説明

インクジェット捺染装置

【課題】被捺染材に生じる皺を、被捺染材に極力テンションをかけることなく適切に除去することにあり、また更には、より一層確実に皺を除去することのできるインクジェット捺染装置を提供する。
【解決手段】インクジェット捺染装置1は、被捺染材の捺染側の面を押圧するローラー10Aと、被捺染材を載置した載置台7との相対的な移動により、載置台7上の被捺染材が搬送方向に沿ってローラー10Aにより押圧される構成を備えるので、被捺染材に生じている皺を除去するに際して皺除去の為にのみ被捺染材にテンションを付与する必要がなく、被捺染材全体の伸びを抑え、適切な捺染結果を得ることができる。また、ローラー10Aを介して被捺染材が加熱されるので、ローラー10Aによる皺伸ばし効果をより一層効果的に得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドを備えたインクジェット捺染装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アパレル(衣服)メーカーやテキスタイル(布地)メーカーでは、従来から生地本体表面に図柄等をプリントする「捺染」が広く行われている。
そして、捺染を行う捺染装置として、捺染ヘッドから吐出されたインクを被捺染材に直接付着させて捺染を実行するインクジェット捺染装置も開発されている。
【0003】
この様なインクジェット捺染装置に特有の技術的課題として、被捺染材(例えば、布帛)に皺が生じ易いことが挙げられる。皺が生じた状態で捺染を実行すると、当然の如く、捺染結果は芳しくない。そこで捺染実行前に被捺染材の皺を除去する手段も提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
特許文献1記載のインクジェット捺染装置は、布帛の搬送経路上流側から下流側に向かって順に、前処理部、調整部、捺染部、調整部、後処理部、のこれらを備えている。捺染部の上流に設けられた前処理部では、加熱手段により布帛に加熱処理を施し、その下流の調整部ではしわ伸ばしローラーによって布帛のしわを伸ばす様になっている。より具体的には、布帛はテンションローラーによってしわ伸ばしローラーに対して押し付けられた状態となり、その状態でしわ伸ばしローラーが布帛の移送方向と逆に回転し、布帛をしごくことにより、しわ取りが行われる様になっている。
【0005】
特許文献2記載の布帛用インクジェットプリンタでは、布帛元巻から引き出された布帛に対し、皺伸ばし機構により皺伸ばし処理を行う。この皺伸ばし機構は凸状に折り曲げられた板状部材により構成されており、搬送される布帛がこの板状部材により押圧され、皺が伸ばされる。従ってこの皺伸ばし機構は、布帛にテンションを付与するテンショナーの機能も兼ねている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−311782号公報
【特許文献2】特開2002−249976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の様に、従来から被捺染材に生じた皺を捺染実行前に除去する手段は提案されていたものの、被捺染材に対してテンションを付与することによって皺を伸ばす構成であったことから、捺染実行時に被捺染材が全体として伸びた状態となり、その結果所望する適切な捺染結果を得ることができない場合があった。
【0008】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、被捺染材に生じる皺を、被捺染材に極力テンションをかけることなく適切に除去することにあり、また更には、より一層確実に皺を除去することのできるインクジェット捺染装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係るインクジェット捺染装置は、被捺染材を載置する載置台と、前記載置台に載置された前記被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドを備えた捺染実行部と、前記捺染実行部による捺染実行に先立って被捺染材に対して前処理を実行する前処理部と、を備え、前記前処理部は、被捺染材の捺染側の面に対して熱を加える熱供給手段と、被捺染材の捺染側の面を押圧するローラーと、を備え、前記ローラーと前記載置台との相対的な移動により、前記載置台上の被捺染材が前記ローラーにより押圧されることを特徴とする。
