インクユニット
【課題】 簡便に保護シートによる包装を解くことができず、手が汚れたり、インクリボンに疵を付けたり、インクリボンが弛んだり、インクリボンが不要に送り出される可能性が高いという点を解消する。
【解決手段】 送出コア2に巻装されたインクリボン1の最外周面と巻取コア3の外周とを密着させた該送出コア2及び該巻取コア3の軸と平行に巻くことができる程度の長さとされた保護シート4を備えた。保護シート4は、両端部の幅方向中央に引張部4A,4Bを形成している。また、巻取コア3の周面と保護シートが接着部4C(第1の接着部)で接着され、保護シート4同士が接着部4D(第2の接着部)で接着されている。
【効果】 インクリボンが手に付着することなく簡便に包装を解きながら容易に装置に装着することができる。
【解決手段】 送出コア2に巻装されたインクリボン1の最外周面と巻取コア3の外周とを密着させた該送出コア2及び該巻取コア3の軸と平行に巻くことができる程度の長さとされた保護シート4を備えた。保護シート4は、両端部の幅方向中央に引張部4A,4Bを形成している。また、巻取コア3の周面と保護シートが接着部4C(第1の接着部)で接着され、保護シート4同士が接着部4D(第2の接着部)で接着されている。
【効果】 インクリボンが手に付着することなく簡便に包装を解きながら容易に装置に装着することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボン、送出コア、巻取コアを有し、さらに、これらの交換作業時に、作業者の手にインクリボンが付着しないようにインクリボンを保護する保護シートを備えたインクユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの装置で使用される消耗部材であるインクリボンは、例えば熱転写型のインクが幅広で長尺のインクシート上に塗布されてなる。インクリボンは、送出コアに予め巻装され、送出コアから送り出されて使用毎に順次巻取コアに巻き取られる。
【0003】
使用後のインクリボンと新たな未使用のインクリボンとを交換する際には、通常、インクリボン、送出コア、巻取コアとを一体的に交換する。なお、本願では以下、インクリボン、送出コア、巻取コアを総称して交換ユニットという。
【0004】
交換ユニットの交換時には、インクリボンのインクが交換作業者の手に付着して手を汚したり、手でインクシートを疵つけたり、インクシート上のインクを剥がしたりする可能性がある。また、交換ユニットの装着時には、送出コアのインクリボンが弛んでしまったり、送出コアから不要にインクリボンが送り出されてしまう不具合も生じる。
【0005】
こうした不具合を解消するものとして、インクリボンを保護すると共にインクリボンの弛みや不要な送り出しを防止する技術として、以下の特許文献1及び2が知られている。
【特許文献1】特開平9−141985号公報
【特許文献2】特許第3433539号公報
【0006】
上記した特許文献1は、巻取コアと送出コアとをこれらの軸と平行に巻いて包装する保護シートを有する。この保護シートは、一端が巻取コアに接着され、他端が巻取コア側から送出コアを巻いて再度巻取コアに戻るようにして交換ユニットを包装している。また、保護シートは、他端部において、該保護シート同士が重ね合わせられる部分の、下となる部位に開口が、上となる部位に突出片が、それぞれ形成され、包装状態では突出片を開口に挿入して係合させている。
【0007】
上記した特許文献2は、巻取コアと送出コアとをこれらの軸と平行に巻いて包装する第1と第2の保護シートを有する。第1の保護シートは巻取コアを包装し、第2の保護シートは送出コアを包装する。これら第1と第2の保護シートは、巻取コアと送出コアの軸と平行な2本の切り取り線で区画され、この切り取り線を介して一体とされている。また、2本の切り取り線で挟まれた部位において、第1と第2の保護シートの幅方向には、片側の該幅方向から突出したつまみが形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した特許文献1及び特許文献2では以下の不具合がある。
特許文献1は、開口に異物が入ってインクリボンに疵を付ける可能性がある。一方、特許文献2は、つまみを引っ張って切り取り線により第1と第2の保護シートを分離しなければならず、簡便に包装を解くことができない。また、第1の保護シートは巻取コアに接着されていないので、巻取コアや送出コアが自由に回転し、特に巻取コアを装置側に枢支させにくいといった問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする問題点は、簡便に保護シートによる包装を解くことができず、手が汚れたり、インクリボンに疵を付けたり、インクリボンが弛んだり、インクリボンが不要に送り出される可能性が高いという点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のインクユニットはインクリボン、送出コア、巻取コアを有する交換ユニットを包装する保護シートを備えている。この保護シートは、送出コアに巻装されたインクリボンの最外周面と巻取コアの外周とを密着させた状態で、該送出コア及び該巻取コアの軸と平行に巻くことができる程度の長さとされる。また、保護シートは、該保護シートを巻く方向の少なくとも片方の端部における幅方向中央に引張部が形成される。さらに、保護シートは、巻取コアの周面と該保護シートが第1の接着部で接着されると共に該保護シート同士が第2の接着部で接着される。
【0011】
また、本発明のインクユニットは、上記構成おいて、保護シートの途中部位の幅方向全域に切断部が形成されているものである。
【0012】
さらに、本発明のインクユニットは、上記構成において、送出コア及び巻取コアの軸両端を包含する軸端包装部を包装時に保護シートと一体となるようにそれぞれ設けたものである。
【0013】
さらに、本発明のインクユニットは、上記構成において、少なくとも巻取コアの軸両端の各々の外周面にギヤが形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のインクユニットは、保護シートには開口が形成されていないので、開口から異物が入ってインクリボンに疵を付けることがない。また本発明のインクユニットは、保護シートの引張部を引っ張るだけで包装が解ける。
【0015】
しかもこの包装を解く際には、送出コアを装置側で枢支した状態で行えるので、手でインクを触ることがなく、したがってインクリボンに疵を付けたり、手を汚すこともなく簡便に包装を解くことができる。そして、包装を解きながら極めて容易に交換ユニットを装置に装着することができる。
【0016】
また、本発明のインクユニットは、保護シートに切断部を形成しておくことで、保護シートが長さ方向に切断できる。したがって両端部方向に相反する方向に引っ張って保護シートを引き抜くことができるから、上記より容易に包装を解くことができる。
【0017】
さらに、本発明のインクユニットは、保護シートの幅方向両端縁部に軸端包装部を設けているので、送出コア及び巻取コアの軸端を含めた交換ユニット全体を包装することができる。
【0018】
さらに、本発明のインクユニットは、少なくとも巻取コアの軸両端の各々の外周面にギヤが形成されているので、装置側に噛合するギヤが形成されている場合は、より容易に交換ユニットを交換できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のインクユニットの実施形態について図1から図16を参照して説明する。先に共通する構成について図1〜図4を用いて説明し、図5〜図16に示す形態については異なる部分を中心に説明し、重複する構成の説明を省略する。
【0020】
図1〜図4において、1は、幅広で長尺のインクシート(参照番号無)上にインク(参照番号無)が塗布されたインクリボンである。2は、インクリボン1が巻装された送出コアである。3は、送出コア2から送り出されたインクリボン1であって使用後のインクシートを巻き取るための巻取コアである。これら、インクリボン1、送出コア2、巻取コア3は、プリンタなどの装置で消耗品として一体的に交換されることから、以下、総称するときは交換ユニットUと記すこととする。
【0021】
