説明

インテグラーゼ阻害剤を調製するためのプロセスおよび中間体

【課題】インテグラーゼ阻害剤を調製するためのプロセスおよび中間体の提供。
【解決手段】有用なインテグラーゼ阻害作用を有する4−オキソキノロン化合物の調製に使用可能な合成中間体式3の化合物を2,4−ジメトキシ−5−ブロモ安息香酸より調整し、さらに、酸存在下のトリエチルシランによる還元、増炭エステル化、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールによるエナミン化、アミン交換を経て環化により4−オキソキノロン化合物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2006年9月12日に出願された米国仮特許出願番号60/844,020号、および2007年3月7日に出願された米国仮特許出願番号60/905,365号からの優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
特許文献1は、HIVインテグラーゼ阻害剤として有用な4−オキソキノロン化合物をいくつか提供する。これらの化合物は、抗HIV薬として有用であることが報告されている。
【0003】
特許文献1は、それら4−オキソキノロン化合物の1つである6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノロン−3−カルボン酸の具体的な結晶形態をいくつか提供する。それらの具体的な結晶形態は、上記化合物の他の物理的形態と比較して優れた物理的および化学的安定性を有することが報告されている。
【0004】
現在、特許文献1および特許文献2において報告される4−オキソキノロン化合物を調製するための改良された方法が必要とされている。特に、より簡単もしくは安価で実施されるか、収率が高いか、または有毒もしくは高価な試薬の使用を必要としない新規な合成法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2004/046115号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/113508号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、特許文献1および特許文献2において報告される4−オキソキノロン化合物の調製に有用である新規な合成プロセスおよび合成中間体を提供する。
【0007】
それゆえ、1つの実施形態では、本発明は、式3の化合物:
【0008】
【化1】

またはその塩を提供する。
【0009】
他の実施形態では、本発明は、式5aの化合物:
【0010】
【化2】

またはその塩を提供する。
【0011】
他の実施形態では、本発明は、式3の化合物:
【0012】
【化3】

またはその塩を調製する方法であって、対応する式2の化合物:
【0013】
【化4】

またはその塩を式3の化合物またはその塩に変換する工程を含む方法を提供する。
【0014】
他の実施形態では、本発明は、式9の化合物:
【0015】
【化5】

(ここで、RはC−Cアルキルである)を調製する方法であって、対応する式8の化合物:
【0016】
【化6】

を環化する工程を含む方法を提供する。
【0017】
他の実施形態では、本発明は、式15の化合物:
【0018】
【化7】

またはその塩を提供する。
【0019】
他の実施形態では、本発明は、式15aの化合物:
【0020】
【化8】

を提供する。
【0021】
他の実施形態では、本発明は、式16の化合物:
【0022】
【化9】

を提供する。
【0023】
他の実施形態では、本発明は、式15の化合物:
【0024】
【化10】

またはその塩を調製する方法であって、対応する式14の化合物:
【0025】
【化11】

を式15の化合物またはその塩に変換する工程を含む方法を提供する。
【0026】
本発明はまた、本明細書に開示する4−オキソキノン化合物の調製に有用な他の合成プロセスおよび合成中間体も提供する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
式3の化合物:
【化56】


またはその塩。
(項目2)
式5aの化合物:
【化57】


またはその塩。
(項目3)
式3の化合物:
【化58】


またはその塩を調製するための方法であって、対応する式2の化合物:
【化59】


またはその塩を該式3の化合物またはその塩に変換する工程を包含する、方法。
(項目4)
前記式2の化合物は、該式2の化合物をメタル化して有機金属化合物を得て、該有機金属化合物を3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒドと接触させることにより前記式3の化合物に変換される、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記有機金属化合物はオルガノ−リチウム化合物である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記オルガノ−リチウム化合物は、式2の化合物をジアルキルマグネシウム化合物で処理した後、アルキルリチウム化合物で処理することにより形成される、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記オルガノ−リチウム化合物は、式2の化合物をジブチルマグネシウムまたはブチルエチルマグネシウムで処理した後、アルキルリチウム化合物で処理することにより形成される、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記アルキルリチウム化合物は、n−ブチルリチウムまたはt−ブチルリチウムである、項目6または7に記載の方法。
(項目9)
前記式2の化合物を、前記ジアルキルマグネシウム化合物で処理した後、約−50±50℃の温度で、前記アルキルリチウム化合物を用いて処理する、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記式2の化合物を、前記ジアルキルマグネシウム化合物で処理した後、約−20±20℃の温度で、前記アルキルリチウム化合物を用いて処理する、項目6に記載の方法。
(項目11)
2,4−ジメトキシ安息香酸を臭素化することにより前記式2の化合物またはその塩を調製する工程をさらに包含する、項目3〜10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記2,4−ジメトキシ安息香酸は、酸の存在下において臭素で処理することにより臭素化される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記式3の化合物またはその塩を式4の化合物:
【化60】


またはその塩に変換する工程をさらに包含する、項目3〜12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記式3の化合物は、酸の存在下においてシラン還元剤で処理することにより前記式4の化合物に変換される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記シラン還元剤はトリエチルシランであり、前記酸はトリフルオロ酢酸である、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記式4の化合物またはその塩を式5’の化合物:
【化61】

またはその塩に変換する工程であって、Rは脱離基である、工程をさらに包含する、項目13〜15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
は、ハロまたは1−イミダゾリルである、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記式5’の化合物は式5aの化合物:
【化62】


である、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記式4の化合物は、1,1’−カルボニルジイミダゾールで処理することにより前記式5aの化合物に変換される、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記式5’の化合物またはその塩を式6の化合物:
【化63】


またはその塩に変換する工程であって、RはC−Cアルキルである、工程をさらに包含する、項目16〜19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記式5’の化合物は、対応するマロン酸モノアルキル塩で処理することにより前記式6の化合物に変換される、項目20に記載の方法。
(項目22)
Rはエチルである、項目20に記載の方法。
(項目23)
前記式5’の化合物は、マロン酸モノエチルカリウムで処理することにより前記式6の化合物に変換される、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記式6の化合物またはその塩を式7の化合物:
【化64】


に変換する工程であって、RおよびRは、各々独立して、C−Cアルキルである、工程をさらに包含する、項目20〜23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記式6の化合物は、N,N−ジメチホルムアミドジメチルアセタールで処理することにより前記式7の化合物に変換される、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記N,N−ジメチホルムアミドジメチルアセタールを用いた処理は、酢酸の存在下において約100±50℃の温度で行われる、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記式7の化合物を式8の化合物:
【化65】


に変換する工程をさらに包含する、項目24〜26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記式7の化合物は、(S)−2−アミノ−3−メチル−1−ブタノールで処理することにより前記式8の化合物に変換される、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記式8の化合物を式9の化合物:
【化66】


に変換する工程をさらに包含する、項目27または28に記載の方法。
(項目30)
前記式8の化合物は、塩化カリウムおよびN,O−ビストリメチルシリルアセトアミドで処理することにより前記式9の化合物に変換される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記式9の化合物を式10の化合物:
【化67】


