説明

インターホンシステム

【課題】 映像を複数の機器で分散処理して従来通りのスペックのCPUやメモリで高速な画像処理を行って人物の検知を行い、誤報の少ないインターホンシステムを提供する。
【解決手段】 玄関子機1は、カメラ11にて撮影された映像から移動体を抽出した特徴画像を生成して居室親機2に伝送する子機映像処理部15と、一定時間前からの映像を記憶するメモリ17とを有する一方、親機CPU27に玄関子機1から伝送された特徴画像から移動体が人物であるか判断する機能を設けると共に、人物である場合は玄関子機1のメモリ17に記憶されている一定時間前からの録画映像を入手してフラッシュメモリ26に録画制御すると共に、モニタ21に現在の撮像映像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来訪者を撮像するカメラに加えて人物を検知する機能を備えたインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
来訪者を撮像するカメラに加えて人物を検知する機能を備えたインターホンシステムとしては、例えば玄関子機と独立してセンサカメラを設けたインターホンシステムがある。このようなインターホンシステムでは、センサが人物の接近を感知したらカメラが起動して撮像を開始し、撮像映像が居室親機に伝送される。この映像を受けて、居室親機はモニタに映像を表示し、録画等を行った。また、設定により呼出音や警報音を放音した(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−272819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のインターホンシステムにおいて、人感センサはパッシブセンサであるため、人物でなくても移動する物体を感知し、その度にカメラによる撮像が行われた。例えば、動物や風で揺れる木など、検出したい物体以外のものにも反応してしまい、その結果として誤報が発生してしまっていた。また、録画を行う場合は録画時間が長くなってしまうため、メモリも録画容量の大きなものが必要とされた。
そのため、人物の検知精度を上げて人物以外の物体には反応しないように制御することが求められており、例えば画像処理により移動する物体が人物であるか、それ以外であるか判別する技術の適用が考えられている。
しかしながら、画像処理により判別する場合、データ処理能力の大きなCPUが必要であり、従来のインターホンにおいて採用されているCPUの能力では対応するのが難しかったし、記憶容量の大きなメモリも必要となり、コストアップを招く問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、カメラ撮像映像を複数の機器で分散処理することで、従来通りのスペックのCPUやメモリで高速な画像処理を行って人物の検知を行い、誤報の少ないインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、カメラの撮像映像を表示するモニタ及び玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホンシステムにおいて、玄関子機は、カメラにて撮影された映像から移動体を抽出した特徴画像を生成して居室親機に伝送する特徴画像生成部と、カメラ及び特徴画像生成部を制御する子機映像制御部とを有する一方、居室親機は、玄関子機から送信された特徴画像から移動体が人物であるか判断する人物判断部と、録画及び通話を制御する親機制御部とを有し、
親機制御部は、人物判断部が移動体を人物であると判断したら、受信する映像を特徴画像からカメラの撮像映像に切り替えてモニタに表示させると共に、通知音を放音させることを特徴とする。
この構成によれば、玄関子機と居室親機とで映像データを分散処理して人物を検知するため、高性能で高価なCPUを使用することなく画像を高速処理することが可能となる。また画像処理により人物を判別するため、パッシブセンサ等のセンサによる検知動作に比べて誤報を削減できる。
そして、移動体が人物である場合のみモニタに映像が表示され、通知音を発するため、居住者は人物の存在を確実に認識できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、玄関子機は移動体検知センサを備え、移動体検知センサが検知動作したらカメラ及び特徴画像生成部が起動し、特徴画像が居室親機に送信されることを特徴とする。