4は、交換ユニットUにおいて交換すべき未使用のインクリボン1を保護し、かつ送出コア2と巻取コア3の回転を固定しておく保護シートである。この保護シート4は、例えばインクリボン1のインクシートと同幅とされている。また、保護シート4は、送出コア2に巻装されたインクリボン1の最外周面と、巻取コア3の外周とを密着させた状態の交換ユニットUを、送出コア2及び巻取コア3の軸と平行に1回巻いて余る程度の長さとされている。
【0022】
そして、保護シート4は、図1〜図4、及び図8〜図15に示す形態では、長さ方向の両端部に引張部4A,4Bが形成されている。なお、図5〜図7に示す形態では、保護シート4の長さ方向の一方端部に引張部4Aのみが形成されている。
【0023】
引張部4A,4Bは、保護シート4の幅方向の中央に所定の曲率をもって集合するように形成されている。このように引張部4A,4Bを形成することで、保護シート4の幅方向に均等に引っ張る力をかけることができ、かつ引っ張ったときに引張部4A,4Bとそれ以外の保護シート4とが裂けてしまうことが防止される。
【0024】
さらに、保護シート4は、交換ユニットUを包装したときに巻取コア3に接着される接着部4C(第1の接着部)と、同じく包装したときに積層状態となる該保護シート4に接着される接着部4D(第2の接着部)とを有する。本例では、接着部4Cは保護シート4の幅方向の全域に、接着部4Dは保護シート4の引張部4A,4Bを挟んだ幅方向の両端部に、それぞれ設けられる。
【0025】
接着部4Cは、接着部4Dより接着強度が高く設定されている。この理由は、接着部4Cは、後述するように引張部4A,4Bを引っ張って巻取コア3を枢支させるべく装置側の所定位置に移動させるから容易に巻取コア3との接着が剥がれないようにそれ相応の接着強度を要する。それに対し、接着部4Dは、後述するように引張部4A近傍の保護シート4同士を接着しておけばよいから、さほどの接着強度を要しない。
【0026】
上記構成におけるインクユニットは、交換ユニットUを保護シート4で包装してなる。すなわち、交換ユニットUは、送出コア2に巻装されたインクリボン1の最外周面と巻取コア3とを密着させている。これは不要にインクリボン1を引き出した状態にしないこと、送出コア2及び巻取コア3の自由な回転を止めること、包装状態をコンパクトにすること、を理由とする。
【0027】
そして、保護シート4は、接着部4Cが巻取コア3の周面に接着され、ここから送出コア2(に巻装されたインクリボン1の最外周面)を巻いて再度巻取コア3に戻されて先に巻いた部位に接着部4Dを接着する。本例では包装状態で引張部4Aのみが包装の最外周部に露出している。
【0028】
交換ユニットUを装置に装着する際の動作について図3及び図4を参照して説明する。まず、図3に示す動作について説明する。初めに送出コア2を装置側に枢支する。そして、交換ユニットUの包装を解くべく、図3(a)に示すように、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って接着部4Dと巻いてある保護シート4との接着を剥がす。
【0029】
次に、図3(b)に示すように、引張部4Bを巻取コア3側に引っ張って巻取コア3を装置側に枢支する。このように、接着部4Cは、巻取コア3を装置側に枢支する位置に移動させる必要があることから接着強度はある程度高くしておく必要がある。
【0030】
その後、図3(c)に示すように、引張部4Bをさらに引っ張って、接着部4Cと巻取コア3との接着を剥がし、引き抜くことで保護シート4による交換ユニットUの包装を解く。以上のように、上記構成のインクユニットであれば、インクリボン1自体に手を触れることなく包装を解きながら交換ユニットUを装置側に装着できる。
【0031】
特に図1〜図3の例では、接着部4Dを保護シート4の包装状態の外周側に設けているので、図3(c)のように引張部4Bを引っ張って保護シート4を引き抜く際に、接着部4Dが送出コア2の最外周に巻装されているインクリボン1に接触したりすることがなく、速やかに引き抜くことができるという利点もある。
【0032】
続いて図4に示す動作について説明する。図4(a)では包装状態を示しており、接着部4Dは、包装状態にある保護シート4の、引張部4Aと引張部4Bの近傍を接着している。つまり、保護シート4は、接着部4Cが巻取コア3に接着され、ここから引張部4A側は巻取コア3を、引張部4B側は送出コア2(に巻装されたインクリボン1の最外周)を、各々巻いている。
【0033】
この包装状態を解くには、まず、図4(b)のように包装状態のまま、送出コア2を装置側に枢支する。次に、図4(c)のように、引張部4Aと引張部4Bを相反する方向に引っ張って接着部4Dの接着を剥がす。その後、図4(d)のように、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って、巻取コア3を装置側に枢支する。そして、図4(e)のように、さらに引張部4Aを引っ張って、接着部4Cと巻取コア3との接着を剥がし、全体を引き抜くことで包装を解く。このようにしても上記と同等の作用効果を得ることができる。
【0034】
なお、図4に示す例では接着部4Dは、特に引張部4A側で包装状態の保護シート4の内周側に設けている。このようにしておけば、引張部4Aを引っ張って保護シート4を引き抜く際に接着部4Dが送出コア2の最外周に巻装されているインクリボン1に接触することがなく、速やかに引き抜くことができる。
【0035】
次に、図5〜図7を参照して、上記した図1〜図4に示す形態の変形例について説明する。図5〜図7においては、保護シート4は、引張部4Aのみしか形成されていない。また、保護シート4は、引張部4Aを形成した端部の幅方向の両端部に、該引張部4Aが不用意に引っ張られないように保護シート4同士を止めておくための保護接着部4aを設けている(図5参照)。
【0036】
図5に示す構成の保護シート4を用いた場合、図6(a)及び図7(a)に示すように、保護シート4は、接着部4Cが巻取コア3の周面に接着され、ここから送出コア2(に巻装されたインクリボン1の最外周面)を巻いて再度巻取コア3に戻されて、接着部4Cから引張部4A側の部位に接着部4Dを接着する。そして、接着部4Dから引張部4A側で余剰する保護シート4を折り返して接着部4aにより接着する。
【0037】
図6(a)と図7(a)の相違は、図6(a)に示した例では、接着部4Cが巻取コア3の上方周面に接着されて、図示時計回りに巻いているのに対し、図7(a)に示す例では、接着部4Cが巻取コア3の下方周面に接着されて、図示反時計回りに巻いている点である。
【0038】
図6(a)及び図7(a)の包装状態を解くには、まず、図6(b)及び図7(b)のように、包装状態のまま、送出コア2を装置側に枢支し、保護接着部4aによる引張部4Aと保護シートとの接着を剥がす。次に、図6(c)及び図7(c)のように、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って接着部4Dによる保護シート4との接着が剥がすと共に、巻取コア3を装置側に枢支する。そして、図6(d)及び図7(d)のように、さらに引張部4Aを引っ張って、接着部4Cと巻取コア3との接着を剥がし、全体を引き抜くことで包装を解く。このようにしても上記と同等の作用効果を得ることができる。
【0039】
なお、本例では接着部4Dは、特に保護シート4の長さ方向の引張部4Aと接着部4Cとの間で、該接着部4Cと同じ側の面、つまり包装状態の保護シート4の内周側に設けている。このようにしておけば、引張部4Aを引っ張って保護シート4を引き抜く際に接着部4Dが装置側におけるインクユニットの装着部分周辺に貼り付く可能性がなくなり、速やかに引き抜くことができる。
【0040】
図8〜図11には、さらに使い勝手のよいインクユニットを示す。この例における保護シート4は、該保護シートの長さ方向における接着部4Cと接着部4Dとの間において幅方向に切断部4Eが形成されている点が上記とは異なる点である。
【0041】
切断部4Eは包装状態では切断されていないから、図9に示すインクユニットの包装状態は図2と同じである。この保護シート4による包装を解くには、図10に示すように行う。すなわち、まず、図10(a)に示すように、送出コア2の軸を装置側に枢支したうえで、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って接着部4Dと巻いてある保護シート4との接着を剥がす。