に変換する工程をさらに包含する、項目29または30に記載の方法。
(項目32)
前記式9の化合物は、塩基で処理することにより前記式10の化合物に変換される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記式9の化合物は、水酸化カリウム水溶液をイソプロピルアルコール水溶液中で処理することにより前記式10の化合物に変換される、項目32に記載の方法。
(項目34)
式9の化合物:
【化68】


を調製するための方法であって、RはC−Cアルキルであり、対応する式8の化合物:
【化69】


を環化する工程を包含する、方法。
(項目35)
前記式8の化合物は、塩化カリウムおよびN,Oビストリメチルシリルアセトアミドで処理することにより環化される、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記式9の化合物を式10の化合物:
【化70】


に変換する工程をさらに包含する、項目34または35に記載の方法。
(項目37)
前記式9の化合物は、塩基で処理することにより前記式10の化合物に変換される、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記式9の化合物は、水酸化カリウム水溶液をイソプロピルアルコール水溶液中で処理することにより前記式10の化合物に変換される、項目37に記載の方法。
(項目39)
対応する式7の化合物:
【化71】


を前記式8の化合物に変換することにより該式8の化合物を調製する工程であって、RおよびRは、各々独立して、C−Cアルキルであり、RはC−Cアルキルである、工程をさらに包含する、項目34〜38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記式7の化合物は、(S)−2−アミノ−3−メチル−1−ブタノールで処理することにより前記式8の化合物に変換される、項目39に記載の方法。
(項目41)
対応する式6の化合物:
【化72】


またはその塩を前記式7の化合物に変換することにより該式7の化合物を調製する工程であって、RはC−Cアルキルである、工程をさらに包含する、項目39または40に記載の方法。
(項目42)
前記式6の化合物は、N,N−ジメチホルムアミドジメチルアセタールで処理することにより前記式7の化合物に変換される、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記N,N−ジメチホルムアミドジメチルアセタールを用いた処理は、酢酸の存在下において約100±50℃の温度で行われる、項目42に記載の方法。
(項目44)
式5’の化合物:
【化73】


を前記式6の化合物に変換することにより該式6の化合物を調製する工程であって、Rcは脱離基である、工程をさらに包含する、項目41〜43のいずれか一項に記載の方法。(項目45)
前記式5’の化合物は、前記対応するマロン酸モノアルキル塩で処理することにより前記式6の化合物に変換される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記マロン酸モノアルキル塩はマロン酸モノエチル塩である、項目45に記載の方法。(項目47)
前記式5’の化合物は、マロン酸モノエチルカリウムで処理することにより前記式6の化合物に変換される、項目45に記載の方法。
(項目48)
式4の化合物:
【化74】


またはその塩を前記式5’の化合物に変換することにより該式5’の化合物を調製する工程をさらに包含する、項目44〜47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記式5’の化合物は式5aの化合物:
【化75】


であり、前記式4の化合物またはその塩は、1,1’−カルボニルジイミダゾールで処理することにより該式5aの化合物に変換される、項目48に記載の方法。
(項目50)
式3の化合物:
【化76】


またはその塩を前記式4の化合物に変換することにより該式4の化合物またはその塩を調製する工程をさらに包含する、項目48または49に記載の方法。
(項目51)
前記式3の化合物またはその塩は、酸の存在下においてシラン還元剤で処理することにより前記式4の化合物またはその塩に変換される、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記シラン還元剤はトリエチルシランであり、前記酸はトリフルオロ酢酸である、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記式4の化合物またはその塩は、式2の化合物:
【化77】


またはその塩から有機金属化合物を形成し、該有機金属化合物を化合物11:
【化78】


(ここで、Rは適切な脱離基である)と反応させて該式4の化合物を得ることにより調製される、項目48または49に記載の方法。
(項目54)
は、トリフラート、メシラート、トシラート、またはブロシラートである、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記式10の化合物を含む溶液に種晶を加えることにより該式10の化合物を結晶化する工程をさらに包含する、項目31〜33および36〜38のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
前記種晶は、X線粉末回折計で測定した6.56、13.20、19.86、20.84、21.22、および25.22の回折角2θ(°)に特徴的な回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記種晶は、X線粉末回折計で測定した8.54、14.02、15.68、17.06、17.24、24.16、および25.74の回折角2θ(°)に特徴的な回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する、項目55に記載の方法。
(項目58)
前記種晶は、約162.1±5.0℃の推定開始温度を有する、項目55に記載の方法。
(項目59)
前記種晶は、約70%以上の結晶純度を有する、項目55または57に記載の方法。
(項目60)
前記式10の化合物を含む医薬製剤または単位用量剤形を調製する工程をさらに包含する、項目31〜33および36〜59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記式10の化合物および該化合物を治療に用いるための使用説明書を含むキットを準備する工程をさらに包含する、項目31〜33および36〜59のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
式2の化合物:
【化79】


を有機金属試薬で処理することにより調製される塩。
(項目63)
前記有機金属試薬は、ジアルキルマグネシウム、ジアルキル亜鉛、ハロゲン化アルキルマグネシウム、トリアルキルアルミニウム、または金属水素化物試薬である、項目62に記載の塩。
(項目64)
前記有機金属試薬は、ジブチルマグネシウムまたはブチルエチルマグネシウムである、項目63に記載の塩。
(項目65)
前記有機金属試薬はブチルエチルマグネシウム−ブタノール付加物である、項目63に記載の塩。
(項目66)
項目62〜65のいずれか一項に記載の塩をアルキルリチウム試薬で処理することにより調製されるオルガノリチウム化合物。
(項目67)
化合物13:
【化80】


またはその塩。
(項目68)
化合物10:
【化81】


またはその塩、および化合物13:
【化82】


またはその塩を含む、組成物。
(項目69)
化合物9a:
【化83】


またはその塩、および化合物12:
【化84】


またはその塩を含む、組成物。
(項目70)
式15の化合物:
【化85】


またはその塩。
(項目71)
式15aの化合物:
【化86】


(項目72)
式16の化合物:
【化87】


(項目73)
式15の化合物:
【化88】


またはその塩を調製する方法であって、対応する式14の化合物:
【化89】


を該式15の化合物またはその塩に変換する工程を包含する、方法。
(項目74)
前記式14の化合物は、該式14の化合物をメタル化し、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒドで処理して該式15の化合物またはその塩を得ることにより該式15の化合物またはその塩に変換される、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記式14の化合物は、塩化イソプロピルマグネシウムで処理することによりメタル化される、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記式15の化合物またはその塩を式3の化合物:
【化90】


