説明

オンタンク式トイレディスペンサ

タンク内の液体の液面変化に応じて組成物を分配するためのディスペンサが開示される。ディスペンサは、組成物を保持するための容器と、該容器と流体連通状態の排出管と、容器と流体連通状態の空気入口と、レベル検出部材の下端がタンク内の液体と接触しその液面を検出するようにディスペンサに取り付けられるレベル検出部材とを有する。使用時に、低位の液面と高位の液面との間におけるタンク内の液体の上昇により、レベル検出部材が組成物より上の容器のヘッドスペース内の気圧を変化し、その結果、排出管からの組成物の排出を規制し、さらに、高位の液面と低位の液面との間におけるタンク内の液体の下降により、レベル検出部材がヘッドスペース内の圧力を変化させ、その結果、空気が空気入口からヘッドスペース内に通気される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2008年1月15日出願の米国仮出願第61/021,099号に基づく優先権を主張する。
本発明は、液面が変化する液体保持タンクに使用される自動ディスペンサに係り、特にクリーナを容器からトイレのオーバーフロー管内に分配するようなディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレタンクなどの貯水槽内に化学物質を自動的に分配するための種々のディスペンサが存在する。一部の便器用洗剤ディスペンサは、トイレの水を流すサイクルの間にトイレタンクレベルの変化とともに開閉するフロート弁を使用する。たとえば、特許文献1には、円筒形ハウジング、受入体、及びフロート部を有するトイレ洗浄剤ディスペンサが記載されている。この円筒形ハウジングには、ディスペンサをトイレ貯水槽内に取り付けるためのフレームが備えられている。フロート部は、トイレ貯水槽内の水位にしたがって上下に変位することができるので、受入体からトイレ貯水槽内にトイレ洗浄剤の流れを規制する。
【0003】
トイレ貯水槽内の水位が水を流した後で一定のレベルまで上昇すると、フロート部は、トイレ貯水槽内への洗浄剤の流れを終わらせるように受入体の流動孔を密封する。このタイプのディスペンサは非効率的である可能性がある。まず、こうした多くの自動液体ディスペンサは、結果として生成物質が過量投与になる、いくらか制御されていない方法でディスペンサから生成物質が漏出するように分配されている傾向がある。第2に、その目的は、水保持タンクではなく便器を清潔にすることである。クリーナのすべてが便器よりもむしろタンク内に分配されるので、クリーナのほとんどが便器を少しも洗浄せずに下水管に流されてしまう。
【0004】
クリーナがトイレタンク内よりもむしろトイレのオーバーフロー管内に分配され得ることは認識されている。たとえば、特許文献2には、トイレタンク内の水の下に位置されるフロート(浮き)を備えたオーバーフロー管に取り付けられる液体化学物質ディスペンサが記載されている。水を流すと、水は下方に移動し、フロートを下方に移動させてダイヤフラムを下方に曲げることを可能にする。これにより、液体がダイヤフラムの上でダイヤフラム空洞を満たすことを可能にする入口弁を開放する。トイレタンクに再び水が補充されると、フロートは上方に移動してダイヤフラムを上方に曲げてダイヤフラムの上で空洞から液体をオーバーフロー管内に排出する。
【0005】
特許文献3には、クリーナをトイレのオーバーフロー管内に分配する別の例の装置が記載されている。この装置は、塩素供与体のソリッドパックを使用する。ボディ部材は、洗浄剤のソリッドパックを受け入れる。流入口はボディ部材と連通し、補給管(レフィルチューブ)を介してボールコックに接続可能であり、排水口はボディ部材と連通し、接続ホースを介してトイレのオーバーフロー管と接続可能である。この装置は、タンクが水を流した後にいっぱいになると、水を供給し、トイレのオーバーフロー管に対しクリーナーを溶解させる。しかしながら、ソリッドパックを使用する結果として、特にそのパックが有効期限の終わりに近いときに、便器に対する活性体の放出に一貫性が無くなることになる。
【0006】
特許文献4には、クリーナをトイレのオーバーフロー管に分配するさらに別の例の装置が記載されている。この装置は、液体クリーナを保持するための容器、分配ノズル、及び検出管を有する。分配ノズルは容器内の液面より下にある容器上に位置付けられる。検出管はトイレタンク内の水に浸水可能であり、これにより、タンクの水の周期的な下降及び上昇の結果、容器から分配ノズルを介して液体が排出することになる。容器は、液体が分配ノズルからトイレのオーバーフロー管に下降するようにトイレのオーバーフロー管の上部開口端にクリップ取り付けすることができる。
【0007】
特許文献5には、クリーナをトイレのオーバーフロー管内に分配するさらに別の例の装置が記載されている。この分配装置は、トイレタンク水と連通する導管(コンジット)を有するアキュムレータ・チャンバを有する。アキュムレータ・チャンバはまた、生成物チャンバと連通する生成物誘導管を有する。この装置はさらに、アキュムレータ・チャンバと連通する第1の生成物排出管と、排出管と連通しトイレタンクのオーバーフロー管内に延出する第2の生成物排出管と、を含む。トイレタンクの水位が水を流す際に下降すると、管内の水位が下降し、アキュムレータ・チャンバ内に減圧を引き起こし誘導管内の生成物を上昇させる。トイレタンクがいっぱいになると、水はトイレタンク内で上昇し、導管内の空気を圧縮して、生成物をアキュムレータから第1及び第2の生成物排出管からトイレタンクのオーバーフロー管内へと排出するようにさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,903,930号
【特許文献2】米国特許第3,254,797号
【特許文献3】米国特許第6,321,392号
【特許文献4】米国特許第5,353,957号
【特許文献5】米国特許第5,152,015号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
