説明

インダクタおよびインダクタを含む渦電流センサ

【課題】高温領域内で渦電流を感知することができるインダクタおよびインダクタを含む渦電流センサの提供。
【解決手段】インダクタ100は絶縁基板106上に配置されたパターン化金属層102を含む。パターン化金属層102は、金属材料に限定されず、任意の好適な誘導材料を含む。パターン化金属層102に好適な材料には、限定はしないが、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニッケル、チタン、銅、クロム、金、アルミニウム、銀、または動作温度に適合する他の導電性材料が含まれる。インダクタ100は、約500℃(932°F)までの温度である領域の渦電流を感知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインダクタならびにインダクタを含む物品およびシステムに関し、より詳細には、渦電流を測定することができるインダクタに関する。
【背景技術】
【0002】
渦電流は導体に誘導される電流であり、その電流は磁界の変化によって生成される。磁界と導体との相対的運動により、渦として知られる電流の循環流が引き起こされる。この渦は、磁界の変化に対抗する誘導磁界を生成する。誘導磁界は、振動の測定、位置感知、金属分離、誘導加熱、導電性材料の非破壊試験、または他の用途のために使用することができる。
【0003】
既知の渦電流センサは渦電流を測定するためのインダクタを含む。一般に、渦電流センサは、フェライトボビンなどのボビンに巻き付けられたエナメル被覆素線などのコイル状素線を含む。そのような渦電流センサはいくつかの欠点がある。例えば、ボビンのまわりに素線を巻き付けるのはインダクタごとに一貫性のないことがある。そのような非一貫性のため、渦電流センサでインダクタを利用するには複雑な手順を必要とすることがある。さらに、高温環境では、素線がボビンからほどけることがあり、かつ/または素線の張力が素線に望ましくない引張り効果をもたらすことがある。そのため、多くの渦電流センサは約−25℃(13°F)と約175℃(347°F)との間でのみ動作可能であり、あるものはより狭い範囲内でのみ動作可能である。
【0004】
上述の欠点がないインダクタとインダクタを含む渦電流センサとが当技術分野で望まれることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0245840号明細書
【発明の概要】
【0006】
例示的な実施形態では、インダクタは絶縁基板上に配置されたパターン化金属層を含む。インダクタは、約500℃(932°F)までの温度である領域の渦電流を感知することができる。
【0007】
別の例示的な実施形態では、インダクタは、絶縁基板上のパターン化金属層と、パターン化金属層上の導電性材料とを含む。インダクタは、約500℃(932°F)までの温度である領域の渦電流を感知することができる。
【0008】
別の例示的な実施形態では、渦電流センサはインダクタを有するトランスデューサを含む。インダクタは絶縁基板上に配置されたパターン化金属層を含む。インダクタは、約500℃(932°F)までの温度である領域の渦電流を感知することができる。
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、例として本発明の原理を示す添付図面とともになされる好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示による例示的なインダクタの上からの斜視図である。
【図2】本開示による例示的なインダクタの下からの斜視図である。
【図3】本開示による例示的なインダクタの斜視図である。
【図4】本開示による例示的な渦電流センサの断面図である。
【図5】本開示による例示的な渦電流センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
可能な限り、同じ参照番号が図面の全体にわたって同じ部分を示すために使用されることになる。
【0012】
上述の欠点のうちの1つまたは複数がないインダクタとインダクタを含む渦電流センサとが提供される。本開示の実施形態により、振動の測定、位置感知、金属分離、導電性材料の非破壊試験、インダクタごとの一貫性、渦電流センサでインダクタを利用するための簡単化された手順、高温での動作、およびそれらの組合せが可能になる。
【0013】
