説明

エアバッグ装置

【課題】より確実かつ効果的にエアバッグがガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できるようにすること。
【解決手段】袋状に膨張展開可能なエアバッグ本体20と、前記エアバッグ本体20内にガスを供給するインフレータ12と、エアバッグ本体20の外周面に固着された一対の連結布30とを備えている。エアバッグ本体20のうち一対の連結布30が固着された間の部分がエアバッグ本体20内に折込まれるように折りたたまれ、かつ、一対の連結布30同士がエアバッグ本体20の膨張展開途中で分断するように連結されている。また、一対の連結布20の幅寸法がエアバッグ本体20の中央パネル部24の幅寸法と略同じに設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両乗員を保護するためのエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の衝突時等の緊急時に乗員を保護する装置として、種々のエアバッグ装置が提案されている。このようなエアバッグ装置は、車両が衝突した時等にインフレータによってエアバッグにガスを充填することにより、エアバッグが膨張して乗員を保護する構造とされている。ところで、助手席用のエアバッグ装置は、通常、ダッシュボードの上面側に取付けられており、インフレータのガスは、上方に向けて噴出される。このため、インフレータからのガス供給により、エアバッグはダッシュボードの上方に向けて膨張展開する傾向にある。
【0003】
しかしながら、乗員の衝撃を効果的に受止めるためには、エアバッグは、乗員側に向けて迅速に展開することが好ましい。そこで、エアバッグの膨張展開方向を制御する技術として、特許文献1及び特許文献2に開示の技術がある。特許文献1は、エアバッグの膨張完了時にその底部となる部分の膨張速度を遅くさせる抵抗手段を設ける技術が開示されている。抵抗手段の例としては、一端部がエアバッグの底部に固定されると共に他端部がバッグケースに連結されたひもが挙げられている。また、抵抗手段の他の例として、エアバッグの折返し部分同士を短いひもで連結する構成が開示されている。
【0004】
特許文献2は、エアバッグ内に設けたストラップによって、そのエアバッグの膨張展開方向を制御する技術が開示されている。このストラップの略中央部には縫合によって折畳み部が形成されており、エアバッグの膨張途中で内圧が上昇し、ストラップに作用する引張力が設定値に達すると、折畳み部の縫合糸が切れて、ストラップがさらに伸長し、エアバッグがさらに展開するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平3−16555号公報
【特許文献2】特許第3168591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1における各抵抗手段の例では、抵抗手段により膨張を抑制されたエアバッグの底部は、波打つように広がり得る構成であるため、エアバッグの膨張展開方向を制御できる効果、特に、エアバッグがガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる効果は低い。
【0007】
また、特許文献2では、エアバッグ内でその膨張展開を規制することになるため、その膨張展開を規制する部分を挟んで基端側及び先端側の2箇所で膨張する恐れがある。このように、エアバッグが基端側及び先端側の2箇所で膨張すると、先端側の膨張展開部分が、その後の膨張展開の妨げとなり、乗員側への膨張展開が妨げられる恐れがある。
【0008】
そこで、本発明は、より確実かつ効果的にエアバッグがガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、このエアバッグ装置は、一対の側部パネルと前記一対の側部パネル部の周縁部間に配設される中央パネル部とを縫い合せることにより形成され、袋状に膨張展開可能なエアバッグ本体と、前記エアバッグ本体内にガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ本体のうち前記中央パネル部によって構成される外周面に固着された一対の連結布と、を備え、前記一対の連結布同士が前記エアバッグ本体の膨張展開途中で分断するように前記エアバッグ本体のうち前記一対の連結布が固着された間の距離を短くするように連結され、前記エアバッグ本体のうち前記一対の連結布が固着された間の部分が、前記エアバッグ本体内に折込まれるように折りたたまれており、前記一対の連結布の幅寸法が前記中央パネル部の幅寸法と略同じに設定されているものである。
【0010】
この場合に、前記エアバッグ本体は、ガス供給口を有し、前記一対の連結布のうちの一方は、前記ガス供給口から第1の距離離れた位置に固着され、前記一対の連結布のうちの他方は、前記ガス供給口から前記第1の距離よりも大きな第2の距離離れた位置に固着されているとよい。
【0011】
また、前記一対の連結布は、前記エアバッグ本体の膨張展開形態で前記エアバッグ本体の下側に位置することになる一対の連結布が固着された間の部分を前記エアバッグ本体内に折込むように折りたたむように、連結されているとよい。