クリーナをトイレのオーバーフロー管に分配するこれら種々の装置にもかかわらず、次に水を流すまで便器に残ることになるときに、トイレのオーバーフロー管内に正確に制御された量の液体クリーナを分配するための、改良されたディスペンサの必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
全体的な態様において、本発明は、トイレタンクの外壁に掛かり、水を流す間のトイレタンク水の上昇及び下降を利用して流動性組成物を容器からトイレのオーバーフロー管に供給するディスペンサを提供する。トイレタンク内のフラッパ弁が閉じて次に水を流すまでクリーナのすべてが便器内に留まり動作可能にした後で、組成物は便器からトイレのオーバーフロー管に供給される。ユーザは、トイレタンクの外壁上にディスペンサを掛け、面倒なことなく組成物容器を取り付けることができる。ディスペンサの動作機構は、移動部品を必要とせず、水を流す間にトイレタンクの水の上昇及び下降を利用するポンプ式システムである。タンクの水の上昇及び下降を利用して液体組成物を容器からオーバーフロー管にポンプでくみ上げることは、長期間にわたって便器クリーナを維持するために水を流す間に留まる便器内の化学物質をより集積させることを可能にする。
【0011】
1つの態様において、本発明は、タンク内の液体の液面変化に応じて組成物を分配するためのディスペンサを提供する。ディスペンサは、組成物を保持するための容器と、該容器と流体連通状態の排出管と、該容器と流体連通状態の空気入口と、レベル検出部材の下端がタンク内の水と接触しその水位を検出するようにディスペンサに取り付けられるレベル検出部材と、を有する。
【0012】
低位の液面及び高位の液面との間におけるタンク内の液体の上昇により、レベル検出部材が空気の容量をディスペンサの一部から移動させることができ、この結果、ディスペンサの別の部分からの生成物の同時移動を生じるとともに、サイクル全体の間にディスペンサの全体にわたって一定圧力(大気圧)を維持する。
【0013】
ある実施の形態において、ディスペンサはさらに、容器をタンクの外壁の上端に取り付けるように構成されるホルダを含み、このホルダは、タンクの外壁の上端に容器を取り付けるための少なくとも1つのフックを有し、上端開口及び下端開口を有する通気管が存在し、通気管の上端開口が空気入口と流体連通状態にあり、通気管の下端開口が容器の内部空間の一部と流体連通状態にある。1つの特定の限定されない実施の形態において、通気管は下端開口にチェックバルブを有する。
【0014】
容器と流体連通状態にあり、排出管と流体連通状態にある区画がさらに存在しえ得るが、この区画は、組成物の量の一部が排出管から排出される前に組成物の量を蓄積する。区画は、下部オリフィスを有する組成物供給導管によって容器と流体連通状態にあることができ、区画は上部入口及び下部出口を有する出口通路を有し、組成物供給導管の下部オリフィスは、ホルダが流体制御管を装着するとき区画の下部出口通路の上部入口より下で区画内に位置付けられる。下部出口通路の上部入口は区画の内側肩部の上面に配置されることができ、区画供給導管の下部オリフィスが区画の内側肩部の上面より下のウェルに位置付けられる。
【0015】
他の形式において、容器と排出管の排出開口との間の排出通路に空隙孔が配置され、通気管が上端開口と下端開口とを有し、通気管の上端開口が空気入口と流体連通状態にあり、通気管の下端開口が容器の内部空間の下部と流体連通状態にあり、供給管が上端開口と下端開口とを有し、供給管の上端開口が排出管と流体連通状態にあり、供給管の下端開口が容器の内部空間の一部と流体連通状態にある。
【0016】
この点について、供給管の下端開口が通気管の下端開口より上に配置され、容器の開口を密閉するためのクロージャとクロージャに取り付けられる通気管が存在し得る。通気管は上端開口と下端開口とを有し、通気管の上端開口が空気入口と流体連通状態にあり、通気管の下端開口が容器の内部空間の下部と流体連通状態にあり、クロージャに取り付けられる供給管が存在し、この供給管が上端開口と下端開口とを有し、供給管の上端開口が排出管と流体連通状態にあり、供給管の下端開口が容器の内部空間の下部と流体連通状態にある。ラッチは容器の開口に対してクロージャを保持するために設けることができる。
【0017】
本発明の別の態様において、ディスペンサは、ハウジング及びダイヤフラムをさらに含み、ハウジングはダイヤフラム(絞り)によって密閉される開口端を有し、これによりハウジングの内部空間を画定する。内部空間は組成物より上の容器のヘッドスペースと流体連通状態にある。レベル検出部材はフロートであってもよく、このフロートはダイヤフラムに取り付けることができる。液体がタンク内で高位の液面から低位の液面に下降すると、ダイヤフラムが第1の方向に曲がり、ヘッドスペース内の空気を空気入口からヘッドスペース内に移動する。低位の液面と高位の液面との間におけるタンク内の液体の上昇により、ダイヤフラムが第2の方向に曲げられて組成物より上の容器のヘッドスペース内の気圧を変化させ、この結果、排出管から組成物の排出を規制する。一部の実施の形態において、サイクル全体の間でディスペンサ内には一定圧力が存在する。1つの実施の形態において、圧力は大気圧である。
【0018】
フロートはダイヤフラムに取り付けられるロッドに取り付けることができ、ロッド上のフロートの長手位置は、タンク内のフロートの高さが調整できるように調整可能である。
【0019】
さらに、空気入口がクロージャを通過し、タンクがトイレタンクであり、液体が水であるように部品は構成され選択されることができる。
【0020】
別の態様において、本発明は、上記の種類の装置を用いてトイレタンクを有するトイレの便器に組成物を供給するための方法を提供する。レベルセンサの下端がトイレタンクの水と接触するようにレベルセンサを取り付け、排出管の排出開口が組成物を便器に供給し、トイレに水を流すように排出管を位置付ける。
【0021】