図1および2は、本発明の1つの態様によるインダクタ100の例示的な実施形態を示す。図1に示されるように、インダクタ100は、絶縁基板106の第1の表面104に配置されたパターン化金属層102を含む。パターン化金属層102は任意の好適なパターンである。好適なパターンには、限定はしないが、螺旋状、直線で囲まれた螺旋様経路、および誘導効果を与えることができる他の幾何学的構成が含まれる。一実施形態では、パターンは所定の巻き数を含む。本明細書で使用される「巻き(turn)」という用語は中心の基準点から360度に沿って延びる経路を指す。例えば、螺旋状パターンでは、巻きは、中心の基準点のまわりに実質的に螺旋状に延びる。直線で囲まれた螺旋様経路では、巻きは、中心の基準点のまわりに実質的に螺旋状に直線で囲まれて延びる。例えば、一実施形態では、パターンは1つの層に9巻きを含む。別の実施形態では、パターンは2つの層に18巻きを含み、各層に9巻きがある。別の実施形態では、パターンは1つの層に16巻きを含む。別の実施形態では、パターンは2つの層に32巻きを含み、各層に16巻きがある。他の実施形態では、16を超える巻きが1つの層に含まれ、かつ/または32を超える巻きがインダクタ100の全体のパターンに含まれる。
【0014】
一実施形態では、図1および4に示されるように、パターン化金属層102は、所定のトレース幅103(パターンの経路に沿って半径方向に測られた厚さ)、所定のトレース間隔105(パターンの経路に沿って半径方向に測られた構成部分間の間隔)、および所定の深さ107(絶縁基板106から塗布されたパターン化金属層102までの距離)を含む。一実施形態では、所定のトレース幅103は、約240マイクロメートル(約0.00944インチ)と約267マイクロメートル(約0.0105インチ)との間に、または約254マイクロメートル(0.010インチ)である。一実施形態では、所定のトレース間隔105は、約216マイクロメートル(約0.00850インチ)と約190マイクロメートル(約0.00748インチ)との間に、または約203マイクロメートル(約0.00799インチ)である。螺旋形状パターンを有する一実施形態では、所定の深さ107は約19マイクロメートル(約0.000748インチ)と約35マイクロメートル(0.00138インチ)との間にあり、螺旋形状パターンの内側で約19マイクロメートル(約0.000748インチ)と約26マイクロメートル(約0.00102インチ)との間にあり、螺旋形状パターンの外側で約29マイクロメートル(約0.00114インチ)と約35マイクロメートル(約0.001378インチ)との間にあり、螺旋形状パターンの内側で約22マイクロメートル(約0.000866インチ)であり、螺旋形状パターンの外側で約31マイクロメートル(約0.00122インチ)である。
【0015】
パターン化金属層102は、金属材料に限定されず、任意の好適な誘導材料を含む。パターン化金属層102に好適な材料には、限定はしないが、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニッケル、チタン、銅、クロム、金、アルミニウム、銀、または動作温度に適合する他の導電性材料が含まれる。一実施形態では、パターン化金属層102は、例えば、約10マイクロメートル(約0.000393インチ)の白金厚膜のシード層と、例えば、約25マイクロメートル(約0.000984インチ)の99.9%白金のめっきとを含む。シード層は絶縁基板106にマイグレーションすることによって接着を行う。めっきは、パターン化金属層102の全体にわたって実質的に一貫した深さを有することによって一貫性を与える。一実施形態では、パターン化金属層102は、金属である場合もあり、そうでない場合もある接着用添加物および/または不純物を含む。例えば、パターン化金属層102はアルミナなどのセラミックスを含むことができる。
【0016】
一実施形態では、白金シード層は接着および剥離強度を与える。この実施形態では、十分に低い抵抗、したがって望ましい実行可能誘導効果および/または渦電流効果(例えば、式Q=wL/Rによる所望のQ、ここで、Qは発振器または共振器が振動減衰される量を示し、wは角周波数であり、Lはインダクタンスであり、Rは抵抗である)は、より厚い導体を構築して、それによって抵抗を低減させるように、例えば、約25.4マイクロメートル(約0.001インチ)の平均値の電気めっき白金および/または多重シルクスクリーニングパスを使用することによって達成される。電気めっきは、ビルドアップが導体断面を「キノコ状にし」、したがって、所定のトレース間隔105を縮小するので、巻きと巻きの間隔の制御を可能にする。一実施形態では、電気めっきは、所定のトレース間隔105(およびその結果として全インダクタンス)と、所定のビルドアップ高さ(および全抵抗)とを含む。シルクスクリーニングの多重パスは、焼成または硬化処理される各層と、所定の平均厚さ、例えば、25.4マイクロメートル(約0.001インチ)の厚さ、または少なくとも25.4マイクロメートル(約0.001インチ)の厚さが構築されるまで堆積される各追加層とを含む。シルクスクリーニング位置決めは、前のパスよりも細い(半径方向に)各累加パスを含む。
