説明

エンジン作業機

【課題】高温になったギアケースや排気管から被処理物や作業者を保護して、エンジン作業機の作業性を高めることである。
【解決手段】エンジン14に金属製のギアケース31を固定し、このギアケース31にギアユニットを収容する。ギアケース31により一対のブレード33,34を長手方向に往復動自在に保持するとともに、ギアケース31の内部にエンジン14のクランク軸の回転を往復運動に変換してブレード33,34に伝達するギアユニットを収容する。エンジン14の排気管62をマフラーから下方に引き出し、ギアケース31に沿って前方に向けて延ばして配置する。ギアケース31に保護カバー71を取り付け、この保護カバー71の第1カバー体72によりギアケース31を覆うとともに第1カバー体72と一体に形成された第2カバー体73により排気管62を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンにより駆動されるブレードにより被処理物を処理するヘッジトリマー等の携帯型のエンジン作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動源としてエンジンを備え、このエンジンに駆動されるブレードにより被処理物を処理するようにした携帯型のエンジン作業機としては、例えばヘッジトリマーがある。ヘッジトリマーは刈り込み機とも呼ばれるものであり、生け垣などの被処理物を均一に刈り込む作業に使用される。
【0003】
ヘッジトリマーのブレード(トリミング刃)は一対がセットとされ、これらのブレードは重ねて配置される。各ブレードの両側部には、それぞれ多数の刃部が並べて設けられており、これらのブレードを長手方向に互いに逆向きに往復動させることにより、生け垣等の被処理物を刃部の間に挟み込んで切断することができる。
【0004】
このようなヘッジトリマーでは、一対のブレードはエンジンの下側から前方に突出して配置される。特許文献1には、エンジンをクランク軸を下方に向けて突出させた縦置きの配置とし、このエンジンの下側にギアケースを固定するとともに、このギアケースにより一対のブレードの基端を支持するようにしたエンジン作業機が記載されている。この場合、ギアケースにはギアユニットが収容され、エンジンのクランク軸の回転運動はギアユニットにより往復運動に変換されてブレードに伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平04−33505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のエンジン作業機では、ギアユニットを収容するギアケースを鋼材等の金属材料により形成するようにしているので、クランク軸を介して伝達されるエンジンの熱や、ギアユニットやブレードが発する摩擦熱により、ギアケースの表面が高温になる。
【0007】
また、エンジンの排気管は、排気が作業者に向けて排出されるのを防止するために、作業機の下面側から引き出されて下面に沿って作業機の前方にまで延びており、作業機の前方側に向けて開口している。
【0008】
そのため、刈り込み作業を行う際には、作業機の下側にある高温になったギアケースの表面や排気管が生け垣や作業者に触れないように配慮する必要があり、その作業性はよくなかった。
【0009】
本発明の目的は、高温になったギアケースや排気管から被処理物や作業者を保護して、エンジン作業機の作業性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のエンジン作業機は、被処理物を処理するブレードを備えた携帯型のエンジン作業機であって、前記ブレードを駆動するエンジンと、前記エンジンの動力を前記ブレードに伝達するギアユニットと、前記エンジンに固定され、前記ブレードを保持するとともに前記ギアユニットを収容するギアケースと、前記ギアケースを覆う第1カバー体と前記エンジンの排気管を覆う第2カバー体とが一体に構成された保護カバーと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明のエンジン作業機は、前記保護カバーが樹脂材料で形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のエンジン作業機は、前記第1カバー体と前記第2カバー体は、一体成形により形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のエンジン作業機は、前記保護カバーの表面にフッ素樹脂がコーティングされていることを特徴とする。
【0014】