高位の液面と低位の液面との間のタンク内の液体の下降(水を流すサイクルの開始)により、レベル検出部材が組成物より上の容器のヘッドスペース内の気圧を変化させ、その結果、空気が空気入口からヘッドスペース内に通気される。低位の液面と高位の液面との間におけるタンク内の液体のその後の上昇(水を流すサイクルの終了)により、レベル検出部材がヘッドスペース内の圧力を変化させ、その結果、排出管からの組成物の排出を規制する。
【0022】
この方法の好ましい形式において、排出管の排出開口は、トイレのオーバーフロー管内若しくはそれより上に、あるいはトイレの便器の周縁に隣接して位置付けられる。さらに、容器は、トイレタンクの外側に配置されるように、トイレタンクの外壁の上端、又はトイレタンクの外壁の上端に取り付けることができる。
【0023】
1つの態様において、液体レベルセンサは、水がトイレの水を流すサイクルの間に管内で上昇又は下降するように、タンクの水に浸水される下端を有する管の形状である。
【0024】
本発明の上記及び他の利点は以下の記載から明らかになるだろう。その記載において、発明の一部を構成する添付図面が参照され、例証として本発明の1つの例の実施の形態が示される。この1つの例の実施の形態は発明の範囲全体を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明のディスペンサの斜視図である。
【図2】図2は、上部覆い、流体制御管と排出管が省略された図1のディスペンサのもう1つの斜視図である。
【図3】図3は、上部覆い及び容器が省略された図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】図4は、トイレタンク上に設置された図1のディスペンサの側面図である。
【図5】図5は、容器、供給管、通気管及びホルダが省略された図4の線5−5に沿ったディスペンサの断面図である。
【図6】図6は、本発明のディスペンサの第2の実施の形態の上側、前側、及び右側から見た斜視図である。
【図7】図7は、上部覆いが省略された図6のディスペンサの正面図である。
【図8】図8は、上部覆いが省略された図7の線8−8に沿った上部平明図である。
【図9】図9は、トイレタンクに設置された図6のディスペンサの側面図であるとともに、図7の線9−9に沿ったディスペンサの断面図である。
【図10】図10は、容器及びホルダが省略された図9の線10−10に沿った図6のディスペンサの断面図である。
【図11】図11は、図9の線11−11に沿った図6のディスペンサの詳細図である。
【図12】図12は、覆いが省略された図11の線12−12に沿った図6のディスペンサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
同様の参照番号は、以下の詳細な説明における図面間の同一部分を示すために使用される。
【0027】
本発明の1つの例の実施の形態は、トイレタンクにおける水を流すサイクルの間に液状トイレ洗浄組成物をトイレタンクのオーバーフロー管に供給するディスペンサである。しかしながら、この説明から、本発明が、液面が変化する液体保持タンクと、流動可能である以上はいずれの組成物と共に使用するのに適応することを理解されたい。
【0028】
図1〜図5を参照すると、本発明の1つの例の実施の形態によるディスペンサ10が示される。ディスペンサ10の構成要素のすべては、耐食性金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンなどの種々の透明な若しくは有色素の高分子材料から製造され得る。ディスペンサ10は、ディスペンサ構成要素を液体保持タンクに取り付けるためのホルダ12を有する。ホルダ12は、後部垂直壁体14と一体になった下方の略U字形状壁体13を有する。ホルダ12は、平坦か又はわずかに下方に曲げられる上面16を有する。ホルダ12は、上部水平部材18、及びこの水平部材18から下方に垂下する垂直部材19を有する第1の取り付けフック17を有する。ホルダ12はまた、上部水平部材21、及びこの水平部材21から下方に垂下する垂直部材22を有する第2の取り付けフック20を有する。フック17、20は、後述のようにホルダ12をタンクに取り付けるために使用される。
【0029】
ホルダ12はまた、第1のソケット25の内部空間に開口する中空のサイドポート26を有する管状の第1のソケット25を支持する中央取り付けビーム24を有する。中央取り付けビーム24はまた、第2のソケット27の内部に延出する空隙孔28を有する管状の第2のソケット27を支持する。ホルダ12の上面16はまた、上面16の対向側に覆い取り付け孔29a、29bを有する。ホルダ12の上面16はさらに、給水管路30、流体管路31a、31b、及び流体区画通路32をさらに有する。
【0030】
ディスペンサ10はさらに、下部開口端35を有する硬質且つ中空の細長い流体制御管34を更に有し、下部開口端37を有する可撓性中空の排出管36もさらに有する。流体制御管34は、例えば、締まりばめや接着剤を用いて、第1のソケット25に取り付けられ、排出管36は、例えば、締まりばめや接着剤を用いて、第2のソケット27に取り付けられる。
【0031】
ディスペンサ10はさらに、ポート26を容器のふた(クロージャ)41に接続する流体導管39を有する。特に、流体導管39は、クロージャ41の上部において流体通路42と流体連通状態で配置される。流体導管39は、ポート26から流体管路31bを通り下方に、流体管路31aを通り後部上方に、流体通路42内に入りクロージャ41の上部に延出する(図2及び図3を参照)。流体通路42は、クロージャ41の底面まで延出する。組成物通路46もまた、クロージャ41を通してクロージャ41の底面まで延出する。下部オリフィス49を備えた第1の組成物供給導管48は、組成物通路46及び流体区画50を流体連通(fluid communication)状態に置く。
【0032】