この構成によれば、移動体を検知したらカメラが撮像を開始して人物判断の制御が開始されるので、省エネルギー動作する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の構成において、玄関子機は、常時一定時間前までのカメラ撮像映像を更新しながら記憶する映像記憶部を備える一方、居室親機は映像を録画する録画部を具備し、伝送映像を特徴画像からカメラ撮像映像に切り替える命令を居室親機から受けたら、子機映像制御部が映像記憶部に記憶している一定時間前からの映像を居室親機へ送出し、録画部に録画させることを特徴とする。
この構成によれば、人物検知した最初の瞬間の映像を入手して録画するため、一瞬しか人物が写っていない場合でも確実に検知した人物を把握でき、セキュリティアップに有効である。
【0009】
請求項4の発明は、来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、カメラの撮像映像を表示するモニタ及び玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機と、来訪者や不審者を撮像するための監視カメラとを有し、監視カメラは伝送線を介して居室親機に接続されてなるインターホンシステムにおいて、監視カメラは、内蔵するカメラにて撮影した映像から移動体を抽出した特徴画像を生成して居室親機に伝送する特徴画像生成部と、カメラ及び特徴画像生成部を制御する監視カメラ制御部とを有する一方、居室親機は、監視カメラから伝送された特徴画像から移動体が人物であるか判断する人物判断部と、録画及び通話を制御する親機制御部とを有し、親機制御部は、人物判断部が移動体を人物であると判断したら、受信する映像を特徴画像から監視カメラの撮像映像に切り替えてモニタに表示させると共に、通知音を放音させることを特徴とする。
この構成によれば、監視カメラと居室親機とで映像データを分散処理して人物を検知するため、高性能で高価なCPUを使用することなく画像を高速処理することが可能となる。また画像処理により人物を判別するため、パッシブセンサ等のセンサによる検知動作に比べて誤報を削減できる。
そして、移動体が人物である場合のみモニタに映像が表示され、通知音を発するため、居住者は人物の存在を確実に認識できる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の構成において、監視カメラは移動体検知センサを備え、移動体検知センサが検知動作したらカメラ及び特徴画像生成部が起動し、特徴画像が居室親機に送信されることを特徴とする。
この構成によれば、移動体を検知したらカメラが撮像を開始して人物判断の制御が開始されるので、省エネルギー動作する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4又は5記載の構成において、監視カメラは、常時一定時間前までの映像を更新しながら記憶する映像記憶部を備える一方、居室親機は映像を録画する録画部を具備し、伝送映像を特徴画像からカメラ撮像映像に切り替える命令を居室親機から受けたら、監視カメラ制御部が映像記憶部に記憶されている一定時間前からの映像を居室親機へ送出し、録画部に録画させることを特徴とする。
この構成によれば、人物検知した最初の瞬間の映像を入手して録画する。そのため、一瞬しか人物が写っていない場合でも確実に撮像人物を把握でき、セキュリティに有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、玄関子機と居室親機、或いは監視カメラと居室親機とで映像データを分散処理して人物を検知するため、高性能で高価なCPUを使用することなく画像を高速処理することが可能となる。また画像処理により人物を判別するため、パッシブセンサ等のセンサによる検知動作に比べて誤報を削減できる。
そして、移動体が人物である場合のみモニタに映像が表示され、通知音を発するため、居住者は人物の存在を確実に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るインターホンシステムの第1の形態を示すブロック図である。
【図2】移動体検出の画像説明図である。