【0042】
次に、図10(b)に示すように、引張部4Bを巻取コア3側に引っ張って、切断部4Eでもって保護シート4を引張部4A側と引張部4B側に切断する。なお、このとき、引張部4Aを引っ張って切断してもよいが、次の手順を考えると引張部4Bを引っ張って切断する方がより容易に包装を解くことができる。
【0043】
続いて、図10(c)に示すように、引張部4Bを引っ張って巻取コア3を装置側に枢支する。つまり、切断部4Eの切断を引張部4Bの引っ張りで行えば、引張部4Aを引っ張って切断した場合において巻取コア3を装置側に枢支する際に引張部4Bに持ち変えるという手間が省けるのである。
【0044】
そして、図10(d)に示すように、引張部4Aと引張部4Bを巻取コア3側に引っ張ってそれぞれを引き抜くことで保護シート4による交換ユニットUの包装を解く。このようにしても、インクリボン1自体に手を触れることなく包装を解きながら交換ユニットUを装置側に装着することができる。
【0045】
また、切断部4Eを形成した保護シート4は、図11(a)のように包装しておいてもよい。包装状態は図4(a)と同様である。また、図11(a)のように包装した場合、図11(b)に示す装置側に送出コア2を枢支する手順、及び図11(c)に示す引張部4Aと引張部4Bを相反する方向に引っ張って接着部4Aの接着を剥がす手順は、各々図4(b)、図4(c)と同じである。
【0046】
その後、図11(d)に示すように、引張部4Aと引張部4Bとをさらに相反する方向に引っ張る、あるいは引張部4Aを引っ張って、切断部4Eでもって保護シート4を引張部4A側と引張部4B側に切断する。そして、引張部4A側を引っ張って巻取コア3を装置側に枢支する。
【0047】
巻取コア3を装置側に枢支した後、図11(e)に示すように、引張部4A及び引張部4Bを相反する方向に引っ張って引き抜き、包装を解く。このとき、引張部4Aを強く引っ張ることで接着部4Cと巻取コア3との接着が剥がれる。このようにしても上記同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
図12及び図13は、送出コア2及び巻取コア3の軸両端を含む交換ユニットU全体を包装することができる例を示す。図12には、例えば図2に示した保護シート4の幅方向両端縁部において長さ方向全域に分割部4Fを設けた例を示している。図13には、例えば図9に示した保護シート4の幅方向両端縁部において長さ方向全域に分割部4Fを設けた例を示している。
【0049】
図12(a)及び図13(a)において、保護シート4の幅方向両端縁部の各々の分割部4Fには、包装状態のときには軸端包装部5,5が接合されている。そして、この軸端包装部5,5は、該軸端包装部5,5を図12(b)及び図13(b)に示すように先に引っ張って分割部4Fで保護シート4と分割する。その後、上記同様、保護シート4による交換ユニットUの装置側への装着と包装を解く作業を同時に行う。
【0050】
このようにすれば、過剰に包装することなく交換ユニットU全体を包装することができ、また、包装を解く際には、上記したようにインクリボン1に手が触れることはなく、さらにはインクリボン1に手が触れることなく装置側に装着することができる。
【0051】
図16は、インクリボン1を送出コア2より送り出すための駆動主体となる巻取コア3の軸両端部の各々の外周面にギヤGを形成した例を示す。もちろん送出コア2の軸端部外周にギヤGが形成されていてもよい。このようにすれば、ギヤGと噛合する装置であれば、巻取コア3や送出コア2を装置側の駆動部へ接続する際に手間取らず、容易かつ簡便に装着することができる。
【0052】
なお、図16のように軸両端にギヤGを設けた巻取コア3を有している場合に、例えば図12及び図13のような構成を採用しようとする場合は次のようにすればよい。図14及び図15には、上記した分割部4Fを、包装時の保護シート4と直交する軸端包装部5,5の面に形成した例を示す。図12及び図13では、先に軸端包装部5,5を保護シート4から分割する必要があったが、図14及び図15では、その作業をも一度に行える。
【0053】
分割部4Fは、図14(a)及び図15(a)に示すように、包装時の保護シート4と直交する軸端包装部5,5の面を中心から円弧を例えば4分割するように形成すると共に、包装状態の軸端包装部5,5の面の中心部にギヤGの外径と同じ又は若干小径の円孔とされる切欠部4Gを形成している。このようにしておけば、切欠部4GからギヤGのみが突出するがごみなどは侵入せず、かつ図14(b)及び図15(b)に示すように、引張部4Aや引張部4Bの引っ張りによって軸端包装部5,5も包装を解く動作に伴って分割部4Fによって分割されるから、図12及び図13で別とされていた作業を一連にて行うことができると共に、装置への装着も包装を解く作業内で行えるようになる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明のインクユニットの効果を確認するために行った比較実験について説明する。実験は、本発明の第1〜第3実施例の各々と、比較例1及び比較例2の各々について、包装を解く前までの包装状態の比較と、包装を解いて交換ユニットUを装置側に装着し、使用を開始するまでの使い勝手と、を比較した。
【0055】
比較例1は、図示しないが、本発明の図1〜図16に示した構成と照らし合わせると、次のように構成している。インクリボン1が保護シート4を介して巻取コア3と接着されている。保護シート4には、開口とこの開口に挿入される突出片が形成されている。送出コア2及び巻取コア3とインクリボン1と同幅とされている。交換ユニットU全体を水や湿気から保護するために、保護シート4の上から別途袋状の包装体を設けている。
【0056】
比較例2は、図示しないが、本発明の図1〜図16に示した構成と照らし合わせると、次のように構成している。保護シート4の端部にカール状の係止片が形成され、この係止片と該保護シートに形成された曲面部とが係止されている。保護シート4を切断するカット部を、該保護シート4の長さ方向途中で幅方向全域に形成している。送出コア2及び巻取コア3がインクリボン1より幅が広くされ、軸端の内周面にギヤが形成されている。交換ユニットU全体を水や湿気から保護するために、保護シート4の上から別途袋状の包装体を設けている。
【0057】
(第1実施例)
そして、本発明の第1実施例としては、図1〜図3、図4、図5〜図7、図8〜図11の構成、である。これらは使い勝手の効果がほぼ同様であるので、第1実施例としてまとめて説明する。
【0058】
第1実施例において、全体として、包装を解く前の包装状態については、開口のない保護シート4で巻いているので異物が入ることもなく、かつ巻取コア3と送出コア2が自由に回転せずしっかりと包装されていた。また、包装を解いて装置へ装着する作業については、インクリボン1に一切手を触れることなく包装を解くことができ、かつ包装を解きながら交換ユニットUを容易に装置に装着することができた。
【0059】
また、引張部4A及び4Bを設けていることで、これらを引っ張れば包装を解くことと装置への装着ができるということを作業者が直感的に認識でき、戸惑うこともなく、一連の動作で、包装を解きながら交換ユニットUを装置に装着することができた。
【0060】
特に引張部4Aのみ有する図5〜図7の構成は、引張部4A,4Bの両者を有する他の構成に較べて、引張部4Aのみを該引張部4A側へ引っ張るだけで保護シート4を引き抜くことができ、戸惑うことなく極めて短時間で包装を解きながらかつ交換ユニットUを装置に装着することができた。
【0061】
また、特に切断部4Eを有する図8〜図11の構成では、送出コア2を装置側に枢支した後、切断部4Eで切断されて、引張部4A側と引張部4B側に保護シート4が分離するので、保護シート4の引き抜き回数が2回となるものの、1回の保護シート4の引き抜きストロークが短くなるので、交換ユニットUを装置へ装着し、使用を開始するまでの作業時間は上記よりさらに短くなった。
【0062】