【発明の効果】
【0012】
このエアバッグ装置によると、前記一対の連結布同士が前記エアバッグ本体の膨張展開途中で分断するように前記エアバッグ本体のうち前記一対の連結布が固着された間の距離を短くするように連結され、前記エアバッグ本体のうち前記一対の連結布が固着された間の部分が前記エアバッグ本体内に折込まれるように折りたたまれているため、前記エアバッグ本体のうち前記一対の連結布が固着された間の部分が折込まれるように折りたたまれた状態で膨張展開した後、さらなるエアバッグ本体の膨張展開力が連結布同士を外方に向けて引張る力として作用し、この力により連結布同士の連結を破壊して全体的に展開する。したがって、より効果的にエアバッグがガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる。また、一対の連結布により、エアバッグ本体の外周囲でその膨張展開を規制することになるため、例えば、一対の連結布をエアバッグ本体内に設けた場合に比べて、一対の連結布の固着部分間でエアバッグ本体が膨張し難く、したがって、より確実にエアバッグがガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる。
【0013】
また、前記一対の連結布のうちの一方は、前記ガス供給口から第1の距離離れた位置に固着され、前記一対の連結布のうちの他方は、前記ガス供給口から前記第1の距離よりも大きな第2の距離離れた位置に固着されていると、エアバッグのうちガス供給口から比較的近い部分と比較的遠い部分間を折込めるように折りたためるため、エアバッグがガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる。また、インフレータから供給されたガスの噴出圧は、エアバッグ本体のガス供給口からその対向部分を遠ざける向きに作用し易いため、この力によりより確実に一対の連結布同士の連結を破壊することができる。
【0014】
また、前記一対の連結布は、前記エアバッグ本体の膨張展開形態で前記エアバッグ本体の下側に位置することになる一対の連結布が固着された間の部分を前記エアバッグ本体内に折込むように折りたたむように、連結されていると、エアバッグ本体の上方への膨張展開を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態について一対の連結布同士を連結する前の状態でのエアバッグ装置を示す図である。
【図2】一対の連結布同士を連結した状態でのエアバッグ本体を示す図である。
【図3】エアバッグ装置をダッシュボードに組込んだ状態を示す図である。
【図4】エアバッグ本体の膨張展開途中状態を示す説明図である。
【図5】エアバッグ本体の膨張展開状態を示す説明図である。
【図6】従来タイプのエアバッグ本体と実施形態に係るエアバッグ本体とを膨張展開させた場合の変化状態を対比して示す説明図である。
【図7】第2実施形態について一対の連結布同士を連結する前の状態でのエアバッグ装置を示す図である。
【図8】一対の連結布同士を連結した状態でのエアバッグ本体を示す図である。
【図9】図8のIX−IX線部分断面図である。
【図10】エアバッグ本体の膨張展開途中状態を示す説明図である。
【図11】エアバッグ本体の膨張展開状態を示す説明図である。
【図12】従来タイプのエアバッグ本体と実施形態に係るエアバッグ本体とを膨張展開させた場合の変化状態を対比して示す説明図である。
【図13】一対の連結布に係る変形例を示す図である。
【図14】一対の連結布に係る他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。図1は一対の連結布同士を連結する前の状態でのエアバッグ装置を示す図であり、図2は一対の連結布同士を連結した状態でのエアバッグ本体を示す図であり、図3はエアバッグ装置をダッシュボードに組込んだ状態を示す図である。
【0017】
このエアバッグ装置10は、車両の助手席前方にあるダッシュボード50に組込まれ、車両の衝突時等に助手席乗員前方に展開して、助手席乗員を受止めて衝撃を吸収する装置である。もちろん、本エアバッグ装置は、後部座席等他の箇所にも適用可能である。
【0018】
このエアバッグ装置10は、エアバッグ本体20と、インフレータ12と、一対の連結布30とを備えている。
【0019】
インフレータ12は、車両衝突時に、エアバッグ本体20内にガスを供給可能に構成されている。より具体的には、インフレータ12は、点火装置及びガス発生剤等を有しており、車両の衝撃検知部等からの点火命令信号等を受けて前記点火装置を発火させ、この発火によりガス発生剤を燃焼させて、これにより噴出するガスをエアバッグ本体20内に向けて供給する構成となっている。このインフレータ12は、エアバッグ本体20のうち後述するガス供給口20hの外側部分に、当該ガス供給口20hを通じてエアバッグ本体20内にガスを供給可能な態様で、ネジ等を用いて取付けられる。
【0020】