【図3】インターホンシステムの第2の形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るインターホンシステムの第1の形態を示すブロック図であり、1は玄関等屋外に設置されて来訪者が居住者を呼び出すための玄関子機、2は住戸内に設置されて玄関子機1からの呼び出しに応答するための居室親機であり、双方は伝送線L1で接続されている。
【0015】
玄関子機1は、来訪者を撮像するためのカメラ11、居住者を呼び出すための呼出ボタン12、通話するためのマイク13及びスピーカ14、カメラ11にて撮影された映像から移動体を抽出した特徴画像を生成し、画像圧縮処理を行う子機映像処理部15、移動体を検知するパッシブセンサから成る移動体検知センサ16、映像を記憶するメモリ17、玄関子機1の各部を制御する子機CPU18、居室親機2と通信する子機IF19等を備えている。
【0016】
居室親機2は、カメラが11が撮像した映像を表示するモニタ21、玄関子機1からの呼び出しに応答したり各種設定操作を行うための操作部22、通話するためのマイク23及びスピーカ24、玄関子機1から伝送された圧縮映像を復元してモニタ21に表示する映像を生成する親機映像処理部25、映像を録画する録画部としてのフラッシュメモリ26、居室親機2全体を制御する親機CPU27、玄関子機1と通信する親機IF28等を備えている。
【0017】
子機映像処理部15は、カメラ11から送出された映像を処理して特徴画像データに変換した後、圧縮を行い居室親機2へ送出する。また、従来通りカメラ11から送出されたカラー映像データを圧縮して居室親機2へ送出する。
また子機映像処理部15は、カメラ11の撮像映像を子機CPU18に送り、子機CPU18がメモリ17に記憶制御する。このとき、メモリ17には常時更新しながら一定時間前(例えば10秒前)までの映像が記憶される。
尚、特徴画像データを送出する際は、居室親機2において引き続きデータ処理を行うため、完全に復元できる可逆圧縮処理が行われるが、カラー映像データを送出する際は非可逆圧縮処理であっても良い。可逆圧縮処理には例えばPNG、GIF等を使用することができるし、非可逆圧縮処理には例えばJPEGが使用できる。
【0018】
図2は子機映像処理部15が行う特徴画像データ生成処理の具体例を示し、画像処理により移動体を抽出する工程を示している。この抽出工程は、公知のフレーム間差分法を用いて実施され、異なる時間の3枚の画像P1〜P3から移動体領域を抽出する。こうして抽出された画像データP6の画像データが特徴画像データとして居室親機2に送出される。
【0019】
親機映像処理部25は、玄関子機1から伝送されたデータが特徴画像データである場合は、所定の復元処理を行い親機CPU27に送信する。カメラ11が撮像した映像データである場合はモニタ21で表示するための所定の復元処理を行う。
【0020】
親機CPU27は、復元された特徴画像データを入手すると、特徴画像データから移動体が人物であるかどうか判定し、人物であると判断したら玄関子機1に対して画像処理を行わないカメラ11の撮像映像(カメラ11が撮像したカラー映像)を送る命令を出す。人物でないと判断した場合は、引き続き特徴画像データの判断を継続し、所定時間経過しても人物を検出しない場合は、処理を終了する。
また、画像処理しないカメラ11の撮像映像を入手した場合は、親機映像処理部25で復元した映像データをモニタ21に出力させる。更に、メモリ17が記憶している一定時間前の映像データを入手したら、フラッシュメモリ26に録画制御する。
【0021】
このように構成されたインターホンシステムは次のように動作する。但し、呼出/応答動作は従来のインターホンシステムと同様であるため説明を省略し、人物検知の動作を中心に説明する。
まず、人物や動物等の移動体が玄関子機1が設置された玄関前を移動したら、移動体検知センサ16が移動体の存在を検知する。この検知動作を受けて、子機CPU18がカメラ11及び子機映像処理部15を起動させる。こうしてカメラ11が撮像した映像は、子機映像処理部15に送られて処理される。このとき、撮像映像は上述した画像処理が行われて特徴画像データが生成され、可逆圧縮された特徴画像データが子機IF19を介して居室親機2に伝送される。
【0022】
子機CPU18は、同時に画像処理前のカメラ11が撮像したカラー映像を圧縮してメモリ17へ更新しながら保存操作する。この制御で、メモリ17には、常に一定時間(例えば、10秒)遡った時点からの映像データが保存される。
