刷物の大小に関係なく布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字、図形や模様を使用者が手軽に印刷でき、しかも民生品として広く普及する可能性を有するインクジェットプリンタを提供すること。
【解決手段】 布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pへの文字、図形や模様の印刷は、その被印刷物Pをプリンタ本体外の適所に置き、ヘッドユニット19をキャリッジから取り外し手で掴んで走査方向Sに沿って移動させることにより達成される。このとき、印刷情報は、プリンタ本体側のブルートゥースモジュール及びヘッドユニット19側のブルートゥースモジュール39を介して印刷ヘッド22に伝送される。また、転動ローラ40が走査方向Sに沿って転動するが、転動ローラ40の回転軸40Aを、ノズル23の吐出し口と外部の被印刷物Pとの隙間間隔Cを適正に保つように、ヘッドユニット19に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを被印刷物に吹き付けて印刷するインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、所望の幅及び素材の布リボンや紐に対して文字、図形や模様をその場で構成し印刷することのできるインクジェットプリンタが種々開発されている。
【0003】
かかるインクジェットプリンタの典型的な例としては、特許文献1にて提案されているものを挙げることができる。
【0004】
特許文献1で開示されているインクジェットプリンタでは、帯状布に沿ってキャリッジが移動するに伴って印刷手段が駆動され、それによって印刷情報に応じた文字、図形や模様が当該帯状布に印刷される。
【0005】
特に、上記のインクジェットプリンタには、着脱自在なカセットと、上記文字などが印刷された帯状布を乾燥させるための乾燥手段と、上記文字などが印刷された帯状布をその長さ方向で所定寸法に切断するための切断手段とが備えられている。そして、上記カセットには、帯状布及びセパレータを仮接着した帯状リボンが内蔵されている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−90765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に係るインクジェットプリンタでは、布リボンや紐に文字、図形や模様を使用者が手軽に印刷できるように、プリンタ本体内に上記のカセット、乾燥手段及び切断手段といった特殊な機構が内蔵されているため、プリンタの構成が複雑化するばかりかプリンタ本体自体も大きくなってしまう。そのため、いわゆる民生品としては普及し難くなっているのが実情である。
【0008】
また、例えば、Tシャツなどのサイズが相対的に大きな被印刷物に対しても文字、図形や模様の印刷対象となることも珍しくない。ところが、上記特許文献1に係るインクジェットプリンタにあっては、上記文字などの印刷対対象はあくまでも布リボンや紐などのサイズが相対的に小さな被印刷物であり、上記Tシャツなどのサイズが相対的に大きな被印刷物には容易に対応できない。そのため、Tシャツなどのサイズが相対的な大きな被印刷物に対して上記文字などを印刷する際には、どうしてもいわゆる専用品を用いざるを得ない。
【0009】
本発明は、上記技術的課題に鑑みなされたもので、プリンタ本体を大型化させないで、被印刷物の大小に関係なく布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字、図形や模様を使用者が手軽に印刷でき、しかも民生品として広く普及する可能性を有するインクジェットプリンタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るインクジェットプリンタは、インクを貯留するインクタンク、及びインクタンクが着脱自在に装着され当該インクタンクから供給されるインクを印刷情報に応じてノズルの吐出し口から吐出させる印刷ヘッドを含むヘッドユニットと、このヘッドユニットが着脱自在に搭載されるキャリッジと、このキャリッジを往復移動可能に支持するキャリッジ軸と、上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して外部の被印刷物に対して印刷を行う際に、上記印刷情報を上記印刷ヘッドに伝送するための伝送手段と、を備え、上記印刷ヘッドには、上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して当該ヘッドユニットを手で掴んで走査方向に沿って移動させる際に、上記ノズルの吐出し口と上記外部の被印刷物との隙間間隔を適正に保つための保持手段が設けられている。
【0011】
上記構成において、布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字、図形や模様を印刷する際には、その被印刷物をプリンタ本体外の適所に置き、ヘッドユニットをキャリッジから取り外して当該外部の被印刷物に対して印刷を行う。このとき、印刷情報は伝送手段により印刷ヘッドに伝送される。また、上記外部の被印刷物に文字などを印刷するには、キャリッジから取り外したヘッドユニットを手で掴んで走査方向に沿って移動させるが、印刷ヘッドの保持手段によって、ノズルの吐出し口と当該外部の被印刷物との隙間間隔が適正に保たれる。そのため、布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物をプリンタ本体外の適所に置いておき、キャリッジから取り外したヘッドユニットを手で掴んで走査方向に移動させれば、当該外部の被印刷物に対して文字などの印刷を良好な状態で行うことができる。その結果、プリンタ本体を大型化させないで、被印刷物の大小に関係なく布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字、図形や模様を使用者が手軽に印刷できるようになる。よって、本インクジェットプリンタは、民生品として広く普及し得る可能性が生じる。