エアバッグ本体20は、袋状に膨張展開可能に構成されている。より具体的には、エアバッグ本体20は、細長袋状に膨張展開可能であり、その一端側部分は、その他端側部分よりも広く(ここでは、ダッシュボード50に組込まれて膨張展開した状態で上下方向に広く)、膨張展開可能に構成されている。また、エアバッグ本体20の他端側部分の下面、即ち、ダッシュボード50の上面部分近傍に配設される部分には、インフレータ12からのガスが供給されるガス供給口20hが形成されている。そして、本エアバッグ本体20は、ダッシュボード50の上面部分に組込まれた状態で、当該上面部分から側方の乗員側に向けて膨張展開可能に構成されている。この際、エアバッグ本体20のうち広く膨張展開した一端側部分は、ダッシュボード50の乗員側で膨張展開して乗員を受止めるようになっている。
【0021】
このようなエアバッグ本体20は、例えば、その両側面を構成する一対の側部パネル部22と、一対の側部パネル部22の周縁部間に配設される中央パネル部24とを有している。これら側部パネル部22や中央パネル部24は、布等で形成されている。そして、上記一対の側部パネル部22の周縁部に中央パネル部24の両側縁部を縫い合せると共に、中央パネル部24の端部を縫い合せて環状に形成することで、袋状に形成し、これをガス供給口20h等を利用して表裏反転させることで、上記のように袋状のエアバッグ本体20が形成される。
【0022】
一対の連結布30は、略帯状部材であり、エアバッグ本体20の外周面に固着部30aを介して固着されている。ここでは、一対の連結布30は、エアバッグ本体20の上記膨張展開形態で、下側に位置する部分に取付けられている。また、当該下側部分において、一方の連結布30は、ガス供給口20hから第1の距離L1離れた位置に固着されており、他方の連結布30は、前記第1の距離よりも大きい第2の距離L1離れた位置に固着されている(図1参照)。
【0023】
そして、一対の連結布30同士がエアバッグ本体20の膨張展開途中で分断するようにエアバッグ本体20のうち一対の連結布30が固着された間の距離を短くするように連結され、エアバッグ本体20のうち一対の連結布30が固着された間の部分がエアバッグ本体20内に折込まれるように折りたたまれている(図2参照)。より具体的には、上記膨張展開形態でエアバッグ本体20の下側に位置する部分が、エアバッグ本体20内に2つ折りに重なって折込まれた部分20aとなるように、一対の連結布30の先端部同士が連結されている。
【0024】
なお、一対の連結布30のエアバッグ本体20への固着及び一対の連結布30同士の固着(連結固着部分31参照)は、縫い合せによるものであってもよいし、その他、接着剤等による接着によるものであってもよい。ただし、後述するように、エアバッグ本体20が膨張展開する途中で、一対の連結布30同士の固着部分が破壊されて両者が分断するように、一対の連結布30のエアバッグ本体20への固着力よりも一対の連結布30同士の固着力が弱くなるように、設定されている。このような固着力の設定は、例えば、縫い合せに用いる糸の太さや材質、縫い合せ部分の大小、接着剤の材質や接着面積等を適宜調整することで行える。
【0025】
また、一対の連結布30の幅寸法は、エアバッグ本体20(即ち、中央パネル部24)の幅寸法と略同じであっても、それよりも小さくてもよい。もっとも、一対の連結布30の幅寸法がエアバッグ本体20の幅寸法と略同じであれば、例えば、エアバッグ本体20膨張展開する初期等において、エアバッグ本体20における前記一対の固着部分間を、より確実にエアバッグ本体20内に折込んで折りたたんだ状態で保持できるというメリットがある。
【0026】
上記エアバッグ装置10は、例えば、図3に示すような態様で、ダッシュボード50に組込まれる。
【0027】
すなわち、助手席前方にあるダッシュボード50の上面内部に、エアバッグケース52が固定されている。このエアバッグケース52には、インフレータ12が固定されており、上記エアバッグ本体20は、そのインフレータ12に取付けられた状態で、エアバッグケース52内に折畳む、又は、丸めるように巻く等して収容されている。
【0028】
なお、ダッシュボード50の上面であってエアバッグケース52の上方部分の周縁部は薄肉な割れ線に形成されており、エアバッグ本体20の膨張展開時には、その膨張展開の衝撃によりダッシュボード50の上面を当該割れ線で割開くようにして、エアバッグ本体20がダッシュボード50の上方に膨張展開可能とされている。また、このダッシュボード50の上方には、フロントウインドウWが前方下向き傾斜姿勢で配設されている。
【0029】
そして、図4に示すように、車両の衝突時等に、インフレータ12が作動すると、インフレータ12からダッシュボード50の上方に向けてガスが噴出される。このガスは、エアバッグ本体20内に供給され、エアバッグ本体20はダッシュボード50の上部を割り開いて、ダッシュボード50の上方で膨張展開しようとする。
【0030】
この際、ガスはダッシュボード50の上方に向けて噴出供給されるものの、エアバッグ本体20のうち膨張展開形態で下側となる部分が一対の連結布30同士の連結により内側に折込まれるように折りたたまれているため、ダッシュボード50の上方への膨張展開が抑制される。また、エアバッグ本体20が上方への膨張展開を抑制されつつガスが供給されるので、その分、エアバッグ本体20はダッシュボード50の上方から略水平方向、即ち、乗員側に向けても膨張しようとする傾向になる。
【0031】