【0017】
絶縁基板106は任意の好適な電気絶縁材料である。絶縁基板106のための好適な材料には、限定はしないが、アルミナ(例えば、92%アルミナ)、窒化アルミニウム、ホウケイ酸ガラス、石英、サイアロン、低温同時焼成セラミック、窒化ケイ素、アルミナ、炭化ケイ素、サファイア、ジルコニア、または他の好適な絶縁材料が含まれる。一実施形態では、絶縁基板106は、所定の形状および寸法、例えば、約2.5cm(約0.98インチ)から約2.6cm(約1.0インチ)、もしくは約2.55cm(約1.00インチ)の寸法を有する実質的に正方形の形状、またはパターン化金属層102を支持することができる任意の他の好適な形状および寸法を有する。一実施形態では、絶縁基板106は、所定の厚さ、例えば、約1550マイクロメートル(約0.06102インチ)から約1800マイクロメートル(約0.07087インチ)、または約1675マイクロメートル(約0.06594インチ)を有する。一実施形態では、絶縁基板106は所定の平面度、例えば、約75マイクロメートル(約0.0030インチ)を有する。
【0018】
図2を参照すると、ビア202がパターン化金属層102から絶縁基板106を通って第2の表面204に延びる。ビア202は任意の好適な導電性材料を含む。ビア202のための好適な材料には、限定はしないが、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニッケル、チタン、銅、クロミウム、金、アルミニウム、銀、または他の好適な導電性材料が含まれる。一実施形態では、ビア202およびパターン化金属層102は同じ材料を含む。一実施形態では、ビア202は、所定の直径、例えば、約230マイクロメートル(約0.00906インチ)から約280マイクロメートル(約0.0110インチ)、または約255マイクロメートル(約0.0100インチ)を有する。
【0019】
パターン化金属層102は第1の表面104の第1の導電性パッド108に動作可能に接続され、ビア202は第2の表面204の第2の導電性パッド110に動作可能に接続される。第1の導電性パッド108および/または第2の導電性パッド110は、任意の好適なニッケルベース合金、チタンベース合金、タングステンベース合金、金ベース合金、モリブデンベース合金、または他の導電性金属を含む。第1の導電性パッド108と第2の導電性パッド110との間の電流を測定することにより、インダクタ100は渦電流の変化を感知することができ、その結果として、例えば、限定はしないが、ガスタービン構成要素、蒸気タービン構成要素、燃焼領域、高温領域、高温工業製品、または任意の他の領域を含む任意の好適な高温領域において渦電流センサ400(図4を参照しながら以下で説明する)による測定が可能になる。
【0020】
インダクタ100は、渦電流の測定を可能にする所定の電気的性質を含む。例えば、一実施形態では、約25℃(約77°F)で、インダクタ100は、2MHzで1.4マイクロヘンリーを超えるインダクタンス、1を超えるQ、1を超えるRdc、2MHzで100を超える抵抗、15mAの最大Ipk、10Mを超える絶縁、およびそれらの組合せを含む。一実施形態では、インダクタ100は、所定の温度または温度範囲、例えば、約500℃(約932°F)まで、約800℃(約1472°F)まで、約980℃(約1796°F)まで、約1000℃(約1832°F)まで、約1200℃(約2192°F)まで、約1400℃(約2552°F)まで、約1500℃(約2732°F)まで、約−40℃(約−40°F)と約500℃(約932°F)との間、約−40℃(約−40°F)と約980℃(約1796°F)との間、約−40℃(約−40°F)と約1000℃(約1832°F)との間、約−40℃(約−40°F)と約1500℃(約2732°F)との間の全体にわたって渦電流変化を正確および/または精密に感知する。一実施形態では、インダクタ100は所定の湿度で渦電流変化を正確および/または精密に感知する。
【0021】