【0012】
なお、上記伝送手段としては、プリンタ本体と印刷ヘッドの両者をワイヤーなどの電気的接続手段で接続しておき、この電気的接続手段を介して印刷情報をプリンタ本体から印刷ヘッドに伝送する態様と、プリンタ本体及び印刷ヘッドの両者にそれぞれブルートゥースモジュールなどの無線通信手段を備えておき、印刷情報をプリンタ本体側の無線通信手段から印刷ヘッド側の無線通信手段にワイヤーレスで伝送する態様などを例示することができる。
【0013】
上記保持手段は、上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して当該ヘッドユニットを手で掴んで走査方向に沿って移動させたときに当該走査方向に沿って転動する転動ローラであり、この転動ローラの回転中心は、上記ノズルの吐出し口と上記外部の被印刷物との隙間間隔を適正に保つ位置に設定されている。
【0014】
上記構成において、キャリッジから取り外したヘッドユニットを手で掴んで走査方向に沿って移動させると、転動ローラは当該走査方向に沿って転動する。このとき、転動ローラの回転中心は、ノズルの吐出し口と外部の被印刷物との隙間間隔を適正に保つ位置に設定されているので、外部の被印刷物に対する印刷状態は良質に保たれる。このように、保持手段として転動ローラを採用することで、ノズルの吐出し口と外部の被印刷物との隙間間隔を適正に保つような位置に当該転動ローラの回転中心を設定するだけで、外部の被印刷物に対して良好な印刷を行えるようになるので、上記ノズルの吐出し口及び外部の被印刷物の両者間に生じる隙間間隔を適正に保つための保持手段の構成は、極めて簡素なものとなる。
【0015】
また、上記印刷ヘッドのノズルの延長線上であって走査方向上流側には、上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して外部の被印刷物を印刷する際に、当該外部の被印刷物に対する印刷位置を確認するための確認窓が形成されている。
【0016】
上記構成において、布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字、図形や模様を印刷する際には、その被印刷物をプリンタ本体外の適所に置き、キャリッジから取り外したヘッドユニットを手で掴んで走査方向に沿って移動させるが、印刷ヘッドのノズルの延長線上であって走査方向上流側に確認窓を形成しているので、この確認窓を通して外部の被印刷物への印刷位置を常に確認しながら当該外部の被印刷物に対する印刷を実行することができる。それゆえ、使用者の手を介した外部の被印刷物に対する印刷であっても、その際の印刷ミスを少なくすることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物をプリンタ本体外の適所に置いておき、キャリッジから取り外したヘッドユニットを手で掴んで走査方向に移動させれば、当該外部の被印刷物に対して文字などの印刷を良好な状態で行うことができるので、プリンタ本体を大型化させないで、被印刷物の大小に関係なく布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字、図形や模様を使用者が手軽に印刷できるようになり、結果的に民生品として広く普及する可能性が生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
<外観構成>
図1を参照して、参照符号1は本実施の形態に係るインクジェットプリンタの本体であって、このプリンタ本体1の外郭は、下ケース2、上ケース3、アクセスカバー4及び排紙トレイ5を含む外装部材から構成されている。
【0019】
下ケース2は、プリンタ本体1の外装の略下半分を形成しており、その前面部には開口が設けられている。他方、上ケース3は、プリンタ本体1の外装の略上半分を形成しており、その上面部には開口が設けられている。これら下ケース2及び上ケース3の両ケースの組み合わせによって、その内部に紙などのシートを印刷する際に要する各機構を収納するための収納空間が区画されている。
【0020】
下ケース2の開口の右側には、シート間調整レバー6が設けられている。他方、上ケース3の後部上面には、電源キー7及びレジュームキー8が押下げ可能に設けられている。これら電源キー7及びレジュームキー8の間には、LED9が配置されている。電源キー7を押下げると、LED9が点灯し印刷可能であることが使用者に知らせる。また、トラブルなどが解決した場合にレジュームキー8を押下げると、印刷が再開される。
【0021】
排紙トレイ5は、その一端部が下ケース2に回動自在に保持され、その回動によって下ケース2の前面部の開口を開閉できるようになっている。そのため、紙などのシートを印刷対象とした普通印刷動作を実行させる際には、排紙トレイ5を前面側へ回動させて上記開口を開成させることにより、ここからシートが排出されると共に排出されたシートが順次積層され得る。この排紙トレイ5には、2枚の補助トレイ10A,10Bが収納されており、必要に応じて各補助トレイ10A,10Bを手前に引き出すことによって、排出されたシートの受け止め面積を3段階に拡大及び縮小させることができる。
