エネルギー吸収分散物質
基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部又は円錐体とを有する少なくとも一つのユニットと、少なくとも一つの該ユニットを少なくとも一つの隣接ユニットへと連結する連結部材又は棒を備え、該連結部材は、該基礎部から該軸に実質的に垂直に延在する、相互に連結されたユニット機構から成るエネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、該機構は、全て単一の弾性素材から成っているか、又は該ユニットが該隣接ユニットに向かって倒れることによって該機構が摂動されたときに、該隣接ユニットが該ユニットに向かって倒れるように構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重を支えるか、又は衝撃若しくは振動を吸収する際に用いる、運動エネルギーを吸収し、分散させる物質に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の物質が、そうしなければ構造又は体の内部に伝達されてしまう衝撃、振動又は荷重からのエネルギーを吸収するため、又は消散させるために用いられている。このような物質は、たとえばコンタクトスポーツ用の運動用品、建築資材、防音資材、シートのクッションや自動車等、そのような吸収や消散が望まれるところで、幅広く利用されている。
【0003】
良く知られた衝撃吸収器具としては、弾性素材やゴムで作られた一定の厚さを有するシート状の物質がある。発泡プラスチック製のシートはクッションとして働き、その物質の圧縮により、荷重や衝撃からのエネルギーを吸収する。従って、その物質を通じてより小さい力が構造内部に伝達される。
【0004】
これらの衝撃吸収器具には、多くの難点がある。特に、これらの器具は大体は、圧縮を、構造内部への、荷重又は衝撃による力の伝達を減少させる最も重要なメカニズムとしている。その結果として、それらの衝撃又は荷重からのエネルギーを吸収する有効性は、その衝撃吸収物質の厚さと、その弾性及び密度によって必然的に定まる。
【0005】
成形品において要求される、衝撃吸収物質の厚さは、好ましくない性質の増加をもたらす。そのような器具を着用している時、有効な衝撃吸収のために要求される物質の厚さは器具の柔軟性を減少させるため、着用者の可動域は、制限されてしまう。良く使用される物質は、また弾性に関しても大体制限され、柔軟性が減少する。さらに、成形品の厚さ及び範囲は、成形品と体との間の空気の流れを制限し、体の熱の、好ましくない保持を引き起こす。そのような器具を軽量化する能力はまた、物質の厚さへの依存性によってまた制限されている。
【0006】
このような器具は、衝撃の力の範囲が比較的小さいような場合にのみ適している。その物質は、その範囲外では適切な抵抗力を備えていないからである。薄くて低密度の物質は一般的に、高いエネルギーの衝撃が予期される場面での利用において、効果的なエネルギー吸収力を備えていない。
【0007】
一方、高密度の物質は慎重に用いられるべきである。もしそれらが高密度過ぎたり硬すぎたりする場合には、物質内部が損傷したり、損害を被る可能性があるからである。このように、多くの用途においてこれらの器具は、密度の十分低い物質が、衝撃の際に十分な抵抗力を備えるために要求される厚さによって、要求より柔軟でなかったり、重くなりがちである。
【0008】
構造的な特徴を有したり、エネルギーを吸収する複合材料を用いて使用する器具がある。たとえば、接着剤や溶接という物理的手段によって層状に重ねられ、保持された密度の異なる二つの衝撃吸収物質から成る物質がある。より柔らかく、低密度の物質の層は、体に触れるのにより適した表面を提供し、一方より硬く、密度の高い物質の層は薄くなった厚さで、より大きい抵抗力を備える。また、異なる物質で形成された、剛体又は半剛体の基板上に装着された複数の円錐を有する合成物の構造からなる物質もある。
【0009】
これらの器具は、発砲プラスチックのシートにおいては利点を有するが、これらの器具は、圧縮を、衝撃力を減少させる最も重要なメカニズムとしている。その結果として、これらの器具の有効性は、主にその物質の厚さによって定まる。器具の有効性は、一般的にその器具内の物質の量と密度に依存しているため、軽くて柔らかい器具を実現できる能力は制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
柔軟で軽く、また大きくはなく、そして加えられる力のレベルによって異なって反応する衝撃吸収構造に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つのユニットを少なくとも一つの隣接ユニットへと連結し、且つ前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍から、該軸に実質的に垂直に延在している少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、該機構は、全て単一の弾性素材から成っていることを特徴とするエネルギーを吸収且つ伝達する物質に関する。
【0012】
本発明はまた、基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、第二の基礎部と、機構が停止中には実質的に該軸と並行になる第二の軸に沿って該第二の基礎部から延在する第二の突出部とを有する、前記少なくとも一つのユニットに隣接する少なくとも一つの隣接ユニットと、前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍と、該隣接ユニットの該第二の基礎部近傍とを連結し、且つ機構が停止中には該ユニットの間で該軸と該第二の軸の双方に実質的に垂直に延在する少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、前記少なくとも一つの連結部材は弾性があり、該軸から0度より大きく90度未満の角度で外れて該突出部に加えられる力によって、前記少なくとも一つのユニットが該隣接ユニットに向けて傾くように該機構が摂動された時に、該隣接ユニットが該ユニットに向けて傾くことを特徴とする、エネルギーを吸収且つ伝達する物質に関する。
【0013】
本発明はさらに、上記の物質において、突出部がそれぞれ軸に沿って突出部から延在するチップを有し、チップは、同じか、又は異なったサイズ又は形状であることを特徴とする物質に関する。
【0014】
本発明はまた、上記の物質において、少なくとも一つのユニットは、該突出部と反対方向に延在し、かつ該基礎部上に離れて配置されている2以上の底部突起をさらに有することを特徴とする物質に関する。
【0015】
本発明は、上記の物質において、少なくとも一つのユニットと、少なくとも一つの隣接ユニットは、異なった密度と、異なった形状とを有するか又は、ユニット及び隣接ユニットよりも、異なったサイズ、形状、又は密度を有し、且つユニット及び隣接ユニットに隣接する追加ユニットを、少なくとも一つさらに有する物質に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施態様は、以下の図面及び実施例を参照しながら説明される。
【図1】本発明の一実施態様におけるユニットの断面図である。
【図2】図1のユニットの機構の平面図である。
【図3】図2に示された機構の底面図である。
【図4】図2の機構の上面斜視図である。
【図5】図2の機構の底面斜視図である。
【図6a】本発明の別の実施態様における連結部材の断面図である。
【図6b】図6aのユニットの機構の上面図である。
【図7】本発明の別の実施態様における機構の上面図である。
【図8a】本発明のユニットの断面図である。
【図8b】図8aのユニットの機構の斜視図である。
【図8c】本発明の別の実施態様における図8aのユニットの機構の上面図である。
【図8d】本発明の別の実施態様における図8aのユニットの機構の上面図である。
【図9】本発明の別の実施態様におけるユニットの側面図である。
【図10】本発明の別の実施態様における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施態様における断面図である。ユニット1、2は、基礎部4、5と、基礎部4、5から上方に延在する突出部6、7と、から形成される。隣接するユニット1、2は、少なくとも一つの連結部材3によって、ユニット1、2のそれぞれの基礎部4、5において、又はその付近で、機構を形成するために連結される。
【0018】