【0023】
特徴画像データを受け取った居室親機2では、親機映像処理部25においてデータの復元が行われ、親機CPU27に送られる。親機CPU27は、この特徴画像データから移動体が人物であるかの判断を行う。この判断は、例えば特開平6−243259号公報の技術を適用して実施することができる。具体的に、差分処理した特徴画像を縦に3等分して個々に投影ヒストグラムを作成し、この投影ヒストグラムから特徴量を抽出して人物であるかどうかの判断を行う。
この結果、移動体が人物であると判断した親機CPU27は、玄関子機1へ画像処理しない通常のカラー映像を送出するよう映像変更命令を出す。また、スピーカー24を制御し、音により人物が撮像されていること、即ち人物が玄関にいることを報知する。尚、この報知音は、設定により警報音であったり呼出音であったりする。
【0024】
一方子機CPU18は、居室親機2から映像変更命令を受けると、特徴画像データに代えてカメラ11の撮像映像であるカラー映像を居室親機2へ送出する。同時にメモリ17に保存されていた一定時間前からの映像も合わせて送出する。
【0025】
居室親機2は、こうして玄関子機1からカメラ11の撮像映像が伝送されたら、親機CPU27が親機映像処理部25で復元処理した映像をモニタ21に表示させる。同時にフラッシュメモリ26に玄関子機1のメモリ17から取り出された映像を録画制御する。
その後一定時間が経過すると、モニタ21での映像表示及びスピーカ24からの放音を終了、更に玄関子機1の撮像動作を停止させて待受状態に移行させる。
【0026】
このように、玄関子機1と居室親機2とで分散処理して特徴画像データを生成して人物を検知するため、高性能で高価なCPUを使用することなく画像を高速処理することが可能となる。また、移動体が人物である場合のみカメラ11の撮像映像を居室親機2で録画するため、人物以外も録画してしまいフラッシュメモリ26の容量が不足する事態を防止できる。
そして画像処理により人物を判別するため、パッシブセンサ等のセンサによる検知動作に比べて誤報を削減できるし、移動体が人物である場合のみモニタ21に映像が表示され、通知音を発するため、居住者は人物の存在を確実に認識できセキュリティアップに役立つ。
また、移動体の検知を受けてカメラ11が撮像を開始し、人物判断の制御が開始されるので省エネルギー動作となるし、人物を検知した最初の瞬間の映像を入手して録画するため、一瞬しか人物が写っていない場合でも確実に検知した人物を把握でき、セキュリティアップに有効である。
【0027】
次に、本発明のインターホンシステムの第2の形態を説明する。図3は第2の形態を示したブロック図であり、上記形態とは監視カメラが接続された点が大きく相違している。
図3に示すように、玄関子機1、居室親機2に加えて、来訪者や不審者を撮像するための監視カメラ3を備えている。監視カメラ3は伝送線L2により居室親機2に接続されている。
【0028】
監視カメラ3は、不審者や来訪者を撮像するためのカメラ31、カメラ31にて撮像された映像から移動体を抽出した特徴画像を生成し、画像圧縮処理を行うカメラ映像処理部32、移動体を検知するパッシブセンサから成る移動体検知センサ33、映像を記憶するカメラメモリ34、監視カメラ3の各部を制御するカメラCPU35、居室親機2と通信するカメラIF36等を備えている。
カメラ映像処理部32は、上記子機映像処理部15と同様の動作を実施し、カメラ31から送出された映像を画像処理し、特徴画像データに変換し可逆圧縮を行う。また、従来通りカメラ31の撮像映像を圧縮して送出する。
【0029】
尚、玄関子機1は図1に示す移動体検知センサ16及びメモリ17が無い以外は上記図1の構成と同様であるし、居室親機2も上記図1の構成と同様であるため、何れも同一の符号を付与して説明を省略する。
【0030】
このように構成されたインターホンシステムは次のように動作する。但し、呼出/応答動作は従来のインターホンシステムと同様であるため説明を省略し、監視カメラの動作を中心に説明する。
まず、人物や動物等の移動体が移動体検知センサ33の前方でもある監視カメラ3の前方を移動したら、移動体検知センサ33が移動体の存在を検知する。この検知動作を受けて、カメラCPU35がカメラ31及びカメラ映像処理部32を起動させ、カメラ31の撮像映像がカメラ映像処理部32に送られて処理される。このとき、カメラ映像処理部32により上述した子機映像処理部15と同様の画像処理が行われ、特徴画像データが生成されて圧縮された特徴画像データがカメラIF36を介して居室親機2に伝送される。尚、特徴画像データは可逆圧縮処理或いは非可逆圧縮処理されて居室親機2に伝送される。