【0022】
アクセスカバー4は、その一端部が上ケース3に回動自在に保持されており、上面に形成される開口を開閉できるようになっている。このアクセスカバー4を開成させると、プリンタ本体1内に収納されているインクタンク21及び/又は印刷ヘッド22(図3〜図5参照)などの交換が可能となる。なお、特に図示していないが、アクセスカバー4を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回動させるようになっており、そのレバーの回動位置をマイクロスイッチなどの検出子で検出することにより、当該アクセスカバー4の開閉状態が検出される。
【0023】
上記のプリンタ本体1の外郭を構成する外装部材内には、図2に示すシャーシ11が収納されている。
【0024】
<印刷動作機構の構成>
図2を参照して、本インクジェットプリンタの印刷動作機構としては、シートをプリンタ本体1内に自動的に給送する自動給送部12と、この自動給送部12から1枚ずつ供給されるシートを所定の印刷位置へと導くと共に印刷位置から排出部13へとシートを導く搬送部14と、印刷位置に搬送されたシートに所望の印刷を行う印刷部15と、この印刷部15等に対する回復する処理を行う回復部16とから構成されている。これら搬送部14、印刷部15及び回復部16は、シャーシ11内にビルトインされている。
【0025】
特に、印刷部15は、両端がシャーシ11の左右両側壁に取り付け固定されたキャリッジ軸17と、このキャリッジ軸17によって往復移動可能に支持されたキャリッジ18と、このキャリッジ18に着脱自在に搭載されるヘッドユニット19(図3〜図5参照)とから成る。
【0026】
シャーシ11の奥壁には、ブルートゥースアンテナ20Aを有するブルートゥースモジュール20が取り付けられている。このブルートゥースモジュール20は、ヘッドユニット19をキャリッジ18から取り外して布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pに文字、図形や模様を印刷するときに、キャリッジ18から取り外したヘッドユニット19に印刷情報を無線通信で送信するためのものであって、そのアンテナ20Aは、図1に示すように、上ケース3から突出している。
【0027】
<ヘッドユニットの構成>
図3〜図6を参照して、ヘッドユニット19としては、いわゆるカートリッジ方式を採るものが適用されており、インクを貯留する6つのインクタンク21と、これら6つのインクタンク21がそれぞれ着脱自在に装着される印刷ヘッド22とを有している。
【0028】
本実施の形態では、写真調の高画質なカラー印刷を可能とするため、インクタンク21としては、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼラン、シアン、マゼラン及びイエローの各色独立のインクタンクが用意されている。
【0029】
印刷ヘッド22は、インクタンク21から供給されるインクを印刷情報に応じてノズル23の吐出し口から吐出させる。この印刷ヘッド22には、印刷素子基板24、第1のプレート25、電気配線基板26、第2のプレート27、タンクホルダー28、流路形成部材29、フィルター30及びシールゴム31が備えられている。
【0030】
印刷素子基板24は、シリコン基板であって、その片面には、インクを吐出するための複数の印刷素子と各印刷素子に電力を供給するアルミニウム等の電気配線とが成膜技術により形成されている。また、上記印刷素子に対応した複数のインク流路及び複数の吐出し口32がフォトリソグラフィー技術により形成されていると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が印刷素子基板24の裏面に開口するように形成されている。さらに、印刷素子基板24は、第1のプレート25が接着固定されており、この第1のプレート25には、当該印刷素子基板24にインクを供給するためのインク供給口33が形成されている。
【0031】
第1のプレート25には、開口部を有する第2のプレート27が接着固定されており、この第2のプレート27を介して、電気配線基板26が印刷素子基板24に対して電気的に接続されるように保持されている。
【0032】
電気配線基板26は、印刷素子基板24にインクを吐出するための電気信号を印加するものであって、印刷素子基板24に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し電気信号を受け取るための信号入力端子34とを有している。信号入力端子34は、タンクホルダー28の背面側に位置決め固定されている。
【0033】
特に、本インクジェットプリンタでは、布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pに文字、図形や模様を印刷するときにはヘッドユニット19がキャリッジ18から取り外される。そのため、電気配線基板26の裏面には、水銀電池などの薄型の電池35を収納保持するためのホルダー孔36が形成されている。このホルダー孔36に上記電池35を収納して蓋37で押さえ込むことにより、当該電池35は電気配線基板26内に収納保持される。
【0034】
タンクホルダー28には、例えば、超音波溶着により流路形成部材29が固定され、インクタンク21から第1のプレート25に亘るインク流路38を形成している。このインク流路38はインクタンク21と係合するが、当該インク流路38のインクタンク21側端部には、フィルター30が設けられ折り、外部からの塵埃の侵入を防止するようになっている。さらに、インクタンク21との係合部には、シールゴム31が装着され、当該係合部からのインクの蒸発を防止するようになっている。