本実施態様において、それぞれのユニット1、2は、突出部の最も上部に位置するチップ8、9と、それぞれの基礎部4、5から下方に延在する底部突起10、11とを有する。他の実施態様においては、チップ、底部突起、又はこれらの双方は省略される。
【0019】
突出部6、7は、基礎部4、5から、垂直軸に沿って上方に延在する。突出部6、7は、荷重がかかると圧縮する。これらはまた、荷重がかかると垂直方向に歪む傾向を有する。本実施態様においては、突出部6、7は円錐状である。
【0020】
本実施態様において、基礎部4、5は半球状に丸みを帯びている。少なくとも一つの底部突起10、11は、ユニットと、あらゆる下部の表面との接触を減らすために、それぞれの基礎部4、5から下方に延在している。基礎部4、5の形状と底部突起の形状及び位置は、あるユニットが、隣接ユニットに相対的に傾く傾向を増加させるように選択される。
【0021】
ある衝撃の際に、ユニット1、2は圧縮し、また歪む。それによって、エネルギーは連結部材3に沿って消散する。荷重がかかると、いくつかのユニットは歪むか、又は他の隣接ユニットに対して相対的に傾く傾向がある。
【0022】
特定のユニット1、2のたわみは、曲がり、引く動作によって、連結部材3と、ユニット1、2には直接は隣接していない他のユニットを通じて、機構内の他のユニットに伝達されるエネルギーを引き起こす。連結部材3は、好ましくは、ユニットのたわみが、衝撃によって引き起こされるように、ユニット1,2に連結される。好ましくは、連結部材3は基礎部4、5において、またはその付近で、ユニット1,2に接続され、基礎部4,5と突起6,7とが接触する位置に配置される。それによって、あるユニットがたわむか又は傾いた時に、ユニットと隣接ユニットとが、お互いの方向に向かって傾く。
【0023】
それぞれのユニット1、2は、突出部6、7の最上部に位置するチップ8、9をまた有する。表面との摩擦接触によって、チップ8、9は衝撃の際に、より低いエネルギーの、振動と、激しい揺れの力を効果的に吸収する傾向を有する。チップ8、9はまた、突出部6、7の、より高い衝撃力に対するたわみの助けとなる。突出部6、7の高さは同一である必要はないが、衝撃のかかる領域にある全てのチップが、衝撃によってたわむことが好ましい。
【0024】
チップ8、9は、下部の突出部6,7とは異なった形状を有するか又は異なった密度を有する。そして、チップ8、9は、荷重がかかると突出部6,7よりも変形しやすい。例えば、図に示されているように、チップ8、9はシリンダー状で、円錐状の突出部6,7上に配置されている。チップ8、9は、チップ8、9上に対して真っ直ぐでないいかなる荷重がかかった際には、円錐状の突出部6、7よりも変形しやすく、また一般的にそのような荷重がかかると曲がる。
【0025】
図2において、ユニット1、2は、機構又は連結されたユニット網12を形成するために、少なくとも一つの連結部材3によってお互いに、及び他のユニットと連結されている。突出部6、7の底部は円形であり、突出部7の底部は突出部6の底部よりも大きな半径を有する。
【0026】
さらに好ましい実施態様においては、より狭いユニット1と、より広い隣接ユニット2とが、機構12内においてお互いに交互に配置されている。ユニットと隣接ユニットとは、サイズ、形状、密度において同一でも良いし、それらのうち一つ、又は全ての性質において異なっていても良い。
【0027】
他のとりうる実施態様においては、機構において、三つかそれ以上の異なったサイズ、形状、又は密度を有するユニットがある。この実施態様では、機構内の種々の領域によって予測される荷重の違いに対応するために、機構によってサイズ、形状、又は密度が変わりうる。例えば、内部構造が繊細又は傷つきやすい領域を有し、一つかそれ以上の、繊細な領域を取り囲むより頑丈な領域を有する場合の使用では、機構は、繊細な領域ではより小さいかまたは密度の低いユニットを採用し、より頑丈な領域ではより大きいかまたは密度の高いユニットを採用することができる。これは、機構全体に加えられる力を、より多く頑丈な領域に集中させ、繊細な領域に比較的少なく集中させる役目を果たす。
【0028】
他の実施例は、力が、機構のより小さい範囲に加えられるという点で、より集中的な衝撃をより逸らすために、異なったサイズ又は形状のユニットが用いられる。より小さいユニットは、より集中的な荷重や衝撃が予期される領域において採用されうる。
【0029】
ユニットと隣接ユニットの、圧縮とたわみの性質の違いは、変化する力のレベルに、より対応して抵抗する機構をもたらす。より狭いユニット1は、より広いユニット2よりも敏感に倒れたり傾いたりする。チップ8、9の変形はある程度のエネルギーを吸収するため、チップ8、9の追加は、機構12の、エネルギーを消散する能力を増加させる。そして、機構12全体においてユニット1,2の傾きを増加させ、それによってさらにエネルギーを消散させる。
【0030】
ユニット1と隣接ユニット2とが、荷重がかかってお互いの方向に傾いた時、荷重が増加した場合は、ユニットはある角度までさらにたわむが、ますます圧縮する。継続的により大きい荷重がかかると、ユニットは完全にたわみきって、お互いの上で、連結部材の上で、又は内部構造の上で停止してしまう。このような状況下では、物質は均一の泡のシートのように振る舞い、継続する荷重に対して圧縮を続ける。荷重が取り除かれた時に、ユニットが機構に対してもとの位置に戻るように、物質は弾性体であることが好ましい。
【0031】
本発明の別の実施態様では、異なるサイズのユニットが、機構内において別の規則的な配置がなされる。例えば、一つの、大きい又は広いユニットが、二つおき、三つおき、四つおき、五つおき、等々の間隔で配置される。小さい又は狭い他の全てのユニットがそれぞれの列に配置されている。他の実施態様では、機構内の特定の領域に現れるか、又は機構を通じて完全にランダムに現れると予期される荷重に対応するために、異なったサイズのユニットが非規則的に配置される。
【0032】
別のとりうる実施態様では、突出部6,7、基礎部4,5、連結部材3、もしあればチップ8、9、もしあれば底部突起10、11のうちいずれか一つ又はこれら全ては同じか又は異なるサイズ、形状、密度、又は物質を有する。
【0033】
機構全体を通しては同じ物質が用いられることが好ましい。全体を通して同じ物質を用いることが望ましい、なぜなら物質を容易に一つの連続するシート状に型で作るか、又は成形し、それによって製造が容易になるからである。一実施例においては、物質は射出成形又は圧縮成形される。
【0034】
また、機構12の全体を通して同じ物質が用いられるが、種々の構造ユニットそれぞれの物質の密度は、衝突抵抗性能を異ならせるために、調整可能にそれぞれ異なっていることが望ましい。サイズに関しては、機構12内でサイズを異ならせることは、圧縮とたわみ性能の違いのため、加えられた力に対する反応性の広範囲化をもたらす。他の実施例においては、突出部6は、突出部7よりも高いか又は低い密度を有し、チップ8は、突出部6より高いか又は低い密度を有し、かつ/又はチップ8はチップ9より高いか又は低い密度を有する。この実施例において、より高密度が望まれる箇所において、より多くの物質を射出することにより、機構の、ある要素の密度を変化させることが可能である。
【0035】
例えば、対応するチップを有し、隣接ユニットよりも高い密度のユニットを有する実施態様において、高い密度のユニットは比較的剛性を有し、初めの荷重に対してより傾きやすい傾向を有する。荷重が増加するにつれて、比較的高密度のユニットは完全にたわみきるまで倒れるまで、より柔らかいユニットは圧縮して荷重に耐える。一度完全にたわみきると、比較的高密度のユニットもまた圧縮して荷重に耐え、それにより増加した荷重に対して追加的な抵抗力を備える。この例において、ユニットの特定の構造又は異なる密度の働きによって、物質は、様々な範囲の荷重又は変化する荷重に対して対応することができる。ユニットのサイズ、形状又は密度は、いろいろな、潜在的な荷重曲線に合うように調整される。
【0036】
図3は、機構12内の構造ユニットの配置の、底面から見た図である。それぞれのユニットは、独立して一つ又は複数の底部突起10、11を有する。さらに、底部突起10、11は、サイズが変更しうる。底部突起10、11は、ユニットが隣接ユニットに対して比較的たわむか、又は傾きやすくなるように配置される。これは、ユニットに比較的安定的な基板を形成するために基礎部の底面に三角形状、四角形状又は他の規則的な多角形状に配置し、隣接ユニットに不安定な基板を形成するために一つか、又は不規則に底部突起を形成することで達成される。
【0037】