またはその塩に変換する工程をさらに包含する、項目73に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(詳細な説明)
特に断りのない限り、以下の定義を用いる:ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードである。アルキルは直鎖および分岐鎖状の両方の基を示すが、プロピル等の個々の基に言及する場合には、直鎖状の基のみを含み、イソプロピル等の分岐鎖状の異性体については具体的に言及するものとする。
【0028】
キラル中心を有する化合物が光学活性体およびラセミ体として存在し、単離され得ることを当業者は理解する。多形性を示す化合物も存在する。本発明が本明細書に記載の化合物の任意のラセミ体、光学活性体、多形体、互変異性体、もしくは立体異性体、またはそれらの混合物を調製するプロセスを含むことは言うまでもなく、光学活性体の調製法(例えば、再結晶化技術によるラセミ体の分割によるもの、光学活性出発原料からの合成によるもの、キラル合成によるもの、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフ分離によるもの)は当該分野では周知である。
【0029】
基、置換基、および範囲について下記に示す具体的または好適な値は、例示のみを目的としており、当該基および置換基に対する他の規定値または他の規定範囲内の値を除外するものではない。
【0030】
具体的には、C−Cアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、またはヘキシルとすることができる。
【0031】
の具体的な値はメチルである。
【0032】
の具体的な値はメチルである。
【0033】
の具体的な値は1−イミダゾリルである。
【0034】
Rの具体的な値はエチルである。
【0035】
1つの実施形態では、本発明は、式3の化合物:
【0036】
【化12】

またはその塩を調製する方法であって、対応する式2の化合物:
【0037】
【化13】

またはその塩を式3の化合物またはその塩に変換する工程を含む方法を提供する。下記で説明するように、この反応は、化合物2と極性非プロトン溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)とを合わせ、その混合液を室温未満(例えば、約−20℃)まで冷却することにより好都合に行うことができる。
【0038】
【化14】

この混合液を第1の有機金属試薬(例えば、ジアルキルマグネシウム、ジアルキル亜鉛、ハロゲン化アルキルマグネシウム、トリアルキルアルミニウム、または金属水素化物試薬)で処理してカルボン酸塩を形成することができる。例えば、この混合液を約0.5当量のジブチルマグネシウムもしくはブチルエチルマグネシウム、または約1当量のブチルエチルマグネシウム−ブタノール付加物で処理して化合物Aとすることができる。その生成混合液を第2の有機金属試薬(例えば、ハロゲン化アルキルリチウムまたはアルキルマグネシウム)と合わせて有機金属化合物(化合物B1またはB2)を形成することができる。典型的には、これを低温で行って金属/ハロゲン交換を起こす。例えば、その生成混合液を約1.2〜2.2当量のアルキルリチウム(例えば、約1.8当量のn−ブチルリチウムまたはtert−ブチルリチウム)と約−50±50℃で合わせてオルガノ−リチウム化合物(化合物B1)とすることができる。本発明の1つの実施形態では、金属/ハロゲン交換反応を約−20±20℃の温度で実施することができる。金属/ハロゲン交換反応の進捗は、任意の適切な技術(例えば、HPLC)で監視することができる。反応が終了すると、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(約1.3当量)を加えることができる。この付加反応の進捗は、任意の適切な技術(例えば、HPLC)で監視することができる。化合物3は、任意の適切な技術(例えば、クロマトグラフィまたは結晶化)で単離することができる。この方法により、あらゆる汚染問題および他の試薬(例えば、パラジウム試薬等の遷移金属)の使用に関連する損失が回避される。
【0039】
本発明の1つの実施形態では、式2の化合物またはその塩は、2,4−ジメトキシ安息香酸を臭素化することにより調製される。この反応は、標準的な臭素化条件を用いて実施することができる。
【0040】
本発明の1つの実施形態では、式3の化合物またはその塩は、式4の化合物:
【0041】
【化15】

またはその塩に変換される。約1〜5ヒドリド当量のシラン還元剤(例えば、フェニルジメチルシラン、ポリメチルヒドロシロキサン、もしくはクロロジメチルシラン、またはトリエチルシラン等のトリアルキルシラン)を適切な酸(例えば、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸(triflic acid)または酢酸)と合わせる。この反応は、約1.2〜2.0ヒドリド当量のトリエチルシランおよび約5〜10当量のトリフルオロ酢酸を用いることによって好都合に実施することができる。この混合液に化合物3またはその塩を加える。化合物3またはその塩は、この混合液に低温(例えば、約0±10℃)で好都合に加えることができる。この反応の進捗は、任意の適切な技術(例えば、HPLC)で監視することができる。反応が終了すると、化合物4またはその塩を任意の適切な技術(例えば、クロマトグラフィまたは結晶化)を用いて単離することができる。化合物4またはその塩は、トリフルオロ酢酸を適切な溶媒中の化合物3に加え、引き続きシラン還元剤を加えて化合物4とすることにより調製することもできる。
【0042】
あるいは、化合物4またはその塩は、対応する有機金属化合物を化合物2から形成し、その有機金属化合物と化合物11:
【0043】
【化16】

(Ryは適切な脱離基(例えば、トリフラート、メシラート、トシラート、またはブロシラート(brosylate)等)である)とを反応させることにより調製することができる。
【0044】
本発明の他の実施形態では、式4の化合物またはその塩を式5’の化合物:
【0045】
【化17】

またはその塩(ここで、Rは脱離基である)に変換する。化合物4のカルボン酸官能基は、適切な溶媒(例えば、トルエンまたはテトラヒドロフラン)中において適切な試薬(例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化シアヌル、または1,1’−カルボニルジイミダゾール)で処理することにより、活性種(例えば、酸塩化物またはアシルイミダゾリド(化合物5’))に変換することができる。続いて式5’の化合物を式6の化合物に変換することができる場合には、任意の適切な脱離基Rを上記分子に組み込むことができる。この反応は、テトラヒドロフラン中で約1当量の1,1’−カルボニルジイミダゾールを用いて好都合に実施することができる。
【0046】
本発明の他の実施形態では、式5’の化合物またはその塩を式6の化合物:
【0047】
【化18】

またはその塩(ここで、RはC−Cアルキルである)に変換することができる。例えば、式5’の化合物と約1〜5当量のマロン酸モノアルキル塩および約1〜5当量のマグネシウム塩とを適切な溶媒中で合わせることができる。好都合には、式5’の化合物と約1.7当量のマロン酸モノエチルカリウムおよび約1.5当量の塩化マグネシウムとを合わせることができる。適切な塩基(例えば、トリエチルアミンまたはイミダゾール)をその反応物に加えることができる。この反応は、高温(例えば、約100±50℃)で好都合に行い、任意の適切な技術(例えば、HPLC)で終了を監視することができる。反応が終了すると、任意の適切な技術(例えば、クロマトグラフィまたは結晶化)を用いて化合物6を単離することができる。
【0048】
本発明の他の実施形態では、式6の化合物またはその塩を対応する式7の化合物:
【0049】
【化19】

(ここで、RおよびRは、各々独立して、C−Cアルキルであり、RはC−Cアルキルである)に変換することができる。化合物6は、ジメチルホルムアミドジアルキルアセタール(例えば、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール)またはトリアルキルオルトギ酸エステル等のホルマート基ドナーで処理することにより、化合物7等の活性アルキリデン類似体に変換することができる。この反応は、高温(例えば、約100±50℃)で実施することができる。この反応は、酸触媒(例えば、アルカン酸、安息香酸、スルホン酸、または鉱酸等)を加えて促進してもよい。約500ppm〜1%の酢酸を好都合に用いることができる。この反応の進捗は、任意の適切な技術(例えば、HPLC)で監視することができる。化合物7は、単離するかまたは後述するように直接用いて式8の化合物を調製することができる。
【0050】
本発明の他の実施形態では、式7の化合物を対応する式8の化合物:
【0051】
【化20】