本発明のエンジン作業機は、前記第1カバー体が周縁壁を有する皿形状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のエンジン作業機は、前記ギアケースが前記第1カバー体に向けて開口するバスタブ状に形成され、前記第1カバー体が前記ギアケースの開口を閉塞する蓋体に重ねて配置され、前記周縁壁が前記ギアケースと前記蓋体との組み合わせ位置よりも前記ギアケースの側に延びていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ギアケースやエンジンの排気管を保護カバーにより覆うようにしたので、作業時に被処理物や作業者が高温になったギアケースや排気管に不意に触れることを防止することができる。これにより、高温になったギアケースや排気管に気を取られることなく作業を行うことを可能として、このエンジン作業機の作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態であるヘッジトリマーの側面図である。
【図2】図1に示すブレードの詳細を示す平面図である。
【図3】図1に示すヘッジトリマーの要部を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】図3におけるA−A線に沿う断面図である。
【図5】図1に示すヘッジトリマーの底面図である。
【図6】図4に示す周縁壁を拡大して示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
図1に示すヘッジトリマー11は刈り込み機とも呼ばれる携帯型のエンジン作業機であり、被処理物である生け垣等を均一に刈り込む作業等に使用される。
【0020】
このヘッジトリマー11は鋼材やアルミニウム合金等の金属材料により形成された本体ベース12を備えており、この本体ベース12にはエンジンケースとも呼ばれるハウジング13が取り付けられている。
【0021】
図3に示すように、ハウジング13の内部にはエンジン14が収容されている。このエンジンは2サイクルのガソリンエンジンであり、ハウジング13の内部に縦置きに配置され、クランクケース14aの部分において本体ベース12に固定されている。エンジン14のクランク軸14bはヘッジトリマー11の上下方向に向けられており、その先端はエンジン14から下方つまり本体ベース12の側に向けて突出している。クランク軸14bの先端には遠心クラッチ15を介して駆動軸16が取り付けられており、この駆動軸16は一対の軸受17a,17bにより本体ベース12に回転自在に支持されている。エンジン14が作動してクランク軸14bの回転数が所定回転数以上となると、遠心クラッチ15が動力伝達状態に切り替わり、駆動軸16はエンジン14により駆動されて回転する。
【0022】
本体ベース12にはフロントハンドル21とリアハンドル22とが取り付けられており、作業者はこれらのハンドル21,22を把持して作業を行なうことができる。フロントハンドル21は本体ベース12の前方側に設けられ、そのさらに前方側にはフロントハンドル21を握る作業者の手を保護するためのハンドガード23が設けられている。
【0023】
リアハンドル22は本体ベース12の後方側に、このヘッジトリマー11の長手方向(前後方向)に平行な枢軸(不図示)を介して取り付けられている。リアハンドル22にはロック解除ボタン24が設けられ、このロック解除ボタン24を押すことにより、枢軸を中心としてリアハンドル22を本体ベース12に対して回動させることができる。また、ロック解除ボタン24の操作を解除することにより、本体ベース12に対するリアハンドル22の回動をロックすることができる。つまり、ロック解除ボタン24を押してリアハンドル22を回転させることにより、本体ベース12に対してリアハンドル22を所望の角度に調節することができる。
【0024】
リアハンドル22にはスロットルレバー25が設けられ、このスロットルレバー25を操作することによりエンジン14の回転数を制御することができる。また、リアハンドル22にはエンジン停止スイッチ26に加えてロックレバー27が設けられ、作業者がリアハンドル22を把持してこのロックレバー27が押し込まれた状態でのみスロットルレバー25を操作することができる。
【0025】
エンジン14に固定された本体ベース12の下面、つまりクランク軸14bの軸方向に沿う方向であってエンジン14とは反対側を向く面には、ギアケース31が一体に設けられている。図3、図4に示すように、ギアケース31は本体ベース12に対してエンジン14とは反対側、つまりヘッジトリマー11の下面側に向けて開口するバスタブ状に形成されており、その開口は鋼板製の蓋体32により閉塞されている。
【0026】