図2と図3はまた、それぞれのユニットの周囲に90度の角度で配置された4つの連結部材を描いており、その結果として四角形の格子状に形成された機構をもたらしている。本発明の別の実施態様では、ユニットは異なった数の連結部材と連結されており、特定の構造ユニットに連結された連結部材はお互いに異なった角度でずれている。そのような実施例における機構は、異なった幾何学的な配置になっている、例えば、三角形や、六角形の格子状である。
【0038】
同じ実施態様における機構の最上部の構造が図4に示されている。衝撃の際に、チップ8、9は振動を抑えて、機構が、衝撃の力と共に適切に動くようにする。より大きな力がかかった時、一つか、又はグループのユニット1、2は、連結部材3に対して曲がり、それが、エネルギーをこれらの連結部材を通じて分散させ、消散させる。
【0039】
図5に描かれているように、基礎部4、5は、機構下部の内部接触表面(図示せず)と接触を最小限に抑えるために、半球状の構造に形成することが好ましい。基礎部4、5の半球状の形状によって、機構内の空気流がもたらされ、ユニット1,2のお互いに倒れ、転がる能力が最大化され、増幅される。
【0040】
底部突起10、11はさらに機構12と接触表面との間の接触を最小化する。このように構成される時、基礎部4,5はまた圧縮して衝撃を吸収する助けとなり、鉛直下方の力に対して連結部材が曲がるようにする。この曲がりは、機構全体のエネルギーを吸収して、かつ拡散させる。
【0041】
突出部は、荷重に耐えられる形状であればどのような形状でもよい。他の実施態様においては、突出部の形状は、適切な形状、又は圧縮することによって荷重に耐えられる、円錐台、半球、卵形、シリンダー形、任意の多面体、又は先端に向かって細くなる形状のような形状に形成される。
【0042】
例えば、図6aは、突出部の形状が異なって形成されている他の実施態様を示している。ユニット101は、底部が開いている突出部106に接続される、反転した環状の溝の形状に形成された基礎部104を含む。力が突出部106に加えられると、ユニット101は非対称的にたわむ。基礎部104を通じた、ユニット101の、曲がり動作及び引き動作は、衝撃からのエネルギーを、連結部材103を通して他のユニットへ伝達する。
【0043】
図6bは、図6aに示すユニットがどのようにして機構112内で連結されるかを示している。ユニットに接続されるための連結部材の形状は数多くあることに注意する。図6bにおいては、それぞれの連結部材113は、90度の角度で離れて、4つのユニットに接続され、一つの連結部材が、他の連結部材と「交差」しているように見える。
【0044】
図7は、連結部材203が、ぞれぞれのユニットに60度の角度で接続されている機構212に、ユニットが接続されている様子を示している。その結果、連結部材203は、3本の軸150、160、170に沿っている。他の実施態様においては、それぞれのユニットに接続される連結部材の数は異なり、特定の構造のユニットに接続されている連結部材は、お互いに異なる角度でずれている。
【0045】
再び図7を見ると、連結部材203は、ユニットとの接続位置において細くなっている。他の実施態様においては、連結部材の寸法は、用途や、所望の性能によって他の形に変わる。例えば、連結部材の長さ及び/又は厚さ、又は直径は、所望の性質によって変わる。厚く、短い連結部材は、エネルギーをより効率的に伝達し、より強い衝撃に抵抗するために用いられ、狭い連結部材は、より多くの伸びと柔軟性を備え、その結果機構はより軽くなり、多くの空気流をもたらす。連結部材はまた曲げられ、一方の先端において細くすることが可能である。異なった密度にすることもできる。さらに、力を機構内の特定の領域へと伝達するために、機構内において異なった連結部材の混合したものを用いることもできる。
【0046】
図8aは、本発明のユニットの他の実施態様を示す図である。ユニット301は、基礎部305から突起する複数の支持物316を有する突出部306を含む環状の基礎部305を含む。チップ308は、基礎部305によって描かれる円内で、複数の支持物316が交差する位置に配置される。
【0047】
図8bにおいて、ユニット301の複数の支持物316は、基礎部305の上方に、半球状の突出部306を形成する。チップ308は、突出部306の上、つまり複数の支持物316が交差する位置に止まっている。
【0048】
図8cは、図8aのユニットがどのように機構312を形成するかを示している。連結部材で接続されているというよりもむしろ、ユニット301は基礎部305同士の直接の接触によって接続されている。本実施態様において、ユニット301は機構内の3本の軸250、260、270に沿って60度の角度で配置されている。
【0049】
ユニットはまた、直接接触及び連結部材323、333の双方によっても接続される。複数のユニットを接続する最初の連結部材323があり、湾曲する第二の連結部材333がある。
【0050】
図9は、他にとりうるユニットの形状を示している。このユニット401内の突出部406は、環状の基礎部405から突起する2つの支持物416を有する。チップ408は、2つの支持物が接触する位置である、突出部406の先端に配置されている。
【0051】
本発明は、ヘルメット、胸当て、すね当て、又はパッドのようなスポーツ用品に特に適している。なぜなら本発明は柔軟で、軽く、衛生的で、調節可能で、継続的な衝撃吸収性能を備え、空気流を最大化するからである。これらの用途において、構造的なユニットの機構は、特定の三次元構造を満たすように形成され、かつ/また、片端、又は両端が、貫通性の力を防御するための外殻で覆われる。
【0052】
図10に示されるように、機構512内の一つか、それ以上のユニット501は、用途に依存する、他の物質の層に係合する、又は装着された追加的な突起513をさらに有する。ある用途においては、剛体又は半剛体のプレート514がこれらの追加的突起513に装着される。示された実施態様においては、全てではないがいくつかのユニット501はこのように装着され、プレート514に、機構512に対する方向に荷重がかかっている時は、機構512内のいくつかのユニットが、上述したように傾くか、たわむかできるようにする。このような追加的突起513は、プレートが、機構に対して相対的に滑ることができるようにする。プレートは、移動可能か、又は取り外せないように装着されている。
【0053】
示されてはいない他の実施態様においては、チップ、又は機構内のいくつかのユニットの追加的な突起は、布のような柔らかい素材に装着されている。荷重がかかると、布が、それに装着されているユニットを引っ張り、ユニットが、荷重がかけられている位置から比較的離れた位置にある場合でも、ユニット及び他の隣接ユニットを曲げ、たわませる。
【0054】
他の実施態様においては、機構は、ある部分において、内部表面に装着されているか、取り付けられている。それにより、いくつかのユニットが、荷重に対して傾くか、たわむかすることができる。
【0055】
機構全体は、一つの素材で形成されていることが望ましい。圧縮可能な素材が適しており、弾性体であることが好ましい。また、その弾性性能を大きく損なうことなく圧縮性と密度を変えられるように用いることが好ましい。適した素材の例としては、エラストマー、一般的なプラスチック、天然、あるいは人工のゴム、又は発泡体が含まれる。本発明に好ましい素材としては弾性を有するEVA(エチレン酢酸ビニール)の独立気泡物質がある。しかしながら、第一の素材を連結部材に用い、別の素材をユニットに用いる、というように、二つかそれ以上の素材を組み合わせても機構は機能する、それでもやはり荷重がかかると隣接ユニットは傾き、たわむことができる。
【0056】
本発明は、機械、又はフライス加工によって作ることができるが、型を用いて作ることが好ましい。また、本発明の機構は、一工程で作ることが好ましい。しかしながら、いくつかの工程を用いて作ることも可能である。例えば、連結部材と突出部とをお互いに分離して成形することができ、また機構の上部半分と下部半分とを前もって成形しておき、一緒に取り付けたり、成形することができる。
【0057】
上述したように、本発明によって製造される機構は、形状、サイズ、密度、素材、連結部材の寸法、そして機構内のユニットの形状及び配置等において変化する。そして、これらの種類の中から選択することで、本発明の機構は、衝撃や振動からのエネルギーを吸収する一般的な用途だけでなく、特定の用途にも容易にカスタマイズできる。例えば、ある領域ではより多くのエネルギーを吸収するように設計され、かつ/または、より多くのエネルギー又は力を特定の領域、又は特定の軸に沿って逸らす。