比較例1は、包装状態については、保護シート4が巻取コア3を巻いていないので、巻取コア3が包装時には自由に移動して包装が意図せず解けてしまうことがあった。また、保護シート4に開口が形成されているので、この開口から異物が入っていた。また、包装を解いて装置へ装着する作業については、包装を解くこと自体は容易であったが、その後、保護シート4を巻取コア3に巻き取ってからでないと使用を開始できず、結果的にこの巻き取り作業に手間がかかり装着が完了し、使用を開始するまでに時間がかかった。
【0063】
比較例2は、包装状態については、保護シート4で巻取コア3や送出コア2の回転を抑制するようにしていないので、保護シート4内で巻取コア3や送出コア2が自由に回転してインクリボン1が弛んだりすることがあった。また保護シート4の両端部が互いの端部に重なるように巻いてないので、両端部の空いた部分から異物がインクリボン1に付着することがあった。包装を解いて装置へ装着する作業については、包装を解くこと自体はカット部を有している点で容易ではあった。しかし、巻取コア3を装置に枢支する前に保護シート4と巻取コア3が完全に分離してしまうので、結果的には包装を完全に解いてから巻取コア3を装置に枢支する手間がかかり装着は容易ではなかった。
【0064】
(第2実施例)
本発明の第2実施例は、図12及び図13に示した構成である。比較例1や比較例2は、インクリボン1そのものは、保護シート4で保護できるが、湿気や水などから交換ユニットU全体を保護するためには、袋状の包装体で別途包装している。
【0065】
これに対し、第2実施例構成は、軸端包装部5と保護シート4とが一体的とされ、包装状態では交換ユニットU全体を完全に包装しているから、保護シート4の上面から袋状の包装体で別途包装する必要がない。この点で過剰包装によるごみを減らすことができる。
【0066】
したがって、第2実施例構成であれば、過剰に包装することなく交換ユニットU全体を包装することができ、また、包装を解く際には交換ユニットU全体を包装しているにもかかわらず極めて容易に行えると共に、インクリボン1に手を触れることなく容易に装置側へ交換ユニットUを装着することができる。
【0067】
(第3実施例)
第3実施例は、図16に示す構成と図14及び図15に示した構成である。つまり例えば第1実施例における送出コア2及び巻取コア3の軸両端外周面にギヤGを形成し、ギヤGのみを突出させるように保護シート4及び軸端包装体5で包装した構成である。第3実施例は、装置へ交換ユニットUを装着すると、装置側における送出コア2及び巻取コア3の枢支部分にギヤGと噛合するギヤが形成されていた場合、交換ユニットUを装置に装着した後にはすぐに使用することができた。
【0068】
また、第3実施例では、上記効果のみならず、交換ユニットUを装置に装着するという一連の動作の中で、軸端包装部5が分割部4Fで分離されて包装を解くことができた。
【0069】
比較例1は、インクリボン1と送出コア2及び巻取コア3との幅が同幅とされている。よって送出コア2及び巻取コア3の軸端外周面にギヤGを形成することができず、交換ユニットUを装置に装着するときに改めて何らかの駆動部材を装着する必要がある。このことから、比較例1は、交換ユニットUを装置に装着し、使用を開始するにはかなりの手間と時間がかかった。
【0070】
比較例2は、送出コア2及び巻取コア3にギヤGが形成されているものの、内周面である。よって駆動部材は別途必要とならないが、装置側にこれらと噛合するギヤが形成されていたとしても、送出コア2と巻取コア3の軸端を装置側のギヤに嵌め合わせる必要が生じる。このことから、比較例2は、交換ユニットUを装置に装着して直ぐに使用を開始することができなかった。
【0071】
さらに、比較例1及び比較例2は、交換ユニットU全体が包装されていると、包装を解いてから装置に装着するという段階的な作業を要した。つまり、比較例1及び比較例2は、包装を解きながら装置へ装着するという一連での作業はできなかった。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係るインクユニットは、上記実施例では特に保護シート4の素材について触れていないが、例えばポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートとすれば効果的であり、最も望ましくはポリプロピレンがよい。また、本発明では、特にプリンタに用いるインクユニットについて説明したがこれに限らず、送出コア2にシート状の部材が巻装され、巻取コア3によってシート状の部材が巻き取られる構成における、シート状部材の保護と送出コア2と巻取コア3の自由な移動を禁止する場合に用いても効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のインクユニットにおける保護シートを示す図である。
【図2】保護シートで包装されたインクユニットを示す図である。
【図3】(a)〜(c)は包装を解くと共に装置に装着する状態を示す図である。
【図4】(a)〜(e)は包装を解くと共に装置に装着する状態の他の手順を示す図である。
【図5】本発明のインクユニットにおける一方端部にのみ引張部を有する保護シートを示す図である。
【図6】(a)〜(d)は一方端部にのみ引張部を有する保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は一方端部にのみ引張部を有する保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態の他の手順を示す図である。
【図8】本発明のインクユニットにおける切断部を有した保護シートを示す図である。
【図9】切断部を有した保護シートで包装されたインクユニットを示す図である。
【図10】(a)〜(d)は切断部を有した保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態を示す図である。
【図11】(a)〜(e)は切断部を有した保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態の他の手順を示す図である。
【図12】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図13】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図14】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した他の構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図15】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した他の構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図16】本発明のインクユニットにおけるギヤを有した構成を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 インクリボン
2 送出コア
3 巻取コア
4 保護シート
4A 引張部
4B 引張部
4C 接着部
4D 接着部
4E 切断部
4F 分割部
4G 切欠部
5 軸端包装部
U 交換ユニット
G ギヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボン、送出コア、巻取コアを有し、さらに、これらの交換作業時に、作業者の手にインクリボンが付着しないようにインクリボンを保護する保護シートを備えたインクユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの装置で使用される消耗部材であるインクリボンは、例えば熱転写型のインクが幅広で長尺のインクシート上に塗布されてなる。インクリボンは、送出コアに予め巻装され、送出コアから送り出されて使用毎に順次巻取コアに巻き取られる。
【0003】
使用後のインクリボンと新たな未使用のインクリボンとを交換する際には、通常、インクリボン、送出コア、巻取コアとを一体的に交換する。なお、本願では以下、インクリボン、送出コア、巻取コアを総称して交換ユニットという。
【0004】