【0035】
特に、本インクジェットプリンタでは、布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pを印刷するとき、当該被印刷物Pをプリンタ本体1外の適所に置いておき、キャリッジ18から取り外したヘッドユニット19を手で掴んで走査方向Sに移動させる。そのため、タンクホルダー28の走査方向S下流側の壁には、ブルートゥースアンテナ39Aを有するブルートゥースモジュール39が取り付けられている。このヘッドユニット19側のブルートゥースモジュール39は、ヘッドユニット19をキャリッジ18から取り外して布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pに文字、図形や模様を印刷するときに、ヘッドユニット19が取り外されたプリンタ本体1側のブルートゥースモジュール20から印刷情報を無線通信で受信するためのものである。また、タンクホルダー28の両側壁には、上記走査方向Sに沿って転動する4つの転動ローラ40が設けられている。これら4つの転動ローラ40の回転軸40Aは、キャリッジ18から取り外したヘッドユニット19を手で掴んで走査方向Sに移動させた際に上記ノズル23の吐出し口と上記外部の被印刷物Pとの隙間間隔Cを所定の間隔に保つように、タンクホルダー28の両側壁に取り付けられている。さらに、ノズル23の延長線上であってタンクホルダー28の走査方向Sの上流側の壁には、確認窓Wが形成されている。この確認窓Wは、ヘッドユニットをキャリッジから取り外して外部の被印刷物Pを印刷するときに当該外部の被印刷物Pに対する印刷位置を確認するためのものであって、上下方向に沿って貫通している。前記転動ローラは、前記所定の間隔としての隙間間隔Cを調整可能に構成することが好ましい。このような調整可能な調整機構としては、回転軸40Aを
【0036】
<キャリッジの構成>
再び図2を参照して、キャリッジ18には、当該キャリッジ18と係合しヘッドユニット19をキャリッジ18上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバー41と、ヘッドユニット19のタンクホルダー28と係合しヘッドユニット19を所定の装着位置のセットするように押圧するヘッドユニットセットレバー42とが備えられている。
【0037】
ヘッドユニットセットレバー42は、キャリッジ18の上部にヘッドユニットセットレバー軸周りに回動自在に設けられていると共に、ヘッドユニット19との係合部には、ばねにより付勢されるヘッドユニットセットプレートが備えられており、このばね力によってヘッドユニット19を押圧しながらキャリッジ18に装着することになる。
【0038】
また、キャリッジ18のヘッドユニット19との別の係合部には、コンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、「コンタクトFPC」称する)43(図7参照)が設けられている。このコンタクトFPC43上のコンタクト部とヘッドユニット19に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)とが電気的に接触して、印刷のための各種の情報の授受や印刷ヘッド22への電力供給などを行えるようになっている。
【0039】
コンタクトFPC43のコンタクト部とキャリッジ18との間には、ゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力と上記のヘッドユニットセットレバーばねによる押圧力とによって、コンタクトFPC43のコンタクト部とキャリッジ18との確実な接触を可能としている。
【0040】
上記のコンタクトFPC43は、キャリッジ18の背面に搭載されたキャリッジプリント回路基板44(図7参照)に接続されている。
【0041】
<電気回路の構成>
図7を参照して、本インクジェットプリンタにおける電気回路は、主として、キャリッジプリント回路基板(以下、「CRPCB」と称する)44、メインプリント回路基板(以下、「メインPCB」と称する)45及び電源ユニット46などによって構成されている。
【0042】
CRPCB44は、キャリッジ18に搭載されたプリント回路基板ユニットであって、上記のコンタクトFPC43を通じて印刷ヘッド22との信号の授受を行うインターフェースとして機能する。加えて、このCRPCB44は、キャリッジ18の移動に伴ってエンコーダセンサ47から出力されるパルス信号に基づいて、エンコーダケーブル48とエンコーダセンサ47との位置関係を検出し、その出力信号をキャリッジフレキシブルフラットケーブル(以下、「CRFFC」と称する)49を通じてメインPCB45へと出力する。
【0043】
メインPCB45は、本インクジェットプリンタの各部の駆動の制御を司るプリント回路基板ユニットであって、その基板上には、紙端検出センサ(以下、「PEセンサ」称する)50、自動給紙装置センサ(以下、「ASFセンサ」と称する)51、カバーセンサ52、パラレルインターフェース(以下、「パラレルI/F」と称する)53、シリアルインターフェース(以下、「シリアルI/F」と称する)54、ブザー55、電源キー7、レジュームキー8及びLED9等に対するI/Oポートを有する。また、メインPCB45は、キャリッジ18を主走査させるための駆動源としてのCRモータ56、紙などのシートを搬送するための駆動源としてのLFモータ57、及び印刷ヘッド22の回動動作とシートの給紙動作とに兼用されるPGモータ58と接続され、これらのモータ56〜58の駆動を制御する。さらに、メインPCB45は、インクエンプティセンサ59、GAPセンサ60、PGセンサ61、CRFFC49及び電源ユニット46との接続インターフェースを有する。