(ここで、RはC−Cアルキルである)に変換することができる。化合物7と(S)−2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール(S−バリノール、約1.1当量)とを合わせて化合物8とすることができる。この反応の進捗は、任意の適切な技術(例えば、HPLC)で監視することができる。式8の化合物は、単離するかまたは後述するように直接用いて式9の化合物を調製することができる。他の実施形態では、本発明は、式9の化合物:
【0052】
【化21】

(ここで、RはC−Cアルキルである)を調製する方法であって、対応する式8の化合物:
【0053】
【化22】

を環化する工程を含む方法を提供する。化合物8は、シリル化試薬(例えば、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、またはヘキサメチルジシラザン))で処理することにより環化して化合物9とすることができる。この反応は、極性非プロトン溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Ν−メチルピロリジノン、またはアセトニトリル)中で行うことができる。塩(例えば、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、または塩化マグネシウム)を加えて反応を促進することができる。典型的には、約0.5当量の塩化カリウム等の塩を加える。この反応は、必要に応じて高温(例えば、約100±20℃の温度)で行って反応時間を都合に合わせるようにしてもよい。この反応の進捗は、任意の適切な技術(例えば、HPLC)で監視することができる。後処理時には、酸を用いて、シリル化試薬と化合物8のアルコール部分との反応により形成されるあらゆるシリルエーテルを加水分解することができる。典型的な酸としては、鉱酸、スルホン酸、またはアルカン酸が挙げられる。使用可能な1つの具体的な酸としては、塩酸水溶液がある。加水分解が終了すると、化合物9を任意の適切な方法(例えば、クロマトグラフィまたは結晶化)で単離することができる。上記の変換では、シリル化試薬(silating reagent)は、アルコールを一時的に保護した後取り除かれる。これにより保護および脱保護工程を別々にする必要がなくなり、変換の効率が上がる。
【0054】
本発明の他の実施形態では、式9の化合物を式10の化合物:
【0055】
【化23】

に変換する。化合物9は、適切な塩基(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化リチウム)で処理することにより化合物10に変換することができる。例えば、約1.3当量の水酸化カリウムを好都合に用いることができる。この反応は、例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、もしくはイソプロパノール、またはそれらの混合液等、任意の適切な溶媒中で行ってもよい。この溶媒には水を含めることもできる。イソプロパノールと水の混合液を好都合に用いることができる。この反応の進捗は任意の適切な技術(例えば、HPLC)で監視することができる。最初に形成したカルボン酸塩は、酸(例えば、塩酸または酢酸)で処理することにより中和することができる。例えば、約1.5当量の酢酸を好都合に用いることができる。中和した後、化合物10を任意の適切な技術(例えば、クロマトグラフィまたは結晶化)を用いて単離することができる。
【0056】
本発明の他の実施形態では、式10の化合物は、式10の化合物を含む溶液に種晶を加えることにより結晶化することができる。国際特許出願公報WO2005/113508号は、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノロン−3−カルボン酸の具体的な結晶形をいくつか提供する。国際特許出願公報WO2005/113508号の記載内容全てを本明細書中において参考として援用する(特に、当該公報の12〜62ページを参照)。この公報では、それらの具体的な結晶形をCrystal
Form IIおよびCrystal Form IIIとして特定している。Crystal Form IIは、X線粉末回折計で測定した6.56、13.20、19.86、20.84、21.22、および25.22の回折角2θ(°)に特徴的な回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する。Crystal Form IIIは、X線粉末回折計で測定した8.54、14.02、15.68、17.06、17.24、24.16、および25.74の回折角2θ(°)に特徴的な回折ピークを持つX線粉末回折パターンを有する。国際特許出願公報WO2005/113508号はまた、推定開始温度が約162.1℃である6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノロン−3−カルボン酸の結晶形の調製方法、および約70%以上の結晶純度を有する種晶の調製方法も記載している。従って、6−(3−クロロ−2−フルオロベンジル)−1−[(S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル]−7−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノロン−3−カルボン酸の種晶を、任意選択的に、国際特許出願公報WO2005/113508号に記載のとおりに調製することができる。有利には、下記のスキームIに示すプロセスにより、さらに精製を行うことなく(例えば、Crystal Form II等、他の多形の前形成、または他のなんらかの形態の前精製を行うことなく)直接結晶化してCrystal Form IIIとすることができる化合物10の粗製混合液を提供する(下記実施例6参照)。
【0057】
本明細書中で特定した化合物が安定した酸性塩または塩基性塩を形成するために十分な塩基性または酸性を有する場合には、本発明はそのような化合物の塩も提供する。そのような塩は、例えば、そのような化合物を精製するための中間体として有用であり得る。有用な塩の例としては、酸で形成した有機酸付加塩(例えば、トシラート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、およびα−グリセロリン酸塩)が挙げられる。塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩を含む適切な無機塩も形成可能である。
【0058】
当該分野で周知の標準的な手順(例えば、アミン等の十分な塩基性を有する化合物と、陰イオンを生じる適切な酸との反応)を用いて塩を得ることができる。例えば、カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、もしくはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウムもしくはマグネシウム)塩も作ることができる。
【0059】
以下、本発明を下記の非限定的な実施例を用いて説明する。式10のインテグラーゼ阻害剤は、下記のスキーム1に示すように調製することができる。
【0060】
スキーム1
【0061】
【化24】

【実施例】
【0062】
(実施例1)
化合物3の調製
化合物2(10g)を192mLのTHFと合わせ、−20℃まで冷却した。この混合液を、温度を−20℃に維持しながら1Mのジブチルマグネシウムのヘプタン溶液21mLおよび2.5Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液19.2mLで続けて処理した。3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(7.3g)を加え、その混合液を0℃まで温めた。その温度のまま2時間後にその反応物に2Mの塩酸55mLを加えてクエンチした。これらの相を分離し、有機相を酢酸エチル92mLで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液92mLで洗浄した。この有機相を濃縮し、その生成物にヘプタン200mLを加えて沈殿させた。そのスラリーをろ過し、その生成物を空気乾燥させて化合物3を得た:
【0063】
【化25】

あるいは、化合物3は以下のように調製することができる。
【0064】
化合物2(20g)をTHF300mLと合わせ、−20℃まで冷却した。この混合液を、温度を−20℃に維持しながらブチルエチルマグネシウム−ブタノール付加物(BEM−B)ヘプタン溶液75.93gmLおよび28wt%のt−ブチルリチウムヘプタン溶液35.08gで続けて処理した。3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(15.80g)を加え、その混合液を0℃まで温めた。その温度のまま2時間後にその反応物に2Mの塩酸を加えてクエンチした。これらの相を分離し、有機相を酢酸エチルで抽出した。その有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、その生成物にMTBEを加えて沈殿させた。そのスラリーをろ過し、その生成物を空気乾燥させて化合物3(18.00g;69.1%収率)を得た:
【0065】
【化26】