ちなみに、ここで、エアバッグ本体20のうち下側となる部分が内側に折込まれていない場合には、図4の2点鎖線で示すように、ダッシュボード50上方へのガスの噴出圧力により、当該エアバッグ本体20は上方に向けて膨張展開しようとする。
【0032】
上記のように、エアバッグ本体20のうち膨張展開形態で下側となる部分が一対の連結布30同士の連結により内側に折込まれるように折りたたまれた状態で、エアバッグ本体20がある程度膨張した後、さらにエアバッグ本体20内にガスが供給されると、そのガスの圧力による膨張展開力により、一対の連結布30同士の連結部分が破壊し、それらの連結が分断される。
【0033】
すると、図5に示すように、主として、乗員側よりの部分で、エアバッグ本体20のうち前記内側に折込まれていた部分を膨張させるようにして、エアバッグ本体20が膨張展開する。これにより、エアバッグ本体20がダッシュボード50の上方及び乗員側で大きく膨張展開する。そして、車両の衝撃により、助手席乗員Pが前傾するように姿勢変更すると、助手席乗員Pの頭部や胸部等がエアバッグ本体20の一端側部分の大きく膨張展開した部分に当接し、当該乗員に加わった衝撃が吸収される。
【0034】
このように構成されたエアバッグ装置10によると、一対の連結布30同士がエアバッグ本体20の膨張展開途中で分断するようにエアバッグ本体20のうち一対の連結布30が固着された間の距離を短くするように連結され、エアバッグ本体20のうち一対の連結布30が固着された間の部分がエアバッグ本体20内に折込まれるように折りたたまれている。このため、エアバッグ本体20が膨張展開する際には、当初は、より確実にエアバッグ本体20のうち前記所定部分が内部に折込まれるように折りたたまれた状態で膨張展開する。そして、さらにガスが供給されると、連結布30同士の連結を破壊して全体的に膨張展開する。したがって、ガスの噴出方向前方への膨張展開をより確実に抑制することで、より効果的にエアバッグ本体20がガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる。また、一対の連結布30の固着部分で分断しているため、当該分断がエアバッグ本体20自体に影響を与え難い。
【0035】
特に、ここでは、一対の連結布30は、エアバッグ本体20の組付状態での膨張展開形態で下側に位置する部分をエアバッグ本体20内に折込むように折りたたんでいるため、エアバッグ本体20の上方への膨張展開を有効に抑制でき、側方、即ち、乗員側へ迅速に膨張展開させることができる。
【0036】
しかも、一対の連結布30がガス供給口20hから第1の距離L1離れた位置及びこれよりも遠い第2の距離L2離れた位置に固着されているため、エアバッグ本体20のうちガス供給口20hから遠近に離れた部分間を折込むように折りたためる。そして、エアバッグ本体20の膨張展開の際には、エアバッグ本体20がガス供給口20hから遠近で離れた部分で膨張しようとする力によって連結布30同士の連結を破壊して分断できる。したがって、インフレータ12からのガス供給によってより確実に一対の連結布30同士の連結を破壊することができる。
【0037】
また、一対の連結布30によりエアバッグ本体20の外周囲でその膨張展開を抑制しているため、膨張展開途中で複数の部分で膨張展開し難く、したがって、より確実にエアバッグ本体20がガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる。
【0038】
しかも、この一対の連結布30は、エアバッグ本体20の外側にあるので、連結布30同士の連結作業等が容易である。
【0039】
発明者らは実際に実験を行い、上記実施形態に係るエアバッグ本体と、一対の連結布が無い従来タイプのエアバッグ本体とを膨張展開させた場合の変化状態を観察した。
【0040】
図6は従来タイプのエアバッグ本体と上記実施形態に係るエアバッグ本体とを膨張展開させた場合の変化状態を対比して示す説明図である。図6(a)は従来タイプのエアバッグ本体についてガス噴出後からの経過時間t1〜t5における各変化状態を示しており、図6(b)は本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体について同経過時間t1〜t5における各変化状態を示している。なお、インフレータに固定されるガス供給口20h部分の所定の固定点を符号Aで示している。
【0041】
同図の経過時間t1において、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体20の上方到達位置は、従来タイプのエアバッグ本体120の上方到達位置よりもH1低い位置にあり、したがって、上方への膨張展開が抑制されていることがわかる。
【0042】
また、同経過時間t1において、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体20の側方到達距離Wb1は、従来タイプのエアバッグ本体120の側方到達距離Wa1よりも大きくなっている。したがって、側方、即ち、乗員へ迅速に展開していることがわかる。
【0043】
また、同図の経過時間t2おいても、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体20の側方到達距離Wb2は、従来タイプのエアバッグ本体120の側方到達距離Wa2よりも大きくなっている。したがって、側方、即ち、乗員へ迅速に展開していることがわかる。