ヘッジトリマー11には、被処理物である生け垣等を刈り込み処理するための一対のブレード(トリミング刃)33,34が設けられている。図2に示すように、これらのブレード33,34は、鋼板等の金属材料により薄くて細長い板状に形成されており、その両側部は、多数の刃部33a,34aが所定の間隔を空けて並べて設けられて櫛状となっている。これらのブレード33,34は厚み方向に重ねて配置され、その長手方向の先端側と基端側に設けられた長孔35に挿通されたボルト36とナット37とにより互いに組み合わされている。ボルト36とナット37は各ブレード33,34の間に僅かに隙間ができるように緩く締結されている。これにより、各ブレード33,34は互いに摺接しながら、長手方向に互いに逆向きに往復動することができる。そして、互いに逆方向に往復動するブレード33,34の刃部33a,34aの間に生け垣等の被処理物を挟み込むことにより、当該被処理物をブレード33,34により切断処理することができる。
【0027】
ギアケース31の前方側部分には開口部31aが設けられ、この開口部31aから各ブレード33,34の基端がギアケース31の内部に挿通されている。ギアケース31の底壁部分にはボルト38とナット39によりガイドバー41が固定されており、ギアケース31に設けられたブロック部42とガイドバー41との間に各ブレード33,34が挟み込まれている。これにより、各ブレード33,34はギアケース31に長手方向に進退移動自在に保持されている。なお、ブレード33,34は、その厚み方向をクランク軸14bの軸方向に向け、クランク軸14bの軸方向に重ねられた状態でギアケース31に挿通されている。
【0028】
ギアケース31の内部には、クランク軸14bの回転運動を往復運動に変換してブレード33,34に伝達するためにギアユニット51が収容されている。図3に示すように、ギアケース31の内部には駆動軸16の先端が配置され、駆動軸16の先端にはギアユニット51を構成するピニオン52が一体に設けられている。また、ギアケース31には支軸53により支持されたスパーギア(平歯車)54が回転自在に収容されており、このスパーギア54がピニオン52に噛み合わされている。
【0029】
スパーギア54の軸方向の両面には、それぞれスパーギア54の軸心に対して偏心する円板状のガイド部55a,55bが一体に設けられている。これらのガイド部55a,55bは、スパーギア54の軸心を中心とした位相は、互いに180度ずれている。
【0030】
一方のブレード33はギアケース31の開口部31aから一方のガイド部55aに向けて真っ直ぐに延び、その基端に設けられたガイド孔33bにおいて一方のガイド部55aに係合している。他方のブレード34はギアケース31の内部で段差状に折り曲げられ、その基端に設けられたガイド孔34bにおいて他方のガイド部55bに係合している。各ガイド孔33b,34bはブレード33,34の長手方向と直交し、且つスパーギア54の軸方向に直交する方向に延びる長孔として形成されている。エンジン14が作動してクランク軸14bとともに駆動軸16が回転すると、その回転がピニオン52とスパーギア54とにより減速されるとともにスパーギア54に対して偏心するガイド部55a,55bが支軸53を中心として回転する。ガイド部55a,55bが支軸53を中心として回転すると、その回転がガイド孔33b,34bにより各ブレード33,34の往復運動に変換される。これにより、各ブレード33,34をエンジン14により駆動して、その長手方向に互いに逆向きに往復運動させることができる。
【0031】
ギアケース31の内部には潤滑剤としてグリースが塗布されており、このグリースにより、ピニオン52とスパーギア54との噛み合い部分、各ブレード33,34とギアケース31との摺接部分および各ガイド部55a,55bとガイド孔33b,34bとの摺接部分が潤滑されるようになっている。
【0032】
図4に示すように、ハウジング13の内部にはエンジン14のマフラー(消音器)61が収容されており、このマフラー61に接続された金属製の排気管62がハウジング13から下方に向けて突出している。マフラー61から下方に突出した排気管62は、ヘッジトリマー11の前方側に向けて折り曲げられ、ギアケース31に固定された保持具63により保持されてヘッジトリマー11の下面側においてギアケース31に隣接配置されている。排気管62の先端はヘッジトリマー11のブレード33,34が設けられる側つまり前方側にまで達しており、その先端は僅かに上向に向けて曲げられている。
【0033】
このヘッジトリマー11のギアケース31は金属製となっているので、クランク軸14bや駆動軸16を介して伝達されるエンジン14の熱や、ギアユニット51やブレード33,34が発する摩擦熱等により、作業時にはギアケース31の表面や蓋体32が高温になる。また、エンジン14の排気管62は、ヘッジトリマー11の下面側にギアケース31に隣接して配置されており、この排気管62も内部を通過する排気ガスにより作業時には高温となる。そこで、本発明のヘッジトリマー11では、刈り込み作業を行う際に、高温になったギアケース31と蓋体32の表面や排気管62が生け垣や作業者に触れないように、ギアケース31(蓋体32)および排気管62を保護カバー71で覆うようにしている。
