説明

エポキシ樹脂組成物

【課題】低電圧でも導電性を有し、硬度や光沢も高い導電性エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】柱状の粒子形状であり、粒子の重量平均長軸径が7.0〜15.0μmであり、10μm以上の長軸径を有する粒子が15重量%以上含有し、この粒子表面に導電性被覆を有する導電性酸化チタンを配合したエポキシ樹脂組成物は低電圧でも導電性を有し、硬度や光沢も損なうことがない。導電性被覆はアンチモン固溶酸化スズがよく、塗り床に使うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性エポキシ塗材組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エポキシ樹脂は耐久性、耐薬品性もあり、常温での硬化が可能なため、塗り床に使用されている。しかし、クリーンルームや半導体を扱う場合、帯電防止や除電性能が要求される。この処方として導電性物質を添加して、導電性能を付与する。この処方に伴い物性や外観の低下を招くことが一般であった。
【0003】
一方、クリーンルームや半導体作業所ではクリーンルームの清浄化や半導体の低電圧作動に伴う耐圧性の低下で、使用素材の低電圧での導電化が必要とされている。前記処方では100〜500Vでの導電化に対応できるものの低電圧での導電化は困難なものであった。
【0004】
導電性酸化亜鉛を二次粒子の状態で均一状に分散させた合成樹脂ビヒクル、着色料を含有する塗料組成物を下地上に下塗りとして塗布し、この下塗り層に導電せしめるようにしたことを特徴とする導電性塗床が開示されている。(特許文献1)
【0005】
エポキシ樹脂100重量部に対し、白色導電性繊維10〜50重量部と室温硬化性硬化剤とを含有することを特徴とする導電性塗床材用エポキシ樹脂組成物が開示されている。(特許文献2)
【0006】
結合剤100重量部に対し、基部から先端までの長さが3〜200μmの酸化亜鉛ウィスカを1〜500重量部含んだ導電性床用塗材が、酸化亜鉛ウィスカが極めて効果的に導電性を付与して機械的特性と電気的特性を兼ね備え、かつ酸化亜鉛ウィスカは白色で紫外線等による変色が少ないため意匠性も兼備することが開示されている。(特許文献3)
【0007】
粒径が500μm以下の範囲にある硬質多孔性炭素材料、固形エポキシ樹脂、及び配合材を配合することにより、導電性組成物を製造し、この導電性組成物をプライマーとして、ローラーを用いて0.2Kg/m塗布し、導電性塗り床を形成することで、帯電防止性能を付与する導電性組成物、プライマー、床用上塗り材、導電性塗り床、及びその施工方法が開示されている。(特許文献4)
【0008】
(a)塩素含有率が10〜40重量%である塩素化ポリオレフィン樹脂と、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の改質樹脂との樹脂混合物100重量部、(b)架橋剤5〜50重量部、並びに(c)二酸化チタン粒子表面に、酸化スズ及びリンを含む導電層を有し、しかも不純物としての原子価4以下の金属元素の含有量が、前記(A)として0.1以下である白色導電性二酸化チタン粉末10〜250重量部を含有することを特徴とする白色導電性プライマー塗料、並びにこれを用いた複層塗膜形成方法でマンセル表色系に基づく明度(N値)が8.0以上、更には8.3以上という明るい色調を有する複層塗膜を、3コート1ベーク方式又は3コート2ベーク方式により、形成できることが開示されている。(特許文献5)
【0009】
帯電防止塗り床1は、繊維長500μm未満の成分の、繊維の全本数中に占める本数の割合が80%以上である導電性繊維が分散された仕上げ層6と、繊維長500μm以上の成分の、前記本数の割合が70%以上である導電性繊維が分散された下層5とを備える。仕上げ層6用のコーティング剤は、繊維長500μm未満の成分の、前記本数の割合が80%以上である導電性繊維を含む。下層5用のコーティング剤は、繊維長500μm以上の成分の、前記本数の割合が70%以上である導電性繊維を含むことで、薬品や溶剤に対する耐性、耐衝撃性に優れ、作業性が低下したり、施工コストが高くついたりしない上、面方向の導電性が均一化されて、帯電防止性能に優れる帯電防止塗り床と、その最表面を構成する仕上げ層、および仕上げ層の直下に積層される下層を形成するコーティング剤が開示されている。(特許文献6)
【0010】
2以上の軸比を有する二酸化チタン核晶の存在下、チタン化合物、アルカリ金属化合物及びオキシリン化合物を加熱焼成して二酸化チタン核晶を成長させ、次いで、前記の成長させた二酸化チタン核晶の存在下、更にチタン化合物、アルカリ金属化合物及びオキシリン化合物を添加し加熱焼成して、柱状の粒子形状を有し、その粒子の重量平均長軸径が7.0〜15.0μmの範囲にあり、10μm以上の長軸径を有する粒子が全体の15重量%以上である二酸化チタンを製造し、前記の二酸化チタンを懸濁した懸濁液に、スズ化合物を含む溶液とアンチモン、リン等の化合物を含む溶液を加えて、沈殿させ、次いで、得られた生成物を加熱焼成して、前記二酸化チタンの表面に導電性被膜を形成した導電性酸化チタンを製造することで、長軸径の大きい粒子を多く含み、しかも、粒度分布のよい柱状形状を有する二酸化チタン、導電性酸化チタンが得られることが開示されている。(特許文献7)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭61-260599号公報