【0044】
そして、経過時間t3〜t5においては、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体20も従来タイプのエアバッグ本体120も、ほぼ同様形態で、側方の乗員側へ膨張展開する。
【0045】
これらの実験結果から、従来タイプのエアバッグ本体120では、膨張展開初期段階において、一旦上方に膨張展開してから側方へ膨張展開する傾向にあることがわかる。
【0046】
これに対して、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体20は、膨張展開初期段階において、上方への膨張展開が抑制され、比較的迅速に、側方の乗員側へ膨張展開可能であることが実証された。
【0047】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。図7は一対の連結布同士を連結する前の状態でのエアバッグ装置を示す図であり、図8は一対の連結布同士を連結した状態でのエアバッグ本体を示す図であり、図9は図8のIX−IX線部分断面図である。
【0048】
このエアバッグ装置210は、車両の助手席前方にあるダッシュボード250(図10及び図11参照)に組込まれ、車両の衝突時等に助手席乗員前方に展開して、助手席乗員を受止めて衝撃を吸収する装置である。もちろん、本エアバッグ装置210は、後部座席等他の箇所にも適用可能である。
【0049】
このエアバッグ装置210は、エアバッグ本体220と、インフレータ212と、一対の連結布230とを備えている。
【0050】
インフレータ212は、車両衝突時に、エアバッグ本体220内にガスを供給可能に構成されている。より具体的には、インフレータ212は、点火装置及びガス発生剤等を有しており、車両の衝撃検知部等からの点火命令信号等を受けて前記点火装置を発火させ、この発火によりガス発生剤を燃焼させて、これにより噴出するガスをエアバッグ本体220内に向けて供給する構成となっている。このインフレータ212は、エアバッグ本体220のうち後述するガス供給口220hの外側部分に、当該ガス供給口220hを通じてエアバッグ本体220内にガスを供給可能な態様で、ネジ等を用いて取付けられる。
【0051】
エアバッグ本体220は、袋状に膨張展開可能に構成されている。より具体的には、エアバッグ本体220は、細長袋状に膨張展開可能であり、その一端側部分は、その他端側部分よりも広く(ここでは、ダッシュボード250に組込まれて膨張展開した状態で上下方向に広く)、膨張展開可能に構成されている。また、エアバッグ本体220の他端側部分の下面、即ち、ダッシュボード250の上面部分近傍に配設される部分には、インフレータ212からのガスが供給されるガス供給口220hが形成されている。そして、本エアバッグ本体220は、ダッシュボード250の上面部分に組込まれた状態で、当該上面部分から側方の乗員側に向けて膨張展開可能に構成されている。この際、エアバッグ本体220のうち広く膨張展開した一端側部分は、ダッシュボード250の乗員側で膨張展開して乗員を受止めるようになっている。
【0052】
このようなエアバッグ本体220は、例えば、次のようにして形成される。すなわち、エアバッグ本体220は、その両側面を構成する一対の側部パネル部222と、一対の側部パネル部222の周縁部間に配設される中央パネル部224とを有している。これらの側部パネル部222や中央パネル部224は、布等で形成されている。そして、一対の側部パネル部222の周縁部に、中央パネル部224の両側縁部を縫い合せると共に、中央パネル部224の両端部を縫い合せて環状に形成することで、袋状に形成し、これを、ガス供給口220h等を利用して表裏反転することで、上記のような袋状のエアバッグ本体220が形成される。
【0053】
一対の連結布230は、略帯状部材であり、エアバッグ本体220の外周面に固着部230aを介して固着されている。ここでは、一対の連結布230は、エアバッグ本体220の膨張展開形態で、当該エアバッグ本体220の両側部(ここでは両側部パネル部222)上方部分であって乗員側よりの位置にそれぞれ固着されている。
【0054】
そして、一対の連結布230同士が、エアバッグ本体220の膨張展開途中で分断すべく、エアバッグ本体220のうち固着部230a間の距離を短くするように連結固着部分231で連結されている。また、エアバッグ本体220のうち固着部230a間の部分がエアバッグ本体220内に折込まれるように折りたたまれている。
【0055】
より具体的には、上記一対の連結布230同士(ここでは先端部同士)が、膨張展開形態におけるエアバッグ本体220の上方部分で連結されている。そして、当該膨張展開形態におけるエアバッグ本体220の上方部分であって固着部230a間の部分がエアバッグ本体220内に2つ折状に重なって折込まれた部分220aとなるように、エアバッグ本体220内に折込むように折りたたまれている。
【0056】