【0031】
そして、カメラ映像処理部32は、カメラ31から送出された映像を処理して特徴画像データに変換した後、圧縮を行い居室親機2へ送出する。
一方、カメラCPU35によりカメラ31が撮像した映像は、撮影開始時からメモリ34に記憶され、カメラメモリ34には常時更新しながら一定時間前(例えば10秒前)までの映像が記憶される。
【0032】
特徴画像データを受け取った居室親機2では、親機映像処理部25においてデータの復元が行われ、親機CPU27に送られる。親機CPU27は、この特徴画像データから移動体が人物であるかの判断を行う。この判断は、例えば特開平6−243259号公報の技術を適用して実施することができる。具体的に、差分処理した特徴画像を縦に3等分して個々に投影ヒストグラムを作成し、この投影ヒストグラムから特徴量を抽出して人物であるかどうかの判断を行う。
この結果、移動体が人物であると判断した親機CPU27は、監視カメラ3へ画像処理しない通常のカラー映像を送出するよう映像変更命令を出す。また、スピーカー24を制御し、音により人物が撮像されていること、即ち人物が監視カメラ3の撮像範囲にいることを報知する。
【0033】
一方、居室親機2から映像変更命令を受けたカメラCPU35は、特徴画像データに代えてカメラ31の撮像映像であるカラー映像を居室親機2へ送出する。同時にカメラメモリ34に保存されている一定時間前からの映像も合わせて送出する。
【0034】
監視カメラ3からカメラ31の撮像映像が伝送された居室親機2は、親機CPU27が親機映像処理部25で復元処理した映像をモニタ21に表示させる。同時にフラッシュメモリ26にカメラメモリ34から取り出された映像を録画制御する。その後一定時間が経過すると、モニタ21での映像表示及びスピーカ24からの放音を終了、更に監視カメラ3の撮像動作を停止させて待受状態に移行させる。
【0035】
尚、玄関子機1の子機映像処理部15は、上記実施形態の如く特徴画像データを生成する機能を設けて、玄関子機1のカメラ11の撮像データからも人物の存在を判定する機能を備えても良いが、この図3の形態では玄関子機1にそのような機能を設けていない。これは、親機CPU27の負担を軽減する上からも好ましい。そのため、図1に示す移動体検知センサ16、メモリ17を備えていない。
【0036】
このように、監視カメラ3と居室親機2とで映像データを分散処理して人物を検知するため、高性能で高価なCPUを使用することなく画像を高速処理することが可能となる。また、移動体が人物である場合のみカメラ31の撮像映像を居室親機2において録画するため、人物以外も録画してしまいフラッシュメモリ26の容量が不足する事態を防止できる。また、玄関子機1は移動体検知センサや画像処理機能を持たない従来の玄関子機を使用できる。
そして画像処理により人物を判別するため、パッシブセンサ等のセンサによる検知動作に比べて誤報を削減できるし、移動体が人物である場合のみモニタ21に映像が表示され、通知音を発するため、居住者は人物の存在を確実に認識できセキュリティアップに役立つ。
また、移動体を検知したらカメラ31が撮像を開始して人物判断の制御が開始されるので、省エネルギー動作するし、人物検知した最初の瞬間の映像を入手して録画するため、一瞬しか人物が写っていない場合でも確実に撮像人物を把握でき、セキュリティアップに有効である。
【0037】
尚、上記実施形態は、何れも移動体検知センサ16,33を設けて、移動体が検知されたら撮像を開始しているが、移動体検知センサ16,33を設けずに常時カメラ11,31を動作させ、画像処理を実施してもよい。この場合、移動体検知センサの検知漏れによる移動体自体の検知漏れを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・玄関子機、2・・居室親機、3・・監視カメラ、11・・カメラ、15・・子機映像処理部(特徴画像生成部)、16・・移動体検知センサ、17・・メモリ(映像記憶部)、18・・子機CPU(子機映像制御部)、21・・モニタ、25・・親機映像処理部、26・・フラッシュメモリ(録画部)、27・・親機CPU(人物判断部、親機制御部)、31・・カメラ、32・・カメラ映像処理部(特徴画像生成部)、33・・移動体検知センサ、34・・カメラメモリ(映像記憶部)、35・・カメラCPU(監視カメラ制御部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、前記カメラの撮像映像を表示するモニタ及び前記玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホンシステムにおいて、