【特許文献2】特開平4−224858号公報
【特許文献3】特開平5−306375号公報
【特許文献4】特開2005-97512号公報
【特許文献5】WO2005/012449号公報
【特許文献6】特開2007-303094号公報
【特許文献7】WO2007/102490号公報
【特許文献8】特開平4−218941号公報
【0012】
一般に表面抵抗はASTM D257やNFPA99(National Fire Protection Association)など500V印加での測定で測定値の安定性が重視され、抵抗値は低電圧での導電性の十分条件ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
解決しようとする課題は、低電圧でも導電性を有し、硬度や光沢も高い導電性エポキシ樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、導電性物質を含むエポキシ樹脂塗材組成物であって、前記導電性物質が柱状の粒子形状であり、その粒子の重量平均長軸径が7.0〜15.0μmで、10μm以上の長軸径を有する粒子が15重量%以上含有し、粒子表面に導電性被覆を有する導電性酸化チタンであることを特徴とするエポキシ樹脂組成物で、低電圧でも導電性を有する。
【0015】
請求項2の発明は、前記導電性酸化チタンの導電性被覆がアンチモン固溶酸化スズであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物で導電性に優れる。
【0016】
請求項3の発明は、前記エポキシ樹脂組成物が溶剤型常温硬化であり、使途が塗り床である請求項1乃至2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物で硬度が要求され、光沢による意匠性も発現でき、耐久性に優れる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は低圧でも導電性を有し、高光沢とすることができ、高硬度で塗り床に向く特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は抵抗値測定の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一般に導電性の指標として測定される抵抗値の計測が500Vも印加されて測定したもので、半導体の省電力、高速化に伴う低電圧駆動デバイスを扱う環境やクリーンルームの清浄化においては低電圧での導電性が必要となり、これには対応していない。実際多くの塗膜では、500V等の高電圧で印加しての測定では十分に導電性、抵抗値が計測されるものの、100Vより低い低電圧では導電性が得られ難く、高電圧での抵抗値は低電圧での導電性を保証するものではない。本発明は低電圧でも導電性が得られるエポキシ樹脂組成物に関するもので、本発明に用いる導電性物質を用いることにより、塗膜の高光沢化や高硬度化も図ることができる。
【0020】
本発明に用いる導電性物質は柱状の粒子形状を有し、その粒子の重量平均長軸径が7.0〜15.0μmであり、10μm以上の長軸径を有する粒子が15重量%以上で、粒子表面に導電性被覆を有する導電性酸化チタンであり、その導電性被覆が好ましくはアンチモン固有スズ被覆であることが好ましい。この導電性物質の製造方法は特許文献7に記載され、市販品にタイペークFTシリーズ(石原産業(株)、商品名、針状導電性酸化チタン)があり、FT−3000、FT−4000がある。これらと他の導電性物質を組み合わせて用いることができる。この導電性物質が低電圧での導電性を示すのは明確ではないが、導電性物質間の酸化物等のバンドギャップが低いことが考えられ、高電圧では破壊され導通し、差が認められないと考えられる。この導電性物質単独での配合では、配合組成物に対して10重量%以上が好ましく、さらに15〜30重量%が適する。また、固形分比率では全固形分に対して34重量%以上が好ましく、さらに37〜52重量%が適合する。前記範囲より少ないと効果が得られ難く、超えると硬度が低く、光沢も低くなり、作業性も劣り、限られた使途となる。
【0021】
本発明に用いるエポキシ樹脂は硬化剤と組み合わせて硬化条件に合わせて選択する。ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、反応性希釈剤などエポキシ基を有するもので、反応性、硬度、接着力等で適宜単独或いは複数種類を配合できる。常温での初期硬化や導電性が得られやすい溶剤比率を鑑みると、固形ビスフェノールA樹脂を含むことが好ましい。
【0022】