【0058】
機構はまた、全てのユニットが平坦か、又は三次元の物体に対して、若しくはその周りに沿って適合するように湾曲した面と交差するように形成することもできる。機構のある部分は、三次元形状に適合するように、又は重ねられた時に追加的に力を消散させるように接着され、又は連結される。
【0059】
本発明はその特性により、耐荷重性、振動抑制、衝撃力の緩和が要求される多くの用途に適している。
【0060】
当然のことながら、上記記載は、実施例のみに基づく好ましい実施態様に関する。本分野における知識を有している者であれば、本発明の要旨から逸脱しない範囲で、本発明を提供するためのシステム及び方法における種々の変化が明らかであり、そのような変化は、明確に記載されていようといまいと、本発明の範囲内で含まれている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重を支えるか、又は衝撃若しくは振動を吸収する際に用いる、運動エネルギーを吸収し、分散させる物質に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の物質が、そうしなければ構造又は体の内部に伝達されてしまう衝撃、振動又は荷重からのエネルギーを吸収するため、又は消散させるために用いられている。このような物質は、たとえばコンタクトスポーツ用の運動用品、建築資材、防音資材、シートのクッションや自動車等、そのような吸収や消散が望まれるところで、幅広く利用されている。
【0003】
良く知られた衝撃吸収器具としては、弾性素材やゴムで作られた一定の厚さを有するシート状の物質がある。発泡プラスチック製のシートはクッションとして働き、その物質の圧縮により、荷重や衝撃からのエネルギーを吸収する。従って、その物質を通じてより小さい力が構造内部に伝達される。
【0004】
これらの衝撃吸収器具には、多くの難点がある。特に、これらの器具は大体は、圧縮を、構造内部への、荷重又は衝撃による力の伝達を減少させる最も重要なメカニズムとしている。その結果として、それらの衝撃又は荷重からのエネルギーを吸収する有効性は、その衝撃吸収物質の厚さと、その弾性及び密度によって必然的に定まる。
【0005】
成形品において要求される、衝撃吸収物質の厚さは、好ましくない性質の増加をもたらす。そのような器具を着用している時、有効な衝撃吸収のために要求される物質の厚さは器具の柔軟性を減少させるため、着用者の可動域は、制限されてしまう。良く使用される物質は、また弾性に関しても大体制限され、柔軟性が減少する。さらに、成形品の厚さ及び範囲は、成形品と体との間の空気の流れを制限し、体の熱の、好ましくない保持を引き起こす。そのような器具を軽量化する能力はまた、物質の厚さへの依存性によってまた制限されている。
【0006】
このような器具は、衝撃の力の範囲が比較的小さいような場合にのみ適している。その物質は、その範囲外では適切な抵抗力を備えていないからである。薄くて低密度の物質は一般的に、高いエネルギーの衝撃が予期される場面での利用において、効果的なエネルギー吸収力を備えていない。
【0007】
一方、高密度の物質は慎重に用いられるべきである。もしそれらが高密度過ぎたり硬すぎたりする場合には、物質内部が損傷したり、損害を被る可能性があるからである。このように、多くの用途においてこれらの器具は、密度の十分低い物質が、衝撃の際に十分な抵抗力を備えるために要求される厚さによって、要求より柔軟でなかったり、重くなりがちである。
【0008】
構造的な特徴を有したり、エネルギーを吸収する複合材料を用いて使用する器具がある。たとえば、接着剤や溶接という物理的手段によって層状に重ねられ、保持された密度の異なる二つの衝撃吸収物質から成る物質がある。より柔らかく、低密度の物質の層は、体に触れるのにより適した表面を提供し、一方より硬く、密度の高い物質の層は薄くなった厚さで、より大きい抵抗力を備える。また、異なる物質で形成された、剛体又は半剛体の基板上に装着された複数の円錐を有する合成物の構造からなる物質もある。
【0009】
これらの器具は、発砲プラスチックのシートにおいては利点を有するが、これらの器具は、圧縮を、衝撃力を減少させる最も重要なメカニズムとしている。その結果として、これらの器具の有効性は、主にその物質の厚さによって定まる。器具の有効性は、一般的にその器具内の物質の量と密度に依存しているため、軽くて柔らかい器具を実現できる能力は制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
柔軟で軽く、また大きくはなく、そして加えられる力のレベルによって異なって反応する衝撃吸収構造に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つのユニットを少なくとも一つの隣接ユニットへと連結し、且つ前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍から、該軸に実質的に垂直に延在している少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、該機構は、全て単一の弾性素材から成っていることを特徴とするエネルギーを吸収且つ伝達する物質に関する。
【0012】
本発明はまた、基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、第二の基礎部と、機構が停止中には実質的に該軸と並行になる第二の軸に沿って該第二の基礎部から延在する第二の突出部とを有する、前記少なくとも一つのユニットに隣接する少なくとも一つの隣接ユニットと、前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍と、該隣接ユニットの該第二の基礎部近傍とを連結し、且つ機構が停止中には該ユニットの間で該軸と該第二の軸の双方に実質的に垂直に延在する少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、前記少なくとも一つの連結部材は弾性があり、該軸から0度より大きく90度未満の角度で外れて該突出部に加えられる力によって、前記少なくとも一つのユニットが該隣接ユニットに向けて傾くように該機構が摂動された時に、該隣接ユニットが該ユニットに向けて傾くことを特徴とする、エネルギーを吸収且つ伝達する物質に関する。
【0013】
本発明はさらに、上記の物質において、突出部がそれぞれ軸に沿って突出部から延在するチップを有し、チップは、同じか、又は異なったサイズ又は形状であることを特徴とする物質に関する。
【0014】
本発明はまた、上記の物質において、少なくとも一つのユニットは、該突出部と反対方向に延在し、かつ該基礎部上に離れて配置されている2以上の底部突起をさらに有することを特徴とする物質に関する。
【0015】
本発明は、上記の物質において、少なくとも一つのユニットと、少なくとも一つの隣接ユニットは、異なった密度と、異なった形状とを有するか又は、ユニット及び隣接ユニットよりも、異なったサイズ、形状、又は密度を有し、且つユニット及び隣接ユニットに隣接する追加ユニットを、少なくとも一つさらに有する物質に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施態様は、以下の図面及び実施例を参照しながら説明される。
【図1】本発明の一実施態様におけるユニットの断面図である。
【図2】図1のユニットの機構の平面図である。
【図3】図2に示された機構の底面図である。
【図4】図2の機構の上面斜視図である。
【図5】図2の機構の底面斜視図である。
【図6a】本発明の別の実施態様における連結部材の断面図である。
【図6b】図6aのユニットの機構の上面図である。
【図7】本発明の別の実施態様における機構の上面図である。
【図8a】本発明のユニットの断面図である。
【図8b】図8aのユニットの機構の斜視図である。
【図8c】本発明の別の実施態様における図8aのユニットの機構の上面図である。
【図8d】本発明の別の実施態様における図8aのユニットの機構の上面図である。
【図9】本発明の別の実施態様におけるユニットの側面図である。
【図10】本発明の別の実施態様における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施態様における断面図である。ユニット1、2は、基礎部4、5と、基礎部4、5から上方に延在する突出部6、7と、から形成される。隣接するユニット1、2は、少なくとも一つの連結部材3によって、ユニット1、2のそれぞれの基礎部4、5において、又はその付近で、機構を形成するために連結される。