流体区画50は、ホルダ12の上面16の流体区画通路32内に設置され、ホルダ12の後部垂直壁体14に対して保持される。図2及び図5を参照すると、略矩形の区画50は、対向側壁51、52、後部壁体53、前方壁体54、及び開口上端55を有する。区画50の内部空間には、肩部56が側壁52に隣接して配置される(図5参照)。肩部56は上面57を有する。組成物出口通路58は、上面57の上部入口59から下側出口60へと延出する。区画50の内部空間には、下部壁体61がさらに形成される。区画50は、呼び水を入れる間に組成物のオーバーフローが生じないことを確保するような寸法とされる。初期のサージは、組成物が区画50から排出できるよりも速く生じることがある。区画50の容積はサージを吸収できることが単に必要であるので、必要とされる区画50の高さが呼び水を入れる容積によって左右される。
【0033】
第2の組成物供給導管63は、下部出口60と第2のソケット27とを流体連通状態に置く。第2の組成物供給管63は、下部出口60から上方に、ホルダ12の上面16における供給管路30内を上方に、さらに後部下方に第2のソケット27まで延出する。図1、図3、図5を参照されたい。第2の組成物供給導管63の第2のソケット27に対する後方傾斜は、第2の組成物供給導管63の上部に逆U字形状を形成する(図1を参照)。
【0034】
ここで図3及び図4を参照すると、ディスペンサ10は、上端開口66及び下端開口67を有する管状供給管65を有する。供給管65の上端開口66は、生成物通路46に接続されて、供給管65の上端開口66を組成物通路46と流体連通状態に置く。ディスペンサ10はさらに、上端開口70と下端開口71とを有する管状通気管69を有する。通気管69の上端開口70は、図5に示すように区画50の内部空間に位置付けられる下端開口73を有する通気導管72に接続される。空気は、通気導管72を介して区画50の内部空間から流出して、通気管69を介して通気管69の下端開口71から流出する。
【0035】
ディスペンサ10はまた、容器74を有する。容器74は、流動性組成物75、好ましくは液体クリーナを保持する。ヘッドスペース76は、組成物75より上の容器74内に形成される。容器74は、締まりばめ、バイオネット取り付け、ピン・トラック取り付け、スナップ・ソケット取り付け、あるいはホース式カプラーなどの適切な手段によってクロージャ41内で漏出のないはめ込みに対して設置できる開口77を有する。クロージャ41は、容器74の開口77との漏出のないはめ込みを形成するための好適な密封リングを有する。図2において、容器74が覆い取り付けタブ78a、78bを有することが理解できる。図4を参照すると、供給管65の下端開口67が容器74の内部空間の下部の位置に開口し、通気管69の下端開口71は、容器74の内部空間の下部の位置に開口する。図4に示すように、供給管65の下端開口67は、容器74内の通気管69の下端開口71より上に配置される。
【0036】
図1を参照すると、ディスペンサ10はさらに、容器74を覆い、容器74をホルダ12に取り付けるために上部覆い80を有する。覆い80は、ホルダ12の上面16の対向面において覆い取り付け孔29a、29b(図3参照)にホルダ取り付けタブ81a、81bを接続する適切な締め具(たとえば、ねじ、ピン、リベットなど)を用いてホルダ12に結合され得る一対のホルダ取り付けタブ81a、81bを有する。覆い80はさらに、容器74(図1及び図2参照)の対向面における容器取り付けタブ83a(右側タブのみ図示せず)に容器74の覆い取り付けタブ78a、78bを接続する適切な締め具(たとえば、ネジ、ピン、リベットなど)を用いて容器74に結合され得る一対の容器取り付けタブ83a(図1において右側タブは図示せず)を有する。
【0037】
図4を参照すると、ディスペンサ10は、トイレタンク90上に取り付けて示される。トイレタンク90は、上端92を有する外壁91を有する。水93はトイレタンク90に収容され、トイレタンク90はオーバーフロー管94を有する。トイレのオーバーフロー管の機能は技術上周知であるため、さらには説明しない。ディスペンサ10がトイレタンク90上に取り付けられるとき、第1の取り付けフック17の上部水平部材18がトイレタンク90の外壁91の上端92上に置かれ、第1の取り付けフック17の垂直部材19は、トイレタンク90の外壁91の内壁91の内面95と弾性的に係合する。第2の取り付けフック20の上部水平部材21はさらに、トイレタンク90の外壁91の上端92上に置かれ、第2の取り付けフック20の垂直部材22がトイレタンク90の外壁91の内面95に弾性的に係合する。中央取り付けビーム24もまた、トイレタンク90の外壁91の内面95の上端92上に置かれる。ディスペンサ10がトイレタンク90上に取り付けられるとき、中空流体制御管34の下部開口端35がトイレタンク90における下部位置に配置され、可撓性中空排出導管36の下部開口端37がオーバーフロー管94に配置される。タンクのふたがトイレタンク90の後部に置かれる場合、ユーザは流体制御管34及び中空排出導管36を見られない。
【0038】
ディスペンサ10の構成要素及びトイレタンク90上のディスペンサ10の取り付けを記載してきたが、ディスペンサ10における流体の流れは更に説明される。最初に流体制御管34から始めると、流体制御管34がトイレタンク90に収容される水34中に置かれるとき、水93は、トイレタンク90内の水93の水位とほぼ等しい流体制御管34内のレベルまで上昇する。
【0039】
トイレに水を流すとき、流体制御管34内の水93の水位及びトイレタンク90内の水93の水位が図4のD方向に下降する。流体制御管34内の水93の下降は、流体制御管34内で下向き吸引をもたらす。流体制御管34が、第1のソケット25、サイドポート26、流体導管39、及びクロージャ41の上部における流体通路42を用いて容器74のヘッドスペース76と流体連通状態にあるので、低圧力の領域は、容器74のヘッドスペース76に形成される。容器74のヘッドスペース76内の低圧力の領域は、通気導管72内に大気を吸い込み、通気管69内を下方に、(例えばバブリングによって)容器74内の組成物75内を上方に、さらに容器74のヘッドスペース76内に大気を吸引しヘッドスペース76内の圧力を回復させる。このようにして、通気導管72は、タンクの水の高さが容器74内の大気圧力を維持するために水を流す間に下降すると、大気を容器74内に吸引させることを可能にする空気入口としての働きをする。