【0010】
ここで「被捺染材」とは、捺染の対象となる「布地」や「衣服その他の服飾製品」等を意味する。「布地」には、綿、絹、羊毛等の天然繊維やナイロン等の化学繊維あるいはこれらを混ぜた複合繊維の織物、編物、不織布等が含まれる。
また、「衣服その他の服飾製品」には、縫製後のTシャツ、ハンカチ、スカーフ、タオル、手提げ袋、布製のバッグ、カーテン、シーツ、ベッドカバー等のファニチャーの類の等の他、縫製前の状態のパーツとして存在する裁断前後の布地等も含まれる。
【0011】
本態様によれば、インクジェット捺染装置は被捺染材を載置する載置台と、被捺染材の捺染側の面を押圧するローラーとの相対的な移動により、前記載置台上の被捺染材が押圧される構成を備えるので、被捺染材に生じている皺を除去するに際して皺除去の為にのみテンションを付与する必要がなく、被捺染材全体の伸びを抑え、適切な捺染結果を得ることができる。また、熱供給手段により被捺染材が加熱されるので、前記ローラーによる皺伸ばし効果をより一層効果的に得ることができる。加えて、被捺染材の被捺染面が毛羽立っている場合には、毛羽立ちを抑えることもでき、これにより良好な捺染結果を得ることができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記熱供給手段が、前記ローラーを介して被捺染材に熱を加えることを特徴とする。
本態様によれば、前記熱供給手段が、前記ローラーを介して被捺染材に熱を加えるので、加熱処理と皺伸ばし処理とが同時に行われることとなり、即ち加熱効果が損なわれない状態で前記ローラーによる皺伸ばし処理が行われることとなるので、前記ローラーによる皺伸ばし効果を効果的に得ることができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記熱供給手段が、前記載置台を介して被捺染材に熱を加えることを特徴とする。
本態様によれば、前記熱供給手段が、前記載置台を介して被捺染材に熱を加えるので、前記ローラーによる皺伸ばしの前に被捺染材を十分に加熱することができ、前記ローラーによる皺伸ばし効果を、更に効果的に得ることができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記ローラーの表面に、当該ローラーの回転に伴って被捺染材を搬送方向と直交する方向の中央部から両端部に向けて伸ばす様に機能する螺旋状の突条或いは溝が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記ローラーの表面に、当該ローラーの回転に伴って被捺染材を搬送方向と直交する方向の中央部から両端部に向けて伸ばす様に機能する螺旋状の突条或いは溝が形成されているので、被捺染材に生じた皺を、より一層確実に除去することができる。尚、前記突条或いは溝により、被捺染材は中央部から両端方向に向けて伸ばされることとなるが、前記ローラーの押圧及び回転による引き伸ばし効果であるので、被捺染材に不適切なテンションが付与されることはない。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記ローラーの周面に形成された孔から液体又は蒸気を噴射しつつ前記ローラーが回転することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記ローラーの周面に形成された孔から液体又は蒸気を噴射しつつ前記ローラーが回転するので、前記液体又は蒸気によって被捺染材に形成された皺をより効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るインクジェット捺染装置の外観斜視図。
【図2】本発明に係るインクジェット捺染装置の被捺染材搬送経路の模式図。
【図3】被捺染材及び載置台に載置された被捺染材の状態を示す図。
【図4】(A)は被捺染材に形成された皺がローラーに到達する前の状態を示す図、(B)は被捺染材に形成された皺がローラーによって除去された状態を示す図。
【図5】皺伸ばし工程の流れを示すフローチャート。
【図6】第2実施形態に係るローラーの斜視図。