【0044】
電源ユニット46は、メインPCB45と接続され、各種の駆動電源を供給する。
【0045】
<メインPCBの構成>
図8を参照して、メインPCB45には、主として、CPU62、ROM63、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)64、CRモータドライバ65、LF/PGモータドライバ66、電源制御回路67及びリセット回路68等が形成されている。
【0046】
CPU62は、その内部に発振回路69に接続されたクロックジェネレータ70を有しており、その出力信号によりシステムクロックを発生する。また、CPU62は、制御バス71を通じて、ROM63及びASIC64に接続され、ROM63に格納されたプログラムに従って、ASIC64の制御、電源キー7からの入力信号、カバー検出信号及びヘッド検出信号の状態の検知を行う。さらに、CPU62は、ブザー信号によりブザー55を駆動する。加えて、CPU62は、内蔵されたA/Dコンバータ72に接続される、インクエンプティセンサ59からのインクエンプティ信号、及びサーミスタ73による温度検出信号の状態の検知を行う一方、その他の各種の論理演算・条件判断等を行って本インクジェットプリンタの駆動制御を司る。
【0047】
ここで、上記のヘッド検出信号は、ヘッドユニット19からCRFFC49、CRPCB44及びコンタクトFPC43を介して入力されるヘッド搭載検出信号である。上記のインクエンプティ検出信号は、インクエンプティセンサ59から出力されるアナログ信号である。上記の温度検出信号は、CRPCB44上に設けられたサーミスタ73からのアナログ信号である。
【0048】
上記のCPU62は、ヘッドユニット19側のブルートゥースモジュール39との間で無線通信を行うプリンタ本体1側のブルートゥースモジュール20に接続され、キャリッジ18からヘッドユニット19を取り外して布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pに文字、図形や模様を印刷するときには、ASIC64に蓄積された印刷情報をプリンタ本体1側のブルートゥースモジュール20を通じてヘッドユニット19側のブルートゥースモジュール39に伝送する。
【0049】
ASIC64は、1チップの半導体集積回路であって、制御バス71を通じてCPU62によって制御され、CRモータ制御信号、PM制御信号、電源制御信号、ヘッド電源ON信号及びモータ電源ON信号等を出力し、パラレルI/F53及びシリアルI/F54との信号の授受を行う。加えて、ASIC64は、PEセンサ50からのPE検出信号、ASFセンサ51からの検出信号、印刷ヘッド22と紙などのシートとのギャップを検出するGAPセンサ60からのGAP検出信号、及びPGセンサ61からのPG検出信号の状態を検知し、制御バス71を通じてその状態を表わすデータをCPU62に入力する。そうすると、CPU62は、入力されたデータに基づいて、LED駆動信号の駆動を制御してLED9の点滅を行う。さらに、ASIC64は、エンコーダ信号の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号でヘッドユニット19とのインターフェースをとって印刷動作を制御する。
【0050】
ここで、上記のエンコーダ信号は、CRFFC49を通じて入力されるCRエンコーダ74の出力信号である。上記のヘッド電源ON信号は、CRFFC49、CRPCB44及びコンタクトFPC43を経て印刷ヘッド22に供給される。
【0051】
CRモータドライバ65は、CRモータ用電源を駆動源とし、ASIC64からのCRモータ制御信号に従ってCRモータ駆動信号を生成し、CRモータ56を駆動する。
【0052】
他方、LF/PGモータドライバ66は、LF/PGモータ用電源を駆動源とし、ASIC64からのパルスモータ制御信号に従って、LFモータ駆動信号を生成してLFモータ57を駆動すると共に、PGモータ駆動信号を生成してPGモータ58を駆動する。
【0053】
電源制御回路67は、ASIC64からの電源制御信号に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。
【0054】
パラレルI/F53は、ASIC64からのパラレルI/F信号を外部に接続されるパラレルI/Fケーブルに伝達し、また同ケーブルからの信号をASIC64に伝達する。
【0055】
他方、シリアルI/F54は、ASIC64からのシリアルI/F信号を外部に接続されるシリアルI/Fケーブルに伝達し、また同ケーブルからの信号をASIC64に伝達する。
【0056】
電源ユニット46からは、ヘッド電源(VH)、モータ電源(VM)及びロジック電源(VDD)が供給される。また、ASIC64からのヘッド電源ON信号(VHON)及びモータ電源ON信号(VMON)が電源ユニット46に入力され、それぞれヘッド電源及びモータ電源のON/OFFを制御する。上記電源ユニット46から供給されたロジック電源(VDD)は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB45内外の各部に供給される。
【0057】
リセット回路68は、ロジック電源電圧の低下を検出して、CPU62及びASIC64の両者にリセット信号を供給し、初期化を行う。
【0058】
<ASICの構成>