交換ユニットの交換時には、インクリボンのインクが交換作業者の手に付着して手を汚したり、手でインクシートを疵つけたり、インクシート上のインクを剥がしたりする可能性がある。また、交換ユニットの装着時には、送出コアのインクリボンが弛んでしまったり、送出コアから不要にインクリボンが送り出されてしまう不具合も生じる。
【0005】
こうした不具合を解消するものとして、インクリボンを保護すると共にインクリボンの弛みや不要な送り出しを防止する技術として、以下の特許文献1及び2が知られている。
【特許文献1】特開平9−141985号公報
【特許文献2】特許第3433539号公報
【0006】
上記した特許文献1は、巻取コアと送出コアとをこれらの軸と平行に巻いて包装する保護シートを有する。この保護シートは、一端が巻取コアに接着され、他端が巻取コア側から送出コアを巻いて再度巻取コアに戻るようにして交換ユニットを包装している。また、保護シートは、他端部において、該保護シート同士が重ね合わせられる部分の、下となる部位に開口が、上となる部位に突出片が、それぞれ形成され、包装状態では突出片を開口に挿入して係合させている。
【0007】
上記した特許文献2は、巻取コアと送出コアとをこれらの軸と平行に巻いて包装する第1と第2の保護シートを有する。第1の保護シートは巻取コアを包装し、第2の保護シートは送出コアを包装する。これら第1と第2の保護シートは、巻取コアと送出コアの軸と平行な2本の切り取り線で区画され、この切り取り線を介して一体とされている。また、2本の切り取り線で挟まれた部位において、第1と第2の保護シートの幅方向には、片側の該幅方向から突出したつまみが形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した特許文献1及び特許文献2では以下の不具合がある。
特許文献1は、開口に異物が入ってインクリボンに疵を付ける可能性がある。一方、特許文献2は、つまみを引っ張って切り取り線により第1と第2の保護シートを分離しなければならず、簡便に包装を解くことができない。また、第1の保護シートは巻取コアに接着されていないので、巻取コアや送出コアが自由に回転し、特に巻取コアを装置側に枢支させにくいといった問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする問題点は、簡便に保護シートによる包装を解くことができず、手が汚れたり、インクリボンに疵を付けたり、インクリボンが弛んだり、インクリボンが不要に送り出される可能性が高いという点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のインクユニットはインクリボン、送出コア、巻取コアを有する交換ユニットを包装する保護シートを備えている。この保護シートは、送出コアに巻装されたインクリボンの最外周面と巻取コアの外周とを密着させた状態で、該送出コア及び該巻取コアの軸と平行に巻くことができる程度の長さとされる。また、保護シートは、該保護シートを巻く方向の少なくとも片方の端部における幅方向中央に引張部が形成される。さらに、保護シートは、巻取コアの周面と該保護シートが第1の接着部で接着されると共に該保護シート同士が第2の接着部で接着される。
【0011】
また、本発明のインクユニットは、上記構成おいて、保護シートの途中部位の幅方向全域に切断部が形成されているものである。
【0012】
さらに、本発明のインクユニットは、上記構成において、送出コア及び巻取コアの軸両端を包含する軸端包装部を包装時に保護シートと一体となるようにそれぞれ設けたものである。
【0013】
さらに、本発明のインクユニットは、上記構成において、少なくとも巻取コアの軸両端の各々の外周面にギヤが形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のインクユニットは、保護シートには開口が形成されていないので、開口から異物が入ってインクリボンに疵を付けることがない。また本発明のインクユニットは、保護シートの引張部を引っ張るだけで包装が解ける。
【0015】
しかもこの包装を解く際には、送出コアを装置側で枢支した状態で行えるので、手でインクを触ることがなく、したがってインクリボンに疵を付けたり、手を汚すこともなく簡便に包装を解くことができる。そして、包装を解きながら極めて容易に交換ユニットを装置に装着することができる。
【0016】
また、本発明のインクユニットは、保護シートに切断部を形成しておくことで、保護シートが長さ方向に切断できる。したがって両端部方向に相反する方向に引っ張って保護シートを引き抜くことができるから、上記より容易に包装を解くことができる。
【0017】
さらに、本発明のインクユニットは、保護シートの幅方向両端縁部に軸端包装部を設けているので、送出コア及び巻取コアの軸端を含めた交換ユニット全体を包装することができる。
【0018】
さらに、本発明のインクユニットは、少なくとも巻取コアの軸両端の各々の外周面にギヤが形成されているので、装置側に噛合するギヤが形成されている場合は、より容易に交換ユニットを交換できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のインクユニットの実施形態について図1から図16を参照して説明する。先に共通する構成について図1〜図4を用いて説明し、図5〜図16に示す形態については異なる部分を中心に説明し、重複する構成の説明を省略する。
【0020】
図1〜図4において、1は、幅広で長尺のインクシート(参照番号無)上にインク(参照番号無)が塗布されたインクリボンである。2は、インクリボン1が巻装された送出コアである。3は、送出コア2から送り出されたインクリボン1であって使用後のインクシートを巻き取るための巻取コアである。これら、インクリボン1、送出コア2、巻取コア3は、プリンタなどの装置で消耗品として一体的に交換されることから、以下、総称するときは交換ユニットUと記すこととする。
【0021】
4は、交換ユニットUにおいて交換すべき未使用のインクリボン1を保護し、かつ送出コア2と巻取コア3の回転を固定しておく保護シートである。この保護シート4は、例えばインクリボン1のインクシートと同幅とされている。また、保護シート4は、送出コア2に巻装されたインクリボン1の最外周面と、巻取コア3の外周とを密着させた状態の交換ユニットUを、送出コア2及び巻取コア3の軸と平行に1回巻いて余る程度の長さとされている。
【0022】
そして、保護シート4は、図1〜図4、及び図8〜図15に示す形態では、長さ方向の両端部に引張部4A,4Bが形成されている。なお、図5〜図7に示す形態では、保護シート4の長さ方向の一方端部に引張部4Aのみが形成されている。
【0023】
引張部4A,4Bは、保護シート4の幅方向の中央に所定の曲率をもって集合するように形成されている。このように引張部4A,4Bを形成することで、保護シート4の幅方向に均等に引っ張る力をかけることができ、かつ引っ張ったときに引張部4A,4Bとそれ以外の保護シート4とが裂けてしまうことが防止される。
【0024】
さらに、保護シート4は、交換ユニットUを包装したときに巻取コア3に接着される接着部4C(第1の接着部)と、同じく包装したときに積層状態となる該保護シート4に接着される接着部4D(第2の接着部)とを有する。本例では、接着部4Cは保護シート4の幅方向の全域に、接着部4Dは保護シート4の引張部4A,4Bを挟んだ幅方向の両端部に、それぞれ設けられる。
【0025】
接着部4Cは、接着部4Dより接着強度が高く設定されている。この理由は、接着部4Cは、後述するように引張部4A,4Bを引っ張って巻取コア3を枢支させるべく装置側の所定位置に移動させるから容易に巻取コア3との接着が剥がれないようにそれ相応の接着強度を要する。それに対し、接着部4Dは、後述するように引張部4A近傍の保護シート4同士を接着しておけばよいから、さほどの接着強度を要しない。
【0026】
上記構成におけるインクユニットは、交換ユニットUを保護シート4で包装してなる。すなわち、交換ユニットUは、送出コア2に巻装されたインクリボン1の最外周面と巻取コア3とを密着させている。これは不要にインクリボン1を引き出した状態にしないこと、送出コア2及び巻取コア3の自由な回転を止めること、包装状態をコンパクトにすること、を理由とする。