【0018】
本実施態様において、それぞれのユニット1、2は、突出部の最も上部に位置するチップ8、9と、それぞれの基礎部4、5から下方に延在する底部突起10、11とを有する。他の実施態様においては、チップ、底部突起、又はこれらの双方は省略される。
【0019】
突出部6、7は、基礎部4、5から、垂直軸に沿って上方に延在する。突出部6、7は、荷重がかかると圧縮する。これらはまた、荷重がかかると垂直方向に歪む傾向を有する。本実施態様においては、突出部6、7は円錐状である。
【0020】
本実施態様において、基礎部4、5は半球状に丸みを帯びている。少なくとも一つの底部突起10、11は、ユニットと、あらゆる下部の表面との接触を減らすために、それぞれの基礎部4、5から下方に延在している。基礎部4、5の形状と底部突起の形状及び位置は、あるユニットが、隣接ユニットに相対的に傾く傾向を増加させるように選択される。
【0021】
ある衝撃の際に、ユニット1、2は圧縮し、また歪む。それによって、エネルギーは連結部材3に沿って消散する。荷重がかかると、いくつかのユニットは歪むか、又は他の隣接ユニットに対して相対的に傾く傾向がある。
【0022】
特定のユニット1、2のたわみは、曲がり、引く動作によって、連結部材3と、ユニット1、2には直接は隣接していない他のユニットを通じて、機構内の他のユニットに伝達されるエネルギーを引き起こす。連結部材3は、好ましくは、ユニットのたわみが、衝撃によって引き起こされるように、ユニット1,2に連結される。好ましくは、連結部材3は基礎部4、5において、またはその付近で、ユニット1,2に接続され、基礎部4,5と突起6,7とが接触する位置に配置される。それによって、あるユニットがたわむか又は傾いた時に、ユニットと隣接ユニットとが、お互いの方向に向かって傾く。
【0023】
それぞれのユニット1、2は、突出部6、7の最上部に位置するチップ8、9をまた有する。表面との摩擦接触によって、チップ8、9は衝撃の際に、より低いエネルギーの、振動と、激しい揺れの力を効果的に吸収する傾向を有する。チップ8、9はまた、突出部6、7の、より高い衝撃力に対するたわみの助けとなる。突出部6、7の高さは同一である必要はないが、衝撃のかかる領域にある全てのチップが、衝撃によってたわむことが好ましい。
【0024】
チップ8、9は、下部の突出部6,7とは異なった形状を有するか又は異なった密度を有する。そして、チップ8、9は、荷重がかかると突出部6,7よりも変形しやすい。例えば、図に示されているように、チップ8、9はシリンダー状で、円錐状の突出部6,7上に配置されている。チップ8、9は、チップ8、9上に対して真っ直ぐでないいかなる荷重がかかった際には、円錐状の突出部6、7よりも変形しやすく、また一般的にそのような荷重がかかると曲がる。
【0025】
図2において、ユニット1、2は、機構又は連結されたユニット網12を形成するために、少なくとも一つの連結部材3によってお互いに、及び他のユニットと連結されている。突出部6、7の底部は円形であり、突出部7の底部は突出部6の底部よりも大きな半径を有する。
【0026】
さらに好ましい実施態様においては、より狭いユニット1と、より広い隣接ユニット2とが、機構12内においてお互いに交互に配置されている。ユニットと隣接ユニットとは、サイズ、形状、密度において同一でも良いし、それらのうち一つ、又は全ての性質において異なっていても良い。
【0027】
他のとりうる実施態様においては、機構において、三つかそれ以上の異なったサイズ、形状、又は密度を有するユニットがある。この実施態様では、機構内の種々の領域によって予測される荷重の違いに対応するために、機構によってサイズ、形状、又は密度が変わりうる。例えば、内部構造が繊細又は傷つきやすい領域を有し、一つかそれ以上の、繊細な領域を取り囲むより頑丈な領域を有する場合の使用では、機構は、繊細な領域ではより小さいかまたは密度の低いユニットを採用し、より頑丈な領域ではより大きいかまたは密度の高いユニットを採用することができる。これは、機構全体に加えられる力を、より多く頑丈な領域に集中させ、繊細な領域に比較的少なく集中させる役目を果たす。
【0028】
他の実施例は、力が、機構のより小さい範囲に加えられるという点で、より集中的な衝撃をより逸らすために、異なったサイズ又は形状のユニットが用いられる。より小さいユニットは、より集中的な荷重や衝撃が予期される領域において採用されうる。
【0029】
ユニットと隣接ユニットの、圧縮とたわみの性質の違いは、変化する力のレベルに、より対応して抵抗する機構をもたらす。より狭いユニット1は、より広いユニット2よりも敏感に倒れたり傾いたりする。チップ8、9の変形はある程度のエネルギーを吸収するため、チップ8、9の追加は、機構12の、エネルギーを消散する能力を増加させる。そして、機構12全体においてユニット1,2の傾きを増加させ、それによってさらにエネルギーを消散させる。
【0030】
ユニット1と隣接ユニット2とが、荷重がかかってお互いの方向に傾いた時、荷重が増加した場合は、ユニットはある角度までさらにたわむが、ますます圧縮する。継続的により大きい荷重がかかると、ユニットは完全にたわみきって、お互いの上で、連結部材の上で、又は内部構造の上で停止してしまう。このような状況下では、物質は均一の泡のシートのように振る舞い、継続する荷重に対して圧縮を続ける。荷重が取り除かれた時に、ユニットが機構に対してもとの位置に戻るように、物質は弾性体であることが好ましい。
【0031】
本発明の別の実施態様では、異なるサイズのユニットが、機構内において別の規則的な配置がなされる。例えば、一つの、大きい又は広いユニットが、二つおき、三つおき、四つおき、五つおき、等々の間隔で配置される。小さい又は狭い他の全てのユニットがそれぞれの列に配置されている。他の実施態様では、機構内の特定の領域に現れるか、又は機構を通じて完全にランダムに現れると予期される荷重に対応するために、異なったサイズのユニットが非規則的に配置される。
【0032】
別のとりうる実施態様では、突出部6,7、基礎部4,5、連結部材3、もしあればチップ8、9、もしあれば底部突起10、11のうちいずれか一つ又はこれら全ては同じか又は異なるサイズ、形状、密度、又は物質を有する。
【0033】
機構全体を通しては同じ物質が用いられることが好ましい。全体を通して同じ物質を用いることが望ましい、なぜなら物質を容易に一つの連続するシート状に型で作るか、又は成形し、それによって製造が容易になるからである。一実施例においては、物質は射出成形又は圧縮成形される。
【0034】
また、機構12の全体を通して同じ物質が用いられるが、種々の構造ユニットそれぞれの物質の密度は、衝突抵抗性能を異ならせるために、調整可能にそれぞれ異なっていることが望ましい。サイズに関しては、機構12内でサイズを異ならせることは、圧縮とたわみ性能の違いのため、加えられた力に対する反応性の広範囲化をもたらす。他の実施例においては、突出部6は、突出部7よりも高いか又は低い密度を有し、チップ8は、突出部6より高いか又は低い密度を有し、かつ/又はチップ8はチップ9より高いか又は低い密度を有する。この実施例において、より高密度が望まれる箇所において、より多くの物質を射出することにより、機構の、ある要素の密度を変化させることが可能である。
【0035】
例えば、対応するチップを有し、隣接ユニットよりも高い密度のユニットを有する実施態様において、高い密度のユニットは比較的剛性を有し、初めの荷重に対してより傾きやすい傾向を有する。荷重が増加するにつれて、比較的高密度のユニットは完全にたわみきるまで倒れるまで、より柔らかいユニットは圧縮して荷重に耐える。一度完全にたわみきると、比較的高密度のユニットもまた圧縮して荷重に耐え、それにより増加した荷重に対して追加的な抵抗力を備える。この例において、ユニットの特定の構造又は異なる密度の働きによって、物質は、様々な範囲の荷重又は変化する荷重に対して対応することができる。ユニットのサイズ、形状又は密度は、いろいろな、潜在的な荷重曲線に合うように調整される。
【0036】
図3は、機構12内の構造ユニットの配置の、底面から見た図である。それぞれのユニットは、独立して一つ又は複数の底部突起10、11を有する。さらに、底部突起10、11は、サイズが変更しうる。底部突起10、11は、ユニットが隣接ユニットに対して比較的たわむか、又は傾きやすくなるように配置される。これは、ユニットに比較的安定的な基板を形成するために基礎部の底面に三角形状、四角形状又は他の規則的な多角形状に配置し、隣接ユニットに不安定な基板を形成するために一つか、又は不規則に底部突起を形成することで達成される。