換言すると、エアバッグ本体220を経由して両固着部230a間を結ぶ部分の長さ寸法L3は、相互連結された一対の連結布230を経由して両固着部230a間を結ぶ部分の長さ寸法L4よりも大きくなるように設定されている。そして、エアバッグ本体220のうち一対の連結布230の連結によって弛みとなる部分、即ち、エアバッグ本体220のうち一対の固着部230a間に存在する部分であって(L3−L4)の長さ部分が、エアバッグ本体220内に折込むように折りたたまれている。
【0057】
なお、一対の連結布230のエアバッグ本体220への固着及び一対の連結布230同士の固着は、縫い合せによるものであってもよいし、その他、接着剤等による接着によるものであってもよい。ただし、後述するように、エアバッグ本体220が膨張展開する途中で、一対の連結布230同士の連結固着部分が先に破壊されて両者が分断するように、一対の連結布230のエアバッグ本体220への固着力よりも、一対の連結布230同潮固着力が弱くなるように設定されている。このような固着力の設定は、例えば、縫い合せに用いる糸の太さや材質、縫い合せ部分の大小、接着剤の材質や接着面積等を適宜調整することで行える。
【0058】
また、一対の連結布230の幅寸法は、細くても幅広であってもよく、エアバッグ本体220の膨張展開形態を適切な態様にコントロールできるように適宜設定される。
【0059】
上記エアバッグ装置210は、次の態様で、ダッシュボード250内に組込まれる。すなわち、ダッシュボード250内にインフレータ212が固定されている。エアバッグ本体220は、そのインフレータ212に取付けられた状態で、ダッシュボード250内で折りたたむ又は丸めるように巻く等された形態で収容されている。
【0060】
このエアバッグ装置210の動作について図10及び図11を参照して説明する。
【0061】
すなわち、車両の衝突時等にインフレータ212が作動すると、インフレータ212からダッシュボード250の上方に向けてガスが噴出される。このガスは、エアバッグ本体220内に供給され、エアバッグ本体220はダッシュボード250の上部を所定の割り線で割り開いて、図10に示すように、ダッシュボード250の上方で膨張展開しようとする。
【0062】
この際、ガスは、ダッシュボード250の上方又は乗員側に向いた斜め上方に向けて噴出供給される。しかしながら、エアバッグ本体220のうち膨張展開形態で上方となる部分が一対の連結布230同士の連結により内側に折込まれるように折りたたまれているため、ダッシュボード250の上方又は乗員側に向いた斜め上方への膨張展開が抑制される。このようにダッシュボード250の上方又は乗員側に向いた斜め上方への膨張展開が抑制された結果、エアバッグ本体220は、より膨張展開し易い方向であるダッシュボード250の上方から略水平方向、即ち、乗員側に向けても膨張しようとする傾向になる。
【0063】
なお、一対の連結布230によってダッシュボード250の上方又は乗員側に向いた斜め上方への膨張展開が抑制される結果、エアバッグ本体220の固定箇所を基準としてエアバッグ本体220が最も大きく伸び出す長さ寸法L5は、一対の連結布230を省略した従来構成における最大伸び出し長さよりも小さくなるように設定されている。
【0064】
上記のように、一対の連結布230同士が連結されたままの状態で、エアバッグ本体220が乗員側にもある程度膨張した後、さらにエアバッグ本体220内にガスが供給されると、そのガスの圧力による膨張展開力により、一対の連結布230同士の連結部分が破壊し、それらの連結が分断される。
【0065】
すると、図11に示すように、主として、エアバッグ本体220のうち両固着部230a間で内側に折込まれていた部分を膨張させるようにして、エアバッグ本体220がさらに膨張展開する。この際、エアバッグ本体220のうち両固着部230a間は、当該エアバッグ本体220の幅方向に縮めるように折りたたまれているので、当該両固着部230a間は主としてエアバッグ本体220の両側外方に向けて膨張する。これにより、エアバッグ本体220は、ダッシュボード250の上方及び乗員側で大きく膨張展開した状態となる。そして、車両に加わった衝撃により、助手席乗員が前傾するように姿勢変更すると、助手席乗員の頭部や胸部等がエアバッグ本体220の一端側部分の大きく膨張展開した部分に当接し、当該乗員に加わった衝撃が吸収される。
【0066】
このように構成されたエアバッグ装置210によると、一対の連結布230同士がエアバッグ本体220の膨張展開途中で分断するように、エアバッグ本体220のうち一対の連結布230同士が固着された間の距離を短くするように連結され、エアバッグ本体220のうち両固着部230a間の部分がエアバッグ本体220内に折込まれるように折りたたまれている。このため、エアバッグ本体220が膨張展開する際、当初は、エアバッグ本体220の一部がより確実にエアバッグ本体220内に折りたたまれた状態で膨張展開する。そして、さらにガスが供給されると、連結布230同士の連結を破壊して全体的に膨張展開する。したがって、ガスの噴出方向前方への膨張展開をより確実に抑制することで、より効果的にエアバッグ本体220がガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる。また、一対の連結布230同士の固着部分で分断しているため、当該分断がエアバッグ本体220自体に影響を与え難い。
【0067】