【0027】
そして、保護シート4は、接着部4Cが巻取コア3の周面に接着され、ここから送出コア2(に巻装されたインクリボン1の最外周面)を巻いて再度巻取コア3に戻されて先に巻いた部位に接着部4Dを接着する。本例では包装状態で引張部4Aのみが包装の最外周部に露出している。
【0028】
交換ユニットUを装置に装着する際の動作について図3及び図4を参照して説明する。まず、図3に示す動作について説明する。初めに送出コア2を装置側に枢支する。そして、交換ユニットUの包装を解くべく、図3(a)に示すように、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って接着部4Dと巻いてある保護シート4との接着を剥がす。
【0029】
次に、図3(b)に示すように、引張部4Bを巻取コア3側に引っ張って巻取コア3を装置側に枢支する。このように、接着部4Cは、巻取コア3を装置側に枢支する位置に移動させる必要があることから接着強度はある程度高くしておく必要がある。
【0030】
その後、図3(c)に示すように、引張部4Bをさらに引っ張って、接着部4Cと巻取コア3との接着を剥がし、引き抜くことで保護シート4による交換ユニットUの包装を解く。以上のように、上記構成のインクユニットであれば、インクリボン1自体に手を触れることなく包装を解きながら交換ユニットUを装置側に装着できる。
【0031】
特に図1〜図3の例では、接着部4Dを保護シート4の包装状態の外周側に設けているので、図3(c)のように引張部4Bを引っ張って保護シート4を引き抜く際に、接着部4Dが送出コア2の最外周に巻装されているインクリボン1に接触したりすることがなく、速やかに引き抜くことができるという利点もある。
【0032】
続いて図4に示す動作について説明する。図4(a)では包装状態を示しており、接着部4Dは、包装状態にある保護シート4の、引張部4Aと引張部4Bの近傍を接着している。つまり、保護シート4は、接着部4Cが巻取コア3に接着され、ここから引張部4A側は巻取コア3を、引張部4B側は送出コア2(に巻装されたインクリボン1の最外周)を、各々巻いている。
【0033】
この包装状態を解くには、まず、図4(b)のように包装状態のまま、送出コア2を装置側に枢支する。次に、図4(c)のように、引張部4Aと引張部4Bを相反する方向に引っ張って接着部4Dの接着を剥がす。その後、図4(d)のように、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って、巻取コア3を装置側に枢支する。そして、図4(e)のように、さらに引張部4Aを引っ張って、接着部4Cと巻取コア3との接着を剥がし、全体を引き抜くことで包装を解く。このようにしても上記と同等の作用効果を得ることができる。
【0034】
なお、図4に示す例では接着部4Dは、特に引張部4A側で包装状態の保護シート4の内周側に設けている。このようにしておけば、引張部4Aを引っ張って保護シート4を引き抜く際に接着部4Dが送出コア2の最外周に巻装されているインクリボン1に接触することがなく、速やかに引き抜くことができる。
【0035】
次に、図5〜図7を参照して、上記した図1〜図4に示す形態の変形例について説明する。図5〜図7においては、保護シート4は、引張部4Aのみしか形成されていない。また、保護シート4は、引張部4Aを形成した端部の幅方向の両端部に、該引張部4Aが不用意に引っ張られないように保護シート4同士を止めておくための保護接着部4aを設けている(図5参照)。
【0036】
図5に示す構成の保護シート4を用いた場合、図6(a)及び図7(a)に示すように、保護シート4は、接着部4Cが巻取コア3の周面に接着され、ここから送出コア2(に巻装されたインクリボン1の最外周面)を巻いて再度巻取コア3に戻されて、接着部4Cから引張部4A側の部位に接着部4Dを接着する。そして、接着部4Dから引張部4A側で余剰する保護シート4を折り返して接着部4aにより接着する。
【0037】
図6(a)と図7(a)の相違は、図6(a)に示した例では、接着部4Cが巻取コア3の上方周面に接着されて、図示時計回りに巻いているのに対し、図7(a)に示す例では、接着部4Cが巻取コア3の下方周面に接着されて、図示反時計回りに巻いている点である。
【0038】
図6(a)及び図7(a)の包装状態を解くには、まず、図6(b)及び図7(b)のように、包装状態のまま、送出コア2を装置側に枢支し、保護接着部4aによる引張部4Aと保護シートとの接着を剥がす。次に、図6(c)及び図7(c)のように、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って接着部4Dによる保護シート4との接着が剥がすと共に、巻取コア3を装置側に枢支する。そして、図6(d)及び図7(d)のように、さらに引張部4Aを引っ張って、接着部4Cと巻取コア3との接着を剥がし、全体を引き抜くことで包装を解く。このようにしても上記と同等の作用効果を得ることができる。
【0039】
なお、本例では接着部4Dは、特に保護シート4の長さ方向の引張部4Aと接着部4Cとの間で、該接着部4Cと同じ側の面、つまり包装状態の保護シート4の内周側に設けている。このようにしておけば、引張部4Aを引っ張って保護シート4を引き抜く際に接着部4Dが装置側におけるインクユニットの装着部分周辺に貼り付く可能性がなくなり、速やかに引き抜くことができる。
【0040】
図8〜図11には、さらに使い勝手のよいインクユニットを示す。この例における保護シート4は、該保護シートの長さ方向における接着部4Cと接着部4Dとの間において幅方向に切断部4Eが形成されている点が上記とは異なる点である。
【0041】
切断部4Eは包装状態では切断されていないから、図9に示すインクユニットの包装状態は図2と同じである。この保護シート4による包装を解くには、図10に示すように行う。すなわち、まず、図10(a)に示すように、送出コア2の軸を装置側に枢支したうえで、引張部4Aを巻取コア3側に引っ張って接着部4Dと巻いてある保護シート4との接着を剥がす。
【0042】
次に、図10(b)に示すように、引張部4Bを巻取コア3側に引っ張って、切断部4Eでもって保護シート4を引張部4A側と引張部4B側に切断する。なお、このとき、引張部4Aを引っ張って切断してもよいが、次の手順を考えると引張部4Bを引っ張って切断する方がより容易に包装を解くことができる。
【0043】
続いて、図10(c)に示すように、引張部4Bを引っ張って巻取コア3を装置側に枢支する。つまり、切断部4Eの切断を引張部4Bの引っ張りで行えば、引張部4Aを引っ張って切断した場合において巻取コア3を装置側に枢支する際に引張部4Bに持ち変えるという手間が省けるのである。
【0044】
そして、図10(d)に示すように、引張部4Aと引張部4Bを巻取コア3側に引っ張ってそれぞれを引き抜くことで保護シート4による交換ユニットUの包装を解く。このようにしても、インクリボン1自体に手を触れることなく包装を解きながら交換ユニットUを装置側に装着することができる。
【0045】
また、切断部4Eを形成した保護シート4は、図11(a)のように包装しておいてもよい。包装状態は図4(a)と同様である。また、図11(a)のように包装した場合、図11(b)に示す装置側に送出コア2を枢支する手順、及び図11(c)に示す引張部4Aと引張部4Bを相反する方向に引っ張って接着部4Aの接着を剥がす手順は、各々図4(b)、図4(c)と同じである。
【0046】
その後、図11(d)に示すように、引張部4Aと引張部4Bとをさらに相反する方向に引っ張る、あるいは引張部4Aを引っ張って、切断部4Eでもって保護シート4を引張部4A側と引張部4B側に切断する。そして、引張部4A側を引っ張って巻取コア3を装置側に枢支する。
【0047】
巻取コア3を装置側に枢支した後、図11(e)に示すように、引張部4A及び引張部4Bを相反する方向に引っ張って引き抜き、包装を解く。このとき、引張部4Aを強く引っ張ることで接着部4Cと巻取コア3との接着が剥がれる。このようにしても上記同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