化合物3は、下記のスキームに示すように調製することもできる。
【0066】
【化27】

化合物14(10g)をTHF28mLおよびビスジメチルアミノエチルエーテル9mLと合わせ、0℃まで冷却した。塩化イソプロピルマグネシウム(2.07MのTHF溶液22.9mL)を加え、その混合液を室温まで一晩かけて温めた。さらに塩化イソプロピルマグネシウム(5mL)を加えて変換を促進させた後、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(4.4mL)を加えた。周囲温度で2時間かき混ぜた後、塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム錯体の14wt%THF溶液38.6gを加えた。周囲温度で一晩かき混ぜた後、COガスを反応混合液に入れ泡立てた。変換が終了すると、その反応物を2M塩酸でpH<3にしてクエンチした。これらの相を分離し、有機相を酢酸エチルで抽出した。合合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この有機相を濃縮し、その生成物にMTBEを加えて沈殿させた。そのスラリーをろ過し、その生成物を空気乾燥させて化合物3を得た:
【0067】
【化28】

化合物3は、以下のスキームに示すように調製することもできる。
【0068】

【化29】

(実施例2)
化合物4の調製
トリエチルシラン(6.83g)を、氷浴で予冷したトリフルオロ酢酸(33.13g)に加えた。その混合液に、温度を15℃未満に保ちながら化合物3(10g)を加えた。2時間かき混ぜた後、MTBEを加えてその生成物を沈殿させた。そのスラリーをろ過し、その生成物をMTBEでさらに洗浄した。乾燥後、9.12gの化合物4を単離した:
【0069】
【化30】

あるいは、化合物4は、以下のように調製することができる。
【0070】
トリエチルシラン(7.50g)を、氷浴で予冷したトリフルオロ酢酸(49.02g)に加えた。その混合液に、温度を15℃未満に保ちながら化合物3(14.65g)を加えた。1時間かき混ぜた後、17.63gのナトリウム酢酸塩のメタノール溶液147mLを加えた。その混合液を加熱して3時間還流させた後0℃まで冷却した。そのスラリーをろ過し、その生成物をメタノールでさらに洗浄した。乾燥後、12.3gの化合物4(89.7%収率)を単離した:
【0071】
【化31】

(実施例3)
化合物5aの調製
イミダゾール(0.42g)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(5.49g)をTHF30mL中において周囲温度でスラリーにした。化合物4(10g)を一度に加え、その混合液をHPLCで反応が終了するまで周囲温度でかき混ぜた。その生成スラリーをろ過し、その固体をMTBEで洗浄した。これらの固体を乾燥させて化合物5aを得た:
【0072】
【化32】

(実施例4)
化合物6aの調製
イミダゾール(0.42g)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(5.49g)をTHF30mL中において周囲温度でスラリーにした。化合物5a(10g)を一度に加え、その混合液を周囲温度で4時間かき混ぜて化合物5aのスラリーを形成した。別のフラスコにおいて8.91gのマロン酸モノエチルカリウムをTHF40mL中でスラリーにした。塩化マグネシウム(4.40g)を加え、その生成スラリーを55℃まで90分間温めた。その化合物5aのスラリーを塩化マグネシウム/マロン酸モノエチルカリウム混合液に移し、55℃で一晩かき混ぜた。次いで、その混合液を室温まで冷却し、28wt%HPO水溶液80mLを滴下して加え、クエンチした。これらの相を分離し、その有機相をNaHSO、KHCO、およびNaCl水溶液で続けて洗浄した。この有機相を油状に濃縮した後、エタノールで同時蒸発させた。その生成固体をエタノール30mLおよび水6mLに溶解させた。化合物6aを冷却により結晶化した。この固体をろ過により単離し、その生成物をエタノール水溶液で洗浄した。乾燥後、化合物6aを得た:
【0073】
【化33】

あるいは、化合物6aは、以下のように調製することができる。
【0074】
カルボニルジイミダゾール(10.99g)をTHF60mL中において周囲温度でスラリーにした。化合物4(20g)を一度に加え、その混合液を周囲温度で30分間かき混ぜて化合物5aのスラリーを形成した。別のフラスコにおいて15.72gのマロン酸モノエチルカリウムをTHF100mL中でスラリーにした。塩化マグネシウム(6.45g)を加え、その生成スラリーを55℃まで5時間温めた。その化合物5aのスラリーを塩化マグネシウム/マロン酸モノエチルカリウム混合液に移し、55℃で一晩かき混ぜた。次いで、その混合液を室温まで冷却し、28wt%HPO水溶液120mL上でクエンチした。これらの相を分離し、その有機相をKHCOおよびNaCl水溶液で続けて洗浄した。この有機相を油状に濃縮した後、エタノールで同時蒸発した。その生成固体をエタノール100mLおよび水12mLに溶解した。化合物6aを冷却により結晶化した。この固体をろ過により単離し、その生成物をエタノール水溶液で洗浄した。乾燥後、21.74gの化合物6a(89%収率)を得た:
【0075】
【化34】

(実施例5)
化合物9aの調製
化合物6a(20g)を6.6gのジメチルホルムアミドジメチルアセタール、66gのトルエン、および0.08gの氷酢酸とともにかき混ぜた。その混合液を90℃まで4時間温めた。次いで、この混合液を周囲温度まで冷却し、5.8gの(S)−2−アミノ−3−メチル−1−ブタノールを加えた。その混合液を周囲温度で1時間かき混ぜた後、濃い油に濃縮した。ジメチルホルムアミド(36g)、塩化カリウム(1.8g)、およびビス(トリメチルシリル)アセトアミド(29.6g)を加え、この混合液を90℃まで1時間温めた。その混合液を室温まで冷却し、200gのジクロロメタンで希釈した。希塩酸塩酸(dilute hydrochloride acid)(44g、約1N)を加え、この混合液を周囲温度で20分間かき混ぜた。これらの相を分離し、その有機相を水、重炭酸ナトリウム水溶液、および水で続けて洗浄した。その溶媒をアセトニトリルに交換し、その容積を160mLに調節した。この混合液を透明になるまで加熱し、少し冷却し、種晶を加え、冷却して化合物9aを結晶化した。この生成物をろ過により単離し、冷アセトニトリルでさらに洗浄した。真空乾燥を行い化合物9aを得た:
【0076】
【化35】

