説明

インサイドテープ

【課題】 スラックス、スカート、下着等の腰部内部や衣服の袖口や前立てに取着した際に、先端部に波打ちや凹凸が発生しないインサイドテープを提供する。
【解決手段】 長手方向の2つの縁辺が裁断により形成されており、該2縁辺に挟まれる部分に該縁辺に平行して延在するとともに長手方向に断続的に連続部を有するスリットが形成されており、スリットの連続部の長手方向長さが3mm以下であり、スリットの連続部と連続部との間のスリットの長さが20〜60mmであり、スリットと該スリットに近い方の縁辺との間が15mm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインサイドテープに関する。より詳しくは、本発明はスラックス(ズボン)、スカート、下着等の腰部に装着されるインサイドベルト(すなわち、インサイドテープ)またはその芯地に用いられるインサイドテープ並びに衣服の袖口または前立ての補強に用いられるインサイドテープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からスラックス(ズボン)、スカート、下着等の腰部内部にインサイドベルト(インサイドテープ)を取付けたり、衣服の袖口や前立てにインサイドテープの芯地を取付けることが行われている。このような場合に、インサイドテープの2つの長手方向の縁辺のうち、一方の縁辺の先端部を2つに折曲げて二重にし、縁部を形成することが行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のように、インサイドテープの先端部を2つに折曲げた場合に、折目が暑くなり、また折曲げ方によってインサイドベルトの折り曲げた先端部が波打ってしまうことがある。また、波打たないまでも凹凸ができてしまうこともあり、ズボンのベルト部、袖口または前立ての出来上がり形状がシャープでなく、美観に劣るという問題点がある。
【0004】
本発明は、このようなインサイドテープをズボン、スカート、下着等の腰部内部や衣服の袖口や前立てに取着した際に、その先端部に波打ちや凹凸が発生するという問題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明においては、長手方向の2つの縁辺が裁断により形成されており、該2縁辺に挟まれる部分に該縁辺に平行して延在するとともに長手方向に断続的に連続部を有するスリットが形成されていることを特徴とするインサイドテープにより上記目的を達成する。本発明に用いるインサイドテープとしては織物が最も通常用いられるが、場合によっては編物、不織布等であってもよい。なお、本発明において、長手方向の2つの縁辺が裁断により形成されているということは、本発明に係るインサイドテープが広幅の布帛(織物、編物、不織布)を裁断してテープ状としたものであることを言う。
【0006】
本発明のスリットは裁断刃物(回転刃物またはナイフ形状刃物)であってできるだけ薄いものにより形成することが好ましい。
【0007】
本発明のスリットの連続部の長手方向長さは3mm以下であることが好ましい。より好ましくは2mm以下であることが好ましい。この長さが短い方がスリットに沿ってインサイドテープを折曲げた場合の波打ちが生じず、シャープな先端部を形成することができる。
【0008】
また、スリットの連続部と連続部との間のスリットの長さを20〜60mmとすることが好ましい。この長さが20mmよりも短いとスリットを設ける効果を十分に達成することができない。またスリットの長さが60mmを越えて長過ぎる場合には、連続部と連続部の間が極端に長くなり、また同様にスリットの効果が十分に発揮することができない。
【0009】
また本発明においては、2つの縁辺の間にスリットが形成されているが、このスリットとスリットに近い方の縁辺との間が15mm以下、好ましくは10mm程度であることが好ましい。そして本発明に係るインサイドテープを織物、編物または不織布を裁断して形成すると同時に上述のスリットの形成を行うようにすることが好ましい。これにより工程が1工程で行え生産性が向上する。
【0010】
本発明に係るインサイドテープは、スリットから先端部を折って根元側と先端部とを同時にインサイドテープとして使用するものである。インサイドベルトとしては芯地として使用する場合に、その少なくとも一面に接着剤を付与して接着芯として用いてもよいし、また芯地を縫着するフラシ芯地として用いてもよい。本発明のインサイドテープに用いる素材は、ポリエステル、ナイロンのような化学繊維、ウール、コットンのような天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、またはこれら繊維を混紡したものを用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば裁断して縁辺を形成したインサイドテープに、その1つの縁辺に挟まる部分に縁辺に平行して延在する長手方向に断続的に連続を有するスリットが形成されている。このスリットを境として、その一方の縁辺部を折曲げることによってインサイドテープはスリットから綺麗に折曲げることができ、インサイドテープの先端部は波打つことなく極めて綺麗に折曲げられ、また強度も高い状態となる。また、スリットの連続部が短いので従来のように折目が厚くなることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例を説明する。図1は広幅の織物11を複数の長手方向裁断線13に沿って所定幅w、一例として4cm、に裁断してテープ状とし、本発明に係るインサイドテープ10を形成したものである。このテープ状のインサイドテープ10は、図2に示すように、上述の裁断線13に沿って切離されて長手方向に延びる2つの縁辺15、15が形成されており、更に、この縁辺15、15の間に挟まれる部分に両縁辺15、15に平行して延在するとともに、長手方向に断続的に連続部19を有するスリット17が形成されている。なお、両縁辺15、15の裁断とスリット17の形成は同時に行なうことが好ましい。
【0013】
このスリット17は長さlが20〜60mmであり、スリット部17とスリット部17との間の連続部19の長手方向長さLを高々3mm、好ましくは2mm以下としている。スリット17とスリット17に近い方の縁辺15との間が15mm以下、好ましくは10mm程度とすることが好ましい。
【0014】
このインサイドテープ10を、例えばスカートのウエスト部のインサイドベルトとして用いる場合には、このインサイドテープ10を長さ方向に所定長さに切断してスカートのベルト布20にあてがい、そして、図3に示すように、スカートのベルト布20に取付ける。取付け方法としては、インサイドテープ10の一面に接着剤を付与しておき加熱してベルト布20に接着してもよいし、またはインサイドテープ10をベルト布20に縫着してもよい。
【0015】
インサイドテープ10をベルト布20に取付けた後、インサイドテープ10のスリット17から先端部をスリット17に沿って折曲げる。このようにすることによって、インサイドテープ10の先端部は極めて綺麗に折曲ゲルことができ、そして波打ちがないために、本発明に係るインサイドテープを取付けた部分は仕上がりが非常に美しく、また、このようなインサイドテープを取付けた衣服を着用した場合にも非常に着心地のよいものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るインサイドテープの一実施例を織物地から裁断する手法を示す平面図である。
【図2】本発明に係るインサイドテープの一実施例の平面図である。
【図3】本発明に係るインサイドテープの一実施例の使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0017】
10 インサイドテープ
11 織物
13 裁断線
15 縁辺
19 連続部
17 スリット
20 スカートの腰裏

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の2つの縁辺が裁断により形成されており、該2縁辺に挟まれる部分に該縁辺に平行して延在するとともに長手方向に断続的に連続部を有するスリットが形成されていることを特徴とするインサイドテープ。
【請求項2】
前記スリットの連続部の長手方向長さが3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のインサイドテープ。
【請求項3】
前記スリットの連続部と連続部との間のスリットの長さが20〜60mmであることを特徴とする請求項1または2に記載のインサイドテープ。
【請求項4】
前記スリットと該スリットに近い方の縁辺との間が15mm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインサイドテープ。
【請求項5】
前記縁辺を形成する裁断およびスリットの形成が同時に行なわれることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインサイドテープ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のインサイドテープにおいて、該インサイドテープの少なくとも一面に接着剤が付与されていることを特徴とするインサイドテープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−348425(P2006−348425A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176368(P2005−176368)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(000144256)株式会社三景 (3)
【Fターム(参考)】