【0040】
トイレのフラッパ弁が一般的な方法で水を流すサイクルの間に閉じるとき、流体制御管34内の水93の水位及びトイレタンク90内の水93の水位が図4のU方向に再び上昇する。流体制御管34内の水93の上方移動は、流体制御管34内の空気を上方に移動させる。流体制御管34が、第1のソケット25、サイドポート26、流体導管39、及びクロージャ41の上端における流体通路42を用いて容器74のヘッドスペース76と流体状態にあるので、高圧の領域は容器74のヘッドスペース76内にもたらされる。容器74のヘッドスペース76内の高圧の領域は、供給管65内を上方に、組成物通路46内に、第1の組成物供給導管48内を下方に、流体区画50のウェル61内に組成物75を押し出し、ヘッドスペース76内の圧力を回復させる。このようにして、タンク90内の水93の上昇及び下降は、生成物75の一貫性のある投与量に変わる。一般に、流体制御管34の内部断面領域によって乗算される水を流す間の水93の上昇及び下降の高さの相違は、空気量が容器74からの等量の組成物75を押し付けると投与量当たりに供給される組成物75の容量に等しい。1つの例の実施の形態における流体制御間34の内面が円形である(πかける半径の2乗の内部断面積をもたらす)一方、流体制御管が異なる内部断面積をもたらす異なる形状及び/又は異なる内部寸法を有する可能性があることを理解されたい。
【0041】
組成物75は流体区画50のウェル61に集まる。ウェル61は、第1の構成供給導管48を水が注がれた状態に維持するために逆圧を付加する組成物75で充てんされたままである。更なる組成物75が流体区画50のウェル61に付加されるとき、組成物75は、区画50の肩部56の上面57の上に上昇する。組成物75は次に、組成物出口通路58に入り下部出口60から出る。組成物75は次に、第2の組成物供給導管63に入り、第2のソケット27と排出導管36に引き続いて、組成物75はオーバーフロー管94に排出される。第2のソケット27における空隙孔28は、第2のソケット27内への空気にサイフォンを停止させ、組成物75の全体量をワンショットで投与することを防止する。組成物75がオーバーフロー管94に排出されるので、組成物75はタンク90内の水93に入ることなく便器に直接入る。その結果、組成物75はタンク90内の水93に希薄化されず、単に配水管に流されることにならない。組成物75は、次に水を流すまで、(例えば洗浄し、殺菌消毒し、香料を付与することによって)便器内で動作するようにされる。
【0042】
図6〜図12を参照すると、本発明の第2の例の実施の形態によるディスペンサ110が示される。ディスペンサ110の構成要素のすべては、耐食性金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンなどの種々の透明な有色素の高分子材料から製造され得る。ディスペンサ110は、ディスペンサ構成要素を液体保持タンクに取り付けるためのホルダ112を有する。ホルダ112は、後部垂直壁114と一体になった下部略U字形壁体113を有する。ホルダ112は、上部前側水平部材118と、この上部前側水平部材118から下方に垂下する前側水平部材119を有するクリップ117を有する。クリップ117はさらに、中間垂直部材120を有し、この中間垂直部材は、上部前側水平部材118から下方に垂下する中間垂直部材120と、上部後側水平部材121、及び上部後側水平部材121から下方に垂下する後部垂直部材122を有する。前側垂直部材119、上部前側水平部材118、及び中間垂直部材120は、後述するようにホルダ112をタンクに取り付けるために使用される。
【0043】
ホルダ112はさらに、前側垂直部材119に取り付けられる取り付けブラケット123を有し、レベル検出アセンブリ124を支持する。ホルダ112はまた、前側垂直部材119に取り付けられる取り付けプレート125を有する。取り付けプレート125は、ソケット127の内部に延出する空隙孔128を有する管状ソケット127を支持する。下方開口端131を有する可撓性中空排出導管130は、(例えば締まりばめや接着剤を用いて) ソケット127に取り付けられる。ポート132は、ソケット127の内部と流体連通状態にある。
【0044】
次に図8及び図9を参照すると、レベル検出アセンブリ124は、上部壁体183、及び上部壁体183から下方に延出する円形側壁184を有するハウジング182を有する。側壁184は、側壁184内を延出する中央通路を備えた流体ポート185を有する。流体ポート185は流体導管139に接続される。レベル検出アセンブリ124はまた、ハウジング182の側壁184にその周囲に沿って結合される回転シール柔軟性ダイヤフラム186を有する。ダイヤフラム186は、ゴムなどの弾性材料から形成されることができる。ピストン187は、ダイヤフラム186を曲げるためにダイヤフラム186の底面に取り付けられる。ロッド188はピストン187に接続される。ロッド188はその下端にねじ山189を有する。ロッド188は、取り付けブラケット123の離間されたカラー190b、190tによって垂直配向に支持される。レベル検出アセンブリ124はさらに、環状プレート193によって円筒形内壁194に取り付けられる円筒形外壁192を有するフロート191を有する。円筒形内壁194はねじ山を備えた内面195を有する。フロート191の円筒形内壁194の内面195上の内部ねじ山は、ロッド188上の外部ねじ山189と係合する。ロッド188上のフロート191の位置は、ロッド188上のフロート191をねじ留め及びねじを外すことによって調整することができる。
【0045】