あるいは、化合物9aは、以下のように調製することができる。
【0077】
化合物6a(50g)を17.5gのジメチルホルムアミドジメチルアセタール、90gのDMF、および0.2gの氷酢酸とともにかき混ぜた。この混合液を65℃まで3時間温めた。次いで、その混合液を周囲温度まで冷却し、14.5gの(S)−2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、および25gのトルエンを加えた。この混合液を周囲温度で一晩かき混ぜた後、蒸留により濃縮した。塩化カリウム(4.5g)およびビス(トリメチルシリル)アセトアミド(80.2g)を加え、その混合液を90℃まで2時間温めた。この混合液を室温まで冷却し、250gのジクロロメタンで希釈した。希塩酸塩酸(dilute hydrochloride acid)(約1Nを110g)を加え、その混合液を周囲温度で30分間かき混ぜた。これらの相を分離し、その有機相を水、重炭酸ナトリウム水溶液、および水で続けて洗浄した。この溶媒を蒸留によりアセトニトリルに交換した。この混合液を透明になるまで加熱し、少し冷却し、種晶を加え、冷却して化合物9aを結晶化した。その生成物をろ過により単離し、冷アセトニトリルでさらに洗浄した。真空乾燥を行い48.7g(81%収率)の化合物9aを得た:
【0078】
【化36】

(実施例6)
化合物10の調製
化合物9a(6.02g)をイソプロパノール36mLおよび水24mL中においてスラリーにした。水酸化カリウム水溶液(2.04gの45wt%溶液)を加え、この混合液を40℃まで温めた。3時間後、1.13gの氷酢酸を加え、その混合液に10mgの化合物10を種晶として加えた。この混合液を氷浴内で2時間冷却し、その固体をろ過により単離した。この塊をイソプロパノール水溶液で洗浄し、乾燥させて化合物10とした:
【0079】
【化37】

(実施例7)
化合物13の調製
上記実施例5で説明した化合物7aから化合物9aへの変換により第2の生成物が生じたが、これは、(S)−2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール試薬中に(S)−2−アミノ−4−メチル−1−ペンタノールが存在することにより生じたと思われる。下記に示すように、化合物13を独立して合成し第2の生成物を特定した。
【0080】
【化38】

上記実施例6の化合物10の調製と同様の手順を用いて化合物13を化合物12から調製した。上述した後処理の後、その生成物をアニソール内で抽出した。溶媒を取り除いた後、所望する生成物を発泡体として単離した:
【0081】
【化39】

中間化合物12を以下のように調製した。
【0082】
a. (S)−2−アミノ−3−メチル−1−ブタノールの代わりに(S)−(+)−2−アミノ−4−メチル−1−ペンタノールを用いた以外は化合物9aの調製と同様の手順を用いて化合物12を化合物6aから調製した。最終アセトニトリル溶液を濃縮乾固した後、所望する生成物を発泡体として単離した:
【0083】
【化40】

国際特許出願公報WO2004/046115号に記載されるように、化合物13はHIVインテグラーゼ阻害剤として有用である。それゆえ、本発明は、化合物13またはその塩、ならびに化合物13またはその塩を調製する方法も提供する。本発明はまた、化合物10もしくはその塩および化合物13もしくはその塩を含む組成物、ならびに化合物9aもしくはその塩および化合物12もしくはその塩を含む組成物も提供する。そのような組成物は、国際特許出願公報WO2004/046115号に記載されるインテグラーゼ阻害剤の調製に有用である。
【0084】
あるいは、1kgの出発原料に基づく下記の例示的な実施例8〜12に記載するように、化合物10を化合物2から調製することができる。
【0085】
(実施例8)
式3の化合物の調製
【0086】
【化41】

化合物2を無水テトラヒドロフランと組み合わせ、温めて溶液または薄いスラリーを形成する。この混合液を−20〜−30℃まで冷却し、ブチルエチルマグネシウムのヘプタン溶液に加える。別の反応炉においてn−ブチルリチウムのヘキサン溶液を冷(−20〜−30℃)テトラヒドロフランと組み合わせる。この混合液を−20〜−30℃に保ちながら、化合物2/ブチルエチルマグネシウム(butylethylmangesium)スラリーをn−ブチルリチウム溶液に移す。このリチウム/ハロゲン交換反応の終了をHPLCで監視する。終了すると、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒドのテトラヒドロフラン溶液を加える。1時間後、この混合液を0℃まで温め、反応の終了をHPLCで監視する。終了すると、その反応物を塩酸水溶液でpHを1〜3にしてクエンチする。これらの相を分離し、その水相を酢酸エチルで2回抽出する。組み合わせた有機相を、硫酸ナトリウムを用いて18〜25℃で乾燥させる。硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた後、その溶媒をMTBEに交換し、その生成スラリーを0℃まで冷却する。その生成物をろ過により単離し、冷MTBEで洗浄し、40℃以下で乾燥させて化合物3を得る。
【0087】
【化42】

1. 1.00kgの化合物2および8.7kgのTHFを反応炉(1)に入れる。
2. その混合液を45〜50℃まで温めて全ての固体を溶解させるか、または反応炉の底から重い固体がなくなり薄い均一なスラリーを形成するまで45〜50℃で温める。
3. 反応炉(1)の内容物を−20〜−30℃まで冷却する。
4. BuEtMg(15w/w%ヘプタン溶液)(約1.8kg;0.6当量)を反応炉(1)に入れる(添加時の反応混合液の温度は−20℃未満に維持する)。
5. 別の反応炉(2)に2.6kgのTHFを入れ、−20〜−30℃まで冷却する。6. 反応炉(2)にn−BuLi(ヘキサン溶液)(1.9kg、1.8当量)を入れる(添加時の温度は−20℃未満に維持する)。
7. 反応炉(1)の内容物を反応炉(2)に移す(添加時の温度は−20℃未満に維持する)。
8. 反応炉(3)に0.5kgのTHFを入れ、−20〜−30℃まで冷却する。
9. 反応炉(3)の内容物を反応炉(1)に移した後、順洗して反応炉(2)に移す。10. 反応炉の内容物を合わせてから概ね15分後に、その反応混合液から試料を採取し、HPLCで分析してリチウム/ハロゲン交換の終了を判定する。(典型的には、1〜8%の化合物2が残留する。化合物2の量が8%よりも多い場合、さらにn−BuLiを入れる前に、少なくとも30分後に再度反応物から試料を採取する)。
11. 適切な容器内で0.79kgのアルデヒドと0.79kgのTHFとを合わせる。
12. 容器の内容物を反応炉に入れる。添加時の反応混合液の温度を−20℃未満に維持する。
13. 反応混合液を−20℃で1時間撹拌した後、0℃まで温める。
14. 2MのHCl(約3.8kg)でpH調節を行いpHを1〜3にして反応混合液をクエンチする。
15. 相を分離する。
16. 2.3kgのEtOAcで水相を抽出する。
17. 2.3kgのEtOAcで水相を抽出する。
18. 水相を捨てる。
19. 有機相を合わせ、2kgのNaSOで少なくとも1時間乾燥させる。NaSOを加える前に有機相の温度を20〜25℃にしておく。
20. スラリーをろ過してNaSOを取り除く。
21. 合わせた有機相を真空蒸留により約1.5Lに濃縮する(薄いスラリーを形成する)。
22. 2.8kgのメチルt−ブチルエーテル(MTBE)をスラリーに入れる。
23. 混合液を約1.5Lに濃縮する。
24. 2.8kgのMTBEをスラリーに入れる。
25. 混合液を約1.5Lに濃縮する。
26. 1.9kgのMTBEをスラリーに入れる。
27. スラリーを約0℃まで冷却し、化合物3をろ過により単離する。
28. 約0℃に予冷した1.9kgのMTBEを用いて蒸留槽に順洗する。
29. その塊を粒状固体が得られるまで脱液する。必要に応じて6倍量のトルエンとHOAc(85:15)を用いて再度スラリーにして化合物3の純度を上げる。
30. その湿った塊を真空下において<40℃で乾燥させる。
【0088】
(実施例9)
式4の化合物の調製
【0089】
【化43】