図3は、インダクタ100の別の例示的実施形態の斜視図を示す。インダクタ100は絶縁基板106の第1の表面104に配置されたパターン化金属層102を含む。さらに、インダクタ100は第2の絶縁基板306に配置された第2のパターン化金属層302を含む。第2のパターン化金属層302は第2の絶縁基板306の第1の表面104または第2の表面204に配置される。一実施形態では、第2のパターン化金属層302は第2の表面204に配置され、第3のパターン化金属層(図示せず)が第2の絶縁基板306の第1の表面104に配置される。一実施形態では、第3のパターン化金属層(図示せず)は第3の絶縁基板(図示せず)に配置される。他の実施形態では、各々1つまたは2つの金属層を有する2つ、3つ、4つ、またはそれを超える絶縁基板が配置され、各絶縁基板の一方または両方の表面はインダクタ100内に任意の好適な巻数を備える。
【0022】
再び図3を参照すると、一実施形態では、第2のパターン化金属層302は第1のパターン化金属層102に動作可能に接続される。一実施形態では、第2のパターン化金属層302は、第1の絶縁基板106から第2の絶縁基板306まで全体的に延びる複数のビア304により第1のパターン化金属層102に接続される。例えば、一実施形態では、複数のビア304は3つのビアを含み、第1のパターン化金属層102および第2のパターン化金属層302は複数のビア304の各ビアと重なる。この実施形態では、複数のビア304は、第1のパターン化金属層102と第2のパターン化金属層302とを連結することによって引き起こされる抵抗を低減または除去する。第2のパターン化金属層302は、第1のパターン化金属層102に関して上述した任意の好適な特徴および/または性質を含む。複数のビア304はビア202に関して上述した任意の好適な特徴および/または性質を含む。第2の絶縁基板306は第1の絶縁基板106に関して上述した任意の好適な特徴および/または性質を含む。
【0023】
第1のパターン化金属層102は、パターンの一方の端部で第1の導電性パッド108に、パターンの他方の端部で複数のビア304に動作可能に接続される。第2のパターン化金属層302は、パターンの一方の端部で複数のビア304に、パターンの他方の端部で第2の導電性パッド110に、直接にまたは追加のビアを通して、動作可能に接続される。第1の導電性パッド108と第2の導電性パッド110との間の電流を測定することにより、インダクタ100は渦電流の変化を感知することができ、その結果として、渦電流センサ400による測定が可能になる(図4を参照)。
【0024】
インダクタ100は、直接書き込みプロセス、スクリーン印刷プロセス、エッチングプロセス、スパッタリング、蒸着、焼結、またはそれらの組合せによって製作される。一実施形態では、直接書き込みプロセスを使用して、例えば、図1に示したように、絶縁基板106に第1のパターン化金属層102が形成される。この実施形態では、第1の導電性パッド108および第2の導電性パッド110が絶縁基板106に書き込まれ、例えば、金合金ろう付けまたはホワイトゴールドろう付けによって外部電気接続するように構成される。一実施形態では、第1のパターン化金属層102、第1の導電性パッド108、および第2の導電性パッド110は、パターンを安定させるために、1300℃(約2372°F)などの高温で焼成される。この高温焼成により、第1のパターン化金属層102の絶縁基板106へのマイグレーションに基づき、例えば、繰り返しサイクル下で剥離または層間剥離に耐性のある高い機械的剥離強度が生成される。直接書き込みプロセスでは、第1のパターン化金属層102および/または第2のパターン化金属層302の追加の導電性材料を堆積させる追加のステップが、第1のパターン化金属層102および/または第2のパターン化金属層の絶縁基板302へのマイグレーションによって引き起こされた抵抗を低下させ、インダクタ100の構成部分間にインダクタンス一貫性を与え、直接書き込みプロセスにより製作されたインダクタ100間に一貫性を与える。
【0025】
一実施形態では、スクリーン印刷プロセスまたはエッチングプロセスを使用して、例えば、図3に示したような第1の絶縁基板106上の第1のパターン化金属層102および/または第2の絶縁基板306上の第2のパターン化金属層302を形成する。この実施形態では、第1のパターン化金属層102および複数のビア304は第1の絶縁基板106上に形成され、第2のパターン化金属層302および複数のビア304は第2の絶縁基板306上に形成される。次に、第1のパターン化金属層102、第2のパターン化金属層302、および複数のビア304を1300℃(約2372°F)などの高温で焼成して、複数のビア304を封止し、第1の絶縁基板106と第2の絶縁基板306とを動作可能に接続し、パターンを安定させる。この高温焼成により、第1のパターン化金属層102の第1の絶縁基板106へのマイグレーション、および/または第2のパターン化金属層302の第2の絶縁基板306へのマイグレーションに基づき、例えば、繰り返しサイクル下で剥離または層間剥離に耐性のある高い機械的剥離強度が生成される。