【0034】
この保護カバー71はギアケース31や蓋体32を覆う第1カバー体72と排気管62を覆う第2カバー体73とを備えており、これらのカバー体72,73が樹脂材料により一体に形成された構造となっている。保護カバー71を形成する樹脂材料としては耐熱性を有するものを用いるのが好ましい。
【0035】
保護カバー71は樹脂材料により一体形成において製造されることが望ましく、部品点数の削減や、製造コストの低減を図ることができる。尚、第1カバー体72と第2カバー体73は、それぞれ別部品として製造され、一体に組み合わされたものであっても本体への取付構造を簡単化できるとともに、組立性を向上させることが可能である。
【0036】
第1カバー体72は、本体壁72aと本体壁72aの外周縁に略垂直に連なる周縁壁72bとを備えた皿形状に形成され、その外形はギアケース31の外形よりも一回り大きくなっている。本体壁72aの内面には6つのボス部72cが突出形成されており、これらのボス部72cの先端において第1カバー体72はギアケース31の蓋体32の表面に当接している。各ボス部72cにはボルト74が挿通され、これらのボルト74により第1カバー体72はギアケース31に固定されている。なお、これらのボルト74は蓋体32も貫通しており、蓋体32はギアケース31と第1カバー体72との間に挟み込まれて、第1カバー体72と同一のボルト74によりギアケース31に固定されている。
【0037】
第1カバー体72のボス部72cに対応する部分の表面には凹部72dが設けられ、ボルト74のヘッド部74aは凹部72dに収容されている。これにより、第1カバー体72の表面からボルト74のヘッド部74aが突出することをなくして、作業時に被処理物である生け垣等と保護カバー71との間で生じる接触抵抗を低減することができる。
【0038】
ギアケース31に固定された第1カバー体72の本体壁72aとギアケース31の蓋体32との間には所定の隙間が設けられている。作業時にギアケース31が高温になると、ギアケース31の内部に塗布されたグリースの粘度が低下し、ギアケース31と蓋体32との組み合わせ面からグリースが漏れ出すおそれがある。しかしながら、本発明では、ギアケース31を覆う第1カバー体72によりギアケース31から漏れ出したグリースを受けて、被処理物である生け垣等にグリースが付着することを防止することができる。
【0039】
また、図6に示すように、第1カバー体72の周縁壁72bの上端つまり本体壁72aから突出した先端部分は、ギアケース31と蓋体32との組み合わせ面、つまり組み合わせ位置よりもギアケース31の側に延びている。つまり、ギアケース31と蓋体32の組み合わせ面は周縁壁72bに対向してこれに覆われている。したがって、作業時にヘッジトリマー11が傾斜状態とされても、ギアケース31と蓋体32との組み合わせ面から漏れ出たグリースを周縁壁72bにより受けることができ、これにより、ヘッジトリマー11が傾斜状態とされても、生け垣等にグリースが付着することを防止することができる。
【0040】
なお、符号75は、ギアケース31の開口と蓋体32との間をシールするシール材である。
【0041】
一方、第2カバー体73は、第1カバー体72の周縁壁72bの外面から排気管62の側に向けて延びて設けられており、その本体壁73aにおいて排気管62を下方側から覆うとともに、本体壁73aの外周縁に略垂直に連なる側壁73bにより排気管62を側方から覆っている。また、第2カバー体73の前方側は側壁73bが設けられずに開放されており、ここから排気管62の先端が外部に突出している。
【0042】
このように、ヘッジトリマー11の下面側には、作業時に高温となるギアケース31と排気管62が配置されるが、本発明では、ギアケース31と排気管62とを保護カバー71により覆って、作業時に被処理物や作業者が不意に高温になったギアケース31や排気管62に触れないようにしている。これにより、ギアケース31や排気管62との接触に気を取られることなく作業を行うことを可能として、このヘッジトリマー11の作業性を高めることができる。
【0043】
また、第1カバー体72と第2カバー体73の外側を向く表面つまり保護カバー71の表面にはフッ素樹脂がコーティングされている。保護カバー71の表面をフッ素樹脂でコーティングすることにより、保護カバー71と生け垣の枝葉との接触抵抗を低減することができるとともに、保護カバー71の表面への樹液等の異物の付着を抑制することができる。