ディスペンサ110は、ホルダ112に設置されホルダ112の後部垂直壁114に対して保持される流体区画150を有する。図7及び図10を参照すると、略矩形状の区画150は、対向側壁151、152、後壁153、前壁154、及び開口上端155を有する。区画150の内部空間において、肩部156は側壁152に隣接して配置される(図10参照)。肩部156は上面157を有する。組成物出口通路158は、上面157の上部入口159から下部出口160へと延出する。区画150の内部空間において、下部ウェル161がさらに形成される。区画150は、プライミングの際に組成物のオーバーフローが起きないことを確保するような寸法となっている。初期のサージは、組成物が区画150から排出可能な場合よりも速く発生することがある。区画150の容積は、単に、区画150の高さがプライミング容量に応じて必要とされるようなサージを吸収できるようでなければならない。第2の組成物供給導管163は、区画150の下部出口160とソケット127とを流体連通状態に配置する。第2の組成物供給導管163のソケット127に対する下向き傾斜は、第2の組成物供給導管163の上部に逆U字形を形成する。
【0046】
図7及び図8を参照すると、ディスペンサ110はさらに容器クロージャ141を有する。流体導管139は、クロージャ141の上部の流体通路142と流体連通状態に置かれる。流体通路142はクロージャ141の底面を延出通過する。組成物通路146はさらに、クロージャ141内をクロージャ141の底面まで延出する。下部オリフィス149を備えた第1の組成物供給導管148は、図8及び図10に示されるように組成物通路146と流体区画150とを流体連通状態に置く。
【0047】
図8及び図12を参照すると、ディスペンサ110は、上端開口166と下端開口167を有する管状供給管165を有する。供給管165の上端開口166は組成物通路146に接続され、供給管165の上端開口166を組成物通路146と流体連通状態に置く。ディスペンサ110はさらに、通気導管172に接続される上端開口170と、図10に示されるような区画150の内部空間に位置付けられる下端開口173を有する管状通気管169を有する。空気は、区画150の内部空間から通気管169を通り、通気導管172を通り、さらに通気導管172の下端開口173から流出することができる。
【0048】
ディスペンサ110はさらに、容器174を有する。容器174は、流動性組成物175、好ましくは液体クリーナを保持する。ヘッドスペース176は、組成物175より上の容器174内に形成される。容器174は、締まりばめ、バイオネット取り付け、ピン・トラック取り付け、スナップ・ソケット取り付け、ホース式カプラーなどの適切な手段を用いてクロージャ141における漏出のないはめ合いに対して設置可能な開口開口177を有する。クロージャ141は、容器174の開口177とともに漏出のないはめ合いを形成するための適切な密封インサート144(図11参照)を有する。図6を参照すると、ディスペンサ110はさらに、容器174を覆うための上部覆い180を有する。覆い180はホルダ112に取り付けられる。
【0049】
図11及び図12を参照すると、容器174の開口177は、下面179を有する円形フランジ178を有する。容器174がクロージャ141に対して設置されるとき、フランジ178の下面179は、ピン198a、198bを用いて覆い180に回転可能に取り付けられるラッチ197上の突出部196によって係合される。ラッチ197上の突出部196は、ばねによって容器174の開口177に向かって付勢され得る。容器174は、図11における「A」方向にラッチ197を押圧し、容器174をクロージャ141から離れるように下方に引っ張ることによってクロージャ141から取り外されることができる。図12に示すように、供給管165の下端開口167は、容器174の内部空間の下部の位置に開口し、通気管169の下端開口171はまた、容器174の内部空間の下部の位置に開口する。
【0050】
このようにして、ラッチ197が消費者に着脱式容器174を所定位置に固定させ、容器174が空のときに容器174を取り外すのに役立つように使用できる。容器174をクロージャ141に対し単に押すことによって、ラッチ197を所定位置にクリックさせる。この機械的取り付けは、容器174の開口177と、クロージャ141の封止インサート144との摩擦はめ合い(フリクションフィット)に安全性のレベルを追加する。ラッチ197は、容器174の開口177をクロージャ141の密封インサート144から取り外すのに役立つように使用することができる。
【0051】
ここで図9を参照すると、ディスペンサ110はトイレタンク90上に取り付けられて示されている。トイレタンク90は、上端92を有する外壁91を有する。水93はトイレタンク90に収容され、トイレタンク90はオーバーフロー管94を有する。トイレのオーバーフロー管の機能は当該技術上周知であるため詳述しない。ディスペンサ110がトイレタンク90に取り付けられるとき、上部前側水平部材118はトイレタンク90の外壁91の上端92上に置かれ、前側垂直部材119はトイレタンク90の外壁91の内面95と弾性的に係合し、中間垂直部材120はトイレタンク90の外壁91の外面96と弾性的に係合する。ディスペンサ110がトイレタンク90に取り付けられるとき、可撓性中空排出導管130の下部開口端131はオーバーフロー管94に配置される。ユーザは、タンク90が注入し始めるとすぐに(即ち、水を流している最中)水93の高さにフロート191の底部を設置することができる。
【0052】
ディスペンサ110の構成要素及びディスペンサ110のトイレタンク90上への取り付けを記載してきたが、ディスペンサ110における流体の流れがさらに説明される。トイレに水が流されると、トイレタンク90の水93の水位が図9の方向Dに下方移動する。水93の水位が下降するとフロート191の下方動作がダイヤフラム186より上のハウジング182の内部に下向き吸引をもたらすが、これはピストン187がロッド188及びフロート191とともに下方に移動するためにダイヤフラム186が下方に曲がるからである。ハウジング182がポート185、流体導管139及びクロージャ141の上部における流体通路142によって容器174のヘッドスペース176と流体連通状態にあるので、低圧の領域が容器174のヘッドスペース176内に生成される。容器174のヘッドスペース176内の低圧の領域は、通気導管172内を通り、通気管169内を下方に、(例えばバブリングによって)容器174内の組成物175内を上方に、さらに容器174のヘッドスペース176内に大気を引き込み、ヘッドスペース176内の圧力を回復させる。このようにして、通気導管172は、タンクの水の高さが水を流す間に下降して容器174内の大気圧を維持すると、大気を容器174内へと吸引させる空気入口として機能する。