本発明のエポキシ樹脂硬化剤はアミノ基、メルカプト基を有する硬化剤等の組み合わせることができ、本発明で最も適する塗り床の使途で、導電性をより発現させ易くするため、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、ポリアミドアミン、ポリアミド、脂環式ポリアミン、変性脂環式ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、3級アミン等のアミン化合物が挙げられ、例えば、ポリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N-アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール、メタキシレンジアミン等が挙げることができる。好ましくは変性脂肪族ポリアミン系の硬化剤がある。
【0023】
本発明は溶剤を用いる。これはエポキシ樹脂やその硬化剤と相溶性を有し、硬化の過程で塗膜中に残留しないこと、環境への影響を考慮の上選択する。この溶剤は導電性物質を配合した組成物を減粘させ、硬化時に膜外に速やかに抜け、導電性物質の沈降を妨げ、導電性付与に寄与する。溶剤としてトルエン、キシレン、N−ブタノール、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
導電性エポキシ樹脂組成物の固形分は導電性付与には直接的な要因ではないが、45〜70重量%の範囲が好ましい。この範囲であれば、導電性、隠蔽性、沈降性、塗布作業性が良好となる。
【0024】
この他、エポキシ樹脂塗材に汎用配合される物を使うことができる。粘性調整剤、沈降防止剤、消泡剤、難燃剤、表面改質剤、着色剤等を配合することができる。
【0025】
例えば、難燃剤は三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを挙げることができる。
【0026】
消泡剤や表面改質剤は塗材の仕上がり性を良くするために、泡の早期除去や成膜時にピンホール、クレータ等の外観悪化を抑制するもので、シリコーン系オリゴマー、ポリマーやアクリル系ポリマー等の目的別組成物である。
【0027】
塗料として、顔料や充填剤の沈降、塗膜硬化時の色調の均一などに沈降防止剤や粘度調整剤が使用され、例えば、有機処理して親油性にしたベントナイトやシリカの微粉末を挙げることができる。
【0028】
着色剤としてフタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン、またはメチン系の紫、紺青、群青、カーボンブラック、コバルトグリーン等の無機顔料や、マイカ系顔料、金属粉末顔料を挙げることができる。
【0029】
本発明は基材の材質等により必要に応じて、プライマー、シーラー等を下地基材に塗布した後に本発明の導電性エポキシ樹脂組成物を塗布する。下地の色調コントラストがあり、隠蔽性が必要な場合は複数回塗布をする。
【0030】
塗り床とした場合、導電性エポキシ樹脂組成物を塗布した後に、帯電防止ワックスを塗布することにより、導電性塗り床としての性能や通常の床性能の保持をより長期とすることができる。
【0031】
以下に実施例・参考例・比較例を記して詳細な説明をする。結果を表1に記した。
【実施例1】
【0032】
jER1001X75(三菱化学(株)、商品名、エポキシ当量450〜500、分子量約900、固形分75%、キシレン溶剤)40重量部とタイペークFT−4000(石原産業(株)、商品名、長軸約10μmのルチル型柱状酸化チタンのアンチモントープ酸化スズ被覆品)45重量、トナー(大日精化(株)、分子量380の液状エポキシ樹脂を43質量%含むエポキシトナー)10重量部、SS−150(新日本石油(株)、商品名、芳香族炭化水素混合物溶剤)2.5重量部、メチルイソブチルケトン2.5重量部を撹拌混合し、エポキシ樹脂主剤とし、フジキュア4030(富士化成(株)、商品名、変成脂肪族ポリアミン、固形分70%)50重量部、ブタノール25重量部、トルエン25重量部を撹拌混合して、エポキシ樹脂硬化剤とした。主剤と硬化剤を2:1で混合し、実施例1のエポキシ樹脂組物とした。配合中の導電性物質の含有率は29.7重量%で、同固形分に対しては51.0重量%であった。
【実施例2】
【0033】
実施例1のFT−4000を37重量部に、SS−150を6.5重量部に、メチルイソブチルケトンを6.5重量部に変えた以外実施例1と同じく行い実施例2のエポキシ樹脂組成物とした。配合中の導電性物質の含有率は24.4重量%で、同固形分に対しては50.1重量%であった。
【実施例3】
【0034】
実施例1のFT−4000を30重量部に、SS−150を10重量部に、メチルイソブチルケトンを10重量部に変えた以外実施例1と同じく行い実施例3のエポキシ樹脂組成物とした。配合中の導電性物質の含有率は19.8重量%で、同固形分に対しては48.1重量%であった。硬化物の60度鏡面光沢を日本電色工業(株) PG−1 ハンディ光沢計で測定し、75%の値を得た。
【実施例4】
【0035】
実施例1のFT−4000を23重量部に、SS−150を13.5重量部に、メチルイソブチルケトンを13.5重量部に変えた以外実施例1と同じく行い実施例4のエポキシ樹脂組成物とした。配合中の導電性物質の含有率は15.2重量%で、同固形分に対しては44.4重量%であった。