図9を参照して、ASIC64は、主として、PLLコントローラ75、CPUインターフェース(以下、「CPUI/F」と称する)76、DRAM77、IEEE1284インターフェース(以下、「1284I/F」と称する)78、ユニバーサルシリアルバスインターフェース(以下、「USBI/F」と称する)79、圧縮・伸張DMAコントローラ80、プリントバッファ転送DMAコントローラ82、ワーククリアDMAコントローラ83、プリントデータ展開DMAコントローラ84、ヘッド制御部85、エンコーダ信号処理部86、CRモータ制御部87、センサ信号処理部88、LF/PGモータ制御用DMAコントローラ89、LED制御部90及びポート制御部91を備えている。
【0059】
PLLコントローラ75は、CPU62から出力されるクロック信号及びPLL制御信号により、ASIC64内の大部分へと供給するクロック信号を発生する。
【0060】
CPUI/F76は、リセット回路68から出力されるリセット信号、CPU62から出力されるソフトリセット信号、CPU62から出力されるクロック信号、及び制御バス92からの制御信号により、各ブロックに対するレジスタ読み書きなどの制御や、一部のブロックへのクロック信号の供給、割り込み信号の受け付けなどを行い、CPU62に対して割り込み信号を出力し、ASIC64
内部での割り込みの発生を知らせる。
【0061】
DRAM77は、印刷用のデータバッファとして、受信バッファ領域93、ワークバッファ領域94、プリントバッファ領域95及び展開用データバッファ領域96などを有すると共に、モータ制御用のバッファとしてモータ制御バッファ領域97を有する。
【0062】
また、DRAM77は、CPU62の動作に必要なワーク領域としても使用される。具体的には、このDRAM77は、上記の各バッファ領域93〜97の他にDRAM制御部98及びDNA制御部99を有している。DRAM制御部98は、制御バス92によるCPU62からDRAM77へのアクセスと、DNA制御部99からDRAM77へのアクセスとを切り替えて、DRAM77への読み書き動作を行う。DNA制御部99では、各ブロックからのリクエストを受け付けて、アドレス信号や制御信号などをDRAM制御部98に出力してDRAMアクセスを行う。特に、書き込み動作の場合には、DNA制御部99は、書き込みデータをDRAM制御部98に出力してDRAMアクセスを行う。他方、読み出し動作の場合には、DNA制御部99は、DRAM制御部98からの読み出しデータをリクエスト元の各ブロックに受け渡す。
【0063】
1284I/F78は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、パラレルI/F53を通じて図外のパーソナルコンピュータなどの外部ホスト機器との双方向通信インターフェースを行う。特に、印刷時には、1284I/F78は、パラレルI/F53からの受信データをDRAM処理によって受信制御部99Aへと受け渡す。
【0064】
USBI/F79は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、シリアルI/F54を通じて図外のパーソナルコンピュータなどの外部ホスト機器との双方向通信インターフェースを行う。特に、印刷時には、USBI/F79は、シリアルI/F54からの受信データをDRAM処理によって受信制御部99Aへと受け渡す。
【0065】
受信制御部99Aは、1284I/F78若しくはUSBI/F79のうちの選択されたI/Fからの受信データを、受信バッファ制御部100の管理する受信バッファ書き込みアドレスに書き込む。
【0066】
圧縮・伸張DMAコントローラ80は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、受信バッファ領域93に格納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部100の管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出し、そのデータを指定されたモードに従って圧縮・伸張し、プリントコード列としてワークバッファ領域94に書き込む。
【0067】
プリントバッファ転送DMAコントローラ82は、CPUI/F76を介したCPU62の制御によってワークバッファ領域94上のプリントコードを読み出し、各プリントコードを、ヘッドユニット19へのデータ転送順序に適するようなプリントバッファ領域95上のアドレスに並べ替えて転送する。
【0068】
ワーククリアDMAコントローラ83は、CPUI/F76を介したCPU62の制御によってプリントバッファ転送DMAコントローラ82による転送が完了したワークバッファ領域94に対し、指定したワークフィルデータを繰り返し書き込む。
【0069】
プリントデータ展開DMAコントローラ84は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、ヘッド制御部85からのデータ展開データタイミング信号をトリガーとして、プリントバッファ領域95上に並べ替えて書き込まれたプリントコード及び展開用データをカラムバッファ書き込みデータとしてカラムバッファ101に書き込む。
【0070】
カラムバッファ101は、ヘッドユニット19への転送データ(展開プリントデータ)を一時的に格納するSRAMであって、プリントデータ展開DMAコントローラ84とヘッド制御部85とのハンドシェーク信号によって両ブロックにより共有管理される。
【0071】