【0053】
一般的な方法で水を流すサイクルの間にトイレのフラッパ弁が閉じるとき、トイレタンク90内の水93の水位が図9のU方向に後部上方に移動する。水93及びフロート191の上方動作(水93とともに上昇)は、ピストン187がロッド188とフロート191とともに上方に移動することによってダイヤフラム186を上方に曲げる。ハウジング182の内部が、ポート185、流体導管139、及びクロージャ141の上部の流体通路142によって容器174のヘッドスペース176と流体連通状態にあるので、高圧の領域は容器174のヘッドスペース176内に形成される。容器174のヘッドスペース176内の高圧の領域は、供給管165内を上方に、組成物通路146内に向かって、第1の組成物供給導管148内を下方に、及び流体区画150のウェル161内に、組成物175を押し出して、ヘッドスペース176内の圧力を回復させる。このようにして、タンク90内の水93の上昇及び下降は、結果として組成物175の一貫性のある投与量に変わる。
【0054】
組成物175は流体区画150のウェル161に集まる。ウェル161は、呼び水をされた第1の組成物供給導管148を維持するために後部圧力を付加する組成物175で充てんされたままである。更なる組成物175が流体区画150のウェル161に付加されると、組成物175は区画150の肩部156の上面157より上に上昇する。組成物175は組成物出口通路158に入り、下部出口160から出る。組成物175は次に、第2の組成物供給導管163に入り、ソケット127及び排出導管130に続き、オーバーフロー管94に排出される。ソケット127における空隙孔128は、ソケット127内の空気がサイフォンを停止させ、組成物175の全体容量がワンショットで投与されることを防止する。空隙孔128から下流にある排出導管130の内径は、組成物175が不連続滴下として供給されるように変化させることができ、クリーナは排出導管130の内面下方に連続的に運ばれない。排出導管130の内径は、1/4インチ(6.35mm)が適切である。
【0055】
組成物175がオーバーフロー管94に排出されるので、組成物175はタンク90内の水93に入ること無しに直接便器に入る。この結果、組成物175はタンク90の水93で希薄化されず、単に配水管に水を流したことにはならない。組成物175は、次の水を流すまで便器内で(例えば、洗浄、殺菌消毒、芳香を付与することによって)動作することが可能とされる。
【0056】
上記説明は本発明の1つの例としての実施の形態のものである。しかしながら、他の変形が発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施し得ることは当業者には明白である。ゆえに、発明の範囲は全体として1つの例としての実施の形態によって判断されたい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、トイレタンクの外壁に掛かり、水を流す間にトイレタンクの水の上昇及び下降を利用して組成物を便器に供給するトイレのオーバーフロー管内に容器から流動性洗浄組成物を供給するディスペンサを提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を保持するための容器と、
前記容器と流体連通状態の排出管と、
前記容器と流体連通状態の空気入口と、レベル検出部材の下端がタンク内の液体に接触しその液面を検出するように、ディスペンサに取り付けられるレベル検出部材と、を含み、これにより、
低位の液面と高位の液面との間におけるタンク内の液体の上昇により、前記レベル検出部材が組成物より上の容器のヘッドスペース内の気圧を変化し、その結果、前記排出管からの組成物の排出を規制することができ、
高位の液面と低位の液面との間におけるタンク内の液体の下降により、レベル検出部材がヘッドスペース内の圧力を変化し、その結果、空気が空気入口からヘッドスペース内に通気される、
タンク内の液体の液面変化に応じて組成物を分配するためのディスペンサ。
【請求項2】
前記ディスペンサが、容器をタンクの外壁の上端に取り付けるように構成されるホルダを更に含む、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記ホルダが、容器をタンクの外壁の上端に取り付けるための少なくとも1つのフックを有する、請求項2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
上端開口及び下端開口を有する通気管をさらに含み、通気管の上端開口が空気入口と流体連通状態にあり、通気管の下端開口が容器の内部空間の一部と流体連通状態にある、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項5】
容器と流体連通であり排出管と流体連通である区画をさらに含み、前記区画が組成物の量の一部が排出管から排出される前に一定量の組成物を蓄積する、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記区画が下部オリフィスを有する組成物供給導管によって容器と流体連通状態にあり、
前記区画が上部入口及び下部出口を有する出口通路を有し、
前記組成物供給導管の下部オリフィスが前記区画の出口通路の上部入口の下で区画に位置付けられる、
請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記出口通路の上部入口が前記区画の内部肩部の上面に配置され、