【図7】第3実施形態に係るローラーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下説明する実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることを前提として、以下本発明の一実施形態を説明するものとする。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染装置1の外観斜視図、図2はインクジェット捺染装置1の被捺染材搬送経路の模式図、図3は被捺染材P及び載置台7に載置された被捺染材Pの状態を示す図、図4(A)は被捺染材Pに形成された皺がローラー10Aに到達する前の状態を示す図、図4(B)は被捺染材Pに形成された皺がローラー10Aによって除去された状態を示す図、図5は皺伸ばし工程の流れを示すフローチャートである。また、図6は第2実施形態に係るローラー10Bの斜視図、図7は、第3実施形態に係るローラー10Cの斜視図である。
【0021】
図1に示す様にインクジェット捺染装置1は、装置本体2の底部にガイドテーブル8を備え、このガイドテーブル8に形成されたガイド部8aにより載置台7が被捺染材Pの搬送方向(図2において矢印A方向)にガイドされる構成を備える。
【0022】
載置台7は被捺染材Pを載置する台であり、載置面7a上に被捺染材Pを図3に示す様に載置する様になっており(図3の被捺染材Pは一例としてTシャツを示している)、被捺染材Pが載置された載置台7が搬送方向Aに移動することで、被捺染材Pは前処理部4、捺染実行部5、更に図示しない下流側の後処理部、のこれらを通過できる様になっている。尚、載置台7を駆動する駆動機構についての図示及びその説明は本明細書では省略する。以上により載置台7およびこれを駆動する駆動機構は、被捺染材Pを搬送する搬送手段を構成することとなる。
【0023】
前処理部4は、捺染実行部5(インクジェットヘッド14)に対して搬送方向Aの上流側に設けられており、本実施形態においては主に捺染実行部5における捺染実行に先立って被捺染材Pに形成された皺を伸ばす皺伸ばし処理(詳しくは後述)が行われる。尚、前処理部4において行われる前処理として、当該皺伸ばし処理のみならず、適宜その他の処理工程(例えば、被捺染材Pにコート液を付着させる工程など)が行われても良いのは勿論である。
【0024】
次いで、捺染実行部5を構成するインクジェットヘッド14は、インクを吐出するためのノズル孔(不図示)が複数並んだノズル列(不図示)を複数有する、公知の構造のインクジェットヘッドであり、このインクジェットヘッド14は搬送方向Aと交差する方向(図1の矢印方向:図2において紙面面裏方向)に往復駆動されるキャリッジ13に搭載されている。
【0025】
尚、インクジェット捺染装置1は、インクジェットヘッド14が搬送方向Aと交差する方向に移動しながらインクを吐出する所謂シリアル式として説明したが、インクジェットヘッド14はラインヘッドであってもよいし、またこのラインヘッドが固定的に設けられていても、或いは搬送方向Aに移動可能に設けられていても、いずれであっても良いのは勿論である。
【0026】
そしてインクが吐出された被捺染材Pは、図1及び図2では図示を省略する、捺染実行部5の下流側に設けられた後処理部によって乾燥処理等がなされ、最終的に処理の行われた被捺染材Pが載置された載置台7が、再び装置前方側(図2において左側)の待機位置にまで戻る様になっている。
【0027】
尚、制御部16は載置台7を駆動する駆動機構(不図示)、キャリッジ13を駆動する駆動機構(不図示)、インクジェットヘッド14、アーム9(後述)を駆動する駆動機構(不図示)、のこれらを制御する制御手段である。また、この制御部16には、アーム(後述)の揺動量(揺動角度)を検出するセンサー19(後述)からの検出信号が入力される様になっている。
【0028】
続いて、前処理部7を構成するローラー10Aについて説明する。ローラー10Aは、載置台7の載置面7aとの間で被捺染材Pを押圧することにより被捺染材Pに形成されている皺W(図4(A))を伸ばす機能を発揮する。
【0029】
より詳しくは、ローラー10Aはその両端部がアーム9、9によって支持されており、このアーム9、9は揺動軸9aを中心に図2の時計回り方向及び反時計回り方向に揺動可能となっている。また、アーム9、9は図示を省略する駆動手段によって揺動駆動される様に構成されており、これによりローラー10Aは図2の実線で示す様に載置台7の載置面7aとの間で被捺染材Pを押圧可能な位置と、載置面7aから離間する位置と、の間を変位できる様になっている。