ヘッド制御部85は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、ヘッド制御信号を介してヘッドユニット19とのインターフェースを行う。加えて、このヘッド制御部85は、エンコーダ処理部102からのヘッド駆動タイミング信号に基づいて、プリントデータ展開DMAコントローラ84に対しデータ展開タイミング信号を出力する。特に、印刷時には、ヘッド制御部85は、上記ヘッド駆動タイミング信号に従って、カラムバッファ101から展開データを読み出し、そのデータをヘッド制御信号としてヘッドユニット19に出力する。
【0072】
エンコーダ信号処理部86は、エンコーダ信号を受けて、CPU62の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タイミング信号を出力する。加えて、このエンコーダ信号処理部86は、エンコーダ信号から得られるキャリッジ18の位置や速度に関わる情報をレジスタに格納して、CPU62に提供する。この提供された情報に基づいて、CPU62は、CRモータ56の制御における各種のパラメータを決定する。
【0073】
CRモータ制御部87は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、CRモータドライバ65に対してCRモータ制御信号を出力する。
【0074】
センサ信号処理部88は、PGセンサ61、PEセンサ50、ASFセンサ51及びGAPセンサ60等から出力される各検出信号を受けて、CPU62で定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU62に伝達する。加えて、このセンサ信号処理部88は、LF/PGモータ制御用DMAコントローラ89に対してセンサ検出信号を出力する。
【0075】
LF/PGモータ制御用DMAコントローラ89は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、DRAM77上のモータ制御バッファ領域97からパルスモータ駆動テーブルを読み出してパルスモータ制御信号をLF/PGモータドライバ66に出力する。加えて、モードによっては、LF/PGモータ制御用DMAコントローラ89は、上記のセンサ検出信号の制御のトリガーとしてパルスモータ制御信号をLF/PGモータドライバ66に出力する。
【0076】
LED制御部90は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、LED9に対してLED駆動信号を出力する。
【0077】
ポート制御部91は、CPUI/F76を介したCPU62の制御により、ヘッド電源ON信号(VHON)及びモータ電源ON信号(VMON)を出力すると共に電源制御回路67に電源制御信号を出力する。
【0078】
<普通印刷動作>
本インクジェットプリンタにおいて、紙などのシートに文字、図形や模様を印刷する場合には、印刷ヘッド22を含むヘッドユニット19をシートに対して走査する動作とシートを搬送する動作とを繰り返しながら、印刷ヘッド22からシートに向けてインクが吐出される。
【0079】
主に図2を参照して、上記の普通印刷動作を詳細に説明する。
【0080】
まず、外部I/Fからの普通印刷指令イベントを受信すると、当該外部I/Fから送出された印刷情報(印刷データ)を上記のDRAM77内のプリントバッファ領域95に一旦格納する。
【0081】
次いで、CRモータ56を駆動してキャリッジ18の主走査方向の移動を開始させると共に、プリントバッファ領域95に格納されている印刷情報を印刷ヘッド22に供給して1行分の印刷をシートに対して行う。
【0082】
1行分の印刷情報の印刷動作が終了すると、LFモータ57を駆動し、LFローラ103を回転させてシートを副走査方向へと送る。
【0083】
その後、上記の印刷動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の印刷データの記録が終了すると、LFモータ57を駆動し、排紙ローラ(図示せず)を回転させてシートが完全にプリンタ本体1から送り出されたと判断されるまでシート送りを繰り返す。このシート送りが終了した時点では、シートは排紙トレイ5上に完全に排出された状態となる。
【0084】
次に、印刷すべき全ページの印刷動作が終了したか否かを判定する。その結果、印刷すべきページが残っている場合には、上述した一連の動作を繰り返し、印刷すべき全てのページの印刷動作が終了した時点で普通印刷動作は終了する。
【0085】
<特殊印刷動作>
本インクジェットプリンタにおいて、図11に示す布リボン、紐や図12に示すTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pへの文字、図形や模様の印刷は、図10に示すように、その被印刷物Pをプリンタ本体1外の適所に置き、ヘッドユニット19をキャリッジ18から取り外し手で掴んで走査方向Sに沿って移動させることにより達成される。
【0086】
このとき、印刷情報(印刷データ)は、プリンタ本体1側のブルートゥースモジュール20及びヘッドユニット19側のブルートゥースモジュール39を介して、ワイヤーレスで印刷ヘッド22に伝送される。また、転動ローラ40が上記走査方向Sに沿って転動するが、転動ローラ40の回転軸40Aは、ノズル23の吐出し口と上記外部の被印刷物Pとの隙間間隔Cを適正に保つように、タンクホルダー28に取り付けられているので、当該外部の被印刷物Pに対する印刷状態は良質に保たれる。それゆえ、特殊印刷を行う際には、布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物Pをプリンタ本体1外に置いておき、キャリッジ18から取り外したヘッドユニット19を手で掴んで走査方向Sに移動させれば、当該外部の被印刷物Pに対して文字などの印刷を良好な状態で行うことができる。その結果、プリンタ本体1を大型化させないで、特殊印刷の対象となる被印刷物Pの大小に関係なく当該被印刷物Pに文字、図形や模様を使用者が手軽に印刷できるようになる。よって、本インクジェットプリンタは、民生品として広く普及し得る。