図12及び図13は、送出コア2及び巻取コア3の軸両端を含む交換ユニットU全体を包装することができる例を示す。図12には、例えば図2に示した保護シート4の幅方向両端縁部において長さ方向全域に分割部4Fを設けた例を示している。図13には、例えば図9に示した保護シート4の幅方向両端縁部において長さ方向全域に分割部4Fを設けた例を示している。
【0049】
図12(a)及び図13(a)において、保護シート4の幅方向両端縁部の各々の分割部4Fには、包装状態のときには軸端包装部5,5が接合されている。そして、この軸端包装部5,5は、該軸端包装部5,5を図12(b)及び図13(b)に示すように先に引っ張って分割部4Fで保護シート4と分割する。その後、上記同様、保護シート4による交換ユニットUの装置側への装着と包装を解く作業を同時に行う。
【0050】
このようにすれば、過剰に包装することなく交換ユニットU全体を包装することができ、また、包装を解く際には、上記したようにインクリボン1に手が触れることはなく、さらにはインクリボン1に手が触れることなく装置側に装着することができる。
【0051】
図16は、インクリボン1を送出コア2より送り出すための駆動主体となる巻取コア3の軸両端部の各々の外周面にギヤGを形成した例を示す。もちろん送出コア2の軸端部外周にギヤGが形成されていてもよい。このようにすれば、ギヤGと噛合する装置であれば、巻取コア3や送出コア2を装置側の駆動部へ接続する際に手間取らず、容易かつ簡便に装着することができる。
【0052】
なお、図16のように軸両端にギヤGを設けた巻取コア3を有している場合に、例えば図12及び図13のような構成を採用しようとする場合は次のようにすればよい。図14及び図15には、上記した分割部4Fを、包装時の保護シート4と直交する軸端包装部5,5の面に形成した例を示す。図12及び図13では、先に軸端包装部5,5を保護シート4から分割する必要があったが、図14及び図15では、その作業をも一度に行える。
【0053】
分割部4Fは、図14(a)及び図15(a)に示すように、包装時の保護シート4と直交する軸端包装部5,5の面を中心から円弧を例えば4分割するように形成すると共に、包装状態の軸端包装部5,5の面の中心部にギヤGの外径と同じ又は若干小径の円孔とされる切欠部4Gを形成している。このようにしておけば、切欠部4GからギヤGのみが突出するがごみなどは侵入せず、かつ図14(b)及び図15(b)に示すように、引張部4Aや引張部4Bの引っ張りによって軸端包装部5,5も包装を解く動作に伴って分割部4Fによって分割されるから、図12及び図13で別とされていた作業を一連にて行うことができると共に、装置への装着も包装を解く作業内で行えるようになる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明のインクユニットの効果を確認するために行った比較実験について説明する。実験は、本発明の第1〜第3実施例の各々と、比較例1及び比較例2の各々について、包装を解く前までの包装状態の比較と、包装を解いて交換ユニットUを装置側に装着し、使用を開始するまでの使い勝手と、を比較した。
【0055】
比較例1は、図示しないが、本発明の図1〜図16に示した構成と照らし合わせると、次のように構成している。インクリボン1が保護シート4を介して巻取コア3と接着されている。保護シート4には、開口とこの開口に挿入される突出片が形成されている。送出コア2及び巻取コア3とインクリボン1と同幅とされている。交換ユニットU全体を水や湿気から保護するために、保護シート4の上から別途袋状の包装体を設けている。
【0056】
比較例2は、図示しないが、本発明の図1〜図16に示した構成と照らし合わせると、次のように構成している。保護シート4の端部にカール状の係止片が形成され、この係止片と該保護シートに形成された曲面部とが係止されている。保護シート4を切断するカット部を、該保護シート4の長さ方向途中で幅方向全域に形成している。送出コア2及び巻取コア3がインクリボン1より幅が広くされ、軸端の内周面にギヤが形成されている。交換ユニットU全体を水や湿気から保護するために、保護シート4の上から別途袋状の包装体を設けている。
【0057】
(第1実施例)
そして、本発明の第1実施例としては、図1〜図3、図4、図5〜図7、図8〜図11の構成、である。これらは使い勝手の効果がほぼ同様であるので、第1実施例としてまとめて説明する。
【0058】
第1実施例において、全体として、包装を解く前の包装状態については、開口のない保護シート4で巻いているので異物が入ることもなく、かつ巻取コア3と送出コア2が自由に回転せずしっかりと包装されていた。また、包装を解いて装置へ装着する作業については、インクリボン1に一切手を触れることなく包装を解くことができ、かつ包装を解きながら交換ユニットUを容易に装置に装着することができた。
【0059】
また、引張部4A及び4Bを設けていることで、これらを引っ張れば包装を解くことと装置への装着ができるということを作業者が直感的に認識でき、戸惑うこともなく、一連の動作で、包装を解きながら交換ユニットUを装置に装着することができた。
【0060】
特に引張部4Aのみ有する図5〜図7の構成は、引張部4A,4Bの両者を有する他の構成に較べて、引張部4Aのみを該引張部4A側へ引っ張るだけで保護シート4を引き抜くことができ、戸惑うことなく極めて短時間で包装を解きながらかつ交換ユニットUを装置に装着することができた。
【0061】
また、特に切断部4Eを有する図8〜図11の構成では、送出コア2を装置側に枢支した後、切断部4Eで切断されて、引張部4A側と引張部4B側に保護シート4が分離するので、保護シート4の引き抜き回数が2回となるものの、1回の保護シート4の引き抜きストロークが短くなるので、交換ユニットUを装置へ装着し、使用を開始するまでの作業時間は上記よりさらに短くなった。
【0062】
比較例1は、包装状態については、保護シート4が巻取コア3を巻いていないので、巻取コア3が包装時には自由に移動して包装が意図せず解けてしまうことがあった。また、保護シート4に開口が形成されているので、この開口から異物が入っていた。また、包装を解いて装置へ装着する作業については、包装を解くこと自体は容易であったが、その後、保護シート4を巻取コア3に巻き取ってからでないと使用を開始できず、結果的にこの巻き取り作業に手間がかかり装着が完了し、使用を開始するまでに時間がかかった。
【0063】
比較例2は、包装状態については、保護シート4で巻取コア3や送出コア2の回転を抑制するようにしていないので、保護シート4内で巻取コア3や送出コア2が自由に回転してインクリボン1が弛んだりすることがあった。また保護シート4の両端部が互いの端部に重なるように巻いてないので、両端部の空いた部分から異物がインクリボン1に付着することがあった。包装を解いて装置へ装着する作業については、包装を解くこと自体はカット部を有している点で容易ではあった。しかし、巻取コア3を装置に枢支する前に保護シート4と巻取コア3が完全に分離してしまうので、結果的には包装を完全に解いてから巻取コア3を装置に枢支する手間がかかり装着は容易ではなかった。
【0064】
(第2実施例)
本発明の第2実施例は、図12及び図13に示した構成である。比較例1や比較例2は、インクリボン1そのものは、保護シート4で保護できるが、湿気や水などから交換ユニットU全体を保護するためには、袋状の包装体で別途包装している。
【0065】
これに対し、第2実施例構成は、軸端包装部5と保護シート4とが一体的とされ、包装状態では交換ユニットU全体を完全に包装しているから、保護シート4の上面から袋状の包装体で別途包装する必要がない。この点で過剰包装によるごみを減らすことができる。
【0066】
したがって、第2実施例構成であれば、過剰に包装することなく交換ユニットU全体を包装することができ、また、包装を解く際には交換ユニットU全体を包装しているにもかかわらず極めて容易に行えると共に、インクリボン1に手を触れることなく容易に装置側へ交換ユニットUを装着することができる。
【0067】
(第3実施例)