【0030】
左右のアーム9、9のうち一方側のアーム9には揺動軸9aと同軸で回転するロータリースケール18が設けられているとともに、このロータリースケール18の回転を検出するセンサー19が設けられている。これにより、制御部16は、アーム9、9の揺動角度、即ちローラー10Aの位置や上下量を検出できる様になっている。
【0031】
次いで、ローラー10Aは、図4(A)、(B)に示す様に内側に熱供給手段としてのヒーター11を備えており、熱伝導部12を介してローラー10Aの外周面に熱を供給でき、これによりローラー10Aは被捺染材Pの捺染側の面に熱を加えることができる様になっている。
【0032】
以下、図5のフローチャートに沿って皺伸ばし工程の一実施例を説明する。載置台7に被捺染材Pをセットし、ユーザーによる捺染実行操作(捺染実行指令)がなされると、載置台7の正方向送り(被捺染材Pの下流側への搬送)が開始され(ステップS101)、その後ローラー10Aが被捺染材Pを載置台7との間で押圧できる位置まで下降する(ステップS102)。
【0033】
次いで、繰り返し変数nをゼロリセットし(ステップS103:詳細は後述)、全捺染領域について皺伸ばしを行う(ステップS104においてNo)。全捺染領域について皺伸ばしが終了した場合(ステップS104においてYes)、繰り返し変数nをインクリメントし(ステップS105)、ローラー10Aの上下量が予め定められた規定値以下であるか否かを判断する(ステップS106)。
【0034】
ここで、ローラー10Aの上下量が予め定められた規定値を超えている場合(ステップS106においてNo)、ローラー10Aと載置台7との間で被捺染材Pを押圧したにも拘わらず皺が残存していると考えられる為、再度上述した皺伸ばしのリトライを行う(ステップS110)。
【0035】
尚、皺伸ばしのリトライ回数を示す繰り返し変数nが予め定められた上限値に達している場合には(ステップS109においてYes)、皺伸ばしが不可能であるか或いは他の不具合(異物が捺染面上に存在するなど)が生じていると判断できるので、Error処理に進む例えば、エラーメッセージの表示など)。
【0036】
ここで、皺伸ばしのリトライ動作(ステップS110)は、載置台7を再びスタート位置にまで戻して全捺染領域について再度皺伸ばしを行っても良いし、或いはローラー10Aの上下量が大きくなった際の載置台7の位置、即ち皺が生じていると判断できる位置を記憶しておき、その位置のみ再度皺伸ばし処理を行っても良い。この様に皺が生じている位置のみ再度皺伸ばし処理を行うことで、皺伸ばしのリトライ動作(ステップS110)を短時間で終了させることができる。
【0037】
一方、ローラー10Aの上下量が予め定められた規定値を下回っている場合(ステップS106においてYes)、載置台7を捺染開始位置にまで移動させ(ステップS107)、捺染処理を開始する(ステップS108)。
【0038】
以上説明したように、インクジェット捺染装置1によれば、被捺染材Pの捺染側の面を押圧するローラー10Aと、被捺染材Pを載置した載置台7との相対的な移動により、載置台7上の被捺染材Pが搬送方向に沿ってローラー10Aにより押圧される構成を備えるので、被捺染材Pに生じている皺を除去するに際して皺除去の為にのみ被捺染材Pにテンションを付与する必要がなく、被捺染材P全体の伸びを抑え、適切な捺染結果を得ることができる。また、ローラー10Aを介して被捺染材Pが加熱されるので、ローラー10Aによる皺伸ばし効果をより一層効果的に得ることができる。加えて、被捺染材Pの被捺染面が毛羽立っている場合には、毛羽立ちを抑えることもでき、これにより良好な捺染結果を得ることができる。
【0039】
また、被捺染材Pに形成された皺Wを検出する皺検出手段(本実施形態ではロータリースケール18及びセンサー19により構成される)を備え、そして制御部16が、前記皺検出手段の検出情報をもとに、被捺染材Pにおいて皺Wが形成された領域をローラー10Aで扱く様に載置台7の順送り及び逆送りを交互に繰り返し実行する構成であるので、被捺染材Pに形成された皺Wを確実に伸ばすことができる。
【0040】