化合物3をトリフルオロ酢酸と合わせ、かき混ぜて溶液を形成する。その溶液を−3〜3℃まで冷却し、温度を15℃以下に維持しながらトリエチルシランを加える。この反応の終了をHPLCで監視する。終了したら、MTBEを加えて化合物4を沈殿させ、この混合液を0℃まで冷却する。その生成物をろ過により単離し、MTBEで洗浄し、60℃以下で乾燥させて化合物4を得る。
【0090】
【化44】

1. 1.00kgの化合物3を1.7kgのTFAに溶解させる。
2. 反応混合液を−3〜3℃まで冷却する。
3. 0.4kgのトリエチルシランを反応混合液に入れる。この添加時の反応混合液の温度は15℃未満に維持する。
4. トリエチルシランを添加してから30分後に反応混合液から試料を採取し、HPLCで分析を行い、化合物3から化合物4への変換の終了を確認する。
5. 4.0kgのMTBEを反応混合液に入れる(添加時の混合液の温度を15℃未満に維持する)。
6. 混合液を0℃まで冷却し、少なくとも30分間撹拌する。
7. 化合物4をろ過により単離し、1.6kgのMTBEを用いて反応槽に順洗する。8. 得られた化合物4を真空下において<60℃で乾燥させる。
注記:4倍量のアセトンを用いて再度スラリーにすることで化合物4の純度を上げてもよい。そのスラリーを40℃まで2時間温め、18〜25℃まで12時間冷却した後、ろ過し、1倍量のアセトンで2度洗浄する。
【0091】
(実施例10)
式6aの化合物の調製
【0092】
【化45】

カルボニルジイミダゾールおよびイミダゾールを無水テトラヒドロフランと合わせる。化合物4をこの混合液に加えて化合物5aを形成し、その反応をHPLCで監視する。別の反応炉においてマロン酸モノエチルカリウムをテトラヒドロフランと合わせた後、温度を30℃以下に維持しながら無水塩化マグネシウムを加える。その生成スラリーを50℃まで温め、少なくとも2時間静置した後、化合物5a混合液を加える。この反応をHPLCで監視する。化合物5aの形成が終了すると、その混合液を18〜25℃まで冷却し、リン酸水溶液に加えてクエンチする。この有機相を重硫酸ナトリウム溶液、塩水溶液、重炭酸カリウム溶液、および塩水溶液で洗浄した後、研磨ろ過(polish filter)する。この溶媒を無水エタノールに交換する。水を加え、その混合液を温めて固体を溶解し、約40℃まで冷却し、化合物6aを種晶として加え、0〜5℃まで冷却する。その生成物をろ過し、冷エタノール水溶液で洗浄し、40℃以下で乾燥させて化合物6aを得る。
【0093】
【化46】

手順
1. 0.55kgのCDIおよび0.042kgのイミダゾールを反応炉1に入れる。2. 2.67kgのTHFを反応炉1に入れ、撹拌してスラリーを形成する。
3. 1.00kgの化合物4を少量ずつ反応炉1に入れ、COオフガスを抑える。この添加は吸熱を伴う。
4. 0.89kgのKEMを反応炉2に入れる。
5. 4.45kgのTHFを反応炉2に入れ、撹拌してスラリーを形成する。
6. 0.44kgのMgClを反応炉2に入れる(少量ずつ入れて発熱を抑える)。7. 反応炉2の内容物を50℃まで温め、その温度で少なくとも2時間撹拌する。
8. 反応炉1の内容物を反応炉2に移す。非常に早く移すと混合液が一時的に濃くなる。
9. 反応炉2の内容物を少なくとも12時間、50℃で撹拌する。
10. スラリーを周囲温度まで冷却する。
11. 反応混合液を7.0kgの28wt%HPO水溶液(2.3kgの85wt%HPOを4.7kgのHOに溶解させたもの)上に移すことにより反応物をクエンチする。この添加は発熱を伴う。水層の最終的なpHは1〜2とする。
12. 有機(上)相を1.2kgの20wt%NaHSO水溶液(0.24kgのNaHSOを0.96kgのHOに溶解させたもの)で洗浄する。水層の最終的なpHは1〜2とする。
13. 有機(上)相を1.2kgの20wt%NaCl水溶液(0.24kgのNaClを0.96kgのHOに溶解させたもの)で洗浄する。
14. 有機(上)相を5.0kgの10wt%KHCO水溶液(0.50kgのKHCOを4.5kgのHOに溶解させたもの)で洗浄する。水層の最終的なpHは8〜10とする。
15. 有機(上)相を1.2kgの20wt%NaCl水溶液(0.24kgのNaClを0.96kgのHOに溶解させたもの)で洗浄する。水層の最終的なpHは7〜9とする。
16. 有機相を濃縮し、その溶媒をEtOHに交換する。
17. 濃度を約3.5L/kg入力に調節する。
18. 0.6倍量の水を入れる。
19. 70〜80℃まで温めて澄明液を形成する。
20. 40℃まで冷却し、0.1wt%の化合物6を種晶として加える。
21. ゆっくりと5℃まで冷却する。
22. 少なくとも2時間静置する。
23. その塊をろ過し、1.35kgの容量のEtOHとHO(50:50)(1.2kgのEtOHと1.5kgのHOを合わせたもの)で2回洗浄する。
24. その塊を50℃未満で乾燥させる。
【0094】
(実施例11)
式9aの化合物の調製
【0095】
【化47】

化合物6aをトルエン、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、および氷酢酸と合わせた後、100℃まで温める。この反応をHPLCで監視する。化合物7aの形成が終了したら、この混合液を18〜25℃まで冷却した後、(S)−(+)−バリノールを加える。この反応をHPLCで監視する。化合物8aの形成が終了したら、この混合液を濃縮する。その残留物をジメチルホルムアミド、塩化カリウム、およびN,O−ビストリメチルシリルアセトアミドと合わせ、100℃まで温める。この反応をHPLCで監視する。終了したら、その混合液を冷却し、ジクロロメタンを加える。塩化水素酸水溶液を加えて化合物9aを脱シリル化する。この反応をTLCで監視する。終了したら、その有機相を水、重炭酸ナトリウム水溶液、および水で洗浄する。この溶媒をアセトニトリルと交換し、その混合液を温める。この混合液に種晶を加え、冷却して化合物9aを結晶化する。この生成物をろ過し、冷アセトニトリルで洗浄し、40℃以下で乾燥させて化合物9aを得る。
【0096】
【化48】