【0026】
スクリーン印刷プロセスまたはエッチングプロセスでは、第1のパターン化金属層102および/または第2のパターン化金属層302の追加の導電性材料を堆積させる追加のステップが、第1のパターン化金属層102の第1の絶縁基板106への、および/または第2のパターン化金属層302の第2の絶縁基板306へのマイグレーションによって引き起こされた抵抗を低下させ、インダクタ100の構成部分間にインダクタンス一貫性を与え、スクリーン印刷プロセスまたはエッチングプロセスにより製作されたインダクタ100間に一貫性を与える。
【0027】
図4および5を参照すると、渦電流センサ400は、インダクタ100によって感知された渦電流の変化に基づいて第1の導電性パッド108と第2の導電性パッド110との間の電流を測定することができる。渦電流センサ400は、例えば、限定はしないが、ガスタービン構成要素、蒸気タービン構成要素、燃焼領域、高温領域、高温工業製品、または任意の他の領域を含む任意の好適な領域で動作することができる。一実施形態では、この領域は、所定の温度、例えば、約500℃(約932°F)まで、約800℃(約1472°F)まで、約980℃(約1796°F)まで、約1000℃(約1832°F)まで、約1200℃(約2192°F)まで、約1400℃(約2552°F)まで、約1500℃(約2732°F)まで、約−40℃(約−40°F)と約500℃(約932°F)との間、約−40℃(約−40°F)と約980℃(約1796°F)との間、約−40℃(約−40°F)と約1000℃(約1832°F)との間、約−40℃と約1500℃との間である。一実施形態では、この領域は所定の湿度を含む。
【0028】
一実施形態では、渦電流センサ400は、インダクタ100の第1の導電性パッド108に動作可能に結合された第1の電気リード線402、第1の導体404、および第1のケーブル406と、インダクタ100の第2の導電性パッド110に動作可能に結合された第2の電気リード線402、第2の導体404、および第2のケーブル406とを有するトランスデューサ401を含む。トランスデューサ401は、渦電流により測定可能な性質、例えば、インダクタ100と、限定はしないが、機械の回転軸、ガスタービン構成要素、蒸気タービン構成要素、燃焼領域、高温領域、高温工業製品、または材料組成および/または材料整合性のためにモニタされる構成要素などの導電性または金属目標物との間に画定されるギャップ距離に関連づけることができる動的データを感知するために機械(図示せず)に結合される。
【0029】
渦電流センサ400は任意の他の好適な構成要素を含む。例えば、一実施形態では、渦電流センサ400は、1つまたは複数の抵抗器、フィルタ、信号発生器、タイミング制御回路、サンプリング回路、コンボリューション回路、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ(例えば、中央処理装置、特定用途向け集積回路、論理回路、または検査システムを実行することができる任意の他の回路もしくはプロセッサ)、他の好適な構成要素、またはそれらの組合せを含む。
【0030】
好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変を行うことができ、均等物を本発明の要素と置き替えることができることが当業者には理解されよう。さらに、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適応させるように多くの変更を行うことができる。したがって、本発明を実行するために熟慮された最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態含むものである。
【符号の説明】
【0031】
100 インダクタ
102 パターン化金属層、第1のパターン化金属層
103 トレース幅
104 第1の表面
105 トレース間隔
106 絶縁基板、第1の絶縁基板
107 深さ
108 第1の導電性パッド
110 第2の導電性パッド
202 ビア
204 第2の表面