【0037】
図2と図3はまた、それぞれのユニットの周囲に90度の角度で配置された4つの連結部材を描いており、その結果として四角形の格子状に形成された機構をもたらしている。本発明の別の実施態様では、ユニットは異なった数の連結部材と連結されており、特定の構造ユニットに連結された連結部材はお互いに異なった角度でずれている。そのような実施例における機構は、異なった幾何学的な配置になっている、例えば、三角形や、六角形の格子状である。
【0038】
同じ実施態様における機構の最上部の構造が図4に示されている。衝撃の際に、チップ8、9は振動を抑えて、機構が、衝撃の力と共に適切に動くようにする。より大きな力がかかった時、一つか、又はグループのユニット1、2は、連結部材3に対して曲がり、それが、エネルギーをこれらの連結部材を通じて分散させ、消散させる。
【0039】
図5に描かれているように、基礎部4、5は、機構下部の内部接触表面(図示せず)と接触を最小限に抑えるために、半球状の構造に形成することが好ましい。基礎部4、5の半球状の形状によって、機構内の空気流がもたらされ、ユニット1,2のお互いに倒れ、転がる能力が最大化され、増幅される。
【0040】
底部突起10、11はさらに機構12と接触表面との間の接触を最小化する。このように構成される時、基礎部4,5はまた圧縮して衝撃を吸収する助けとなり、鉛直下方の力に対して連結部材が曲がるようにする。この曲がりは、機構全体のエネルギーを吸収して、かつ拡散させる。
【0041】
突出部は、荷重に耐えられる形状であればどのような形状でもよい。他の実施態様においては、突出部の形状は、適切な形状、又は圧縮することによって荷重に耐えられる、円錐台、半球、卵形、シリンダー形、任意の多面体、又は先端に向かって細くなる形状のような形状に形成される。
【0042】
例えば、図6aは、突出部の形状が異なって形成されている他の実施態様を示している。ユニット101は、底部が開いている突出部106に接続される、反転した環状の溝の形状に形成された基礎部104を含む。力が突出部106に加えられると、ユニット101は非対称的にたわむ。基礎部104を通じた、ユニット101の、曲がり動作及び引き動作は、衝撃からのエネルギーを、連結部材103を通して他のユニットへ伝達する。
【0043】
図6bは、図6aに示すユニットがどのようにして機構112内で連結されるかを示している。ユニットに接続されるための連結部材の形状は数多くあることに注意する。図6bにおいては、それぞれの連結部材113は、90度の角度で離れて、4つのユニットに接続され、一つの連結部材が、他の連結部材と「交差」しているように見える。
【0044】
図7は、連結部材203が、ぞれぞれのユニットに60度の角度で接続されている機構212に、ユニットが接続されている様子を示している。その結果、連結部材203は、3本の軸150、160、170に沿っている。他の実施態様においては、それぞれのユニットに接続される連結部材の数は異なり、特定の構造のユニットに接続されている連結部材は、お互いに異なる角度でずれている。
【0045】
再び図7を見ると、連結部材203は、ユニットとの接続位置において細くなっている。他の実施態様においては、連結部材の寸法は、用途や、所望の性能によって他の形に変わる。例えば、連結部材の長さ及び/又は厚さ、又は直径は、所望の性質によって変わる。厚く、短い連結部材は、エネルギーをより効率的に伝達し、より強い衝撃に抵抗するために用いられ、狭い連結部材は、より多くの伸びと柔軟性を備え、その結果機構はより軽くなり、多くの空気流をもたらす。連結部材はまた曲げられ、一方の先端において細くすることが可能である。異なった密度にすることもできる。さらに、力を機構内の特定の領域へと伝達するために、機構内において異なった連結部材の混合したものを用いることもできる。
【0046】
図8aは、本発明のユニットの他の実施態様を示す図である。ユニット301は、基礎部305から突起する複数の支持物316を有する突出部306を含む環状の基礎部305を含む。チップ308は、基礎部305によって描かれる円内で、複数の支持物316が交差する位置に配置される。
【0047】
図8bにおいて、ユニット301の複数の支持物316は、基礎部305の上方に、半球状の突出部306を形成する。チップ308は、突出部306の上、つまり複数の支持物316が交差する位置に止まっている。
【0048】
図8cは、図8aのユニットがどのように機構312を形成するかを示している。連結部材で接続されているというよりもむしろ、ユニット301は基礎部305同士の直接の接触によって接続されている。本実施態様において、ユニット301は機構内の3本の軸250、260、270に沿って60度の角度で配置されている。
【0049】
ユニットはまた、直接接触及び連結部材323、333の双方によっても接続される。複数のユニットを接続する最初の連結部材323があり、湾曲する第二の連結部材333がある。
【0050】
図9は、他にとりうるユニットの形状を示している。このユニット401内の突出部406は、環状の基礎部405から突起する2つの支持物416を有する。チップ408は、2つの支持物が接触する位置である、突出部406の先端に配置されている。
【0051】
本発明は、ヘルメット、胸当て、すね当て、又はパッドのようなスポーツ用品に特に適している。なぜなら本発明は柔軟で、軽く、衛生的で、調節可能で、継続的な衝撃吸収性能を備え、空気流を最大化するからである。これらの用途において、構造的なユニットの機構は、特定の三次元構造を満たすように形成され、かつ/また、片端、又は両端が、貫通性の力を防御するための外殻で覆われる。
【0052】
図10に示されるように、機構512内の一つか、それ以上のユニット501は、用途に依存する、他の物質の層に係合する、又は装着された追加的な突起513をさらに有する。ある用途においては、剛体又は半剛体のプレート514がこれらの追加的突起513に装着される。示された実施態様においては、全てではないがいくつかのユニット501はこのように装着され、プレート514に、機構512に対する方向に荷重がかかっている時は、機構512内のいくつかのユニットが、上述したように傾くか、たわむかできるようにする。このような追加的突起513は、プレートが、機構に対して相対的に滑ることができるようにする。プレートは、移動可能か、又は取り外せないように装着されている。
【0053】
示されてはいない他の実施態様においては、チップ、又は機構内のいくつかのユニットの追加的な突起は、布のような柔らかい素材に装着されている。荷重がかかると、布が、それに装着されているユニットを引っ張り、ユニットが、荷重がかけられている位置から比較的離れた位置にある場合でも、ユニット及び他の隣接ユニットを曲げ、たわませる。
【0054】
他の実施態様においては、機構は、ある部分において、内部表面に装着されているか、取り付けられている。それにより、いくつかのユニットが、荷重に対して傾くか、たわむかすることができる。
【0055】
機構全体は、一つの素材で形成されていることが望ましい。圧縮可能な素材が適しており、弾性体であることが好ましい。また、その弾性性能を大きく損なうことなく圧縮性と密度を変えられるように用いることが好ましい。適した素材の例としては、エラストマー、一般的なプラスチック、天然、あるいは人工のゴム、又は発泡体が含まれる。本発明に好ましい素材としては弾性を有するEVA(エチレン酢酸ビニール)の独立気泡物質がある。しかしながら、第一の素材を連結部材に用い、別の素材をユニットに用いる、というように、二つかそれ以上の素材を組み合わせても機構は機能する、それでもやはり荷重がかかると隣接ユニットは傾き、たわむことができる。
【0056】
本発明は、機械、又はフライス加工によって作ることができるが、型を用いて作ることが好ましい。また、本発明の機構は、一工程で作ることが好ましい。しかしながら、いくつかの工程を用いて作ることも可能である。例えば、連結部材と突出部とをお互いに分離して成形することができ、また機構の上部半分と下部半分とを前もって成形しておき、一緒に取り付けたり、成形することができる。
【0057】
上述したように、本発明によって製造される機構は、形状、サイズ、密度、素材、連結部材の寸法、そして機構内のユニットの形状及び配置等において変化する。そして、これらの種類の中から選択することで、本発明の機構は、衝撃や振動からのエネルギーを吸収する一般的な用途だけでなく、特定の用途にも容易にカスタマイズできる。例えば、ある領域ではより多くのエネルギーを吸収するように設計され、かつ/または、より多くのエネルギー又は力を特定の領域、又は特定の軸に沿って逸らす。