1. 反応炉1に1.00kgの化合物6aを入れる。
2. 0.33kgのN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.1当量)、0.001kgの氷酢酸、および3.3kgのトルエンを反応炉1に入れる。
3. 混合液を約100℃まで温める(この操作時にMeOHが蒸留する場合があることに留意されたい)。
4. 1時間後、HPLCで反応が終了とされる(約2%の化合物6aが残留することは明らかである)
5. 反応炉1内の混合液を18〜25℃まで冷却する。
6. 0.29kgの(S)−(+)−バリノール(1.1当量)を1.0kgのトルエンに溶解させたものを反応炉1に入れ、周囲温度で撹拌を続ける。
7. 1時間後、HPLCで反応が終了とされる(<1%の化合物6a)。
8. 反応炉1の内容物を約2L/kgに濃縮する。
9. 1.8kgのDMF、0.09kgの塩化カリウム(0.5当量)、および1.13kgのN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(2.2当量)を反応炉1に入れる。
10. 反応炉1内の混合液を約100℃まで温める。
11. 反応を約1時間で終了する(〜5%の化合物8aが残留する)。
12. 反応炉1の内容物を18〜25℃まで冷却する。
13. 10kgのDCMを反応炉1に入れる。
14. 1NのHCl水溶液2.0kgを混合液の温度を<35℃に維持しながら約15分かけて反応炉1に入れる。
15. 混合液を少なくとも10分間撹拌して化合物8aを脱シリル化する。脱シリル化の進捗をTLCで監視する。
16. 相を分離する。
17. 有機相を4.0kgの水で洗浄する。
18. 有機相を4.0kgの5%重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。
19. 有機相を4.0kgの水で洗浄する。
20. 蒸留により有機相を約1.5L/kgの化合物6aに濃縮する。
21. 溶媒を蒸留によりACNに交換し、スラリーを形成する。約8L/kgの化合物6aとなるように最終的な容量を調節する。
22. 混合液を加熱して還流させ、固体を再度溶解させる。
23. 溶液を75℃まで冷却し、化合物9aの種晶を入れる。
24. 混合液を少なくとも2時間かけて0℃まで冷却し、その温度で少なくとも1時間静置する。
25. 化合物9aをろ過により単離し、湿った塊を1.6kgの冷ACNで洗浄する。26. 液状塊を真空下において<40℃で乾燥させる。
注記:
1. HPLCにおける残留化合物6aの分析値(AN)はベースラインアーチファクトにより誇張される。この工程のHPLCは、化合物8aに対してわずか2%の化合物6aしか示していない。試薬をより多く添加し、反応時間を延ばしても、典型的には、化合物6aの観測される強度はそれ以上低減されないことが実験により実証されている。
2. TLC法:
溶離溶媒:100%酢酸エチル、
シリル化化合物9a(Rf:0.85)、化合物9a(Rf:0.50)。
【0097】
(実施例12)
式10の化合物の調製
【0098】
【化49】

化合物9aをイソプロピルアルコール水溶液と合わせ、30〜40℃まで温める。水酸化カリウム水溶液を加え、その反応をHPLCで監視する。終了したら、氷酢酸を加え、その混合液を60〜70℃まで温める。この溶液を熱ろ過し、55〜65℃まで冷却する。その溶液に種晶を加え(国際特許出願公報WO2005/113508号参照)、0℃まで冷却する。その生成物をろ過により単離し、冷イソプロピルアルコール水溶液で洗浄し、50℃以下で乾燥させて化合物10を得る。
【0099】
【化50】

1. 1.00kgの化合物9aを反応炉1に入れる。
2. 4.7kgのイソプロピルアルコールおよび4.0kgの水を反応炉1に入れる。3. 0.34kgの45%KOH水溶液を反応炉1に入れる。
4. 反応炉1内の混合液を30〜40℃まで温める。
5. 加水分解が終了したら、0.19kgの氷酢酸を加える。
6. 混合液を60〜70℃まで温め、溶液を反応炉2に研磨ろ過する。
7. 反応炉2内の混合液を55〜65℃まで冷却する。
8. 0.28倍量の、イソプロピルアルコールと水(6:4)中のスラリーとしての化合物10(国際特許出願公報WO2005/113508号参照)を種晶としてに加える。
9. 混合液を少なくとも2時間かけて18〜25℃まで冷却し、撹拌してスラリーを形成する。
10. 混合液を0℃まで冷却し、少なくとも2時間撹拌する。
11. 化合物10をろ過により単離し、その塊を3×1Sの冷イソプロピルアルコール:水(6:4)溶液で洗浄する。
12. 単離した固体を真空下において<50℃で乾燥させる。
【0100】
(実施例13)
化合物15の調製
【0101】
【化51】

ビスジメチルアミノエチルエーテル(2.84g)をTHF42mLに溶解し、氷浴で冷却した。塩化イソプロピルマグネシウム(2MのTHF溶液8.9mL)と、その後に続けて化合物14(5g、THF5mLに溶解したもの)をゆっくりと加えた。この混合液を周囲温度まで温め、一晩かき混ぜた。次に、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド2.1mLを加えた。約1時間かき混ぜた後、その混合液を2NのHClでクエンチし、pH約7にした。その生成物を酢酸エチル内に抽出し、その有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶媒をヘプタンに交換し、生成物を沈殿させ、ヘプタン:MTBE(4:1)の混合液を加えてスラリーを形成した。ろ過後、その固体をトルエン中でスラリーにし、ろ過、真空乾燥を行い化合物15を得た:
【0102】
【化52】

(実施例14)
化合物15aの調製
【0103】
【化53】

化合物14(5g)、塩化イソプロピルマグネシウム(2MのTHF溶液8.9mL)およびTHF(56mL)を周囲温度で合わせた後、50℃まで約5時間温めた。周囲温度まで冷却し、一晩かき混ぜた後、3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド2.1mLを滴下して加え、スラリーを形成した。一晩かき混ぜた後、その固体をろ過により単離し、MTBEで洗浄して化合物15aを得た。
【0104】
(実施例15)
化合物16の調製
【0105】
【化54】

トリエチルシラン(1.2mL)を、氷浴で予冷したトリフルオロ酢酸(2.3mL)に加えた。温度を5℃未満に保ちながら、化合物15(1.466g)をこの混合液に加えた。約2時間かき混ぜた後、氷を加えてこの反応物をクエンチした。その生成物をDCMで抽出し、その有機相をNaHCO水溶液で洗浄した。この有機相をNaSO上で乾燥させ、濃縮乾固した。その生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し1.341gの化合物16とした:
【0106】
【化55】

本明細書中において参考として援用した全ての公報、特許、および特許文書は、参考として個別に援用したものとする。本発明について、各種の具体的および好適な実施形態ならびに技術に関して説明した。しかしながら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく多数の変更および修正が可能であることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【公開番号】特開2013−47248(P2013−47248A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−230583(P2012−230583)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【分割の表示】特願2009−528433(P2009−528433)の分割
【原出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】