また、一対の連結布230によりエアバッグ本体220の外周囲でその膨張展開を抑制しているため、膨張展開途中で複数の部分で膨張展開し難く、したがって、より確実にエアバッグ本体220がガスの噴出方向前方で大きく膨らもうとする傾向を抑制できる。また、この一対の連結布230は、エアバッグ本体220の外側にあるので、連結布230同士の連結作業等が容易である。
【0068】
しかも、一対の連結布230は、膨張展開形態におけるエアバッグ本体220の両側部にそれぞれ固着されており、一対の連結布230同士が、膨張展開形態におけるエアバッグ本体220のうち両固着部230a間の部分をエアバッグ本体220内に折込むように折りたたむように連結されている。このため、エアバッグ本体220の膨張展開力により、一対の連結布230同士の連結が破壊されると、エアバッグ本体220はその両側外方に向けて大きく膨張しようとする。これにより、一対の連結布230同士の連結破壊後、エアバッグ本体220が乗員側へ急激に展開することを抑制できる。
【0069】
さらに、一対の連結布230は、膨張展開形態におけるエアバッグ本体220の両側部上方にそれぞれ固着されており、一対の連結布230が、膨張展開形態におけるエアバッグ本体220の上方部分であって固着部230a間の部分をエアバッグ本体220内に折込むように折りたたむように連結されているため、当該折りたたみ部分はエアバッグ本体220の上方部分に存在することになる。このため、エアバッグ本体220の下方部分では当該折りたたみ部分が邪魔にならずに円滑に膨張展開でき、乗員側への膨張展開が円滑に行われる。
【0070】
もっとも、第2実施形態において、エアバッグ本体220のうち一対の連結布230の固着部230a間でエアバッグ本体220内に折込まれる部分は、必ずしも膨張展開形態におけるエアバッグ本体220の上方部分である必要はない。つまり、一対の連結布230が膨張展開形態におけるエアバッグ本体220の両側方に設けられ、一対の連結布230同士が連結されることで、エアバッグ本体220の部分が両側間で縮めるように折込まれていれば、一対の連結布230同士の連結分断後において、エアバッグ本体220を主として両側外方に膨張させることができ、乗員側への急激な膨張を抑制できる。
【0071】
図12は、従来タイプのエアバッグ本体と、本実施形態に係るエアバッグ本体とを膨張展開させた場合の変化状態を対比して示す説明図である。図12(a)は従来タイプのエアバッグ本体についてガス噴出後からの経過時間tb1〜tb4における各変化状態を示しており、図12(b)は本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体について同経過時間tb1〜tb4における各変化状態を示している。なお、各経過時間tb1〜tb4において両タイプに係るエアバッグ本体の側面視での変化状態を示しており、経過時間tb2及びtb4では、両タイプに係るエアバッグ本体の乗員側から見た変化状態を示している。
【0072】
膨張開始直後の経過時間tb1においては、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体220も、従来タイプのエアバッグ本体320も、同様形態で膨張展開する。
【0073】
そして、経過時間tb2において、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体220の伸び出し長Mb1は、従来タイプに係るエアバッグ本体320の伸び出し長Ma1よりも小さくなっている。また、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体220の上部における幅寸法Nb1は、従来タイプに係るエアバッグ本体320の上部における幅寸法Na1よりも小さくなっている。このように、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体220では、その上部で幅方向外方及び上方への膨張展開が抑制されていることがわかる。
【0074】
そして、経過時間tb3においては、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体220は、一対の連結布230同士の連結が破壊された直後の状態となっている。本エアバッグ本体220は、直前まで上記のように上部で幅方向外方及び上方への膨張展開が抑制されていた結果、乗員側へ大きく膨張展開していることがわかる。これに対して、従来タイプに係るエアバッグ本体320では、そのような制約が無いので、斜め上方へ大きく膨張していることがわかる。
【0075】
経過時間tb4においては、両エアバッグ本体220,320はほぼフル展開している。この際、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体220は、一対の連結布230同士の連結が破壊された後、幅方向外側に向けても大きく膨張展開していることがわかる。
【0076】
これらの実験結果から、従来タイプのエアバッグ本体320では、膨張展開初期段階において、一旦斜め上方に膨張展開してから側方へ(乗員側へ)膨張展開する傾向にあることがわかる。
【0077】