【0058】
機構はまた、全てのユニットが平坦か、又は三次元の物体に対して、若しくはその周りに沿って適合するように湾曲した面と交差するように形成することもできる。機構のある部分は、三次元形状に適合するように、又は重ねられた時に追加的に力を消散させるように接着され、又は連結される。
【0059】
本発明はその特性により、耐荷重性、振動抑制、衝撃力の緩和が要求される多くの用途に適している。
【0060】
当然のことながら、上記記載は、実施例のみに基づく好ましい実施態様に関する。本分野における知識を有している者であれば、本発明の要旨から逸脱しない範囲で、本発明を提供するためのシステム及び方法における種々の変化が明らかであり、そのような変化は、明確に記載されていようといまいと、本発明の範囲内で含まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、
前記少なくとも一つのユニットを少なくとも一つの隣接ユニットへと連結し、且つ前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍から、該軸に実質的に垂直に延在している少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、
該機構は、全て単一の弾性素材から成っていることを特徴とするエネルギーを吸収且つ伝達する物質。
【請求項2】
基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、
第二の基礎部と、機構が停止中には実質的に該軸と並行になる第二の軸に沿って該第二の基礎部から延在する第二の突出部とを有する、前記少なくとも一つのユニットに隣接する少なくとも一つの隣接ユニットと、
前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍と、該隣接ユニットの該第二の基礎部近傍とを連結し、且つ機構が停止中には該ユニットの間で該軸と該第二の軸の双方に実質的に垂直に延在する少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、
前記少なくとも一つの連結部材は弾性があり、
該軸から0度より大きく90度未満の角度で外れて該突出部に加えられる力によって、前記少なくとも一つのユニットが該隣接ユニットに向けて傾くように該機構が摂動された時に、該隣接ユニットが該ユニットに向けて傾くことを特徴とする、エネルギーを吸収且つ伝達する物質。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の物質であって、該突出部のそれぞれは、該突出部から該軸に沿って延在するチップを有することを特徴とする物質。
【請求項4】
請求項3に記載の物質であって、該チップの外面の該軸からの偏差角は、対応する該突出部の外面の偏差角と異なることを特徴とする物質。
【請求項5】
請求項3に記載の物質であって、前記少なくとも一つのユニットの該チップは、前記少なくとも一つの隣接ユニットの該チップよりも大きいことを特徴とする物質。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の物質において、該突出部は円錐状であり、対応する該チップは、円柱状又は円錐状であることを特徴とする物質。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の物質において、該突出部及び/又は該基礎部は円錐状、円錐台状、シリンダー状、卵形、半球形又は多面体形状のいずれかであることを特徴とする物質。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の物質において、該連結部材は、ユニットと、隣接ユニットとを連結する棒であり、
該棒は、その長手方向に沿ってねじれを伝達することを特徴とする物質。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の物質において、該突出部は、その根元において、対応する前記少なくとも一つのユニットの該基礎部の半径と実質的に等しい半径を有する円錐形であることを特徴とする物質。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれかに記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットは、該基礎部から延在する少なくとも一つの底部突起をさらに有することを特徴とする物質。
【請求項11】
請求項9に記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットは、該基礎部から延在し、かつ該基礎部上に間隔を置いて配置されている2又はそれ以上の底部突起をさらに有することを特徴とする物質。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の物質において、第一の隣接ユニットに連結された第一の連結部材と、第二の隣接ユニットに連結された第二の連結部材とをさらに有し、前記第一及び第二の連結部材は、該機構が停止している時には並行であることを特徴とする物質。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の物質において、それぞれの第一構造ユニットは、少なくとも一本か、それ以上の、前後軸に沿って、隣接構造ユニットに接続されていることを特徴とする物質。
【請求項14】
請求項13に記載の物質において、該第一構造ユニットは、少なくとも二本か、それ以上の、前後軸に沿って、該隣接構造ユニットに接続されていることを特徴とする物質。
【請求項15】
請求項14に記載の物質において、該第一構造ユニットは、少なくとも三本か、それ以上の、前後軸に沿って、該隣接構造ユニットに接続されていることを特徴とする物質。
【請求項16】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つの隣接ユニットは、前記少なくとも一つのユニットよりも狭い幅を有していることを特徴とする物質。
【請求項17】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つの隣接ユニットは、異なる密度を有していることを特徴とする物質。
【請求項18】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つの隣接ユニットは、異なる体積を有していることを特徴とする物質。
【請求項19】
請求項3乃至6のいずれかに記載の物質において、該突出部は、該チップを支持するために該基礎部から延在する複数の支持部材を有することを特徴とする物質。
【請求項20】
請求項1又は2に記載の物質において、該基礎部は環状であることを特徴とする物質。
【請求項21】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つの連結部材は前記少なくとも一つのユニット及び前記少なくとも一つの隣接ユニットに不可欠であり、それによって、前記少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つの隣接ユニットとが直接接触することが可能になっていることを特徴とする物質。
【請求項22】
請求項1又は2に記載の物質において、該物質は、泡状の弾性体、ポリマー、エラストマー、又は天然ゴムのいずれかで形成されていることを特徴とする物質。
【請求項23】
請求項22に記載の物質において、該物質は、疎水性を有する、独立気泡物質で形成されていることを特徴とする物質。
【請求項24】
請求項1又は2に記載の物質において、該ユニットは、平坦か、又は湾曲している平面に対して交差するように配置されていることを特徴とする物質。
【請求項25】
請求項24に記載の物質において、該ユニットは、該平面上に規則的に配置されていることを特徴とする物質。
【請求項26】
請求項25に記載の物質において、該機構の該ユニットは、四角形又は三角形の格子状に配置されていることを特徴とする物質。
【請求項27】
請求項1又は2に記載の物質において、該ユニット及び該隣接ユニットに隣接する少なくとも一つの追加ユニットを該機構内にさらに有し、前記少なくとも一つの追加ユニットは、該ユニット及び該隣接ユニットと異なったサイズ、形状、又は密度を有することを特徴とする物質。
【請求項1】
基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、