前記玄関子機は、前記カメラにて撮影された映像から移動体を抽出した特徴画像を生成して前記居室親機に伝送する特徴画像成部と、前記カメラ及び前記特徴画像生成部を制御する子機映像制御部とを有する一方、
前記居室親機は、前記玄関子機から送信された特徴画像から移動体が人物であるか判断する人物判断部と、録画及び通話を制御する親機制御部とを有し、
前記親機制御部は、前記人物判断部が移動体を人物であると判断したら、受信する映像を前記特徴画像から前記カメラの撮像映像に切り替えて前記モニタに表示させると共に、通知音を放音させることを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記玄関子機は移動体検知センサを備え、前記移動体検知センサが検知動作したら前記カメラ及び前記特徴画像生成部が起動し、特徴画像が居室親機に送信されることを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記玄関子機は、常時一定時間前までのカメラ撮像映像を更新しながら記憶する映像記憶部を備える一方、前記居室親機は映像を録画する録画部を具備し、
伝送映像を前記特徴画像からカメラ撮像映像に切り替える命令を前記居室親機から受けたら、前記子機映像制御部が前記映像記憶部に記憶している一定時間前からの映像を前記居室親機へ送出し、前記録画部に録画させることを特徴とする請求項1又は2記載のインターホンシステム。
【請求項4】
来訪者を撮像するためのカメラ及び居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、前記カメラの撮像映像を表示するモニタ及び前記玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機と、来訪者や不審者を撮像するための監視カメラとを有し、前記監視カメラは伝送線を介して前記居室親機に接続されてなるインターホンシステムにおいて、
前記監視カメラは、内蔵するカメラにて撮影した映像から移動体を抽出した特徴画像を生成して前記居室親機に伝送する特徴画像生成部と、前記カメラ及び特徴画像生成部を制御する監視カメラ制御部とを有する一方、
前記居室親機は、前記監視カメラから伝送された特徴画像から移動体が人物であるか判断する人物判断部と、録画及び通話を制御する親機制御部とを有し、
前記親機制御部は、前記人物判断部が移動体を人物であると判断したら、受信する映像を前記特徴画像から前記監視カメラの撮像映像に切り替えて前記モニタに表示させると共に、通知音を放音させることを特徴とするインターホンシステム。
【請求項5】
前記監視カメラは移動体検知センサを備え、前記移動体検知センサが検知動作したら前記カメラ及び前記特徴画像生成部が起動し、特徴画像が居室親機に送信されることを特徴とする請求項4記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記監視カメラは、常時一定時間前までの映像を更新しながら記憶する映像記憶部を備える一方、前記居室親機は映像を録画する録画部を具備し、
伝送映像を前記特徴画像からカメラ撮像映像に切り替える命令を前記居室親機から受けたら、前記監視カメラ制御部が前記映像記憶部に記憶されている一定時間前からの映像を前記居室親機へ送出し、前記録画部に録画させることを特徴とする請求項4又は5記載のインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−74532(P2013−74532A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213161(P2011−213161)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】