【0036】
参考例1
実施例1のFT−4000を15重量部に、SS−150を17.5重量部に、メチルイソブチルケトンを17.5重量部に変えた以外実施例1と同じく行い参考例1のエポキシ樹脂組成物とした。配合中の導電性物質の含有率は9.9重量%で、同固形分に対しては36.7重量%であった。
【0037】
比較例1
実施例1のFT−4000をデントールWK200B(大塚化学(株)、チタン酸カリウム繊維、繊維長10〜20μm アンチモンドープ酸化亜鉛被覆)30重量部に、SS−150を10重量部に、メチルイソブチルケトンを10重量部に変えた以外実施例1と同じく行い比較例1のエポキシ樹脂組成物とした。配合中の導電性物質の含有率は19.8重量%で、同固形分に対しては48.1重量%であった。実施例3と同様に光沢度を測定し、65%の値を得た。
【0038】
比較例2
実施例1のFT−4000を23−K(ハクスイテック(株)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、体積平均径(DV)4〜7μm)30重量部に、SS−150を10重量部に、メチルイソブチルケトンを10重量部に変えた以外実施例1と同じく行い比較例2のエポキシ樹脂組成物とした。配合中の導電性物質の含有率は19.8重量%で、同固形分に対しては48.1重量%であった。実施例3と同様に光沢度を測定し、45%の値を得た。
【表1】

【0039】
導電性評価試験体:下地としてJIS A5430に適合する900×900mmスレート平板にエポキシプライマーとしてジョリエースJE−70(アイカ工業(株)、商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、変性ポリアミドアミン系溶剤形、固形分30%)を短毛ローラーにて塗布量0.2kg/m塗布後、23℃相対湿度50%条件下24時間静置し、実施例・比較例・参考例の樹脂組成物をローラー刷毛にて用い塗布量0.2kg/mにて塗布し、23℃相対湿度50%条件下7日間静置し試験体とした。
【0040】
低電圧導電性評価方法:絶縁抵抗計(日置電機(株)、デジタルメグオームハイテスター3154)で、リードピン間隔91.4cmで、印加電圧25Vで5箇所抵抗値を測定の平均値を有効数字1桁に丸めたものを抵抗値とした。
*1抵抗値の計測は電流の計測であり、測定精度が保証される高抵抗範囲外であり、数値が得られないもので、酸化物のバンドギャップによる場合や高抵抗、絶縁で測定できないもの。
【0041】
NFPA法導電性:抵抗値測定:N.F.P.A.(米国防火協会)の方法に準じ、重量2.27Kg(5ポンド)、接地面の直径6.35cm(2.5インチ)である2つの電極分銅を91.4cm(3フィート)隔て実施例・参考例・比較例の試験体上に設置し、電極間に500Vの印加電圧をかけて抵抗値を測定し、5箇所測定の平均値を有効数字1桁に丸めたものを抵抗値とした。
*2500Vでは、酸化物のバンドギャップはあり得ず単に測定上限の1000MΩを大きく超えるか、絶縁で測定できないもの。

【0042】
60度鏡面光沢の計測と鉛筆硬度の試験体はコンクリート平板上にエポキシプライマーとしてジョリエースJE−70を短毛ローラーにて塗布量0.2kg/m塗布後、23℃相対湿度50%条件下24時間静置したものを下地として用いた。実施例・比較例・参考例の樹脂組成物をローラー刷毛にて用い塗布量0.2kg/mにて塗布し、23℃相対湿度50%条件下7日間静置し試験体とした。
【0043】
鉛筆硬度評価:JIS K5900−5−4 引っ掻き硬度(鉛筆法)に準じて評価をした。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、低電圧でも導電性を有し、さらにエポキシ樹脂の強靱性を損なわないので、低電圧化により半導体の耐圧性が低下が進む電子部品の実装環境や帯電による着塵を嫌うクリーンルーム等床の他にも塗材として施工するものに有用である。
【符号の説明】
【0045】
1 絶縁抵抗計
2 電極分銅
3 導電性エポキシ樹脂組成物
4 基材
5 プライマー(必要による)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性物質を含むエポキシ樹脂塗材組成物であって、前記導電性物質が柱状の粒子形状であり、その粒子の重量平均長軸径が7.0〜15.0μmで、10μm以上の長軸径を有する粒子が15重量%以上含有し、粒子表面に導電性被覆を有する導電性酸化チタンであることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
前記導電性酸化チタンの導電性被覆がアンチモン固溶酸化スズであることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
前記エポキシ樹脂組成物が溶剤型常温硬化であり、使途が塗り床である請求項1乃至2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。

【図1】
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