302 第2のパターン化金属層
304 複数のビア
306 第2の絶縁基板
400 渦電流センサ
401 トランスデューサ
402 第1の電気リード線、第2の電気リード線
404 第1の導体、第2の導体
406 第1のケーブル、第2のケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に配置されたパターン化金属層
を含むインダクタであって、
約500℃までの温度である領域の渦電流を感知することができ、
前記パターン化金属層が白金を含む、インダクタ。
【請求項2】
前記領域の前記温度が約1000℃までである状態で、渦電流を感知することができる、請求項1記載のインダクタ。
【請求項3】
前記パターン化金属層がシード層およびめっきを含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項4】
前記パターン化金属層が螺旋状パターンを含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項5】
前記パターン化金属層が16巻きを含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項6】
前記パターン化金属層が、約240マイクロメートルと約267マイクロメートルとの間の所定のトレース幅を含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項7】
前記パターン化金属層が、約216マイクロメートルと約190マイクロメートルとの間の所定のトレース間隔を含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項8】
前記パターン化金属層が、約19マイクロメートルと約35マイクロメートルとの間の所定の深さを含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項9】
前記絶縁基板がアルミナを含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項10】
前記絶縁基板が窒化アルミニウムを含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項11】
前記絶縁基板がサファイアを含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項12】
第1の表面に配置された前記パターン化金属層から第2の表面まで延びるビアをさらに含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項13】
前記パターン化金属層に動作可能に接続された前記第1の表面上の第1の導電性パッドと、前記ビアに動作可能に接続された前記第2の表面上の第2の導電性パッドとをさらに含む、請求項12記載のインダクタ。
【請求項14】
前記第1の導電性パッドが、ニッケルベース合金、チタンベース合金、タングステンベース合金、金ベース合金、およびモリブデンベース合金のうちの1つまたは複数を含む、請求項13記載のインダクタ。
【請求項15】
第2のパターン化金属層をさらに含む、請求項1記載のインダクタ。
【請求項16】
第2の絶縁基板をさらに含み、前記第2のパターン化金属層が前記第2の絶縁基板上に配置される、請求項15記載のインダクタ。
【請求項17】
前記第1のパターン化金属層が、複数のビアを通って前記第2のパターン化金属層に動作可能に接続される、請求項15記載のインダクタ。
【請求項18】
絶縁基板上のパターン化金属層と、
前記パターン化金属層上の導電性材料と
を含むインダクタであって、
約500℃までの温度である領域の渦電流を感知することができる、インダクタ。
【請求項19】
前記導電性材料が白金を含む、請求項18記載のインダクタ。
【請求項20】
インダクタを有するトランスデューサを含む渦電流センサであって、
前記インダクタが絶縁基板上に配置されたパターン化金属層を含み、
前記インダクタが、約500℃までの温度である領域の渦電流を感知することができる、渦電流センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−220494(P2012−220494A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−83520(P2012−83520)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】