前記少なくとも一つのユニットを少なくとも一つの隣接ユニットへと連結し、且つ前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍から、該軸に実質的に垂直に延在している少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、
該機構は、全て単一の弾性素材から成っていることを特徴とするエネルギーを吸収且つ伝達する物質。
【請求項2】
基礎部と、該基礎部から軸に沿って延在する突出部とを有する少なくとも一つのユニットと、
第二の基礎部と、機構が停止中には実質的に該軸と並行になる第二の軸に沿って該第二の基礎部から延在する第二の突出部とを有する、前記少なくとも一つのユニットに隣接する少なくとも一つの隣接ユニットと、
前記少なくとも一つのユニットの該基礎部近傍と、該隣接ユニットの該第二の基礎部近傍とを連結し、且つ機構が停止中には該ユニットの間で該軸と該第二の軸の双方に実質的に垂直に延在する少なくとも一つの連結部材とを備えた、相互に連結されたユニット機構から成る、エネルギーを吸収且つ伝達する物質であって、
前記少なくとも一つの連結部材は弾性があり、
該軸から0度より大きく90度未満の角度で外れて該突出部に加えられる力によって、前記少なくとも一つのユニットが該隣接ユニットに向けて傾くように該機構が摂動された時に、該隣接ユニットが該ユニットに向けて傾くことを特徴とする、エネルギーを吸収且つ伝達する物質。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の物質であって、該突出部のそれぞれは、該突出部から該軸に沿って延在するチップを有することを特徴とする物質。
【請求項4】
請求項3に記載の物質であって、該チップの外面の該軸からの偏差角は、対応する該突出部の外面の偏差角と異なることを特徴とする物質。
【請求項5】
請求項3に記載の物質であって、前記少なくとも一つのユニットの該チップは、前記少なくとも一つの隣接ユニットの該チップよりも大きいことを特徴とする物質。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の物質において、該突出部は円錐状であり、対応する該チップは、円柱状又は円錐状であることを特徴とする物質。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の物質において、該突出部及び/又は該基礎部は円錐状、円錐台状、シリンダー状、卵形、半球形又は多面体形状のいずれかであることを特徴とする物質。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の物質において、該連結部材は、ユニットと、隣接ユニットとを連結する棒であり、
該棒は、その長手方向に沿ってねじれを伝達することを特徴とする物質。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の物質において、該突出部は、その根元において、対応する前記少なくとも一つのユニットの該基礎部の半径と実質的に等しい半径を有する円錐形であることを特徴とする物質。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれかに記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットは、該基礎部から延在する少なくとも一つの底部突起をさらに有することを特徴とする物質。
【請求項11】
請求項9に記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットは、該基礎部から延在し、かつ該基礎部上に間隔を置いて配置されている2又はそれ以上の底部突起をさらに有することを特徴とする物質。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の物質において、第一の隣接ユニットに連結された第一の連結部材と、第二の隣接ユニットに連結された第二の連結部材とをさらに有し、前記第一及び第二の連結部材は、該機構が停止している時には並行であることを特徴とする物質。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の物質において、それぞれの第一構造ユニットは、少なくとも一本か、それ以上の、前後軸に沿って、隣接構造ユニットに接続されていることを特徴とする物質。
【請求項14】
請求項13に記載の物質において、該第一構造ユニットは、少なくとも二本か、それ以上の、前後軸に沿って、該隣接構造ユニットに接続されていることを特徴とする物質。
【請求項15】
請求項14に記載の物質において、該第一構造ユニットは、少なくとも三本か、それ以上の、前後軸に沿って、該隣接構造ユニットに接続されていることを特徴とする物質。
【請求項16】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つの隣接ユニットは、前記少なくとも一つのユニットよりも狭い幅を有していることを特徴とする物質。
【請求項17】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つの隣接ユニットは、異なる密度を有していることを特徴とする物質。
【請求項18】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つの隣接ユニットは、異なる体積を有していることを特徴とする物質。
【請求項19】
請求項3乃至6のいずれかに記載の物質において、該突出部は、該チップを支持するために該基礎部から延在する複数の支持部材を有することを特徴とする物質。
【請求項20】
請求項1又は2に記載の物質において、該基礎部は環状であることを特徴とする物質。
【請求項21】
請求項1又は2に記載の物質において、前記少なくとも一つの連結部材は前記少なくとも一つのユニット及び前記少なくとも一つの隣接ユニットに不可欠であり、それによって、前記少なくとも一つのユニットと、前記少なくとも一つの隣接ユニットとが直接接触することが可能になっていることを特徴とする物質。
【請求項22】
請求項1又は2に記載の物質において、該物質は、泡状の弾性体、ポリマー、エラストマー、又は天然ゴムのいずれかで形成されていることを特徴とする物質。
【請求項23】
請求項22に記載の物質において、該物質は、疎水性を有する、独立気泡物質で形成されていることを特徴とする物質。
【請求項24】
請求項1又は2に記載の物質において、該ユニットは、平坦か、又は湾曲している平面に対して交差するように配置されていることを特徴とする物質。
【請求項25】
請求項24に記載の物質において、該ユニットは、該平面上に規則的に配置されていることを特徴とする物質。
【請求項26】
請求項25に記載の物質において、該機構の該ユニットは、四角形又は三角形の格子状に配置されていることを特徴とする物質。
【請求項27】
請求項1又は2に記載の物質において、該ユニット及び該隣接ユニットに隣接する少なくとも一つの追加ユニットを該機構内にさらに有し、前記少なくとも一つの追加ユニットは、該ユニット及び該隣接ユニットと異なったサイズ、形状、又は密度を有することを特徴とする物質。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−527255(P2012−527255A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511106(P2012−511106)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001275
【国際公開番号】WO2010/132975
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511281121)エスピー1ケーイー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001275
【国際公開番号】WO2010/132975
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511281121)エスピー1ケーイー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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