尚、以上説明した実施形態では、ローラー10Aを介して被捺染材Pに熱を加える構成であるが、これに限られず、例えば載置台7を介して被捺染材Pに熱を加える構成であっても良い。これにより、ローラー10Aによる皺伸ばし処理の前に被捺染材Pを十分に加熱することもでき、ローラー10Aによる皺伸ばし効果を、更に効果的に得ることができる。また、被捺染材Pとローラー10Aとの相対的な移動は、載置台7の移動によって実現されるが、ローラー10Aが移動する構成であっても良いし、或いは載置台7及びローラー10Aの双方が移動する構成であっても良い。
【0041】
次いで、図6を参照しつつローラーの他の実施形態について説明する。図6において符号10Bは第2実施形態に係るローラーを示しており、このローラー10Bはローラー周面に複数の孔hを備え、この孔hから液体又は蒸気(一例として、水蒸気)を噴射しつつローラー10Bが回転する様になっている。即ち、被捺染材Pは加熱に加えて液体又は蒸気による加湿処理がなされながら皺伸ばしが行われるので、被捺染材Pに形成された皺をより効果的に除去することができる。
【0042】
次いで、図7を参照しつつ更にローラーの他の実施形態について説明する。図7において符号10Cは第3実施形態に係るローラーを示しており、このローラー10Cは、ローラーの表面に、回転に伴って被捺染材Pを搬送方向と直交する方向の中央部から両端部に向けて伸ばす様に機能する螺旋状の溝cを備えている(尚、溝に限らず突条であっても良い)。これにより、被捺染材Pに生じた皺を、より一層確実に除去することができる。
【0043】
尚、上記溝cにより、被捺染材Pは中央部から両端部方向に向けて伸ばされることとなるが、ローラー10Cの押圧及び回転による引き伸ばし効果である為被捺染材P全体の伸びの程度は軽微であり、またローラー10Cを通過後は被捺染材Pには上記引き伸ばし効果は作用しないので、被捺染材Pに不適切なテンションが付与されることはない。
【符号の説明】
【0044】
1 インクジェット捺染装置、2 装置本体、3 搬送手段、4 前処理部、
5 捺染実行部、7 載置台、7a 載置面、8 ガイドテーブル、8a ガイド部、9 アーム、10A、10B、10C ローラー、11 ヒーター、12 熱伝導部、13 キャリッジ、14 インクジェットヘッド、16 制御部、18 ロータリースケール、19 センサー、P 被捺染材、W 皺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被捺染材を載置する載置台と、
前記載置台に載置された前記被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドを備えた捺染実行部と、
前記捺染実行部による捺染実行に先立って被捺染材に対して前処理を実行する前処理部と、を備え、
前記前処理部は、被捺染材の捺染側の面に対して熱を加える熱供給手段と、被捺染材の捺染側の面を押圧するローラーと、を備え、
前記ローラーと前記載置台との相対的な移動により、前記載置台上の被捺染材が前記ローラーにより押圧されることを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット捺染装置において、前記熱供給手段が、前記ローラーを介して被捺染材に熱を加える、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のインクジェット捺染装置において、前記熱供給手段が、前記載置台を介して被捺染材に熱を加える、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染装置において、前記ローラーの表面に、当該ローラーの回転に伴って被捺染材を搬送方向と直交する方向の中央部から両端部に向けて伸ばす様に機能する螺旋状の突条或いは溝が形成されている、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染装置において、前記ローラーの周面に形成された孔から液体又は蒸気を噴射しつつ前記ローラーが回転する、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−19083(P2013−19083A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155471(P2011−155471)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】