第3実施例は、図16に示す構成と図14及び図15に示した構成である。つまり例えば第1実施例における送出コア2及び巻取コア3の軸両端外周面にギヤGを形成し、ギヤGのみを突出させるように保護シート4及び軸端包装体5で包装した構成である。第3実施例は、装置へ交換ユニットUを装着すると、装置側における送出コア2及び巻取コア3の枢支部分にギヤGと噛合するギヤが形成されていた場合、交換ユニットUを装置に装着した後にはすぐに使用することができた。
【0068】
また、第3実施例では、上記効果のみならず、交換ユニットUを装置に装着するという一連の動作の中で、軸端包装部5が分割部4Fで分離されて包装を解くことができた。
【0069】
比較例1は、インクリボン1と送出コア2及び巻取コア3との幅が同幅とされている。よって送出コア2及び巻取コア3の軸端外周面にギヤGを形成することができず、交換ユニットUを装置に装着するときに改めて何らかの駆動部材を装着する必要がある。このことから、比較例1は、交換ユニットUを装置に装着し、使用を開始するにはかなりの手間と時間がかかった。
【0070】
比較例2は、送出コア2及び巻取コア3にギヤGが形成されているものの、内周面である。よって駆動部材は別途必要とならないが、装置側にこれらと噛合するギヤが形成されていたとしても、送出コア2と巻取コア3の軸端を装置側のギヤに嵌め合わせる必要が生じる。このことから、比較例2は、交換ユニットUを装置に装着して直ぐに使用を開始することができなかった。
【0071】
さらに、比較例1及び比較例2は、交換ユニットU全体が包装されていると、包装を解いてから装置に装着するという段階的な作業を要した。つまり、比較例1及び比較例2は、包装を解きながら装置へ装着するという一連での作業はできなかった。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係るインクユニットは、上記実施例では特に保護シート4の素材について触れていないが、例えばポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートとすれば効果的であり、最も望ましくはポリプロピレンがよい。また、本発明では、特にプリンタに用いるインクユニットについて説明したがこれに限らず、送出コア2にシート状の部材が巻装され、巻取コア3によってシート状の部材が巻き取られる構成における、シート状部材の保護と送出コア2と巻取コア3の自由な移動を禁止する場合に用いても効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のインクユニットにおける保護シートを示す図である。
【図2】保護シートで包装されたインクユニットを示す図である。
【図3】(a)〜(c)は包装を解くと共に装置に装着する状態を示す図である。
【図4】(a)〜(e)は包装を解くと共に装置に装着する状態の他の手順を示す図である。
【図5】本発明のインクユニットにおける一方端部にのみ引張部を有する保護シートを示す図である。
【図6】(a)〜(d)は一方端部にのみ引張部を有する保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は一方端部にのみ引張部を有する保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態の他の手順を示す図である。
【図8】本発明のインクユニットにおける切断部を有した保護シートを示す図である。
【図9】切断部を有した保護シートで包装されたインクユニットを示す図である。
【図10】(a)〜(d)は切断部を有した保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態を示す図である。
【図11】(a)〜(e)は切断部を有した保護シートの包装を解くと共に装置に装着する状態の他の手順を示す図である。
【図12】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図13】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図14】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した他の構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図15】本発明のインクユニットにおける軸端包装部を有した他の構成であり、(a)は包装状態、(b)は包装状態を解いた状態、を各々示す図である。
【図16】本発明のインクユニットにおけるギヤを有した構成を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 インクリボン
2 送出コア
3 巻取コア
4 保護シート
4A 引張部
4B 引張部
4C 接着部
4D 接着部
4E 切断部
4F 分割部
4G 切欠部
5 軸端包装部
U 交換ユニット
G ギヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクシート上にインクが塗布されたインクリボン、このインクリボンが巻装された送出コア、この送出コアから送り出された使用後のインクシートを巻き取る巻取コア、を備えたインクユニットであって、前記送出コアに巻装された前記インクリボンの最外周面と前記巻取コアの外周とを密着させた状態で、該送出コア及び該巻取コアの軸と平行に巻くことができる程度の長さとされた保護シートを備え、この保護シートの少なくとも片方の端部には幅方向中央に引張部を形成し、巻取コアの周面と該保護シートを第1の接着部で接着すると共に該保護シート同士を第2の接着部で接着したことを特徴とするインクユニット。
【請求項2】
保護シートの長さ方向の途中部位で幅方向全域に切断部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクユニット。
【請求項3】
送出コア及び巻取コアの軸両端を包含する軸端包装部を包装時には保護シートと一体となるようにそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のインクユニット。
【請求項4】
少なくとも巻取コアの軸両端の各々の外周面にギヤが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクユニット。
【請求項1】
インクシート上にインクが塗布されたインクリボン、このインクリボンが巻装された送出コア、この送出コアから送り出された使用後のインクシートを巻き取る巻取コア、を備えたインクユニットであって、前記送出コアに巻装された前記インクリボンの最外周面と前記巻取コアの外周とを密着させた状態で、該送出コア及び該巻取コアの軸と平行に巻くことができる程度の長さとされた保護シートを備え、この保護シートの少なくとも片方の端部には幅方向中央に引張部を形成し、巻取コアの周面と該保護シートを第1の接着部で接着すると共に該保護シート同士を第2の接着部で接着したことを特徴とするインクユニット。
【請求項2】
保護シートの長さ方向の途中部位で幅方向全域に切断部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクユニット。
【請求項3】
送出コア及び巻取コアの軸両端を包含する軸端包装部を包装時には保護シートと一体となるようにそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のインクユニット。
【請求項4】
少なくとも巻取コアの軸両端の各々の外周面にギヤが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−240280(P2006−240280A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256619(P2005−256619)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000108306)ゼネラル株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000108306)ゼネラル株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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