【0087】
また、上記の隙間間隔Cの保持手段として転動ローラ40を採用することで、ノズル23の吐出し口と外部の被印刷物Pとの隙間間隔Cを適正に保つような位置に当該転動ローラ40の回転軸40Aを設けるだけで、外部の被印刷物Pに対して良好な印刷を行えるようになるので、上記ノズル23の吐出し口及び外部の被印刷物Pの両者間に生じる隙間間隔Cを適正に保つための保持手段の構成は、極めて簡素なものとなる。
【0088】
さらに、図11及び図12に示すように、タンクホルダー28のノズル23の延長線上であって走査方向S上流側に確認窓Wを形成しているので、この確認窓Wを通して外部の被印刷物Pへの印刷位置を常に確認しながら当該外部の被印刷物Pに対する印刷を実行することができる。その結果、使用者の手を介した外部の被印刷物Pに対する印刷であっても、その際の印刷ミスを少なくすることができる。
【0089】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本明細書に添付した特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明では、プリンタ本体を大型化させないで、被印刷物の大小に関係なく布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字、図形や模様を使用者が手軽に印刷でき、しかも民生品として広く普及する可能性を有するゆえ、インクを被印刷物に吹き付けて印刷するインクジェットプリンタとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタの印刷動作機構の構成を示す斜視図である。
【図3】インクジェットプリンタのヘッドユニットの外観構成を示す斜視図である。
【図4】ヘッドユニットの分解斜視図である。
【図5】ヘッドユニットの底面図である。
【図6】ヘッドユニットの印刷ヘッドの分解斜視図である。
【図7】インクジェットプリンタの電気回路の構成を示すブロック図である。
【図8】インクジェットプリンタのメインPCBの構成を示すブロック図である。
【図9】メインPCB内のASICの構成を示すブロック図である。
【図10】布リボン、紐やTシャツなどの紙以外の素材の被印刷物に文字などを印刷している状態を示す側面図である。
【図11】布リボンや紐に文字などを印刷している状態を示す平面図である。
【図12】Tシャツに文字などを印刷している状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0092】
17 キャリッジ軸
18 キャリッジ
19 ヘッドユニット
20 ブルートゥースモジュール
21 インクタンク
22 印刷ヘッド
23 ノズル
39 ブルートゥースモジュール
40 転動ローラ
40A 回転軸
W 確認窓
P 被印刷物
S 走査方向
C 隙間間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯留するインクタンク、及びインクタンクが着脱自在に装着され当該インクタンクから供給されるインクを印刷情報に応じてノズルの吐出し口から吐出させる印刷ヘッドを含むヘッドユニットと、
このヘッドユニットが着脱自在に搭載されるキャリッジと、
このキャリッジを往復移動可能に支持するキャリッジ軸と、
上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して外部の被印刷物に対して印刷を行う際に、上記印刷情報を上記印刷ヘッドに伝送するための伝送手段と、を備え、
上記印刷ヘッドには、上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して当該ヘッドユニットを手で掴んで走査方向に沿って移動させる際に、上記ノズルの吐出し口と上記外部の被印刷物との隙間間隔を所定の間隔に保つための保持手段が設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
上記保持手段は、上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して当該ヘッドユニットを手で掴んで走査方向に沿って移動させたときに当該走査方向に沿って転動する転動ローラであり、
この転動ローラの回転中心は、上記ノズルの吐出し口と上記外部の被印刷物との隙間間隔を適正に保つ位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
上記印刷ヘッドのノズルの延長線上であって走査方向上流側には、上記ヘッドユニットを上記キャリッジから取り外して外部の被印刷物を印刷する際に、当該外部の被印刷物に対する印刷位置を確認するための確認窓が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−190840(P2007−190840A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12095(P2006−12095)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(302010910)株式会社パテントセクション (9)
【Fターム(参考)】