これに対して、本実施形態に係るタイプのエアバッグ本体220は、膨張展開初期段階において、斜め上方への膨張展開が抑制され、比較的迅速に、側方の乗員側へ膨張展開可能であることが実証された。また、一対の連結布230同士の連結が破壊された後、エアバッグ本体220は幅方向外側へも膨張展開することが実証された。これにより、乗員側への急激な膨張展開が抑制されていることが理解できる。
【0078】
<変形例>
図13は上記一対の連結布に係る変形例を示す図である。図13では一対の連結布30の外側に当該一対の連結布30上に重ねるようにして、帯状の第2の連結布32が設けられている。この第2の連結布32の両端部は、一対の連結布30の端部の外側に縫い合せや接着等の構成により固着されている。なお、第2の連結布32の両端部は、一対の連結布30の固着部分近傍で、エアバッグ本体20に固着されていてもよい。また、第2の連結布32のうち当該第2の連結布32を固着した部分間の長さ寸法は、エアバッグ本体20のうち第2の連結布32を固着した部分に対応する部分間の長さ寸法と略同じに設定されている。ここで、エアバッグ本体20のうち第2の連結布32を固着した部分に対応する部分とは、第2の連結布32を一対の連結布30の端部に固着した場合には、一対の連結布30をエアバッグ本体20の外面に沿って配設した状態で、当該固着部分をエアバッグ本体20の表面に投影した部分である。また、第2の連結布32をエアバッグ本体20に固着した場合には、前記固着した部分に対応する部分とは、その固着部分そのものを意味する。
【0079】
この一対の連結布30は、エアバッグ本体20が膨張展開した状態で、一対の連結布30間に引張られた状態で介在し、当該一対の連結布30がエアバッグ本体20から垂下がらないようにしている。
【0080】
図14は一対の連結布に係る他の変形例を示す図である。図14では、一対の連結布30のうち連結布30同士の固着部分である先端部を除く周縁部を、エアバッグ本体20に略U字状に縫い合せ又は接着等した固着部30bを介して固着している。
【0081】
そして、エアバッグ本体20の膨張展開に伴い、一対の連結布30同士の固着部分が分断されても、一対の連結布30はエアバッグ本体20から垂下がらずに当該エアバッグ本体20の外周面に接触した状態で維持されるようになっている。
【0082】
これらの図13及び図14に示す変形例は、一対の連結布30同士の固着部分が分断されてエアバッグ本体20が膨張展開する際に、当該連結布30がエアバッグ本体20から垂下がることを防止し、エアバッグ本体20をより円滑に膨張展開させる役割を有している。
【0083】
これらの変形例は、上記第1及び第2実施形態の双方に適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
10,210 エアバッグ装置
12,212 インフレータ
20,220 エアバッグ本体
20a,220a 折込まれた部分
20h,220h ガス供給口
30,230 連結布
31,231 連結固着部分
30a,230a 固着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側部パネルと前記一対の側部パネル部の周縁部間に配設される中央パネル部とを縫い合せることにより形成され、袋状に膨張展開可能なエアバッグ本体と、
前記エアバッグ本体内にガスを供給するインフレータと、
前記エアバッグ本体のうち前記中央パネル部によって構成される外周面に固着された一対の連結布と、
を備え、
前記一対の連結布同士が前記エアバッグ本体の膨張展開途中で分断するように前記エアバッグ本体のうち前記一対の連結布が固着された間の距離を短くするように連結され、前記エアバッグ本体のうち前記一対の連結布が固着された間の部分が、前記エアバッグ本体内に折込まれるように折りたたまれており、前記一対の連結布の幅寸法が前記中央パネル部の幅寸法と略同じに設定されている、エアバッグ装置。
【請求項2】
請求項1記載のエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ本体は、ガス供給口を有し、
前記一対の連結布のうちの一方は、前記ガス供給口から第1の距離離れた位置に固着され、
前記一対の連結布のうちの他方は、前記ガス供給口から前記第1の距離よりも大きな第2の距離離れた位置に固着されている、エアバッグ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のエアバッグ装置であって、
前記一対の連結布は、前記エアバッグ本体の膨張展開形態で前記エアバッグ本体の下側に位置することになる一対の連結布が固着された間の部分を前記エアバッグ本体内に折込むように折りたたむように、連結された、エアバッグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−224336(P2012−224336A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182844(P2012−182844)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2007−258778(P2007−258778)の分割
【原出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】