前記組成物供給導管の下部オリフィスが前記区画の内部肩部の上面より下のウェルに位置付けられる、
請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
空隙ホールが前記容器と、前記排出管の排出開口との間の排出通路に配置される、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項9】
上端開口と下部開口とを有する通気管をさらに含み、前記通気管の上端開口が空気入口と流体連通状態にあり、前記通気管の下端開口が前記容器の内部空間の下部と流体連通状態にあり、
上端開口と下端開口とを有する供給管をさらに含み、前記供給管の上端開口が排出管と流体連通状態にあり、前記供給管の下端開口が前記容器の内部空間の下部と流体連通状態にある、
請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記容器の開口を密閉するためのクロージャをさらに含む、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記クロージャに取り付けられる通気管をさらに含み、前記通気管が上端開口と下端開口とを有し、通気管の上端開口が空気入口と流体連通状態にあるとともに、通気管の下端開口が前記容器の内部空間の下部と流体連通状態にあり、
前記クロージャに取り付けられる供給管をさらに含み、前記供給管が上端開口と下端開口とを有し、前記供給管の上端開口が排出管と流体連通状態にあるとともに、供給管の下端開口が前記容器の内部空間の下部と流体連通状態にある、
請求項10に記載のディスペンサ。
【請求項12】
前記空気入口がクロージャ内を通過する、請求項10に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記容器の開口に対してクロージャを保持するためのラッチをさらに含む、請求項10に記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記タンクがトイレタンクであり、前記液体が水である、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項15】
前記ディスペンサがハウジング及びダイヤフラムをさらに含み、前記ハウジングがダイヤフラムによって密閉される開口端を有することによって、ハウジングの内部空間を画定し、前記内部空間が組成物より上の容器のヘッドスペースと流体連通状態にあり、
前記レベル検出部材がフロートであり、
前記フロートがダイヤフラムに取り付けられ、これにより、
高位の液面から低位の液面にタンク内の液体が下降すると、ダイヤフラムが第1の方向に曲がり、ヘッドスペース内の空気を空気入口からヘッドスペース内に通気させるように移動し、
低位の液面から高位の液面との間におけるタンク内の液体の上昇により、前記ダイヤフラムを第2の方向に曲げさせて組成物より上の容器のヘッドスペース内の気圧を変化させ、その結果、排出管からの組成物の排出を規制する、
請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項16】
前記レベル検出部材がフロートであり、
前記フロートがロッドに取り付けられ、
前記ロッド上の前記フロートの長手位置が調整可能である、
請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項17】
(a)(i)組成物を保持する容器と、
(ii)前記容器内の組成物より上のヘッドスペースと流体連通状態にあるレベルセンサと、
(iii)前記容器と流体状態にある排出管と、
(iv)前記容器と連通状態にある空気入口と、
を有するディスペンサを提供することと、
(b)前記レベルセンサの下端がトイレタンク内の水に接触するようにレベルセンサを取り付けることと、
(c)前記排出管の排出開口が組成物を便器に供給することができるように排出管を配置することと、
(d)トイレの水を流すことにより、高位の液面と低位の液面との間のタンク内の水の下降が前記レベル検出部材に組成物より上の容器のヘッドスペース内の気圧を変化させ、この結果、空気を空気入口からヘッドスペース内に通気させ、低位の液面と高位の液面との間におけるタンク内の液体のその後の上昇が、レベル検出部材にヘッドスペース内の圧力を変化させ、この結果、組成物の排出管からの排出を規制することを含む、
トイレタンクを有するトイレの便器に組成物を供給するための方法。
【請求項18】
前記排出管の排出開口がトイレのオーバーフロー管内か又はその上に位置付けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記容器がトイレタンクの外壁の上端に取り付けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記容器がトイレタンクの外側に配置されるように前記容器がトイレタンクの外壁の上端に取り付けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ディスペンサがタンク内の液体の下降及び上昇の間に一定圧力で維持される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記一定圧力が大気圧である、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−510193(P2011−510193A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543135(P2010−543135)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/000248
【国際公開番号】WO2009/091566
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】