【0044】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、前記実施の形態においては、エンジン作業機としてヘッジトリマー11を例示しているが、これに限らず、例えばエンジンチェーンソーやバリカン等、他のエンジン作業機に本発明を適用してもよい。
【0045】
また、前記実施の形態においては、エンジン14として2サイクルガソリンエンジンを用いているが、これに限らず、4サイクルガソリンエンジンや、ガソリン以外の燃料を用いたエンジンなど、他の形式のエンジンを用いてもよい。
【0046】
さらに、前記実施の形態においては、保護カバー71を樹脂製としているが、これに限らず、ギアケース31と排気管62からの熱に耐えられるものであれば、他の材質により保護カバー71を形成するようにしてもよい。
【0047】
さらに、前記実施の形態においては、ギアケース31を閉塞する蓋体32に重ねて保護カバー71の第1カバー体72を配置するようにしているが、これに限らず、ギアケース31に蓋体32を設けず、第1カバー体72によりギアケース31の開口を閉塞する構成としてもよい。
【0048】
さらに、前記実施の形態においては、ヘッジトリマー11のブレード33,34は両側部に刃部33a,34aを有する両刃タイプとなっているが、これに限らず、一方の側部にのみ多数の刃部33a,34aが設けられる片刃タイプのものを用いるようにしてもよい。
【0049】
さらに、前記実施の形態においては、蓋体32の一部をスパーギア54の側に向けて凹ませた形状とし、この凹ませた部分において支軸53とスパーギア54を支持するようにしているが、これに限らず、蓋体32の内面に軸受を固定し、この軸受により支軸53を支持する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11 ヘッジトリマー
12 本体ベース
13 ハウジング
14 エンジン
14a クランクケース
14b クランク軸
15 遠心クラッチ
16 駆動軸
17a,17b 軸受
21 フロントハンドル
22 リアハンドル
23 ハンドガード
24 ロック解除ボタン
25 スロットルレバー
26 エンジン停止スイッチ
27 ロックレバー
31 ギアケース
31a 開口部
32 蓋体
33,34 ブレード
33a,34a 刃部
33b,34b ガイド孔
35 長孔
36 ボルト
37 ナット
38 ボルト
39 ナット
41 ガイドバー
42 ブロック部
51 ギアユニット
52 ピニオン
53 支軸
54 スパーギア
55a,55b ガイド部
61 マフラー
62 排気管
63 保持具
71 保護カバー
72 第1カバー体
72a 本体壁
72b 周縁壁
72c ボス部
72d 凹部
73 第2カバー体
73a 本体壁
73b 側壁
74 ボルト
74a ヘッド部
75 シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を処理するブレードを備えた携帯型のエンジン作業機であって、
前記ブレードを駆動するエンジンと、
前記エンジンの動力を前記ブレードに伝達するギアユニットと、
前記エンジンに固定され、前記ブレードを保持するとともに前記ギアユニットを収容するギアケースと、
前記ギアケースを覆う第1カバー体と前記エンジンの排気管を覆う第2カバー体とが一体に構成された保護カバーと、を有することを特徴とするエンジン作業機。
【請求項2】
前記保護カバーが樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のエンジン作業機。
【請求項3】
前記第1カバー体と前記第2カバー体は、一体成形により形成されていることを特徴とする請求項2記載のエンジン作業機。
【請求項4】
前記保護カバーの表面にフッ素樹脂がコーティングされていることを特徴とする請求項2または3記載のエンジン作業機。
【請求項5】
前記第1カバー体が周縁壁を有する皿形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
【請求項6】
前記ギアケースが前記第1カバー体に向けて開口するバスタブ状に形成され、前記第1カバー体が前記ギアケースの開口を閉塞する蓋体に重ねて配置され、前記周縁壁が前記ギアケースと前記蓋体との組み合わせ位置よりも前記ギアケースの側に延びていることを特徴とする請求項5記載のエンジン作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−31400(P2013−31400A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169056(P2011−169056)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)